JPH06251736A - 窓にベリリウム箔を用いた真空容器及びその製造方法 - Google Patents
窓にベリリウム箔を用いた真空容器及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH06251736A JPH06251736A JP3180193A JP3180193A JPH06251736A JP H06251736 A JPH06251736 A JP H06251736A JP 3180193 A JP3180193 A JP 3180193A JP 3180193 A JP3180193 A JP 3180193A JP H06251736 A JPH06251736 A JP H06251736A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- beryllium foil
- thickness
- beryllium
- foil
- window
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Measurement Of Radiation (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】この発明は、亀裂や破壊の発生を未然に防止し
て窓の気密性を著しく向上した窓にベリリウム箔を用い
た真空容器及びその製造方法を提供することを目的とす
る。 【構成】この発明の窓にベリリウム箔を用いた真空容器
及びその製造方法は、開口部1aに厚さが10乃至10
0μmの範囲のベリリウム箔からなる窓2が拡散接合さ
れてなり、更にベリリウム箔の平均線膨脹係数に対し拡
散接合部の金属の平均線膨脹係数の比が、温度20乃至
800℃の範囲で0.80乃至1.10の範囲に設定さ
れ、且つ拡散接合部のベリリウム箔の厚さが、非拡散接
合部のベリリウム箔の厚さに対して、(1) 50μm未満
のベリリウム箔を使用した場合は70%以上、(2) 50
μm以上のベリリウム箔を使用した場合は60%以上、
に設定され、上記の目的を達成することが出来る。
て窓の気密性を著しく向上した窓にベリリウム箔を用い
た真空容器及びその製造方法を提供することを目的とす
る。 【構成】この発明の窓にベリリウム箔を用いた真空容器
及びその製造方法は、開口部1aに厚さが10乃至10
0μmの範囲のベリリウム箔からなる窓2が拡散接合さ
れてなり、更にベリリウム箔の平均線膨脹係数に対し拡
散接合部の金属の平均線膨脹係数の比が、温度20乃至
800℃の範囲で0.80乃至1.10の範囲に設定さ
れ、且つ拡散接合部のベリリウム箔の厚さが、非拡散接
合部のベリリウム箔の厚さに対して、(1) 50μm未満
のベリリウム箔を使用した場合は70%以上、(2) 50
μm以上のベリリウム箔を使用した場合は60%以上、
に設定され、上記の目的を達成することが出来る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばX線管,X線
蛍光増倍管,X線比例計数管,X線リソグラフィ,X線
検出管等に使用して好適な窓にベリリウム箔を用いた真
空容器及びその製造方法に関する。
蛍光増倍管,X線比例計数管,X線リソグラフィ,X線
検出管等に使用して好適な窓にベリリウム箔を用いた真
空容器及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にX線管,X線蛍光増倍管,X線比
例計数管,X線リソグラフィ,X線検出管等において
は、図3および図4に示すように真空容器11の開口部11
aに、ベリリウム箔からなる窓12が保護リング13を介し
て気密接合され、入力窓あるいは出力窓として利用され
ている。尚、図中の14,15 はろう材である。この場合、
製造時の排気工程においては、350乃至500℃の温
度雰囲気に晒されるために、ベリリウム箔と異種金属と
の接合はろう接あるいは拡散接合法により高温に上げて
接合している。
例計数管,X線リソグラフィ,X線検出管等において
は、図3および図4に示すように真空容器11の開口部11
