JP2759232B2 - 軸受装置 - Google Patents

軸受装置

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JP2759232B2 JP3097331A JP9733191A JP2759232B2 JP 2759232 B2 JP2759232 B2 JP 2759232B2 JP 3097331 A JP3097331 A JP 3097331A JP 9733191 A JP9733191 A JP 9733191A JP 2759232 B2 JP2759232 B2 JP 2759232B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、工作機械におけるカ
ッター軸等の軸を支持する軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の軸は転がり軸受で支持
されている一方、荷重を受けた時の軸径方向変位や軸方
向変位をできるだけ少なくする為とか、軸のフレを少な
くする為には、上記のような転がり軸受として予圧の調
整が可能なアンギュラ玉軸受あるいはアンギュラころ軸
受等が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年のマシ
ニングセンター等では、加工範囲が広がりかつ低速回転
での重切削から高速回転での軽切削までを行う傾向にあ
り、広範囲に亘る回転数で軸を回転させている。
【0004】ところが、従来の転がり軸受では、その予
圧を重切削用に大きくして組み立てた場合、高速回転時
に発熱及び摩耗が増大しかつ寿命が短くなるので、あま
り軸を高速に回転させることができず、高速回転での軽
切削が行えない。
【0005】このため、最近では、機械的な予圧調整機
構を設けることにより、軸の回転数に従って予圧を可変
できるものが提案されているが、機構が複雑になること
は避けられない。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は上述の事情に
鑑みてなされたもので、その目的とするところは負荷が
加わった状態で軸を高速回転させた場合でも寿命の長い
軸受装置を提供すること、並びに簡単な構造で予圧を調
整できる軸受装置を提供することにあり、上記目的を達
成するために、先端に被工作物または工具が取り付けら
れる軸を支持する転がり軸受と、軸と一体的に形成され
るとともにその軸芯に直交する平面を持つスラストディ
スクと、スラストディスクの表面に対向して配設された
電磁石と、軸のアキシャル方向位置を検出する位置セン
サ部と、位置センサ部からの検出値と予め設定された目
標値とを比較して、その比較偏差に基づいて電磁石を励
磁する電磁石制御部と、目標値を変更して軸をそのアキ
シャル方向に沿って移動させることにより、転がり軸受
の予圧を調整する予圧調整手段とを具備したことを特徴
とする。
【0007】
【0008】
【作用】この発明によれば、電磁石の励磁によって生じ
た磁力がスラストディスクに作用して軸をアキシャル方
向にて支持する一方、その支持点で軸に加わるアキシャ
ル方向負荷の大部分を受ける。また、予圧調整手段が目
標値を変更して軸をそのアキシャル方向に沿って移動さ
せる。これにより、特に、転がり軸受けとしてアンギュ
ラ玉軸受等を用いた場合にはその予圧が調整される。
【0009】
【0010】
【実施例】以下、この発明に係る軸受装置の一実施例に
ついて図1ないし図3を用いて詳細に説明する。
【0011】この軸受装置には図1に示す如く転がり軸
受として2組の深溝玉軸受1,2が設けられており、各
深溝玉軸受1,2は一つの軸3を支持するように構成さ
、軸3の先端には図示しない被工作物またはカッター
などの工具が取り付けられる
【0012】また、上記2組の深溝玉軸受1,2間には
円形のスラストディスク4が設けられており、このよう
なスラストディスク4はその円形中央が上記軸3により
貫かれ、かつその軸3と一体に形成されている。ここ
で、スラストディスク4両平面は上記軸芯に直交するよ
うに設けられている。
【0013】さらに、上記スラストディスク4の周辺に
は一対の電磁石5a,5bが設けられており、一方の電
磁石5aはスラストディスク4の表面に対向するように
設けられている。他方の電磁石5bはスラストディスク
4を介して上記電磁石5aと向かい合うように配設され
ている。
【0014】ところで、このような軸受装置には図示し
ない位置センサ部が設けられており、この位置センサ部
は軸3のアキシャル方向位置S1 を検出するように構成
されている。
【0015】また、上記のような電磁石5a,5b及び
図示しない位置センサ部は電磁石制御部6に接続されて
おり、電磁石制御部6の比較器7は位置センサ部からの
検出値(軸3のアキシャル方向位置)S1 と予め設定さ
れた目標位置S0 とを比較してその比較偏差S10を求め
る。この比較偏差S10はPID演算器8及び増幅器9,
9を介して電磁石5a,5bに出力される。これによ
り、電磁石5a,5bは比較偏差S10に基づいて励磁さ
れるように構成されている。
【0016】なお、軸3は高周波モータにより回転駆動
されるが、高周波モータは、軸3に取り付けられたロー
タ10及び、ロータ10に対向するステータコイル11
等より構成されている。
【0017】次に、上記の如く構成された軸受装置の動
作について図1を用いて説明する。
【0018】この軸受装置によれば、高周波モータのス
テータコイル11を励磁して、軸3を回転させる。ここ
で、軸3に負荷が加わると、その負荷のうちラジアル方
向負荷は2組の深溝玉軸受1,2が受ける。
