JP2758032B2 - 被覆材および被覆材を備えた加熱調理器 - Google Patents
被覆材および被覆材を備えた加熱調理器Info
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- JP2758032B2 JP2758032B2 JP1180931A JP18093189A JP2758032B2 JP 2758032 B2 JP2758032 B2 JP 2758032B2 JP 1180931 A JP1180931 A JP 1180931A JP 18093189 A JP18093189 A JP 18093189A JP 2758032 B2 JP2758032 B2 JP 2758032B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、オーブンなどの加熱調理器に設ける油汚れ
を分解する作用を有する被覆材およびその被覆材を備え
た加熱調理器に関するものである。
を分解する作用を有する被覆材およびその被覆材を備え
た加熱調理器に関するものである。
従来の技術 従来、オーブンのような加熱調理器の加熱室の壁面に
油脂などが付着した場合、水洗して除去することも、ま
た炭化して固着したものを機械的に落とすことも困難で
あった。このような不都合を解消するために汚れが付着
する表面を、触媒作用を有する被膜で被覆材を形成して
油分を分解することが試みられ、すでに実用化されてい
る。これは触媒をほうろうフリットや塗料のような結合
剤に分散させ、これを塗布し焼付硬化などにより器壁表
面に被膜を形成させたものであり、各種の箱型調理器の
加熱室の壁面に適用されている。また、触媒作用を用い
ずに、熱分解だけで油汚れをなくす方法もとられている
が、この場合温度約500℃で１〜２時間が必要となる。
油脂などが付着した場合、水洗して除去することも、ま
た炭化して固着したものを機械的に落とすことも困難で
あった。このような不都合を解消するために汚れが付着
する表面を、触媒作用を有する被膜で被覆材を形成して
油分を分解することが試みられ、すでに実用化されてい
る。これは触媒をほうろうフリットや塗料のような結合
剤に分散させ、これを塗布し焼付硬化などにより器壁表
面に被膜を形成させたものであり、各種の箱型調理器の
加熱室の壁面に適用されている。また、触媒作用を用い
ずに、熱分解だけで油汚れをなくす方法もとられている
が、この場合温度約500℃で１〜２時間が必要となる。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、従来の被覆材は多孔質のものが多く、
被膜の強度や硬度が低く、かつ表面の凹凸や内部の空孔
に灰などの残渣が付着し残りやすく、また、触媒を無機
のリン酸塩などの耐熱ポリマーや、ほうろうフリットの
ようなバインダーに分散させると、バインダーで触媒表
面が覆われてしまい、触媒の露出面積が小さくなって、
油と触媒表面との接触面積が小さくなり油を分解しにく
くなるなどの問題があった。
被膜の強度や硬度が低く、かつ表面の凹凸や内部の空孔
に灰などの残渣が付着し残りやすく、また、触媒を無機
のリン酸塩などの耐熱ポリマーや、ほうろうフリットの
ようなバインダーに分散させると、バインダーで触媒表
面が覆われてしまい、触媒の露出面積が小さくなって、
油と触媒表面との接触面積が小さくなり油を分解しにく
くなるなどの問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するもので、緻密
で、かつ酸素の拡散を助長して、機器の油汚れなどを分
解する作用を有する被覆材、およびこのような機器の油
汚れなどを分解する作用を有する被覆材を備えた加熱調
理器を提供することを目的とするものである。
で、かつ酸素の拡散を助長して、機器の油汚れなどを分
解する作用を有する被覆材、およびこのような機器の油
汚れなどを分解する作用を有する被覆材を備えた加熱調
理器を提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段 上記の課題を解決するために第１の発明の被覆材は、
ポリボロシロキサン樹脂もしくはポリボロチタノカルボ
シラン樹脂をバインダーとし、MoS2,WS2,BN,CaF2,BaF2,
CuF2,AlF3,ZrO2のうちの少くとも１種のフィラーと、ガ