aに、ベリリウム箔からなる窓12が保護リング13を介し
て気密接合され、入力窓あるいは出力窓として利用され
ている。尚、図中の14,15 はろう材である。この場合、
製造時の排気工程においては、350乃至500℃の温
度雰囲気に晒されるために、ベリリウム箔と異種金属と
の接合はろう接あるいは拡散接合法により高温に上げて
接合している。
【0003】ところで従来は、ベリリウム箔と接合する
真空容器11の開口部11aの金属は、電子管用として使用
することから、蒸気圧が低く、又、他の金属との組合わ
せ等を考慮して、溶接性を主体にして選定していた。し
かし、これらの金属の中にはベリリウム箔の線膨脹係数
と差があるものもあったが、ベリリウム箔が厚い場合に
はベリリウム箔の強度が高いために、亀裂,破壊に至ら
ず使用されていた。
真空容器11の開口部11aの金属は、電子管用として使用
することから、蒸気圧が低く、又、他の金属との組合わ
せ等を考慮して、溶接性を主体にして選定していた。し
かし、これらの金属の中にはベリリウム箔の線膨脹係数
と差があるものもあったが、ベリリウム箔が厚い場合に
はベリリウム箔の強度が高いために、亀裂,破壊に至ら
ず使用されていた。
【0004】ところが、ベリリウム箔の厚さが100μ
m未満になると、接合後の冷却時に膨脹差によりベリリ
ウム箔に応力が加わり、亀裂(クラック),破壊が生じ
る。更に、ろう接による場合には一般に銀ろうが使われ
るが、銀ろう中の銅とベリリウム箔が反応して合金を作
り、結果的には接合部のベリリウム箔の厚さが薄くな
り、図5に示すように強度が低下し亀裂16あるいは破壊
が生じていた。
m未満になると、接合後の冷却時に膨脹差によりベリリ
ウム箔に応力が加わり、亀裂(クラック),破壊が生じ
る。更に、ろう接による場合には一般に銀ろうが使われ
るが、銀ろう中の銅とベリリウム箔が反応して合金を作
り、結果的には接合部のベリリウム箔の厚さが薄くな
り、図5に示すように強度が低下し亀裂16あるいは破壊
が生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ベリリウム箔が極薄化
し、特に100μm以下になると、接合部のベリリウム
箔の厚さ減少率をいかに少なくするかが、気密性の良好
な窓を得る重要な要素である。しかしながら、ベリリウ
ム箔と接合する金属は一般に電子管用材料として使用さ
れているニッケル,鉄合金(例えば商品名のコバ−ル)
が主体であり、これらはベリリウム箔が100μmを越
える厚さの場合は、ろう接あるいは拡散接合をしても十
分に気密性良好な窓が得られていた。
し、特に100μm以下になると、接合部のベリリウム
箔の厚さ減少率をいかに少なくするかが、気密性の良好
な窓を得る重要な要素である。しかしながら、ベリリウ
ム箔と接合する金属は一般に電子管用材料として使用さ
れているニッケル,鉄合金(例えば商品名のコバ−ル)
が主体であり、これらはベリリウム箔が100μmを越
える厚さの場合は、ろう接あるいは拡散接合をしても十
分に気密性良好な窓が得られていた。
【0006】ところが、既述のように、ベリリウム箔の
厚さが100μm以下になると、ベリリウム箔の強度が
低下し、接合部のベリリウム箔の厚さ減少量が同一であ
っても、更に強度が低下する。ニッケル,鉄合金はベリ
リウム箔に比べ線膨脹係数が小さく、接合後の冷却過程
でベリリウム箔は線膨脹係数差により引っ張り応力を受
け、窓12に亀裂16が入り気密性を損なってしまう。この
現象は、特にろう接の場合に多い。
厚さが100μm以下になると、ベリリウム箔の強度が
低下し、接合部のベリリウム箔の厚さ減少量が同一であ
っても、更に強度が低下する。ニッケル,鉄合金はベリ
リウム箔に比べ線膨脹係数が小さく、接合後の冷却過程
でベリリウム箔は線膨脹係数差により引っ張り応力を受
け、窓12に亀裂16が入り気密性を損なってしまう。この
現象は、特にろう接の場合に多い。
【0007】又、これらを防止する方法として、拡散接
合法により接合時に圧力を加えベリリウム箔を延ばし、
この分を窓の内側に寄せて冷却時の線膨脹係数差による
ベリリウム箔の引っ張り応力を軽減する方法も採られて
