JP2762432B2 - 外反母趾における足跡変形矯正用履物、副木装具および装具 - Google Patents

外反母趾における足跡変形矯正用履物、副木装具および装具

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JP2762432B2
JP2762432B2 JP4041687A JP4168792A JP2762432B2 JP 2762432 B2 JP2762432 B2 JP 2762432B2 JP 4041687 A JP4041687 A JP 4041687A JP 4168792 A JP4168792 A JP 4168792A JP 2762432 B2 JP2762432 B2 JP 2762432B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外反母趾における足趾
変形矯正用履物、副木装具および装具に関する。
【0002】
【従来の技術】先天性および特殊炎症や外傷の後遺症と
しての足趾変形を除く通常の荷重歩行に起因する外反母
趾変形、すなわち足の母趾がその中足指節関節部(MP
関節部)から足の外方へ曲がって変形し、関節部分に痛
みを生じる外反母趾変形に関しては従来より数多くの研
究がなされ、種々の治療法が提案されている。保存的治
療法に関しては、例えば実開平3ー43819号公報に
は母趾を内側に引き寄せる外反母趾矯正用シートバンが
提案されている。特開平2ー295504号公報には踵
部から足先に向かって伸びる中敷主体の内、母趾のMP
関節部が当たる部分に、体重の集中的な負荷を緩和する
ための貫通孔を穿設開口された靴用中底が提案されてい
る。また実開平2ー82323号公報には母趾と食指間
に矯正具を介在させる外反母趾矯正具が提案されてい
る。さらにMP関節部の内側にあてもの(paddin
g)を設けて鎮痛消炎効果を目的としたものも周知であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記実開平3ー438
19号公報などにおいては、いわゆる対症的治療に過ぎ
ず、最も重要な歩行時の動的な荷重変化に対応できない
ため、安静時の矯正保持は可能であるが歩行時における
立脚期の爪先が地面より離れる時(toe off時)
に前足部に集中する負荷には耐えられず、矯正位を保持
することはできず、歩行様式を変更しない限り変形増悪
の予防効果すら失ってしまう。さらに前記paddin
gは補足的なものであり、いずれも満足し得る根治的効
果を得ることはできない。
【0004】本発明は、歩行様式の分析から変形増悪の
メカニズムを検討し、動的荷重状態で変形増悪の主たる
要因を除去し得る外反母趾における足趾変形矯正用履
、副木装具および装具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の外反母
趾における足趾変形矯正用履物は、履物本体の底の前端
側に該前端側へ次第に薄くなる前側のスロープ部を形成
し、該前側のスロープ部の後端は該後端の幅方向におけ
る外側が内側より後方に位置するように設けられ、前記
履物本体の踵に後端側へ次第に薄くなる後側のスロープ
部を形成すると共に該後側のスロープ部の前端は該前端
の幅方向における外側が内側より後方に位置するように
設けたものである。
【0006】請求項2記載の外反母趾における足趾変形
矯正用副木装具は、靴の中底に敷くほぼ足底形状を有す
副木本体の踏着け部の前側の幅方向における外側
側より後方に位置するように設けたものである。
【0007】請求項3記載の外反母趾における足跡変形
矯正用装具は、固定バンドを設けた副木の前側の幅方向
における外側を内側より後方に位置するように設けたも
のである。
【0008】
【作用】請求項1においては、踵接地時の足長軸を進行
方向に向け、爪先が離れる時の前足部の荷重中心を外側
に移動させることができる。
【0009】請求項2においては、爪先が離れる時の前
