JP2755975B2 - 火災警報装置 - Google Patents

火災警報装置

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、火災現象に基づく熱、煙、あるいはガス等
の複数の物理量を検出し、それら物理量の総合判断によ
り火災監視を行うようにした火災警報装置に関し、特
に、複数の物理量のそれぞれについて時系列的にさらに
複数検出し、これら時系列的な複数の物理量に基づいて
火災判断を行うようにした火災警報装置に関するもので
ある。
[従来の技術] 複数の物理量を検出し、それら物理量の総合判断によ
り火災監視を行うようにすることが考えられている。こ
の場合には、複数のセンサ・レベルに基づくパターンと
各パターンに対する火災情報とのテーブルを作成してRO
M等に格納しておき、実際に検出されたセンサ・レベル
を該テーブル内の情報と例えばパターン比較することに
より火災判断を行うようにすることが考えられる。
また、火災現象の物理量に基づく検出情報すなわちセ
ンサ・レベルを時系列的に複数検出し、これら時間的に
推移する複数のセンサ・レベルに基づいて火災判断を行
うことも提案されている(例えば、本件出願人により昭
和63年3月31日付けに出願された特願昭63−76282号に
添付の明細書参照)。この場合には、複数のセンサ・レ
ベルの値を変数として関数を定義し、該関数の入出力間
の関係から火災判断を行うようにすることが考えられ
る。
[発明が解決しようとする問題点] 上記いずれに示されたものも、検出されたセンサ・レ
ベルに基づいて火災であるか否かの判断だけを行うもの
であるが、もし、火災の可能性すなわち火災確度や、危
険度、さらには燻焼火災から発炎火災までを全体的にき
め細かに監視することができると共に、ノイズ等による
誤報の可能性の除去をも考慮した一層精度の高い火災監
視を行えれば非常に好ましい。
従って、本発明の第1の目的は、複数のセンサ部から
センサ・レベルを収集し、複数のセンサ部のうちの少な
くとも1つからはセンサ・レベルを時系列的に収集し、
これら収集されたセンサ・レベルから火災判断を行うよ
うにすることにより、火災か否かの判断だけではなく、
火災に至るまでの状況をも含めて、火災確度や危険度、
さらには燻焼火災から発炎火災までを全体的にきめ細か
に監視することができると共に、ノイズ等の影響による
誤報等の可能性をも除去するようにした火災警報装置を
提供することである。
このような目的を、時系列的な複数のセンサ・レベル
対火災情報の、ROM等に記憶されたテーブルで定義する
場合は、入力点数を増加させると入力の組合わせが爆発
的に増加するため、すべての組合わせを記述するには大
変な労力と大きなROMテーブルが必要となり、事実上、
実施することは不可能である。また、関数により入出力
間の関係を記述する場合は複雑な関係を表わすには限度
があり、これも実施することは事実上不可能である。
従って、本発明の第2の目的は、上述の第1の目的を
成就するに適した信号処理構造を有する火災警報装置を
提供することである。
[問題点を解決するための手段] これら目的を達成するため、本発明によれば、複数の
火災現象検出手段から出力される検出情報を信号処理し
て少なくとも1つの火災情報を得るようにした火災警報
装置において、 前記火災現象検出手段のうちの少なくとも1つからは
時系列的な複数の検出情報を収集するようにして、前記
各火災現象検出手段から検出情報を収集する検出情報収
集手段と、 前記複数の火災現象検出手段から前記検出情報収集手
段により収集された検出情報に基づいて信号処理を行う
ために、それら検出情報が入力されたときに前記火災情
報に寄与する程度に応じてそれら入力された検出情報の
各々に対応の重付けを行い、該重付けされた値に基づい
て前記火災情報を演算するように構成された信号処理手
段と、 該信号処理手段に検出情報の特定の組を与えたときに
演算される前記火災情報を、前記各特定の組によって得
られるべき所望の火災情報に近似させるように設定され
てなる重付け値を記憶する記憶手段と、 を備え、前記信号処理手段は前記記憶手段に記憶されて
いる重付け値を用いて前記対応の重付けを行うようにし
たことを特徴とする火災警報装置が提供される。
本発明の1つの態様によれば、前記記憶手段は、火災
警報装置の初期設定時等に自動的に作成される。そのた
め、火災警報装置は、前記検出情報の特定の組、並びに
該検出情報の特定の組が与えられたときに得られるべき
少なくとも1つの火災情報を格納したテーブルと、 該テーブル内の前記検出情報の特定の組を前記信号処
理手段に与えたときに演算される前記火災情報を、前記
テーブル内の前記火災情報に近似させるように前記記憶
領域内の前記重付け値を調整する調整手段と、 をさらに備えているようにするのが好ましく、これによ
り、前記記憶領域内に格納されている前記重付け値は、
前記調整手段により最初に調整される。
前記記憶手段の別の態様によれば、前記記憶手段は、
前記テーブル及び前記調整手段を用いて工場の製造段階
等で予め作成されたものも用いられ得る。
また、本発明の1つの態様によれば、前記信号処理手
段は、前記各火災現象手段対応に演算を行って各個別の
火災情報を得るために各火災現象検出手段対応に設けら
れた第1の副処理手段、並びに該各第1の副処理手段か
らの個別の火災情報を入力して処理し一層信頼性のある
最終の火災情報を得るための第2の副処理手段を含んで
おり、前記各第1の副処理手段からの個別の火災情報並
びに前記第2の副処理手段からの最終の火災情報を表示
手段に表示すると共に、前記最終の火災情報に基づいて
火災判断を行うようにしている。
前記信号処理手段の別の態様によれば、副処理手段を
含むことなく全体で1つの信号処理手段を形成し、検出
情報収集手段により収集されるすべての検出情報に基づ
くパターンを入力して信号処理を行うことにより火災を
判断するものも用いられ得る。
信号処理手段もしくは副処理手段の各々の具体的実施
例において、検出情報収集手段により収集された複数の
検出情報から火災情報を直接演算するのではなく、入力
された情報から一旦、中間情報を演算し、該中間情報か
ら火災情報を演算するというように演算を階層的に行う