いたが、ベリリウム箔の硬さ変動もあり、安定して得る
ことは困難であった。更に、接合部のベリリウム箔を延
ばすことによってベリリウム箔の厚さが薄くなることに
より、強度が低下し真空気密性を損なうことが多かっ
た。
合法により接合時に圧力を加えベリリウム箔を延ばし、
この分を窓の内側に寄せて冷却時の線膨脹係数差による
ベリリウム箔の引っ張り応力を軽減する方法も採られて
いたが、ベリリウム箔の硬さ変動もあり、安定して得る
ことは困難であった。更に、接合部のベリリウム箔を延
ばすことによってベリリウム箔の厚さが薄くなることに
より、強度が低下し真空気密性を損なうことが多かっ
た。
【0008】この発明は、以上のような不都合を解決す
るものであり、亀裂や破壊の発生を未然に防止して窓の
気密性を著しく向上した窓にベリリウム箔を用いた真空
容器及びその製造方法を提供することを目的とする。
るものであり、亀裂や破壊の発生を未然に防止して窓の
気密性を著しく向上した窓にベリリウム箔を用いた真空
容器及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、開口部に厚
さが10乃至100μmの範囲のベリリウム箔からなる
窓が拡散接合されてなる窓にベリリウム箔を用いた真空
容器において、ベリリウム箔の平均線膨脹係数に対し拡
散接合部の金属の平均線膨脹係数の比が、温度20乃至
800℃の範囲で0.80乃至1.10の範囲に設定さ
れ、且つ拡散接合部のベリリウム箔の厚さが、非拡散接
合部のベリリウム箔の厚さに対して (1) 50μm未満のベリリウム箔を使用した場合は70
%以上、(2) 50μm以上のベリリウム箔を使用した場
合は60%以上、に設定されてなる窓にベリリウム箔を
用いた真空容器である。
さが10乃至100μmの範囲のベリリウム箔からなる
窓が拡散接合されてなる窓にベリリウム箔を用いた真空
容器において、ベリリウム箔の平均線膨脹係数に対し拡
散接合部の金属の平均線膨脹係数の比が、温度20乃至
800℃の範囲で0.80乃至1.10の範囲に設定さ
れ、且つ拡散接合部のベリリウム箔の厚さが、非拡散接
合部のベリリウム箔の厚さに対して (1) 50μm未満のベリリウム箔を使用した場合は70
%以上、(2) 50μm以上のベリリウム箔を使用した場
合は60%以上、に設定されてなる窓にベリリウム箔を
用いた真空容器である。
【0010】又、この発明は、開口部に厚さが10乃至
100μmの範囲のベリリウム箔からなる窓を拡散接合
法により接合する窓にベリリウム箔を用いた真空容器の
製造方法において、ベリリウム箔の平均線膨脹係数に対
し拡散接合部の金属の平均線膨脹係数の比を、温度20
乃至800℃の範囲で0.80乃至1.10の範囲に設
定し、且つ拡散接合部のベリリウム箔の厚さを、非拡散
接合部のベリリウム箔の厚さに対して (1) 50μm未満のベリリウム箔を使用した場合は70
%以上、(2) 50μm以上のベリリウム箔を使用した場
合は60%以上、
100μmの範囲のベリリウム箔からなる窓を拡散接合
法により接合する窓にベリリウム箔を用いた真空容器の
製造方法において、ベリリウム箔の平均線膨脹係数に対
し拡散接合部の金属の平均線膨脹係数の比を、温度20
乃至800℃の範囲で0.80乃至1.10の範囲に設
定し、且つ拡散接合部のベリリウム箔の厚さを、非拡散
接合部のベリリウム箔の厚さに対して (1) 50μm未満のベリリウム箔を使用した場合は70
%以上、(2) 50μm以上のベリリウム箔を使用した場
合は60%以上、
【0011】に設定し、更に拡散接合条件を、上記拡散
接合部のベリリウム箔の厚さ減少率が小さくなるよう
に、所定の温度,接合圧力,保持時間に設定してなる窓
にベリリウム箔を用いた真空容器の製造方法である。
接合部のベリリウム箔の厚さ減少率が小さくなるよう
に、所定の温度,接合圧力,保持時間に設定してなる窓
にベリリウム箔を用いた真空容器の製造方法である。
【0012】又、この発明は、開口部に厚さが10乃至
100μmの範囲のベリリウム箔からなる窓がろう接さ
れてなる窓にベリリウム箔を用いた真空容器において、
ベリリウム箔の平均線膨脹係数に対しろう接部の金属の