足部の荷重中心を外側に移動させることができる。
【0010】請求項3においては、外反した母趾を矯正
するための固定用バンドによって副木を前足部足底に固
定することによって荷重負荷による母趾の外反変形を防
ぎ、さらに歩行により変形を矯正できる。
【0011】
【実施例】外反母趾に関する機能解剖的検討について説
明する。尚、各図面において爪が図示されている場合は
右足を上方から見た状態を示し、爪が図示されていない
場合は右足底を図示している。
【0012】ヒトは二本足で起立歩行することにより、
四足獣に比べ足底への荷重負荷量は増大する。足の各部
の負荷は荷重負荷量と負荷を受ける各部の接地面積とで
決定される。さらにこれらはヒトの足の解剖学的特性や
歩行スタイルによって影響される。正常歩行での立脚期
は踵が接地する(heel strike)、足の平が
接地する(foot flat)、中間起立(mids
tance)、爪先が立つ(heel on)、爪先が
離れる(toe off)と移行するが、この時、足底
に加わる圧は図1(A)に示すように踵部から外側に弧
を描きながら遠位に移動し、前足部で内側に向かいなが
ら各固有趾に達する。Toe off時の前足部では中
足骨々頭への負荷が中心となり図1(B)に示すように
解剖学的形状から第1および第5中足骨々頭を結ぶ線を
底辺とし、第2中足骨々頭を頂点とする三角形部分(t
oe off三角野1)に荷重が集中する。この三角野
1は横軸足穹窿により遠位で背側に傾きを有するのでh
eel onの状態で接地面に平行となり安定し、to
e off時の前足部に加わる圧は均等化され、さらに
は蹴り返し時に内外側の二辺を使い分けることによって
進行方向を瞬時に変更しやすい利点を有しているが逆に
遠位の各固有趾に対してはtoe off時に足長軸方
向に蹴り返されない場合にMP関節部に側方からの不安
定な圧が加わり易く側方変形を招きやすいといった欠点
も有している。
【0013】歩行スタイルの差により足の各部への負荷
や程度に差異を生じるが、これは足の向く方向や接地位
置と進行方向とにより決定される。すなわち、図2に示
すように進行方向Xに対し足がいずれの方向に向き、足
のいずれの部位で接地するかによっていかなる部に負荷
が集中するかが決定される。また足底に加わる負荷はh
eel strike期の踵部とtoe off期での
中足骨々頭部に特に集中的に増大する。したがって踵部
および中足骨々頭レベルでの各々の荷重中心を結ぶ線た
る荷重移動中心線2は通常の歩行において足長軸Yが進
行方向Xに向いている場合、図2のX1 と2ー 1に示す
ように、頂点である第2中足骨々頭および第2趾を通過
すると考えられ、ほぼ足長軸Yに平行すると考えられ
る。すなわち、toe off時は三角野1がほぼ均等
な圧を同時に受けて始まり、第1〜5中足骨頭に加わる
圧は、足内外側のバランスをとりながら荷重中心を頂点
部に位置させることによって荷重移動中心線、すなわち
進行方向が足長軸Yに沿うものと予想される。
【0014】次に母趾変形の機能解剖学的要因の検討に
ついて説明する。図3に示すように下肢外旋位歩行のご
とく足長軸Yが進行方向に対して外側に向いている場合
に、heel strike時の負荷は踵部外側に移動
し、toe off時の負荷は進行方向に向かうために
前足部内側に向き、toe off三角野1に加わる負
荷は同時に均等な圧を受けることができず、より近位と
なる外側から始まり内側に移動し、終局的には最大負荷
が母趾MP関節から母趾内側に集中する。結果として荷
重移動中心線2は足長軸Yに対しては内側に傾く。すな
わち荷重移動中心線2は常に進行方向に向くと考えら
れ、足長軸Y方向と進行方向Xの不一致は母趾への負荷
に影響することとなる。
【0015】Toe off期、母趾側MP関節に片寄
った負荷は引続いて母趾内側の小範囲に集中するため、
母趾は顆状関節であるMP関節で強く外転を強いられ、
また外転位に軸の傾いたまま前進方向にtoe off
を完了させるときに母趾は内旋を強いられ、外反母趾特
