JPH1173859A - 真空バルブ - Google Patents

真空バルブ

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JPH1173859A
JPH1173859A JP23570097A JP23570097A JPH1173859A JP H1173859 A JPH1173859 A JP H1173859A JP 23570097 A JP23570097 A JP 23570097A JP 23570097 A JP23570097 A JP 23570097A JP H1173859 A JPH1173859 A JP H1173859A
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JP
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brazing material
container
oxide
radius
ceramic
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JP23570097A
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English (en)
Inventor
Isao Okutomi
功 奥富
Takashi Kusano
貴史 草野
Keisei Seki
経世 関
Atsushi Yamamoto
敦史 山本
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SHIBAFU ENG KK
Toshiba Corp
Original Assignee
SHIBAFU ENG KK
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックス容器の開口端面を最適化し、接
合強度と気密接合性と耐電圧特性とを両立させ、信頼
性、環境及び経済性の面にも配慮した真空バルブを提供
する。 【解決手段】 真空バルブのセラミックス容器を、この
容器を構成する全酸化物量に対してSi酸化物、又は
(Si+Mg)酸化物の量が2〜10%を占め、かつ、
開口端面領域内に存在する単位面積当たりのSi酸化
物、又は(Si+Mg)酸化物の量Aと、開口端面の外
周領域内に存在する単位面積当たりのSi酸化物、又は
(Si+Mg)酸化物の量Bとの比率(B/A)が、
0.8〜1.3倍であるものとする。この構成により、
セラミックス容器の開口端面を最適化することが出来
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空バルブに係わ
り、特にセラミックス製容器の開口端面を最適化し、接
合強度と真空気密性と耐電圧特性に優れた真空バルブに
関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスは、優れた耐熱性、絶縁
性、気密性を有する為、その特性を生かして、種々の電
気部品材料として用いられている。特に、真空バルブの
セラミックス製容器の場合、内部を真空に維持する為
に、厳密に気密性を保ちうるものでなければならない。
一般に真空バルブは、図5に示すように、円筒状に形成
されたセラミックス容器1と、このセラミックス容器1
の両端に銀ロウ2a、2bを介して設けた金属部材3
a、3bで真空気密にした真空容器を構成し、この真空
容器内に、固定導電軸4a、可動導電軸4bの対向する
端部に取付けられた一対の接点5a、5bが配設され、
接点5aを固定電極、接点5bを可動電極としている。
また、固定導電軸4a、可動導電軸4bの他方の端部
は、それぞれ固定端子6a、可動端子6bとしている。
【0003】更に、この可動接点5bの可動導電軸4b
には、ベローズ7が取付けられ、真空容器内を真空気密
にしながら、可動接点5bの軸方向の移動を可能にして
いる。このベローズ7の上部には、金属製のアークシー
ルド8が設けられ、ベローズ7がアーク、蒸気で覆われ
ることを防止している。また、9は必要により設けら
れ、接点5a、5bを覆うようにして真空容器内に設け
られた金属製のアークシールドで、セラミックス容器1
がアーク、蒸気で覆われることを防止している。さら
に、接点5a、5bは、それぞれ固定導電軸4a、可動
導電軸4bに直接ロウ付けされるか、または図に示すよ
うに電極10a、10bを介してロウ付けされる。
【0004】このような真空バルブの構成において、セ
ラミックス容器1と金属部材3a、3bとを銀ロウ2
a、2bを介して接合するに際して、一般には、セラミ
ックス容器1の端面に予めメタライズ層(例えばMo−
Mn)を付与させ、このメタライズ層を介して銀ロウ付
け接合を行っている。即ち、従来、セラミックスの接合
方法としては、まずセラミックスにメタライジングを施
した後、金属とロウ接合する方法が主流であった。
【0005】メタライジング方法としては、次に示す方
法が知られている。 (1):セラミックス母材表面に、MoまたはWを主成
分とする粉末を塗布し、還元雰囲気中で、例えば140
0〜1700℃に加熱して、セラミックス母材と反応さ
せメタライジングする方法(通常モリブデン・マンガン
法)。必要によりメタライズ層の上に、Ni等をめっき
処理する。
【0006】(2):セラミックス母材表面に、Auま
たはPtを配し、それらに圧力を加えながら加熱してメ
タライジングする方法。 (3):セラミックス母材上に、Ti、Zr等の活性金
属と、Ni、Cu等の遷移金属とを配し、それらの合金
の融点より高い温度で熱処理してメタライジングする方
法(特開昭56−163093号公報)。
【0007】上述のように一般的な真空バルブにおいて
は、金属部材3a、3bと共に真空容器を形成するセラ
ミックス容器1は、金属部材3a、3bと真空気密に接
合されることが不可欠であり、接合部分にメタライズ層
を付与し、かつそのメタライズ層の表面には、必要によ
り銀ロウ材との濡れ性をよくする為、Ni等のメッキ処
理及びそのNi等のメッキ層を加熱処理すること等が行
われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これらの各メタライジ
ング方法を使用して封着した真空バルブでは、接合強度
と気密接合性と耐電圧特性に著しいばらつきが見られた
り、経済性に問題が見られたりする。そのなかで前者の
ばらつきについては、セラミックス製容器の開口端面
(被接合面)の状態の差異に依存している。また、後者
の経済性については、接合部分にメタライズ層を付与す
る工程が問題となっている。
【0009】まず、上記(1)の方法(モリブデン・マ
ンガン法)では、メタライジング時に高温度での処理を
必要とするなど、煩雑な工程に問題がある。処理条件の
僅かな変動でも十分な接合強度が得難く、強度的にもば
らつきが発生する。特にばらつきの問題は、気密性の低
下に関わり、真空バルブの信頼性の長期保証(遮断性
能、耐圧性能)に重大な影響を及ぼす。
