JP2760877B2 - 紫外線吸収レンズ及びその製造方法 - Google Patents

紫外線吸収レンズ及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、紫外線吸収剤、該吸収剤が結合した眼球用
レンズ、例えばコンタクトレンズ又は眼球内レンズ、及
びそのようなレンズの製造方法に関するものである。よ
り詳しくは、本発明は高分子材料に共有結合した反応性
の紫外線吸収剤を有する親水性レンズもしくはソフトコ
ンタクトレンズに関するものである。
紫外線は、200nmから400nmの波長の光であり、我々の
周囲に常に存在している。紫外線への曝露は幾つかの眼
病の原因であることが分っている。角膜上皮に対する紫
外線の有害な影響はずっと以前から知られている。例え
ば、ウサギの角膜上皮に対する290nmの紫外線照射によ
る障害(A.P.Cullen、紫外線によって誘発された角膜上
皮のリソゾーム活性、Graefes Arch.Clin.Exp.Ophthalm
ol 214;107−118,1980)や、280nm以上の全スペクトル
にわたって放射を行う市販の紫外線日焼け用ランプに曝
された後の主角膜層(上皮、実質及び内皮)の実質及び
内皮の変化(A.Ringvoldら、紫外線照射によって惹起さ
れたウサギ角膜実質の変化、Acta Ophthalmol,(コペン
ハーゲン)63;601−606,1985)が実証されている。紫外
線照射による目の損傷は蓄積されることが分っており、
又この損傷は相反法則に従う。紫外線から目を適切に保
護することの重要性は、これらの研究結果により高まっ
ている。このような保護が特に推奨されるのは、紫外線
に曝されやすい人々、白内障の手術を受けた患者及び光
感作薬剤を使用している患者に対してである。
最近、紫外線を吸収するのに役立つコンタクトレンズ
が開発されている。例えば、米国特許第4,390,676号
は、レンズを造るのに適したモノマーの共重合によって
形成した紫外線吸収コンタクトレンズ及び340〜450nmの
波長の放射線を吸収する紫外線吸収剤を開示している。
紫外線吸収化合物の2−ヒドロキシ−4−メタクリルオ
キシ−ベンゾフェノン又はその混合物が分子レベルでレ
ンズ高分子材料に組み込まれている。又、米国特許第4,
528,311号は、2−ヒドロキシ−5−アクリルオキシフ
ェニル−2H−ベンゾトリアゾールとこれと共重合できる
一つないしそれ以上の他のモノマーとのコポリマーから
なる高分子組成からできている紫外光吸収コンタクトレ
ンズを開示している。
上記の化合物は、共重合して材料を保護することが見
出されている。しかしながら、該化合物の共重合効率は
不十分であることが分っている。典型的な例では、アル
ケニルオキシ−ベンゾフェノンのせいぜい15%が実際に
高分子鎖の一部になる。原料の残りは溶媒抽出により容
易に浸出される。さらに、アクリレートモノマーと共重
合できるヒドロキシベンゾフェノンは、有効な紫外線吸
収剤であり、化学的に安定なコポリマーを形成するが、
厚さ1mmで400nmにて85%の紫外線吸収を得るには比較的
大きな量、すなわち重量で3〜10%がポリマーに組み込
まれなければならない。又、該化合物は吸収帯域が非常
に広くて可視波長にまで及んでおり、そして、これらの
成分を含んでいるレンズは色が受け入れがたい程に黄色
になる傾向がある。
上に述べた紫外線吸収レンズには、又幾つかの限界が
ある。例えば、吸収剤及びレンズ材料は種々の性質を有
しており、ただ一つの吸収剤が使用され、それはレンズ
上に厚い膜として対称的に現れる。この結果、レンズは
構造上の弱さを有し、不均一な膨張を示す。そのため、
過度に湾曲したレンズ又はゆがんだレンズになる。その
うえ、レンズへの吸収剤の結合は、比較的長い時間を要
し、高温で行わなければならず、高濃度の高価な吸収剤
を必要とする。又、単一の吸収剤を使用すると、レンズ
が吸収できる紫外線の波長の範囲が限られる。
従って、改良紫外線吸収コンタクトレンズ並びにその
製造方法が必要とされている。
又、構造上の一体性を有し、比較的短い時間及び比較
的低い温度で調製でき、少量の紫外線吸収剤を使用する
レンズが要望されている。
さらに、広い波長範囲の紫外線を吸収するレンズが要
望されている。
そして、比較的少量の吸収剤を含み、黄変の度合が比
較的小さく、吸収剤が浸出しないレンズがより具体的に
要望されている。
本発明は、紫外線吸収剤が高分子レンズ材料に共有結
合されることを特徴とする高分子レンズ材料の紫外線吸
収レンズ及びその製造方法に関するものである。レンズ
は、比較的少量の吸収剤を使用して製造することがで
き、黄変は極めてわずかである。又、共有結合のため、
吸収剤はレンズから浸出しない。
紫外線吸収剤は次式I: (式中、Aは紫外線吸収基であり;Eは水溶性基E1又は紫
外線吸収基E2であり;Xは、Eが紫外線吸収剤の場合に
は、Clであり、Eが水溶性基である場合には、Cl又はF
である) で示される。
より具体的には、吸収剤は次式I A: (式中、A及びE2は、互いに同一もしくは異なってい
る) であるか、又は次式I B: (式中、XはCl又はFであり、Aは紫外線吸収基であ
り、E1は水溶性基である) の紫外線吸収剤である。
吸収剤をレンズ材料に組み込む操作は水性媒質の中で
実施されるので、吸収剤は水溶性であるべきである。
紫外線吸収基A及びE2は、同一もしくは異なってい
る。AとE2が異なる波長の紫外線を吸収する場合には、
両方の基をもつ吸収剤を含有するレンズは、AとE2を組
合わせた波長をもつ紫外線を吸収することができる。
又、AとE2の両方が紫外線吸収基である場合には、Aと
E2の基が類似しているか異なっているかに関係なく、レ
ンズに必要な吸収剤はより少量で済む。
吸収剤に二つの異なる紫外線吸収成分を付加すると広
い範囲の波長を吸収するコンタクトレンズが得られるこ
とが分っている。例えば、ベンゾトリアゾルタイプの吸
収剤である吸収成分Tinuvin P(Ciba−Geigy Corpora
tionから入手できる)は、約280nmから360nmの紫外線を
非常によく遮断するが、約250nmから275nmではあまりよ
く遮断しない。4−アミノ安息香酸タイプの成分は、19
0nmから316nmの紫外線を非常によく遮断するが、それ以
上の波長はほとんど遮断しない。本発明に従って単一の
分子にこの二つの成分を結合させることにより得られる
紫外線吸収剤、ひいては、この吸収剤を含んでいるレン
ズは、約190nmから360nm(二つの成分のスペクトルの組
合わせ)の紫外線に対する優れた吸収能力を有する。
同様に、ベンゾフェノンタイプの成分(これも約280n
mから360nmの紫外線を遮断する)を上記のTinuvin
の代わりに4−アミノ安息香酸タイプの成分に付加する
と、得られた反応性紫外線吸収剤は、約190nm〜360nmの
紫外線に対する優れた吸収能力を有する。
該吸収剤に類似の又は同一の紫外線吸収成分を付加す
ることもできる。このような場合には、有効な紫外線吸
収レンズを得るのに必要な吸収剤の量は減少する。レン
ズの吸収剤の量が減少すると、単一成分の吸収剤を有す
るレンズにつきものの構造上の弱さが大いに減じられ
る。
本発明の吸収剤は、レンズと、吸収剤が溶解している
水性媒質に単に浸漬するかあるいは浸けおくことによ
り、比較的短い時間で、かつほぼ室温でレンズに適用す
ることができることも分った。このため、レンズを製造
する施設においてではなく、レンズを購入する場所で検
眼士が吸収剤をレンズに適用させることを可能にする。
従って、検眼士は吸収性をもたせたレンズの大量の在庫
をかかえる必要はない。
本発明は、眼球内レンズや眼鏡に使用されるレンズに
適用することもできるが、これらについてはコンタクト
レンズに関連づけて述べる。本発明は、高分子レンズ材
料に結合した紫外線吸収剤を含むレンズに関する。吸収
剤は水溶性であり、一つないし二つの同一もしくは互い
に異なっている紫外線吸収基を含む分子構造を有する。
吸収剤は高分子レンズ材料に外骨格を形成するように結
合される。
紫外線吸収基A及びE2は同一もしくは異なる基であ
り、基本的に紫外線吸収性の化合物の好適な基から選択
される。しかしながら、AとEの両方とも紫外線吸収基
である場合には、これらのうちの少なくとも一方が式I
の構造に水溶性をもたらすものであるべきである。
紫外線吸収剤の代表的な基は、次の特許に開示されて
いる紫外線吸収剤の基であり、その全てが参照により本
明細書に含まれる。:米国特許第3,041,330号、第3,15
9,646号、第3,213,058号、第3,214,436号、第4,418,000
号、第4,418,001号、第4,418,002号、第4,826,978号、
第3,493,539号、第3,399,173号、第4,880,859号、第4,7
85,063号、ドイツ特許出願公開公報第1,495,870号、英
国特許第981,539号、及びヨーロッパ特許出願第133,164
号。
紫外線吸収基A及びE2は、好ましくは次のいずれかの
構造: (式中、R1及びR2は、互いに独立して、水素、C1−C18
アルキル、C1−C18アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒ
ドロキシ、カルボキシ又はスルホ基であり;R3及びR
4は、水素又はC1−C18アルキルである) をもつ基及びそれらの塩から選択される。
C1−C18アルキルは、好ましく炭素原子を7個まで、
より好ましくは炭素原子を4個まで有し、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、n−ブチル、t−ブチル、オク
チル又はドデシルである。
C1−C18アルコキシは、好ましくは炭素原子を7個ま
で、より好ましくは炭素原子を4個まで有し、例えば、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、t−ブチルオキシ、
オクチルオキシ又はドデシルオキシである。
ハロゲンは、例えば、クロロ、フルオロ又はブロモで
ある。
基A及びE2の塩は、好ましくはスルホン酸塩が得られ
るようなR1及び/又はR2がスルホである基の塩、スルホ
ン酸塩基のような、例えば、スルホン酸ナトリウムのよ
うなアルカリ金属塩である。
好ましいのは、前記のアルキル又はアルコキシが1〜
4個の炭素原子を有する前記の基である。
別の、問題の紫外線吸収剤のグループは、安息香酸エ
ステル、シアノ及びカルボメトキシアクリレート、シュ
ウ酸ジアミド及びヒドロキシフェニルトリアジンを含
む。
本発明において紫外線吸収基として使用するのに特に
適しているのは、ベンゾフェノン及びベンゾトリアゾー
ルの基である。又、特に興味深いのは、例えば、式Iの
A−NH−がp−アミノ(安息香又はサルチル)酸の基で
あるように、p−安息香酸及びp−サルチル酸の基であ
る。より具体的には、問題の紫外線吸収剤は限定はされ
ないが、次の物質を含んでいる: シュウ酸と、C1−C12アルコキシもしくはC1−C8アル
キルから選択される1個ないしそれ以上の置換基によっ
て置換されるアニリンとの、又はジ−(C1−C4−アルキ
ル)アミノ−C1−C6アルキルアミンとのジアミドのよう
なシュウ酸ジアミド、例えば4,4′−ジオクチルオキシ
オギザニリド、2,2′−ジオクチルオキシ−5,5′−ジ−