有の変形をきたす。内旋変形を有する母趾ではtoeo
ff完了時に趾尖に加わる圧が母趾内側に集中するため
変形は歩行により更に進行する。外反変形をきたした母
趾は足長軸に対してさらに外方に向くため荷重移動中心
線を足長軸方向に向けても矯正不足で母趾の傾き角度と
平行になるまで外側に傾けない限り、母趾の変形は防止
できない。
【0016】外反した母趾のMP関節部では関節内側の
支持組織の弛緩により母趾基節骨の外側亜脱臼傾向をき
たし、荷重により母趾に加わる圧が第1中骨々頭の外側
に集中し、第1趾間腔の拡大と相まって第1中足骨は次
第に内転変形をきたす。
【0017】立脚期後半のheel off、toe
off時の足部の過度の外反は足底に加わる荷重中心を
内側に移動させることにこととなり、toe offは
三角野1の遠位内側辺と内側の固有趾によって完了す
る。歩行における歩幅の存在のは両下肢の立脚期の交代
の際、進行方向に対する重心の左右の揺れを生ずる。こ
の動揺は各荷重肢による立脚期の荷重移動が内外側方向
にも向かうことを現しており、その振幅は歩幅の大きさ
のみならず上体の動揺の程度に相関する。
【0018】下肢筋力の低下などによる下肢の不安定性
は上体の動揺を増大させ、立脚期前半の踵部の負荷は外
側に傾き、立脚期後半の負荷はいったん前足部外側に集
中し、toe offは足部の外反に伴う荷重中心の内
方移動として始まる。この内方移動に引続いて進行方向
を前内方に向け、母趾内側でtoe offを完了させ
る場合は、進行方向と足長軸Y方向が不一致になる前述
の外旋歩行時のように、進行方向に対して下腿が外旋し
ている場合の歩行に類似する。しかし、この時より前方
推進力を増して、足部外反を保ったまま足長軸方向への
toe off完了は、より母趾の外反負荷を強めるこ
ととなる。すなわち、進行方向と足長軸方向が一致して
も前足部の外反度によって母趾への負荷は影響される。
【0019】走行時の母趾への負荷は、toe off
に関しては歩行時と同様といえるがheel stri
keからmidstanceまでが存在せず常にhee
lonの状態であることから、前足部の小範囲に負荷が
集中する特徴がある。前足部のtoe off三角野1
は歩行におけるheelの働きも兼ねるため、衝撃を吸
収し、なおかつ体のバランスを調整する必要があり、各
中足骨々頭に加わる負荷はさらに増大する。
【0020】方向変換における母趾への負荷増大は、歩
行時よりも特に走行時に、さらにはスポーツにおける急
激なダッシュ開始時に顕著となる。軽度の方向変換で
は、進行方向に軸足を回旋させる必要がなく、スポーツ
における急速な前側方向への移動でも急激な前足部の外
反に伴った歩幅の増大として解釈できる。この場合の足
部の外反は、膝の内方移動でコントロールされ、足底内
側縁の負荷は増大するが、toe off時の母趾外反
ストレスは基本的には歩行時と同様で、進行方向Xに対
する足長軸Yの方向と前足部の傾き、すなわち外反度に
よって決定されると解釈される。
【0021】しかし、90度以上のターンを行う場合、
toe off直前に進行する方向に前足部が正しく向
き終わっているか否かで母趾に加わる負荷が異なる。そ
の為には、身体の進行方向への回旋に伴って、踵部から
趾尖までの足部が一体となって中足骨々頭を支点として
回旋する必要がある。しかし、機敏な動作では90度以
上の方向変換を行う場合には足部の回旋が体の回旋より
遅れるために、toeoff直前には完了せず、toe
offと同時に足部の回旋が必要となる。この時、固
有趾部は接地して最後の蹴り返しを完了させるに必要な
ため、踵部の回旋より遅れ、このために母趾MP関節部
には強い捩れが生じ母趾は外反する。このことはまた軽
度の方向変換であってもより急速で複雑な変化を要求さ
れるフェイント動作などで激しく出現する。この場合、
進行方向を読まれなくするために接地した前足部を支点
として進行方向に足全体を回旋させることなく、toe
off三角野1での足部の急激な内外反によって調節さ