【0010】また、モリブデン・マンガン法に用いられ
るセラミックスには、SiO2 を数%含んだものが使用
される。SiO2 を主成分とするガラス層に、Mo−M
nメタライズ層中のMnOが接触し、ガラス層の中に溶
け込み、ガラス層は流動しやすくなり、焼結が進行して
いるメタライジング層の空隙部に侵入して、アルミナセ
ラミックスとメタライジング層を結合させる。以上のよ
うに、モリブデン・マンガン法では、接合に対してSi
2 が重要な役割を果たすので、通常上記のようにSi
2 を数%含んだセラミックスを使用する。なお、Si
2 は、Mo−Mn中に添加する方法もある。
【0011】一方、活性金属法では、必ずしもSiO2
を添加する必要はなく、アルミナセラミックスにSiO
2 を添加しすぎると、接合面に偏析したSiO2 が、脆
弱なガラス層を形成し接合強度が低下する為、真空バル
ブ用セラミックスとして、好ましくない。
【0012】また、上記(2)の方法では、高価な貴金
属を使用するため、接合部面積の大きい真空バルブで
は、経済性に問題がある上に、気密性を高める目的で高
い圧力を必要とし好ましくない。また、圧力を得る為の
加工部品がロウ付け炉中である空間を占めるので生産性
にも問題がある。
【0013】更に、上記(3)の方法では、活性金属
が、セラミックス母材上を濡らす為、特別な加圧を殆ど
必要とせず、かつ、活性金属の効果によりセラミックス
母材に対し強い密着力で、メタライジングすることがで
きる。しかし、金属蓋体(封着金属:42Ni−Fe
等)とセラミックス部材とが十分に重なり合った所で
は、銀ロウは良好な特性を示すが、金属蓋体とセラミッ
クス製容器の開口端面との間に、ごく僅かでも隙間があ
ったり、十分に重なり合っていない部分が存在すると、
良好にメタライジングされない場合があり、気密接合性
に問題がある。
【0014】以上のように、上記(1)(2)(3)の
いずれの場合においても、メタライジングを施した後、
セラミックス製容器と金属蓋体とをロウ接合するので、
工程が複雑となったり、接合強度、気密接合性のいずれ
か又は両者が問題となったりしている。このように上記
の技術では、メタライジングの工程と、セラミックス製
容器と金属蓋体とをロウ接合する工程とを、別々に行う
必要があり工程が複雑となる欠点がある。
【0015】そこで、予め上記のようなメタライジング
を施すことなく、金属をセラミックスにロウ付けする技
術が検討されるようになってきた。予めメタライジング
を施すことなく、金属とセラミックス部材とを接合する
方法として、次のような一段階接合法が提案されてい
る。即ち、活性金属としてTi又は/及びZrを含むA
gロウ材料を用いる(これを金属蓋体とセラミックス部
材との間に挿入して接合する)。あるいは、上記活性金
属の薄板と上記Agロウ材とを積層したAgロウ材料を
用いる(これを金属蓋体とセラミックス部材との間に挿
入して接合する)。
【0016】この一段階接合法は、メタライジングを必
要としないから、工程を簡略化することができる。しか
しながら、この一段階接合法の場合でも上記(3)で見
られたのと同様の現象即ちAgロウ材料が金属蓋体やセ
ラミックス部材、特にセラミックス部材と十分密着して
いないと、良好な接合強度と気密密着性が得られない場
合が見られる。十分な密着を得る為には、加圧力の不均
一性を是正する必要があり、強大な加圧を要するという
問題点がある。
【0017】この欠点を改良した技術として、特開昭6
3−49758号公報に記載された技術では、加圧力の
不均一性を是正する手段として、活性金属Ti又は/及
びZr粉末を使用し、これをセラミックス部材面に塗布
する技術を提案している。活性金属を粉末化したことに
よって、Ti又は/及びZrが均一にセラミックス部材
に分布し、かつ、密着している為、接合強度と気密密着
性とを兼備した接合状態を得ている。
【0018】しかし、重大な問題点として、ポリビニー
ルアルコール、エチルセルローズ等のバインダを塗布し
たセラミックス部材面に活性金属Ti又は/及びZr粉
末を塗布する際に、エタノール、テトラリン等の有機溶
剤によって前記活性金属粉末をペースト状とするので、
これらバインダや有機溶剤による環境下問題の軽減化対
策が課題となっている。
【0019】そこで、本発明の目的は、特にセラミック
ス容器の開口端面を最適化し、接合強度と気密接合性と
耐電圧特性とを両立させ、信頼性、環境及び経済性の面
にも配慮した真空バルブを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、外半径R、内
半径rの円筒状セラミックス容器と、この容器の内部を
真空気密にする為の金属蓋体と、接離可能の接点と、電
極と、ベローズとを備えた真空バルブにおいて、セラミ
ックス容器は、この容器を構成する全酸化物量に対して
Si酸化物、又は(Si+Mg)酸化物の量が2〜10
%を占め、かつ、セラミックス容器の開口端面領域内に
存在する単位面積当たりのSi酸化物、又は(Si+M
g)酸化物の量Aと、半径Rmmの容器外周と、半径R
mmの外周から容器の中心に向かって0.6mmだけ内
部に入った所に存在する半径(R−0.6)mmの同心
円とで囲まれた外周領域内に存在する単位面積当たりの
Si酸化物、又は(Si+Mg)酸化物の量Bとの比率
(B/A)が、0.8〜1.3倍であるものとしたこと
を特徴とする。
【0021】このような構成とすることにより、セラミ
ックス容器の開口端面を最適化することが可能となり、
接合強度と気密接合性と耐電圧特性とを両立させ、信頼
性、環境及び経済性の面にも配慮した真空バルブを提供
することができる。
【0022】また、本発明は、外半径R、内半径rの円
筒状セラミックス容器と、この容器の内部を真空気密に
する為の金属蓋体と、接離可能の接点と、電極と、ベロ
ーズとを備えた真空バルブにおいて、セラミックス容器
は、この容器を構成する全酸化物量に対してSi酸化
物、又は(Si+Mg)酸化物の量が2〜10%を占
め、かつ、セラミックス容器の開口端面領域内に存在す
る単位面積当たりのSi酸化物、又は(Si+Mg)酸
化物の量Aと、半径rmmの容器内周と、半径rmmの
内周から容器の外周に向かって0.6mmだけ行った所
に存在する半径(r+0.6)mmの同心円とで囲まれ
た内周領域内に存在する単位面積当たりのSi酸化物、
又は(Si+Mg)酸化物の量Bとの比率(B/A)
が、0.8〜1.3倍であることを特徴とする。
【0023】このような構成とすることによっても、セ
ラミックス容器の開口端面を最適化することが可能とな
り、接合強度と気密接合性と耐電圧特性とを両立させ、
信頼性、環境及び経済性の面にも配慮した真空バルブを
提供することができる。
【0024】ここで、セラミックス容器の少なくとも開
口端面は、平均表面粗さを0.1〜15μmに仕上げ加
工したものとすることができる。更に、セラミックス容
器の少なくとも開口端面は、セラミックス粒子の平均粒
径が1〜300μmであるものとすることもできる。
【0025】また、セラミックス容器の少なくとも開口
端面を、[(Ti)/(Ag+Cu+Ti)]値が0.