平均線膨脹係数の比が、温度20乃至800℃の範囲で
0.90乃至1.30の範囲に設定され、且つろう接部
のベリリウム箔の厚さが、非ろう接部のベリリウム箔の
厚さに対して (1) 50μm未満のベリリウム箔を使用した場合は70
%以上、(2) 50μm以上のベリリウム箔を使用した場
合は60%以上、に設定されてなる窓にベリリウム箔を
用いた真空容器である。
100μmの範囲のベリリウム箔からなる窓がろう接さ
れてなる窓にベリリウム箔を用いた真空容器において、
ベリリウム箔の平均線膨脹係数に対しろう接部の金属の
平均線膨脹係数の比が、温度20乃至800℃の範囲で
0.90乃至1.30の範囲に設定され、且つろう接部
のベリリウム箔の厚さが、非ろう接部のベリリウム箔の
厚さに対して (1) 50μm未満のベリリウム箔を使用した場合は70
%以上、(2) 50μm以上のベリリウム箔を使用した場
合は60%以上、に設定されてなる窓にベリリウム箔を
用いた真空容器である。
【0013】又、この発明は、開口部に厚さが10乃至
100μmの範囲のベリリウム箔からなる窓をろう接に
より接合する窓にベリリウム箔を用いた真空容器の製造
方法において、ベリリウム箔の平均線膨脹係数に対しろ
う接部の金属の平均線膨脹係数の比を、温度20乃至8
00℃の範囲で0.90乃至1.30の範囲に設定し、
且つろう接部のベリリウム箔の厚さを、非ろう接部のベ
リリウム箔の厚さに対して (1) 50μm未満のベリリウム箔を使用した場合は70
%以上、(2) 50μm以上のベリリウム箔を使用した場
合は60%以上、
100μmの範囲のベリリウム箔からなる窓をろう接に
より接合する窓にベリリウム箔を用いた真空容器の製造
方法において、ベリリウム箔の平均線膨脹係数に対しろ
う接部の金属の平均線膨脹係数の比を、温度20乃至8
00℃の範囲で0.90乃至1.30の範囲に設定し、
且つろう接部のベリリウム箔の厚さを、非ろう接部のベ
リリウム箔の厚さに対して (1) 50μm未満のベリリウム箔を使用した場合は70
%以上、(2) 50μm以上のベリリウム箔を使用した場
合は60%以上、
【0014】に設定し、更にろう接条件を、ろう接部の
ベリリウム箔の厚さ減少率が小さくなるように、所定の
温度,接合圧力,保持時間に設定してなる窓にベリリウ
ム箔を用いた真空容器の製造方法である。
ベリリウム箔の厚さ減少率が小さくなるように、所定の
温度,接合圧力,保持時間に設定してなる窓にベリリウ
ム箔を用いた真空容器の製造方法である。
【0015】
【作用】この発明によれば、接合時及び排気時における
窓の亀裂や破壊の発生が未然に防止され、窓の気密性が
著しく向上する。
窓の亀裂や破壊の発生が未然に防止され、窓の気密性が
著しく向上する。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の一実施例
を詳細に説明する。
を詳細に説明する。
【0017】この発明による窓にベリリウム箔を用いた
真空容器は、図1及び図2に示すように構成され、真空
容器1の開口部1aに、ベリリウム箔からなる窓2が保
護リング3を介して気密接合され、入力窓あるいは出力
窓として利用されている。尚、図中の符号4,5はろう
材である。この場合、気密接合に当たり拡散接合法又は
ろう接法が用いられるので、その両者についてそれぞれ
詳細に述べることにする。 (拡散接合法の場合)
真空容器は、図1及び図2に示すように構成され、真空
容器1の開口部1aに、ベリリウム箔からなる窓2が保
護リング3を介して気密接合され、入力窓あるいは出力
窓として利用されている。尚、図中の符号4,5はろう
材である。この場合、気密接合に当たり拡散接合法又は
ろう接法が用いられるので、その両者についてそれぞれ
詳細に述べることにする。 (拡散接合法の場合)
【0018】図示のように、真空容器1の開口部1a
に、厚さが10乃至100μmの範囲のベリリウム箔か
らなる窓2が、保護リング3及びろう材4,5を介して
気密接合されている。この場合、ベリリウム箔の平均線
膨脹係数に対し拡散接合部の金属の平均線膨脹係数の比
が、温度20乃至800℃の範囲で0.80乃至1.1
0の範囲に設定され、且つ拡散接合部のベリリウム箔の
厚さが、非拡散接合部のベリリウム箔の厚さに対して (1) 50μm未満のベリリウム箔を使用した場合は70
%以上、(2) 50μm以上のベリリウム箔を使用した場
合は60%以上、に設定されている。
に、厚さが10乃至100μmの範囲のベリリウム箔か
らなる窓2が、保護リング3及びろう材4,5を介して
気密接合されている。この場合、ベリリウム箔の平均線
膨脹係数に対し拡散接合部の金属の平均線膨脹係数の比
が、温度20乃至800℃の範囲で0.80乃至1.1
0の範囲に設定され、且つ拡散接合部のベリリウム箔の
厚さが、非拡散接合部のベリリウム箔の厚さに対して (1) 50μm未満のベリリウム箔を使用した場合は70
%以上、(2) 50μm以上のベリリウム箔を使用した場
合は60%以上、に設定されている。
【0019】製造に当たっては、例えば直径19mm、
厚さ60μmの上記条件に設定されているベリリウム箔
からなる窓2が、鉄に厚さ3μmのニッケル・めっきを
施してなる真空容器1の開口部1aに、Ag(61%),
Cu(24%),In(15%)からなる銀ろうであるろう
材4,5を使用して真空拡散接合法により接合してい
る。
厚さ60μmの上記条件に設定されているベリリウム箔
からなる窓2が、鉄に厚さ3μmのニッケル・めっきを
施してなる真空容器1の開口部1aに、Ag(61%),
Cu(24%),In(15%)からなる銀ろうであるろう
材4,5を使用して真空拡散接合法により接合してい
る。
【0020】この拡散接合条件は、拡散接合部のベリリ
ウム箔の厚さ減少率が小さくなるように、例えば温度6
00℃、接合圧力は3.5Kg/mm2 、保持時間は3
0分である。
ウム箔の厚さ減少率が小さくなるように、例えば温度6
00℃、接合圧力は3.5Kg/mm2 、保持時間は3
0分である。
【0021】こうして得られたベリリウム箔からなる窓
2は、変形も亀裂発生も認められず、気密性良好な結果
を得た。尚、接合部のベリリウム箔の厚さは断面からの
観察結果で50μmであり、厚さの減少率は17%であ
った。更に、真空容器1の開口部1aの金属としてモネ
ル材及びステンレス鋼を使用したが、同様に良好なる結
果を得た。 (ろう接法の場合)
2は、変形も亀裂発生も認められず、気密性良好な結果
を得た。尚、接合部のベリリウム箔の厚さは断面からの
観察結果で50μmであり、厚さの減少率は17%であ
った。更に、真空容器1の開口部1aの金属としてモネ
ル材及びステンレス鋼を使用したが、同様に良好なる結
果を得た。 (ろう接法の場合)
【0022】図示のように、真空容器1の開口部1a
に、厚さが10乃至100μmの範囲のベリリウム箔か
らなる窓2が、保護リング3及びろう材5を介して気密
接合されている。この場合、ろう材4は省略した方が良
い。そして、ベリリウム箔の平均線膨脹係数に対しろう
接部の金属の平均線膨脹係数の比が、温度20乃至80
0℃の範囲で0.90乃至1.30の範囲に設定され、
且つろう接部のベリリウム箔の厚さが、非ろう接部のベ
リリウム箔の厚さに対して (1) 50μm未満のベリリウム箔を使用した場合は70
%以上、(2) 50μm以上のベリリウム箔を使用した場
合は60%以上、に設定されている。
に、厚さが10乃至100μmの範囲のベリリウム箔か
らなる窓2が、保護リング3及びろう材5を介して気密
接合されている。この場合、ろう材4は省略した方が良
い。そして、ベリリウム箔の平均線膨脹係数に対しろう
接部の金属の平均線膨脹係数の比が、温度20乃至80
0℃の範囲で0.90乃至1.30の範囲に設定され、
且つろう接部のベリリウム箔の厚さが、非ろう接部のベ
リリウム箔の厚さに対して (1) 50μm未満のベリリウム箔を使用した場合は70
%以上、(2) 50μm以上のベリリウム箔を使用した場
合は60%以上、に設定されている。
【0023】製造に当たっては、例えば厚さ60μmの
上記条件に設定されているベリリウム箔からなる窓2
が、ステンレス鋼に厚さ3μmのニッケル・めっきを施
してなる真空容器1の開口部1aに、拡散接合法の場合
と同じAg(61%),Cu(24%),In(15%)から
なる銀ろうであるろう材5を使用して、真空ろう接法に
より接合している。この場合、既述のように、ろう材は
保護リング3側のろう材4を省略し、本体側のろう材5
だけを使用する。そして、ベリリウム箔とろう材中に含
まれる銅との反応層を本体側のみとし、接合部のベリリ
ウム箔の厚さ減少率を小さくしたものである。
上記条件に設定されているベリリウム箔からなる窓2
が、ステンレス鋼に厚さ3μmのニッケル・めっきを施
してなる真空容器1の開口部1aに、拡散接合法の場合
と同じAg(61%),Cu(24%),In(15%)から
なる銀ろうであるろう材5を使用して、真空ろう接法に
より接合している。この場合、既述のように、ろう材は
保護リング3側のろう材4を省略し、本体側のろう材5
だけを使用する。そして、ベリリウム箔とろう材中に含
まれる銅との反応層を本体側のみとし、接合部のベリリ
ウム箔の厚さ減少率を小さくしたものである。
【0024】このろう接条件は、ろう接部のベリリウム
箔の厚さ減少率が小さくなるように、例えば温度770
℃で保持時間は5分、温度速度は20℃/分、接合圧力
は0.1Kg/mm2 であり、ろう流れ性を良好にして
いる。
箔の厚さ減少率が小さくなるように、例えば温度770
℃で保持時間は5分、温度速度は20℃/分、接合圧力
は0.1Kg/mm2 であり、ろう流れ性を良好にして
いる。
【0025】こうして得られたベリリウム箔からなる窓
2は、拡散接合法の場合と同様に良好な結果を得ること
が出来た。尚、接合部のベリリウム箔の厚さは断面から
の観察結果で40μmであり、厚さの減少率は33%で
あった。このろう接法の場合は、保護リング3を省略す
ることも出来る。
2は、拡散接合法の場合と同様に良好な結果を得ること
が出来た。尚、接合部のベリリウム箔の厚さは断面から
の観察結果で40μmであり、厚さの減少率は33%で
あった。このろう接法の場合は、保護リング3を省略す
ることも出来る。
【0026】
【発明の効果】この発明によれば、請求項1〜4に記載
されているように構成されているので、接合部近傍から
の亀裂や破壊の発生が避けられるばかりでなく、接合時
あるいは製造工程における排気時の熱応力によって生じ
るベリリウム箔の亀裂発生を防止出来る。その結果、接
合部の信頼性が向上する。
されているように構成されているので、接合部近傍から
の亀裂や破壊の発生が避けられるばかりでなく、接合時
あるいは製造工程における排気時の熱応力によって生じ
るベリリウム箔の亀裂発生を防止出来る。その結果、接
合部の信頼性が向上する。
【図1】この発明の一実施例に係る窓にベリリウム箔を
用いた真空容器を示す断面図。
用いた真空容器を示す断面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】従来の窓にベリリウム箔を用いた真空容器を示
す断面図。
す断面図。
【図4】図3の平面図。
【図5】従来の窓にベリリウム箔を用いた真空容器の欠
点を示す平面図。
点を示す平面図。
1…真空容器、1a…真空容器の開口部、2…窓、3…
保護リング、4,5…ろう材。
保護リング、4,5…ろう材。
Claims (4)
- 【請求項1】 開口部に厚さが10乃至100μmの範
囲のベリリウム箔からなる窓が拡散接合されてなる窓に
ベリリウム箔を用いた真空容器において、 上記ベリリウム箔の平均線膨脹係数に対し上記拡散接合
部の金属の平均線膨脹係数の比が、温度20乃至800
℃の範囲で0.80乃至1.10の範囲に設定され、且
つ上記拡散接合部のベリリウム箔の厚さが、非拡散接合
部のベリリウム箔の厚さに対して (1) 50μm未満のベリリウム箔を使用した場合は70
%以上、 (2) 50μm以上のベリリウム箔を使用した場合は60
%以上、に設定されてなることを特徴とする窓にベリリ
ウム箔を用いた真空容器。 - 【請求項2】 開口部に厚さが10乃至100μmの範
囲のベリリウム箔からなる窓を拡散接合法により接合す
る窓にベリリウム箔を用いた真空容器の製造方法におい
て、 上記ベリリウム箔の平均線膨脹係数に対し上記拡散接合
部の金属の平均線膨脹係数の比を、温度20乃至800
℃の範囲で0.80乃至1.10の範囲に設定し、且つ
