JP2763852B2

JP2763852B2 - 汚泥の搬送装置

Info

Publication number: JP2763852B2
Application number: JP5197773A
Authority: JP
Inventors: 清実山田; 収田畑
Original assignee: Kanebo Ltd
Current assignee: Kanebo Ltd
Priority date: 1993-07-14
Filing date: 1993-07-14
Publication date: 1998-06-11
Anticipated expiration: 2013-06-11
Also published as: JPH0725439A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、下水処理場，屎尿処理
場，産業排水処理場等より排出される水分率が８０％程
度の含水汚泥（以下汚泥と呼称する）を集積場より流動
床焼却炉の近傍へ搬送する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近時、汚泥は環境破壊を防止するため埋
立処理に代って焼却処理されており、その処理装置とし
ては流動床焼却炉が主に用いられている。

【０００３】前記流動床焼却炉は特開平１−６８２８８
号公報に記載されている通り、流動床の上部と空気室の
下部からなっており、流動床側には、燃料を流動床上に
散布するスプレッダを有する燃料投入口と流動媒体を投
入する投入口を備えている。尚、燃料としては、石炭，
オイルコークス或いは木材などの塊りや粉状物が使用さ
れ、これらの粒径は通常２５ｍｍ程度かそれ以下であ
り、汚泥を被燃焼物とする場合はこの中に汚泥が含まれ
る。また、流動床を構成する流動媒体としては石炭石，
珪砂などの燃えない物が使用され、その粒径は通常４ｍ
ｍ程度かそれ以下である。一方、空気室にはブロアが連
結されていて空気が供給される。この空気は、ノズルを
介して空気室から流動床側へ吹き出し、燃料の燃焼と、
燃料と流動媒体を混合して流動化させるために使わされ
る。この様なことから、流動床焼却炉は比較的粒度の揃
った粒状物を焼却するのに適しており、連続的な焼却処
理をすることの出来る利点はあるが、反面被焼却物を定
量的に投入すると共に、全体を一様に流動状態にするこ
と、特に汚泥焼却の場合は汚泥を一様に均一な流動状態
にすることが要求されるのであり、投入が偏ると上昇気
流が乱れて焼却にむらを生じ、局所的に異常高温になっ
てクリンカーが発生したりする要因となる。

【０００４】この様な背景から、汚泥の流動性を図っ
て、焼却炉近傍に設置された中間ホッパーより焼却炉に
送られる汚泥をカッターによりスライス状に切断し、次
いでこれを回転羽根により炉内へ拡散投入することが特
開昭６３−１５６９１３号公報に、又汚泥供給路上に水
平回転ドラムを設け、この水平回転ドラムに設けた放射
状の分散部材と、該分散部材の根本に設けた空気口の噴
気により、汚泥塊を細分化し、拡散させることが特開昭
６３−２３１１１２号公報に開示されている。上述の如
く汚泥用中間ホッパーと焼却炉間の搬送については汚泥
の流動化及びそれの完全燃焼を指向して種々の考案・発
明が提案されているが、汚泥受入れ場である受入れホッ
パーから中間ホッパーまでの搬送については、配慮され
ておらず、単に受入れホッパーに落下させた汚泥をこれ
よりも高所にある中間ホッパーへ通常の平ベルトコンベ
アーを利用して搬送している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが含水汚泥を平
ベルトコンベア上に乗せて搬送すると、平ベルトよりこ
ぼれ落ちぬ程度にしかコンベア設備の傾斜角度が取れ
ず、その為、所定の高所へ搬送する場合は設備スペース
が広くなる障害がある、又かかる欠点を解消するためベ
ルトにバケット等の収納容器を取り付けると設備自体が
重装備になる欠点がある。更にこの様な汚泥搬送にあっ
ては、以後の過程で使用するモーノポンプが汚泥への空
気混入を極端に嫌うことからその搬送途中においても汚
泥内に空気域の生成が起きない様配慮する必要がある
が、前記平ベルトによる搬送においては、この様な要件
が充足されておらない欠点がある。本発明は上述のよう
な問題点の解消を目的とするものである。

【０００６】上記課題を解決するため、本発明は次のよ
うな構成を採用している。すなわち汚泥を集積する受入
れホッパーと、汚泥焼却炉の近傍に設けた中間ホッパー
と、両者間を連結するスクリューコンベアの三者からな
り、前記受入れホッパーに、羽根Ａによって汚泥を中央
部に集めるスクリューと、該中央部に配設され羽根Ａを
覆う略Ｃ字上の汚泥押込み板を付設し、前記受入れホッ
パーの底部中央下方より汚泥を受け入れるスクリューコ
ンベアを、円筒状のトラフと該トラフ内を回転する軸と
これに固着する羽根Ｂにより構成したことを特徴とする
ものである。

【０００７】

【作用】本発明によれば、運搬台車等で運び込まれた含
水汚泥は一旦受入れホッパーに投入される。該受入れホ
ッパーに収納された汚泥は、これを中央部に集めるスク
リューと、中央部の上面を覆う汚泥押込み板との相互作
用により密に圧縮された状態で連続的に受入れホッパー
の中央に集積する。次いで受入れホッパーの底部中央下
方よりスクリューコンベア側に渡される。

【０００８】スクリューコンベア内に収納された汚泥
は、回転する軸とこれに固着する羽根とこれらの周囲を
覆う円筒状の周壁、即ちトラフとの相互作用により、羽
根とトラフの間で連続的な練り作用が与えられながら羽
根１回転につきそのねじれピッチだけ中間ホッパー側へ
連続的に移送される。以上要するに本発明装置によれ
ば、汚泥の集積、練り、所定方向への移動が間断なく連
続的に実施されるので、中間ホッパーに投入される汚泥
は攪拌をする必要がなくそのまま連続的に焼却炉に供給
することができる。

【０００９】

【実施例】以下図面に示す実施例により本発明装置を具
体的に説明する。図１は実施例装置の全体を示す説明
図、図２はその要部を示す斜視図、図３は同じくその平
面図である。

【００１０】図１に示す通り、実施例の装置は、汚泥を
集積する受入れホッパー（１）と汚泥焼却炉（図示しな
い）の近傍に設けた中間ホッパー（２）と、両者間を連
結するスクリューコンベア（３）の三者からなってい
る。

【００１１】前記受入れホッパー（１）は、下水処理
場，屎尿処理場，産業排水処理場等からトラック運搬台
車等で集められた含水汚泥を一時貯留するもので、図２
及び図３に示す通り、水平方向に比較的長く形成された
樋形（断面Ｕ字形）のバケット（４）と、該バケット
（４）中で回動するスクリュー（５）と、該スクリュー
（５）を回動させる駆動モーターＡ（６）と、スクリュ
ー（５）の中央部を覆う汚泥押込み板（７）を備えてお
り、前記スクリュー（５）に固着する羽根Ａ（８）は中
央部を境にして左右両部のねじれ方向が異っており、駆
動モーターＡ（６）がスクリュー（５）を図示矢印方向
に回動すると、貯留する汚泥を中央に向って圧送する向
きに左右の両側の羽根Ａ（８）が取付けられている。

【００１２】次いで図１を参照して前記スクリューコン
ベア（３）の構成を説明する。該スクリューコンベア
（３）は受入れホッパー（１）の底部中央下方より汚泥
を受け入れ、受入れホッパー（１）より高所に設置され
ている中間ホッパー（２）側へ搬送するための傾斜コン
ベアであって、円筒状のトラフ（９）と該トラフ（９）
内を回転する軸（１０）と、これに固着する羽根Ｂ（１
１）と、前記軸（１０）を回動させる駆動モーターＢ
（１２）からなっており、駆動モーターＢ（１２）が軸
（１０）を図示矢印方向に回動すると受入れた汚泥を図
示白矢印方向へ圧送するように羽根Ｂ（１１）のねじれ
が構成されている。

【００１３】スクリューコンベア（３）の上端に達した
汚泥は次いで上端部に設けた落下口（１３）より中間ホ
ッパー（２）へ投入される。該中間ホッパー（２）にお
いて汚泥はホッパー下部に設けたモーノポンプ（１４）
の作用より出口（１５）より焼却炉（図示しない）へ連
続吐出される。

【００１４】本発明実施例の汚泥搬送装置は上述の如き
構成からなるもので、次いでその駆動状態について説明
する。先に説明した通り、全装置が稼働する状態におい
て、受入れホッパー（１）に投入された汚泥はスクリュ
ー（５）と羽根Ａ（８）の回動により中央部に集めら
れ、押込み板（７）との接触圧で圧縮した状態となる。
次いでこの様な状態の汚泥は底部中央の下方よりスクリ
ューコンベア（３）側へ連続送出される。該スクリュー
コンベア（３）内において汚泥はトラフ（９）と回動す
る羽根Ｂ（１１）の相互作用により先に述べた通り、汚
泥相互の混合と、練りと、上方への移動を連続的に繰り
返しながら上端部に達し、落下口（１３）より中間ホッ
パー（２）に連続投入される。

【００１５】

【発明の効果】本発明に係る汚泥搬送装置は上記実施例
の如く構成したものであるので、次のような効果を有す
る。即ち（イ）受入れホッパーと焼却炉近傍の中間ホッ
パー間に取付位置の高低があっても設備スペースを極め
て少なくしてしかも有効な設備を設置することが可能と
なる。（ロ）汚泥搬送装置の中核であるスクリューコン
ベアを円筒形のトラフと羽根Ａの組合せで形成している
ので、該長搬送路で十分汚泥を混練することが可能とな
り、搬送路周辺に汚泥が落ちることがなく、設備環境の
改善を行うことができる。

【００１６】尚上記実施例においては、受入れホッパー
と中間ホッパー間に高度差（後者の方が高い）のある場
合を示したが、同等の高度の場合、或いは逆に中間ホッ
パーが低い場合にも本発明装置は使用し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る実施例装置の全体を示す説明図で
ある。

【図２】同装置の要部を示す斜視図である。

【図３】同装置の要部を示す平面図である。

【符号の説明】

１受入れホッパー２中間ホッパー３スクリューコンベア５スクリュー７押込み板９トラフ１０軸１１羽根Ｂ

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】汚泥を集積する受入れホッパー（１）
と、汚泥焼却炉の近傍に設けた中間ホッパー（２）と、
両者間を連結するスクリューコンベア（３）の三者から
なり、前記受入れホッパー（１）に、羽根Ａ（８）によ
って汚泥を中央部に集めるスクリュー（５）と、該中央
部に配設され羽根Ａ（８）を覆う略Ｃ字上の汚泥押込み
板（７）を付設し、前記受入れホッパー（１）の底部中
央下方より汚泥を受け入れるスクリューコンベア（３）
を、円筒状のトラフ（９）と該トラフ（９）内を回転す
る軸（１０）とこれに固着する羽根Ｂ（１１）により構
成したことを特徴とする汚泥の搬送装置。