05〜4重量%のAgCuTiロウ材からなる第1のロ
ウ材によって接合することにより、前記セラミックス容
器内を気密封着することができる。
【0026】更にまた、セラミックス容器の少なくとも
開口端面を、所定の状態、例えば粉、箔(板)、線状態
のAg、Cu、Tiの各単体、またはこれらの少なくと
も2種の混合体若しくは合金状態にある構成体を、
[(Ti)/(Ag+Cu+Ti)]値が0.05〜4
重量%となるように組み合わせてなるAgCuTiロウ
材からなる第1のロウ材によって接合することにより、
セラミックス容器内を気密封着することもできる。
【0027】セラミックス容器の少なくとも開口端面と
金属蓋体との接合において、対向するセラミックス容器
開口端面と金属蓋体との間を、第1のロウ材、この第1
のロウ材中のTi成分と金属蓋体中の成分との反応を防
止する為の反応抑止体、及びTi成分を含有しない第2
のロウ材を使用して接合する場合は、セラミックス容器
より金属蓋体に向かって、[セラミックス容器開口端面
/第1のロウ材/反応抑止体/第2のロウ材/金属蓋
体]の如き順になるように配置し、反応抑止体を使用し
ない場合は[セラミックス容器開口端面/第1のロウ材
/第2のロウ材/前記金属蓋体]の如き順に、更に第2
のロウ材も使用しない場合は[セラミックス容器開口端
面/第1のロウ材/金属蓋体]の如き順になるように配
置して接合することにより、セラミックス容器内を気密
封着することもできる。
【0028】第1のロウ材、及び第2のロウ材の少なく
とも一方は、AgとCuとをほぼ共晶比率(Ag7:C
u3)とし、かつ融点を降下することのできるSn、I
n、Ge、Mnから選んだ融点降下元素を含有させたも
のとし、セラミックス容器内を低い作業温度によって気
密封着することもできる。また、第1のロウ材中のTi
の一部又は総てを、Zr、Ta、Nb、Hfの1つで置
換してもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を詳細に
説明する。本発明の実施形態に係る真空バルブは、外半
径R、内半径rの円筒状セラミックス容器と、この容器
の内部を真空気密にする為の金属蓋体と、接離可能の接
点と、電極と、ベローズとを備えたものとする。なお、
必要に応じて、アークシールドを備えていてもよい。
【0030】そして、対向するセラミックス容器の開口
端面と金属蓋体(封着金属:例えば42Ni−Fe等)
との間を、AgCuTiロウ材からなる第1のロウ材、
この第1のロウ材中のTi成分と金属蓋体中の成分との
反応を防止する為の反応抑止体、及びTi成分を含有し
ない第2のロウ材(標準ロウ材)を使用して接合する
が、セラミックス容器より金属蓋体に向かって、[セラ
ミックス容器開口端面/第1のロウ材/反応抑止体/第
2のロウ材/金属蓋体]の如き順になるように配置す
る。
【0031】なお、反応抑止体を使用しないで接合する
こともできるがこの場合は、[セラミックス容器開口端
面/第1のロウ材/第2のロウ材/金属蓋体]の如き順
になるように配置する。
【0032】更に前記第2のロウ材も使用しないしない
で接合することもできる。この場合は[セラミックス容
器開口端面/第1のロウ材/金属蓋体]の如き順になる
ように配置して接合する。
【0033】このようにして接合することにより、セラ
ミックス容器内を気密封着する。セラミックス容器の開
口端面は、1〜300μmの平均粒径を有するセラミッ
クス粒子で構成するとともに、平均表面粗さを0.1〜
15μmとする。
【0034】またセラミックス容器は、この容器を構成
する全酸化物量に対してSi酸化物、又は(Si+M
g)酸化物の量が2〜10%を占めるものとする。セラ
ミックス容器の開口端面領域(面積S0 )内に存在する
単位面積当たりのSi酸化物、又は(Si+Mg)酸化
物の量Aと、半径Rmmの容器外周と、半径Rmmの外
周から容器の中心に向かって0.6mmだけ内部に入っ
た所に存在する半径(R−0.6)mmの同心円とで囲
まれた外周領域(面積S1 )内に存在する単位面積当た
りのSi酸化物、又は(Si+Mg)酸化物の量Bとの
比率(B/A)が、0.8〜1.3倍であるものとす
る。
【0035】なお、セラミックス容器の開口端面領域
(面積S0 )内に存在する単位面積当たりのSi酸化
物、又は(Si+Mg)酸化物の量Aと、半径rmmの
容器内周と、半径rmmの内周から容器の外周に向かっ
て0.6mmだけ行った所に存在する半径(r+0.
6)mmの同心円とで囲まれた内周領域(面積S2 )内
に存在する単位面積当たりのSi酸化物、又は(Si+
Mg)酸化物の量Bとの比率(B/A)が、0.8〜
1.3倍であるものとしてもよい。
【0036】また、第1のロウ材は[(Ti)/(Ag
+Cu+Ti)]値が0.05〜4重量%であるものと
する。なお、第1のロウ材中のTiの一部又は総てを、
Zr、Ta、Nb、Hfの1つで置換してもよい。
【0037】この実施形態においては、セラミックス容
器の開口端面と金属蓋体(または反応抑止体)とを接合
するに際して、予め、Ti、Zr等若しくはこれらを含
む活性金属ロウ材である第1のロウ材をセラミックス容
器の開口端面と金属蓋体との間に配置している。
【0038】これは単なる配置であって、特にメタライ
ジング処理を行わない点(メタライズ層ではない点)
で、従来の金属/セラミックス接合技術とは異なってい
る。即ち、従来のMo−Mnメタライジングを、単に第
1のロウ材に置き換えただけではなく、その内容、作用
効果を異にする。
【0039】この実施形態に係る真空バルブの利点につ
いて説明する。真空バルブ用セラミックス容器は、大き
さ(外径、内径)がまちまちである上に、その高さも不
定の為、品質管理上、技術的問題が多い。例えば、外径
は20mm程度から200mm程度まで、厚さは5mm
以下の微小厚さからこれ以上の厚さの場合が存在し、そ
の上高さも30mmから1000mmまでのセラミック
ス容器に対して、その端面へのロウ付けが行われてい
る。このように多種形状のセラミックス容器端面(被接
合面)へMo−Mn、Ti粉等の活性金属の被着を行う
時、その作業性、メタライジング層の不均一性が課題と
なっている。
【0040】これらの課題に対して、この実施形態で
は、活性金属含有(Ag+Cu+Ti)の第1のロウ材
を、対向するセラミックス表面に冶金的に完全に付着さ
せるのではなく、被接合物間に介挿するだけなので、厚
さ、幅、外径、内径等を予め管理しやすいことから、ば
らつき、不均一性を回避し、良好な接合強度と気密性を
得るのに有益となる。
【0041】即ち、セラミックス開口端面のセラミック
ス粒子の平均粒径、所定領域内のSi酸化物、Mg酸化
物の量を所定条件とした上で、[(Ti)/(Ag+C
u+Ti)]値を0.05〜4重量%とした活性金属含
有(Ag+Cu+Ti)の第1のロウ材を、対向するセ
ラミックス開口端面と金属蓋体との間に、(必要により
反応抑止素材とともに)配置し接合するようにしたの
で、活性状態にある活性金属を均一に高度に分散させた
状態と同じ結果となり、良好な接合強度と気密性を持っ
た真空バルブとすることができる。
【0042】また、この実施形態において、セラミック
ス容器中のSi酸化物、又は(Si+Mg)酸化物の量
を、2〜10%セラミックス容器中の全Al酸化物量の
2〜10%とする理由は、2%以下ではセラミックスの
焼結性が低下する傾向にあり、10%以上ではSiO2
が破断起点となりセラミックス強度が低下する傾向にあ
る為である。
【0043】またこの実施形態において、セラミックス
容器の開口端面領域(面積S0 )内に存在する単位面積
当たりのSi酸化物、又は(Si+Mg)酸化物の量A
と、半径Rmmの容器外周と、半径Rmmの外周から容
器の中心に向かって0.6mmだけ内部に入った所に存
在する半径(R−0.6)mmの同心円とで囲まれた外
周領域(面積S1 )内に存在する単位面積当たりのSi
酸化物、又は(Si+Mg)酸化物の量Bとの比率(B
/A)、またはセラミックス容器の開口端面領域(面積
0 )内に存在する単位面積当たりの量Aと、半径rm
mの容器内周と、半径rmmの内周から容器の外周に向
かって0.6mmだけ行った所に存在する半径(r+
0.6)mmの同心円とで囲まれた内周領域(面積S
2 )内に存在する単位面積当たりのSi酸化物、又は
(Si+Mg)酸化物の量Bとの比率(B/A)を、
0.8〜1.3倍とする理由は、0.8倍以下では、セ
ラミックスの焼結の進行が遅れ空孔が出来易い。一方、
1.3倍以上では、SiO2 の偏析が観察され、その近
傍では極端な強度低下が見られるからである。
【0044】この実施形態において、セラミックス面の
平均表面粗さを0.1〜15μmとする理由は、0.1
μm以下では、ロウ付け後の気密性と接合強度等の効果
は十分であるが、効果に対して、品質を維持する投資や
管理する技術が不必要に高度となり、工業的でなくな
る。一方、15μm以上(金属部材では30μm以上)
では対向する被接合面とロウ材用素材との間の密着状態
が十分でないミクロ的領域が発生し、ロウ付け後ロウ材
が被接合面に流れていない部分が生ずる場合が発生す
る。その結果、良好な気密性を得るのに好ましくない為
である。
【0045】対向する金属部材側は、表面粗さがたとえ
15μm以上であっても、金属はロウ付け時の加熱によ
って軟化し、セラミックスとの接触状態が十分得られる
のに対して、セラミックスは、ロウ付け時の加熱では全
く軟化せず、接触状態は初期の表面粗さの影響を直接的
に受ける。従って、特にセラミックス面の平均表面粗さ
を0.1〜15μmとする必要がある。
【0046】この実施形態において、焼結に使用するセ
ラミックス粒子の平均粒径を1〜300μmとする理由
は、平均粒径が1μm以下では、成型した後の型抜き作
業で被成型体に亀裂が入り易い。一方、300μm以上
では、焼結後の粒子間に空孔が生じ易くセラミックス容
器の強度の低下が見られるからである。
【0047】この実施形態において、ロウ材中の[(T
i)/(Ag+Cu+Ti)]値を0.05〜4重量%
とする理由は、0.05%以下では、活性金属の存在状
態が粗な分布となり好ましくないのみならず、セラミッ
クス面の酸化物(主として酸化アルミニュウム)の還元
に対してTiの絶対量が不足し、還元が行われない酸化
アルミニュウム領域が存在することになり、その部分で
のロウ材の濡れが十分でなく、ロウ付け後の気密性が劣
り、接合強度が劣る。一方、4%以上では、ロウ付け後
の接合強度は十分の値を得るが、Tiの過度の偏析部分
を生ずる場合が発生し、応力集中の原因などの為気密性
にばらつきが見られるからである。
【0048】以上のように、被接合面の表面粗さ値とロ
ウ材中の[(Ti)/(Ag+Cu+Ti)]値とを両
立させる必要がある。その理由は、気密性と接合強度と
の両特性のばらつきを特に少なくするのに重要となるか
らである。
【0049】被接合面へのロウ材の付着強度は、接合特
性としての安定性に影響を与える為、ロウ付け接合後の
接合強さ、気密性に重要である。この付着強度に及ぼす
原因の1つとして、被接合面の清浄度が挙げられる。し
かし、一般にセラミックス表面を完全に清浄化すること
は困難である上に、通常セラミックスは、金属との濡れ
性が著しく劣る。一方、被付着面として、この実施形態
における前記所定の表面粗さを有するロウ材では、良い
濡れ性を示すことから、前記セラミックスに対するより
高い付着強度を持つので、安定した接合結果が得られ
る。
【0050】次に実際に試作し評価した実施例及び比較
例について説明する。図1及び図2に、試作した実施例
及び比較例の試作の条件を、また図3及び図4にこれら
を評価した評価結果を示す。
【0051】図1及び図2において、比率B/Aは、セ
ラミックス容器の開口端面領域(面積S0 )内に存在す
る単位面積当たりのSi酸化物、又は(Si+Mg)酸
化物の量Aと、半径Rmmの容器外周と、半径Rmmの
外周から容器の中心に向かって0.6mmだけ内部に入
った所に存在する半径(R−0.6)mmの同心円とで
囲まれた外周領域(面積S1 )内に存在する単位面積当
たりのSi酸化物、又は(Si+Mg)酸化物の量Bと
の比率(B/A)、またはセラミックス容器の開口端面
領域(面積S0 )内に存在する単位面積当たりの量A
と、半径rmmの容器内周と、半径rmmの内周から容
器の外周に向かって0.6mmだけ行った所に存在する
半径(r+0.6)mmの同心円とで囲まれた内周領域
(面積S2)内に存在する単位面積当たりのSi酸化
物、又は(Si+Mg)酸化物の量Bとの比率(B/
A)である。
【0052】次に、これらの実施例及び比較例を評価す
る評価条件について説明する。気密封着接合直後、及び
所定期間経過後、Heリークディテクターを使用して気
密性の評価を実施した。リーク量が1×10-10 (To
rr.L/sec)以下を「合格」とした。なお、図3
及び図4において、小リークは、リーク量が1×10
-10 〜1×10-6(Torr.L/Sec)の場合を、
また、大リークは、1×10-6(Torr.L/Se
c)〜大気圧の場合を示している。
【0053】又、気密性評価後のセラミックス製絶縁容
器を、インストロン式万能試験機で金属/セラミックス
接合部分の引き外し力を測定した。上記セラミックス製
絶縁容器(外径:6.7cm、内径:5.6cm)を使
用したときの引き外し力が450kg以上を「合格」の
目安とし、700kg以上を「極めて良好」とした。必
要により、接合部の顕微鏡的観察を実施した。
【0054】更に、耐電圧性能評価は、前記気密封着接
合直後、及び所定期間放置後のセラミックス製絶縁容器
の両端に、0〜120KVのインパルス電圧を10回印
加した時の耐電圧特性を測定し、絶縁破壊を示した時の
電圧値、絶縁破壊回数を示した。絶縁破壊電圧値が95
KVで絶縁破壊回数がゼロの場合を「合格」とした。
【0055】また、遮断性能の評価は、接点直径42m
mを搭載した真空バルブを用いて、7.2KV、12K
Aを1000回遮断した時の再点弧発生率が0.1%以
下を「合格」の目安とした。以下、図1乃至図4を参照
して各実施例及び比較例の評価結果につき説明する。
【0056】(実施例1〜3、比較例1〜2)まず、セ
ラミックス容器開口端面領域(面積S0 )内に存在する
単位面積当たりのSi酸化物、又は(Si+Mg)酸化
物の量Aと、半径Rmmの容器外周と、外直径6.7c
mの外周から容器の中心に向かって0.6mmだけ内部
に入った所に存在する同心円[半径(R−0,6)m
m]とで囲まれた外周領域(S1)内に存在する単位面
積当たりのSi酸化物、又は(Si+Mg)酸化物の量
Bとの比率(B/A)が、0.95倍の開口面積を持つ
セラミックス容器を用意した。
【0057】セラミックス容器(主成分:Al23
の開口端面を構成するセラミックス粒子の粒子直径を1
00μm、開口端面の表面粗さを約8μmに研磨した外
直径6.7cm、内直径5、6cm、高さ10cmのセ
ラミックスの両端を、板厚さ2mmの金属製蓋体(42
%Ni−Fe合金製の封着金属)で封着し、ロウ材1と
して[(Ti)/(Ag+Cu+Ti)]値を0.5重
量%(以下総て重量%)としたロウ材を準備した。本実
施例では、前記セラミックス開口端面/ロウ材1/反応
抑止体/標準ロウ材(ロウ材2)/前記金属製蓋体の如
き順序となるように配置し、セラミックス開口端面と金
属製蓋体との気密封着性に及ぼすセラミックス中に占め
るSi酸化物、又は(Si+Mg)酸化物(以下Si酸
化物で代表)の量の効果を調べた。
【0058】Si酸化物の量を0.5〜1.5%とした
時には、所定条件での接合強度は十分満足した値を示し
たが、気密接合性の評価において、試作した5本の真空
バルブのうち2本の真空バルブが「合格」となったが、
他の2本に小リークの発生が見られているとともに、真
空リークの為、遮断テスト不能2本、そして残りの1本
では14%の再点弧発生率が認められ、真空バルブとし
ては好ましくなかった(比較例1)。
【0059】一方、Si酸化物の量を2〜10%とした
時には、気密接合性の評価において、試作した5本の総
ての真空バルブが10-10 (Torr.L/sec)以
下のリーク量を示し、「合格」となった。7.2KV、
12KA遮断中の再点弧発生率も0.1%以下で、0〜
120KVのインパルス電圧印加試験においても95K
V以下での絶縁破壊も見られず耐電圧性能も「合格」の
範囲にあり良好であった(実施例1〜3)。
【0060】しかし、Si酸化物の量を17%とした時
には、接合強度が300〜1000kgを示し、不満足
であるのみならず、製造した5本の真空バルブの総てに
真空リークが発生し、遮断テスト及び耐電圧性能評価を
中止した(比較例2)。
【0061】(実施例4〜6、比較例3〜4)容器の開
口端面領域(面積S0 )内に存在する単位面積当たりの
Si酸化物、又は(Si+Mg)酸化物の量をA、半径
Rmmの容器外周と、外周から容器の中心に向かって、
0.6mmだけ内部に入った所に存在する同心円[半径
(R−0.6)mm]とで囲まれた外周領域(S1 )内
に存在する単位面積当たりのSi酸化物、又は(Si+
Mg)酸化物の量Bとの比率(B/A)値の影響を検討
した。
【0062】(B/A)値を0.5とした時には、接合
強度が400〜880kgを示し、一部不満足であるの
みならず、気密接合性の評価において、試作した5本の
真空バルブのうち1本の真空バルブに大リーク、2本に
小リークの発生が見られているとともに、遮断テストで
は不能が3本、そして不合格が1本(21%の再点弧発
生率)となった。耐電圧性能評価では、4本が評価中
止、残りの1本では、0〜120KVのインパルス電圧
印加試験においても95KV以下での絶縁破壊が10回
の開閉中4回も発生するなど真空バルブとしては好まし
くなかった(比較例3)。
【0063】一方、(B/A)値を0.8〜1.3とし
た時には、気密接合性の評価において、試作した5本の
総ての真空バルブが10-10 (Torr.L/sec)
以下のリーク量を示し、「合格」となった。7.2K
V、12KA遮断中の再点弧発生率も0.1%以下で、
0〜120KVのインパルス電圧印加試験においても9
5KV以下での絶縁破壊も見られず耐電圧性能も「合
格」の範囲にあり良好であった(実施例4〜6)。
【0064】しかし、(B/A)値を1.8とした時に
は、接合強度が180〜650kgを示し、一部に不満
足なものがあるのみならず、気密接合性の評価におい
て、製造した5本の真空バルブうち2本に大リーク、3
本に小リークが発生し、遮断性能は評価中止、耐電圧性
能も評価不能となった(比較例4)。
【0065】(実施例7〜9、比較例5〜6)セラミッ
クス容器端面の表面粗さの影響を検討した。表面粗さを
0.02μmとした時には、接合強度は界面の接触面積
の減少による若干のマイナス効果と亀裂起点生成の抑制
と成長の抑制による若干のプラス効果とによって、試作
した5本のいずれもが接合強度、気密接合性、遮断特
性、耐電圧特性いずれにおいても、真空バルブとして好
ましい範囲にあった。しかし、表面粗さを0.02μm
とすることは、経済性の面で工業的価値が低い為、本発
明の実施範囲対象外とする(比較例5)。
【0066】一方、表面粗さを0.1〜15μmとした
時には、気密接合性の評価において、試作した5本の総
ての真空バルブが10-10 (Torr.L/sec)以
下のリーク量を示し、「合格」となった。7.2KV、
12KA遮断中の再点弧発生率も0.1%以下で、0〜
120KVのインパルス電圧印加試験においても95K
V以下での絶縁破壊も見られず耐電圧性能も「合格」の
範囲にあり良好であった(実施例7〜9)。
【0067】しかし、表面粗さを30〜40μmとした
時には、接合強度が750〜1200kgを示し、「合
格」の範囲となったが、気密接合性の評価において、製
造した5本の真空バルブのうちの2本に真空リークが発
生した。遮断テストでは、テスト不能が2本、そして不
合格が1本(37%の再点弧発生率)を示し、真空バル
ブとしては好ましくなかった。又、耐電圧性能評価では
2本が評価中止、残りの3本では、0〜120KVのイ
ンパルス電圧印加試験においても95KV以下での絶縁
破壊が、30回(10回×3本)の印加中11回(3本
の累計)も発生するなど真空バルブとしては好ましくな
かった(比較例6)。
【0068】(実施例10〜11、比較例7)セラミッ
クス容器端面を構成するセラミックス粒子の粒径の影響
を検討した。セラミックス粒子の粒径を0.1μmとし
た時には、接合強度が95〜740kgを示し、不満足
であるのみならず、気密接合性の評価において、試作し
た5本の真空バルブのうち3本の真空バルブに大リー
ク、1本に小リークの発生が見られているとともに、遮
断テストでは不能が3本、そして不合格が2本(25〜
41%の再点弧発生率)を示し、真空バルブとしては好
ましくなかった(比較例7)。
【0069】一方、セラミックス粒子の粒径を1〜10
0μmとした時には、接合強度が1000〜1200k
gを示し、「合格」の範囲となった。気密接合性の評価
においても、試作した5本の総ての真空バルブが10
-10 (Torr.L/sec)以下のリーク量を示し、
「合格」となった。7.2KV、12KA遮断中の再点
弧発生率も0.1%以下で、0〜120KVのインパル
ス電圧印加試験においても95KV以下での絶縁破壊も
見られず耐電圧性能も「合格」の範囲にあり良好であっ
た(実施例10〜11)。
【0070】(実施例12〜15、比較例8〜10)セ
ラミックス開口端面/ロウ材1/反応抑止体/標準ロウ
材(ロウ材2)/前記金属製蓋体の如き順序となるよう
に配置し、セラミックス開口端面と金属製蓋体との気密
封着性に及ぼすロウ材1中のTi量、即ち[(Ti)/
(Ag+Cu+Ti)]値の効果を調べた。なお、標準
ロウ材(ロウ材2)は、72%Ag−Cuを使用した。
【0071】[(Ti)/(Ag+Cu+Ti)]値を
ゼロ、0.01%とした時には、全く接合されず接合強
度はゼロを示したのみならず、気密接合性の評価におい
ても、試作した5本の真空バルブの全てに大リークの発
生が見られており、遮断テスト、耐電圧性能評価共に中
止とした(比較例8〜9)。
【0072】一方、[(Ti)/(Ag+Cu+T
i)]値を0.1〜4%とした時には、気密接合性の評
価において、試作した5本の総ての真空バルブが10
-10 (Torr.L/sec)以下のリーク量を示し、
「合格」となった。7.2KV、12KA遮断中の再点
弧発生率も0.1%以下で、0〜120KVのインパル
ス電圧印加試験においても95KV以下での絶縁破壊も
見られず耐電圧性能も「合格」の範囲にあり良好であっ
た(実施例12〜15)。
【0073】しかし、[(Ti)/(Ag+Cu+T
i)]値を8%とした時には、接合強度は1000〜1
200kgを示し、「合格」の範囲となったが、気密接
合性の評価において、製造した5本の真空バルブのうち
の3本に大リーク、残りの2本に小リークが発生した。
その為遮断テスト、耐電圧性能評価が不能となり真空バ
ルブとしては好ましくなかった(比較例10)。
【0074】(変形例)前記実施例1〜15では、ロウ
材1として、(Ag+Cu+Ti)ロウ材を使用した
が、本発明の技術はこれに限ることなくその効果を発揮
する。即ち、前記AgCuTiロウ材中のTiの一部又
は総てを同量のZr、Ta、Nb、Hfの1つで置換し
たロウ材によって、前記セラミックス容器内を気密封着
しても同等の効果を得る。例えば、ロウ材1として、
(Ag+Cu+0.9%Zr)ロウ材を使用して同様の
接合実験を行ったところ、気密接合性の評価において、
試作した5本の総ての真空バルブが10-10 (Tor
r.L/sec)以下のリーク量を示し、「合格」とな
った。7.2KV、12KA遮断中の再点弧発生率も