ラス粉末とを分散した分散液に、２〜10重量％のフッ素
樹脂を分散して基板に塗布し、450℃で焼付硬化して形
成したものであり、また第２の発明の被覆材を備えた加
熱調理器は、上記第１の発明の被覆材を加熱調理器の加
熱室の壁面に設けたものである。
ポリボロシロキサン樹脂もしくはポリボロチタノカルボ
シラン樹脂をバインダーとし、MoS2,WS2,BN,CaF2,BaF2,
CuF2,AlF3,ZrO2のうちの少くとも１種のフィラーと、ガ
ラス粉末とを分散した分散液に、２〜10重量％のフッ素
樹脂を分散して基板に塗布し、450℃で焼付硬化して形
成したものであり、また第２の発明の被覆材を備えた加
熱調理器は、上記第１の発明の被覆材を加熱調理器の加
熱室の壁面に設けたものである。
作用 上記構成による被覆材の作用について説明する。
この被覆材は硬度や強度が高く、かつ緻密で残渣など
が付着しにくく、しかも被覆材の表面に、フィラー成分
からなる油などの汚れを分解する分解作用部分と、フッ
素樹脂成分からなる汚れの付着しにくい非粘着性部分を
設け、油汚れなどが被覆材の表面に広がる際に非粘着性
部分で汚れを弾き、分解作用部分で汚れを捕らえて分解
するのであり、全体として汚れを細かく分散させて、加
熱分解の際に被覆材の表面と汚れの界面に酸素を供給
し、被覆材の表面と油などの汚れとの界面における結合
を切断し、汚れが被覆材の表面上に残らないようにする
ものである。この被覆材の際、分散液中の前記フッ素樹
脂が２重量％より少ないときは、汚れの分散が悪く表面
上に残渣が残り、また10重量％より多いと、フッ素樹脂
が、被覆面の表面に層を形成して分解作用部分の露出が
不均一になり、汚れの分散が悪くなって、表面上に残渣
が残る。
が付着しにくく、しかも被覆材の表面に、フィラー成分
からなる油などの汚れを分解する分解作用部分と、フッ
素樹脂成分からなる汚れの付着しにくい非粘着性部分を
設け、油汚れなどが被覆材の表面に広がる際に非粘着性
部分で汚れを弾き、分解作用部分で汚れを捕らえて分解
するのであり、全体として汚れを細かく分散させて、加
熱分解の際に被覆材の表面と汚れの界面に酸素を供給
し、被覆材の表面と油などの汚れとの界面における結合
を切断し、汚れが被覆材の表面上に残らないようにする
ものである。この被覆材の際、分散液中の前記フッ素樹
脂が２重量％より少ないときは、汚れの分散が悪く表面
上に残渣が残り、また10重量％より多いと、フッ素樹脂
が、被覆面の表面に層を形成して分解作用部分の露出が
不均一になり、汚れの分散が悪くなって、表面上に残渣
が残る。
実施例 以下、本発明の実施例について説明する。
実施例１〜７ バインダーとしてポリボロシロキサン樹脂を、フィラ
ーにMoS2,BN,CaF2,BaF2,CuF2,AlF3,ZrO2を単独または２
種類混合して、ガラス粉末としてほうろうフリットを、
フッ素樹脂として２〜10重量％のポリテトラフルオロエ
チレン（PTFE）を、溶剤としてトルエンとＮ−メチル−
２−ピロリドンとをそれぞれ用いて第１表に示す組成
で、実施例１〜７の分散液（塗料）を調製した。各実施
例の分散液を、それぞれステンレススチール（SUS304）
からなる基板のテストピース（100mm×100mm×0.6mm）
上にスプレーガンで吹付けて塗布した後、100℃で30分
間乾燥し、450℃,30分間焼成して被覆材を形成した。得
られた各実施例の被覆材の表面にサラダ油200mgを滴下
し、380℃で３時間放置した後の状態を観察して汚れ分
解性能を評価し、その結果を第１表に示した。
ーにMoS2,BN,CaF2,BaF2,CuF2,AlF3,ZrO2を単独または２
種類混合して、ガラス粉末としてほうろうフリットを、
フッ素樹脂として２〜10重量％のポリテトラフルオロエ
チレン（PTFE）を、溶剤としてトルエンとＮ−メチル−
２−ピロリドンとをそれぞれ用いて第１表に示す組成
で、実施例１〜７の分散液（塗料）を調製した。各実施
例の分散液を、それぞれステンレススチール（SUS304）
からなる基板のテストピース（100mm×100mm×0.6mm）
上にスプレーガンで吹付けて塗布した後、100℃で30分
間乾燥し、450℃,30分間焼成して被覆材を形成した。得
られた各実施例の被覆材の表面にサラダ油200mgを滴下
し、380℃で３時間放置した後の状態を観察して汚れ分
