JPH0512580A - 火災検出装置 - Google Patents

火災検出装置

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JPH0512580A
JPH0512580A JP16599091A JP16599091A JPH0512580A JP H0512580 A JPH0512580 A JP H0512580A JP 16599091 A JP16599091 A JP 16599091A JP 16599091 A JP16599091 A JP 16599091A JP H0512580 A JPH0512580 A JP H0512580A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、ニオイ・センサに応答し易い日常良
く使われる有機溶剤のニオイ等の環境中のニオイと焦げ
臭との識別を精度良く行って、極初期の燻焼火災の検出
を、誤報等の無い精度の高いものにすることを目的とす
る。 【構成】複数種類のニオイ・センサからの信号を基に、
ニューラルネット等のパターン識別を得意とする手段を
用いて焦げ臭の確度を正確に得、該焦げ臭の確度及び/
または他の環境中のニオイの確度に基づいて火災検出を
行うようにしている。上記複数種類のニオイ・センサ
を、それぞれ膜厚の異なる同一材質の金属酸化物(例え
ば酸化第二錫)の膜を有するセルから成るものとした場
合に優れた効果が期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は火災検出装置に関し、特
に、環境中のニオイから火災を検出する型の火災検出装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近火災検出において、オフィスや工場
で各種の換気方式が取り入れられ換気流下で従来の煙セ
ンサを用いて火災を検出することが難しくなってきた。
また、近年コンピュータ、電子機器内での火災が報告さ
れ、室内に煙が拡散する前の状態、すなわち装置内の電
子回路基板等が燻焼している状態で異常を発見し拡大す
るのを抑制したいとの要望が強くなっている。すなわ
ち、火災になる前の環境の異常を素早く見付ける効果的
な方法が存在すれば、火災が起きる可能性は大幅に減少
する。材料を徐々に加熱すると、煙の発生に先立ち臭い
が発生するので、この焦げ臭いニオイを選択的に検出で
きれば非常に早い時点で火災を感知することが可能であ
る。
【0003】ニオイ・センサを用いてニオイの種類を識
別する研究が盛んに行われているが、ニオイの識別は、
簡単な器材では不可能で、ガスクロマトグラフィやマス
スペクトルメータ等の高価で複雑な器材を使用して分子
量として検出しているのが現状である。また、普通に用
いられる、酸化第二錫SnO2を用いたガスセンサで
は、ニオイに対する選択性がほとんどみられず、このセ
ンサにより焦げ臭を識別して火災検出を行うことは行わ
れていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ニオイ・セ
ンサに応答し易い日常良く使われる有機溶剤のニオイ等
の環境中のニオイと焦げ臭との識別を精度良く行って、
焦げ臭による火災検出を、誤報等の無い精度の高いもの
にすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明によれ
ば、複数種類の薄膜ニオイ・センサと、ニューラルネッ
トのバックプロパゲーションのようなパターン識別を得
意とする手段とを使用して各種のニオイを精度良く検出
して火災検出を行うようにしている。
【0006】具体的には、本発明によれば、種類の異な
る複数のニオイ・センサと、該複数のニオイ・センサか
らのセンサ信号を入力し、環境中のニオイにおける焦げ
臭の確度を判別して該焦げ臭の確度を表す信号を出力す
る、例えばニューラルネットであって良い手段と、該出
力された焦げ臭の確度を表す信号に基づいて火災判断を
行う火災判別手段とを備えたことを特徴とする火災検出
装置が提供される。
【0007】また、本発明によれば、種類の異なる複数
のニオイ・センサと、該複数のニオイ・センサからのセ
ンサ信号を入力し、環境中のニオイにおける焦げ臭の確
度及び焦げ臭以外の環境中のニオイの確度を判別して、
該焦げ臭の確度を表す信号及び焦げ臭以外の環境中のニ
オイの確度を表す信号を出力する、例えばニューラルネ
ットであって良い手段と、該出力された焦げ臭の確度を
表す信号及び焦げ臭以外の環境中のニオイの確度を表す
信号に基づいて火災判断を行う火災判別手段とを備えた
ことを特徴とする火災検出装置が提供される。
【0008】なお、前記焦げ臭以外の環境中のニオイの
確度は、有機溶剤のニオイの確度とすることができる。
また、前記複数のニオイ・センサは、膜厚の異なる同一
材質の金属酸化物の膜を有するセルから成るものとする
ことができ、また、該同一材質の金属酸化物は酸化第二
錫(SnO2)とすることができる。
【0009】
【作用】複数種類のニオイ・センサからの信号を基に、
ニューラルネット等のパターン識別を得意とする手段を
用いて焦げ臭の確度を正確に得、該焦げ臭の確度及び/
または他の環境中のニオイの確度に基づいて火災検出を
行うようにしたので、火災検出を迅速かつ正確に行うこ
とができる。
【0010】また、複数種類のニオイ・センサを、膜厚
の異なる同一材質の金属酸化物の膜を有するセルから成
り、かつ該同一材質の金属酸化物を酸化第二錫とした場
合には、そのような2種類のニオイ・センサを作成して
実験を行った結果、それら2種類のニオイ・センサから
のセンサ信号に基づいて、燻焼時の焦げ臭とアルコール
等の有機溶剤のニオイとを明確に識別できることが分か
った。
【0011】このことから火災の極初期から発生する焦
げ臭と、普通の環境下で存在するニオイとを2個以上の
薄膜センサを使って識別するシステムをニューラルネッ
ト等の判別手段を用いて作成することにより、極初期の
燻焼火災を確実に検出することが可能である。
【0012】
【実施例】以下、それぞれ膜厚が異なる同一材質の膜を
有する2つのセンサ部からのセンサ信号に基づきニオイ
を判別するものを例にとって、本発明の実施例について
説明する。
【0013】本実施例では図1に示すニオイ・センサを
用いる。図1に示されたニオイ・センサにおいて、アル
ミナ基板10上にはPt(プラチナ)が電極12、14
及び16としてスパッタリングされており、また、アル
ミナ基板10の反対側の面上には、ヒータ18として用
いるために同じくPtがスパッタリングされている。セ
ンサのPt電極12、14及び16にはそれぞれリード
線24、26及び28が結合されている。
【0014】アルミナ基板10上にはさらに、スパッタ
リングにより、SnO2(酸化第二錫)膜の膜厚の異なる
2つのセルが形成されており、第1のセル20は、Sn
2の2500Åの膜厚を有し、第2のセル22は、S
nO2の1000Åの膜厚を有する。第1のセル20
は、厚膜の第1のセンサ部S1として用いられ、第2の
セル22は、薄膜の第2のセンサ部S2として用いられ
る。ニオイ・センサの電気的回路構成が図2に示されて
いる。
【0015】次に、このような構成のニオイ・センサを
用いた本発明の作用について説明する。
【0016】ニオイ・センサのヒータ18に電圧をか
け、SnO2がスパッタリングされている側の面上が3
00℃になるようにして各種のニオイに対する、厚膜セ
ンサ部S1及び薄膜センサ部S2の応答、すなわち出力
OUT1及びOUT2における電圧値の読みを調べる
と、図3のようになった。図3において、縦軸は、厚い
膜厚のセンサ部出力OUT1を表し、横軸は、薄い膜厚
のセンサ部出力OUT2を表す。
【0017】図3において、番号〜10は、これら材料
を燻焼させた場合に発するニオイに対するセンサ出力の
軌跡であり、番号11〜(25)は燻焼させず自然の状態で発
するニオイに対するセンサ出力の軌跡である。特に番号
13〜(25)の材料は有機溶剤が発するニオイに対するもの
である。図3から分かるように、番号〜10の材料を燻
焼させた場合のセンサ出力は、薄膜センサ部S2による
出力よりも厚膜センサ部S1による出力が感度が良く、
従って、時間の経過と共に図3のほぼ縦軸に沿って立ち
上がっている。
【0018】また、番号13〜(25)の有機溶剤により発せ
られるニオイは、逆に、薄膜センサ部S2の方が感度が
良く、厚膜センサ部S1の出力は時間の経過と共に後か
ら僅かに立ち上がってくる様子が示されている。このよ
うに番号13〜(25)の材料が発するニオイは、図3におい
て、横軸に沿った曲線となっている。また、番号11のタ
バコの吸いさし及び12のコーヒーパウダは、立ち上がり
の様子が、有機溶剤の材料に対するものよりも、材料
〜10の燻焼させたものの方に接近しているが、これは、
これら材料が一旦燃焼もしくは燻焼させたものであるか
らであると考えられる。
【0019】このように図1に示すような膜厚の異なる
センサ部を用いれば、ニオイの質もしくは種類に応じて
センサ部の出力値パターンが或る規則性をもって異なる
ので、これら出力値のパターンを識別することにより、
ニオイの種類、特に図3の実施例では、材料の燻焼時に
発生する焦げ臭と有機溶剤のニオイとを区別することが
可能である。
【0020】従って、例えば、第2の薄膜センサ部S2
の出力値に比して第1の厚膜センサ部S1の出力値が高
くなる程、焦げ臭の確度が高く有機溶剤のニオイの確度
が低くなるよう、また、第1の厚膜センサ部S1の出力
値に比して第2の薄膜センサ部S2の出力値が高くなる
程、焦げ臭の確度が低く有機溶剤のニオイの確度が高く
なるように、第1の厚膜センサS1及び第2の薄膜セン
サS2の出力値の組合わせに対する確度を定義した定義
テーブルを作成し、このように定義された定義テーブル
の内容を例えばニューラルネットに学習させて覚え込ま
せれば、該ニューラルネットは、環境中の第1及び第2
のセンサS1及びS2の出力値を読み込み、それら読み
込んだ値のパターン判別から、環境中に存在する任意の
ニオイを判別することが可能となる。
【0021】そのような定義テーブルの例が図4に示さ
れている。この定義テーブルは、原則として、図3の原
点からの距離が等しい円弧線上にある点に対しては、原
点からその点まで引いた線と縦軸とが為す角度が小さい
程焦げ臭の確度が大きくなるように、また、原点からそ
の点まで引いた線と横軸とが為す角度が小さい程有機溶
剤の確度が大きくなるように、そして原点から引いた線
と縦軸とが為す角度が一定である点に対しては、原点か
らその点までの距離が大きい程焦げ臭並びに有機溶剤の
ニオイのいずれの確度も大きくなるように設定されてい
るが、このような原則に加えてさらに人間の経験的なも
のをも加味して作られている。
【0022】図4の定義テーブルにおいて、「入力」の
欄には、SnO21000Åの膜厚の第2のセンサ部
(薄膜センサ部)S2及びSnO22500Åの膜厚の
第1のセンサ部(厚膜センサ部)S1からのアナログの
センサ・レベルがそれぞれ0〜1の値に変換されて示さ
れており(センサ出力の0〜1000mVが0〜1に対
応)、右側の4つの欄の2欄には、2つのセンサからの
センサ・レベルの26通りの組合わせパターンに応じた
焦げ臭の確度の定義値D1並びに有機溶剤のニオイの確
度の定義値D2が0〜1の値に変換されてそれぞれ示さ
れている。なお、図4の4つの欄の他の2欄には、学習
が終了して定義テーブルの内容を充分に覚え込んだニュ
ーラルネットに計算を行わせた場合の計算値、すなわち
2つのセンサからのセンサ・レベルの26通りのパター
ンが入力された場合に学習済みのニューラルネットで計
算されて出力された焦げ臭の確度の計算値C1並びに有
機溶剤のニオイの確度の計算値C2も一緒に示されてい
る。
【0023】また、ニューラルネットが概念的に図5に
示されている。図5は、コンピュータ等の内部で行われ
るニューラルネットの作用を説明するためのものであ
り、このような構造のものが実際に存在するわけではな
い。バックプロパゲーション方式のいわゆるニューラル
ネットについては、本件出願人による例えば特開平2−
105299号公報に詳細に説明されているが、ここで
用いられるニューラルネットも同様の作用を有するもの
である。
【0024】本実施例におけるニューラルネットは、図
5に概念的に示されているように、2つのセンサ部S1
及びS2からのアナログデータをそれぞれ受ける2つの
入力層INi(i=1,2)と、5つの中間層IMj
(j=1〜5)と、焦げ臭及び有機溶剤のニオイの計算
値をそれぞれ出力する2つの出力層OTk(k=1,
2)とを有しており、各入力層と各中間層とをつなぐ1
0本の線並びに各中間層と各出力層とをつなぐ10本の
線には、出力層OT1及びOT2での出力値に寄与する程
度に応じてそれぞれ10個の重付け値ωij及びνjkが付
与されている。
【0025】ニューラルネットに定義テーブルの内容を
学習させるということは、図4のセンサ・レベルの26
通りの組合わせパターンをニューラルネットの入力層か
ら入力させたときに出力層から出力される値が図4の対
応の定義値に一致するように、重付け値ωij、νjkを調
整するということである。これは実際はコンピュータを
用いて行われ、コンピュータで行われるそのような動作
を示すフローチャートが図6にネット構造作成プログラ
ムとして示されている。
【0026】すなわち、図6のフローチャートに示すネ
ット構造作成プログラムにより、図4の定義テーブルの
第1及び第2のセンサ入力をそれぞれ入力層IN1、I
2に与え、それら入力に基づいて出力層OT1及びOT
2から出力される値を、図4の焦げ臭の確度の定義値D
1及び有機溶剤のニオイの確度の定義値D2とそれぞれ
比較し、各比較結果の誤差が最小となるように各接続線
に付与された重付け値ωij及びνjkを変えていき、最終
的に比較結果の誤差が最小もしくはゼロとなった重付け
値がメモリ(以後、重付け値用メモリと称す)に格納さ
れて用いられる。このようにして26点でしか示されて
いない図4の定義テーブルの関数の全体に非常に近似し
たものを図5のネット構造に教え込ませることが可能で
ある。このようにして定義テーブルの内容がネット構造
に教え込まされると、以後はセンサS1及びS2の入力
に対し該重付け値用メモリに格納された重付け値を用い
て演算を行うことにより、焦げ臭及び有機溶剤のニオイ
の確度の計算値を正確に得ることができる。
【0027】今、入力層INiと中間層IMjとの間の
重付け値ωij及び中間層IMjと出力層OTkとの間の
重付け値νjk(i=1,2、j=1〜5、k=1,2)
はそれぞれ正、ゼロ、負の値をとるものとすると、入力
層INiにおける入力値をINiで表わせば、中間層I
Mjに対する入力の総和NET1(j)は以下の式1で表さ
れる。
【0028】
【数1】
【0029】この値NET1(j)を、例えばシグモイド(s
igmoid)関数により0〜1の値に変換し、それをIMj
で表わすこととすると、以下の式2で表される。
【0030】
【数2】
【0031】同様に、出力層OTkに対する入力の総和
NET2(k)は、以下の式3で表される。
【0032】
【数3】
【0033】この値NET2(k)を同じくシグモイド関数
により0〜1の値に変換し、それをOTkで表わすこと
とすると、以下の式4で表される。
【0034】
【数4】
【0035】このように図5のネット構造における入力
値IN1、IN2と、出力値OT1、OT2との関係は、重
付け値を用いて式1〜式4のように表わされる。ここ
に、γ1及びγ2はシグモイド曲線の調整係数であり、本
実施例ではγ1=1.0、γ=1.2に適当に選択されて
いる。
【0036】ネット構造作成プログラムにおいては、ま
ず、図4の定義テーブルの26通りのセンサ入力のパタ
ーン組合わせのうちの1つが入力層に与えられたとき、
上述の式1〜式4で計算されて出力層から出力される実
際の出力OT1、OT2が、図4の焦げ臭の定義値D1及
び有機溶剤のニオイの定義値D2とそれぞれ比較され、
そのときの各出力層におけるそれぞれの誤差の和 Em
(m=1〜26)を下記の式5で表わす。
【0037】
【数5】
【0038】ここに、OTkは前述の式4で求められた
値である。誤差の和Emを図4の定義テーブルの26通
りの組合わせすべてについて合計した値Eは、下記の式
6となる。
【0039】
【数6】
【0040】最後に、図6に示すネット構造作成プログ
ラムを何回か繰り返すことにより、式6における値Eが
ゼロもしくは最小となるように、重付け値用メモリに格
納されている重付け値を調整変更していき、最終的に、
重付け値用メモリには、値Eがゼロもしくは最小となっ
た重付け値が記憶される。この重付け値用メモリを用い
ることにより、または、この重付け値用メモリの内容を
他のRAMもしくはROMにコピーして用いることによ
り、ニオイ判別もしくは火災検出を行う際に用いられ得
る。
【0041】図7及び図8は、図4の定義テーブルの内
容の教育を終了したニューラルネットを用いて、センサ
入力の各種組合わせパターンを与えたときに出力される
確度を表すもので、Y軸に薄膜センサS2の出力OUT
2を0〜1に変換した値を、X軸に厚膜センサS1の出
力OUT1を0〜1に変換した値をそれぞれ示し、そし
てZ軸には、図7の場合は焦げ臭の確度の0〜1の値
を、図8の場合は有機溶剤のニオイの確度の0〜1の値
をそれぞれ示している。図7及び図8におけるメッシュ
が、任意のセンサ入力に対しニューラルネットにより計
算された確度の大きさを表し、メッシュ上の線もしくは
点線は、特定の物質による焦げ臭もしくは特定の有機溶
剤のニオイを表す。図9には、各物質ごとのニオイに対
する最大の確度値、すなわちZ軸における最大値が%表
示で示されている。番号1〜11のものは、10℃/分
の速度で加熱燻焼させてニオイを発生させた場合であ
る。
【0042】図5に概念的に示したネット構造に対する
図4の定義テーブルの教育が終了すると、すなわち1本
1本の重付け値の調整が終了すると、実際のニオイ判別
もしくは火災検出の際には、後述するネット構造計算プ
ログラムにより、各センサ部からの入力値をネット構造
に与え、上述の式1〜式4を用いて各出力層から得られ
る値を計算により求めることにより、焦げ臭の計算値及
び有機溶剤のニオイの確度の計算値がそれぞれ求められ
る。例えば、火災検出を行う際には、このようにして求
められた焦げ臭の計算値を或る基準値と比較し、該基準
値以上であれば火災発生と判断するようにすることがで
きる。
【0043】図4の定義テーブルの内容を図5に概念的
に示すニューラルネットに学習させ、その学習結果に基
づいて環境中のニオイを判別することから火災監視を行
う火災検出装置の例を図10に示す。図10の実施例に
おける火災検出装置は、火災受信機REには信号兼電源
線Lを介して複数個の火災感知器DE1〜DENが接続さ
れており、各火災感知器は火災受信機REからのポーリ
ング信号に応答して火災信号等の状態信号を火災受信機
に返送するシステムであり、図5に示すようなニューラ
ルネット構造に基づき計算を行って環境中のニオイを判
別する機能は各火災感知器側に設けられていて、その判
別結果を火災受信機REに送出するようにしたものを示
している。勿論、各火災感知器がセンサ・データをその
まま火災受信機REに送出し、ニオイもしくは火災判別
は火災受信機RE側で行うようにすることもできる。な
お、火災感知器DE1〜DEN は同じ構成であり、火災
感知器DE1についてのみ内部構成を詳細に示してい
る。
【0044】図10の火災感知器DE1において、MP
U1はマイクロプロセッサであり、該マイクロプロセッ
サMPU1には、作業用メモリRAM1、プログラム格
納用メモリROM11、各種定数格納用メモリROM1
2、図5で説明した重付け値用メモリからコピーされた
重付け値を格納している重付け値用メモリROM13、
自己アドレス用メモリROM14、火災受信機REとの
送受信を行う送受信部TRX1、等が接続されて示され
ており、また、図1及び2で説明した第1及び第2のニ
オイ・センサ部S1及びS2が火災センサFSとして接
続されて示されている。点線で示した自己アドレス設定
用のスイッチDIPは必要に応じて接続され得る。な
お、IF11〜IF15はインターフェースである。
【0045】図10に示した火災検出装置の動作を図1
1に示すフローチャートをも用いて説明する。n 番火
災感知器DEnに対する火災監視動作について説明する
と、データの読込時刻になったら(ステップ706の
Y)、火災センサFS、すなわち第1のセンサ部S1及
び第2のセンサ部S2からデータを読込み、それら読込
まれたセンサ・レベルは作業用領域RAM1に一時格納
されて0〜1の値INi(i=1、2)に変換され(ステ
ップ708〜714)、次に、図12に示すネット構造
計算プログラム800が行われる。
【0046】ネット構造計算プログラム800において
は、前述の式1に従ってNET1(j)を計算して(ステッ
プ803)、それを式2に従ってIMj の値に変換する
(ステップ804)。IM1〜IM5 までのすべてのIM
j の値が決定されると(ステップ805のY)、次にそ
れらIMj の値を用い前述の式3に従ってNET2(k)を
計算し(ステップ808)、それを式4に従ってOTk
の値に変換する(ステップ809)。OT1及びOT2
すべてのOTk の値が決定されると(ステップ810の
Y)、図11のフローチャートに戻る。これらOT1及び
OT2 の値はそれぞれ焦げ臭の確度及び有機溶剤のニオ
イの確度の実測値を表すこととなる。
【0047】従って、図11の各ステップではまず、O
1が、各種定数テーブル記憶領域ROM12から読出
された火災確率の基準値A(例えばA=0.4とするこ
とができる)と比較され、OT1≧Aであれば(ステッ
プ716のY)、火災信号がセットされると共に(ステ
ップ718)、OT2 が、同じく記憶領域ROM12か
ら読出された有機溶剤のニオイの基準値Bと比較され、
OT2≧Bであれば(ステップ720のY)、不快信号
がセットされる(ステップ722)。そしてこれらセッ
トされた信号は、次に火災受信機REからの呼出しが有
ったときに(ステップ702のY)、送受信部TRX1
並びに伝送線路Lを介して火災受信機に送出される(ス
テップ704)。
【0048】図11の実施例では焦げ臭にのみ着目し、
焦げ臭の確度が例えば0.4以上となったときに、火災
発生と判別するようにしたものを示したが、火災判別方
法は他に次のようなものが考えられる。 1.焦げ臭の確度出力に変化が現れてから一定時間内に
確度レベルが0.4を越えたら火災と判断する。このよ
うにすれば、焦げ臭と有機溶剤のニオイとを判別して火
災を判別できる。 2.焦げ臭の確度と有機溶剤のニオイの確度の各確度レ
ベルを利用して火災判別する方法(その1): 例え
ば、焦げ臭確度レベルが0.15以上で、かつ有機溶剤
のニオイの確度レベルが0.01以下を火災判別レベル
とし、焦げ臭の確度出力に変化が現れてから一定時間内
に焦げ臭確度レベルが0.15を越え、しかも有機溶剤
のニオイの確度レベルが0.01以内であれば火災と判
断する。このようにすれば、火災判断をより正確に行え
ると共に、例えば、図11の実施例のように単に焦げ臭
の確度を基準値と比較するだけでは、図9の番号13の
タバコの吸いさしの場合は火災と判断してしまうが、こ
のような誤報も避けることができる。 3.焦げ臭の確度と有機溶剤のニオイの確度の各確度レ
ベルを利用して火災判別する方法(その2): 一定時
間内に得られた、焦げ臭の確度と有機溶剤のニオイの確
度とを計算し、その合計値が一定レベル、例えば0(こ
の場合は焦げ臭の確度の出力があることが条件)、ある
いは例えば0.10を越えていたら火災と判断する。す
なわち、焦げ臭の確度と有機溶剤のニオイの確度とを各
別に加算処理し、焦げ臭の確度の加算値から有機溶剤の
ニオイの確度の加算値を減算し、その合計値が火災判断
レベルに達しているか否かを判断する。この場合、焦げ
臭の確度の加算値から有機溶剤のニオイの確度の加算値
を減算するときに、有機溶剤のニオイの確度の加算値に
係数を掛けても良い。
【0049】また、上記実施例では、ニオイ・センサと
してSnO2の2種類の膜厚を有したセルから成るもの
について説明したが、ニオイ・センサの膜厚の材質とし
てはSnO2に限るものではなく、他の種々の材質のも
のが用いられ得、また、異なった種類の材質から成るニ
オイ・センサを混合して用いるようにすることもでき
る。
【0050】また、複数種類のニオイ・センサからのセ
ンサ信号に基づいてニオイの種類を判別するために、ニ
ューラルネットのバックプロパゲーション方式を用いた
ものを示したが、複数種類のニオイ・センサからのニオ
イ信号に基づいてパターン識別を行うことができる他の
手段、例えばテーブル等を用いるようにすることもでき
る。また、ファジー推論によって処理するようにしても
良い。
【0051】
【発明の効果】以上、本発明によれば、複数種類の薄膜
ニオイ・センサからの信号に基づき、ニューラルネット
のバックプロパゲーションのようなパターン識別を得意
とする手段を用いて各種のニオイを精度良く検出して火
災検出を行うようにしたので、かかる火災検出を迅速か
つ精度良く行うことができるという効果がある。また、
複数種類の薄膜ニオイ・センサとして、膜厚の異なる同
一材質の金属酸化物の膜を有するセルから成るものとし
た場合には、かかるニオイ・センサを簡単かつ小型に製
作することができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いられるニオイ・センサを
示す概略構成図である。
【図2】図1に示したニオイ・センサの電気回路図であ
る。
【図3】図1に示したニオイ・センサの特性を説明する
ためのグラフ図である。
【図4】図3の特性を表すグラフ図から焦げ臭及び有機
溶剤のニオイの確度を定義して表す定義テーブルを示す
図である。
【図5】本発明の実施例に用いられるニューラルネット
を概念的に説明するための図である。
【図6】図5に示したニューラルネットに、図4に示し
た定義テーブルを覚え込ませるためのネット構造作成プ
ログラムを説明するためのフローチャートである。
【図7】図6に示したプログラムにより作成されたニュ
ーラルネットに各種のセンサ値を与えたときに、該ニュ
ーラルネットから出力される焦げ臭の確度を示す図であ
る。
【図8】図6に示したプログラムにより作成されたニュ
ーラルネットに各種のセンサ値を与えたときに、該ニュ
ーラルネットから出力される有機溶剤のニオイの確度を
示す図である。
【図9】図8及び図9における各種物質のニオイの確度
の最大値を示す図である。
【図10】本発明の一実施例による火災検出装置を示す
ブロック回路図である。
【図11】図10の動作を説明するためのフローチャー
トである。
【図12】図11の動作中に行われるネット構造計算プ
ログラムを説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
S1 厚膜の第1のセンサ部 S2 薄膜の第2のセンサ部 RE 火災受信機 DE1〜DEN 複数個の火災感知器 MPU1 マイクロプロセッサ ROM11 プログラム格納用メモリ ROM12 各種定数テーブル記憶領域 ROM13 重付け値用メモリ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 種類の異なる複数のニオイ・センサと、 該複数のニオイ・センサからのセンサ信号を入力し、環
    境中のニオイにおける焦げ臭の確度を判別して該焦げ臭
    の確度を表す信号を出力する手段と、 該出力された焦げ臭の確度を表す信号に基づいて火災判
    断を行う火災判別手段と、 を備えたことを特徴とする火災検出装置。
  2. 【請求項2】 種類の異なる複数のニオイ・センサと、 該複数のニオイ・センサからのセンサ信号を入力し、環
    境中のニオイにおける焦げ臭の確度及び焦げ臭以外の環
    境中のニオイの確度を判別して、該焦げ臭の確度を表す
    信号及び焦げ臭以外の環境中のニオイの確度を表す信号
    を出力する手段と、 該出力された焦げ臭の確度を表す信号及び焦げ臭以外の
    環境中のニオイの確度を表す信号に基づいて火災判断を
    行う火災判別手段と、 を備えたことを特徴とする火災検出装置。
  3. 【請求項3】 前記焦げ臭以外の環境中のニオイの確度
    は、有機溶剤のニオイの確度である請求項2の火災検出
    装置。
  4. 【請求項4】 前記複数のニオイ・センサは、膜厚の異
    なる同一材質の金属酸化物の膜を有するセルから成る請
    求項1ないし3いずれかの火災検出装置。
  5. 【請求項5】 前記同一材質の金属酸化物は、酸化第二
    錫(SnO2)である請求項4の火災検出装置。
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