JP4861658B2 - 放射性廃棄物処理施設の造成方法 - Google Patents

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本発明は、廃棄物処理施設の造成方法に係り、特に、廃棄物が放射性廃棄物であり、その放射性廃棄物を地中に埋めて廃棄する廃棄物処理施設の造成方法に関する。
放射性廃棄物を廃棄するにあたり、たとえば放射性廃棄物をガラス質の素材に溶け込ませ、これを鉄鋼製の容器に鋳込んで地層内に埋め込む放射性廃棄物地層処分(以下「地層処分」という)が行われることがある。この地層処分においては、放射性廃棄物を確実に隔離するために、粘土質材料による人口バリアが構築される。
人口バリアの構築を行う方法としては、ベントナイトブロックを積み上げる方式や、現場での締固めによる方式が知られている。このうち、ベントナイトブロックを積み上げる方式は、工場などで作製したベントナイトブロックを現場に搬入し、吸引把持し、またはクレーンで吊り上げるなどして定置するものである。一方の現場締固めによる方式は、振動ローラ、コンクリートはつり機を改良した空圧式打撃ハンマ、重錘落下式自動締固め機械などでの転圧をそれぞれ施すものである。このような放射性廃棄物を廃棄するための方法として、たとえば特許第3054728号公報(特許文献1)に開示された廃棄物処理施設、特開2000−193796号公報(特許文献2)に開示された埋め戻し方法およびブロックの製造方法がある。
特許第3054728号公報 特開2000−193796号公報
ところが、ベントナイトブロックを積み上げる方式では、大型のジャッキなどを備えた大掛かりなプラントが必要となり、現場締固めによる方式では、大型の振動ローラや転圧装置を用いる必要があり、やはり大掛かりなものとなってなる。このように、従来の方式では、いずれにしても大掛かりな装置等を要するという問題があった。
また、これらの方式では、大掛かりなプラントや大型の振動ローラを用いている。このため、広い範囲での人口バリアの構築を行うのは容易であるものの、狭隘な部分に人口バリアを構築するのが困難であるという問題もあった。
そこで、本発明の課題は、大掛かりな装置を要することなく、しかも狭隘な部分にも容易に止水層を形成することができる廃棄物処理施設の造成方法を提供することにある。
上記課題を解決した本発明に係る放射性廃棄物処理施設の造成方法は、地中に放射性廃棄物を埋め、放射性廃棄物の周囲に止水性を有する人工バリアを形成する放射性廃棄物処理施設の造成方法であって、乾燥密度が1.8Mg/m 〜1.9Mg/m であるベントナイトを含む主材料と、ベントナイトの層間陽イオンと同種の陽イオンを含有する層間陽イオン含有水とを含んで構成されるベントナイト系材料を生成し、ノズルを用いて、ベントナイト系材料を人工バリア形成位置である坑道内に吹き付けて、坑道をベントナイト系材料で埋め尽くすことにより、人工バリアを形成することを特徴とする。
また、地中に放射性廃棄物を埋め、放射性廃棄物の周囲に止水性を有する人工バリアを形成する放射性廃棄物処理施設の造成方法であって、ベントナイトを含む主材料と、ベントナイトの層間陽イオンと同種の陽イオンを含有する層間陽イオン含有水とを含んで構成され、主材料に対する前記層間陽イオン含有水の含水比が15〜30%の間に調整されているベントナイト系材料を生成し、ノズルを用いて、ベントナイト系材料を人工バリア形成位置である坑道内に吹き付けて、坑道をベントナイト系材料で埋め尽くすことにより、人工バリアを形成することを特徴とする。
本発明に係る廃棄物処理施設の造成方法では、いわゆる吹付け工法と同様の方法によってベントナイト系材料を止水層形成位置に吹き付けて、止水層を形成する。このように、ベントナイト系材料の吹き付けを行って、止水層を形成することにより、大掛かりな装置等が不要となる。また、狭隘な部分にも容易に止水層を形成することができる。
また、ベントナイトの乾燥密度が1.8Mg/m 〜1.9Mg/m であることにより、止水層の乾燥密度をより高くしながら、ベントナイト系材料の付着率をより高くすることができる。