解性能を評価し、その結果を第１表に示した。
比較例1,2 上記実施例１で調製した分散液におけるフッ素樹脂の
ポリテトラフルオロエチレンの配合量を、1.6重量％
（比較例１）と10.1重量％（比較例２）とに変えるほか
は、すべて上記実施例１と同様にして分散液を調製し、
テストピースに比較例1,2の被覆材を形成した。この比
較例1,2の被覆材の汚れ分解性能についても第１表に示
した。
ポリテトラフルオロエチレンの配合量を、1.6重量％
（比較例１）と10.1重量％（比較例２）とに変えるほか
は、すべて上記実施例１と同様にして分散液を調製し、
テストピースに比較例1,2の被覆材を形成した。この比
較例1,2の被覆材の汚れ分解性能についても第１表に示
した。
第１表に示す結果から明らかなように、実施例１〜７
の被覆材では380℃という比較的低温で油汚れを完全に
分解除去することができて残渣は認められなかった。た
とえば、実施例１の被覆材において、第１図の概略断面
図および第２図の概略平面図に示すように、基板１の上
に被覆材２がフィラーおよびガラス粉末３とその間隙を
充填する状態のフッ素樹脂４とで形成されており、フッ
素樹脂４の部分で油汚れなどをはじき、フィラーおよび
ガラス粉末３の部分で油汚れの分解作用を働き、かつ被
覆材の全体の硬度、強度を保っている。
の被覆材では380℃という比較的低温で油汚れを完全に
分解除去することができて残渣は認められなかった。た
とえば、実施例１の被覆材において、第１図の概略断面
図および第２図の概略平面図に示すように、基板１の上
に被覆材２がフィラーおよびガラス粉末３とその間隙を
充填する状態のフッ素樹脂４とで形成されており、フッ
素樹脂４の部分で油汚れなどをはじき、フィラーおよび
ガラス粉末３の部分で油汚れの分解作用を働き、かつ被
覆材の全体の硬度、強度を保っている。
一方比較例１ではフッ素樹脂のPTFEの分散液への配合
量が1.6重量％であるので汚れの分散が悪く残渣が認め
られ、また比較例２ではPTFEの配合量が10.1％と多いの
でフィラーおよびガラス粉末の露出が不均一となって汚
れの分散が悪く、残渣が生じた。
量が1.6重量％であるので汚れの分散が悪く残渣が認め
られ、また比較例２ではPTFEの配合量が10.1％と多いの
でフィラーおよびガラス粉末の露出が不均一となって汚
れの分散が悪く、残渣が生じた。
なお上記実施例１および２のフィラーのMoS2に代え
て、WS2,BN,CaF2,BaF2,CuF2,AlF3またはZrO2を用いた
が、同様のすぐれた効果を得た。また実施例１〜７にお
けるポリボロシロキサン樹脂に代えて、ポリボロチタノ
カルボシラン樹脂を用いても、同様のすぐれた効果を得
た。
て、WS2,BN,CaF2,BaF2,CuF2,AlF3またはZrO2を用いた
が、同様のすぐれた効果を得た。また実施例１〜７にお
けるポリボロシロキサン樹脂に代えて、ポリボロチタノ
カルボシラン樹脂を用いても、同様のすぐれた効果を得
た。
次に、第１図に示す上記実施例１の被覆材２を、第３
図に示すように加熱調理器５の加熱室６の壁面に形成し
た。加熱調理器５は前面の扉７を有し、天板部分および
底板部分にヒーター８を配設している。
図に示すように加熱調理器５の加熱室６の壁面に形成し
た。加熱調理器５は前面の扉７を有し、天板部分および
底板部分にヒーター８を配設している。
この加熱調理器５の加熱室６の被覆材２にサラダ油を
塗布し、加熱室内温度380℃で３時間放置したところ、
油汚れは完全に分解除去され、残渣は全く認められなか
った。
塗布し、加熱室内温度380℃で３時間放置したところ、
油汚れは完全に分解除去され、残渣は全く認められなか
った。
発明の効果 以上のように第１の発明の被覆材は、オーブンのよう
な加熱調理器の加熱室などに用いて油汚れなどを低温で
分解除去することができ、またこの被覆材を設けた第２
の発明の加熱調理器は、油汚れなどの残渣を生成せず、
清潔かつ衛生的に使用することができ、しかも汚れを低
温で分解除去することができるので、断熱構造などの軽
減による低コスト化や省エネルギー設計が可能になるな
どの格別の効果を奏する。
な加熱調理器の加熱室などに用いて油汚れなどを低温で
分解除去することができ、またこの被覆材を設けた第２
の発明の加熱調理器は、油汚れなどの残渣を生成せず、
清潔かつ衛生的に使用することができ、しかも汚れを低
温で分解除去することができるので、断熱構造などの軽