上記拡散接合部のベリリウム箔の厚さを、非拡散接合部
のベリリウム箔の厚さに対して (1) 50μm未満のベリリウム箔を使用した場合は70
%以上、 (2) 50μm以上のベリリウム箔を使用した場合は60
%以上、に設定し、更に拡散接合条件を、上記拡散接合
部のベリリウム箔の厚さ減少率が小さくなるように、所
定の温度,接合圧力,保持時間に設定してなることを特
徴とする窓にベリリウム箔を用いた真空容器の製造方
法。 - 【請求項3】 開口部に厚さが10乃至100μmの範
囲のベリリウム箔からなる窓がろう接されてなる窓にベ
リリウム箔を用いた真空容器において、 上記ベリリウム箔の平均線膨脹係数に対し上記ろう接部
の金属の平均線膨脹係数の比が、温度20乃至800℃
の範囲で0.90乃至1.30の範囲に設定され、且つ
上記ろう接部のベリリウム箔の厚さが、非ろう接部のベ
リリウム箔の厚さに対して (1) 50μm未満のベリリウム箔を使用した場合は70
%以上、 (2) 50μm以上のベリリウム箔を使用した場合は60
%以上、に設定されてなることを特徴とする窓にベリリ
ウム箔を用いた真空容器。 - 【請求項4】 開口部に厚さが10乃至100μmの範
囲のベリリウム箔からなる窓をろう接により接合する窓
にベリリウム箔を用いた真空容器の製造方法において、 上記ベリリウム箔の平均線膨脹係数に対し上記ろう接部
の金属の平均線膨脹係数の比を、温度20乃至800℃
の範囲で0.90乃至1.30の範囲に設定し、且つ上
記ろう接部のベリリウム箔の厚さを、非ろう接部のベリ
リウム箔の厚さに対して (1) 50μm未満のベリリウム箔を使用した場合は70
%以上、 (2) 50μm以上のベリリウム箔を使用した場合は60
%以上、に設定し、更にろう接条件を、上記ろう接部の
ベリリウム箔の厚さ減少率が小さくなるように、所定の
温度,接合圧力,保持時間に設定してなることを特徴と
する窓にベリリウム箔を用いた真空容器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3180193A JPH06251736A (ja) | 1993-02-22 | 1993-02-22 | 窓にベリリウム箔を用いた真空容器及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3180193A JPH06251736A (ja) | 1993-02-22 | 1993-02-22 | 窓にベリリウム箔を用いた真空容器及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06251736A true JPH06251736A (ja) | 1994-09-09 |
Family
ID=12341186
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3180193A Pending JPH06251736A (ja) | 1993-02-22 | 1993-02-22 | 窓にベリリウム箔を用いた真空容器及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06251736A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005135786A (ja) * | 2003-10-31 | 2005-05-26 | Toshiba Corp | 電子管の構成部品取付け構造 |
JP2007149452A (ja) * | 2005-11-25 | 2007-06-14 | Toshiba Corp | 回転陽極x線管 |
JP2016134250A (ja) * | 2015-01-16 | 2016-07-25 | 双葉電子工業株式会社 | X線管 |
-
1993
- 1993-02-22 JP JP3180193A patent/JPH06251736A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005135786A (ja) * | 2003-10-31 | 2005-05-26 | Toshiba Corp | 電子管の構成部品取付け構造 |
