JP2762395B2 - ツイン形排気タービン過給機 - Google Patents

ツイン形排気タービン過給機

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JP2762395B2 JP63171651A JP17165188A JP2762395B2 JP 2762395 B2 JP2762395 B2 JP 2762395B2 JP 63171651 A JP63171651 A JP 63171651A JP 17165188 A JP17165188 A JP 17165188A JP 2762395 B2 JP2762395 B2 JP 2762395B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば自動車エンジン等に使用される排気
タービン過給機に係り、更に詳細には、容量の異なる排
気タービン過給機を2台並列に設けたツイン形の排気タ
ービン過給機に関する。
〔従来の技術〕
近年、可変容量形の排気タービン過給機を更に徹底さ
せた方式として、容量の異なる2台の排気タービン過給
機を並列に配置したツイン形の過給機が提案されてい
る。
この種の過給機は、例えば特開昭56−41418号公報等
に開示されるように、容量の異なる第1,第2の排気ター
ビン過給機をエンジンに対し2個並列に設置し、且つ容
量の大きい方の排気タービン過給機における上流側の排
気通路と、コンプレツサ下流側の吸気通路とにエンジン
の回転速度と負荷等によつて開閉制御される弁を設けて
なる。そして、エンジンの低速回転域,特に低負荷運転
域では、前記弁を閉じて専ら容量の小さい方の排気ター
ビン過給機を使用し、エンジンの高速回転域,特に高負
荷運転域では、前記弁を開いて双方の排気タービン過給
機を並列運転させて過給性能の向上を図ろうとするもの
である。
〔発明が解決しようとする課題〕
この種の過給機は、容量の異なる2つの排気タービン
過給機を単機運転,並列運転と使い分けることで、エン
ジンの運転条件,換言すれば排気ガス流量に応じた可変
容量過給動作を行うことができ、特に互いのタービンス
クロールが独立しているので、1台の可変容量形排気タ
ービン過給機のようにスクロール同士のガス洩れがな
く、より一層のエンジン低速,高速回転域の過給性能を
向上させるものとして、実用化が期待されている。
本発明者らは、このようなツイン形の排気タービン過
給機の開発にあたり、ツインの排気タービン過給機の容
量を異らせて並列運転した場合に、片側のコンプレツサ
(容量の小さい方のコンプレツサ)の流量が極端に減少
してサージング領域に入る現象に直面した。
このような現象が生じるのは、解析の結果、ツインの
排気タービン式過給機の並列運転時には、双方のコンプ
レツサの作動点がタービン側のエネルギーバランスで決
まり、コンプレッサ流量の配分がほぼタービン流量特性
の比になるにもかかわらず、この関係を配慮しないで、
任意にタービンを配置するためであつた。すなわち、こ
の種の排気タービン過給機を設計する場合に、容量の小
さい方の過給機のタービンを低速回転域の過給性能を極
力満足させようとする余り、そのタービンの流量特性が
小さくなり過ぎ、その分、容量の小さい方のコンプレツ
サの流量配分が必要以上に減少してサージング領域に突
入してしまうためである。なお、従来はこの点について
充分な配慮がなされておらず、2台の排気タービン過給
機のタービンとコンプレツサのバランスをサージング防
止の見地からどのようにするか、適宜な対策が提案され
ていなかつた。
また、運転状態に応じて1台の排気タービン過給機か
ら2台の排気タービン過給機の並列運転に移行する時に
も新たに運転を開始する側のコンプレッサにサージング
が起こりやすい問題があった(このサージングのメカニ
ズムについては、後述する)。
本発明は以上の点に鑑みてなされ、その目的は、並列
運転時や並列運転に移行する時にサージングが発生する
ことを防止して、ツイン形排気タービン過給機の運転を