減による低コスト化や省エネルギー設計が可能になるな
どの格別の効果を奏する。
第１図は第１の発明の実施例１の被覆材の概略断面図、
第２図は同被覆材の概略平面図、第３図は第２の発明の
一実施例の加熱調理器の概略断面図である。 １……基板、２……被覆材、３……フィラーおよびガラ
ス粉末、４……フッ素樹脂、５……加熱調理器、６……
加熱室。
第２図は同被覆材の概略平面図、第３図は第２の発明の
一実施例の加熱調理器の概略断面図である。 １……基板、２……被覆材、３……フィラーおよびガラ
ス粉末、４……フッ素樹脂、５……加熱調理器、６……
加熱室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 脇 真起子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平１−132669（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−88082（ＪＰ，Ａ)
Claims (2)
- 【請求項１】ポリボロシロキサン樹脂もしくはポリボロ
チタノカルボシラン樹脂をバインダーとし、MoS2、W
S2、BN、CaF2、BaF2、CuF2、AlF3、ZrO2のうちの少くと
も１種のフィラーと、ガラス粉末とを分散した分散液
に、２〜10重量％のフッ素樹脂を分散して基板に塗布
し、450℃で焼付硬化して形成した被覆材。 - 【請求項２】請求項１記載の被覆材を加熱室の壁面に設
けた加熱調理器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1180931A JP2758032B2 (ja) | 1989-07-12 | 1989-07-12 | 被覆材および被覆材を備えた加熱調理器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1180931A JP2758032B2 (ja) | 1989-07-12 | 1989-07-12 | 被覆材および被覆材を備えた加熱調理器 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0345666A JPH0345666A (ja) | 1991-02-27 |
| JP2758032B2 true JP2758032B2 (ja) | 1998-05-25 |
Family
ID=16091782
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1180931A Expired - Fee Related JP2758032B2 (ja) | 1989-07-12 | 1989-07-12 | 被覆材および被覆材を備えた加熱調理器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2758032B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000053702A1 (en) * | 1999-03-10 | 2000-09-14 | Allison Engine Company, Inc. | Silicone resin bonded dry film lubricants |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6088082A (ja) * | 1983-10-20 | 1985-05-17 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 赤外線輻射被膜 |
| JPH01132669A (ja) * | 1987-11-18 | 1989-05-25 | Showa Electric Wire & Cable Co Ltd | セルフクリーニング塗料 |
-
1989
- 1989-07-12 JP JP1180931A patent/JP2758032B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0345666A (ja) | 1991-02-27 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |