JP2760179B2 - 燃焼器の安全装置 - Google Patents

燃焼器の安全装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は暖房機等に用いられる燃
焼器の安全装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種の燃焼器、たとえば石油燃
焼器は図4に示すように運転開始時には気化部1に埋設
したヒータ2に通電することにより気化部1を所定温度
まで予熱し、燃焼時には気化部1にノズル3からの燃料
と一次空気通路4からの一次空気を供給して混合ガスを
生成し、この混合ガスを気化部1に装着したバーナ部5
の炎口6から噴出させて燃焼させ、この燃焼熱をバーナ
部5から気化部1に受熱して気化部1の温度を保持さ
せ、受熱が十分取れない場合にはヒータ2に通電するこ
とにより気化部1の温度を保持させている。またその
際、上記炎口6に形成される火炎には二次空気通路7を
介して設けてある二次空気口8からの二次空気を供給し
完全燃焼するように構成してある。一方、上記バーナ部
5の炎口6の外方にはフレームロッド9を設け、このフ
レームロッド9で火炎の状態を監視して、異常状態にな
れば制御部10へ出力を出し燃焼を停止させるようにな
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、気化部1の温度を一定に保持することは非
常に困難であった。すなわち燃焼器は強〜弱と燃焼状態
が変化するのであるが、強のときはバーナ部5からの受
熱が多く、弱の時は受熱が少ないといったように気化部
1の温度は一定にならず、そのためヒータ2への通電率
が増え、電気代がかさむとともに燃焼が不安定になると
いう課題があった。
【0004】また、上記従来の構成では、二次空気通路
7の接続部7aが外れる等して二次空気が供給されなく
なっても、フレームロッド9が検出する炎電流はさほど
変化せず、そのまま燃焼を継続して多量のCOを発生し
たり、あるいはまた、外れた二次空気通路7から燃焼室
11内の多量のCOを含む高温の排気ガスが逆流してき
て、その開口周辺の部品に危害を与えたり、室内に排気
ガスが流出するという課題があった。すなわち、炎電流
は主として火炎中の一次火炎からとりだしているが、そ
の一次火炎は二次空気がなくなってもそれほど燃焼状態
が変化せず、そのためフレームロッド9では検出でき
ず、そのまま燃焼を継続するのである。
【0005】本発明は上記課題を解決するもので、二次
空気が供給されなくなった場合これを確実に検出して安
全性を向上させることを主目的とし、さらにはヒータへ
の通電率を増加させることなく気化部の温度をほぼ一定
に保持できるようにすることを副次的目的としたもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、二次空気通路を冷却側と加熱側の二つ設け冷
却側二次空気通路の二次空気は気化部の周囲に冷却用と
して流し、気化部に設けた気化部温度センサーからの出
力で気化部の冷却度合を調節して気化部温度をほぼ一定
に維持するとともに、加熱側二次空気通路途中の接続部
近傍に配管温度センサーを設けて、配管外れ等で二次空
気が供給されなくなった場合の温度変化を、冷却側二次
空気通路の場合は気化部温度センサーで、加熱側二次空
気通路の場合は配管温度センサーで検出し、これらの温
度センサーからの出力に基づいて制御部により燃焼部の
燃焼を停止させるように構成してある。
【0007】
【作用】本発明は上記構成によって二次空気通路途中の
接続が外れた場合など、二次空気が供給されなくなった
場合でも、気化部に設けた気化部温度センサーや接続部
近傍に設けた配管温度センサーがこれを検出し、これら
の温度センサーからの出力に基づいて制御部が燃焼部の
燃焼を停止させるので、不完全燃焼による多量のCOの
発生や、多量のCOを含む排気ガスの室内への放出とい
う異常事態を防止することができる。また気化部の温度
を燃焼状態などに関係なくほぼ一定温度に保持できるよ
うになり、ヒータへの通電が少なくなるとともに燃焼も
安定したものになる。
【0008】
【実施例】以下本発明の実施例を図1、図2、図3を参
照して説明する。図1から図3において、11は有底筒
状の気化兼混合筒(以下気化部と称す)で、その周壁の
一部の偏心位置に燃料供給用のノズル12と一次空気通
路13を介して燃焼用一次空気を供給する一次空気供給
口14が臨ませてある。15は上記気化部11に埋設し
たヒータ、16は同気化部11の上部に覆設したバーナ
部で、その周壁に炎口17が多数設けてある。18は上
記バーナ部16の上部開口部に覆設したバーナキャッ
プ、19は同バーナ部16の周囲に配設されたバーナリ
ングである。
【0009】20は上記気化部11を囲むバーナケース
で、その周壁の一部に冷却側二次空気通路21を介して
気化部11の周囲に燃焼用二次空気を供給する冷却側二
次空気口22を臨ませてある。23はその二次空気をバ
ーナ部外周へ導く二次エアガイドA、24は上記バーナ
リング19の外方に同心上に設置した二次エアガイドB
で、この二次エアガイドB24には加熱側二次空気通路
25を介して二次空気をバーナ部外周へ供給する加熱側
二次空気口26を設けてある。27は二次空気を加熱側
と冷却側へ任意に分配するダンパで、ステッピングモー
タ等で駆動されるようになっている。
【0010】28は上記バーナ部16の炎口17に対向
して配設したフレームロッドであり、29は上記気化部
11に埋設した気化部温度センサー、30は上記加熱側
二次空気通路25の途中の接続部25a近傍に設けた配
管温度センサーである。31は上記気化部温度センサー
29からの出力に基づいてダンパ27を駆動し、気化部
温度をほぼ一定に保持するとともに、この気化部温度セ
ンサー29からの出力と上記配管温度センサー30から
の出力に基づいて燃焼を停止させる制御部である。なお
上記気化部11はその開口周縁部の構成等を配慮するこ
とによってバーナ部16からの受熱量が従来のものより
多くとれるように設定してある。
【0011】上記構成において、運転開始時には、制御
部31がダンパ27を駆動して冷却側二次空気通路21
を全閉とし、二次空気を加熱側二次空気通路25のみに
流れるようにする。したがって気化部11に埋設したヒ
ータ15により気化部11を急速に予熱する。そして、
気化部11が所定温度に達した段階でポンプ等によって
ノズル12より気化部11内に燃料を噴出する。気化部
11内に噴出された燃料は、ヒータ15によって高温に
加熱されている気化部11内で気化し、送風機により一
次空気通路13、一次空気供給口14を介して気化部1
1内に送られてくる燃焼用一次空気と予混合する。
【0012】この予混合ガスは気化部11内を旋回しな
がらバーナ部16内に流入し、バーナ部側壁の炎口17
より噴出する。そして適当な点火手段で点火してやると
燃焼を開始し、炎口17にほぼ密着した火炎を形成す
る。そして、この火炎には、冷却側二次空気通路21と
加熱側二次空気通路25を送られてきた二次空気がそれ
ぞれ冷却側二次空気口と加熱側二次空気口26を介して
供給され、完全燃焼するようになっている。
【0013】着火後は、制御部31は気化部温度センサ
ー29からの出力に基づいてダンパ27を回動させ、冷
却側二次空気通路21に流す二次空気量を調節する。す
なわち、火炎からの受熱により気化部11の温度が所定
の温度よりも高ければ二次空気を冷却側二次空気通路2
1に多く流して冷却度合を増やし、逆に低ければ加熱側
二次空気通路26に多く流れるようにダンパ27を回動
させて冷却度合を少なくしている。
【0014】これにより、ヒータ15への通電に頼ら
ず、燃焼時には、バーナ部からの受熱のみで気化部温度
をほぼ一定温度に保持することが可能となる。そして強
〜弱の燃焼状態の変化、燃焼用空気温度の変化、部品精
度のバラツキ等の様々な変動要因に対する余裕も大きく
取ることができる。また、気化部11を常に目標温度近
くに維持できるため、耐久性も向上する。
【0015】一方、バーナ部16の炎口17に対向して
設けたフレームロッド28は、炎口17に形成された火
炎の状態を監視しており、異常状態になれば制御部31
へ出力を出し燃焼を停止させるようになっている。
【0016】ここで、図2のように冷却側二次空気通路
21の途中の接続部が何らかの要因で外れて二次空気が
供給されなくなると、通常時には二次空気が噴出してい
る冷却側二次空気口22から二次空気が供給されなくな
って気化部11の温度が上昇するとともに、ダンパ27
の調整により加熱側二次空気通路25への二次空気の供
給も減少し完全燃焼できず、COを大量に発生し始める
とともに、このCOを含む高温の排気ガスが逆流し、外
れた接続部より機器内さらには室内へ噴出するようにな
る。ところがこの時、気化部11に設けた気化部温度セ
ンサー29の温度が異常に上昇し、この気化部温度セン
サー29からの出力に基づいて制御部31はバーナ部1
6の燃焼を停止する。
【0017】また、図3のように加熱側二次空気通路2
5の途中の接続部25aが何らかの要因で外れて二次空
