JP2755659B2 - 真空バルブ - Google Patents
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- JP2755659B2 JP2755659B2 JP1046815A JP4681589A JP2755659B2 JP 2755659 B2 JP2755659 B2 JP 2755659B2 JP 1046815 A JP1046815 A JP 1046815A JP 4681589 A JP4681589 A JP 4681589A JP 2755659 B2 JP2755659 B2 JP 2755659B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は真空バルブに係り、特にセラミック容器と金
属蓋体とを金属ロウを用いて気密封着接合し真空容器を
形成してなる真空バルブに関するものである。
属蓋体とを金属ロウを用いて気密封着接合し真空容器を
形成してなる真空バルブに関するものである。
(従来の技術) 一般に真空バルブは、第4図に示すように円筒状に形
成されたセラミックス容器1と、この両端に封着部2a,2
bを介して設けた金属蓋体3a,3bで真空気密にした真空容
器を構成し、この真空容器内に、固定導電軸4a、可動導
電軸4bの対向する端部に取付けられた一対の接点5a,5b
が配設され、接点5aを固定接点、接点5bを可動接点とし
ている。また、固定導電軸4a、可動導電軸4bの他方の端
部は、それぞれ固定端子6a、可動端子6bとしている。さ
らに、この可動接点5bの可動導電軸4bには、ベローズ7
が取付けられ、真空容器内を真空気密に保持しながら可
動接点5bの軸方向の移動を可能にしている。このベロー
ズ7の上部には、金属製のアークシールド(図示しな
い)が設けられ、ベローズ7がアーク蒸気で覆われるこ
とを防止している。また、8は、上記接点5a,5bを覆う
ようにして真空容器内に設けられた金属性のアークシー
ルドで、上記セラミックス容器1がアーク蒸気で覆われ
ることを防止している。さらに、接点5a,5bは、それぞ
れ固定導電軸4a、可動導電軸4bに直接ろう付けされる
か、または図示しない電極を介してろう付けされてい
る。
成されたセラミックス容器1と、この両端に封着部2a,2
bを介して設けた金属蓋体3a,3bで真空気密にした真空容
器を構成し、この真空容器内に、固定導電軸4a、可動導
電軸4bの対向する端部に取付けられた一対の接点5a,5b
が配設され、接点5aを固定接点、接点5bを可動接点とし
ている。また、固定導電軸4a、可動導電軸4bの他方の端
部は、それぞれ固定端子6a、可動端子6bとしている。さ
らに、この可動接点5bの可動導電軸4bには、ベローズ7
が取付けられ、真空容器内を真空気密に保持しながら可
動接点5bの軸方向の移動を可能にしている。このベロー
ズ7の上部には、金属製のアークシールド(図示しな
い)が設けられ、ベローズ7がアーク蒸気で覆われるこ
とを防止している。また、8は、上記接点5a,5bを覆う
ようにして真空容器内に設けられた金属性のアークシー
ルドで、上記セラミックス容器1がアーク蒸気で覆われ
ることを防止している。さらに、接点5a,5bは、それぞ
れ固定導電軸4a、可動導電軸4bに直接ろう付けされる
か、または図示しない電極を介してろう付けされてい
る。
この様な真空バルブの構成に於て、一般に金属蓋体
は、コバール(Ni=29%、Co=17%、Fe=残)、42アロ
イ(Ni=42%、Fe=残)などが用いられている。これら
の合金は、電子管、照明の導入部及び半導体の外囲器と
の封着部等、硝子又はセラミックスと気密封止を要する
場合に用いられている。他の金属よりも熱膨脹特性を封
着する相手である硝子、セラミックスに近ずけ得るの
で、健全な接合部を得るのに有利な為である。
は、コバール(Ni=29%、Co=17%、Fe=残)、42アロ
イ(Ni=42%、Fe=残)などが用いられている。これら
の合金は、電子管、照明の導入部及び半導体の外囲器と
の封着部等、硝子又はセラミックスと気密封止を要する
場合に用いられている。他の金属よりも熱膨脹特性を封
着する相手である硝子、セラミックスに近ずけ得るの
で、健全な接合部を得るのに有利な為である。
また、上記セラミックス1と金属蓋体3a,3bとを封着
部2a,2bを介して接合するに際して、一般には、セラミ
ック容器1の端面に予めメタライズ層(例えばMo−Mn)
を付与させ、このメタライズ層を介して銀ろう付け接合
を行っている。
部2a,2bを介して接合するに際して、一般には、セラミ
ック容器1の端面に予めメタライズ層(例えばMo−Mn)
を付与させ、このメタライズ層を介して銀ろう付け接合
を行っている。
すなわち、従来、セラミックの接合方法としては、ま
ず、セラミックにメタライジングを施した後、金属とろ
う接する方法が主流であった。メタライジング方法とし
ては、下記に示す方法が知られている。
ず、セラミックにメタライジングを施した後、金属とろ
う接する方法が主流であった。メタライジング方法とし
ては、下記に示す方法が知られている。
(1) セラミック母材表面にMoまたはWを主成分とす
る粉末を塗布し、還元雰囲気中で例えば1400〜1700℃に
加熱して、セラミック母材と反応させメタライジングす
る方法であって、必要によりメタライズ層の上にNiなど
をメッキ処理する。
る粉末を塗布し、還元雰囲気中で例えば1400〜1700℃に
加熱して、セラミック母材と反応させメタライジングす
る方法であって、必要によりメタライズ層の上にNiなど
をメッキ処理する。
(2) セラミック母材表面にAuまたはPtを配し、それ
らに圧力を加えながら加熱してメタライジングする方
法。
らに圧力を加えながら加熱してメタライジングする方
法。
(3) セラミック母材上に、Ti,Zrなどの活性金属とN
i,Cuなどの遷移金属を配し、それらの合金の融点より高
い温度で熱処理してメタライジングする方法。
i,Cuなどの遷移金属を配し、それらの合金の融点より高
い温度で熱処理してメタライジングする方法。
などである。
上記したように一般的な真空バルブに於ては、金属蓋
体3a,3bと共に真空容器を形成するセラミック容器1
は、上記金属蓋体3a,3bと真空気密に接合させることが
不可欠であり、接合部分にメタライズ層を付与し、かつ
そのメタライズ層の表面には、必要により銀ろう材との
濡れをよくするため、Ni等のメッキ処理およびそのNi等
のメッキ層を加熱処理すること等が行われている。
体3a,3bと共に真空容器を形成するセラミック容器1
は、上記金属蓋体3a,3bと真空気密に接合させることが
不可欠であり、接合部分にメタライズ層を付与し、かつ
そのメタライズ層の表面には、必要により銀ろう材との
濡れをよくするため、Ni等のメッキ処理およびそのNi等
のメッキ層を加熱処理すること等が行われている。
(発明が解決しようとする課題) 一方、近年の真空バルブには、多様化、苛酷化する使
用環境、条件に対応することが課せられ、より一層の高
信頼化が必要となって来ている。
用環境、条件に対応することが課せられ、より一層の高
信頼化が必要となって来ている。
しかしながら、前記従来の金属蓋体では、セラミック
スとの熱膨脹特性を優先してコバール、42アロイなどの
封着金属を使用しているため、例えば腐食性ガス雰囲気
に、長期にさらされたときには、結晶粒界が選択的に腐
食を受け、真空気密性が低下する場合もあり、特別の防
食対策が必要であった。
スとの熱膨脹特性を優先してコバール、42アロイなどの
封着金属を使用しているため、例えば腐食性ガス雰囲気
に、長期にさらされたときには、結晶粒界が選択的に腐
食を受け、真空気密性が低下する場合もあり、特別の防
食対策が必要であった。
また、前記従来技術におけるセラミックスと金属蓋体
との接合部では、前記したように、一般にセラミックス
面には、Mo−Mnメタライズ層が使用されているため、こ
のMo成分が使用環境中の湿気、空気中の水分中に溶け出
す現象が見られる場合がある。そのため接合部の耐食性
の低下が起こりメタライズ機能例えば強度の低下、真空
気密性の低下、耐圧特性の劣化を招く場合もあり、前記
金属蓋体の腐食の問題と同様真空バルブの適用雰囲気、
環境のフリー化と、一層の信頼性の向上の為に、改善が
必要とされていた。
との接合部では、前記したように、一般にセラミックス
面には、Mo−Mnメタライズ層が使用されているため、こ
のMo成分が使用環境中の湿気、空気中の水分中に溶け出
す現象が見られる場合がある。そのため接合部の耐食性
の低下が起こりメタライズ機能例えば強度の低下、真空
気密性の低下、耐圧特性の劣化を招く場合もあり、前記
金属蓋体の腐食の問題と同様真空バルブの適用雰囲気、
環境のフリー化と、一層の信頼性の向上の為に、改善が
必要とされていた。
特に、前記のセラミックス1、金属蓋体3a,3bとの接
合に於て、上記(1)の従来方法では、メタライジング
に非常に高温での処理を必要とする等、煩雑な工程に問
題がある。また、上記(2)の方法では、高価な貴金属
を使用するため、接合部面積の大きい真空バルブでは、
経済性に問題がある上に密着性を高める目的で高い圧力
を必要とし、生産性(圧力を得るための加圧部品がろう
付け炉中で或る空間を占める)に問題がある。
合に於て、上記(1)の従来方法では、メタライジング
に非常に高温での処理を必要とする等、煩雑な工程に問
題がある。また、上記(2)の方法では、高価な貴金属
を使用するため、接合部面積の大きい真空バルブでは、
経済性に問題がある上に密着性を高める目的で高い圧力
を必要とし、生産性(圧力を得るための加圧部品がろう
付け炉中で或る空間を占める)に問題がある。
一方、上記(3)の方法では、活性金属が、セラミッ
ク母材を濡らすため、加圧を殆ど必要とせず、かつ活性
金属の効果によりセラミック母材に対し強い密着力で、
メタライジングすることができ、セラミック部材と金属
部材とが十分に重なり合ったところでは、銀ろうは良好
な接合を示すが、金属部材のない部分、すなわち単にセ
ラミックスの表面に、これらろう材を載せたような部分
では、良好にメタライジングされない問題があり、気密
性のよい真空バルブは得られない。
ク母材を濡らすため、加圧を殆ど必要とせず、かつ活性
金属の効果によりセラミック母材に対し強い密着力で、
メタライジングすることができ、セラミック部材と金属
部材とが十分に重なり合ったところでは、銀ろうは良好
な接合を示すが、金属部材のない部分、すなわち単にセ
ラミックスの表面に、これらろう材を載せたような部分
では、良好にメタライジングされない問題があり、気密
性のよい真空バルブは得られない。
以上のように上記した(1)、(2)、(3)の何れ
に於ても、メタライジングを施した後、真空バルブ内部
の気密性を保つために必要な封着用の金属部材とろう接
合する必要があり、工程が複雑となる問題がある。
に於ても、メタライジングを施した後、真空バルブ内部
の気密性を保つために必要な封着用の金属部材とろう接
合する必要があり、工程が複雑となる問題がある。
さらに、真空バルブのセラミック容器と金属蓋体との
接合において、ろう材を用いた接合技術は、接合時にろ
う材が溶融して、接合部のギャップをろう材が満たして
部材との密着性を良好に保つことから、接合時に加圧す
る必要もなくプロセス上簡便であることから広汎な用途
に用いられている。特に異種材料の接合においては、拡
散接合や溶融溶接のように部材どうしを大幅に反応させ
て、合金層を生成させることがなく、したがって、生成
した合金層が脆性であるための強度低下が少ないという
メリットがある。しかしながら、部材の組合わせによっ
てはろう材の溶融時に、部材の構成元素のろう材中への
急速な拡散が生じ、その結果それらの元素どうしの反
応、またはろう材中の構成元素との反応で、有害な合金
層を生成する場合があるという問題もあった。
接合において、ろう材を用いた接合技術は、接合時にろ
う材が溶融して、接合部のギャップをろう材が満たして
部材との密着性を良好に保つことから、接合時に加圧す
る必要もなくプロセス上簡便であることから広汎な用途
に用いられている。特に異種材料の接合においては、拡
散接合や溶融溶接のように部材どうしを大幅に反応させ
て、合金層を生成させることがなく、したがって、生成
した合金層が脆性であるための強度低下が少ないという
メリットがある。しかしながら、部材の組合わせによっ
てはろう材の溶融時に、部材の構成元素のろう材中への
急速な拡散が生じ、その結果それらの元素どうしの反
応、またはろう材中の構成元素との反応で、有害な合金
層を生成する場合があるという問題もあった。
以上述べたように真空気密性の観点から、より一層の
高信頼性を確保するための真空バルブでは、金属蓋体の
材質の選択、メタライズ材質の選択のみならず、従来の
メタライズそのものも検討することが、重要となって来
た。
高信頼性を確保するための真空バルブでは、金属蓋体の
材質の選択、メタライズ材質の選択のみならず、従来の
メタライズそのものも検討することが、重要となって来
た。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、従来の予めセラミック部材の
接合面をメタライジングした後、ろう接合するものでは
なく、メタライジングと気密接合を同時に行うことが出
来ると共に、金属蓋体材質等の選択の適切化とによって
真空気密性の一層の向上による高信頼性や、経済性の面
で、極めて有利な真空バルブを提供することにある。
その目的とするところは、従来の予めセラミック部材の
接合面をメタライジングした後、ろう接合するものでは
なく、メタライジングと気密接合を同時に行うことが出
来ると共に、金属蓋体材質等の選択の適切化とによって
真空気密性の一層の向上による高信頼性や、経済性の面
で、極めて有利な真空バルブを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、セラミックス容器と金属
蓋体を接合するに際し、有害層の生成、銀ろう成分のセ
ラミックス容器または金属蓋体への侵入を防止し、信頼
性を向上した真空バルブを提供することにある。
蓋体を接合するに際し、有害層の生成、銀ろう成分のセ
ラミックス容器または金属蓋体への侵入を防止し、信頼
性を向上した真空バルブを提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記目的を達成すべく検討を重ねた結果、
金属蓋体材質としてステンレス鋼(SUS)を選択するこ
と、セラミックスと金属蓋体との接合部はTi又は/及び
Zrよりなる活性金属を介した接合封着構造を選択するこ
と、更に、同接合面を、0.05〜10μmの表面粗さに仕上
げ、かつその少なくとも一方の面に、平均粒径1〜10μ
mのTi又は/及びZrよりなる活性金属またはそれらの混
合粉末を0.1〜10mg/cm2の量で予め塗布し、さらに、こ
の塗布層と金属蓋体との間に金属ろう材を介挿または接
触させて加熱することにより、容易にセラミックス容器
と金属蓋体とを気密性よく接合するものである。本発明
においては、必要に応じて、セラミックス容器と金属蓋
体との間に、各々の接合用のろう材を置きかつこの両ろ
う材の間にFe又は/及びCrよりなる中間材を介挿して信
頼性の高い真空バルブを得ることができ、本発明を完成
するに至った。
金属蓋体材質としてステンレス鋼(SUS)を選択するこ
と、セラミックスと金属蓋体との接合部はTi又は/及び
Zrよりなる活性金属を介した接合封着構造を選択するこ
と、更に、同接合面を、0.05〜10μmの表面粗さに仕上
げ、かつその少なくとも一方の面に、平均粒径1〜10μ
mのTi又は/及びZrよりなる活性金属またはそれらの混
合粉末を0.1〜10mg/cm2の量で予め塗布し、さらに、こ
の塗布層と金属蓋体との間に金属ろう材を介挿または接
触させて加熱することにより、容易にセラミックス容器
と金属蓋体とを気密性よく接合するものである。本発明
においては、必要に応じて、セラミックス容器と金属蓋
体との間に、各々の接合用のろう材を置きかつこの両ろ
う材の間にFe又は/及びCrよりなる中間材を介挿して信
頼性の高い真空バルブを得ることができ、本発明を完成
するに至った。
すなわち、本発明の真空バルブは、円筒状のセラミッ
クス容器の両端開口部を金属蓋体で閉止して真空容器を
形成し、この真空容器の内部に接離自在とした一対の接
点を配設すると共に、更に必要に応じてこの接点からの
蒸発金属が前記セラミックス容器の内面に付着するのを
防止するアークシールドを具備してなる真空バルブであ
って、下記の条件(イ)および(ロ)を満足することを
特徴とするものである。
クス容器の両端開口部を金属蓋体で閉止して真空容器を
形成し、この真空容器の内部に接離自在とした一対の接
点を配設すると共に、更に必要に応じてこの接点からの
蒸発金属が前記セラミックス容器の内面に付着するのを
防止するアークシールドを具備してなる真空バルブであ
って、下記の条件(イ)および(ロ)を満足することを
特徴とするものである。
(イ) 前記金属蓋体は、ステンレス鋼(以下、SUSと
もいう)によって構成されること。
もいう)によって構成されること。
(ロ) 上記金属蓋体と前記セラミックス容器とをTi又
は/及びZrよりなる活性金属を介して接合した封着構造
を有していること。
は/及びZrよりなる活性金属を介して接合した封着構造
を有していること。
また、本発明においては、上記の真空バルブに於て、
上記セラミックス容器と、上記金属蓋体とからなる一対
の接合体の少なくとも前記セラミックス容器の接合面
が、0.05〜10μmの表面荒さの仕上面を有し、かつ、0.
1〜10mg/cm2の量のTi又は/及びZrよりなる活性金属層
を有することが好ましい。
上記セラミックス容器と、上記金属蓋体とからなる一対
の接合体の少なくとも前記セラミックス容器の接合面
が、0.05〜10μmの表面荒さの仕上面を有し、かつ、0.
1〜10mg/cm2の量のTi又は/及びZrよりなる活性金属層
を有することが好ましい。
さらに本発明においては、上記一対の接合体を接合す
るに際し上記金属蓋体に接するロウ材と上記活性金属層
に接するロウ材とを用い、かつ、これらロウ材間に、Fe
又は/及びCrよりなる中間材を介挿した構成とすること
が好ましい。
るに際し上記金属蓋体に接するロウ材と上記活性金属層
に接するロウ材とを用い、かつ、これらロウ材間に、Fe
又は/及びCrよりなる中間材を介挿した構成とすること
が好ましい。
また、本発明の真空バルブを製造するにあたっては、
セラミックス容器と金属蓋体とを閉止し真空気密容器を
形成するに際して、 (i) 真空容器内を真空排気した後、セラミック部材
と金属部材とを封着させるようにすること、 (ii) 真空容器内を真空排気しながらセラミック部材
と金属部材とを封着させるようにすること、および (iii) セラミック部材と金属部材とを予め接着し、
その後で真空容器内を真空排気するようにすることが好
ましい。
セラミックス容器と金属蓋体とを閉止し真空気密容器を
形成するに際して、 (i) 真空容器内を真空排気した後、セラミック部材
と金属部材とを封着させるようにすること、 (ii) 真空容器内を真空排気しながらセラミック部材
と金属部材とを封着させるようにすること、および (iii) セラミック部材と金属部材とを予め接着し、
その後で真空容器内を真空排気するようにすることが好
ましい。
(作 用) 上述したように、本発明によれば真空バルブの金属蓋
体にSUSを使用した為、特殊環境下での長期間使用でも
真空気密性の低下が、現在使われているコバール、42ア
ロイより著しく改善されると共に、従来法のようなMo−
Mnメタライズ層を使用していない為、湿気などの水分中
へのMoの溶出がなくこのメタライズ層の機能低下に原因
する長期間使用でも真空気密性の低下がなく信頼性が著
しく向上する。更に、Ti又は/及びZrよりなる活性金属
を所定表面条件を有するセラミックス表面に、所定量付
与させているため、セラミックス容器と金属蓋体とは、
予めセラミックス容器にメタライジングしなくても、メ
タライジングと気密接合とを同時に行い、銀ろう材料の
セラミックス容器または金属蓋体への侵入がなく、製造
工程の簡略化と接合信頼度の高い真空バルブが得られ
る。
体にSUSを使用した為、特殊環境下での長期間使用でも
真空気密性の低下が、現在使われているコバール、42ア
ロイより著しく改善されると共に、従来法のようなMo−
Mnメタライズ層を使用していない為、湿気などの水分中
へのMoの溶出がなくこのメタライズ層の機能低下に原因
する長期間使用でも真空気密性の低下がなく信頼性が著
しく向上する。更に、Ti又は/及びZrよりなる活性金属
を所定表面条件を有するセラミックス表面に、所定量付
与させているため、セラミックス容器と金属蓋体とは、
予めセラミックス容器にメタライジングしなくても、メ
タライジングと気密接合とを同時に行い、銀ろう材料の
セラミックス容器または金属蓋体への侵入がなく、製造
工程の簡略化と接合信頼度の高い真空バルブが得られ
る。
(実施例) 以下、本発明の実施例を説明する。前述したように真
空バルブに於ては、金属蓋体は、セラミックス容器に接
続される。
空バルブに於ては、金属蓋体は、セラミックス容器に接
続される。
しかしながら、一般的にセラミックスと金属とでは熱
膨脹係数が大きく異なるため、その両者の熱膨脹係数差
に起因して接合部に熱応力が少なからず発生する。これ
らの熱応力は、セラミックスにクラックを発生させ易い
という重要な問題点があった。そこで、このような熱応
力の発生を低減させるために、なるべくセラミックスと
熱膨脹係数の近い金属を用いた接合体が検討されてい
る。このような目的に用いられる金属を蓋体として用い
る。すなわち、一般に42アロイ(42%Ni−Fe)、コバー
ル(KOV 29%Ni−17Co−Feなどが真空バルブの真空容
器用金属蓋体とし使用されている。
膨脹係数が大きく異なるため、その両者の熱膨脹係数差
に起因して接合部に熱応力が少なからず発生する。これ
らの熱応力は、セラミックスにクラックを発生させ易い
という重要な問題点があった。そこで、このような熱応
力の発生を低減させるために、なるべくセラミックスと
熱膨脹係数の近い金属を用いた接合体が検討されてい
る。このような目的に用いられる金属を蓋体として用い
る。すなわち、一般に42アロイ(42%Ni−Fe)、コバー
ル(KOV 29%Ni−17Co−Feなどが真空バルブの真空容
器用金属蓋体とし使用されている。
しかし、このコバール、42アロイは、長期間使用中の
使用環境雰囲気によっては、粒界腐食を受ける場合があ
り、開閉時の機械的衝撃によって、亀裂への進展が見ら
れ、真空気密性に支障を与えることがある。
使用環境雰囲気によっては、粒界腐食を受ける場合があ
り、開閉時の機械的衝撃によって、亀裂への進展が見ら
れ、真空気密性に支障を与えることがある。
一方、後述する実施例でも、その効果を示すようにこ
の金属蓋体にSUSを使用することにより、その不働態皮
膜の効果によって特に苛酷な使用雰囲気下でも、粒界腐
食の発生は極めて少なく、開閉動作時の機械的衝撃によ
っても亀裂への進展はなく、長期の真空気密性の保持に
有利である。
の金属蓋体にSUSを使用することにより、その不働態皮
膜の効果によって特に苛酷な使用雰囲気下でも、粒界腐
食の発生は極めて少なく、開閉動作時の機械的衝撃によ
っても亀裂への進展はなく、長期の真空気密性の保持に
有利である。
以上のように、上記したSuSは、特に厳しい環境雰囲
気下でも、コバール、42アロイより真空気密性の長期間
維持に有利であるが、SuSは、膨脹特性に於てコバー
ル、42アロイより不利であるが、Ti,Zrなど活性金属を
使用した場合の接合特性がMo−Mn法による場合のそれよ
り有利であること(長期間、使用後の強度低下が小さ
く、安定している)から、問題とはならない。SUSより
なる金属蓋体と、セラミックスの間に熱膨脹特性がこれ
らの中間の値を有する応力、緩和層を介挿して前記SUS
の欠点を補強できる等で、コバール、42アロイと比較し
たSUSの熱膨脹特性の不利性は、問題とならない。
気下でも、コバール、42アロイより真空気密性の長期間
維持に有利であるが、SuSは、膨脹特性に於てコバー
ル、42アロイより不利であるが、Ti,Zrなど活性金属を
使用した場合の接合特性がMo−Mn法による場合のそれよ
り有利であること(長期間、使用後の強度低下が小さ
く、安定している)から、問題とはならない。SUSより
なる金属蓋体と、セラミックスの間に熱膨脹特性がこれ
らの中間の値を有する応力、緩和層を介挿して前記SUS
の欠点を補強できる等で、コバール、42アロイと比較し
たSUSの熱膨脹特性の不利性は、問題とならない。
これらの鉄基低熱膨張合金を接合する際に、通常のセ
ラミックスと金属との接合に用いるAg系のろう材を用い
ると、ろう材の成分が粒界を中心に浸透(ペネトレーシ
ョン)し易く、金属蓋体を劣化させる原因となる。
ラミックスと金属との接合に用いるAg系のろう材を用い
ると、ろう材の成分が粒界を中心に浸透(ペネトレーシ
ョン)し易く、金属蓋体を劣化させる原因となる。
そこで、これを防ぐために、例えばWeld.J.,61−11,P
363に示すように鉄基低熱膨張合金の接合層表面にNiメ
ッキ層を設ける事が試みられているが、この場合はNiが
ろう材中に拡散し、セラミックスとろう材の接合性に悪
影響を及ぼす事が実験により確認された。この問題は、
特に気密性を保護する容器等を得るための接合を行う場
合には大きな欠点となっていた。
363に示すように鉄基低熱膨張合金の接合層表面にNiメ
ッキ層を設ける事が試みられているが、この場合はNiが
ろう材中に拡散し、セラミックスとろう材の接合性に悪
影響を及ぼす事が実験により確認された。この問題は、
特に気密性を保護する容器等を得るための接合を行う場
合には大きな欠点となっていた。
次に、本発明の実施例を第1図および第2図を参照し
て詳細に説明する。
て詳細に説明する。
実施例の説明の前に、評価基準及び評価方法を以下に
示す。すなわち真空気密特性の評価として、各耐蝕性試
験の前後で、各々の真空バルブの真空度を測定し、真空
度の変化により調査した。評価手順を以下に示す。
示す。すなわち真空気密特性の評価として、各耐蝕性試
験の前後で、各々の真空バルブの真空度を測定し、真空
度の変化により調査した。評価手順を以下に示す。
真空バルブの製造完了後、真空度を1×10-7torr以下
であることを確認してから耐蝕性の評価を行った。ま
ず、真空バルブを腐食試験用ガス槽に入れ、30日間の放
置テストの放置後の真空度及びAC耐電圧値の測定を行
った。今回腐食性ガスとしては、塩素ガスを使用し、ガ
ス量として10ppm、温度条件として40℃Rh90%一定とし
た。上記条件で放置後真空度測定及びAC耐電圧測定を行
った。
であることを確認してから耐蝕性の評価を行った。ま
ず、真空バルブを腐食試験用ガス槽に入れ、30日間の放
置テストの放置後の真空度及びAC耐電圧値の測定を行
った。今回腐食性ガスとしては、塩素ガスを使用し、ガ
ス量として10ppm、温度条件として40℃Rh90%一定とし
た。上記条件で放置後真空度測定及びAC耐電圧測定を行
った。
AC耐電圧測定は、真空バルブの固定接点5a及び可動接
点5bを10mm開極した状態で、上記接点間にAC30KVまで印
加し、閃絡する電圧値を調査した。AC30KVまで印加して
も閃絡しない場合には、1分間印加し続け、全く放電の
無かった場合を良として第1〜2表に示す。
点5bを10mm開極した状態で、上記接点間にAC30KVまで印
加し、閃絡する電圧値を調査した。AC30KVまで印加して
も閃絡しない場合には、1分間印加し続け、全く放電の
無かった場合を良として第1〜2表に示す。
上記試験実施後、更に真空バルブを恒温恒湿槽に入
れ、温度条件60℃Rh90%一定条件で放置テストといて
30日間放置した。放置後に真空バルブの真空度及びAC耐
電圧測定を実施し、その結果を第1〜2表に示す。
れ、温度条件60℃Rh90%一定条件で放置テストといて
30日間放置した。放置後に真空バルブの真空度及びAC耐
電圧測定を実施し、その結果を第1〜2表に示す。
比較例1〜5 第1図に示すように、外径124mm、内径110mm、高さ17
0mmのAl2O3セラミックス容器10の端面10a,10bを研磨仕
上によって0.5μmの表面粗さを持つように調整した。
0mmのAl2O3セラミックス容器10の端面10a,10bを研磨仕
上によって0.5μmの表面粗さを持つように調整した。
金属基体として、コバール、42アロイ、SUSを用意し
た。
た。
まず、前記セラミックスの端面にMo−Mnメタライズ層
を施した後、金属基体とメタライズ層との間に0.2mm厚
さの銀ロウを介挿し、真空度2×10-5Torr、温度800
℃、時間6分なる条件で、上記銀ロウを溶融させると共
に前記金属基体とセラミックス端面とを真空封着した
(比較例1、2、5)。
を施した後、金属基体とメタライズ層との間に0.2mm厚
さの銀ロウを介挿し、真空度2×10-5Torr、温度800
℃、時間6分なる条件で、上記銀ロウを溶融させると共
に前記金属基体とセラミックス端面とを真空封着した
(比較例1、2、5)。
上記とは別に、直径3.5μmの平均粒径を有するTi粉
を用意する。ポリビニールアルコール(結合剤)のエチ
ルアルコール溶液中に上記Ti粉を混合したものを、上記
表面粗さを持つ端面10a,10bに、例えば金属メッシュを
通し、塗布量が1mg/cm2となるよう均一にTi(活性金
属)粉を塗布し、第2図に示すTi塗布面11を形成した。
を用意する。ポリビニールアルコール(結合剤)のエチ
ルアルコール溶液中に上記Ti粉を混合したものを、上記
表面粗さを持つ端面10a,10bに、例えば金属メッシュを
通し、塗布量が1mg/cm2となるよう均一にTi(活性金
属)粉を塗布し、第2図に示すTi塗布面11を形成した。
また、このTi塗布面11に、0.2mm厚さの銀ろう12を載
せた後、前記と同様に真空度2×10-5Torr、温度800
℃、時間6分なる条件で上記銀ロウを溶融させると共
に、金属蓋体とセラミックス端面とを真空気密封着した
(比較例3〜4)。
せた後、前記と同様に真空度2×10-5Torr、温度800
℃、時間6分なる条件で上記銀ロウを溶融させると共
に、金属蓋体とセラミックス端面とを真空気密封着した
(比較例3〜4)。
冷却後、封着した真空容器内の真空度を直ちに測定し
たところ、1×10-7Torrレベルを確保した。このような
条件で、製造した真空バルブを前記した方法及び条件で
真空気密特性、耐電圧特性の評価を行った。
たところ、1×10-7Torrレベルを確保した。このような
条件で、製造した真空バルブを前記した方法及び条件で
真空気密特性、耐電圧特性の評価を行った。
第1表にその結果を示すように、金属蓋体材質として
従来材のコバール、42アロイを使用した場合には現在広
く行われているMo−Mnメタライズ法による封着(比較例
1〜2)によっても、また活性金属法による封着(比較
例3〜4)によっても気密性多び耐電圧特性共、著しく
劣ることが判った。
従来材のコバール、42アロイを使用した場合には現在広
く行われているMo−Mnメタライズ法による封着(比較例
1〜2)によっても、また活性金属法による封着(比較
例3〜4)によっても気密性多び耐電圧特性共、著しく
劣ることが判った。
特に、苛酷な特殊環境雰囲気(表−1のテスト)
後、真空バルブとして通常必要な衝撃開閉を与えるとそ
の真空気密性の劣化は大きい傾向にあった。
後、真空バルブとして通常必要な衝撃開閉を与えるとそ
の真空気密性の劣化は大きい傾向にあった。
これに対して金属蓋体材質としてオーステナイト系の
ステンレス(SUS304、組成材料の組成は第3表)を使用
したところ、テストした真空バルブ3本共、放置テスト
の後の耐電圧テストは合格(30KV以上)であったが、
3本中の1本には、若干の真空劣化(10-7Torr以下のも
のが2×10-5Torrになった)が見られ、このものは放置
テストの後の耐電圧が16KVに低下した。真空劣化も著
しく10-3〜10-6Torrオーダとなった(比較例5)。この
ように比較例1〜4に使用した金属蓋体(コバール、42
アロイ)より、比較例5で使用したSuSの方が改善は認
められものの長期的かつ苛酷下での信頼性に対しては問
題が見られた。上記同様放置テスト、の後に衝撃
(開閉テスト)を与えると、真空度に変動が見られる傾
向にあった。特に放置テストすなわち高湿度下で劣化
が促進されていることからメタライズ層のMo−Mnに起因
することが考えられた。
ステンレス(SUS304、組成材料の組成は第3表)を使用
したところ、テストした真空バルブ3本共、放置テスト
の後の耐電圧テストは合格(30KV以上)であったが、
3本中の1本には、若干の真空劣化(10-7Torr以下のも
のが2×10-5Torrになった)が見られ、このものは放置
テストの後の耐電圧が16KVに低下した。真空劣化も著
しく10-3〜10-6Torrオーダとなった(比較例5)。この
ように比較例1〜4に使用した金属蓋体(コバール、42
アロイ)より、比較例5で使用したSuSの方が改善は認
められものの長期的かつ苛酷下での信頼性に対しては問
題が見られた。上記同様放置テスト、の後に衝撃
(開閉テスト)を与えると、真空度に変動が見られる傾
向にあった。特に放置テストすなわち高湿度下で劣化
が促進されていることからメタライズ層のMo−Mnに起因
することが考えられた。
実施例1〜2、比較例6 しかし、上記の結論は、特にセラミックス容器10の端
面10aまたは10bの表面仕上げ粗さが0.5μm、Ti(活性
金属)粉の粒径が3.5μm、その付着量を1mg/cm2とした
ときの知見であり、特にこれらの諸条件が所定の条件を
満たさないときには、気密性、接合強さに影響を与える
ため、総合的な信頼性を確保する上から、上記した二、
三の因子を管理すると同時に制御する必要がある。すな
わち、セラミックス容器10の端面10aまたは10bの表面粗
さを0.05〜10μm(実施例1、2)としたときには、気
密性、耐電圧特性などを含めた総合特性が良好であるの
に対し、その厚さが50μm(比較例3)では、気密性、
耐電圧特性共に実施例1、2より劣化した。
面10aまたは10bの表面仕上げ粗さが0.5μm、Ti(活性
金属)粉の粒径が3.5μm、その付着量を1mg/cm2とした
ときの知見であり、特にこれらの諸条件が所定の条件を
満たさないときには、気密性、接合強さに影響を与える
ため、総合的な信頼性を確保する上から、上記した二、
三の因子を管理すると同時に制御する必要がある。すな
わち、セラミックス容器10の端面10aまたは10bの表面粗
さを0.05〜10μm(実施例1、2)としたときには、気
密性、耐電圧特性などを含めた総合特性が良好であるの
に対し、その厚さが50μm(比較例3)では、気密性、
耐電圧特性共に実施例1、2より劣化した。
従って金属蓋体材質にSUSを選択してもセラミックス1
0の端面10a又は10bの表面荒さは10μm以下に選択する
べきであり、その下限は加工機械の能力、経済性などと
要求仕様とによって決定される。
0の端面10a又は10bの表面荒さは10μm以下に選択する
べきであり、その下限は加工機械の能力、経済性などと
要求仕様とによって決定される。
実施例3〜4、比較例7 金属蓋体材質としてSUSを選択しても、セラミック端
面に付着させる活性金属粉の厚さ(この場合厚さは、ほ
ぼ使用する粒径と近似の値)も真空気密特性に影響を与
える、すなわちその厚さが1〜10μm(実施例3〜4)
の範囲なら、総合的に問題はないが、その厚さが44μm
(比較例7)の場合には、第1表のように放置テスト
の後の真空気密性に若干の低下(10-7torr以下であった
ものが4×10-4Torr)が見られるものの耐電圧特性とし
ては、供試バルブ3本共良であるのに対し、更に放置テ
ストを加えた段階で、供試バルブ3本中の1本に、一
層の気密性の低下(4×10-4Torrであったものが、3×
10-3Torr)が見られた。
面に付着させる活性金属粉の厚さ(この場合厚さは、ほ
ぼ使用する粒径と近似の値)も真空気密特性に影響を与
える、すなわちその厚さが1〜10μm(実施例3〜4)
の範囲なら、総合的に問題はないが、その厚さが44μm
(比較例7)の場合には、第1表のように放置テスト
の後の真空気密性に若干の低下(10-7torr以下であった
ものが4×10-4Torr)が見られるものの耐電圧特性とし
ては、供試バルブ3本共良であるのに対し、更に放置テ
ストを加えた段階で、供試バルブ3本中の1本に、一
層の気密性の低下(4×10-4Torrであったものが、3×
10-3Torr)が見られた。
実施例5〜6、比較例8〜9 更に、金属蓋体材質としてSUSを選択しても、セラミ
ックス端面に付着させる活性金属粉の付着量も、真空気
密性に影響を与える、すなわち、付着量が0.01mg/cm
2(比較例8)では、放置テストの後の気密性に於
て、3本中2本は、完全なリーク状態(供試バルブの内
部が全く真空になっていない大気圧の状態)更に残り1
本も著しい低下(初期10-7Torr以下にあったものが7×
10-3Torr)となり、念の為、測定した耐電圧特性も、30
KV以上あったものが7KV程度に低下していた。この状態
での放置テストへの移行は、前者大気圧状態となった
2本は無意味の為中止、残り1本も、放置テストの後
での気密性も760Torrとなり耐電圧テストは中止とした
(比較例8)。
ックス端面に付着させる活性金属粉の付着量も、真空気
密性に影響を与える、すなわち、付着量が0.01mg/cm
2(比較例8)では、放置テストの後の気密性に於
て、3本中2本は、完全なリーク状態(供試バルブの内
部が全く真空になっていない大気圧の状態)更に残り1
本も著しい低下(初期10-7Torr以下にあったものが7×
10-3Torr)となり、念の為、測定した耐電圧特性も、30
KV以上あったものが7KV程度に低下していた。この状態
での放置テストへの移行は、前者大気圧状態となった
2本は無意味の為中止、残り1本も、放置テストの後
での気密性も760Torrとなり耐電圧テストは中止とした
(比較例8)。
0.1〜10mg/cm2(実施例5〜6)では、放置テスト
、後の各評価結果も安定し好ましい範囲となるが、
その量が多すぎると(例えば50mg/cm2、比較例9)、気
密性が特に放置テスト後、低下し、耐圧にもばらつき
(3本中1本は良であるが、他は極めて低下)が著しい
ことから付着量も0.1〜10mg/cm2の範囲とすべきであ
る。
、後の各評価結果も安定し好ましい範囲となるが、
その量が多すぎると(例えば50mg/cm2、比較例9)、気
密性が特に放置テスト後、低下し、耐圧にもばらつき
(3本中1本は良であるが、他は極めて低下)が著しい
ことから付着量も0.1〜10mg/cm2の範囲とすべきであ
る。
実施例7〜8 以上述べた実施例1〜6は、セラミックス端面の材質
としてTiの例につき述べたが本発明はTiのみでなくZr
(実施例7)、Ti−Zr(実施例8)についても総合的に
好ましい効果を得た。
としてTiの例につき述べたが本発明はTiのみでなくZr
(実施例7)、Ti−Zr(実施例8)についても総合的に
好ましい効果を得た。
実施例11〜15 以上述べたように、オーステナイト系ステンレス(SU
S304)を従来のコバール、42アロイに代えて金属蓋体材
質として使用したこと、及びセラミックスと金属蓋体と
の接合を従来のMo−Mnメタライズ法に代えてTi等の活性
金属法を使用したことの相乗効果によって特に真空バル
ブが極めて苛酷な特殊環境放置後(例えば放置テスト
)でも、真空気密性、耐電圧特性に有利であることが
判った。
S304)を従来のコバール、42アロイに代えて金属蓋体材
質として使用したこと、及びセラミックスと金属蓋体と
の接合を従来のMo−Mnメタライズ法に代えてTi等の活性
金属法を使用したことの相乗効果によって特に真空バル
ブが極めて苛酷な特殊環境放置後(例えば放置テスト
)でも、真空気密性、耐電圧特性に有利であることが
判った。
この効果は、上述SUS304に限らず、他のSUSでも認め
られている(実施例11〜15)。実施例11〜15に使用した
金属蓋体材質の内容を第3表に示す。
られている(実施例11〜15)。実施例11〜15に使用した
金属蓋体材質の内容を第3表に示す。
変形例 前記金属蓋体とセラミックスとの気密封着処理時に銀
ロウの金属蓋体粒界への浸入現象が見られる場合には、
両者の間に中間材を介挿することによって解決される
(第3図)。
ロウの金属蓋体粒界への浸入現象が見られる場合には、
両者の間に中間材を介挿することによって解決される
(第3図)。
中間材は例えば厚さ10μmのFe又は/及びCrが好都合
である。
である。
なお、以上説明した実施例は、真空バルブ内部を排気
すると同時に(または排気しながら)、セラミックス部
材と金属部材とを接合する場合を示したが、両部材の接
合を予め行い、接合が終ってから排気パイプ等によって
内部を排気することも可能であり、逆に真空槽内に置か
れた真空バルブが充分排気された状態になってから接合
を行うことも可能であり、何れも同等の効果が得られる
ので適宜選択ができる。
すると同時に(または排気しながら)、セラミックス部
材と金属部材とを接合する場合を示したが、両部材の接
合を予め行い、接合が終ってから排気パイプ等によって
内部を排気することも可能であり、逆に真空槽内に置か
れた真空バルブが充分排気された状態になってから接合
を行うことも可能であり、何れも同等の効果が得られる
ので適宜選択ができる。
また、予め両部材を接合後に排気する方法を選択する
ときには、両部材の接合雰囲気は、上記実施例で説明し
た真空雰囲気のみでなく、不活性ガス(例えば水素)中
でもよい。
ときには、両部材の接合雰囲気は、上記実施例で説明し
た真空雰囲気のみでなく、不活性ガス(例えば水素)中
でもよい。
さらに、以上説明した実施例、比較例は、活性金属粉
の塗布手段として例えば金属メッシュを通して塗布して
いたが、スパッタリング、イオンプレーティング等によ
って上記した所定量を塗布しても同じ効果が得られる。
の塗布手段として例えば金属メッシュを通して塗布して
いたが、スパッタリング、イオンプレーティング等によ
って上記した所定量を塗布しても同じ効果が得られる。
本発明は、以上のように構成されているから、従来別
工程で行っていたセラミック部材へのメタライジングを
必要とせず、同様に行うことによって製造工程を簡略化
し、また、金属蓋体にSUSを使用した相乗作用によって
信頼性や経済性を向上させた真空バルブを提供すること
ができる。
工程で行っていたセラミック部材へのメタライジングを
必要とせず、同様に行うことによって製造工程を簡略化
し、また、金属蓋体にSUSを使用した相乗作用によって
信頼性や経済性を向上させた真空バルブを提供すること
ができる。
第1図は本発明の一実施例に係るセラミックス容器の一
例を示す断面図、第2図は本発明の実施例に係るセラミ
ックス容器、金属蓋体、Ti(活性金属)粉の塗布面およ
び銀ろうの配置構成を示す部分断面図、第3図は本発明
の実施例に係るセラミックス容器、金属蓋体、中間材、
Ti粉の塗布面及び銀ロウの配置構成を示す部分断面図、
第4図は従来の真空バルブの一例を示す断面図である。 3a,3b……金属蓋体、5a……固定接点、5b……可動接
点、10……セラミックス容器、11……Ti塗布面、12……
銀ろう材料、13……金属蓋体用銀ろう材料、14……中間
材。
例を示す断面図、第2図は本発明の実施例に係るセラミ
ックス容器、金属蓋体、Ti(活性金属)粉の塗布面およ
び銀ろうの配置構成を示す部分断面図、第3図は本発明
の実施例に係るセラミックス容器、金属蓋体、中間材、
Ti粉の塗布面及び銀ロウの配置構成を示す部分断面図、
第4図は従来の真空バルブの一例を示す断面図である。 3a,3b……金属蓋体、5a……固定接点、5b……可動接
点、10……セラミックス容器、11……Ti塗布面、12……
銀ろう材料、13……金属蓋体用銀ろう材料、14……中間
材。
フロントページの続き (72)発明者 竹田 博光 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝総合研究所内 (72)発明者 大川 幹夫 東京都府中市東芝町1 株式会社東芝府 中工場内 (72)発明者 鈴木 秀夫 東京都府中市東芝町1 株式会社東芝府 中工場内 (72)発明者 本間 三孝 東京都府中市東芝町1 株式会社東芝府 中工場内 (72)発明者 山本 敦史 東京都府中市東芝町1 株式会社東芝府 中工場内 (56)参考文献 特開 昭62−281218(JP,A) 特開 平1−225026(JP,A) 特公 昭52−15792(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01H 33/66
Claims (2)
- 【請求項1】円筒状のセラミック容器の両端開口部を金
属蓋体で閉止して真空容器を形成し、この真空容器の内
部に接離自在とした一対の接点を配設すると共に、更に
必要に応じてこの接点からの蒸発金属が前記セラミック
容器の内面に付着するのを防止するアークシールドを具
備してなる真空バルブであって、下記の条件 (イ) 前記金属蓋体は、ステンレス鋼によって構成さ
れていること。 (ロ) 前記金属蓋体と前記セラミックス容器とを、Ti
又は/及びZrよりなる活性金属を介して接合した封着構
造を有していること、 を満足し、かつ、 前記セラミックス容器の接合面が下記の条件 (1) 0.05〜10μmの表面荒さの仕上面を有するこ
と。 (2) 0.1〜10mg/cm2−の量のTi又は/及びZrよりな
る活性金属層を有すること、 を満足することを特徴とする、真空バルブ。 - 【請求項2】前記接合体を接合するに際し、前記金属蓋
体に接するロウ材と前記活性金属層に接するロウ材とを
用い、かつ、これら、ロウ材間に、Fe又は/及びCrより
なる中間材を介挿した構成にすることを特徴とする、請
求項1の真空バルブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1046815A JP2755659B2 (ja) | 1989-02-28 | 1989-02-28 | 真空バルブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1046815A JP2755659B2 (ja) | 1989-02-28 | 1989-02-28 | 真空バルブ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02226624A JPH02226624A (ja) | 1990-09-10 |
JP2755659B2 true JP2755659B2 (ja) | 1998-05-20 |
Family
ID=12757832
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1046815A Expired - Fee Related JP2755659B2 (ja) | 1989-02-28 | 1989-02-28 | 真空バルブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2755659B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08249992A (ja) * | 1995-03-10 | 1996-09-27 | Toshiba Corp | 真空バルブの製造方法 |
KR100355119B1 (ko) * | 1999-07-12 | 2002-10-11 | 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 | 절연조작로드 및 그의 제조방법 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5215792A (en) * | 1975-07-28 | 1977-02-05 | Komatsu Seisakusho:Kk | Continous filling cylindrical bag-manufacturing apparatus |
JPS62281218A (ja) * | 1986-05-28 | 1987-12-07 | 田中貴金属工業株式会社 | 真空遮断器の封着方法 |
-
1989
- 1989-02-28 JP JP1046815A patent/JP2755659B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH02226624A (ja) | 1990-09-10 |
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---|---|---|---|
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