0.1%以下で、0〜120KVのインパルス電圧印加
試験においても95KV以下での絶縁破壊も見られず耐
電圧性能も「合格」の範囲にあり良好であった。
【0075】又、実施例1〜15では、ロウ材1中のT
i以外の成分としては、AgとCuとで構成したが、本
発明の技術はこれに限ることなくその効果を発揮する。
即ち、前記AgとCuとTi以外として、融点を降下す
ることのできるSn、In、Ge、Mnから選んだ融点
降下元素を含有させ、前記セラミックス容器内を気密封
着しても同等の効果を得る。例えば、ロウ材1として、
(Ag+Cu+1%Ti+6.9%In)ロウ材を使用
して同様の接合実験を行ったところ、気密接合性の評価
において、試作した5本の総ての真空バルブが10-10
(Torr.L/sec)以下のリーク量を示し、「合
格」となった。7.2KV、12KA遮断中の再点弧発
生率も0.1%以下で、0〜120KVのインパルス電
圧印加試験においても95KV以下での絶縁破壊も見ら
れず耐電圧性能も「合格」の範囲にあり良好であった。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特にセラミックス容器の開口端面を最適化することが可
能となり、接合強度と気密接合性と耐電圧特性とを両立
させ、信頼性、環境及び経済性の面にも配慮した真空バ
ルブを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る真空バルブの実施例1〜9及び
比較例1〜6の試作の条件を示す表図。
【図2】 本発明に係る真空バルブの実施例10〜15
及び比較例7〜10の試作の条件を示す表図。
【図3】 本発明に係る真空バルブの実施例1〜9及び
比較例1〜6の評価結果を示す表図。
【図4】 本発明に係る真空バルブの実施例10〜15
及び比較例7〜10の評価結果を示す表図。
【図5】 一般的な真空バルブの一例を示す断面図。
【符号の説明】
l…セラミックス容器 2a、2b…銀ロウ 3a、3b…金属部材 4a…固定導電軸 4b…可動導電軸 5a…固定接点 5b…可動接点 6a…固定端子 6b…可動端子 7…ベローズ 8、9…アークシールド 10a、10b…電極
フロントページの続き (72)発明者 関 経世 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 山本 敦史 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外半径R、内半径rの円筒状セラミックス
    容器と、この容器の内部を真空気密にする為の金属蓋体
    と、接離可能の接点と、電極と、ベローズとを備えた真
    空バルブにおいて、 前記セラミックス容器は、この容器を構成する全酸化物
    量に対してSi酸化物、又は(Si+Mg)酸化物の量
    が2〜10%を占め、かつ、 前記セラミックス容器の開口端面領域内に存在する単位
    面積当たりのSi酸化物、又は(Si+Mg)酸化物の
    量Aと、半径Rmmの容器外周と、半径Rmmの外周か
    ら容器の中心に向かって0.6mmだけ内部に入った所
    に存在する半径(R−0.6)mmの同心円とで囲まれ
    た外周領域内に存在する単位面積当たりのSi酸化物、
    又は(Si+Mg)酸化物の量Bとの比率(B/A)
    が、0.8〜1.3倍であるものとしたことを特徴とす
    る真空バルブ。
  2. 【請求項2】外半径R、内半径rの円筒状セラミックス
    容器と、この容器の内部を真空気密にする為の金属蓋体
    と、接離可能の接点と、電極と、ベローズとを備えた真
    空バルブにおいて、 前記セラミックス容器は、この容器を構成する全酸化物
    量に対してSi酸化物、又は(Si+Mg)酸化物の量
    が2〜10%を占め、かつ、 前記セラミックス容器の開口端面領域内に存在する単位
    面積当たりのSi酸化物、又は(Si+Mg)酸化物の
    量Aと、半径rmmの容器内周と、半径rmmの内周か
    ら容器の外周に向かって0.6mmだけ行った所に存在
    する半径(r+0.6)mmの同心円とで囲まれた内周
    領域内に存在する単位面積当たりのSi酸化物、又は
    (Si+Mg)酸化物の量Bとの比率(B/A)が、
    0.8〜1.3倍であることを特徴とする真空バルブ。
  3. 【請求項3】前記セラミックス容器の少なくとも開口端
    面は、平均表面粗さを0.1〜15μmとしたものであ
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の真空
    バルブ。
  4. 【請求項4】前記セラミックス容器の少なくとも開口端
    面は、セラミックス粒子の平均粒径が1〜300μmで
    あることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか
    に記載の真空バルブ。
  5. 【請求項5】前記セラミックス容器の少なくとも開口端
    面を、[(Ti)/(Ag+Cu+Ti)]値が0.0
    5〜4重量%のAgCuTiロウ材からなる第1のロウ
    材によって接合することにより、前記セラミックス容器
    内を気密封着したことを特徴とする請求項1乃至請求項
    4のいずれかに記載の真空バルブ。
  6. 【請求項6】前記セラミックス容器の少なくとも開口端
    面を、所定の状態のAg、Cu、Tiの各単体、または
    これらの少なくとも2種の混合体若しくは合金状態にあ
    る構成体を、[(Ti)/(Ag+Cu+Ti)]値が
    0.05〜4重量%となるように組み合わせてなるAg
    CuTiロウ材からなる第1のロウ材によって接合する
    ことにより、前記セラミックス容器内を気密封着したこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    の真空バルブ。
  7. 【請求項7】前記セラミックス容器の少なくとも開口端
    面と前記金属蓋体との接合において、対向する前記セラ
    ミックス容器の開口端面と前記金属蓋体との間を、前記
    第1のロウ材、この第1のロウ材中のTi成分と金属蓋
    体中の成分との反応を防止する為の反応抑止体、及びT
    i成分を含有しない第2のロウ材を使用して接合する場
    合は、セラミックス容器より金属蓋体に向かって、[前
    記セラミックス容器開口端面/前記第1のロウ材/前記
    反応抑止体/前記第2のロウ材/前記金属蓋体]の如き
    順になるように配置し、前記反応抑止体を使用しない場
    合は[前記セラミックス容器開口端面/前記第1のロウ
    材/前記第2のロウ材/前記金属蓋体]の如き順に、更
    に前記第2のロウ材も使用しない場合は[前記セラミッ
    クス容器開口端面/前記第1のロウ材/前記金属蓋体]
    の如き順になるように配置して接合することにより、前
    記セラミックス容器内を気密封着したことを特徴とする
    請求項5又は請求項6に記載の真空バルブ。
  8. 【請求項8】前記第1のロウ材、及び前記第2のロウ材
    の少なくとも一方は、AgとCuとをほぼ共晶比率と
    し、かつ融点を降下することのできるSn、In、G
    e、Mnから選んだ融点降下元素を含有させたものとし
    たことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに
    記載の真空バルブ。
  9. 【請求項9】外半径R、内半径rの円筒状セラミックス
    容器と、この容器の内部を真空気密にする為の金属蓋体
    と、接離可能の接点と、電極と、ベローズとを備えた真
    空バルブであって、 対向する前記セラミックス容器の開口端面と前記金属蓋
    体との間を、AgCuTiロウ材からなる第1のロウ
    材、この第1のロウ材中のTi成分と金属蓋体中の成分
    との反応を防止する為の反応抑止体、及びTi成分を含
    有しない第2のロウ材を使用して接合する場合は、セラ
    ミックス容器より金属蓋体に向かって、[前記セラミッ
    クス容器開口端面/前記第1のロウ材/前記反応抑止体
    /前記第2のロウ材/前記金属蓋体]の如き順になるよ
    うに配置し、前記反応抑止体を使用しない場合は[前記
    セラミックス容器開口端面/前記第1のロウ材/前記第
    2のロウ材/前記金属蓋体]の如き順に、更に前記第2
    のロウ材も使用しない場合は[前記セラミックス容器開
    口端面/前記第1のロウ材/前記金属蓋体]の如き順に
    なるように配置して接合することにより、前記セラミッ
    クス容器内を気密封着した真空バルブにおいて、 前記セラミックス容器の少なくとも開口端面は、1〜3
    00μmの平均粒径を有するセラミックス粒子で構成す
    るとともに、平均表面粗さを0.1〜15μmとし、 前記セラミックス容器は、この容器を構成する全酸化物
    量に対してSi酸化物、又は(Si+Mg)酸化物の量
    が2〜10%を占め、かつ、 前記セラミックス容器の開口端面領域内に存在する単位
    面積当たりのSi酸化物、又は(Si+Mg)酸化物の
    量Aと、半径Rmmの容器外周と、半径Rmmの外周か
    ら容器の中心に向かって0.6mmだけ内部に入った所
    に存在する半径(R−0.6)mmの同心円とで囲まれ
    た外周領域内に存在する単位面積当たりのSi酸化物、
    又は(Si+Mg)酸化物の量Bとの比率(B/A)
    が、0.8〜1.3倍であるものとするとともに、 前記第1のロウ材は[(Ti)/(Ag+Cu+T
    i)]値が0.05〜4重量%であるものとしたことを
    特徴とする真空バルブ。
  10. 【請求項10】外半径R、内半径rの円筒状セラミック
    ス容器と、この容器の内部を真空気密にする為の金属蓋
    体と、接離可能の接点と、電極と、ベローズとを備えた
    真空バルブであって、 対向する前記セラミックス容器の開口端面と前記金属蓋
    体との間を、AgCuTiロウ材からなる第1のロウ
    材、この第1のロウ材中のTi成分と金属蓋体中の成分
    との反応を防止する為の反応抑止体、及びTi成分を含
    有しない第2のロウ材を使用して接合する場合は、セラ
    ミックス容器より金属蓋体に向かって、[前記セラミッ
    クス容器開口端面/前記第1のロウ材/前記反応抑止体
    /前記第2のロウ材/前記金属蓋体]の如き順になるよ
    うに配置し、前記反応抑止体を使用しない場合は[前記
    セラミックス容器開口端面/前記第1のロウ材/前記第
    2のロウ材/前記金属蓋体]の如き順に、更に前記第2
    のロウ材も使用しない場合は[前記セラミックス容器開
    口端面/前記第1のロウ材/前記金属蓋体]の如き順に
    なるように配置して接合することにより、前記セラミッ
    クス容器内を気密封着した真空バルブにおいて、 前記セラミックス容器の少なくとも開口端面は、1〜3
    00μmの平均粒径を有するセラミックス粒子で構成す
    るとともに、平均表面粗さを0.1〜15μmとし、 前記セラミックス容器は、この容器を構成する全酸化物
    量に対してSi酸化物、又は(Si+Mg)酸化物の量
    が2〜10%を占め、かつ、 前記セラミックス容器の開口端面領域内に存在する単位
    面積当たりのSi酸化物、又は(Si+Mg)酸化物の
    量Aと、半径rmmの容器内周と、半径rmmの内周か
    ら容器の外周に向かって0.6mmだけ行った所に存在
    する半径(R+0.6)mmの同心円とで囲まれた内周
    領域内に存在する単位面積当たりのSi酸化物、又は
    (Si+Mg)酸化物の量Bとの比率(B/A)が、
    0.8〜1.3倍であるものとするとともに、 前記第1のロウ材は[(Ti)/(Ag+Cu+T
    i)]値が0.05〜4重量%であるものとしたことを
    特徴とする真空バルブ。
  11. 【請求項11】前記第1のロウ材中のTiの一部又は総
    てを、Zr、Ta、Nb、Hfの1つで置換したことを
    特徴とする請求項5乃至請求項10のいずれかに記載の
    真空バルブ。
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JP2007157666A (ja) * 2005-12-09 2007-06-21 Hitachi Ltd 真空容器とその真空容器を用いた電力流通用開閉装置

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