JP2757657B2 - 多層配線セラミック基板の製造方法 - Google Patents

多層配線セラミック基板の製造方法

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JP2757657B2
JP2757657B2 JP5309092A JP5309092A JP2757657B2 JP 2757657 B2 JP2757657 B2 JP 2757657B2 JP 5309092 A JP5309092 A JP 5309092A JP 5309092 A JP5309092 A JP 5309092A JP 2757657 B2 JP2757657 B2 JP 2757657B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多層配線セラミック基板
の製造方法に関し、特にグリーンシート法にって製造す
る多層配線セラミック基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、従来の多層配線セラミック基板
の製造方法の一例を示す工程図、図4は、図3の例によ
って製造した多層配線セラミック基板の一例を示す断面
図である。
【0003】グリーンシート法による多層配線セラミッ
ク基板の従来の製造方法は、図3および図4に示すよう
に、アルミナ21や有機バインダ(バインダ)24等の
粉体を溶剤23と混合して泥漿とし(泥漿作成工程1
1)、この泥漿をスリップキャスティング法によって成
膜することによってグリーンシート51を製造し(成膜
工程12)、上下のグリーンシート51を接続するため
のスルーホール52をパンチングによって形成し(スル
ーホール形成工程13)、積層したときに上下のグリー
ンシート51を接続するために印刷法によってこのスル
ーホールに導電性ペースト(ビアペースト)53を埋込
んだ(ビアフィル形成工程14)後、電気信号を伝達す
るための配線パターン54を印刷法または直接描画法に
よって形成する(パターン形成工程15)。このように
形成したグリーンシート51を所定の枚数だけ積層(積
層工程16)して加圧・加熱した後除圧して積層体を形
成し(熱圧着工程17)、この積層体に脱バインダーと
焼成を行って焼成体とし(焼成工程18)、焼成体に外
形加工を施し(外形加工工程19)て多層配線基板20
を製造している。
【0004】熱圧着工程17は、グリーンシート51に
熱を加え(加熱工程17a)、その状態で加圧し(加圧
工程17b)、加熱状態のまま除圧して(除圧工程17
c)いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したような多層配
線セラミック基板の従来の製造方法は、熱圧着を行うと
き、加熱状態のまま除圧するため、グリーンシート51
の粘弾性変形率とビアペースト53の粘弾性変形率との
差から、グリーンシート51の膨張(矢印A)にビアペ
ースト53の膨張が追従することができず、スルーホー
ル52がオープンしたオープンホール55ができ、不完
全接続の回路ができるという欠点を有している。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の多層配線セラミ
ック基板の製造方法は、アルミナや有機バインダ等の粉
体を溶剤と混合して泥漿とする泥漿作成工程と、前記泥
漿をスリップキャスティング法によって成膜してグリー
ンシートとする成膜工程と、前記グリーンシートにパン
チングによってスルーホールを形成するスルーホール形
成工程と、前記スルーホールの中にビアペーストを印刷
法または圧入法によって充填するビアフィル形成工程
と、前記グリーンシートに印刷法または直接描画法によ
って配線パターンを形成するパターン形成工程と、前記
グリーンシートの位置合わせを行なって所定の枚数だけ
積層する積層工程と、積層した前記グリーンシートをホ
ットプレス機によって熱圧着して一体化した積層体を形
成する熱圧着工程と、前記一体化した積層体をボックス
焼成炉またはベルト焼成炉を用いて焼成することによっ
て焼成体を得る焼成工程と、前記焼成体に切断および研
磨等の外形加工を施して多層配線基板とする外形加工工
程とを含み、前記熱圧着工程に、前記グリーンシートに
熱を加える加熱工程と、加熱状態で加圧する加圧工程
と、加圧した状態のまま冷却する冷却工程と、冷却した
後除圧する除圧工程とを設けたものである。
【0007】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0008】図1は本発明の一実施例を示す工程図、図
2は図1の実施例によって製造した多層配線セラミック
基板の一例を示す断面図である。
【0009】図1および図2において、グリーンシート
41は、アルミナ31や有機バインダ(バインダ)34
等の粉体を溶剤33と混合して泥漿とし(泥漿作成工程
1)、この泥漿をスリップキャスティング法によって成
膜する(成膜工程2)ことによって製造したものであ
る。このグリーンシート41に、積層したときに上下間
導通を得るため、パンチングによって直径100〜30
0μmのスルーホール42を形成し(スルーホール形成
工程3)た後、スルーホール42の中に、ビアペースト
43を印刷法や圧入法によって充填することによってビ
アフィルを形成する(ビアフィル形成工程4)。また、
電気信号を伝達するための配線パターン44を印刷法ま
たは直接描画法によって形成する(パターン形成工程
5)。配線パターン44の幅は75〜300μm、配線
パターン44の厚さは10〜30μm程度である。この
後、グリーンシート41の位置合わせを行って所定の枚
数だけ積層する(積層工程6)。
【0010】このようにして積層したグリーンシート4
1をホットプレス機によって熱圧着し、一体化した積層
体を得る(熱圧着工程7)。このときのプレス温度は、
80〜120℃である。一般にグリーンシートには、熱
可塑性の可塑剤が含まれており、この可塑剤の特性を利
用して、積層したグリーンシート41を加熱状態のまま
加圧することによってシート間を結合する。しかし、加
熱状態(80〜120℃)では、グリーンシート41
は、可塑剤のために粘弾性が高いので、加熱状態のまま
除圧すると膨張する。このとき、スルーホール42内の
ビアペースト43がそれに追従できず、オープンホール
が発生する。これを防止するため、熱圧着工程7におい
ては、グリーンシート41に熱を加え(加熱工程7
a)、その状態で加圧し(加圧工程7b)、加圧した状
態のまま35℃程度まで冷却し(冷却工程17c)た後
除圧する(除圧工程17d)。このようにすることによ
り、可塑剤の高温状態の熱可塑によって積層したグリー
ンシート41を結合して一体化した後、低温状態にして
その粘弾性を低くして除圧のときのグリーンシート41
の膨張速度を遅くし、ビアペースト43の膨張をグリー
ンシート41の膨張に追従させることができるため、オ
ープンホールの発生を防止できる。
【0011】このようにして得られた積層体をボックス
焼成炉またはベルト焼成炉を用い、900℃程度のピー
ク温度で焼成して焼成体を得る(焼成工程8)。この焼
成体に切断および研磨等の外形加工を施し(外形加工工
程9)て多層配線基板10を製造する。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多層配線
ガラスセラミック基板の製造方法は、焼成工程のとき、
積層したグリーンシートを加熱工程して加圧し、加圧し
た状態のまま冷却した後除圧することにより、除圧のと
きのビアペーストの膨張をグリーンシートの膨張に追従
させることができるため、オープンホールの発生を防止
できるという効果があり、従って信頼性の高い多層配線
セラミック基板を製造することができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す工程図である。
【図2】図1の実施例によって製造した多層配線セラミ
ック基板の一例を示す断面図である。
【図3】従来の多層配線セラミック基板の製造方法の一
例を示す工程図である。
【図4】図3の例によって製造した多層配線セラミック
基板の一例を示す断面図である。
【符号の説明】 1 泥漿作成工程 2 成膜工程 3 スルーホール形成工程 4 ビアフィル形成工程 5 パターン形成工程 6 積層工程 7 熱圧着工程 7a 加熱工程 7b 加圧工程 7c 冷却工程 7d 除圧工程 8 焼成工程 9 外形加工工程 10 多層配線基板 11 泥漿作成工程 12 成膜工程 13 スルーホール形成工程 14 ビアフィル形成工程 15 パターン形成工程 16 積層工程 17 熱圧着工程 17a 加熱工程 17b 加圧工程 17c 除圧工程 18 焼成工程 19 外形加工工程 20 多層配線基板 21 アルミナ 23 溶剤 24 バインダー 31 アルミナ 33 溶剤 34 バインダー 41 グリーンシート 42 スルーホール 43 ビアペースト 44 配線パターン 51 グリーンシート 52 スルーホール 53 ビアペースト 54 配線パターン 55 オープンホール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05K 3/46 B28B 11/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナや有機バインダ等の粉体を溶剤
    と混合して泥漿とする泥漿作成工程と、前記泥漿を成膜
    してグリーンシートとする成膜工程と、前記グリーンシ
    ートにスルーホールを形成するスルーホール形成工程
    と、前記スルーホールの中にビアペーストを充填するビ
    アフィル形成工程と、前記グリーンシートに配線パター
    ンを形成するパターン形成工程と、前記グリーンシート
    の位置合わせを行なって所定の枚数だけ積層する積層工
    程と、積層した前記グリーンシートを熱圧着して一体化
    した積層体を形成する熱圧着工程と、前記一体化した積
    層体を焼成することによって焼成体を得る焼成工程と、
    前記焼成体に切断および研磨等の外形加工を施して多層
    配線基板とする外形加工工程とを含み、前記熱圧着工程
    に、前記グリーンシートに熱を加える加熱工程と、加熱
    状態で加圧する加圧工程と、加圧した状態のまま冷却す
    る冷却工程と、冷却した後除圧する除圧工程とを設けた
    ことを特徴とする多層配線セラミック基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルミナや有機バインダ等の粉体を溶剤
    と混合して泥漿とする泥漿作成工程と、前記泥漿をスリ
    ップキャスティング法によって成膜してグリーンシート
    とする成膜工程と、前記グリーンシートにパンチングに
    よってスルーホールを形成するスルーホール形成工程
    と、前記スルーホールの中にビアペーストを印刷法また
    は圧入法によって充填するビアフィル形成工程と、前記
    グリーンシートに印刷法または直接描画法によって配線
    パターンを形成するパターン形成工程と、前記グリーン
    シートの位置合わせを行なって所定の枚数だけ積層する
    積層工程と、積層した前記グリーンシートをホットプレ
    ス機によって熱圧着して一体化した積層体を形成する熱
    圧着工程と、前記一体化した積層体をボックス焼成炉ま
    たはベルト焼成炉を用いて焼成することによって焼成体
    を得る焼成工程と、前記焼成体に切断および研磨等の外
    形加工を施して多層配線基板とする外形加工工程とを含
    み、前記熱圧着工程に、前記グリーンシートに熱を加え
    る加熱工程と、加熱状態で加圧する加圧工程と、加圧し
    た状態のまま冷却する冷却工程と、冷却した後除圧する
    除圧工程とを設けたことを特徴とする多層配線セラミッ
    ク基板の製造方法。
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