気が供給されなくなると、通常時には二次空気が噴出し
ている加熱側二次空気口26から二次空気が供給されな
くなって完全燃焼できず、COを多量に発生し始めると
ともに、このCOを含む高温の排気ガスが逆流し接続部
25aより機器内さらには室内に噴出するようになる。
この場合は、接続部25a近傍に設けた配管温度センサ
ー30の温度が上昇し、この配管温度センサー30から
の出力に基づいて制御部31はバーナ部16の燃焼を停
止する。すなわち、いずれの場合も二次空気が供給され
なくなった異常状態を確実に検出でき、安全性を向上さ
せることができる。
【0018】さらに、この実施例では冷却側二次空気通
路21の接続部の外れ検知に気化部11の温度制御用の
気化部温度センサー29を使用しているため接続部に別
の温度センサーを設ける必要がなく、コスト面でも有利
である。
【0019】なお、上記実施例では冷却側二次空気通路
21と加熱側二次空気通路25はダンパ27を介して分
岐され燃焼用二次空気を流しているが、それぞれ独立し
た構成でもよく、また単に冷却用の空気を流すものであ
ってもそれぞれの温度センサーの出力にもとづいて制御
部31がバーナ部16の燃焼を停止させることにより、
排気ガスの室内への流出という異常状態を防止すること
ができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明の燃焼器の安
全装置は、配管外れ等で二次空気が供給されなくなった
場合の温度変化を、冷却側二次空気通路の場合は気化部
温度センサーで、加熱側二次空気通路の場合は配管温度
センサーで検出し、これらの温度センサーからの出力に
基づいて制御部により燃焼部の燃焼を停止させるように
構成してあるので、二次空気通路途中の接続が外れた場
合など、二次空気が供給されなくなった場合でも、気化
部に設けた気化部温度センサーや接続部近傍に設けた配
管温度センサーがこれを検出して制御部が燃焼部の燃焼
を停止させるので、不完全燃焼による多量のCOの発生
や、多量のCOを含む排気ガスの室内への放出という異
常事態を防止することができ、燃焼器の安全性を向上さ
せることができる。
【0021】また冷却側二次空気通路の二次空気は気化
部の周囲に冷却用として流し、気化部に設けた気化部温
度センサーからの出力で気化部の冷却度合を調節して気
化部温度をほぼ一定に維持するようにしているので、気
化部は燃焼状態などに関係なくほぼ一定温度に保持され
るようになり、ヒータへの通電が少なくなるとともに燃
焼も安定したものになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における燃焼器の断面図であ
る。
【図2】同冷却側二次空気が供給されなくなった場合の
燃焼器の断面図である。
【図3】同加熱側二次空気が供給されなくなった場合の
燃焼器の断面図である。
【図4】従来の燃焼器の断面図である。
【符号の説明】
11 気化部 16 バーナ部 21 冷却側二次空気通路 25 加熱側二次空気通路 25a 接続部 29 気化部温度センサー 30 配管温度センサー 31 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F23N 5/14 F23N 5/00 F23N 5/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気化ガスと一次空気との混合ガスを燃焼
    させるバーナ部と、このバーナ部の燃焼熱を受熱して液
    体燃料を気化させその気化ガスを前記バーナ部へ供給す
    る気化部と、気化部の温度を検出する気化部温度センサ
    ーと、気化部の外周へ二次空気を供給し気化部を冷却す
    る冷却側二次空気通路と、バーナ部外周の火炎側に二次
    空気を供給する加熱側二次空気通路と、上記加熱側二次
    空気通路途上の接続部近傍に設けた配管温度センサー
    と、上記配管温度センサーあるいは気化部温度センサー
    からの二次空気が供給されなかった場合の温度変化出力
    を得ると前記バーナ部の燃焼を停止させる制御部とを具
    備した燃焼器の安全装置。
  2. 【請求項2】 気化部温度センサーからの出力に基づい
    て気化部温度を一定にさせるべく気化部冷却用二次空気
    量を制御するダンパ等の調節手段を設けた請求項1記載
    の燃焼器の安全装置。
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