ようにするのが好ましい。階層は複数段階にすることが
でき、各中間階層において演算されるべき中間情報の数
は任意に設定される。例えば、階層の数を1とし、入力
情報としての検出情報から中間情報を演算し、該中間情
報から出力情報としての火災情報を演算する場合、最初
に、入力情報の各々に対して個々の第1の重付けを行っ
て各中間情報が演算され、次に、中間情報の各々に対し
て個々の第2の重付けを行って出力情報すなわち火災情
報が演算される。各中間情報の値は重要では無く、信号
処理手段は、入力情報と出力情報との関係が前記定義テ
ーブルの内容に近似するように、初期設定時等の最初
に、もしくは製造段階等に、前記調整手段によって第1
及び第2の重付け値について調整される。
[作用] 複数の火災現象検出手段のうちの少なくとも1つから
は時系列的な複数の検出情報を収集するようにして検出
情報収集手段により収集された検出情報に基づいて、信
号処理手段もしくは副信号処理手段は火災情報を演算す
るので、誤報の無い精度の高い火災判断が可能となる。
また、製造段階もしくは初期設定時等、最初に、調整
手段は、定義テーブルに示される入出力値に対して一番
誤差が少なくなるように重付け値の調整を行って記憶手
段に格納しておく。このようにして一度、記憶手段が作
成されると、信号処理手段もしくは副信号処理手段は、
記憶手段内の重付け値を用いて演算を行い、すべての入
力値に対して望ましい出力値を出力することができるよ
うになるため、定義テーブルに定義されていない複数の
時系列的検出情報のパターンの組合わせに対しても対応
でき、望んでいる火災情報(火災確度、危険度、燻焼火
災の確度等)の値が示される。これにより、検出情報収
集手段により収集された時系列的検出情報に基づいてき
め細かな火災判断が可能となる。
このように、重付け値を格納した記憶領域及び信号処
理手段(もしくは副処理手段)を用いれば、入出力の関
係を定義する場合、すべてのパターンの組合わせを定義
する必要はなく、各重要な点について定義を行えば良
い。また、特に、入力値のわずかなズレによって出力値
が大きく変化する特異点、もしくは極小点、極大点の付
近を詳細に記述する必要があれば、その周囲を詳細に定
義し、その他の部分に対してはおおざっぱに定義するこ
とができる。
また、入力と出力の関係を変えたい場合、今まで定義
されていた入力値に対して違う出力値を定義する場合
と、今まで未定義の領域に対して定義を行う場合とがあ
るが、調整手段(ネット構造作成プログラム)を走らせ
て重付け値を修正することにより定義変更を容易に行う
ことができる。すなわち定義を変えることにより正確な
火災判定、危険判定等を行うことが可能となる。
[実施例] 以下、本発明の実施例について説明する。
第1図は、各火災感知器で検出された火災現象に基づ
くアナログ物理量のセンサ・レベルを受信機や中継器等
の受信手段に送出し、該受信手段では収集されたセンサ
・レベルに基づいて火災判断を行ういわゆるアナログ式
の火災警報装置に本発明を適用した場合のブロック回路
図である。もちろん、本発明は各火災感知器側で火災判
断を行い、その結果だけを受信手段に送出するオン・オ
フ式の火災警報装置にも適用可能なものである。
第1図において、REは火災受信機、DE1〜DENは、例え
ば一対の電源兼信号線のような伝送ラインLを介して火
災受信機REに接続されるN個のアナログ式の多要素火災
感知器であり、その1つについてのみ内部回路を詳細に
示している。なお、N個の火災感知器すべてが多要素火
災感知器である必要はなく、複数種類の火災感知器から
成る組が1つの多要素火災感知器に対応するものとして
も良い。従って、以後n番火災感知器(n=1〜N)と
言う場合は、それが1個の多要素火災感知器を指す場合
と、複数種類の単要素火災感知器で構成された組を指す
場合との両方を意味することとする。
火災受信機REにおいて、 MPU1は、マイクロプロセッサ、 ROM11は、後述する本発明の動作に関係したプログラ
ムを格納したプログラム記憶領域、 ROM12は、火災感知器すべてについて、火災判別基準
等の各種定数テーブルを格納するための各種定数テーブ
ル記憶領域、 ROM13は、各火災感知器のアドレスを格納した端末ア
ドレステーブル記憶領域、 ROM14は、火災感知器すべてについて、各火災感知器
内の要素センサごとに火災情報を得るべく、後述する信
号線の重付け値を格納するための要素判断用重付け値の
記憶領域、 RAM11は、作業用領域、 RAM12は、火災感知器すべてについて、後述する定義
テーブルを格納するための定義テーブル記憶領域、 RAM13は、火災感知器すべてについて、各火災感知器
内の要素センサごとに得られた火災情報を基に当該火災
感知器としての総合的な火災情報を得るべく、同じく後
述する総合判断用の信号線の重付け値を格納するための
総合判断用重付け値の記憶領域、 TRX1は、直・並列変換器や並・直列変換器等で構成さ
れる信号送受信部、 DPは、CRT等の表示器、 KYは、後述する学習データ入力用テンキー、 IF11、IF12及びIF13は、インターフェース、 である。
また、多要素火災感知器DE1において、 MPU2は、マイクロプロセッサ、 ROM21は、プログラムの記憶領域、 ROM22は、自己アドレスの記憶領域、 RAM21は、作業用領域、 FSは、火災現象に基づく熱、煙、あるいはガス等の複
数の物理量すなわち多要素を検出する火災現象検出手段
であり、本実施例では、例えば散乱光式であって良い煙
センサ部FS1、例えばサーミスタを有するものであって
良い温度センサ部FS2、及び例えばガス検出素子を有す
るガス・センサ部FS3等のセンサ部から成っている。各
センサ部FS1、FS2及びFS3は、図示しないが、増幅器、
サンプリングホールド回路、アナログ・ディジタル変換
器等を有している。
TRX2は、TRX1と同様の信号送受信部、 IF21、IF22、IF23及びIF24は、インターフェース、 である。
なお、第1図では、1番の多要素火災感知器DE1は火
災現象検出手段として3つのセンサ部を内部に有する場
合を示しているが、センサ部の数及び種類はこれに限定
されるものではなく多要素火災感知器ごとにセンサ部の
