JP2764237B2 - コークス乾式消火設備における安全装置および非常放出弁 - Google Patents
コークス乾式消火設備における安全装置および非常放出弁Info
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Description
備における安全装置および非常放出弁に関し、ボイラチ
ューブに万一損傷が生じてガス循環系に多量の蒸気が漏
れ込んだ場合でも、蒸気を安全に循環系外に放出するよ
うにし、耐圧の低い部分の損傷を防止できるようにした
ものである。
ークスの製造に用いられるコークス乾式消火設備では、
冷却塔に投入された赤熱コークスを窒素などを主体とし
た不活性ガスを循環ファンで循環して消火冷却する一
方、その廃熱をボイラに導入して蒸気を作り、発電用や
高炉送風機タービン駆動用として利用する。
とえば図3に示すように、上部に炉蓋1およびプリチャ
ンバ2を備えた冷却塔3と廃熱回収用のボイラ4との間
にガス循環系5が設けられており、循環ファン6の吐出
側の配管が冷却塔3の下部に接続され、冷却後の循環ガ
スが冷却塔3の上部に接続された煙道によってボイラ4
に送られるようになっている。また、冷却塔3のプリチ
ャンバ2部分の圧力を大気圧状態に制御するため、循環
ファン6の吐出側の配管の途中に下部放散弁7と集塵放
散弁8がそれぞれ接続され、図示しない圧力制御器で制
御されるとともに、プリチャンバ2にも放散弁9が接続
してある。
一、ボイラ4のボイラチューブに損傷が生じて多量の蒸
気が漏れ出すと、ガス循環系5内に蒸気が漏れ込むこと
になり、ガス循環系5内の圧力が急激に上昇する。
など耐圧の低い部分が破壊する恐れがあり、従来は、蒸
気の漏れ込みが検知されたら、直ちに循環ファン6を停
止して下部放散弁7および集塵放散弁8を開放すると同
時に、冷却塔3の炉蓋1を開放し、大部分の蒸気を炉蓋
1部分から循環ガスとともに大気中に放出するようにし
ている。
らの漏れ込み蒸気の大部分を冷却塔3内を通過させて炉
蓋1から放出する場合には、蒸気が赤熱コークス層を通
過するため、下記(1) 式に示す水性ガス反応が生じ、ガ
ス循環系5内の水素や一酸化炭素等の可燃ガスの濃度が
上昇し、爆発に対する安全の確保が難しいという問題が
ある。
冷却塔3の炉頂部から放出されると、周囲の空気と接触
するため、火炎となって高く立ち昇り、周囲の装置を焼
損するという問題がある。
環境対策のため、冷却塔3の炉頂部を上家構造として囲
む場合もあり、かかる設備においては炉蓋1を開放して
上家内に循環ガスとともに蒸気を放出することはできな
い。
てなされたもので、ボイラチューブに破損が生じてガス
循環系に蒸気が漏れ込んでも冷却塔内を通過させずに安
全に放出することができるコークス乾式消火設備におけ
る安全装置および非常放出弁を提供しようとするもので
ある。
めこの発明のコークス乾式消火設備における安全装置
は、不活性ガスを循環させてコークスを冷却するコーク
ス乾式消火設備の冷却塔出口とボイラ入口との間の煙道
に非常放出弁を構成する放出管を設けるとともに、この
放出管に非常放出弁の弁体を設け、ガス循環系に万一ボ
イラから蒸気が漏れ込んだ場合の圧力上昇を検出してガ
ス循環系を停止するとともに、前記非常放出弁を開いて
漏れ込んだ蒸気を循環系外に放出する制御手段を設けた
ことを特徴とするものである。
非常放出弁は、一端がコークス乾式消火設備の冷却塔出
口とボイラ入口との間の煙道に連通され先端に向かって
拡がる放出管と、この放出管の先端に設けられ水封シー
ルでシール可能な弁体と、この弁体に設けられ当該弁体
を開閉駆動する開閉駆動機構と、この開閉駆動機構と独
立して弁体の自重とのバランスする内圧で自動開閉され
る自動開閉機構とを備えてなることを特徴とするもので
ある。
よれば、ガス循環系の冷却塔出口とボイラ入口との間の
煙道に非常放出弁を設けるようにし、蒸気の漏れ込みが
検知されると、制御手段で非常放出弁を開くようにして
おり、漏れ込み蒸気を冷却塔内を通過させて火炎とする
こと無く安全に系外に放出できるようにしている。
よれば、ガス循環系の冷却塔出口とボイラ入口との間の
煙道に非常放出弁を構成する放出管とその先端を塞ぐ弁
体とを設けるとともに、この弁体に開閉駆動機構と自動
開閉機構とを設けるようにし、蒸気の漏れ込みが検知さ
れると、制御手段により開閉駆動機構で非常放出弁を開
くようにし、漏れ込み蒸気を冷却塔内を通過させて火炎
とすること無く安全に系外に放出できるようにする一
方、爆発などの急激な圧力上昇が生じる場合には、弁体
に加わる内圧と自重とのバランスで開閉駆動機構と無関
係に自動開閉機構で弁体を自動的に開くようにして防爆
機能をなすようにしている。
細に説明する。図1はこの発明のコークス乾式消火設備
における安全装置の一実施例にかかる全体構成図であ
る。
置30が設置されるコークス乾式消火設備10は、赤熱
コークスCが入れられる冷却塔11を備えており、上端
に装入口12がその下方にプリチャンバ13が形成さ
れ、装入口12を炉蓋14で塞ぐことができるようにな
っており、装入口12と炉蓋14の周囲との間に水封シ
ール15が設けられて100mmAqG 程度の圧力までシー
ルできるようになっている。この冷却塔11と廃熱回収
用のボイラ16との間にガス循環系17が設けられてお
り、循環ファン18の吐出側の配管が冷却塔11の下部
に接続され、冷却後の循環ガス(高温)が冷却塔11の
上部に接続された煙道19および除塵器20を介してボ
イラ16に送られるようになっている。
の圧力を大気圧状態(0mmAqG )に制御するため、循環
ファン18の吐出側の配管の途中に下部放散弁21と集
塵放散弁22がそれぞれ接続され、圧力制御器23でい
ずれかを切り換えて制御されるとともに、プリチャンバ
13にも放散弁24が接続してある。
ンパ25が設けられ、循環風量を制御するようになって
いる。
は、環境対策のために冷却塔11の炉頂部の炉蓋14部
分が上家26内に設置されて囲まれた状態となってい
る。
ける安全装置30は、冷却塔11の出口とボイラ16の
入口との間の煙道19に非常放出口31が形成され、こ
の非常放出口31に非常放出弁32が取付けられ、ボイ
ラ16のチューブ損傷などによる漏れ込み蒸気が発生し
た場合にガス循環系17内に漏れ出す蒸気を系外に排出
するようにする。
への漏れ込み蒸気をガス循環系内の圧力上昇が冷却塔1
1の装入口12の水封シール15のシール状態が破壊し
ない程度の圧力状態(100mmAqG 未満)を保持しなが
ら漏れ込み蒸気の全量をこの非常排出弁32から排出で
きるものが使用される。
2の発明の一実施例を示す図2の断面構造のように、煙
道19の非常放出口31に連結される放出管33を備え
ている。この放出管33は、その入口部分である非常放
出口31との連結部分が円弧状に形成されるとともに、
出口に向かって緩やかに拡がる拡がり管になっており、
最少の圧力差で必要放出容量を確保できるようになって
いる。また、この放出管33の内側には、耐火材が取付
けてあり、最高温度が950℃となっても支障がないよ
うにしてある。
弁体34で開閉できるようになっており、閉じた状態で
は水封シール35でシールされるようになっている。こ
の水封シール35は放出管33の上端部外周に水封トラ
フ36が取付けられ、この水封トラフ36内に弁体34
の外周縁部が装着されるようになっている。
開閉駆動機構37と、この開閉駆動機構37と独立して
弁体34の自重と弁体34に加わる内圧とのバランスで
自動開閉するようにする自動開閉機構38とが設けられ
ている。
構38は、弁体34の中央部がアーム39の先端部にピ
ンで連結され、アーム39の基端部を放出管33の側壁
に取付けたブラケット40に支持軸41を介して支持す
ることで開閉可能とされ、この支持軸41にレバー42
が回動可能に取付けられ、レバー42の突出部43がア
ーム39の下側(開く方向の上流側)に位置するように
してある。そして、このレバー42の先端に、放出管3
3の側壁にピンで取付けられた開閉駆動用のシリンダ4
4のロッド45がピンで連結され、弁体34が閉じられ
た状態でロッド45が伸長されて連結してある。また、
弁体34の開度を規制するためストッパ46が設けら
れ、全開位置を規制するとともに、全開位置でも何等力
が加わらない場合には、弁体34の自重で閉じられるよ
うな開度(全開位置)にしてある。
開閉駆動用のシリンダ44のロッド45を縮めること
で、レバー42が図中時計回りに回動され、レバー42
の突出部43を介してアーム39が弁体34の自重に抗
して押し上げられるようになってストッパ46に当たる
まで弁体34が開かれる。
4が閉じられた状態で弁体34の自重より高い内圧が加
わると、弁体34とともにアーム39が回動されるが、
レバー42の突出部43がアーム39の下側に位置する
ことからレバー42とは無関係に弁体34およびアーム
39が突出部43からストッパ46の間で回動され、開
閉駆動機構37で弁体34が閉じられた状態でも無関係
に内圧と弁体34の自重(実際には、弁体34にアーム
39などの自重)のバランスにより弁体34の開閉が自
動的に行われる。
備の安全装置30では、通常運転の場合、非常放出弁3
2の弁体34が閉じられ、水封シール35でシールされ
た状態となっており、循環風量が入口ダンパ25で制御
され、冷却塔11のプリチャンバ13の圧力が下部放散
弁21または集塵放散弁22によって大気圧に制御され
ている。
なく、炉蓋14を開けて装入口12から赤熱コークスC
を冷却塔11内に投入することができる。
では、水封シール15で水封代100mm でシールされて入
るためプリチャンバ13内の高温ガスが上家26内に漏
れ出ることはない。
れ込み蒸気が発生した場合には、ガス循環系17内の圧
力が急激に上昇することになる。
に循環ファン18が停止され、入口ダンパ25が全閉に
されるとともに、非常放出弁32を全開とするため、開