JP4601939B2 (ja) * | 2003-10-31 | 2010-12-22 | 株式会社東芝 | 電子管の気密接合構造 |
JP2007149452A (ja) * | 2005-11-25 | 2007-06-14 | Toshiba Corp | 回転陽極x線管 |
JP4690868B2 (ja) * | 2005-11-25 | 2011-06-01 | 株式会社東芝 | 回転陽極x線管 |
US7983395B2 (en) | 2005-11-25 | 2011-07-19 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Rotation anode X-ray tube |
JP2016134250A (ja) * | 2015-01-16 | 2016-07-25 | 双葉電子工業株式会社 | X線管 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6567500B2 (en) | Vacuum enclosure for a vacuum tube tube having an X-ray window | |
US3395993A (en) | Titanium activated nickel seal and method of forming it | |
US3652237A (en) | Composite brazing alloy of titanium, copper and nickel | |
JPH06119893A (ja) | ベリリウム箔を有する真空容器 | |
US3561099A (en) | Process of making a composite brazing alloy of titanium, copper and nickel | |
JPH06251736A (ja) | 窓にベリリウム箔を用いた真空容器及びその製造方法 | |
JPH09509501A (ja) | ベリリウム窓の金属基材への真空密シール方法 | |
JP3240211B2 (ja) | 銅−アルミニウム異種金属継手材 | |
JP3481643B2 (ja) | 窓にベリリウム箔を用いた真空容器 | |
US3265473A (en) | Metalized ceramic members | |
US20090039784A1 (en) | Metal Halide Lamp | |
JP4132032B2 (ja) | 真空容器の覗き窓および真空容器 | |
JP4767276B2 (ja) | 真空容器の覗き窓および真空容器 | |
JPS5860232A (ja) | 圧力または差圧伝送器 | |
JP2634157B2 (ja) | 空密熱圧封止を有する容器 | |
JP2851881B2 (ja) | アルミナセラミックスと鉄・ニッケル系合金との接合体およびその接合方法 | |
JP2755659B2 (ja) | 真空バルブ | |
JP2841259B2 (ja) | 半導体素子用セラミック容器 | |
JPS62259329A (ja) | 螢光表示管 | |
JP2623250B2 (ja) | アルミナセラミックと鉄・ニッケル系合金との接合体 | |
JP2003335585A (ja) | 活性金属法によるセラミックスの接合方法 | |
JPH01276550A (ja) | 軟x線取出し窓の構造およびその製造方法 | |
JPS63273100A (ja) | 軟x線取出し窓の構造およびその製造方法 | |
JP3153872B2 (ja) | 金属−窒化物系セラミックスの接合構造 | |
JPH0910962A (ja) | アルミニウム材とステンレス材との接合方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040323 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |