JP2756026B2 - 漂白剤組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は漂白剤組成物、更に詳しくは貯蔵時の安定性
および粉末物性の改良されたフタールイミドパーカルボ
ン酸を含有する漂白剤組成物に関する。

〔従来の技術及びその課題〕

フタールイミドパーカルボン酸は、強い酸化力を有
し、漂白剤基剤としての用途が期待されている（EP3252
88号,EP325289号,EP349940号）。

しかしながら、かかる化合物を漂白剤組成物の一成分
として配合するという検討はいまだ十分に行なわれてい
ない。

〔課題を解決するための手段〕

そこで、本発明者らは、商品として市場に供給できる
フタールイミドパーカルボン酸を含有する漂白組成物に
ついて鋭意研究した結果、過炭酸ナトリウム又は過ホウ
酸ナトリウムとフタールイミドパーカルボン酸を併用
し、特定の無水塩、アルカリ剤及び界面活性剤を配合す
ることにより、安定した漂白効果を有し、しかも長期保
存されても漂白効果の低下が少なくかつ粉末物性も劣化
しない漂白剤組成物が得られることを見出し本発明を完
成した。

即ち、本発明は （ａ） 過炭酸ナトリウム又は過ホウ酸ナトリウム20〜
90重量％ （ｂ） 下記の一般式（Ｉ） 〔式中、ｎは１〜15の整数、ＭはＨ又はアルカリ金属原
子又はアルカリ土類金属原子を表す。〕 で表される化合物 0.5〜10重量％ （ｃ） 炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムから選
ばれる１種又は２種の化合物 １〜70重量％ （ｄ） 無水硫酸マグネシウム、無水塩化カルシウム、
無水硫酸ナトリウム及び無水クエン酸ナトリウムの中か
ら選ばれる１種又は２種以上の化合物 0.5〜50重量％ （ｅ） ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルサル
フェート及びアルキルベンゼンスルホネートの中から選
ばれる１種又は２種以上の界面活性剤 0.1〜５重量％ を含有してなる漂白剤組成物を提供するものである。

本発明において、（ａ）成分の過炭酸ナトリウム又は
過ホウ酸ナトリウムは組成物中に20〜90重量％、好まし
くは30〜80重量％、より好ましくは50〜75重量％配合さ
れる。特に過炭酸ナトリウムを用いるのが好ましい。

本発明で使用される（ｂ）成分のフタールイミドパー
カルボン酸は下記一般式（Ｉ） 〔式中、ｎ及びＭは前記と同じ。〕 で表わされる化合物であり、組成物中に0.5〜10重量
％、好ましくは２〜７重量％配合される。中でも一般式
（Ｉ）中のｎが５、ＭがＨである化合物が安定性、生分
解性が特に良好であり、好ましい。該パーカルボン酸は
そのままの粉末品として使用することもできるが、融点
が30℃以上、好ましくは45℃以上、特に好ましくは50〜
90℃のポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル及び高級脂肪酸から選ばれる１種又は２
種以上の化合物を用い、造粒、コーティングされたもの
を使用するのが望ましい。これらの造粒被覆剤はパーカ
ルボン酸に対し、好ましくは２〜30重量％、特に好まし
くは５〜20重量％使用するのが望ましい。造粒被覆物の
製造方法は特に限定されるものではないが、例えば造粒
被覆剤の融点以上の温度でパーカルボン酸粉末と混合撹
拌する方法、造粒被覆剤高濃度水溶液、又は溶融物を添
加、又は噴霧しながら混合撹拌する方法などがある。必
要によっては無水硫酸ナトリウムなどの水を結晶水とし
て取り得る無機化合物の共存下で造粒被覆してもよい。

本発明に使用される（ｃ）成分の炭酸ナトリウム、炭
酸水素ナトリウムは１〜70重量％、好ましくは10〜70重
量％、より好ましくは15〜40重量％配合される。

本発明に使用される（ｄ）成分は、無水硫酸マグネシ
ウム、無水塩化カルシウム、無水硫酸ナトリウムであ
り、組成物中に、0.5〜50重量％、好ましくは、１〜10
重量％配合される。就中、無水硫酸マグネシウムが特に
好ましい。

本発明に使用される（ｅ）成分は、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、アルキルサルフェート及びアルキルベン
ゼンスルホネートの中から選ばれる一種又は二種以上の
界面活性剤であるが、具体的には、平均炭素数10〜18の
アルキル基を有し、１〜30モルのエチレンオキサイドを
付加したポリオキシエチレンアルキルエーテル、平均炭
素数９〜14のアルキル基を有し１〜20モルのエチレンオ
キサイドを付加したポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル、平均炭素数10〜18のアルキル硫酸エステル
塩、平均炭素数９〜14のアルキル基を有するアルキルベ
ンゼンスルホン酸塩等が挙げられ、組成物中に0.1〜５
重量％、好ましくは１〜５重量％配合される。（ｅ）成
分は、予め（ｃ）成分に含浸してから組成物中に配合す
ることが望ましい。

本発明の漂白剤組成物には、上記成分の他に必要に応
じて、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラー
ゼなどの酵素、ポリアクリル酸塩、無水マレイン酸／オ
レフィン共重合体加水分解物塩などの高分子キレート
剤、２−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸塩などの脱褐色
防止剤、香料、着色剤などを少量配合することができ
る。

〔実施例〕

以下に実施例を示し本発明を詳細に説明するが、本発
明はこれら実施例には制約されない。

実施例１ 第１表配合組成品を空気抜き程度の小さなすきまを開
けた300ccのポリボトルに150g入れ、40℃に一ケ月間保
存した後、以下の方法で保存安定性の評価を行った。な
お第１表中、（ｅ）成分は予め（ｃ）成分と混合し含浸
させて配合した。

（２） 粉末物性 ○：固まりがない ×：固まりがある （３） 漂白率 20℃の水道水に配合物濃度が、0.5％となるように溶
解し、市販汚染布（EMPA 製No.114）を30分浸漬し、次
式で漂白率を算出した。

２）PAP:ポリエチレングリコール（MW＝6,000、融点56
〜63℃）＝9:1の造粒物

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】（ａ） 過炭酸ナトリウム又は過ホウ酸ナ
   トリウム 20〜90重量％ （ｂ） 下記の一般式（Ｉ） 〔式中、ｎは１〜15の整数、ＭはＨ又はアルカリ金属原
   子又はアルカリ土類金属原子を表す。〕 で表される化合物 0.5〜10重量％ （ｃ） 炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムから選
   ばれる１種又は２種の化合物 １〜70重量％ （ｄ） 無水硫酸マグネシウム、無水塩化カルシウム、
   無水硫酸ナトリウム及び無水クエン酸ナトリウムの中か
   ら選ばれる１種又は２種以上の化合物 0.5〜50重量％ （ｅ） ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
   キシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルサル
   フェート及びアルキルベンゼンスルホネートの中から選
   ばれる１種又は２種以上の界面活性剤 0.1〜５重量％ を含有してなる漂白剤組成物。
2. 【請求項２】（ｂ）成分が、融点30℃以上のポリエチレ
   ングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及
   び脂肪酸から選ばれる一種又は二種以上の化合物で造
   粒、コーティングされている請求項１記載の漂白剤組成
   物。
3. 【請求項３】（ｃ）成分に（ｅ）成分を含浸させたもの
   を使用する請求項１又は２に記載の漂白剤組成物。