JP2764030B2 - コンクリートの粘性低減剤 - Google Patents

コンクリートの粘性低減剤

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JP2764030B2 JP13981296A JP13981296A JP2764030B2 JP 2764030 B2 JP2764030 B2 JP 2764030B2 JP 13981296 A JP13981296 A JP 13981296A JP 13981296 A JP13981296 A JP 13981296A JP 2764030 B2 JP2764030 B2 JP 2764030B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ベントナイトから
なる高性能減水剤を含有するコンクリートの粘性低減剤
に関するものである。本発明のコンクリートの粘性低減
剤は、一般土木・建築構造物やコンクリート製品への汎
用化を促すものである。また、本発明では、モルタル又
はコンクリートを総称してコンクリートという。 【0002】 【従来の技術とその課題】従来、高性能減水剤は、一般
に生コン工場などで普及しているリグニンスルホン酸塩
系やポリオール系など、通常の減水剤と比較すると、セ
メントに比較的多量に添加しても、凝結遅延性や空気連
行性が小さく、かつ、高減水率を有し、高強度なコンク
リートが容易に製造できるという良好な性質を有してい
る。 【0003】しかしながら、高性能減水剤を添加したコ
ンクリートは、通常の減水剤を添加したコンクリートと
比較すると、まだ固まらない状態のコンクリートにおい
て、水飴のように粘性が強くなることやブリージングが
生じないことなどの全く異った特性が示され、施工時に
おいて次のような課題が生じている。 【0004】即ち、粘性が強いという特性からは、施工
場所に傾斜があるとコンクリートが下の方にダレたり、
又は、ズリ下ってきたりして施工ができないという課題
があった。以上のように、高性能減水剤は、通常の減水
剤と比較して高強度コンクリートを製造する場合は、極
めて優れている反面、前述の課題を有するため、一般の
土木・建築構造物に汎用として普及していないし、コン
クリート製品工場においても、プレキャスト部材など、
打ち込み面積の大きいものでは、前置き養生中に乾燥ひ
びわれを生じたり、表面仕上げ性が不良のため、普及し
にくい面を有しており、その解決が切望されていた。 【0005】しかしながらこれらの課題を直接的に解決
し、高性能減水剤の汎用化を促がすような技術は今のと
ころ認められないものであった。 【0006】本発明者は、高性能減水剤を添加したコン
クリートの粘性をなくす面より鋭意検討した結果、ベン
トナイトを配合することにより、前記課題が解決できる
知見を得て本発明を完成するに至った。 【0007】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、セメン
ト100重量部に対して、ベントナイトを0.1〜6.
0重量部と高性能減水剤を含有する、地上で使用するこ
とを特徴とするコンクリートの粘性低減剤である。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の高性能減水剤とは、ポリアルキルアリルスルホ
ン酸塩系やメラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系など
を示す。一般に市販されている高性能減水剤は、上記い
ずれかを主成分とするものであるが、上記のものを主成
分としないものでも粘性が強く、ブリージングが生じな
いなどの特性を有する減水剤は、本発明の高性能減水剤
として使用し得る。 【0009】具体的には、ポリアルキルアリルスルホン
酸塩系としては、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合
物系、メチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物
系、及びアントラセンスルホン酸ホルマリン縮合物系等
が挙げられ、市販品としては、花王社製商品名「マイテ
ィ100」や「マイティ150」など、第一工業製薬社製商品名
「セルフロ−110P」等、竹本油脂社製商品名「ポールフ
ァイン510N」等、山陽国策パルプ社製商品名「サンフロ
−PS」や「サンフロ−PSR 」など、電気化学工業社製商
品名「FT-500」等がある。 【0010】また、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸
塩系としては、昭和電工社製商品名「メルメントF-10」
や「メルメントF-20」など、及び日曹マスタービルダー
ズ社製商品名「NL-4000」等が挙げられる。 【0011】これら高性能減水剤の配合量は、セメント
100重量部に対して、固形分換算で0.25〜5重量
部が好ましく、0.35〜3重量部がより好ましく、
0.45〜2重量部が最も好ましい。0.25重量部未
満では、高性能減水剤としての減水性等本来の効果は期
待できず、5重量部を越えても、減水率の向上は期待で
きないし、経済性も悪くなり好ましくない。 【0012】本発明に係るベントナイトは、高性能減水
剤と配合しコンクリートに添加することにより、コンク
リートの粘性を低下させる効果を有するものである。 【0013】有機ベントナイトを含むベントナイトは特
に密に原子が配列された面が互いにやや弱い結合力で平
行に並んでいる結晶構造を有するものである。ベントナ
イトは、例えば5μ以下でなければならない等というよ
うに、粒度等において特別限定されるものではなく、市
販品の粒度がそのまま使用でき、特に調整したりする必
要はない。例えば、膨潤度が同程度であれば200メッ
シュ品又は400メッシュ品のものでも効果に差はな
い。ベントナイトの市販品は、通常、200メッシュ品
とか、300メッシュ品とか、400メッシュ品などと
して市販されている。ここで、200メッシュ品の粒度
分布の一例としては、150μ上が10重量%、90〜
150μが20重量%、63〜90μが17.4重量
%、及び63μ下62.6重量%などがある。 【0014】ベントナイトの配合量は、セメント100
重量部に対して、0.1〜15重量部程度添加されるよ
うにするのが好ましいが、ベントナイトの種類、コンク
リート温度、及び高性能減水剤の配合量等によって、ベ
ントナイトの適性配合量は異なるので一律に規定するこ
とはできない。種々の変動要因を考慮してもベントナイ
トの配合量が0.1重量部未満では、配合効果は期待で
きず、15重量部を越えると、高性能減水剤の有する減
水率を極端に低下させる場合もあるので好ましくない。 【0015】例えば、高性能減水剤をセメント100重
量部に対して1.0重量部、コンクリート温度を20℃
とした場合、ベントナイトの膨潤度によって、ベントナ
イトの配合量は異なり、膨潤度が15では、セメント1
00重量部に対して、1.0〜6重量部で十分効果を発
揮し、それより高膨潤度のもの、例えば、膨潤度25程
度のものでは、その半分以下でも添加効果を発揮する。
また、温度がこれより高いと少い量で効果を発揮させる
ことができ、低い場合は、その反対となる。 【0016】本発明では、更にアルカリ無機塩を使用す
ることもできる。本発明に係るアルカリ無機塩として
は、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、
重亜硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、塩化物、ケイ酸塩、ア
ルミン酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、チオ硫酸塩、及びロ
ダン酸塩等や、各種水酸化物、並びに、ナトリウムやカ
リウムの明ばん類等が挙げられる。 【0017】ここで、塩としては、リチウム、ナトリウ
ム、及びカリウム等のアルカリ金属塩や、カルシウムや
マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩などが挙げられ
る。また、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウ
ム、及びマグネシウム等の水酸化物も同様に使用可能で
ある。 【0018】これらのうち、リチウム、ナトリウム、及
びカリウムの炭酸塩、重炭酸塩、ケイ酸塩、アルミン酸
塩、及び水酸化物、明ばん類、並びに、マグネシウムの
硫酸塩等の使用が好ましい。 【0019】これらのアルカリ無機塩は、ベントナイト
の効果を助長するものであり、その配合量は、セメント
100重量部に対して、無水物換算で、多くとも1.0
重量部が好ましく、0.1〜0.5重量部がより好まし
い。1.0重量部を越える配合量では、配合効果がそれ
以上改善されないか、又は、それによって偽凝結や急結
などを生ずる場合もあり好ましくない。なお、アルカリ
無機塩の併用は、ベントナイトの添加量を低下しても十
分添加効果を発揮し得るものである。 【0020】本発明の各材料の混合方法や配合方法など
は、特に限定されるものではなく、各材料のセメントに
対する配合量範囲で予じめ混合しておいて添加しても良
いし、高性能減水剤が液状であれば適当量の水を加え、
スラリー組成物として使用しても良く、さらには、コン
クリート製造時、各材料をそれぞれ別々に添加する使い
方でも効果は全く変らないものである。 【0021】本発明のセメント混和材を添加するセメン
トとしては、各種ポルトランドセメント、混合セメント
の他、スラグ粉末をベースとした水硬性材料、急硬性の
変性ポルトランドセメント、及びアルミナセメント等が
挙げられ、その他、セッコウやドロマイトプラスターな
どの使用も可能である。 【0022】また、本発明で使用する骨材は、通常の骨
材を使用するものである。ここで、通常の骨材とは、土
木学会 RC示方書で規定しているように、例えば、細
骨材である砂の粒度は、5mm下が90〜100重量%、
2.5mm下80〜100重量%、1.2mm下50〜90
重量%、0.6mm下25〜65重量%、0.3mm下10
〜35重量%、及び0.15mm下2〜10重量%の範囲
に入るものであり、骨材が細かすぎると単位水量が多く
なり、強度が低下する傾向がある。 【0023】 【実施例】以下、実施例にて本発明を詳しく説明する。 実施例1 単位セメント量450kg/m3 で、水、砂、及び砕石の単
位量をそれぞれ、180kg/m3 、796kg/m3 、及び9
84kg/m3 とし、Gmax(最大骨材寸法)15mm、S/a
(細骨材率)45%、W/C (水セメント比)40%、ai
r 量1.0%、SL(スランプ)10±2cmのコンクリー
ト配合を基本コンクリート配合として、表1に示すよう
に、高性能減水剤とベントナイトの種類と配合量をかえ
て、コンクリートを混練し、粘性の程度のテストを行っ
た。 【0024】粘性測定は図1に示されるウイルスナップ
型プラストメーターを試料容器のみコンクリート用に改
造して用いて、行った。 【0025】この装置と試験方法は、図1に示されるよ
うに、垂直に落下するようにした、重量2.376gの
プランジャー1に任意の重量のウエイト2を追加できる
ようにして、試料容器3にコンクリートを満たし平滑に
した後、カラー4を継ぎたし装置にセットする。次にプ
ランジャー先端が試料容器の中心のコンクリート表面に
接するようにして一度ネジ5で固定する。その後、適当
な重量のウエイトを選んで乗せ、プランジャーの固定を
解除し、プランジャーが、例えば、10cm前後と5cm前
後まで貫入して止まるようにし、2種類の選択したウエ
イトの重量と貫入した深さから比例計算によって7.5
cmでプランジャーが貫入して止まる時のウエイト重量を
求めるものである。この時同程度のスランプ(SL)でウエ
イト重量が小さい程、ペネトラビリティ(貫通性)が良
好で粘性が消えたと判断するものである。 【0026】<使用材料> セメント:電気化学工業社製、普通ポルトランドセメン
ト 砂 :新潟県姫川産、川砂 砕石 :新潟県姫川産、砕石 高性能減水剤A:第一工業製薬社製、商品名「セルフロ
−110P」粉体、主成分ポリアルキルアリルスルホン酸塩
系 高性能減水剤B:昭和電工社製、商品名「メルメントF-
10」粉体、主成分メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩 高性能減水剤C:昭和電工社製、商品名「メルメントF-
20」粉体、主成分メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩 高性能減水剤D:電気化学工業社製商品名「FT-500」固
形分45%の液体、主成分ポリアルキルアリルスルホン
酸塩系 ベントナイトa:メーカー公称ACC法による膨潤度1
5程度、200メッシュパス90重量% ベントナイトb:メーカー公称ACC法による膨潤度2
5以上、200メッシュパス80重量% ベントナイトc:有機ベントナイト なお、コンクリート配合に、高性能減水剤を配合する
と、同一スランプを得るのに少ない単位水量ですむわけ
であるが、セメント、砂、及び砕石等を補正することな
く、単に単位水量を減らしてスランプを合せた。また、
セメントに添加する本発明のセメント混和材の量は、す
べてセメントとセメント混和材の合計100重量部に対
する重量部である。コンクリートは容量100リットル
の強制練りミキサーで60リットル分のコンクリートを
3分間混練し、所定の試験を行った。結果を表1に併記
する。コンクリート温度は20℃、ペネトラビリティ測
定は20℃の室内で、ひびわれ観察は30℃、RH60
%とした室内で5時間後観察した。 【0027】 【表1】【0028】表1から明らかなように,高性能減水剤だ
けでは、その配合量が多くなる程コンクリートの粘性が
増すので、プランジャーを7.5cm貫入させるためのウ
エイト重量が重くなることが示される。 【0029】また、本発明のセメント混和材では、高性
能減水剤が、セメント100重量部に対して、0.25
重量部以上、ベントナイトは、その種類によって異る
が、セメント100重量部に対して、0.1重量部以上
でプランジャーを7.5cm貫入させるためのウエイト重
量が軽くなる。即ち、コンクリートの粘性は低下する。 【0030】実施例2 実施例1で使用した基本コンクリート配合を用い、セメ
ント100重量部に対して、高性能減水剤Aを1.0重
量部、重炭酸ナトリウムを0.2重量部と、及び表2に
示すようにベントナイトbの添加量を変えたこと以外
は、実施例1と同様に行った。結果を表2に併記する。 【0031】 【表2】【0032】表2から明らかなように、ベントナイト無
添加では、全く効果が示されないが、無機塩である重炭
酸ナトリウムとベントナイトを併用すると、無機塩は、
ベントナイトの添加効果を助長し、特に、ベントナイト
が0.2重量部以上で、添加効果を発揮する。 【0033】実施例3 実験No.1-20 の配合を用い、表3に示すように無機塩の
種類と、セメント100重量部に対する配合量を変えて
実施例1と同一条件でプランジャーの貫入試験を行っ
た。結果を表3に併記する。 【0034】 【表3】【0035】なお、結晶水の有する無機塩は無水物換算
し、市販の1級試薬を用いた。表3中の実験 No.3-1 は
実験 No.1-20の本発明を再度試験したもので、これと比
較すると、無機塩をさらに併用した場合、プランジャー
が7.5cm貫入して止る時のウエイト重量はさらに軽く
なり、粘性がさらに消えたと解される。 【0036】 【発明の効果】本発明のコンクリートの粘性低減剤を使
用することによって、高性能減水剤を単独で添加した場
合の課題である、粘性が大きい等をカバーしプラスチッ
クで斜面でダレたりズレ下ったりしない。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のダレ性であるペネトラビリティを測定
する装置の模式図である。 【符号の説明】 1:プランジャー 2:ウエイト 3:試料容器 4:カラー 5:ネジ 6:スケール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−92952(JP,A) セメント技術年報 39 昭和60年 第 102−105頁 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 14/10 C04B 22/08 C04B 28/00 C04B 14:10 C04B 22:08 C04B 103:32

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.セメント100重量部に対して、ベントナイトを
    0.1〜6.0重量部と高性能減水剤を含有する、地上
    で使用することを特徴とするコンクリートの粘性低減
    剤。
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