常に良好にし、しかも、広い運転範囲で良好な過給性能
が得られるツイン形排気タービン過給機を提供すること
にある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記目的を達成するために、次のように構成
する。なお、構成要素に付した符号は第1図の実施例の
符号を引用した。
すなわち、本発明は、エンジンの吸気通路9に容量の
小さい第1の排気タービン過給機2の容量の大きい第2
の排気タービン過給機3とが並列配置され、エンジンの
排気管8は前記第1の排気タービン過給機2のタービン
5と前記第2の排気タービン過給機3のタービン7に対
応して2つの排気管8a,8bに分岐され、前記第1の排気
タービン過給機2は、エンジンの低負荷運転域〜高負荷
運転域の全ての運転領域で作動させ、一方、前記第2の
排気タービン過給機3は、エンジンが所定の負荷以上に
上昇することを条件に前記第1の排気タービン過給機2
と共に作動させる方式のツイン形排気タービン過給機に
おいて、 前記第1,第2の排気タービン過給機2,3のタービン5,7
のタービン流量特性の比を、対応するコンプレッサ4,6
のサージング流量特性の比にほゞ一致させてあり、 且つ、前記吸気通路9の過給圧力が所定値以上に上昇
すると該第2の排気タービン過給機3側の前記分岐排気
管8bを開くタービン駆動制御弁15と、 該第2の排気タービン過給機3のタービン7の駆動に
より対応のコンプレッサ6が回転して該第2の排気ター
ビン過給機3のコンプレッサ出口圧力が所定値以上に上
昇すると該第2の排気タービン過給機用の吸気通路9bを
開く過給弁23と、 前記過給弁23と前記第2の排気タービン過給機3のコ
ンプレッサ6の出口との間の吸気通路壁に設けた大気に
通じる穴18を前記過給弁23が開くまではサージング突入
防止弁19により開制御して、前記過給弁23が閉じている
時に前記第2の排気タービン過給機3のコンプレッサ6
が回転を始めた時のそのコンプレッサ6の流量が零にな
る事態を防止する機構と、 エンジンの高速,高出力状態時に過給圧力が過度に上
昇しようとすると前記第2の排気タービン過給機3側の
分岐排気間8bに流れる排気ガスを外部に逃がして過給圧
力の上昇を抑制するリリーフ弁11とを備え、 前記リリーフ弁11の空圧アクチュエータ12,前記サー
ジング突入防止弁19の空圧アクチュエータ20,前記ター
ビン駆動制御弁15の空圧アクチュエータ16は、元が同じ
圧力導入管13,17,21によって第2の排気タービン過給機
用の吸気通路9bにおける前記過給弁23下流の吸気管内圧
力により作動するよう設定され、前記過給弁23の空圧ア
クチュエータ24は該過給弁(23)上流の圧力を導いて作
動するように設定されていることを特徴とする。
〔作用〕
低負荷運転域では、容量の小さい方の排気タービン過
給機(第1の排気タービン過給機)2が単独で作動し、
負荷が増大するにつれて吸気通路9の過給圧力が所定値
を超えると、容量の大きい方の排気タービン過給機(第
2の排気タービン過給機)3のタービン駆動制御弁15が
作動して排気通路8bが閉から開に変わる。これにより、
第2の排気タービン過給機3のタービン7も運転を開始
し、対応のコンプレッサ6も回転を始める(排気タービ
ン過給機の並列運転への移行)。
コンプレッサ6が回転を始めても、コンプレッサ6の
出口圧力が所定値以上になるまでは過給弁23が排気ター
ビン過給機3側の吸気通路9bを閉じた状態にあるので、
この時に何らの配慮がないとコンプレッサ6の流量が零
の状態となりコンプレッサ6がサージングへ突入するが
(排気タービン過給機の単独運転から並列運転移行時の
サージング突入)、本発明では、第2の排気タービン過
給機3側の過給弁23が開くまで(コンプレッサ6の出口
圧力が所定値以上になるまで)は、過給弁23・コンプレ
ッサ6間の通路に設けた穴18が開弁制御されて、この穴
18を通して空気流を形成可能にしてコンプレッサ6の流
量が零になるのを防止でき、ひいてはコンプレッサ6が
サージングに突入するのを回避できる。