数及び種類を変えることができ、また複数の火災感知器
を用いる組の場合には、組内の火災感知器の数及び種類
を種々に変えることができる。
追って、本発明の実施例による動作が具体的に説明さ
れるが、それに先立って最初に作用について説明する。
本発明は、火災現象に基づくそれぞれ異なった種類の
物理量を検出する多要素火災感知器の複数のセンサ部
(もしくは組の場合には複数の火災感知器)の各センサ
部からそれぞれ時系列的な複数のセンサ・レベルを収集
し、該収集された全センサ・レベルに基づいて火災確度
や危険度のような各種の火災情報を迅速かつ正しく得よ
うとするものであり、より具体的には、時系列的な複数
のセンサ・レベルとして、各センサ部ごとに、5秒おき
にサンプリングされるセンサ・レベルを25秒間に渡って
合計6個を収集し、それら収集されたセンサ・レベルに
基づいてまずセンサ部ごとに判断して火災情報を得、各
センサ部ごとに得られた火災情報をさらに総合判断する
ことにより、一層信頼性のある火災情報を得ようとする
ものであり、その作用を最初に第2A図、第2B図、第2C
図、第3A図および第3B図を用いて説明する。
このような作用を説明するため、第2A図に示すような
ネット構造を仮定する。第2A図に示すネット構造は、各
要素火災感知器DE1〜DENの各々に対応して、火災受信機
RE内に存在すると仮定されるものであり、第2A図のネッ
ト構造中、ブロックAは煙センサ部FS1に対応して設け
られると仮定され、ブロックBは温度センサ部FS2に対
応して設けられると仮定され、ブロックCはガス・セン
サ部FS3に対応して設けられると仮定され、そしてブロ
ックDはブロックA〜Cからの出力を入力してそれらを
総合判断し1つの火災確度信号を出力するために設けら
れていると仮定される。ブロックA、B及びCの各々に
は、対応の多要素火災感知器のセンサ部FS1、FS2及びFS
3から火災受信機REに収集された時系列的な6つの、そ
れぞれ煙センサ・レベルSLVs1〜SLVs6、温度センサ・レ
ベルSLVt1〜SLVt6、及びガス・センサ・レベルSLVg1〜S
LVg6が入力され、それぞれ火災確度信号OUTs、OUTt及び
OUTgを出力する。それら火災確度信号は、ブロックDに
入力され、該ブロックDはそれら入力された火災確度信
号を総合判断して極めて正確かつ真実味のある火災確度
を出力する。
第2B図は、ブロックAを詳細に示すものであるが、本
実施例では、ブロックA〜Cは同じであるとしている。
第2B図のネット構造において、左側のIN1〜IN6を入力
層IN、そして右側のOT1を出力層OTと呼ぶこととする
と、入力層IN1〜IN6には本実施例ではそれぞれ0〜1に
変換された時系列的な6つの煙センサ・レベルSLVs1〜S
LVs6が与えられ、また、出力層OT1からは本実施例では
0〜1で表わされた火災確度が出力される。一例として
4つが示されているIM1〜IM4を中間層と呼ぶこととする
と、各中間層IM1〜IM4は各入力層IN1〜IN6からの信号を
受けると共に、出力層OT1に対して信号を出力するもの
としている。信号は入力層から出力層の方に向かって進
むものとし、逆方向もしくは同じ層間での信号の結合は
無いものとし、さらに、入力層から出力層への直接の信
号の結合は無いものとしている。従って、第2B図に示さ
れるように入力層から中間層に対して24本の信号線が有
り、また、中間層から出力層に対しては4本の信号線が
有る。
第2B図に示されるこれら信号線は、各入力層から入力
される信号に応じて出力層から出力されるべき値によ
り、その重付け値もしくは結合度が変化され、重付け値
が大きいほど信号線における信号の通りが良くなる。入
力層−中間層の間の24本及び中間層−出力層の間の4本
の合計28本の信号線の重付け値は、後述する第3A図の定
義テーブルを用い、入出力間の関係に応じて最初に調整
されて、第1図に示された要素判断用重付け値の記憶領
域ROM14内の各火災感知器用領域に記憶されている。こ
のようにして記憶されている重付け値の内容は以後の火
災監視動作に用いられる。
第3A図は、1つのセンサ部、例えば煙センサ部FS1
らの6つのセンサ・レベルの1パターンが与えられたと
きに得られるべき、事実のもしくはかなり精度の高い火
災確度を定義した定義テーブルを表わすものであり、26
通りのパターンについて示している。26番までの各パタ
ーン番号において、上欄には時系列的な6つのセンサ・
レベルSLV1〜SLV6がINPUTとして表わされている。6つ
のセンサ・レベルは一番左のものSLV1が25秒前にサンプ
リングされたものに対応しており、左から右に向かって
順に新しいサンプリング・データを表わしており、そし
て一番右のものSLV6が一番最近にサンプリングされたセ
ンサ・レベルである。各パターン番号における下欄に
は、上欄のINPUTにおける6つのセンサ・レベルのパタ
ーンに応じて決定されるべき火災確度がOUTPUT(T)と
して0〜1の値で示されている。上欄の6つのセンサ・
レベルも0〜1の値に変換されており、この場合一例と
して、該0〜1は、煙センサ部FS1により検出される煙
濃度0〜20%/mに比例的に対応するものとしている。
第3A図のテーブルにおいて、6つのセンサ・レベルの
1パターンが与えられたときに得られるべき火災確度OU
TPUT(T)は、本実施例では概略以下の考え方を基調と
して導出される。
すなわち、0〜1に変換されたセンサ・レベルが0.3
を超えており、かつ一定値を保つかもしくは上昇傾向に
ある場合は火災確度として一区間につき0.2を加算し、
センサ・レベルが0.3を超えているが現在減少傾向にあ
る場合は火災確度として一区間につき0.1を加算し、そ
してそれ以外の区間では0を加算し、そして6つのセン
サ・レベルによる5区間すべてについてこれら火災確度
を加算したものを全体の火災確度とする。
以上のことを式で表わせば、或るセンサ・レベルをSL
Vnとし、次の5秒後にサンプリングされたセンサ・レベ
ルをSLVn+1とし、各区間における火災確度をSm(1≦
m≦5)とした場合、Smの値はSLVn及びSLVn+1の値に
応じて、 SLVn≧0.3かつSLVn≦SLVn+1でSm=0.2 SLVn+1≧0.3かつSLVn>SLVn+1でSm=0.1 SLVn<0.3かつSLVn≦SLVn+1でSm=0 SLVn<0.3かつSLVn>SLVn+1でSm=0 と表わすことができ、従って5区間全体に渡る火災確度
Sは、 となる。
以上のようにして求められる全体の火災確度Sが第3A
図の定義テーブルの下欄のOUTPUT(T)の値を導出する
際の基調を為しているが、このようにして求められる全
くこのままの値がOUTPUT(T)の値として用いられるの
ではなく、設置場所等ごとのノイズによる影響や確立論
的なデータの信ぴょう性等を考慮したもっと実際に近い
正確なものとなっている。また、パターン番号20〜26に
見られるように、センサ・レベルが直線的に変化しない
ような場合についても同様に定義して冗長性を持たせ、
実際の時系列的センサ・レベルのパターンに弾力的に充
分に対応できるものとなっている。例えば、パターン番
号5番の場合、OUTPUT(T)が0.800となっているが、
上述の考え方を基調とすればOUTPUT(T)は0.7となる
はずである。これは、センサ・レベルSLV5の前後の関係
が上昇しており、センサ・レベルSLV5のみが極端に落ち
込んでいるので、SLV5=0.380はノイズによる影響と見
なされ、SLV5は実際は、SLV4<SLV5<SLV6の範囲にある
ものと見なされているため、OUTPUT(T)が0.800とな
っている。
このような定義テーブルは、上述の考え方を基調とし
て、火災感知器の特性や設置場所ごとに実験を行った
り、データの確立論的な信ぴょう性を考慮する等によ
り、正確に作成することができる。しかし、6つのセン
サ・レベルの26通りのパターンについてだけではなく、
すべてのパターンについてこのようなテーブルを作成す
ることは実際上不可能である。以後説明する本発明の作
用によれば、時系列的な6つのセンサ・レベルに基づく
すべてのパターンに対して、ノイズ等のフィルタリング
効果等をも含めた正確な火災確度を求めることが可能と
なる。
以上では煙センサ部FS1についてのみ、センサ・レベ
ル対火災確度の定義関係を第3A図の定義テーブルで説明
したが、本実施例では、他の温度センサ部FS2及びガス
・センサ部FS3で検出されるセンサ・レベルについて
も、同じ方法で第3A図の定義テーブルを用いて定義を行
うものとしている。この場合、温度センサ部FS2で得ら
れるセンサ・レベルは、温度の0℃〜64℃が対応するよ
うに0〜1の値に変換されたものが用いられ、また、ガ
ス・センサ部FS3で得られるセンサ・レベルは、一酸化
炭素COの0ppm〜200ppmが対応するように0〜1の値に変
換されたものが用いられる。
第3A図で説明した定義テーブルは、前述したように、
第2A図及び第2B図に示したブロックAのネット構造にお
ける重付け値を調整するように用いられ、これにより、
該重付け値は、入出力間の関係に応じて最初に調整され
て、第1図に示された重付け値の記憶領域ROM14内の各
火災感知器用領域に記憶されている。このようにして第
3A図の定義テーブルの内容がブロックAのネット構造に
教え込まされると、該ネット構造は、第3A図の定義テー
ブルの26通りのセンサ・レベルのパターンについてだけ
でなく、任意のすべてのパターンに対する火災確度を出
力できるようになる。
具体的には、後述するネット構造作成プログラムによ
り、第3A図の定義テーブルの各パターン番号における上
欄INPUTの6つの値を、それぞれ入力層IN1〜IN6に与
え、それら入力に基づいて出力層OT1から出力される値
を、第3A図の下欄のOUTPUT(T)に示される教師信号も
しくは学習データとしての火災確度の値と比較し、それ
ら誤差が最小となるように各信号線の重付け値を変更し
ていく。このようにして、26点でしか示されていない第
3A図の定義テーブルの関数の全体に非常に近似したもの
を第2A図及び第2B図のネット構造に教え込ませることが
可能である。
今、入力層INiと中間層IMjとの間の重付け値を と表わし、中間層IMjと出力層OTkとの間の重付け値を と表わすこととし(i=1〜I、j=1〜J、k=1〜
K、ただし、本実施例の場合はI=6、J=4、K=
1)、重付け値 はそれぞれ正、ゼロ、負の値をとるものとすると、入力
層INiにおける入力値をINiで表わせば、中間層IMjに対
する入力の総和NET1(j)は と表わされ、この値NET1(j)を、例えばシグモイド
(sigmoid)関数により0〜1の値に変換し、それをIMj
で表わすこととすると、 となる。同様に出力層OTkに対する入力の総和NET
2(k)は と表わされ、この値NET2(k)を同じくシグモイド関数
により0〜1の値に変換し、それをOTkで表わすことと
すると、 となる。このように、第2A図及び第2B図のブロックAの
ネット構造における、入力値IN1〜INIと、出力値OT1
の関係は、重付け値を用いて式1〜式4のように表わさ
れる。ここに、γ及びγはシグモイド曲線の調整係
数であり、本実施例ではγ=1.0、γ=1.2に適当に
選択されている。これら調整係数によりシグモイド曲線
の傾きを調整することができ、それにより誤差を減少さ
せるときの収束速度を調整することが可能である。
ネット構造作成プログラムにおいては、まず、第3A図
の定義テーブルに26通りが示されている6つのセンサ・
レベルのパターン組合わせのうちの1つが、第2B図の入
力層IN1〜IN6に与えられたときに、上述の式1〜式4で
計算されて出力層から出力される値OTk(本実施例の場
合k=1)が、第3A図の下欄に示される火災確度として
の教師信号出力T1と比較され、そのときの出力層におけ
る誤差Em(m=1〜M、本実施例の場合はM=26)を下
記の式で表わす。
ここに、OT1は前述の式4で求められた値である。誤
差EmをM通りのパターンの組合わせ、すなわち第3A図の
テーブルの26りの組合わせパターンすべてについて合計
した値Eは となる。
最後に、式6における値Eが最小となるように信号線
の重付け値を1本1本調整する動作がとられる。そし
て、このようにして調整された重付け値は、記憶領域RO
M14内の各火災感知器用領域に格納されており、通常の
火災監視動作で用いられる。
以上では、第2A図のブロックAのネット構造に対して
第3A図のテーブルを教育させることについて説明した
が、本実施例では、ブロックAのネット構造と同じ構造
を有するブロックB及びCについても同じ第3A図の定義
テーブルを用いて同様の態様で教育が行われるものとし
ている。
このようにしてブロックA〜Cのネット構造に対する
第3A図のテーブルの教育が終了すると、すなわち1本1
本の重付け値の調整が終了すると、これら重付け値はそ
れぞれ記憶領域ROM14内の対応の火災感知器用領域に格
納されて以後に説明する火災監視動作において用いられ
る。
次に、第2A図のブロックDに示したネット構造の教育
について説明する。ブロックDのネット構造は、その詳
細が第2C図に示されているように、入力層に3つ、中間
層に3つ、出力層に1つで構成されており、入力層−中
間層の間には9本の信号線が、また、中間層−出力層の
間には3本の信号線がある。入力層IN1、IN2、IN3
は、前述したように、ブロックA、B、Cから出力され
る火災確度OUTs、OUTt、OUTgがそれぞれ入力され、出力
層OT1からは一層高度に判断される火災確度が出力され
る。
第3B図にはブロックDのネット構造を教育するための
定義テーブルが示されており、左側の3つの欄には、そ
れぞれ煙センサ部用のネット構造からの出力OUTs、温度
センサ部用のネット構造からの出力OUTt、ガス・センサ
部用のネット構造からの出力OUTgの特定の値の9通りの
組合わせパターンが示されている。また、右側の1つの
欄には、各パターンに対応する実験等で求められた正確
な火災確度が表わされている。
第2C図に示されたネット構造は、前述と同様の態様で
式1〜式6を用いて第3B図の定義テーブルに従って重付
け値について調整が行われ、該調整された重付け値は、
第1図に示した総合判断用重付け値の記憶領域RAM13に
格納されて以後の火災監視に用いられる。
なお、以上のように、ネット構造は定義テーブルを学
習させることにより作成されるが、このような作成は、
火災警報装置が現場に設置されてから、該火災警報装置
の例えば火災受信機REに定義テーブルを入力しネット構
造作成プログラムにより作成するようにすることもでき
るし、また、工場等での生産段階においてネット構造作
成プログラムを用いて重付け値を求めてEPROM等のROMに
記憶させておき、このROMを用いるようにすることもで
きる。本実施例では、ブロックA〜Cのネット構造の重
付け値については予め作成されたROMを用い、ブロック
Dのネット構造についてはネット構造作成プログラムに
より現場で作成する場合について説明する。
第2A図に概念的に示したネット構造A〜Dが第3A図及
び第3B図の定義テーブルを学習し1本1本調整された重
付け値が記憶領域ROM14及びRAM13に格納されると、実際
の火災監視時には後述するネット構造計算プログラムに
より、各センサ部FS1〜FS3ごとに時系列的に25秒間に渡
ってサンプリングされた6つのセンサ・レベルがそれぞ
れネット構造A〜Cの各々の入力層に与えられ、対応の
重付け値を用いて上述の式1〜式4により出力層OT1
ら得られる値OUTs、OUTt、OUTgを計算により求め、それ
ら値はさらにネット構造Dの入力層に与えられて同様に
対応の重付け値を用いて式1〜式4により最終的に火災
確度OUTが得られる。
なお、上述の説明において、ネット構造A〜Cの入力
層から入力される情報の数を6つ、出力層から出力され
る情報の数を1つ、また、ネット構造Dの入力層から入
力される情報の数を3つ、出力層から出力される情報の
数を1つの場合を示したが、これら入力情報数及び出力
情報数は必要に応じて任意に選定することが可能である
のは言うまでもない。出力層から出力される情報として
は、火災確度の他に、危険度や煙濃度、見通し距離等種
々のものを挙げることができる。
また、各ネット構造において、中間層の層数は1つ
で、1つの層に、ネット構造A〜Cの場合は4つの素子
が、ネット構造Dの場合は3つの素子が有る場合を示し
たが、1つの中間層における素子の数と、入力情報数及
び出力情報数との間の関係は、入力情報数が増加した場
合、それにつれて中間層における素子の数も増加させる
方が誤差をより減少させることができる。また、中間層
の層数そのものを増やせば精度は一層向上する。
さらに上述では、(式1)で演算された中間層の各素
子に対する入力の総和NET1(j)を(式2)でシグモイ
ド関数により0〜1の値に変換し、それを(式3)に用
いるようにしているが、NET1(j)をこのように0〜1
の値に変換せずに直接(式3)のIMjの代わりに用いる
ようにしても良い。その場合でも最終的な出力情報は
(式4)により0〜1に変換されて出力層OT1から出力
される。
上記実施例では、中間層の素子同士の結合、入力層と
出力層との素子の結合は無いが、そのような結合の場合
でも、原則として誤差を減少させるように重付け値の変
更を行うことにより本願目的を達成することができる。
第4図〜第7図は第1図の記憶領域ROM11に格納され
ているプログラムによる本発明の動作を説明するための
フローチャートである。
第4図において、最初に、第1図に示されるN個の各
多要素火災感知器ごとにもしくは複数種類の火災感知器
から成る組ごとに、1番の火災感知器から順番にネット
構造作成プログラムが実行される。
本実施例においては、第2A図に示されたブロックA〜
Cのネット構造は工場での生産段階で作成されており、
該ネット構造の重付け値がEPROM等の要素判断用重付け
値記憶領域ROM14に格納されている場合について説明す
る。従って、以下に説明するネット構造作成プログラム
では、第2A図に示されたブロックDのネット構造のみが
作成されて総合判断用重付け値の記憶領域RAM13に格納
されていく。
n番火災感知器(n=1〜N)におけるネット構造作
成プログラムの動作について説明すると、まず、第3B図
で説明した定義テーブルが学習データ入力用テンキーKY
から教師用入力もしくは学習用入力として入力され、定
義テーブルの記憶領域RAM12に記憶される(ステップ40
4)。第3B図の定義テーブルは、火災感知器ごとに多要
素センサ部の数や種類、設置環境、もしくは火災感知器
自体の個々の特性が異なっているので、各多要素の火災
感知器ごともしくは複数種類の火災感知器から成る組ご
とに用意されるが、もし環境条件や特性条件が同じであ
る場合には、同じ条件のものについて同一の定義テーブ
ルを用いることができるのは勿論である。
n番火災感知器用の定義テーブルの内容がテンキーKY
から定義テーブルの記憶領域RAM12内の当該n番火災感
知器用領域に格納されてしまうと(ステップ403の
Y)、第6図にも示されるネット構造の作成プログラム
600の実行に移る。
最初に、記憶領域RAM13の当該n番火災感知器用領域
に格納されている、第2C図で説明した入力層−中間層間
の9本、並びに中間層−出力層間の3本の合計12本の信
号線の重付け値 が或る値に一定に設定される(ステップ601)。次に、
一定に設定された重付け値に基づいて前述の式1〜式6
に従って、第3B図の定義テーブルのM通りの組合わせ
(本実施例ではM=9)すべてについての実際の出力値
OUTと教師出力値Tとの誤差の二乗の合計値(式6の
E)を求めそれをE0とする(ステップ602)。
次に、同じ定義テーブルの入力を与えたときに該誤差
の合計値E0が最小となるように、まず、中間層と出力層
との間の3本の信号線の重付け値を1本1本調整する動
作が取られる(ステップ603のN)。中間層と出力層と
の間のみの重付け値の調整なので、前述の式1及び式2
までの値には変化は無い。まず最初の1本の信号線の重
付け値 に変化させて(ステップ604)、式3〜式6の同様の計
算を行い、式6により求められる最終的な誤差の合計値
EをESとする(ステップ605)。そして該ESを、重付け
値を変える前の誤差の合計値E0と比較する(ステップ60
6)。
もしES≦E0ならば(ステップ606のN)、該ESを新た
なE0として設定すると共に(ステップ609)、変更され
た重付け値 を作業用領域の適当な位置に格納しておく。
また、もしES>E0ならば(ステップ606のY)、重付
け値を変える方向が誤りであるため、元の重付け値 を基準として反対側に重付け値を変え、重付け値 の値を用いて前述と同様に式3〜式6に基づいてESを計
算し(ステップ607、608)、この計算されたESの値を新
たなE0として設定すると共に(ステップ609)、変更さ
れた重付け値 を作業用領域の適当な位置に格納しておく。
ここに、βは|ES−E0|に比例した係数であり、また、
Sは重付け値の変更回数により可変で変更回数が大きく
なるとSは小さな値になる。
ステップ604〜609で、 についての変更調整が終了すると、次に残りの2本の信
号線の重付け値 についての変更調整がステップ604〜609で同様に順次行
われていく。
このようにして、中間層−出力層間のすべての信号線
の重付け値 が調整されてしまうと(ステップ603のY)、次に、入
力層−中間層間の信号線の重付け値 についてもステップ610〜616で、今度は式1〜式6すべ
てに基づいて同様に誤差を少なくするように調整が行わ
れていく。
すべての信号線の重付け値が調整されてしまうと(ス
テップ610のY)、このようにして小さくされてきたE0
が所定の値Cと比較され、もし該Cより未だ大きいなら
ば(ステップ617のN)、さらに誤差を少なくするため
にステップ603に戻り、ステップ604〜609での中間層−
出力層間の重付け値の調整からの上述の過程が再び繰り
返される。繰り返し調整を行いE0が所定の値C以下とな
ると(ステップ617のY)、第4図のステップ406に行
き、変更調整された12本の信号線の各重付け値 は、記憶領域RAM13内の当該n番火災感知器用領域の対
応アドレスにそれぞれ格納される。
以上の動作において、S、α、β、C等の値は各種定
数テーブルの記憶領域ROM12に格納されている。
なお、E0の最終的な誤差は0とはならないので、適当
なところで信号線の重付け値の調整は打ち切られること
となるが、ステップ617に示すように所定の値C以下と
なったときに調整を終了するようにする他に、重付け値
の調整回数を予め定めておいてその回数に達したときに
自動的に打ち切るようにしても良い。
以上のようにして、ネット構造A〜Cからの特定の出
力パターンを入力情報とし、対応の火災確度を教師信号
とした第3B図の9通りの定義パターンを用いて、一旦、
ネット構造Dが作成されると、ネット構造A〜Cからの
入力情報OUTs、OUTt、OUTgの組合わせが定義テーブルに
無くとも該ネット構造Dはその間を埋めて、最適な出力
を答えとして出すようになる。本実施例ではネット構造
への入力数は3個、出力数は1個の場合を示したが、要
素センサ部の数に応じて入力数を増減させたり、また出
力数を増減させたりすることは任意に可能であるのは当
業者には容易に理解されよう。出力としては火災確度の
他に、非火災である確率、見通し距離、走行速度、消火
可能の確率等、種々の組合わせが可能である。
このような信号線の重付け値の調整が火災警報装置内
のN個のすべての火災感知器について行われてしまい
(ステップ407のY)、再学習の必要性が無いと判定さ
れれば(ステップ408のN)、次に、1番の火災感知器
から順番に火災監視の動作が行われていく。
n番火災感知器DEnに対する火災監視動作について説
明すると、まず、n番火災感知器DEnに対してインター
フェースIF11を介し信号送受信部TRX1から信号線L上に
データ返送命令が送出される(ステップ411)。
n番火災感知器DEnがデータ返送命令を受信すると、
該火災感知器DEnが多要素火災感知器である場合には、
プログラム記憶領域ROM21に格納されたプログラムによ
り、センサ部FS1、FS2、FS3で検出され内蔵のアナログ
・ディジタル変換器でディジタル量に変換された火災現
象に関する煙、熱、ガス等の物理量に基づくセンサ・レ
ベルをインターフェースIF21、IF22、IF23を介して読込
み、それらセンサ・レベルをインターフェースIF24を介
して信号送受信部TRX2から一括返送する。また、複数の
火災感知器から成る組である場合には、火災受信機REは
組内の複数の火災感知器からセンサ・レベルを収集しそ
れら収集したセンサ・レベルに基づいて火災判断を行
う。これらデータの返送方式に関する事項は、例えば本
件出願人になる下記の特許出願明細書に記載されてい
る。
1)特願昭63−168986号 「火災報知設備」昭和63年7月8日出願 2)特願昭63−201861号 「火災報知設備」昭和63年8月15日出願 3)特願昭63−209356号 「火災報知設備」昭和63年8月25日出願 n番火災感知器DEnの複数のセンサ部からの返送が有
れば(ステップ412のY)、それら返送されたセンサ・
レベルは作業用領域RAM11に格納される(ステップ41
3)。
作業用領域RAM11には各火災感知器ごとに複数のセン
サ・レベルを格納するための領域が割当てられており、
各火災感知器用領域は、各ポーリングごとに各火災感知
器から返送される複数の要素センサ部のセンサ・レベル
をそれぞれ所定時間分に渡って保存し得るように区画さ
れている。すなわち、本実施例では、火災受信機REの火
災感知機DE1〜DENに対する1ポーリング周期が5秒で、
所定時間を25秒とし、各要素センサ部ごとに6回分のポ
ーリングのセンサ・レベルを保存するとしているので、
例えば、n番火災感知器DEnが第1図に示されるように
3つの要素センサ部FS1、FS2、FS3を有している場合に
は、作業用領域RAM11内のn番火災感知器DEn用領域に
は、3つの要素センサ部の各々ごとに、6回分のポーリ
ングのセンサ・レベルSLVs1〜SLVs6、SLVt1〜SLVt6、SL
Vg1〜SLVg6、全部で18個のセンサ・レベルが常時格納さ
れることとなる。この際、ポーリングで新しいセンサ・
レベルが返送されるてくるごとに、各要素センサ部の一
番古いセンサ・レベルは捨てられる。
n番火災感知器DEnから返送されたデータ、すなわち
各要素センサ部ごとの3つのセンサ・レベルが、作業用
領域RAM11の当該n番火災感知器用領域に格納され、一
番古いデータが捨てられると(ステップ413)、次に、
当該n番火災感知器用領域に格納されている、各要素セ
ンサ部ごとの6つのセンサ・レベルSLVs1〜SLVs6、SLVt
1〜SLVt6、SLVg1〜SLVg6はそれぞれ0〜1の値INi(i
=1〜6)に変換されて、第2A図に示されたネット構造
A〜Cに入力されて、第7図にも示されているネット構
造計算プログラム700の実行に移る。
最初に、煙センサ部FS1からのセンサ・レベルSLVs1
SLVs6が、第2B図に示されているネット構造Aに入力さ
れると(ステップ414)、ネット構造計算プログラム700
においては、前述の式1に従ってNET1(j)を計算して
(ステップ703)、それを式2に従ってIMjの値に変換す
る(ステップ704)。IM1〜IMJ(J=4)までのすべて
のIMjの値が決定されると(ステップ705のY)、次に、
それらIMjの値を用い前述の式3に従ってNET2(k)を
計算し(ステップ708)、それを式4に従ってOTkの値に
変換する(ステップ709)。OTk(本実施例ではk=
1)、すなわちネット構造Aの出力OUTsが決定されると
(ステップ710のY)、第5図のフローチャートに戻
り、次に、温度センサ部FS2からのセンサ・レベルSLVt1
〜SLVt6がネット構造Bに与えられ(ステップ415)、同
様にしてネット構造計算プログラム700により出力OUTt
が決定されると共に、ガス・センサ部FS3からのセンサ
・レベルSLVg1〜SLVg6がネット構造Cに与えられて(ス
テップ416)、ネット構造計算プログラム700により出力
OUTgが決定される。
ネット構造A、B及びCからのそれぞれの出力OUTs、
OUTt、OUTgが決定されると、それら出力は、次に、第2C
図にも示されているネット構造Dに与えられ(ステップ
417)、また同様にしてネット構造計算プログラム700が
実行され、そして該ネット構造Dの出力層OT1から最終
的な出力としての火災確度OUTが得られる。
次に、得られた火災確度OUT、OUTs、OUTt、OUTgはイ
ンターフェースIF12を介して表示器DPに表示されると共
に(ステップ418)、最終の火災確度OUTは、各種定数テ
ーブル記憶領域ROM12から読出された火災確度の基準値
Kと比較され(ステップ419)、OUT≧Kであれば火災表
示や火災警報を行う等の適当な火災動作が取られる(ス
テップ420)。
以上でn番火災感知器に対する火災監視動作は終了
し、次の火災感知器についての同様の火災監視動作が行
われていく。
なお、上記実施例では、複数の要素センサ部の各々に
対応させて第1のネット構造を設け、各要素センサ部か
ら時系列的に収集した複数センサ・レベルを対応の第1
のネット構造に与えてそれぞれ火災判断情報を得、得ら
れたそれら火災判断情報をさらにもう1つの第2のネッ
ト構造に与えて最終的な火災判断情報を得るようにした
ものを示したが、各要素センサ部対応にネット構造を設
ける代わりに、全体でただ1つのネット構造を設け、複
数の要素センサ部から得られた時系列的な複数センサ・
レベルのすべてをそのただ1つのネット構造に入力する
ことにより、総合判断された火災判断情報を得るように
することもできる。
また、要素センサ部のすべてから時系列的な複数セン
サ・レベルを収集する代わりに、必要に応じて、時系列
的な複数センサ・レベルを収集するのは少なくとも1つ
以上の要素センサ部からとし、残りの要素センサ部から
はただ1つのセンサ・レベルだけを収集し、それらセン
サ・レベルをそれぞれ対応の第1のネット構造を介して
第2のネット構造、もしくは全体でただ1つのネット構
造に与えて火災判断情報を得るようにすることもでき
る。
さらに、上記では群をなす複数の火災現象検出手段を
異なる種類のものとした場合について説明したが、複数
の火災現象検出手段を異なる場所(同じ部屋やゾーン)
に設けた同種のものとすることもでき、その場合には、
第3B図に示された定義テーブルは、そのような同種のセ
ンサ部からの出力に対して各種火災判断値を示すような
ものが作成されることとなる。
また、上記実施例では、第2A図に示されたブロックA
〜Cのネット構造は工場での生産段階で作成されて該ネ
ット構造の重付け値がEPROM等の要素判断用重付け値記