閉駆動機構37のシリンダ44にロッド45を縮めるよ
う、作動流体供給装置47に制御手段48から制御信号
が出力される。
の装入口12の炉蓋14の間の水封シール15が切れる
とともに、非常放出弁32の水封シール35が切れ、一
時的に冷却塔11の装入口12および非常放出弁32か
らガス循環系17内の熱ガスが漏れ出る。
32が開閉駆動手段37で全開状態になるため、ガス循
環系17内の圧力が100mmAqG 未満で漏れ込み蒸気の
全量を非常放出弁32から放出し得る状態になる。
の漏れ出しは極短時間で止まることになる。
37で強制的に開放することで、現状のコークス乾式消
火設備10のボイラ16は、まずボイラチューブからの
蒸気の漏れ込みは考え難いが、万一、蒸気の漏れ込みが
発生しても上家26内の機器の火炎による損傷を最少限
にしてプラントを安全に停止状態に移行させることがで
きる。
の放出は、ボイラ16から煙道19を介して行われるた
め、蒸気が冷却塔11内の赤熱コークスCの層内を通過
するのを最少限にでき、水性ガス反応による水素や一酸
化炭素の濃度上昇を抑制することができる。
安全装置30では、非常放出弁32の弁体34に自動開
閉機構38を設けてあるので、開閉駆動機構37で弁体
34が閉じられた状態でもレバー42の突出部43とス
トッパ46との間で弁体34が自由に開閉でき、弁体3
4に加わる内圧と自重とのバランスで開閉され、爆発な
どが生じた場合には、非常放出弁32が開放され、防爆
機能をなす爆発口となり、ほかに爆発口を設ける必要が
なくなる。
4に加わる内圧がなくなると、自重で開じられるため、
水封シール35の水封トラフ36や弁体34に衝撃が加
わる恐れがあり、これを防止するための緩衝機構として
バネ49が水封トラフ36の支持軸41と反対側に取付
けられ、閉じられる弁体34を支持するようになってい
る。
ものでなく、この発明の要旨を変更しない範囲で各構成
要素に変更を加えるようにしても良い。
たようにこの発明のコークス乾式消火設備における安全
装置によれば、ガス循環系の冷却塔出口とボイラ入口と
の間の煙道に非常放出弁を設け、蒸気の漏れ込みが検知
されると、制御手段で非常放出弁を開くようにしたの
で、漏れ込み蒸気を冷却塔内を通過させて火炎とするこ
とを最少限として安全に系外に放出することができる。
出弁によれば、ガス循環系の冷却塔出口とボイラ入口と
の間の煙道に非常放出弁を構成する放出管とその先端を
塞ぐ弁体とを設けるとともに、この弁体に開閉駆動機構
と自動開閉機構とを設けるようにしたので、蒸気の漏れ
込みが検知される場合に制御手段により開閉駆動機構で
非常放出弁を開くようにして漏れ込み蒸気を冷却塔内を
通過させることを最少限として安全に系外に放出するこ
とができ、一方、爆発などの急激な圧力上昇が生じる場
合には、弁体に加わる内圧と自重とのバランスで開閉駆
動機構と無関係に自動開閉機構で弁体を自動的に開くよ
うにして爆発による危険を回避することができる。
装置の一実施例にかかる全体構成図である。
全装置の一実施例を示す断面構造図である。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 不活性ガスを循環させてコークスを冷却
するコークス乾式消火設備の冷却塔出口とボイラ入口と
の間の煙道に非常放出弁を構成する放出管を設けるとと
もに、この放出管に非常放出弁の弁体を設け、ガス循環
系に万一ボイラから蒸気が漏れ込んだ場合の圧力上昇を
検出してガス循環系を停止するとともに、前記非常放出
弁を開いて漏れ込んだ蒸気を循環系外に放出する制御手
段を設けたことを特徴とするコークス乾式消火設備にお
ける安全装置。 - 【請求項2】 一端がコークス乾式消火設備の冷却塔出
口とボイラ入口との間の煙道に連通され先端に向かって
拡がる放出管と、この放出管の先端に設けられ水封シー
ルでシール可能な弁体と、この弁体に設けられ当該弁体
を開閉駆動する開閉駆動機構と、この開閉駆動機構と独
立して弁体の自重とのバランスする内圧で自動開閉され
る自動開閉機構とを備えてなることを特徴とするコーク
ス乾式消火設備の非常放出弁。
Priority Applications (1)
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JP10191893A JP2764237B2 (ja) | 1993-04-05 | 1993-04-05 | コークス乾式消火設備における安全装置および非常放出弁 |
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- 1993-04-05 JP JP10191893A patent/JP2764237B2/ja not_active Expired - Fee Related
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