2台の排気タービン過給機2,3が並列運転を行ってい
る時には、各過給機の作動点は、タービン仕事とコンプ
レッサ仕事が釣り合う状態のところにある。そして、並
列運転の場合には、2つのタービン5,7の入口,出口は
共通、また2つのコンプレッサ4,6の入口,出口も共通
であるため、タービン仕事,コンプレッサ仕事は、ター
ビン効率及びコンプレッサ仕事を一定とすれば、それぞ
れの作動流量に比例する。すなわち、タービン流量はタ
ービン流量特性の比に分配され、その結果、このタービ
ン流量の比率でコンプレッサ流量が分配されることにな
る。
したがって、ツイン形の2つの排気タービン過給機2,
3のタービン流量特性の比をほゞ等しくすれば、2つの
コンプレッサの流量は、タービン流量特性の比を反映し
てサージング流量特性の比で分配される。
その結果、2つのコンプレッサの作動点上の流量のバ
ランスがとれ、各コンプレッサ4,6の作動点(流量)は
サージング流量特性線からの余裕度がほゞ等しくなる。
そのため、2台の容量の異なる排気タービン過給機2,3
を並列運転しても、一方のコンプレッサ4の作動点が著
しく片寄ってサージング領域に突入する等の不具合がな
く、双方のコンプレッサ4,6が良好な過給運転を行い得
る。
また、エンジンが高速,高出力で運転され過給圧力が
過度に上昇しようとすると、リリーフ弁11を介して容量
の大きい方の過給機側、すなわち第2の排気タービン過
給機3側の分岐排気管8bに流れる排気ガスを外部に逃が
して過給圧力の上昇を効果的に抑制する。
さらに、リリーフ弁11の空圧アクチュエータ12,サー
ジング突入防止弁19の空圧アクチュエータ20,タービン
駆動制御弁15の空圧アクチュエータ16は、元が同じ圧力
導入管13,17,21によって第2の排気タービン過給機用の
吸気通路9bにおける前記過給弁23下流の吸気管内圧力に
より作動するよう設定され、前記過給弁23の空圧アクチ
ュエータ24は該過給弁23上流の圧力を導いて作動するよ
うに設定されているので、これらの各種弁はコンプレッ
サ6下流の同じ吸気系統の圧力取り出し位置から取り出
した圧力で、第2のタービン過給機3のコンプレッサ6
及びタービン7の流入出ガス流量を制御して第2の過給
機の運転特性を制御するので、コンプレッサ4,タービン
5から成る第1の過給機の制御特性との干渉を排除で
き、不安定な制御領域を発生することを防止できる。
〔実施例〕
本発明の一実施例を図面に基づき説明する。
第1図は本発明の適用対象となるツイン形排気タービ
ン過給機の使用状態を表わしたものである。
第1図において、1はエンジン、2は容量の小さい方
の排気タービン過給機(以下、第1排気タービン過給機
とする)、3は容量の大きい方の排気タービン過給機
(以下、第2排気タービン過給機とする)である。
エンジン1の排気管8は2つに分岐され、その一方の
分岐排気管8aに第1排気タービン過給機2のタービン5
が配置され、他方の分岐排気管8bに弁穴14を介して第2
排気タービン過給機3のタービン7が配置される。弁穴
14,換言すれば第2の排気タービン過給機3側の排気分
岐管8bは弁(タービン駆動制御弁)15によりにより開閉
し、弁15は空圧式アクチユエータ16により作動する。ま
た、分岐排気管8bには、弁穴14より上流側に、大気へ開
放する穴(リリーフ穴)10が設けられ、穴(リリーフ
穴)10はリリーフ弁11により開閉される。リリーフ弁11
は空圧式アクチユエータ12により作動する。
一方、エンジン1の吸気管9も2つに分岐され、その
一方の分岐吸気管9aに第1排気タービン過給機2のコン
プレツサ4が配置され、他方の吸気管9bに第2排気ター
ビン過給機3のコンプレツサ6が弁穴22を介して配置さ
れる。
このようにして、第1排気タービン過給機2及び第2
排気タービン過給機3がエンジン1に対し並列に配置さ
れる。分岐吸気管9bの弁穴22は弁(過給弁)23により開
閉され、弁23は空圧式アクチユエータ24により作動す
る。また吸気管9bには、弁穴22より上流側でコンプレツ
サ6の下流側には大気へ開放する比較的小さな穴18があ
り、穴18は、弁19により開閉可能であり、弁19は空圧式
アクチユエータ20により作動する。前述のアクチユエー
タ12,16,20を作動させる圧力は、それぞれ圧力導入管1
3,17,21によつて分岐吸気管9bの弁穴22の下流の吸気管
内圧力を使用し、アクチユエータ24を作動させる圧力は
圧力導入管25によつて弁穴22の上流のコンプレツサ6の
出口圧力を使用する。吸気管9のコンプレツサ4および
コンプレツサ6の下流側にはアクセルペダル27に連動す
るスロツトルバルブ26が設けられている。
ここで、本実施例の要点となるタービン及びコンプレ
ツサの仕様及び利点を説明するに先立ち、この種ツイン
形過給機の基本動作について説明する。
先ず、エンジン1の低速回転域特に低負荷運転域にお
いては過給圧力が低く、この時には、第2排気タービン
過給機3のタービン側のリリーフ弁11は閉じており、弁
15も閉じている。また、コンプレツサ側の弁19は開いて
おり弁23は閉じている。この状態では、エンジン1から
の排気ガスは第1排気タービン過給機2のタービン5に
のみへ導かれる。第1排気タービン過給機2のコンプレ
ツサ4で圧縮された空気は、弁23が閉じているので吸気
管9を通りエンジン1へ導かれる。このようにエンジン
低速回転域では第1排気タービン過給機2のみが作動す
ることになり、この第1排気タービン過給機2のタービ
ン5の容量を比較的小さく設定しておけば、エンジン低
速回転域でもかなり高い過給圧力を得ることが可能とな
る。
次に、エンジン回転数が上り過給圧力が次第に高くな
つて設定値を越えると、分岐排気管8bの弁15が弁穴14を
開口し始めてタービン5へ流れるガスの増加を制限し、
分岐排気管8bにも排気ガスが流れてタービン7を回転さ
せ始める。しかしまだタービン7の回転数が十分上らな
い間は、第2排気タービン過給機3のコンプレツサ6か
らの空気の圧力は低く、圧力導入管25の圧力が十分でな
いので、分岐吸気管9bの弁23が弁穴22を閉じている。第
2排気タービン過給機3の弁19は、この状態ではまだ開
くようにアクチユエータ20のばね,ダイヤフラムが設定
されており、コンプレツサ6からの空気は穴18より大気
へ放出される。この穴18はコンプレツサ6のサージング
回避用であり、これがないとコンプレツサ6の流量が零
となりサージングへ突入する。従つてバイパス穴18の大
きさは、弁22が閉じた状態でコンプレツサ6の回転数が
上昇した場合に、コンプレツサ6の出口圧力が上昇し、
かつサージングを起さないよう必要最小限の流路面積と
なるようにする。
さらにエンジン回転数が増加し(高速回転)、排気ガ
ス量が増えてタービン7の回転数すなわちコンプレツサ
6の回転数が増加し、コンプレツサ6の出口の圧力がコ
ンプレツサ4の出口の圧力と同程度にまで上昇すると、
アクチユエータ24の圧力導入孔25内の圧力が高まり弁23
は弁穴22を開口する。また吸気管9b内の圧力が一定以上
になると、弁19は穴18を閉口する。この状態では第1排
気タービン過給機2と第2排気タービン過給機3とは並
列運転となる。
さらにエンジンが高速,高出力で運転され過給圧力が
過度に上昇しようとすると、タービン側バイパス弁11が
穴10を開口して過給圧力の上昇を抑制する。このように
して、広い運転範囲で良好な過給性能を得ようとするも
のである。
ところで、この2つの排気タービン過給機を並列運転
した場合、既に〔発明が解決しようとする課題〕の項で
も述べたように、何らの配慮なしに並列運転を行うと、
2つのコンプレツサの流量配置が不適当になり、片側、
特に容量の小さい方の排気タービン過給機のコンプレツ
サがサージング域に入り運転不能になる。このような現
象は、後で理論解析するように並列運転時の双方のコン
プレツサの作動点がタービンの流量特性の比で決まるに
もかかわらず、容量の小さい方のタービンの流量特性を
絞り過ぎるため、そのタービン流量特性の比がコンプレ
ツサ側に反映して、容量の小さい方の流量配分が必要以
上に減少してサージング領域に突入してしまうためであ
る。
本実施例は、このような不具合を解消するために、2
つのタービン5,7の流量特性の比をコンプレツサ4,6のサ
ージング流量特性の比にほぼ一致させる。
このタービン5,7の仕様は第2図から第5図により説
明する。
第2図は第1排気タービン過給機2の流量特性図、第
3図は、第2排気タービン過給機3の流量特性図で、こ
れらの図の横軸Gcはコンプレツサ空気流量で、縦軸π
はコンプレツサ圧力比であり、それぞれのサージング流
量特性をS1,S2で示す。また第2図,第3図のI,II,III,
IVはコンプレツサの回転数で、IからIV方向に移行する
につれて回転数が高くなり、このコンプレツサ回転数の
変化に対応してサージング点をプロツトしていくと、
S1,S2のようなサージング流量特性(サージング線)と
なる。なお、第2図のコンプレツサ4の流量特性と第3
図のコンプレツサ6のサージング流量特性との比を表わ
す場合には、コンプレツサ4,6の圧力比を適当に選んで
πc0として、圧力比πc0に対応するコンプレツサ4,6の
サージング点の流量Gc1s,Gc2sを選べば、このGc1sとG
c2sとでコンプレツサのサージング流量特性の比を表わ
すことができる。πc0は、実際の動作域の範囲内の圧力
比を選ぶのが望ましく、例えば作動点の最高圧力比とし
てπc0を選ぶ。L1,L2は本実施例のコンプレツサ作動
点、L1′,L2′は問題となる作動点で、これについては
後述する。
第4図は第1排気タービン過給機2の流量特性を、第
5図は第2排気タービン過給機3のタービン流量特性を
示す。それぞれの横軸Gtはタービン流量で、縦軸π
タービン圧力比である。双方のタービン5,7の流量特性
の比を表わす場合には、タービン5,7の圧力比πt0を適
当に選んで、圧力比πt0に対応するタービンの流量Gt1,
Gt2を選び、このGt1,Gt2でタービンの流量特性の比を表
わすことができる。πt0は例えば作動点のタービン最高
圧力比を選ぶ。
そして本実施例では、2つのタービンの流量特性はコ
ンプレツサのサージング流量特性をもとに次のように決
定される。すなわち、前記のようにコンプレツサ4,コン
プレツサ6のπc0におけるサージング流量をGc1,Gc2
すれば、タービン5,タービン7のπt0における流量特性
Gt1,Gt2は、 なる関係が概ね成立するよう決定される。
タービンの流量特性はベーンレスノズルタービンで
は、例えば鉄道日本社の出版物,「ターボチヤージヤの
理論と実際」等に記載の如く、タービンの形状で自由に
決められる。すなわち、第6図のタービンケーシング28
を例にすると、スクロール巻き始め部の流路面積Aと流
路面積Aの中心までの半径Rとの比A/Rや、タービン羽
根車29の出口径D2,出口羽根角度の仕様を適宜設定する
ことでタービン流量特性を自由に選定出来る。従つて前
記のように となるようにタービン形状を選ぶことは容易に可能であ
る。
このようにしてタービン5,7の仕様を設定すると、並
列運転時に次のような過給機運転がなされる。
タービン5,タービン7については、並列運転のため、
その入口,出口圧力が2つのタービンで共通であるか
ら、タービン流量は、各タービン5,7の流量比Gt1:Gt2
分配される。この時コンプレツサ4,6側は、各々の排気
タービン過給機2,3について、タービン出力動力がコン
プレツサ駆動動力と軸受損失の和が等しくなるようなエ
ネルギバランスで流量が分配される。すなわちタービン
5,タービン7の動作状態を圧力比πt0(共通)、入口ガ
ス温度Tt0(共通)、流量Gt1,Gt2、断熱効率ηt1t2
とすれば、それぞれのタービン出力動力Lt1,Lt2は、排
気ガスの比熱比Kt,ガス定数Rtとして Lt1=Ht0ηt1Gt1 Lt2=Ht0ηt2Gt2 但し、 で表わされる。一方、コンプレツサ4,コンプレツサ6に
ついての動作状態を、圧力比πc0(共通)、入口空気温
度Tc0(共通)、流量Gc1,Gc2、断熱効率ηc1c2とす
れば、それぞれのコンプレツサ動力Lc1,Lc2は、空気の
比熱比Kc,ガス定数Rcとして、 但し、 となり、また、排気タービン過給機2,排気タービン過給
機3の軸受損失をそれぞれ、Lj1,Lj2とすれば、上記の
エネルギバランスは、 Lt1=Lj1+Lc1,Lt2=Lj2+Lc2 となる。一般に軸受損失Lj1,Lj2は軸受効率をηj1j2
として、 Lj1=Lj1(1−ηj1),Lj2=Lt2(1−ηt2) と表わされるから、 ηj1Lt1=Lc1j2Lt2=Lc2 従つて、 となり、2つのコンプレツサの作動流量Gc1,Gc2と求まる。ηa1a2はそれぞれの排気タービン過給機
の総合効率であり、2台並列運転時に両方共正常な運転
状態にあれば、ηa1とηa2は同程度の値であり、 となる。
ここで本実施例の如く2つのタービン流量特性の比G
t1/Gt2をそれぞれに対応したコンプレツサのサージング
特性の比Gc1s/Gc2sに等しくとれば、それぞれのコンプ
レツサの作動点の流量比は となり、コンプレツサマツプ上の作動線は第2図,第3
図のL1,L2のようにサージング流量比で分配される。そ
の結果、双方のコンプレツサの作動点の流量比のバラン
スがとれ、L1とL2とのサージング線S1,S2からの余裕が
大体等しくなり、双方のコンプレツサ4,6が良好な作動
状態で運転できる効果を奏する。なお並列運転の場合、
2つのタービンの流量の和Gt1+Gt2と2つのコンプレツ
サの流量和Gc1+Gc2の関係は従来の1台のみの可変容量
形排気タービン過給機の場合と同様に設定され、この時
のコンプレツサの流量和Gc1+Gc2が2つのコンプレツサ
のサージング流量和Gc1s+Gc2sにより小さくならないよ
うにしておくことは当然のことである。
なお、タービン5の流量特性を の関係を無視して第4図の破線のようにGt1′に絞つた
場合を考える。このようなことはエンジン低速域の過給
圧力を増加させる意図だけを念頭においてとられるが、
この場合、コンプレツサ性能に第2図のものをそのまま
使用すると、コンプレツサの流量配分はGt1′/Gt2とな
り、その結果、コンプレツサ4,6の作動線が第2図,第
3図のL1′,L2′のようになり、容量の小さい方のコン
プレッサ4はサージング領域に入つてしまう。しかも、
コンプレツサ流量比は厳密には で分配されサージング領域でのコンプレツサ断熱効率η
c1は極端に低下するので、コンプレツサ4の作動点流量
Gc1は一層少なくなり、ほとんど片方の排気タービン過
給機3しか作動しなくなつてしまう現象が生じる。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によれば、容量の異なる2台の排
気タービン過給機を並列に作動させた場合、2つのコン
プレッサの作動線は、ほぼ等しい割合のサージング余裕
を持って流量が分配されるので、ツイン形排気タービン
過給機の各過給機(特に容量の小さい方)のコンプレッ
サがサージングに突入することがなく、また、第1のタ
ービン過給機から第1,第2のタービン過給機の運転に切
り替わるときに第2タービン過給機のコンプレッサにサ
ージングが生じるのを防止する配慮もなされており、さ
らに、エンジンが高速,高出力で運転され過給圧力が過
度に上昇しようとしたときでも、特に容量の大きい方の
過給機側、すなわち第2の排気タービン過給機側の分岐
排気管に流れる排気ガスを外部に逃がして過給圧力の上
昇を効果的に抑制する効果も奏する。さらに、第2のタ
ービン過給機を制御するリリーフ弁11,サージング突入
防止弁19,タービン駆動制御弁15,過給弁23は、コンプレ
ッサ6下流の同じ吸気系統の圧力取り出し位置から取り
出した圧力で作動して、第2のタービン過給機3のコン
プレッサ6及びタービン7の流入出ガス流量を制御し第
2の過給機の運転特性を制御するので、コンプレッサ4,
タービン5から成る第1の過給機の制御特性との干渉を
排除でき、不安定な制御領域を発生することを防止でき
る。したがって、本願発明によれば、容量が大小異なる
ツイン形排気タービン過給機であっても、エンジンの広
い運転範囲で良好な過給運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例たるツイン形排気タービン過
給機の使用状態を表わす構成図、第2図はその第1排気
タービン過給機のコンプレツサのサージング特性曲線と
作動線を示す線図、第3図はその第2排気タービン過給
機のコンプレツサのサージング特性曲線と作動線を示す
線図、第4図は上記第1排気タービン過給機のタービン
の流量特性曲線を示す線図、第5図は上記第2排気ター
ビン過給機のタービンの流量特性曲線を示す線図、第6
図はタービンの要部縦断面図である。 1……エンジン、2……第1排気タービン過給機、3…
…第2排気タービン過給機、4……コンプレツサ、5…
…タービン、6……コンプレツサ、7……タービン、8
……排気管、9……吸気管、S1,S2……サージング線。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの吸気通路(9)に容量の小さい
    第1の排気タービン過給機(2)と容量の大きい第2の
    排気タービン過給機(3)とが並列配置され、エンジン
    の排気管(8)は前記第1の排気タービン過給機(2)
    のタービン(5)と前記第2の排気タービン過給機
    (3)のタービン(7)に対応して2つの排気管(8a,8
    b)に分岐され、前記第1の排気タービン過給機(2)
    は、エンジンの低負荷運転域〜高負荷運転域の全ての運
    転領域で作動させ、一方、前記第2の排気タービン過給
    機(3)は、エンジンが所定の負荷以上に上昇すること
    を条件に前記第1の排気タービン過給機(2)と共に作
    動させる方式のツイン形排気タービン過給機において、 前記第1,第2の排気タービン過給機(2,3)のタービン
    (5,7)のタービン流量特性の比を、対応するコンプレ
    ッサ(4,6)のサージング流量特性の比にほゞ一致させ
    てあり、 且つ、前記吸気通路(9)の過給圧力が所定値以上に上
    昇すると該第2の排気タービン過給機(3)側の前記分
    岐排気管(8b)を開くタービン駆動制御弁(15)と、 該第2の排気タービン過給機(3)のタービン(7)の
    駆動により対応のコンプレッサ(6)が回転して該第2
    の排気タービン過給機(3)のコンプレッサ出口圧力が
    所定値以上に上昇すると該第2の排気タービン過給機用
    の吸気通路(9b)を開く過給弁(23)と、 前記過給弁(23)と前記第2の排気タービン過給機
    (3)のコンプレッサ(6)の出口との間の吸気通路壁
    に設けた大気に通じる穴(18)を前記過給弁(23)が開
    くまではサージング突入防止弁(19)により開制御し
    て、前記過給弁(23)が閉じている時に前記第2の排気
    タービン過給機(3)のコンプレッサ(6)が回転を始
    めた時のそのコンプレッサ(6)の流量が零になる事態
    を防止する機構と、 エンジンの高速,高出力状態時に過給圧力が過度に上昇
    しようとすると前記第2の排気タービン過給機(3)側
    の分岐排気管(8b)に流れる排気ガスを外部に逃がして
    過給圧力の上昇を抑制するリリーフ弁(11)とを備え、 前記リリーフ弁(11)の空圧アクチュエータ(12),前
    記サージング突入防止弁(19)の空圧アクチュエータ
    (20),前記タービン駆動制御弁(15)の空圧アクチュ
    エータ(16)は、元が同じ圧力導入管(13,17,21)によ
    って第2の排気タービン過給機用の吸気通路(9b)にお
    ける前記過給弁(23)下流の吸気管内圧力により作動す
    るよう設定され、前記過給弁(23)の空圧アクチュエー
    タ24は該過給弁(23)上流の圧力を導いて作動するよう
    に設定されていることを特徴とするツイン形排気タービ
    ン過給機。
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