憶領域ROM14に格納されており、第2A図に示されたブロ
ックDのネット構造のみがネット構造作成プログラムに
より作成されて総合判断用重付け値の記憶領域RAM13に
格納されていく場合を説明したが、ブロックA〜Dのす
べてのネット構造について設置後にネット構造作成プロ
グラムにより重付け値を記憶領域RAM13に格納させてい
くようにすることもできるし、また、逆に、すべてのネ
ット構造を工場の生産段階等でネット構造作成プログラ
ムにより予め作成しておきそれらネット構造の重付け値
を格納したEPROM等のROMを用いるようにすることもでき
るのは、当業者には容易に理解され得るであろう。
さらに、上記実施例のアナログ式の火災警報装置に代
わって、本発明は、各火災感知器側で火災判断を行い、
その結果だけを火災受信機や中継器等の受信手段に送出
するオン・オフ式の火災警報装置にも適用可能なもので
あるが、その場合は、第1図の火災受信機側に示された
ROM11、ROM12を各火災感知器側に移設すると共に、ROM1
4、RAM12及びRAM13については、上述の工場等での生産
段階において重付け値が格納されたROMを各火災感知器
に設けるようにするのが有利である。というのは、火災
感知器にはRAM12にデータを入力するための第1図に示
したようなテンキー等を設けるための空間的な余裕が無
いからである。
[発明の効果] 以上、本発明によれば、複数の火災現象検出手段から
出力される検出情報を信号処理して火災情報を得るよう
にしたものにおいて、定義テーブルに示される入出力値
の組合わせに対して誤差が少なくなるように重付けを行
うことによりネット構造すなわち信号処理手段を形成
し、火災監視時には該ネット構造に、各火災現象検出手
段ごとの複数個の時系列的なセンサ・レベルの組合わせ
を入力情報として与えるように構成したので、与えられ
る任意の入力情報の組合わせに対応した正確かつきめ細
かな火災情報を得ることができ、従って精度の高い火災
判断を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例による火災警報装置を示すブ
ロック回路図、第2A図、第2B図及び第2C図は、本発明の
実施例に用いられる信号処理手段を概念的に説明するた
めの図、第3A図及び第3B図は、本発明の実施例に用いら
れる定義入力対定義火災情報の定義テーブルを示す図、
第4図及び第5図は、第1図の動作を説明するためのフ
ローチャート、第6図は、第4図に示されるネット構造
作成プログラム(重付け値の調整手段)を説明するため
のフローチャート、第7図は、第5図に示されるネット
構造計算プログラムを説明するためのフローチャート、
である。 図において、REは火災受信機、ROM11はプログラムの記
憶領域、ROM14は要素判断用重付け値の記憶領域、RAM11
は作業用領域、RAM12は定義テーブルの記憶領域、RAM13
は総合判断用重付け値の記憶領域、KYは学習データ入力
用テンキー、DE1〜DENは火災感知器、FS1、FS2及びFS3
は要素センサ部(火災現象検出手段)、 は重付け値、SLVs1〜SLVs6、SLVt1〜SLVt6及びSLVg1〜S
LVg6は第1のネット構造への入力情報(6つの時系列的
なそれぞれ煙、温度及びガス・センサ・レベル)、OUT
s、OUTt及びOUTgは第1のネット構造からの出力情報、O
UTは第2のネット構造からの出力情報(火災情報)であ
る。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の火災現象検出手段から出力される検
    出情報を信号処理して少なくとも1つの火災情報を得る
    ようにした火災警報装置において、 前記火災現象検出手段のうちの少なくとも1つからは時
    系列的な複数の検出情報を収集するようにして、前記各
    火災現象検出手段から検出情報を収集する検出情報収集
    手段と、 前記複数の火災現象検出手段から前記検出情報収集手段
    により収集された検出情報に基づいて信号処理を行うた
    めに、それら検出情報が入力されたときに前記火災情報
    に寄与する程度に応じてそれら入力された検出情報の各
    々に対応の重付けを行い、該重付けされた値に基づいて
    前記火災情報を演算するように構成された信号処理手段
    と、 該信号処理手段に検出情報の特定の組を与えたときに演
    算される前記火災情報を、前記各特定の組によって得ら
    れるべき所望の火災情報に近似させるように設定されて
    なる重付け値を記憶する記憶手段と、 を備え、前記信号処理手段は前記記憶手段に記憶されて
    いる重付け値を用いて前記対応の重付けを行うようにし
    たことを特徴とする火災警報装置。
  2. 【請求項2】前記検出情報の特定の組、並びに該検出情
    報の特定の組が与えられたときに得られるべき少なくと
    も1つの火災情報を格納したテーブルと、 該テーブル内の前記検出情報の特定の組を前記信号処理
    手段に与えたときに演算される前記火災情報を、前記テ
    ーブル内の前記火災情報に近似させるように前記記憶領
    域内の前記重付け値を調整する調整手段と、 をさらに備え、前記記憶領域内に格納されている前記重
    付け値は、前記調整手段により最初に調整されるように
    した特許請求の範囲第1項記載の火災警報装置。
  3. 【請求項3】前記信号処理手段は、前記各火災現象検出
    手段対応に演算を行って各個別の火災情報を得るために
    各火災現象検出手段対応に設けられた第1の副処理手
    段、並びに該各第1の副処理手段からの個別の火災情報
    を入力して処理し一層信頼性のある最終の火災情報を得
    るための第2の副処理手段を含み、前記各第1の副処理
    手段からの個別の火災情報並びに前記第2の副処理手段
    からの最終の火災情報を表示手段に表示すると共に、前
    記最終の火災情報に基づいて火災判断を行うようにした
    特許請求の範囲第1項または第2項記載の火災警報装
    置。
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