れることが多いが、この時、前述同様に膝の側方移動に
よりコントロールされる前足部内外反は荷重移動中心線
2の傾きとして考えられるが、膝部での急激な内外旋で
コントロールされる場合には、膝伸展に伴うtoe o
ff時に踵部は進行方向に足を向かせるために急激に回
旋する。踵部の回旋は既にtoe offが開始された
母趾に対しては捩れとして働き、MP関節部での急激な
外反ストレスとなる。
【0022】このように、toe offと同時に後足
部回旋が加わりMP関節部を境として前足部の向きと異
なる進行方向に後足部のみが回旋するような急激な足部
外反は捩れストレスとなり最も強烈な母趾変形の原因と
なる。
【0023】次に変形の増悪要因からみた改善方法の検
討について説明する。足趾の荷重負荷による変形を予防
するためには、より生理的で無理のない歩行および走行
スタイルをとることが望ましい。また変形の矯正を考え
る場合、前述の歩行理論に基づいた改善を考える必要が
ある。したがって、外反変形母趾の矯正と予防のための
方法を考える場合、まず静止状態で矯正位が保たれるこ
とが必要だが、通常の歩行および走行といった動的状態
でも得られた矯正位が保たれ、再発を予防できる必要が
あり、さらには歩行や走行による荷重を利用した生理的
で自然な方法での自動的矯正が可能であれば理想であ
る。
【0024】変形原因別に改善方法を検討すると、進
行方向に対し足長軸方向の不一致が存在する場合、進
行方向と足長軸方向は一致するが、toe off時の
前足部外反が過度の場合、方向変換時の前足部と後足
部の回旋不一致が存在する場合、および母趾の内旋変
形が存在する場合に分けられる。以下にこれらを説明す
る。
【0025】進行方向に対し足長軸方向の不一致が存
在する場合…heel strikeからtoe of
fまでの荷重移動中心線を足長軸に一致する方向に回旋
させる必要がある。その為には一定の方向性を有した足
底荷重移動が必要となり、図4に示すように下駄の二枚
歯のように足底に平行な2本の横軸3を設け、一方は踵
部に位置しheel strikeを安定させると共に
荷重移動に一定の方向性を定め足長軸をより進行方向に
向けるための横軸3A、他方は前足部に位置し中足骨水
平軸としてはたらき、踵部横軸3Aと平行に遠位の第2
中骨々頭レベル、すなわちtoe off三角野の頂点
に位置する横軸3Bであり、toe off時の蹴り返
し方向を一定化させ、荷重移動中心線2を足長軸に一致
させ、固有趾部に加わる負荷を調節するといった方法に
より問題が解決される。さらに母趾の外反変形が進み矯
正が求められる場合には、図5に示すように足長軸Yに
対する母趾の傾き角度を目安として、遠位の横軸3Bを
第2中足骨々頭部分を中心として外側に傾けて設定する
ことによって、矯正程度を調節することが可能と考えら
れる。また図6に示すように踵部の横軸3Aのみを同様
に外側に傾けることのよって、heel strike
時に足長軸を強制的に進行方向に向かせるように調節す
ることも可能である。また、母趾の外反が強い場合、足
長軸Yに対する傾き角度が大きい為、中足骨水平軸3B
のみでは矯正角度が過大となる場合、図7に示すように
踵部の横軸3Aを同様に外側に傾け中足骨水平軸3Bと
平行にすることによって、heel strike時の
下腿の外旋を減らし、進行方向に対し足長軸を内側に傾
けることによって、前足部での矯正角度を1/2に減ら
すことができる。すなわち実際には2本の横軸3A、3
Bにより必要な矯正角度をそれぞれに配分することが可
能である。
【0026】進行方向と足長軸方向は一致するが、t
oe off時の前足部外反が過度の場合、toe o
ff時の前足部の過度の外反を防ぐ工夫が必要となる。
この為には、図8に示すように第1中足骨々頭に一致す
る足底にあてもの4(padding)を設けて背側に
持ち上げて内反位を保ち、toe off三角形野1を
外側に傾けて、toe off時の負荷を外側に移動す
ることで解決できる。
【0027】方向変換時の前足部と後足部の回旋不一
致が存在する場合、母趾MP関節部の捩れを防ぐため
に、図9に示すように母趾MP関節の遠位部まで達し後
足部と母趾の動きを一体化できるような足底副木5(s
plint)を設置する。さらには、一体化した足部の
回旋を容易にする為、副木の母趾MP関節部底側に一致
した回旋ほぞPiv(pivot)を設置することで解
決される。
【0028】母趾の内旋変形が存在する場合、母趾々
尖部にtoe off完了時に加わる負荷は母趾長軸に
対して内側に位置するため、母趾の外反変形を増悪させ
る原因となる。このため図10に示すように母趾々尖部
に一致した足底に、内側に高く外側に低いスロープ部材
6を形成することによって、toe off完了時の母
趾々尖部に加わる圧を利用して母趾の外旋を促すことで
内旋変形が解決できる。さらには母趾が外旋することに
より接地部が外側に移動するため、趾尖に加わる圧の分
力により、母趾の外反を矯正する効果も期待できる。
【0029】次に外反変形母趾の予防および矯正装具の
検討について検討する。外反変形の予防を考える場合に
は、前述の機能解剖学的な増悪要因の除去を考慮しなく
てはならない。さらに理想的な自動的矯正方法を考える
場合、静止状態での矯正位保持に加えて、機能解剖学的
な改善方法を組合わせて用いる必要がある。
【0030】図11および図12は本発明の第1実施例を示
し、前記進行方向に対し足長軸方向の不一致が存在す
る場合の改善方法を用いたものである。
【0031】履物本体たる靴11の表底12の爪先側(前端
側)には、前端側へ次第に薄くなる前側のスロープ部13
が形成されている。このスロープ部13の後端は前記横軸
3Bに対応して該後端の幅方向における靴11の外側13A
が靴11の内側13Bより後方に位置するように設けられて
いる。さらに踵14には後端側へ次第に薄くなる後側のス
ロープ部15が形成される。このスロープ部15は前記横軸
3Aに対応してスロープ部15の前端は該前端の幅方向に
おける靴11の外側15Aが靴11の内側Bより後方に位置す
るように設けられる。したがって靴11を履いて歩行或い
は走行する際に前記横軸3Aに対応して踵部接地の際の
進行方向に対する足長軸の傾きを矯正し、横軸3Bに対
応して前足部での荷重の中心を外側に移動させることに
よって、荷重移動線を足長軸Y方向に一致するように、
それぞれの軸の傾き角度を調節することによって矯正で
きる。尚、前足部横軸3Bに関しては靴底の厚みが少な
い場合にはスロープ部の形成が困難のため金属性横軸を
設置することで代用する。
【0032】図13および図14は本発明の第2実施例を示
し、前記の場合にくわえて前記toe off時の
前足部外反が過度の場合および前記方向変換時の前足
部と後足部の回旋不一致が存在する場合の改善方法を併
用したものであり、比較的靴底が柔かい靴の中底に敷く
副木装具である。
【0033】副木装具は、ほぼ足底形状を有する副木本
体16の踏着け部16Cの前側を前記横軸3Bに対応して該
前側の幅方向における副木本体16の外側16Aが副木本体
16の内側16Bより後方に位置するよう設けたものであ
る。踏着け部16Cは、ボールジョイント、すなわち足の
親指(第1指)のつけ根から小指(第5指)のつけ根の
部分の関節が歩くときに折れ曲がる部分がほぼ対応する
箇所である。そして装具の先端は、母趾のMP関節の遠
位(前方)に達し、これにより第5中足骨々頭の近位
(後方)に向かい斜設した横軸3Bに相当する遠位辺3
bを有し、母趾MP関節と後足部を一体に固定し母趾M
P関節の運動を完全に制限することなくtoe off
時の母趾への荷重負荷の集中を防ぎ母趾の外反方向への
負荷を防止するものである。この場合、前足部横軸3B
の設定部位は、toe off三角野1の頂点より後方
を通過させ母趾のMP関節は副木に含まれるが第2〜5
趾のMP関節は副木外に出るように遠位辺3bを後方に
湾曲させて作製する。これによってtoe off時の
母趾MP関節は副木の厚み分だけ持上げられ前足部の過
度の外反が防止できる。尚、図中16Dは副木本体16の踵
部を示している。
【0034】図15乃至図17は第3実施例の装具を示し、
固定バンド22を設け踏着け部21Cを形成した副木21の前
側を前記横軸3Bに対応するように傾斜して幅方向にお
ける副木21の外側21Aを副木21の内側21Bより後方に位
置するよう設けている。尚、踏着け部21Cは、上述のよ
うにボールジョイント、すなわち足の親指(第1指)の
つけ根から小指(第5指)のつけ根の部分の関節が歩く
ときに折れ曲がる部分がほぼ対応する箇所である。すな
わち、前記横軸3Bに対応するように傾斜し、さらに内
側は母趾のMP関節の遠位に達し第2〜5趾のMP関節
が副木外となるように前縁を湾曲して形成した足底副木
21(splint)を、外反した母趾を矯正するための
指バンド22Aを有する固定バンド22によって前足部足底
に装着できるようにしたものである。前記足底副木21は
金属、或いは硬質の樹脂等の材料からなり、足に取り付
けるための布などからなる固定バンド22はベルベットフ
ァスナー22B並びに22C及びベルベットファスナー22D
並びに22Eなど適宜固定手段によって固定できるように
なっている。尚前記足底副木21は例えば前記固定バンド
22に設けた袋部21Pに収納されるなどの方法で一体化さ
れている。したがって、指バンド22Aによって外反母趾
を矯正し、足底副木21によって母趾MP関節部の遠位〜
近位に達してMP関節部を固定することによりの効果
で外反を防止できる。さらに足底副木21の遠位辺の傾き
3Bによっての効果が得られ、第2〜5中足骨々頭部
分を足底副木21外とすることにより、足底副木21の厚み
を調節することによって厚み分だけ第1足骨々頭部分が
持ち上がるため、前足部の過度の外反を防ぎの効果が
得られる。
【0035】図18乃至図21は第4実施例の装具を示し、
固定バンド32を設け踏着け部21Cを形成した副木21の前
側を前記横軸3Bに対応するように傾斜して幅方向にお
ける副木21の外側21Aを副木21の内側21Bより後方に位
置するよう設けている。すなわち、前記第3実施例で横
軸3Bに対応するように傾斜して形成した足底副木21
(splint)に母趾々尖部分を付加えて形成された
本体31を固定バンド32によって足に装着できるようにし
たものであるが、母趾々尖部まで達するため装具本体31
は発泡樹脂などの比較的柔質の樹脂等の材料からなり、
歩行を容易とするため前記第3実施例のような副木効果
を除き母趾MP関節部での変形を可能としたものであ
る。第1中骨々頭および母趾の趾腹部に対応する部位に
はくぼみ33A、33Bを設けて足底への適合を良くし、第
2、3中足骨々頭の近位部には横軸足穹窿を保つための
隆起部37を設けてある。装具本体31を足に取り付けるた
めの固定バンド32はその端部に設けられた取付金具34等
によって止着できるようになっている。また母趾が挿入
される趾尖部には固定バンド35が設けられている。装具
本体31の趾尖部外側底面は次第に外側に傾斜して薄くな
る薄肉部36が設けられている。これによってtoe o
ff完了時に母趾は外旋を促され、接地部が外側に移動
することによって外反を防止できる。
【0036】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではものではなく、例えば前記各実施例のものを組合わ
せてもよいなど種々の変形が可能である。
【0037】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、履物本体の底の
前端側に該前端側へ次第に薄くなる前側のスロープ部を
形成し、該前側のスロープ部の後端は該後端の幅方向に
おける外側が内側より後方に位置するように設けられ、
前記履物本体の踵に後端側へ次第に薄くなる後側のスロ
ープ部を形成すると共に該後側のスロープ部の前端は該
前端の幅方向における外側が内側より後方に位置するよ
うに設けられたことを特徴とする外反母趾における足跡
変形矯正用履物であり、荷重移動線が足長軸方向に一致
するように靴底面を屈折させて、外反変形母趾を保存的
方法により根治させ得ることができる。
【0038】請求項2記載の発明は、靴の中底に敷く
ぼ足底形状を有する副木本体の踏着け部の前側の幅方向
における外側内側より後方に位置するように設けたこ
とを特徴とする外反母趾における足跡変形矯正用副木装
具であり、荷重移動線が足長軸方向に一致するように足
底を屈折させさらに副木により母趾の外反を防止し、外
反変形母趾を保存的方法により根治させ得ることができ
る。
【0039】請求項3記載の発明は、固定バンドを設け
踏着け部を形成した副木の前側の幅方向における外側を
内側より後方に位置するように設けたことを特徴とする
外反母趾における足跡変形矯正用装具であり、荷重移動
線が足長軸方向に一致するように足底を屈折させ副木に
より母趾の外反を防止し、外反変形母趾を保存的方法に
より根治させ得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は足底に加わる圧の移動の説明図、
(B)は三角野を示す説明図である。
【図2】進行方向の変化に伴なう荷重移動中心線の傾き
を示す説明図である。
【図3】進行方向と足長軸の傾きを示す説明図である。
【図4】平行な横軸を示す説明図である。
【図5】斜設した爪先側の横軸を示す説明図である。
【図6】斜設した踵側の横軸を示す説明図である。
【図7】斜設した爪先側及び踵側の横軸を示す説明図で
ある。
【図8】あてものを示す説明図である。
【図9】(A)は足底副木を示す説明図、(B)は足背
から見た足底副木の設置と骨・関節との位置関係を示す
説明図である。
【図10】スロープ部材を示す説明図である。
【図11】本発明の第1実施例を示す斜視図である。
【図12】本発明の第1実施例を示す底面図である。
【図13】(A)は本発明の第2実施例を示す底面図、
(B)は第2実施例を示す斜視図である。
【図14】足背からみた本発明の第2実施例と足の骨・
関節との位置関係を示す説明図である。
【図15】本発明の第3実施例を示す平面図である。
【図16】本発明の第3実施例を示す底面図である。
【図17】(A)は本発明の第3実施例を示す装具の平
面図、(B)は本発明の第3実施例を示す装具の足底副
木の平面図である。
【図18】本発明の第4実施例を示す斜視図である。
【図19】本発明の第4実施例を示す斜視図である。
【図20】本発明の第4実施例を示す平面図である。
【図21】本発明の第4実施例を示す要部の底面図であ
る。
【符号の説明】
11 靴(履物本体) 13 15 スロープ部 13A 15A 16A 21A 外側 13B 15B 16B 21B 内側 16 副木本体 16C 踏着け部 21 副木 21C 踏着け部 22 32 固定バンド

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 履物本体の底の前端側に該前端側へ次第
    に薄くなる前側のスロープ部を形成し、該前側のスロー
    プ部の後端は該後端の幅方向における外側が内側より後
    方に位置するように設けられ、前記履物本体の踵に後端
    側へ次第に薄くなる後側のスロープ部を形成すると共に
    該後側のスロープ部の前端は該前端の幅方向における外
    側が内側より後方に位置するように設けられたことを特
    徴とする外反母趾における足跡変形矯正用履物。
  2. 【請求項2】 靴の中底に敷くほぼ足底形状を有する
    木本体の踏着け部の前側の幅方向における外側内側よ
    り後方に位置するように設けたことを特徴とする外反母
    趾における足跡変形矯正用副木装具。
  3. 【請求項3】 固定バンドを設け踏着け部を形成した
    木の前側の幅方向における外側を内側より後方に位置す
    るように設けたことを特徴とする外反母趾における足跡
    変形矯正用装具。
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