JP4124011B2 - 熱風炉燃焼室バーナー部の煉瓦積み替え時における保熱方法および装置 - Google Patents

熱風炉燃焼室バーナー部の煉瓦積み替え時における保熱方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、高炉熱風炉の燃焼室バーナー部の煉瓦を積み替える際の保熱方法、およびその方法の実施の際に使用する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高炉の長寿命化に伴い、高炉に付帯する熱風炉の稼働年数も延長されてきている。高炉改修時においても、徐冷もしくは保熱しつつ必要な補修を加えるのみで再稼働させる熱風炉も多く、改修以降25年以上が経過した熱風炉も稀ではない。
【0003】
このような熱風炉では、燃焼室のバーナー部の損傷が著しく、煉瓦の積み替え工事が必要となる場合がある。この工事を行うに際して、燃焼室の上部や蓄熱室上部の温度が、その部分を構成する珪石煉瓦の変態温度近傍の500〜600℃以下になると、煉瓦損傷を起こす可能性がある。そのため、例えば、特許文献1や特許文献2に示されるように、燃焼室のバーナーやその近傍部分を補修する際、前記バーナー部とその上方の煉瓦部の間に防熱装置を配置して燃焼室内を上下に分割し、前記防熱装置の上方に仮設燃焼バーナーを取り付け、この仮設燃焼バーナーで生成する高温の燃焼ガスを通過させることによって前記燃焼室の上部や蓄熱室上部の煉瓦を保熱する方法が採用されている。
【0004】
図2は、熱風炉の概略構成を示すとともに、従来の燃焼室バーナー部の煉瓦の積み替え方法を説明する図である。図2に示すように、熱風炉は、ガス弁4およびバーナー弁5を経て供給される燃料ガスと空気弁6を経て導入される燃焼用空気を混合し、燃焼する燃焼室1と、燃焼ガスの顕熱を蓄熱する蓄熱室2、および蓄熱室2から送られる熱風と冷風(外気)を混合し、高炉へ送風する熱風の温度制御を行うための混冷管3を備えている。前記燃焼室1内および蓄熱室2内の上部壁には、高温での熱膨張率が安定している珪石煉瓦が使用されている。また、燃焼室1内の下部にはバーナー部(図示せず)が設置されており、このバーナー部にも煉瓦が積まれている。
【0005】
前記蓄熱室2の下部には、煉瓦受け金物16(図中にはその上端部分の位置のみを表示した。下端は基礎に達している)が設けられており、これにより蓄熱室2内に30m以上の高さに積み上げられた蓄熱用煉瓦を支持している。また、蓄熱室2の下方部には、送風期に蓄熱室2に空気を送り込む送風弁12、および、燃焼期に燃焼ガスを煙突11へ排出するための煙道弁10が取り付けられている。
【0006】
なお、前記の燃焼室1や蓄熱室2内の各部には、図示していないが、煉瓦の温度、煉瓦受け金物16の温度を検出できるように、それぞれ温度検出器が取り付けられている。
【0007】
前記混冷管3の上方部には熱風と混合する冷風を導入するための混冷弁13が取り付けられ、下方部には混冷管3で温度制御された熱風を高炉へ送るための熱風弁9が設けられている。
【0008】
燃焼室1のバーナー部の煉瓦の積み替え工事を行う場合は、前記バーナー部とその上方の煉瓦部との間に防熱装置14を配置して燃焼室1内を上下に分割し、この防熱装置14の上方の燃焼室1の中部に仮設燃焼バーナー(以下、「保熱バーナー15」と記す)を取り付け、このバーナー15で燃料ガスを燃焼させて生成する高温の燃焼ガスを燃焼室1の上部から連結管20を経て蓄熱室2内を通過させることによりその部分の煉瓦を保熱する。蓄熱室2を通過した燃焼ガスは煙道弁10を経て燃焼室の下方に設けられている煙道を通過し、煙突11から大気中へ排出される。前記防熱装置14の下方であって燃焼室1下部においては煉瓦の積み替え工事が行われる。
【0009】
一方、前記燃焼ガスが蓄熱室2内を通過すると、その下部に設けられている煉瓦受け金物16の温度は次第に上昇する。煉瓦受け金物16は、通常、鋳物で構成され、400℃を超える温度では強度が低下するので、管理温度を設定して、煉瓦受け金物16の温度をこの管理温度以下に維持する必要がある。
【0010】
そのため、煉瓦受け金物16の温度がこの管理温度に達した段階で保熱バーナー15での燃焼を休止し、蓄熱室2の下部から送風を行って、煉瓦受け金物16を冷却する。なお、この送風は、通常の高炉への送風とは異なり、混冷管3の混冷弁13を通過して大気に排出されるので、以下、「擬似送風」という。煉瓦受け金物16の温度が十分に低下した後、再度保熱バーナー15に点火して保熱を行う。この「保熱」、「擬似送風」のサイクルを繰り返すことにより、珪石煉瓦を所定温度以上に保ちつつ、煉瓦受け金物温度を所定温度以下に維持することが可能となる。
【0011】
しかし、前記擬似送風を行う際には、煉瓦との熱交換により数百℃まで上昇した熱風が燃焼室1の上方を通過するので、燃焼室1下部に熱風が流れ込む可能性があり、作業者の安全を確保するため、擬似送風の間は煉瓦の積み替え工事を中断せざるを得ない。その際、作業者の炉外退避、保熱バーナーの消火等の擬似送風前の準備作業や、擬似送風終了後の炉内ガス分析、炉内温度調整等の復旧作業を要し、工事期間が延長する。そのため、擬似送風の回数を低減して工事期間の短縮を図るべく、煉瓦受け金物の温度の上昇を抑えることが課題とされてきた。
【0012】
この課題を解決するため、特許文献3では、煉瓦受け金物に冷風を吹き付けて冷却し、保熱バーナーの燃焼可能時間を延長する方法が提案され、長時間にわたって仮設燃焼バーナ(前記の保熱バーナーに同じ)の燃焼を継続することが可能であるとされている。この方法によれば、煉瓦の積み替え工事を中段せずに継続できる可能性はある。しかし、煉瓦の保熱に必要な熱量を完全に希釈するだけの冷風を導入することは困難と考えられる。また、冷却方法が不適切であると、受け金物の温度が局所的に上昇し、歪みを生じさせるおそれがあり、さらに冷気が蓄熱室の下部を攪拌し、かえって受け金物の温度を上昇させる可能性もある。
【0013】
【特許文献1】
特開平9-125120号公報
【特許文献2】
特開平7-18315号公報
【特許文献3】
特開2000-104107号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような実情に鑑みなされたもので、熱風炉の燃焼室バーナー部の煉瓦を積み替える際に、保熱バーナーの燃焼時間を延長して擬似送風の回数を低減し、煉瓦の積み替え工事の期間を短縮することができる熱風炉燃焼室のバーナー部煉瓦の積み替え時における保熱方法、およびこの方法を実施するための装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者がこの課題を解決するために検討を重ねることによって得られた知見を整理すると、以下のとおりである。
【0016】
▲1▼ 防熱装置の下部に熱風炉燃焼室のバーナー部煉瓦があり、そこには作業者の出入りや資材を搬入するための工事用開口部が設けられている。また、防熱装置の上部は、下部に対して負圧に制御され、熱風の下部への吹き出しを防ぎ、作業者の安全を確保している。
【0017】
▲2▼ 防熱装置の上部には保熱バーナーが設置され、その燃焼熱により熱風炉内の各部の煉瓦の温度が所定範囲内に維持されている。しかし、防熱装置の上部は下部に対して負圧に制御されているため、前記工事用開口部から漏れ込み空気が入り易く、本来の燃焼用空気とこの漏れ込み空気とが合わさって燃焼ガスの体積が増加し、その結果、総熱量が増加し易く、熱風炉内部での流速が増大するため、煉瓦受け金物の温度が高くなり易い。そのため、擬似送風作業の回数が増大して工事期間が延長する。
【0018】
▲3▼ これを防止するには、空気の漏れ込みをなくせばよいが、作業者の安全確保の観点からこれをなくすことは困難である。
【0019】
▲4▼ 漏れ込み空気量分に相当する燃焼ガスの一部を系外に放散して蓄熱室側に所定温度で所定量の燃焼ガスを送れば、煉瓦受け金物の温度の上昇を抑えて、擬似送風作業の回数を低減することができる。
【0020】
▲5▼ また、漏れ込み空気量が変動する場合には、放散量を調整することにより煉瓦受け金物の温度を微調整することができる。
【0021】
▲6▼ 放散方法としては、既存の混冷管を一部流用することが設備費低減の観点から望ましい。また、放散時に高温の燃焼ガスが混冷管内を通過するので、水冷ジャケット等で混冷管を冷却することが設備保護の観点から望ましい。
【0022】
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨は、下記(1)または(2)の燃焼室バーナー部の煉瓦積み替え時における保熱方法、および(3)のその実施に用いられる煉瓦積み替え時における保熱装置にある。
【0023】
(1)熱風炉燃焼室バーナー部の煉瓦積み替え時における燃焼室上部および/または蓄熱室上部の煉瓦の保熱方法であって、熱風炉の燃焼室のバーナー部と煉瓦部の間に燃焼室内を上下に仕切る防熱装置を取り付け、前記防熱装置の上方に仮設燃焼バーナーを配置し、前記仮設燃焼バーナーで燃料を燃焼させて生成する燃焼ガスを前記燃焼室の上部および蓄熱室を通過させることによりそれらの内部の煉瓦を保熱する際に、前記燃焼ガスの一部を熱風炉混冷管を使用して放散する熱風炉煉瓦積み替え時における保熱方法。
【0024】
(2)熱風炉燃焼室バーナー部の煉瓦積み替え時における燃焼室上部および/または蓄熱室上部の煉瓦の保熱方法であって、熱風炉の燃焼室のバーナー部と煉瓦部の間に燃焼室内を上下に仕切る防熱装置を取り付け、前記防熱装置の上方に仮設燃焼バーナーを配置し、前記仮設燃焼バーナーで燃料を燃焼させて生成する燃焼ガスを前記燃焼室の上部および蓄熱室を通過させることによりそれらの内部の煉瓦を保熱する際に、前記燃焼ガスの一部を熱風炉混冷管に取り付けられた冷風導入用の配管から分岐した仮設放散口より放散する熱風炉煉瓦積み替え時における保熱方法。
【0025】
前記(1)または(2)の煉瓦積み替え時における保熱方法において、混冷管を冷却することとすれば、設備保護の観点から望ましい。
【0026】
また、さらに、前記放散するガス量を調節することとすれば、蓄熱室側に所定温度で所定量の燃焼ガスを送ることができるので、望ましい。
【0027】
(3)熱風炉燃焼室バーナー部の煉瓦積み替え時における燃焼室上部および/または蓄熱室上部の煉瓦の保熱装置であって、熱風炉の燃焼室のバーナー部と煉瓦部の間に取り付け可能に構成された防熱装置と、前記防熱装置の上方に配置可能に構成された仮設燃焼バーナーと、熱風炉混冷管の上部に仮設され、前記仮設燃焼バーナーで燃料を燃焼させて生成する燃焼ガスの一部を放散するための仮設放散口を備える熱風炉煉瓦積み替え時における保熱装置。
【0028】
前記(3)の煉瓦積み替え時における保熱装置が、燃焼ガスの放散量を調節する制御装置を有するものであれば、放散量の調節を自動的に行うことができるので望ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の熱風炉燃焼室バーナー部の煉瓦積み替え時における保熱方法(以下、「本発明の煉瓦積み替え時における保熱方法」、または単に「本発明の方法」ともいう)、および、そのための装置(以下、「本発明の煉瓦積み替え時における保熱装置」、または単に「本発明の装置」ともいう)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明の煉瓦積み替え時における保熱方法を説明するための図である。この図には、熱風炉の概略構成も併せて示す。なお、熱風炉の構成は前記図2に示した構成と同じなので、ここでは説明を省略する。
【0031】
このような熱風炉において、本発明の燃焼室バーナー部の煉瓦積み替え時における保熱方法を実施するには、まず、燃焼室1内の上方の煉瓦部とバーナー部との間に防熱装置14を取り付ける。防熱装置14の下部には、防熱装置の挿入、設置、資材の搬入、および作業者の出入りのための開口部(図示せず)が設けられている。この防熱装置14は遮熱性を有するとともに、燃焼室1内を上下に2分割し、上側の燃焼ガスや擬似送風時の熱風の下側への漏洩を阻止する機能(シール性)を備えている。ただし、防熱装置14に完全な気密性を持たせることは難しく、作業者の安全性を確保するため、上部は下部に対して常に負圧に制御し、熱風の下部への吹き出しを防止している。
【0032】
続いて、防熱装置14の上部に保熱バーナー15を配置し、燃料ガスを燃焼させて生成する燃焼ガスを燃焼室1の上部から蓄熱室2へ通過させる。燃焼室1内および蓄熱室2内の上部壁に使用されている珪石煉瓦を含め、内部の煉瓦は高温の燃焼ガスにより加熱され、煉瓦の温度は上昇して保熱が行われる。なお、前記通過させた燃焼ガスは、煙道弁10を経て燃焼室1の下方に設けられている煙道(図示せず)を通過し、煙突11から大気中へ排出される。
【0033】
この保熱工程においては、燃焼ガスは高温であることが好ましく、一定の熱量を熱風炉煉瓦に与えるために、保熱バーナーの燃焼温度は、珪石煉瓦を保熱するために十分な燃焼温度になるように設定される。しかし、その温度はバーナー先端での理論燃焼温度であり、実際のバーナーでの燃焼温度を反映していない。すなわち、実際には、防熱装置の設置、資材の搬入等の工事のための開口部からの漏れ込み空気が存在するため、燃焼室内で燃焼ガスと混合され、実際の燃焼ガス温度は理論燃焼温度よりも低くなる。その結果、燃焼ガスは理論上よりも低温で、かつ体積が増加する。体積の増加により熱風炉内部での流速が増大し、伝熱係数が大きくなるため、煉瓦受け金物の温度の上昇が促進される。
【0034】
これを防止するためには、空気の漏れ込みをなくせばよいが、防熱装置の下部への熱風の吹き出しを防止して作業者の安全性を確保するため、下部に対して上部を負圧に制御し、常に「吸込み」をかけるようにしており、空気の漏れを完全になくすことは困難である。
【0035】
そこで、本発明の方法では、燃焼ガスの一部を系外へ放散する。なお、このとき、燃焼ガスには漏れ込み空気が既に混入しているので、厳密にいえば、燃焼ガスの一部と混入した空気とを合わせ放散することになる。この放散によって、空気の漏れ込みがあっても蓄熱室側に所定温度で所定量の燃焼ガスを送ることが可能となる。
【0036】
放散は、後述するように、例えば仮設煙突等、仮設の放散口を設けて行う。放散口は燃焼室本体に取り付けることも可能であるが、燃焼室の内部には煉瓦が積まれているため、その復旧に時間を要し、また、取り付けの際の煉瓦解体時に本体の煉瓦を損傷させる等の問題点があるので、好ましい手段とはいえない。したがって、混冷管3の一部を流用して、その上部の外気導入用の配管7の煉瓦積みのない部分に仮設煙突等の放散口を仮設することが望ましい。この場合、あらかじめ配管7から分岐した別の配管を設けておき、その配管に前記のように仮設放散口を取り付けてもよい。
【0037】
燃焼ガスを放散する際には高温のガスが流れるので、混冷管3本体、および配管7の煉瓦を内張りしていない部分は水冷ジャケット等により冷却することが、設備のメンテナンス上望ましい。
【0038】
また、放散するガス量を調節することとすれば、すなわち、漏れ込み空気量が変化する場合、その変化に応じて放散量を加減すれば、漏れ込み空気量が増大した場合でも放散量を増大させて煉瓦受け金物16の温度の上昇を抑えることができる。
【0039】
前記バーナー部の煉瓦積み替え作業は高炉の休止期間中、または高炉操業中、いずれの場合においても実施可能である。
【0040】
このように、本発明の方法によれば、空気の漏れ込みがある場合においても、最適な保熱条件を維持することができ、煉瓦受け金物の温度上昇を抑制できる。その結果、受金物冷却のための擬似送風の回数を少なくすることができ、燃焼室バーナー部の煉瓦積み替えの工事期間を短縮することが可能となる。
【0041】
本発明の煉瓦積み替え時における保熱装置は、上記本発明の方法を実施する際に用いられる装置である。
【0042】
この装置は、前記図1に示したように、燃焼室1のバーナー部と煉瓦部の間に取り付け可能に構成された防熱装置14と、前記防熱装置14の上方に配置可能に構成された保熱バーナー15と、前記保熱バーナー15での燃料燃焼で生成した燃焼ガスの一部を放散する仮設放散口8を備える装置である。
【0043】
前記防熱装置14としては、前掲の特許文献1、特許文献2にも記載されているように、様々な形態のものが提案されており、これらを含めて従来から慣用されている形態のものを適用することができる。
【0044】
保熱バーナー15についても特に限定はなく、従来使用されているものが適用できる。
【0045】
仮設放散口8としては、煙突型のものが一般的であるが、その形態に限定はない。保熱バーナー15からの高温の燃焼ガスの一部を支障なく大気中に放散できる機能を有するものであればよい。
【0046】
図1に示した例では、仮設煙突8aが用いられている。この仮設煙突8aは、熱風炉混冷管3の上方部に取り付けられている冷風導入用の配管7の途中に設けられている。さらに、水冷ジャケット17が取り付けられている。なお、図1中に、一点鎖線で区画してその上方を「煉瓦有り」、下方を「煉瓦無し」と表示しているのは便宜的な表示で、内張り煉瓦のない部分の全部または一部には水冷ジャケット17を取り付けることを表している。
【0047】
この例では、さらに、仮設煙突8aの出側先端に、油圧機構18で作動する開閉蓋19が取り付けられている。ただし、圧空または電動等で開閉する開閉蓋であればよい。この開閉蓋19の開度を調節することにより燃焼ガスの放散量を調節することができる。
【0048】
前記本発明の装置が、さらに、燃焼ガスの放散量を調節する制御装置を有するものであれば、燃焼室1や蓄熱室2内の各部および煉瓦受け金物16に取り付けられた温度検出器で検出した温度信号を制御装置に入力し、それに応じて開閉蓋19の開度を調節する信号を出力することにより、漏れ込み空気量が変動する場合であっても放散量の調節を自動的に行うことができる。この場合、例えば、燃焼室や蓄熱室上部の珪石煉瓦の温度と放散量との関係、および煉瓦受け金物16の温度と放散量との関係をあらかじめ経験的に把握しておけば、その関係に基いてプログラムを設定し、放散量の調整の自動化ができる。
【0049】
この燃焼室バーナー部の煉瓦積み替え時における保熱装置を用いれば、前記本発明の方法を容易に実施することができる。
【0050】
【実施例】
内容積2700m3の高炉に付帯するコッパース外燃式熱風炉において、本発明の方法を適用して燃焼室バーナー部の煉瓦の積み替えを実施し、珪石煉瓦および煉瓦受け金物の温度の推移と、擬似送風の実施回数を調査した。
【0051】
なお、この調査、および比較のために行った従来の方法による煉瓦の積み替えでの調査において、珪石煉瓦の温度は、蓄熱室の上部で測定した温度であり、受け金物の温度は、15点測定した温度の最大値である。また、珪石煉瓦および煉瓦受け金物の温度の管理基準は、余裕代を考慮して、珪石煉瓦の温度については600℃以上、煉瓦受け金物の温度については300℃以下とした。
【0052】
図3に、本発明の方法を適用して行った煉瓦の積み替え工事の工程と、工事期間中における珪石煉瓦および煉瓦受け金物の温度の推移を示す。なお、この煉瓦の積み替え工事では、前記の図1に示した構成を有する本発明の煉瓦の積み替え時における保熱装置を使用した。
【0053】
図3において、実績工程の欄に示すように、まず、休風にて補修当該炉を高炉本体と切り離した後、工事準備として燃焼室1の所定箇所に設けてあるマンホールを開口して、必要資材を持ち込み、防熱装置を取り付け、保熱バーナーを配置した。さらに、図1に示したように、燃焼ガスの仮設放散口として仮設煙突8aを取り付けた。その後、燃焼室バーナー部の積み替え対象部分の煉瓦を解体し(「煉瓦解体」工程)、燃焼室バーナー用煉瓦を支持する煉瓦受け金物を新たなものに更新した(「金物撤去取付」工程)。
【0054】
続いて、前記解体した部分の煉瓦積みを行い、キャスタブルを施工して煉瓦の積み替えを完了した(「煉瓦積及びキャスタブル流込み」工程)。その後、防熱装置、保熱バーナーおよび仮設煙突を取り外し、マンホールを閉止した(「防熱装置取外、M/H遮蔽」工程)。最後に、復旧休風にて補修した熱風炉を高炉本体へつなぎ込み、燃焼室バーナー部の煉瓦積み替え工事を終了した。切替休風と復旧休風の期間を除いた正味の工事期間は、17.5日(418時間50分)であった。
【0055】
図4に、従来の方法により行った煉瓦の積み替え工事の工程と、珪石煉瓦および煉瓦受け金物の温度の推移を示す。この煉瓦の積み替え工事では、前記の図2で説明した防熱装置および保熱バーナーを使用した。
【0056】
図4において、工事準備として燃焼室1の所定箇所に設けてあるマンホールを開口して、必要資材を持ち込み、防熱装置を取り付け、前記図3に示した本発明の方法による煉瓦積み替え工事の場合と同様の「煉瓦解体」工程、「金物撤去取付」工程、「煉瓦積及びキャスタブル流込み」工程を経た後、防熱装置を取り外し、マンホールを閉止し、燃焼室内を昇温して施工箇所を乾燥した。その後、復旧休風に入り、全工事を終了した。切替休風と復旧休風の期間を除いた正味の工事期間は、20.5日(491時間50分)であった。
【0057】
図3および図4に示した珪石煉瓦および煉瓦受け金物の温度の推移を比較すると、図4に示した従来の方法により行った煉瓦の積み替え工事では、煉瓦受け金物の温度上昇速度が大きく、24時間に1回程度、合計20回の擬似送風を行う必要があった。これに対して、本発明の方法を適用した場合は、煉瓦受け金物の温度の上昇速度を大幅に抑制することが可能となり、擬似送風を8回に低減することができ、その結果、工事期間を約3日短縮することができた。
【0058】
【発明の効果】
本発明の熱風炉燃焼室バーナー部の煉瓦積み替え時における保熱方法によれば、煉瓦受け金物の温度の上昇を抑えることができ、この受け金物の温度を所定温度以下に維持したまま、長時間にわたって保熱バーナーでの燃焼を継続させることが可能である。これにより、擬似送風の回数を減少させることができ、煉瓦積み替えの工事期間を短縮することができる。また、本発明の煉瓦積み替え時における保熱装置によれば、本発明の方法を容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の煉瓦積み替え時における保熱方法を説明するための図である。
【図2】熱風炉の概略構成を示すとともに、従来の燃焼室バーナー部の煉瓦の積み替え時における保熱方法を説明するための図である。
【図3】本発明の方法を適用して燃焼室バーナー部の煉瓦の積み替えを実施した場合の工事工程、ならびに、珪石煉瓦および受け金物の温度の推移を示す図である。
【図4】従来の方法を適用して燃焼室バーナー部の煉瓦の積み替えを実施した場合の工事工程、ならびに、珪石煉瓦および受け金物の温度の推移を示す図である。
【符号の説明】
1:燃焼室
2:蓄熱室
3:混冷管
4:ガス弁
5:バーナー弁
6:空気弁
7:配管
8:仮設放散口
8a:仮設煙突
9:熱風弁
10:煙道弁
11:煙突
12:送風弁
13:混冷弁
14:防熱装置
15:保熱バーナー
16:煉瓦受け金物
17:水冷ジャケット
18:油圧機構
19:開閉蓋
20:連結管

Claims (6)

  1. 熱風炉燃焼室バーナー部の煉瓦積み替え時における燃焼室上部および/または蓄熱室上部の煉瓦の保熱方法であって、熱風炉の燃焼室のバーナー部と煉瓦部の間に燃焼室内を上下に仕切る防熱装置を取り付け、前記防熱装置の上方に仮設燃焼バーナーを配置し、前記仮設燃焼バーナーで燃料を燃焼させて生成する燃焼ガスを前記燃焼室の上部および蓄熱室を通過させることによりそれらの内部の煉瓦を保熱する際に、前記燃焼ガスの一部を熱風炉混冷管を使用して放散することを特徴とする熱風炉煉瓦積み替え時における保熱方法。
  2. 熱風炉燃焼室バーナー部の煉瓦積み替え時における燃焼室上部および/または蓄熱室上部の煉瓦の保熱方法であって、熱風炉の燃焼室のバーナー部と煉瓦部の間に燃焼室内を上下に仕切る防熱装置を取り付け、前記防熱装置の上方に仮設燃焼バーナーを配置し、前記仮設燃焼バーナーで燃料を燃焼させて生成する燃焼ガスを前記燃焼室の上部および蓄熱室を通過させることによりそれらの内部の煉瓦を保熱する際に、前記燃焼ガスの一部を熱風炉混冷管に取り付けられた冷風導入用の配管から分岐した仮設放散口より放散することを特徴とする熱風炉煉瓦積み替え時における保熱方法。
  3. 前記熱風炉混冷管を冷却することを特徴とする請求項1または2に記載の熱風炉煉瓦積み替え時における保熱方法。
  4. 前記放散するガス量を調節することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の熱風炉煉瓦積み替え時における保熱方法。
  5. 熱風炉燃焼室バーナー部の煉瓦積み替え時における燃焼室上部および/または蓄熱室上部の煉瓦の保熱装置であって、熱風炉の燃焼室のバーナー部と煉瓦部の間に取り付け可能に構成された防熱装置と、前記防熱装置の上方に配置可能に構成された仮設燃焼バーナーと、熱風炉混冷管の上部に仮設され、前記仮設燃焼バーナーで燃料を燃焼させて生成する燃焼ガスの一部を放散するための仮設放散口を備えることを特徴とする熱風炉煉瓦積み替え時における保熱装置。
  6. 前記放散するガス量を調節する制御装置を有することを特徴とする請求項5に記載の熱風炉煉瓦積み替え時における保熱装置。
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