また、主材料に対する層間陽イオン含有水の含水比が15〜30%に調整されていることにより、さらに乾燥密度を高めながら付着率の向上を図ることができる。含水率が15〜30%の範囲としたのは、含水率が15%未満では、付着率の低下が大きくなり、逆に含水率が30%を超えると、乾燥密度の向上を十分に発揮できない可能性が大きくなるからである。
ここで、吹付け工法を用いる場合には、止水層の乾燥密度が問題となる。放射性廃棄物の処理施設では、非常に高い止水性(乾燥密度)が要求されるところ、従来のベントナイトを含む主材料に水を添加する吹付け工法では、放射性廃棄物処理施設として求められる乾燥密度を達成することが非常に困難なものである。これは、ベントナイト系材料の含水比を高くすると、乾燥密度を向上させることができず、逆に含水比を低くすると、止水層形成位置に対する付着性が低くなってしまい、止水層を形成できない場合が生じることに起因するものである。
これに対して、本発明に係る廃棄物処理施設の造成方法では、ベントナイト系材料において、水に代えてベントナイトの層間陽イオンと同種の陽イオンを含有する層間陽イオン含有水を用いている。この層間陽イオン含有水を用いることにより、含水比を低くした状態でも十分な付着性を発揮させることができる。しかも、含水比を低く抑えることができるので、止水層が形成された後における乾燥密度を高いものとすることができる。したがって、十分な付着性を確保しながら、高い乾燥密度を発揮させることができるので、廃棄物処理施設を造成する際に吹付け工法を利用することができるようになる。
なお、ベントナイトの層間陽イオンと同種の陽イオンとしては、具体的には、Naイオン、Caイオンを例示することができる。
ここで、主材料をノズルまで圧縮空気によって圧送し、主材料から独立させて、層間陽イオン含有水をノズルまで搬送し、ノズルの内部における主材料またはノズルから噴出された主材料に層間陽イオン含有水を供給して、主材料と層間陽イオン含有水とを混合させる態様とすることができる。
このように、主材料を圧縮空気で搬送する一方、層間陽イオン含有水は、主材料の搬送とは独立してノズルまで搬送される。このため、主材料を乾燥させたままでノズルまで搬送することができるので、ノズルに接続されたホースやノズルなどにおける主材料の残存に起因する閉塞を防止することができる。
また、主材料と層間陽イオン含有水とを混合して混合体を形成し、圧縮空気によって、混合体をノズルまで圧送して、ノズルから混合体を吹き付ける態様とすることもできる。
このように、主材料と層間陽イオン含有水とを混合して混合体を形成し、圧縮空気によって混合体をノズルかで圧送して吹き付ける態様とすることにより、層間陽イオン含有水の含水比の調整をより正確に行うことができる。また、層間陽イオン含有水を用いているので、水を用いた場合のような高い含水比とする必要がないので、ベントナイト系材料の搬送がスムーズとなり、ノズルやノズルまでの搬送路に、ベントナイト系材料が閉塞する事態を少ないものとすることができる。
さらに、ベントナイト系材料における前記層間陽イオン含有水として、炭酸イオン含有水を用いる態様とすることができる。
層間陽イオン含有水が炭酸イオン含有水であることにより、ベントナイト系材料に含まれるベントナイトの過剰な膨潤が抑制され、所定の密度のベントナイトマトリックスを作成するのに必要なエネルギーを定ゲインさせることができ、ベントナイトの表面がベントナイトペーストによってコーティングされた状態となる。このため、吹付けを行う際にベントナイト系材料の付着性をより高めることができる。
また、炭酸イオン含有水として、炭酸塩水溶液および重炭酸塩水溶液のうちの少なくとも一方を用いる態様とすることもできる。
このように、炭酸イオン含有水が炭酸塩水溶液および重炭酸塩水溶液の少なくとも一方であることにより、無機材料を用いていることになるので、有機材料を用いた場合のような変質のおそれを無くすことができる。また、廃棄物処理施設が閉鎖された後、地下水によって希釈されるので、高い遮水性を発揮するものとなる。
さらに炭酸塩水溶液として、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、および炭酸鉄水溶液のうちの少なくとも1つを用い、重炭酸塩水溶液として、重炭酸ナトリウム水溶液、重炭酸カリウム水溶液、および重炭酸鉄水溶液のうちの少なくとも1つを用いる態様とすることができる。炭酸塩水溶液および重炭酸塩水溶液としては、上記の水溶液を好適に用いることができる。
さらに、ベントナイトが粗粒ベントナイトであり、粗粒ベントナイトの粒径が10mm以下とされている態様に構成すればよい。
このように、ベントナイトが粗粒ベントナイトであり、その粒径が10mm以下とされていることにより、さらに乾燥密度を高めながら付着率の向上を図ることができる。
本発明に係る廃棄物処理施設の造成方法によれば、大掛かりな装置を要することなく、しかも狭隘な部分にも容易に止水層を形成することができる。
以下、図面を参照して、本発明の第一の実施形態について説明する。図1は、本実施形態において造成される廃棄物処理施設の正断面図である。本実施形態に係る廃棄物処理施設は、放射性廃棄物を処理する放射性廃棄物処理施設であり、本実施形態に係る廃棄物処理施設の造成によって放射性廃棄物の地層処分を行う。
図1に示すように、本実施形態に係る放射性廃棄物処理施設10は、坑道1を有しており、坑道1内に放射性廃棄物2が埋められて廃棄される。坑道1は、たとえばコンクリートによって形成されている。また、放射性廃棄物2は、ガラス質の素材に溶け込まされ、鉄鋼製の容器に鋳込まれている。放射性廃棄物2を埋める際に、その周囲にベントナイト系材料を吹き付けて、止水層(人工バリア)3を形成する。この止水層3により、放射性廃棄物2に対する地下水の流通を防止する。
この止水層3を形成するために、図2に示す吹付け装置20が用いられる。この吹付け装置20は、従来のいわゆる乾式吹付け工法に用いられるものと同様の原理でベントナイト系材料の吹付けを行う。吹付け装置20は、ノズル21を備えており、ノズル21には、第一ホース22および第二ホース23が接続されている。第一ホース22は、三又に分かれたホースであり、第一の開口端部にはノズル21が接続されている。また、第二の開口端部にはコンプレッサ24が接続されている。第三の開口部には、本発明のベントナイト系材料の主材料となるベントナイトが収容されたベントナイト容器25が接続されている。
コンプレッサ24を作動させると、圧縮空気が、第一ホース22を介してノズル21に対して供給される。このとき、第一ホース22内には、圧縮空気による負圧が発生し、この負圧によってベントナイト容器25内に収容されたベントナイトが吸引され、圧縮空気によってノズル21まで搬送される。
また、第二ホース23には、本発明の層間陽イオン含有水である重炭酸ナトリウム(以下「重曹水」という)が収容された水溶液タンク26が接続されている。この第二ホース23の途中位置には、ポンプ27が介在されて設けられており、ポンプ27を作動させることにより、ベントナイトとは独立して重曹水がノズル21に供給される。
ノズル21では、コンプレッサ24からの圧縮空気によって第一ホース22を介して圧送されたベントナイトと、第二ホース23を介して供給された重曹水とが混合されて混合体が形成される。この混合体が、ノズル21から噴射して、止水層3を形成する止水層形成位置に混合体を吹き付ける。
ベントナイト容器25内に収容されたベントナイトは、粉体ベントナイトの製造過程で生じる粗粒ベントナイトのうちから、粒径10mm以下のものを選別して用いられている。また、粗粒ベントナイトの乾燥密度は、1.8〜1.9Mg/m程度である。10mm以下の粗粒ベントナイトは、ベントナイト原鉱石を粗砕きし、粗さが10mmのふるいにかけて選別して得たものである。
一方、水溶液タンクに収容された重曹水としては、重炭酸ナトリウム水溶液(以下、「重曹水」という)が用いられている。ただし、重曹水としては、重曹水のほか、CO 2−、HCO 2−等を供給可能な水溶液を適宜用いることができる。その例として、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸鉄などの炭酸塩の水溶液や、重炭酸カリウム、重炭酸鉄などの重炭酸塩の水溶液などを挙げることができる。
さらに、ベントナイト系材料における重曹水の含水比は、15〜30%の範囲に調整されている。ベントナイトと重曹水との混合は、ノズル21において混合されるが、このときに、ベントナイトと重曹水との混合体に対する重曹水の含水比が15〜30%の範囲となるように、ベントナイトと重曹水がそれぞれノズル21に供給される。
次に、本実施形態に係る廃棄物処理施設の造成手順について説明する。廃棄物処理施設を造成するにあたり、まず、図1に示す坑道1を掘削して形成する。この坑道1の内面には、たとえばコンクリートによるライニングが施される。この坑道1内に放射性廃棄物2を載置する。放射性廃棄物2は、ガラス質の素材に溶け込まされ、鉄鋼製の容器に鋳込まれている。
続いて、坑道1と放射性廃棄物2との間における空間にベントナイト系材料を吹き付けて止水層3を形成する。ベントナイト系材料を吹き付ける際には、坑道1における放射性廃棄物2が載置されている位置の周囲に上方からノズル21を用いて圧縮空気によってベントナイト系材料を吹き付ける。
こうして、ベントナイト系材料の吹き付けが進み、図3に示すように、坑道1の下方における広い範囲に止水層3が形成されたら、坑道1の上方にも止水層を形成する。この場合には、図3に示すように、ノズル21を坑道1の内面に直接向けるなどしてベントナイト系材料を吹き付けて、止水層を形成する。その後、図4に示すように、坑道1がベントナイト系材料で埋め尽くされて、坑道1の内部全域に止水層3が形成され、放射性廃棄物2に対する坑道1の周囲の地下水が流通することを防止する。
このように、本実施形態に係るベントナイト系材料を用いることにより、吹付け工法によって、放射性廃棄物を廃棄するための廃棄物処理施設に求められる程度の高い乾燥密度の止水層を形成することができる。したがって、大型のクレーンや転圧ローラなどの大型のプラントや装置を用いることなく、簡易に廃棄物処理施設を造成できるようになる。しかも、吹付け工法によって止水層を形成するので、狭隘な部分に対しても容易に止水層を形成することができる。
また、本実施形態に係るベントナイト系材料は、ベントナイトと同種の陽イオンが含有する層間陽イオン含有水である重曹水を有している。従来の吹付け工法では、水が用いられており、含水比を低くすると、十分な付着性を得ることができず、逆に含水比を高くすると、乾燥密度が低くなり、十分な遮水性を発揮することができなくなってしまう。
これに対して、本実施形態に係るベントナイト系材料では、重曹水の作用により、ベントナイトの過剰な膨潤が抑制されるので、ベントナイトの表面がベントナイトペーストによってコーティングされた状態となる。このため、吹付けを行う際に、止水層形成位置やベントナイト同士が付着しやすくなる。したがって、低い含水比であっても十分な接着能力が発揮されるので、吹付け材料の含水比を低くしても十分な付着性および遮水性を得ることができる。
ここで、ベントナイト系材料における水溶液として、重曹水を用いた場合と、従来のように水を用いた場合とについて、実験を行った。この実験では、重曹水を用いた場合のベントナイト系材料の含水比を20%に設定し、水を用いた場合のベントナイト系材料の含水比を25%に設定して、それぞれのベントナイト系材料を対象面に吹き付けて乾燥密度を計測した。その結果を図5に示す。
図5から分かるように、重曹水を用いたベントナイト系材料では、乾燥密度が1.65と大きな値になったのに対して、水を用いたベントナイト系材料では、1.4と小さな値となった。したがって、重曹水を用いたベントナイト系材料では、高い乾燥密度を実現することができた。なお、水を用いた場合の含水比を20%に設定した場合には、ベントナイト系材料が対象面に付着せず、乾燥密度を計測することができなかった。以上の結果より、重曹水を用いたベントナイト系材料は、低い含水比で高い乾燥密度を実現することができることが分かった。
また、ベントナイト系材料における層間陽イオン水溶液は、ベントナイトの層間陽イオンと同種の陽イオンを含むので、環境負荷を小さなものとすることができる。さらに、重曹水は、無機材料であるので、アルコールなどの有機材料のような変質のおそれがない。このため、廃棄物処理施設10が完成して坑道1が閉鎖された後に、地下水によって希釈されるので、最終的には、たとえばベントナイトブロックを積み上げるなどの従来の工法と同様の遮水性などの性能を発揮することができる。
他方、本実施形態に係る廃棄物処理施設は、坑道1の表面がセメント系のコンクリートで形成されているので、炭酸イオンがコンクリートの表層部を緻密化させる効果を発揮することができる。
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。本実施形態では、従来の湿式吹付け工法と同様の原理でベントナイト系材料の吹付けを行う。図6は、本実施形態に係る廃棄物処理施設の止水層を形成するための吹付けを行う吹付け装置の構成図である。
図6に示すように、本実施形態に係る吹付け装置30は、ノズル31を備えており、ノズル31には、三又のホース32における第一の開口端部が接続されている。また、ホース32における第二の開口端部には、コンプレッサ33が接続されており、第三の開口端部には、ベントナイトと重曹水とを混合して形成した混合体が収容されるタンク34が接続されている。タンク34における混合体は、予めベントナイトと重曹水とを練り返しておき、ペースト状よりやや硬めの状態とされている。混合体の製造手順としては、まず重曹水と粉体ベントナイトを混合してベントナイトスラリーを製造する。このベントナイトスラリーに対して、乾燥密度が1.8Mg/m〜1.9Mg/mであるベントナイト原鉱石を混合して混合体を製造する。こうしてベントナイト系材料を製造することにより、図7に模式的に示すように、粒状のベントナイトG同士の間に形成される空間内にベントナイトスラリーSが充填される形となるので、ベントナイト系材料の乾燥密度をより高いものとすることができ、高い止水性を発揮することができる。
この吹付け装置30を用いて廃棄物処理施設を造成する場合でも、その手順は上記第一の実施形態と同様である。本実施形態における吹付け装置30を用いた止水層3の形成では、ノズル31を坑道1内における放射性廃棄物2を載置した周囲に向け、コンプレッサ33を作動させる。コンプレッサ33の作動によって、ホース32内に負圧が発生し、この負圧によってタンク34に収容された混合体が吸引される。混合体は、そのままノズル31まで圧送され、ノズル31から吹き付けられる。その後、止水層3の形成にあわせて、吹き付け位置を上昇させていき、最後に狭隘部に吹き付けを行って、止水層3を完成させる。
ここで、ベントナイトスラリーにおける粉体ベントナイトと重曹水との液固比を代えて、ベントナイト系材料の試料を作製し、それぞれの試料について乾燥密度と付着率とを測定した。その結果を図8に示す。図8における横軸は、ベントナイトスラリーの濃度(液固比)である。なお、各試料において、ベントナイト系材料の含水比を20%となるように調整を行った。
図5から分かるように、液固比が150、200程度である場合には、放射性廃棄物を埋める際の止水層として求められる1.6Mg/m程度の乾燥密度をほぼ達成することができた。また、液固比が170程度の場合でも1.50Mg/m程度の乾燥密度を達成することができた。しかも、いずれの試料においても、付着率を比較的高い範囲内に収めることができた。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記各実施形態では、坑道1と放射性廃棄物2との間のすべてにベントナイト系材料を吹き付けるようにしているが、たとえば、坑道1と放射性廃棄物2との間に、できる限りベントナイトブロックを敷き詰めて、狭隘部分にのみベントナイト系材料を吹き付ける態様とすることもできる。また、上記実施形態では、主材料としてベントナイトを単体で用いているが、たとえばベントナイトとセメントの混合物を用いることもできる。さらには、ベントナイトに土砂や繊維を混合したものを主材料として用いることもできる。もちろん、セメント、土砂、繊維をすべて含むものやその一部を含むものを主材料として用いることもできる。
また、ベントナイト系材料に混合されている層間陽イオン含有水として重曹水を用いているが、これに代えて、他の炭酸イオン含有水、重炭酸イオン含有水などを用いることができる。さらに、重曹水のような無機材料に限定されるものではなく、たとえばエタノールなどの有機材料を用いることもできる。また、上記第一の実施形態では、ベントナイトに重曹水を混合させる態様としているが、重曹水に予め粉体ベントナイトを混合してベントナイトスラリーを形成しておき、このベントナイトスラリーをベントナイトに混合する態様とすることもできる。
また、上記第一の実施形態では、ノズル21内でベントナイトと重曹水を混合する態様としているが、たとえば重曹水をノズルにおける噴射口に供給し、ノズルから噴射されるベントナイトに重曹水を混合させる態様とすることもできる。
放射性廃棄物処理施設の造成過程の正断面図である。 吹付け装置の構成図である。 図1に続く過程の正断面図である。 放射性廃棄物処理施設の正断面図である。 本発明例と比較例とにおける含水比と吹付け後の乾燥密度との関係を示すグラフである。 第二の実施形態に係る吹付け装置の構成図である。 ベントナイト系材料の模式的拡大図である。 ベントナイト系材料におけるベントナイトスラリーの濃度と、乾燥密度および付着率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…坑道
2…放射性廃棄物
3…止水層
10…放射性廃棄物処理施設
20,30…吹付け装置
21,31…ノズル
22…第一ホース
23…第二ホース
24,33…コンプレッサ
25…ベントナイト容器
26…水溶液タンク
27…ポンプ
32…ホース
34…タンク

Claims (8)

  1. 地中に放射性廃棄物を埋め、前記放射性廃棄物の周囲に止水性を有する人工バリアを形成する放射性廃棄物処理施設の造成方法であって、
    乾燥密度が1.8Mg/m 〜1.9Mg/m であるベントナイトを含む主材料と、ベントナイトの層間陽イオンと同種の陽イオンを含有する層間陽イオン含有水とを含んで構成されるベントナイト系材料を生成し、
    人工バリア形成位置である坑道内に前記放射性廃棄物を載置し、ノズルを用いて、前記ベントナイト系材料を前記坑道内に吹き付けて、前記坑道を前記ベントナイト系材料で埋め尽くすことにより、前記人工バリアを形成することを特徴とする放射性廃棄物処理施設の造成方法。
  2. 地中に放射性廃棄物を埋め、前記放射性廃棄物の周囲に止水性を有する人工バリアを形成する放射性廃棄物処理施設の造成方法であって、
    ベントナイトを含む主材料と、ベントナイトの層間陽イオンと同種の陽イオンを含有する層間陽イオン含有水とを含んで構成され、前記主材料に対する前記層間陽イオン含有水の含水比が15〜30%の間に調整されているベントナイト系材料を生成し、
    人工バリア形成位置である坑道内に前記放射性廃棄物を載置し、ノズルを用いて、前記ベントナイト系材料を前記坑道内に吹き付けて、前記坑道を前記ベントナイト系材料で埋め尽くすことにより、前記人工バリアを形成することを特徴とする放射性廃棄物処理施設の造成方法。
  3. 前記主材料を前記ノズルまで圧縮空気によって圧送し、前記主材料から独立させて、前記層間陽イオン含有水を前記ノズルまで搬送し、
    前記ノズルの内部における前記主材料または前記ノズルから噴出された前記主材料に前記層間陽イオン含有水を供給して、前記主材料と前記層間陽イオン含有水とを混合させる請求項1または請求項2に記載の放射性廃棄物処理施設の造成方法。
  4. 前記主材料と前記層間陽イオン含有水とを混合して混合体を形成し、
    圧縮空気によって、前記混合体を前記ノズルまで圧送して、前記ノズルから混合体を吹き付ける請求項1または請求項2に記載の放射性廃棄物処理施設の造成方法。
  5. 前記ベントナイト系材料における前記層間陽イオン含有水として、炭酸イオン含有水を用いる請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項に記載の放射性廃棄物処理施設の造成方法。
  6. 前記炭酸イオン含有水として、炭酸塩水溶液および重炭酸塩水溶液のうちの少なくとも一方を用いる請求項5に記載の放射性廃棄物処理施設の造成方法。
  7. 前記炭酸塩水溶液として、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、および炭酸鉄水溶液のうちの少なくとも1つを用い、
    前記重炭酸塩水溶液として、重炭酸ナトリウム水溶液、重炭酸カリウム水溶液、および重炭酸鉄水溶液のうちの少なくとも1つを用いる請求項6に記載の放射性廃棄物処理施設の造成方法。
  8. 前記ベントナイトが粗粒ベントナイトであり、
    前記粗粒ベントナイトの粒径が10mm以下とされている請求項1〜請求項7のうちのいずれか1項に記載の放射性廃棄物処理施設の造成方法。
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