JP2763785B2 - 半導体ウェハーからパターンが描かれた焼成後のフォトレジスト層を除去する方法 - Google Patents

半導体ウェハーからパターンが描かれた焼成後のフォトレジスト層を除去する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、半導体ウェーハ及び/又はハイブリッド基
板からフォトレジストを剥離するためのシステムに係わ
る。本発明は、このような剥離を行う方法にも係わる。
前記剥離操作は、適当なレーザのごとき光源又は他の
高エネルギー源をエネルギー源とする走査技術によって
行う。エネルギーは、基板の電子的特性に悪影響を与え
ることなくフォトレジストを完全に除去できるように作
用させる。
発明の背景 本発明は半導体装置の製造及びハイブリッド回路に係
わる。半導体装置は近年、電子工学特にコンピューター
技術分野で極めて重要な役割を果たすようになった。こ
の種の製品の取引額は年間数十億米ドルのオーダーに及
ぶ、半導体ウェーハ及びハイブリッド製造時に繰り返し
実施されるステップの1つはフォトレジストコーティン
グの適用である。このコーティングは各ステップが終了
する毎に除去しなければならない。ウェーハの大きさは
約2.5cm〜約20cm又はそれ以上である。各製造ステップ
においてフォトレジストを本質的に完全に除去すること
は重要な問題であり、現在は主に2つの方法で実施され
ている。そのうちの1つは湿式化学プロセスに基づく方
法であり、もう1つはプラズマの使用を基礎とする方法
である。これら既存の方法は、かなり極端な条件を使用
しないとフォトレジストを完全に除去することができな
いという欠点を有する。このような過激な方法を使用す
ると、ウェーハ基板及び/又はウェーハ上のコンポーネ
ントに損傷が生じ得る。
このようなウェーハの製造時には、製造過程中に1〜
約15層又はそれ以上のフォトレジストコーティングが形
成される。
本発明の目的は、化学的溶解並びに酸化雰囲気下プラ
ズマ発生器内での反応性気体の使用に基づく既存の方法
の欠点を解決することにある。これら既存の方法ではウ
ェーハの領域の一部分にフォトレジストが残ることが多
く、またプラズマ使用中に損傷が生じることもある。こ
れらの現象はいずれも製品の廃棄につながり、従って装
置の製造単価を上げる要因となる。
発明の概要 本発明は半導体装置及びハイブリッド回路の製造時に
フォトレジストを本質的に完全に除去する方法に係わ
る。
本発明の方法は、ウェーハ表面を高エネルギービーム
で走査することからなる。ウェーハ単位面積当たりのビ
ームのエネルギーは、前述のごとき完全な除去に必要な
閾値エネルギーより大きいが、半導体基板又はウェーハ
表面上のコンポーネントを損傷し得るエネルギー閾値よ
りは小さい。
このようにして実施されるフォトレジストの除去は本
質的に完全であり、所要時間も短い。高エネルギービー
ムとしては光ビームを使用し得る。電磁放射線タイプの
別のビームを適当な単位面積当たりエネルギー量で使用
してもよい。
高エネルギービームは短いパルスの形態で使用でき
る。連続放射線源を使用してもよい。少なくともウェー
ハの寸法の1つに等しい長さの狭くて細長いビームを使
用するか、又はウェーハ表面を狭くて細長いビームによ
り複数のステップで走査すると良好な結果が得られる。
単位面積当たりの暴露時間は、望ましくはない副作用を
伴わずにフォトレジストが完全に除去されるように選択
する。
エネルギー源の波長を150nm〜11,000nmの範囲で変え
ながら実験を行った。有利には、パルス化レーザをエネ
ルギー源として使用し得る。パルス持続時間はナノ秒の
範囲にする。レーザビームは不活性雰囲気又は化学反応
雰囲気で使用し得る。このような短いパルスを使用する
と、フォトレジストが光エネルギーを吸収してその結果
除去されることになるが、フォトレジストの熱伝導率が
低いために樹脂の下側の層に伝達されるエネルギーは限
定され、従って有害な副作用は生じない。フォトレジス
トコーティングの厚みは一般に約1〜10ミクロンのオー
ダーであり、通常は2ミクロン程度である。使用するエ
ネルギーの量は、フォトレジストの厚み及び種類、並び
に使用エネルギービームの波長及びフォトレジストによ
る吸収率に応じて決定する。必要なエネルギーは、150n
m〜11,000nmの波長範囲で通常約10mJ〜約1000mJ/cm2
好ましくは50mJ〜300mJ/cm2である。
他のエネルギービームを使用する場合も同程度の単位
面積当たりエネルギーで作用させる必要がある。その場
合に考慮しなければならない点の1つは、フォトレジス
トによるエネルギーの吸収率である。
本発明の方法は乾燥雰囲気下で実施される。ウェーハ
は自由雰囲気下におくか、又は内部雰囲気が調節雰囲気
であり得る適当な容器の中に配置する。不活性雰囲気が
望まれる場合には、不活性ガス又はその混合物からなる
雰囲気を使用し得る。適当なガスはヘリウム、アルゴ
ン、窒素等、又はこれらガスの任意の混合物である。
本発明の方法は反応性雰囲気、例えば酸素、オゾン、
酸素化合物、四塩化炭素蒸気、三フッ化窒素等のような
雰囲気下でも実施できる。この反応性雰囲気は照射の前
及び/又は最中又は後で適用する。処理するウェーハに
は外部CW又は別の光源によってエネルギーを作用させる
こともでき、このようにすればエネルギービームでの走
査によって作用するエネルギーが節減される。ウェーハ
の表面をフォトレジストの除去に適した単位面積当たり
のエネルギーに暴露させるためには、エネルギービーム
をウェーハ表面全体にわたって移動させるか又はウェー
ハをビームに対して移動させればよい。
一例として、パルス持続時間約10ナノ秒、パルス周波
数100HzのExcimerタイプのレーザを使用する場合には、
3″x3″のウェーハを幅0.5mm、波長193nmの光ビームに
より約7mm/秒の直線走査速度で走査すると、ウェーハが
面積1cm2当たり100mJ/cm2〜約300mJ/cm2のエネルギーに
暴露されることになる。
本発明は、ウェーハの表面を高エネルギービームに暴
露することによってフォトレジストを除去する装置にも
係わる。有利にはビームを適当な手段によって細い矩形
又は他の幾何学的形態に集束させる。その長さは、エネ
ルギービームによって走査すべきウェーハが長さ又は幅
の全長にわたって確実に走査されるように選択する。
光ビームを使用する場合は、通常の光学素子を用いて
光ビームを細い矩形状に集束し得る。前述のごとく、使
用ビームはパルス化ビーム又は連続ビームであってよ
い。このエネルギービームの幅は通常約0.2mm〜約10m
m、好ましくは0.3mm〜約1mmであり、長さは約10mm〜200
mmか所望であればそれ以上でもよく、走査はビームの長
手方向と直交する方向に行う。ウェーハの全面積は約5
〜100秒又はそれ以上の時間で走査でき、その結果フォ
トレジストが本質的に完全に除去される。
以下、添付図面に基づき非限定的具体例を挙げて本発
明をより詳細に説明する。尚、これらの図面は簡単なも
のであり、尺度も正確ではない。
先ず第1図を参照しながら本発明の装置の原理を説明
する。この図では光源11が光ビーム12を送出し、このビ
ームが光学レンズ13、鏡14及びレンズ15を介して集束さ
れ、ウェーハ17の表面に細長くて狭いビーム16を形成し
ている、ウェーハ17の一部分にはフォトレジスト18が残
っているが、残りの部分19はビーム16によって既に走査
されており従ってフォトレジストが除去されている。走
査はビームをウェーハ全体にわたって移動させるか又は
ウェーハを矢印20に従い固定光ビームに対して移動させ
ることにより実施し得る、これら2種類の操作を組合わ
せてもよい。
第2図の装置はハウジング21を含み、その中に光源11
が配置され、この光源から光ビームが光学素子13、鏡14
及びレンズ15を介してウェーハ17の表面に送られてい
る。フォトレジスト除去処理にかけられる前のウェーハ
はカセット21内に貯蔵され、フォトレジスト除去後のウ
ェーハは右方に符号22で示すように積重される。この装
置はプロセスパラメータを調整するための手段23を含
む。
本発明の方法は反応性雰囲気下で実施し得る。このタ
イプの方法の原理を第3図に示した。第3図では光源か
ら送出された光31が光学素子32によって細長い矩形ビー
ム33の形状に集束し、シャッタ34を通ってウェーハ35に
送られている。
この方法は反応性雰囲気下で行われる。この場合は光
ビームが、気体(蒸気)形態の反応物質を分解させる機
能を果たし、その結果生じた反応性物質がフォトレジス
トに作用することになる。分解生成物はチャンバから除
去される。この操作ではウェーハをビームに対して移動
させ得、又はその逆でもよい。
この方法はまた、反応性物質を照射の前及び/又は最
中及び/又は後で導入して、フォトレジストの完全な除
去を促進させるように実施することもできる。
ここで、ウェーハ/ウェーハコンポーネントに対する
エネルギー密度の作用を示す第4図のグラフを参照しな
がら、この方法の臨界パラメータを説明する。このグラ
フでは左方から右方にかけてかなり異なる領域が存在し
ている。フォトレジストの除去はエネルギー閾値41で始
まり、42までのエネルギー密度範囲ではウェーハに有害
な影響は与えられない、フォトレジストを完全に除去す
るための単位面積当たりのエネルギー密度の最適値は43
〜44である。線45の傾斜はフォトレジストの除去率を表
す。
エネルギー密度が少なくとも46になるとウェーハ基板
及び/又は電子コンポーネントの損傷が始まり、損傷率
は線47で示されるように単位面積当たりエネルギーの増
加に伴って増加する。X軸は光ビームパルス当たりのエ
ネルギーであり得るが、ウェーハがエネルギービームに
暴露される時のウェーハ単位面積当たりの作用エネルギ
ーも示し得る。
実施例1 直径50mmのシリコンウェーハ上に、厚さ1.8μmのフ
ォトレジスト層を形成した。この層はプロセス後に除去
しなければならない層である。この除去操作は波長193n
mの光ビームを用いて行った。光源としてはパルス化Exc
imerレーザを使用し、パルス繰り返し数100パルス/
秒、パルス持続時間約10ナノ秒で操作した。
この光ビームを長さ75mmx0.5mmに集束させ、この矩形
光ビームでウェーハを走査した。走査速度は4mm/秒とし
た。
このようにしてウェーハの全面積を約200mJ/cm2のエ
ネルギーに暴露した。その結果、ウェーハ又はウェーハ
上の電子コンポーネントへの悪影響を伴わずにフォトレ
ジストが完全に除去された。
実施例2 反応性雰囲気下でフォトレジストの除去を行った。プ
ロセスチャンバ内に酸素化合物又はフッ素化合物のよう
な反応性物質を装入した。これらの反応性物質はexcime
rレーザ又は外部反応器によって形成した。この場合は
反応性物質の反応とレーザビームの反応とが組合わされ
るため、除去がより促進される。波長193及び/又は248
nmのレーザビームを50〜500mJ/cm2のフラックスで使用
すると、フォトレジストが完全に除去された。適当な化
合物はNF3タイプ、SF4タイプ、又はフッ素化炭化水素タ
イプの化合物である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法を実施するための装置の基本概念
を示す説明図、第2図は本発明の方法を実施するための
装置の説明図、第3図は反応性雰囲気下でのフォトレジ
ストの除去を示す説明図、第4図は本発明の方法の臨界
パラメータを示すグラフである。 11……光源、12……ビーム、13,15……レンズ、14……
鏡、17……ウェーハ、18……フォトレジスト。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乾燥雰囲気下で、半導体ウェーハからパタ
    ーンが描かれた焼成後のフォトレジスト層を除去する方
    法であって、ウェーハ表面の各点がパルス列に暴露され
    るように細長い矩形パルス化高エネルギビームによりウ
    ェーハの表面を走査するステップを有しており、各パル
    スは、100nsec(ナノ秒)未満の持続時間と、50mJ/cm2
    から300mJ/cm2のエネルギと150nmから400nmの波長とを
    有し、更にビームの各パルスは焼成後のフォトレジスト
    層をある深さまで融除し、これによりパルス列がウェー
    ハを傷つけることなく焼成後のフォトレジスト層の全部
    を融除により完全に取り除くことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】前記レーザは、193nm、248nm、308nm又は3
    51nmの波長を有するExcimerレーザであり、各パルス持
    続時間は10nsecから50nsecの間であり、パルスの周波数
    は10Hzから1000Hzである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記融除は、ウェーハが反応性雰囲気下に
    ある間に実施される請求項1に記載の方法。
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