【0019】また、電磁石制御部6が電磁石5a,5b
を励磁することにより、この結果生じた磁力がスラスト
ディスク4に作用して、軸3をそのアキシャル方向にて
支持する。ここで、その支持点では上記軸3に負荷のう
ちアキシャル方向負荷の大部分を受ける。そのため、2
組の深溝玉軸受1,2が受けるアキシャル方向負荷が減
少する。
【0020】したがって、上記のような実施例によれ
ば、電磁石の励磁によって生じた磁力がスラストディス
クに作用して軸をそのアキシャル方向にて支持する一
方、その支持点で軸に加わるアキシャル方向負荷の大部
分を受けるため、2組の深溝玉軸受が受けるトータル負
荷(ラジアル負荷+アキシャル負荷)が減少し、玉軸受
の寿命が延びる。
【0021】
【0022】図2に示す軸受装置は図1に示す深溝玉軸
受1に代えて1組のアンギュラ玉軸受12が設けられて
おり、このアンギュラ玉軸受12は並列組合せしたもの
が配置されている。
【0023】また、この軸受装置には予圧調整部13が
設けられており、予圧調整部13は目標値変更量演算部
14及び加算器15を有し、目標値変更量演算部14
は、図示しない回転数センサで検出した軸3の回転数S
2 ,図示しない温度センサで検出したアンギュラ玉軸受
12の温度S3 ,並びにNCプログラム中の予圧調整用
パラメータh等を基に目標値変更量S4 を演算し、その
演算結果を加算器15へ出力する。加算器15は上記演
算結果(目標値変更量)S4 を目標値S0 に加算するこ
とにより目標値S0 を変更する。
【0024】なお、例えば、軽切削の為に軸3の回転数
2 を高くし、これに対応してアンギュラ玉軸受12の
予圧を小さく設定する必要があり、この際、上記のよう
な目標値変更量S4 は、現在の目標値S0 が新たな目標
値S5 となるような値に演算される。これにより、軸3
がそのアキシャル方向に沿って新たな目標値S5 まで移
動し、その結果、現在の予圧が小さくなるように調整さ
れる。
【0025】逆に、重切削の場合、軸3の回転数S2
低くし、これに対応して剛性を上げるためアンギュラ玉
軸受12の予圧を高く設定する必要があるとき、上記目
標値変更量S4 は、現在の目標値S0 が新たな目標値S
6 となるような値に演算される。これにより、軸3がそ
のアキシャル方向に沿って新たな目標値S5 まで移動
し、その結果、現在の予圧が大きくなるように調整され
る。
【0026】また、アンギュラ玉軸受12の温度S3
高くなり、これに対応してアンギュラ玉軸受12の予圧
を低く設定する必要があるときにも、目標値変更量S4
は上記と同様に現在の目標値S0 が新たな目標値S5
なるような値に演算される。
【0027】さらに、目標値変更量S4 は、NCプログ
ラムの予圧調整用パラメータhの値に応じても、現在の
目標値S0 が新たな目標値S5 又はS6 となるような値
に演算される。
【0028】したがって、上記のような実施例によれば
単に目標位置を変更するのみで予圧を自由に調整でき
る。
【0029】図3に示す軸受装置は図2に示す深溝玉軸
受2に代えて、1組のアンギュラ玉軸受13が設けられ
ており、アンギュラ玉軸受13は背面組合せしたものが
装着されている。
【0030】なお、上記のような実施例では、深溝玉軸
受,アンギュラ玉軸受を用いた例について説明したが、
これらに代えて円筒ころ軸受,円錐ころ軸受等の転がり
軸受を用いても上記と同様な効果が得られる。
【0031】また、上記実施例では一対の電磁石5a,
5bを設けたが、予圧調整のみを行う時は、一方の電磁
石5bを設けるのみでも良い。
【0032】
【発明の効果】この発明に係る軸受装置は、上記の如く
電磁石の励磁によって生じた磁力がスラストディスクに
作用して軸をそのアキシャル方向にて支持する一方、そ
の支持点で軸に加わるアキシャル方向負荷の大部分を受
けるため、負荷が加わった状態で軸を連続的に高速回転
させても、転がり軸受が受けるアキシャル方向負荷を減
少できるので、寿命の長い軸受装置を提供できる。
【0033】特に、この発明に係る軸受装置は、単に目
標位置を変更するのみで予圧を自由に調整できるので、
切削負荷に応じて予圧を変えたい場合等に予圧の調整が
簡単かつ容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る軸受装置の一実施例を示す断面
図。
【図2】この発明に係る軸受装置の他の実施例を示す断
面図。
【図3】この発明に係る軸受装置の他の実施例を示す断
面図。
【符号の説明】
1,2 深溝玉軸受 3 軸 4 スラストディスク 5a,5b 電磁石 6 電磁石制御部 13 予圧調整部 S0 目標値 S1 アキシャル方向移動位置 S10 比較偏差

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に被工作物または工具が取り付けら
    れる軸を支持する転がり軸受と、上記軸と一体的に形成
    されるとともにその軸芯に直交する平面を持つスラスト
    ディスクと、上記スラストディスクの表面に対向して配
    設された電磁石と、上記軸のアキシャル方向位置を検出
    する位置センサ部と、上記位置センサ部からの検出値と
    予め設定された目標値とを比較して、その比較偏差に基
    づいて上記電磁石を励磁する電磁石制御部と、上記目標
    値を変更して上記軸をそのアキシャル方向に沿って移動
    させることにより、上記転がり軸受の予圧を調整する予
    圧調整手段とを具備したことを特徴とする軸受装置。
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