第三ブチルオギザニリド、2,2′−ジドデシルオキシ−
5,5′−ジ−第三ブチルオギザニリド、2−エトキシ−
2′−エチルオギザニリド、N,N′−ビス(3−ジメチ
ルアミノプロピル)オギザルアミド、2−エトキシ−5
−第三ブチル−2′−エチルオキザニリド及びその2−
エトキシ−2′−エチル−5,4′−ジ−第三ブチルオギ
ザニリドとの混合物並びにオルト−及びパラーメトキシ
−ジ置換オギザニリドの混合物及びo−及びp−エトキ
シ−ジ置換オギザニリドの混合物; C1−C10アルキル、C1−C12アルコキシ又はC1−C4アル
キル置換フェニルから選択される1個ないしそれ以上の
置換基によって置換される、2−(2−ヒドロキシフェ
ニル)−1,3,5−トリアジン、例えば、2,4,6−トリス
(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,
3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチ
ルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニ
ル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフ
ェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,
5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロ
ピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニ
ル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4
−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチル
フェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキ
シ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−
ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン; C1−C7アルキル、C1−C10アルコキシ、ハロゲン又は
フェニル−C1−C14アルキルから選択される1個ないし
それ以上の置換基によって置換される、2−(2′−ヒ
ドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、例えば、
5′−メチル、3′,5′−ジ−第三ブチル、5′−(1,
1,3,3−テトラメチルブチル)、5−クロロ−3′,5′
−ジ−第三ブチル、5−クロロ−3′−第三ブチル−
5′−メチル、3′−第二ブチル−5′−第三ブチル、
4′−オクトキシ、3′,5′−ジ−第三アミル並びに
3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)誘導体; ヒドロキシ、C1−C12アルコキシ又はフェニル−C1−C
4アルコキシから選択される1個ないしそれ以上の置換
基によって置換される2−ヒドロキシベンゾフェノン、
例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクトキ
シ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベン
ジルオキシ、4,2′,4′−トリヒドロキシ並びに2′−
ヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ誘導体; フェノールもしくはC1−C8アルキル置換フェノール又
はC1−C18アルカノールと、ヒドロキシ及び/又はC1−C
4アルキル置換及び非置換安息香酸のエステル、例え
ば、サルチル酸4−第三ブチルフェニル、サルチル酸酸
フェニル、サルチル酸オクチルフェニル、ジベンゾイル
レゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)−
レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ
−第三ブチルフェニル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒド
ロキシベンゾエート及びヘキサデシル3,5−ジ−第三ブ
チル−4−ヒドロキシベンゾエート、並びにα位置でシ
アノ又はC1−C4アルコキシカルボニルによって置換さ
れ、β位置で少なくとも1個のフェニル、C1−C4アルコ
キシフェニル又はインドリンによって置換され、もう一
方のβ位置はC1−C4アルキル、フェニル又はC1−C4アル
コキシフェニルによって置換されるかもしくは置換され
ない、C1−C10アルカノールとのアクリル酸エステル、
例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリ
レート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニル
アクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメー
ト、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシン
ナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキ
シシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メト
キシシンナメート及びN−(β−カルボメトキシ−β−
シアノビニル)−2−メチルインドリン。
特に好ましいのは、実施例の化合物である。
又、水溶性基E1が次式: (式中、Yは水素であり、R5及びR6は、水素、C1−C
18アルキル、C1−C18アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、
ヒドロキシ、カルボキシ又はスルホである) によって示される基及びそれらの基の塩であることが
好ましい。
C1−C18アルキル及びC1−C18アルコキシは、上にR1
R4について定義されているとおりである。
基E1の塩は、例えば、スルホン酸塩を生ずるような、
R5及び/又はR6がスルホである基の塩、例えば、ナトリ
ウム塩のようなアルカリ金属塩、又はアンモニウム塩な
どのアンモニアとの塩、もしくは低級アルキルアミン、
ジあるいはトリ低級アルキルアミンもしくはフェニル低
級アルキルアミンなどのアミンとの塩である。低級アル
キルは、7個まで、好ましくは4個まで炭素原子を有す
る基、例えば、メチル、エチルあるいはプロピルを定義
する。塩の形成に適したアミンは、例えば、トリエチル
アミン又はベンジルアミンである。Yでさえ、水素では
なくこのような塩形成基、例えば、ナトリウムのような
アルカリ金属又は上に定義されているアミノ基であって
もよい。
他の可溶化性基は、染料技術分野の当業者には明らか
であろう。
構造式Iの化合物は、化合物A−NH2及びE−NH2と三
ハロゲン化シアヌル酸と反応させることによって製造す
ることができる。基本的には、モノアミン置換紫外線吸
収剤をトリハロトリアジンと反応させる。次に、生成物
を別のアミノ置換紫外線吸収剤又は可溶化性部分と反応
させる。別法として、まずアミン置換可溶性部分をトリ
ハロトリアジンと反応させることができ、それからその
生成物とアミノ置換紫外線吸収剤を反応させる。このプ
ロセスは、ベンゾフェノンに関して実施例でより具体的
に示す。
式Iのモノ−ハロ−s−トリアジンを得るために必要
な、それぞれNH2A又はNH2Eで示される紫外線吸収成分又
は水溶性成分は、既知の種類の化合物に属しており、例
えば米国特許第3,159,646号及び第3,041,330号に記載さ
れている手順のような周知の通常の手順により容易に入
手できる。
高分子レンズ材料の化合物は、ポリマーに必要な外骨
格性官能基を与える成分がモノマー混合物中に存在する
限りは様々であり得る。所要外骨格性官能基は、通常ハ
ロゲン化水素の距離を伴ってレンズ材料とトリアジン分
子の間に共有結合が形成されるようにハロゲン置換トリ
アジンと相互反応的である基を含む。そのような基は、
反応する前に、ヒドロキシ、アミノ、アミド、メルカプ
ト、カルボキシ等を、これらに限らないが含んでいる。
本発明における使用に適した上記の基を有するモノマ
ーには、これらに限定されないが次のものがある:重合
できる不飽和酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フ
マル酸、マレイン酸等のヒドロキシアルキルエステル;
不飽和酸自体、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマ
ル酸、マレイン酸等;ヘテロ環式N−ビニルラクタム、
例えばN−ビニルピロリドン等;N−(1,1−ジメチル−
3−オキソブチル)アクリルアミドのような非環状アミ
ド;不飽和酸のアミノアルキルエステル、例えば、2−
アミノエチルアクリレート、メタクリレート、フマレー
ト又はマレエート、不飽和酸のメルカプトアルキルエス
テル、例えば2−メルカプトエチルアクリレート、メタ
クリレート、フマレート又はマレエート。
その他の適当なモノマー及びハロトリアジンとの反応
に適した反応基は、通常の技量の者には明らかであろ
う。
レンズ材料は、必要なハロトリアジン相互反応性基を
有するモノマーに加えて、上述の反応性基を有さず、又
このようなモノマーが架橋剤として用いられる場合に他
の目的にかなう基ももたない幾つかの他のモノマー成分
を有することができる。該モノマーは、架橋が一度起き
ると普通ハロトリアジンとの相互作用には役立たない
が、しかし、適当な反応性基が2個以上存在する場合に
は、このようなモノマーはハロトリアジンに共有結合す
るのに適した反応部位を提供することができる。代表的
な架橋剤には、制限はないが、次のものがある:エチレ
ングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコール
ビス−アクルカーボネート等。
非常に適していて好ましいレンズ材料は、米国特許第
2,976,576号及びRe.27,401号に記載されているヒドロキ
シエチルメタクリレート(HEMA)である。許容できる2
種類の“ハード”レンズ材料は、酢酸酪酸セルロース
と、ポリメチルメタクリレート(PMMA)を含んでいる材
料である。
紫外線吸収レンズ、好ましくはコンタクトレンズを製
造する方法は、高分子レンズ材料で造られたレンズを、
例えば及び好ましくは前記高分子レンズ材料の外骨格性
のヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、アミド及び/又は
メルカプト基との反応により前記レンズ材料と結合する
ことができる本明細書に開示される紫外線吸収剤の有効
量を含んでいる溶液に接触させる段階及び前記レンズを
あらかじめ選択した時間の後に前記溶液から取り出す段
階を含んでいる。前記製法は、塩基の存在下で実施する
のが好ましい。さらに、あらかじめ選択した時間、溶液
を少なくとも30℃の温度に維持するのが好ましい。
反応性紫外線吸収剤をレンズに組み込むための代表的
で推奨される一般的方法は、好ましくは穏やかな反応条
件で、吸収剤をレンズ材料に接触させることよりなる。
例えば、脱イオン水でレンズをすすぎ、乾いたガラス瓶
に入れる。それから、反応性紫外線吸収剤を含む溶液と
希釈した炭酸ナトリウム溶液を各々2mlガラス瓶に加え
る。2つの溶液とレンズの入ったガラス瓶は、設定温度
及び速度で振とう浴のガラス瓶ラックに入れる。設定し
た予定時間の経過後、ガラス瓶からレンズを取り出し、
脱イオン水ですすぎ、10%グリセリン(水)溶液で80℃
で2時間抽出する。次に、水でレンズをすすぎ、0.9%
食塩水に30分間貯蔵する。そのあと、紫外線分光光度計
を使用してレンズの透過率及び/又は吸収スペクトルを
測定することができる。
紫外線吸収剤とレンズ材料の結合は、第四級アンモニ
ウム塩の触媒と吸収剤組込み過程に含めることによって
増強できることも見出された。前記の第四級アンモニウ
ム塩は、好ましくはハロゲン化物又は硫酸塩、例えば、
Ra、Rb、Rc、及びRdが独立してC1−C7アルキル、フェニ
ルもしくはフェニル−C1−C4−アルキルであるテトラ置
換アンモニウムイオンRaRbRcRdNの臭化物、塩化物もし
くは硫酸水素塩である。C1−C4アルキル、例えばブチ
ル、エチルもしくはメチル、フェニル及びフェニル−C1
C2アルキル、例えばベンジルのような置換基が好まし
い。置換基の好ましい組合わせは、テトラ−C1−C7アル
キル、フェニル−トリス−C1−C7アルキル、フェニルC1
−C4−アルキル−トリス−C1−C7アルキル及びC1−C7
ルキル−トリス−フェニルC1−C4アルキルである。その
ような第四級アンモニウム塩の例には、塩化トリエチル
ベンジルアンモニウム、硫酸水素、テトラブチルアンモ
ニウム、塩化フェニルトリメチルアンモニウム、塩化ベ
ンジルトリブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアン
モニウム並びに塩化テトラメチルアンモニウムがある。
以下の実施例は、本発明を説明しているが、これに限
定されるものではない。温度の単位は摂氏温度である。
製造例1. 2,4−ジクロロ−6−[(3−ヒドロキシ−
4−カルボキシ)フェニルアミノ]−s−トリアジンの
製造 塩化シアヌル18.4gを温かいアセトン150mlに溶解し、
この溶液を氷200gと水200mlの撹拌混合物内に注いだ。
この塩化シアヌル懸濁液に、炭酸ナトリウム5.4gを含ん
でいる水120mlに4−アミノサリチル酸15.3gを溶かして
作った水溶液と希釈炭酸ナトリウム溶液(H2O 50mlに
5.4g)を同時に加えた。添加後、混合物を5〜10℃で1
時間30分撹拌した。混合物の最終pHは6.0であった。
過により固形物を集め、水で洗って風乾し、2,4−ジク
ロロ−6−[(3−ヒドロキシ−4−カルボキシ)フェ
ニルアミノ]−s−トリアジン30.6gを得た。
実施例2 アセトン150ml、水100ml、炭酸ナトリウム1g及び上記
製造例1に記載のように製造したジクロロ−s−トリア
ジン6.5gの混合物に、炭酸ナトリウム1gを含む7−アミ
ノ−1,3−ナフタレンジスルホン酸−カリウム塩(8.0
g)の水溶液(100ml)を加えた。得られた混合物を2時
間還流した。大部分のアセトンは、ポット温度が80℃に
達するまで蒸留した。反応混合物を約10℃まで冷却し
た。形成される固形物を過により集めて乾燥し、1.55
gの2−クロロ−4−[7−(1,3−ジスルホ)ナフチル
アミノ]−6−[(3−ヒドロキシ−4−カルボキシ)
フェニルアミノ]−s−トリアジン及びそのナトリウム
塩を得る。液をpH=3.0に調整し、沈澱物を集めるこ
とにより、より多くの生成物(9.3g)が得られた。
実施例3 上記実施例2と同様の手順により、2,4−ジクロロ−
6−[(3−ヒドロキシ−4−カルボキシ)フェニルア
ミノ]−s−トリアジン9.0g、3−アミノ−2,7−ナフ
タレンジスルホン酸−ナトリウム塩三水和物10.5g及び
炭酸ナトリウム3.0gを水−アセトン混合物中で相互作用
させて、11.04gの2−クロロ−4−[3−(2,7−ジス
ルホ)ナフチルアミノ]−6−[(3−ヒドロキシ−4
−カルボキシ)フェニルアミノ]−s−トリアジン及び
そのナトリウム塩を得た。
製造例4. 2,4−ジクロロ−6−[7−(1,3−ジスル
ホ)ナフチルアミノ]−s−トリアジンの製造 上記製造例1に記載の手順に従い、塩化シアヌリル5
5.2gを7−アミノ−1,3−ナフタレンジスルホン酸一カ
リウム塩120gと水−アセトン混合物中で相互作用させ
て、2,4−ジクロロ−6−[7−(1,3−ジスルホ)ナフ
チルアミノ]−s−トリアジン81.6gを得た。
実施例5 上記実施例2と同様の手順により、2,4−ジクロロ−
6−[7−(1,3−ジスルホ)ナフチルアミノ]−s−
トリアジン4.9g、2−(4−アミノ−2−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール2.26g及び炭酸ナトリウム
2.1gを水−アセトン混合物中で相互作用させて、2−ク
ロロ−4−[(3−ヒドロキシ−4−ベンゾトリアゾ−
2−イル)フェニルアミノ]−6−[7−(1,3−ジス
ルホ)ナフチルアミノ]−s−トリアジン及びそのナト
リウム塩を得た。
実施例6 上記実施例2と同様の手順により、4−アミノ−2′
−ヒドロキシ−4′−メトキシベンゾフェノン47.4g、
2,4−ジクロロ−6−[7−(1,3−ジスルホ)ナフチル
アミノ]−s−トリアジン25.5g及び炭酸ナトリウム10.
5gを水−アセトン混合物中で相互作用させ、71.2gの2
−クロロ−4−[4−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾイル)フェニルアミノ]−6−[7−(1,3−ジ
スルホ)ナフチルアミノ]−s−トリアジン及びそのナ
トリウム塩を得た。
実施例7 本実施例は、コンタクトレンズへの反応性紫外線吸収
剤の組込みに対する種々の触媒の効果を示す。すなわ
ち、一連の角膜コンタクトレンズを調製し、紫外線遮断
剤を有する水溶液、高いpHを維持するためのリン酸三ナ
トリウム溶液とレンズが入っているガラス瓶に触媒を保
持している水溶液0.1mlを加える点以外は上述の標準方
法に示すとおりに紫外線透過スペクトルを測定した。浴
の温度を45℃に維持し、振とう浴速度を毎分100ストロ
ークとし、レンズが振とう浴に留まる時間を2時間とし
た。実施例6の化合物の1%水溶液を反応性紫外線遮断
剤溶液として用いた。
種々の触媒を使用して上述のように製造した紫外線吸
収レンズの透過率データを、触媒を使用しない点以外は
同様に製造したレンズの透過率データと比較した。触媒
なしで製造したレンズは、360nm付近で透過率曲線に鋭
い下降が生じるのが見出され、これらのレンズの透過率
スペクトルは290nmのあたりに小さいピークを生じて275
〜360nm部で肩を示した。表1に示されているように、
第四級アンモニウム塩の触媒はレンズの紫外吸収特性を
相当向上させる。
実施例8 この実施例は、コンタクトレンズへの吸収剤の組込み
に対する種々の第四級アンモニウム塩の有効性をさらに
説明する。すなわち、レンズ、リン酸三ナトリウム溶液
及び紫外線遮断剤を含む溶液が入っているガラス瓶に5
%第四級アンモニウム塩0.2mlを加えた以外は実施例7
に述べたとおりに、一連の角膜コンタクトレンズを調製
し、紫外線透過率及び吸収スペクトルを得た。浴の温度
を45℃に維持し、振とう浴速度を毎分110ストロークと
し、レンズが振とう浴に留まる時間を2時間とした。実
施例6の化合物の1%水溶液を反応性紫外線遮断剤溶液
として用いた。この実施例では、(1)硫酸水素テトラ
ブチルアンモニウム、(2)塩化フェニルトリメチルア
ンモニウム、(3)塩化ベンジルトリブチルアンモニウ
ム、(4)臭化テトラブチルアンモニウム、(5)塩化
テトラメチルアンモニウム及び(6)次式: で示されるポルクォータニウム−1(polyquaternium−
1)の溶液を試験した。
(1)、(2)、(3)及び(4)を使用して製造し
た紫外線吸収レンズの透過率データは、触媒なしで製造
したレンズに比較してこれらのレンズの紫外線吸収特性
が優れていることを示した。触媒なしで製造したレンズ
に現れる290nm付近の透過率ピーク及び275〜360nm域の
肩は、(1)、(2)、(3)または(4)の存在下で
製造したレンズには存在しない。290〜400nm域の紫外線
吸収度は、(3)を使用して製造したレンズで最大で、
以下、(4)、(1)及び(2)を使用して製造したレ
ンズの順である。触媒として(5)を使用すると、触媒
なしで製造したレンズより紫外線吸収特性がほんのわず
かだけ優れたレンズが得られる。一方、(6)触媒とし
て使用すると、レンズへの紫外線吸収剤の組込みが遅く
なり、(6)の存在下で製造したレンズは260〜400nm域
の紫外線吸収が少なかった。
実施例9 A. クロロスルホン酸100mlを500mlのフラスコに入れ、
5℃に冷却した。次いで、4′−アセトアミド−2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン20gを15分にわ
たってフラスコに加えた。この添加の間、反応混合物の
温度を20℃以下に維持した。添加後、反応混合物を室温
で16時間撹拌した。次に反応混合物を1.5の氷水に滴
下すると、沈澱物を形成した。この沈澱物を集め、50ml
の氷水で2回洗ったのち、風乾した。それから、沈澱物
を120mlの水の中に入れ、固形物が溶解するまで希釈NaO
Hをゆっくり加えた。この溶液は、pHが12であり、30分
間90℃に保ってから室温まで冷やした。
B. 塩化シアヌル12gを温かいアセトン50mlに溶かし、
素早く氷水150mlの中に分散させて塩化シナヌル懸濁液
を調製する。Aで得た溶液を温度5℃で素早く塩化シア
ヌル懸濁液に加える。この反応混合物を約10℃で3時間
撹拌するとゲル状物質が形成される。全体の体積が400m
lになり、pHが3.0になるまで、水を加えてゲル状物質を
希釈した。
C. Bで得たゲル状物質溶液100ml、あらかじめ希塩基
に溶かしたp−アミノ安息香酸2.5g、炭酸ナトリウム3.
0g及び水100mlの混合物を3時間90℃に加熱した。次
に、混合物を室温まで冷やし、pHを3N・HClで9.2〜7.0
に調整した。それから溶液を蒸発乾固し、残留物を高温
のアセトンで数回抽出して、黄色の固形物として、紫外
線吸収剤である2−クロロ−4−[(4−カルボキシ)
フェニルアミノ]−6−{2−スルホ−4−[(2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシ−5−スルホ)ベンゾイル]フ
ェニルアミノ)−s−トリアジン(化合物I a)及び/
又はそのナトリウム塩を得た。
実施例10 A. クロロスルホン酸100mlをフラスコに入れ、水浴で
5℃に冷やした。4′−アミノ−2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン20gを20分にわたってゆっくり
加えた。この添加は20℃以下の温度で行った。添加後、
反応混合物を室温で4時間撹拌した。次に、混合物を1.
5の氷水に滴下すると沈澱物が形成される。この沈澱
物を集め、50mlの氷水で2回洗い、自然乾燥して28.5g
を得る。沈澱物を28.3gを150mlの水に懸濁し、25%NaOH
をゆっくり加えて沈澱物を溶解し、溶液のpHを11.5に調
整し、30分間90℃に保ち、それから室温まで冷やした。
得られたオレンジ色の溶液の全体積は300mlであった。
B. 塩化シアヌル12gを温かいアセトン70mlに溶解し、
素早く200mlの氷水に分散させて塩化シアヌル分散液を
調製した。
塩化シアヌルが入っていたビーカーを追加のアセトン
30mlにすすぎ、これを分散液に加える。分散液を5℃ま
で冷やした。
Aで得たオレンジ色の溶液を塩化シアヌル分散液に素
早く加え、得られる混合物を約5〜10℃の温度で3時間
撹拌した。混合物のpHは2.7であった。少量の水を加え
て、最終的な体積を900mlに調整した。
C. Bで得た混合物255ml、4−アミノサリチル酸ナト
リウム塩二水物4.2g、Na2CO33.0g及び水150mlを混合し
た。NaOhを加えてpHを9.5に調整し、反応混合物を3時
間90℃に加熱してから室温まで冷やした。次いで、3N・
HClでpHを7.0に調整し、混合物を蒸発乾固した。残留物
を高温アセトンで数回抽出し、黄色の固形物として、紫
外線吸収剤である2−クロロ−4−[(3−ヒドロキシ
−4−カルボキシ)フェニルアミノ]−6−{4−
[(2−ヒドロキキシ−4−メトキシ−5−スルホ)ベ
ンゾイル]フェニルアミノ}−s−トリアジン(化合物
I b)17.79g及びそのナトリウム塩を得た。
実施例11 4−アミノサルチル酸をp−アミノ安息香酸に代えた
点を除き、上記実施例9のCと同様の方法で行った結
果、2−クロロ−4−[(3−ヒドロキシ−4−カルボ
キシ)フェニルアミノ]−6−{2−スルホ−4−
[(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホ)ベン
ゾイル]フェニルアミノ}−s−トリアジン及びそのナ
トリウム塩を生成した。
実施例12 p−アミノ安息香酸を4−アミノサリチル酸に代えた
点を除き、上記実施例10のCと同様の方法で行い、2−
クロロ−4−[(4−カルボキシ)フェニルアミノ]−
6−{4−[(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−ス
ルホ)ベンゾイル]フェニルアミノ}−s−トリアジン
及びそのナトリウム塩を生成した。
実施例13 吸収剤をレンズに適用するための代表的な方法は次の
とおりである。紫外線吸収剤の0.05〜5%貯蔵溶液(水
依液)2ml、5〜10%Na3PO4・12H2O(水溶液)2ml及び
テトラブチルアンモニウムブロミドの1〜10%(水)溶
液0.2mlの混合物を調製し、撹拌しながら60分間50℃に
加熱した。次に、ヒドロキシエチルメタクリレート(HE
MA)からなる澄明なレンズを、吸収剤がレンズが結合す
るまでこの混合物に浸けた。次にレンズを緩衝化生理的
食塩水(pH=7.0)で中和し、その後、このレンズを紫
外線吸収剤が浸出しなくなるまで、抽出浴において10%
グリセリンで抽出した。これは紫外線分光光度計によっ
て決定される。抽出工程の後、レンズは蒸留水中で煮沸
し、次に残存するグリセリンを除去するために生理的食
塩水で緩衝した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−304251(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 3/00 G02B 1/04 G02C 7/10 CA(STN)

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式I A又はI B: (式中、 A及びE2は、互いに同一又は異なり、安息香酸、サリチ
    ル酸、置換ベンゾフェノン及び置換ベンゾトリアゾー
    ル、安息香酸エステル及びヒドロキシフェニルトリアジ
    ンの基から選択される基であるが、但しA及びE2は、同
    時に2−(o−ヒドロキシアリール)ベンゾトリアゾー
    ルであることはなく; E1は、次式: (式中、Yは水素であり、R5及びR6は、水素、C1−C18
    アルキル、C1−C18アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒ
    ドロキシ、カルボキシ若しくはスルホ、又は該基の塩で
    ある)で示される基であり; Xは、Cl又はFである) で示される紫外線吸収剤。
  2. 【請求項2】A及びE2が、 (式中、R1及びR2は、互いに独立して、水素、C1−C18
    アルキル、C1−C18アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒ
    ドロキシ、カルボキシ又はスルホ(SO3H)であり;R3
    びR4は、水素又はC1−C18アルキルである)で示される
    基並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる請求項1記
    載の紫外線吸収剤。
  3. 【請求項3】C1−C18アルキルが、C1−C4アルキルであ
    り、C1−C18アルコキシがC1−C4アルコキシである請求
    項2記載の紫外線吸収剤。
  4. 【請求項4】2−クロロ−4−[(4−カルボキシ)フ
    ェニルアミノ]−6−{2−スルホ−4−[(2−ヒド
    ロキシ−4−メトキシ−5−スルホ)ベンゾイル]フェ
    ニルアミノ}−s−トリアジン;2−クロロ−4−[(3
    −ヒドロキシ−4−カルボキシ)フェニルアミノ]−6
    −{4−[2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スル
    ホ)ベンゾイル]フェニルアミノ}−s−トリアジン;2
    −クロロ−4−[(3−ヒドロキシ−4−カルボキシ)
    フェニルアミノ]−6−{2−スルホ−4−[(2−ヒ
    ドロキシ−4−メトキシ−5−スルホ)ベンゾイル]フ
    ェニルアミノ}−s−トリアジン;2−クロロ−4−
    [(4−カルボキシ)フェニルアミノ]−6−{4−
    [(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホ)ベン
    ゾイル]フェニルアミノ}−s−トリアジン;及びそれ
    らのナトリウム塩から選択される請求項1記載の紫外線
    吸収剤。
  5. 【請求項5】基E1におけるC1−C18アルキル及びC1−C18
    アルコキシが、C1−C14アルキル及びC1−C14アルコキシ
    から選択される請求項1記載の紫外線吸収剤。
  6. 【請求項6】2−クロロ−4−[7−(1,3−ジスル
    ホ)ナフチルアミノ]−6−[(3−ヒドロキシ−4−
    カルボキシ)フェニルアミノ]−s−トリアジン;2−ク
    ロロ−4−[3−(2,7−ジスルホ)ナフチルアミノ]
    −6−[(3−ヒドロキシ−4−カルボキシ)フェニル
    アミノ]−s−トリアジン;2−クロロ−4−[(3−ヒ
    ドロキシ−4−ベンゾドリアゾ−2−イル)フェニルア
    ミノ]−6−[7−(1,3−ジスルホ)ナフチルアミ
    ノ]−s−トリアジン;2−クロロ−4−[4−(2−ヒ
    ドロキシ−4−メトキシベンゾイル)フェニルアミノ]
    −6−[7−(1,3−ジスルホ)ナフチルアミノ]−s
    −トリアジン;及びそれらのナトリウム塩から選択され
    る請求項1記載の紫外線吸収剤。
  7. 【請求項7】AとE2が、異なる基である請求項1記載の
    紫外線吸収剤。
  8. 【請求項8】AとEが、同一の基である請求項1記載の
    紫外線吸収剤。
  9. 【請求項9】請求項1記載の紫外線吸収剤が、高分子レ
    ンズ材料に紫外線吸収に有効な量共有結合されているこ
    とを特徴とする紫外線吸収レンズ。
  10. 【請求項10】高分子レンズ材料が、ヒドロキシル基、
    カルボキシル基、アミノ基、アミド基及びメルカプト基
    よりなる群から選択され、請求項1記載のハロトリアジ
    ン紫外線吸収剤との反応に使用できる少なくとも一つの
    官能基を有する、請求項9記載の紫外線吸収レンズ。
  11. 【請求項11】高分子レンズ材料が、ポリメタクリル酸
    ヒドロキシエチルを含む請求項10記載の紫外線吸収レン
    ズ。
  12. 【請求項12】高分子レンズ材料が、セルロースアセテ
    ートブチレート又はポリメタクリル酸メチルを含む請求
    項10記載の紫外線吸収レンズ。
  13. 【請求項13】コンタクトレンズである請求項9記載の
    紫外線吸収レンズ。
  14. 【請求項14】眼球内レンズである請求項9記載の紫外
    線吸収レンズ。
  15. 【請求項15】高分子レンズ材料から製造されるレンズ
    を、該レンズ材料と結合することができる請求項1記載
    の紫外線吸収剤を紫外線吸収に有効な量含む溶液に接触
    させる工程、及びあらかじめ選択した時間の後に前記レ
    ンズを前記溶液から取り出す工程、を含む紫外線吸収レ
    ンズの製造方法。
  16. 【請求項16】有効量の請求項1記載のハロトリアジン
    反応性紫外線吸収剤及び塩基の溶液を調製する工程;前
    記溶液を最低限30℃の温度であらかじめ選択した時間維
    持する工程;高分子レンズ材料を前記溶液に加える工
    程;及び前記高分子レンズ材料をあらかじめ選択した時
    間の後に溶液から取り出す工程を含む紫外線吸収コンタ
    クトレンズ材料の製造方法。
  17. 【請求項17】前記維持工程の前に、有効量の第四級ア
    ンモニウム塩を前記溶液に加える工程をさらに含む請求
    項16記載の方法。
  18. 【請求項18】第四級アンモニウム塩が、テトラ置換ア
    ンモニウムイオンRaRbRcRdN(ここで、RaRbRc及びRd
    独立してC1−C7アルキル、フェニル又はフェニル−C1
    C4−アルキルである)のハロゲン化物もしくは硫酸塩で
    ある請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】前記第4級アンモニウム塩が、塩化トリ
    エチルベンジルアンモニウム、硫酸水素テトラブチルア
    ンモニウム、塩化フェニルトリメチルアンモニウム、塩
    化ベンジルトリブチルアンモニウム、臭化テトラブチル
    アンモニウム及び塩化テトラメチルアンモニウムよりな
    る群から選択される請求項17記載の方法。
  20. 【請求項20】さらに、前記高分子材料をコンタクトレ
    ンズの形にする工程を含む請求項16記載の方法。
  21. 【請求項21】前記溶液のpHが、少なくとも10である、
    請求項16記載の方法。
  22. 【請求項22】前記吸収剤が、フルオロトリアジン反応
    性紫外線吸収剤である請求項16記載の方法。
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