JP2755561B2 - 鋏収容ケース - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、鋏を収容するケー
スに関し、特に、理美容鋏に対して好適に使用すること
ができ、複数の理美容鋏を傷付けることなく収容して持
ち運びすることができる鋏収容ケースに関する。

【０００２】

【従来の技術】理美容鋏は、高価であるとともに、刃先
が鋭利になっているために、持ち運びする際には、十分
に注意を払う必要がある。このために、通常、理美容鋏
は、１本毎に鞘状のケースに収容した状態で、あるいは
１本毎に箱状のケース内に収容した状態で、持ち運ぶよ
うになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、複数の理美容
鋏を持ち運ぶために、各理美容鋏を鞘状のケースや箱状
のケース内にそれぞれ収容した状態では、非常に嵩高く
なり、容易に持ち運ぶことができないという問題があ
る。複数の理美容鋏を１つのケース内に収容する場合に
は、各理美容鋏が相互に接触しないようにしなければな
らず、３つ以上の理美容鋏を、相互に接触しない状態で
１つのケース内に収容することは容易でなく、ひじょう
に嵩高くなるという問題がある。

【０００４】本発明は、このような問題を解決するもの
であり、その目的は、複数の鋏を相互に接触しない状態
で収容することができ、しかも、鋏を収容した状態で
は、コンパクトであって外観的にも優れた鋏収容ケース
を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の鋏収容ケース
は、複数の鋏が相互に接触しない状態で固定されるよう
になった一対の鋏固定部が、折り曲げ可能に並んで配置
されるとともに、一方の鋏固定部に対して蓋部が折り曲
げ可能に並んで配置されたシート状のケース本体と、両
鋏固定部を覆い得るようにケース本体の蓋部と鋏固定部
との境界部分に側縁部が取り付けられた柔軟性を有する
保護シートと、蓋部に連続する鋏固定部をこの保護シー
トを介して覆うように保護シートの側縁部と一体に側縁
部が取り付けられた仕切板と、を具備し、各鋏固定部同
士が、保護シートおよび仕切板を挟んで相互に重なるよ
うに折り曲げられるとともに、蓋部が、一方の鋏固定部
に重なるように折り曲げられることを特徴とするもので
あり、そのことにより上記目的が達成される。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて詳述する。

【０００７】図１は、本発明の鋏収容ケースの一例を示
す斜視図、図２および図３は、それぞれ、その展開図で
ある。この鋏収容ケースは、皮革等の比較的硬質なシー
トによって長方形状に構成されたケース本体１０を有し
ている。ケース本体１０は、図２に示すように、長手方
向の一方の１／３程度の側部が蓋部１１になっており、
他方の１／３の側部が鋏固定部１２になっている。そし
て、中央部の１／３の部分も鋏固定部１３になってい
る。シート本体１０は、鋏固定部１２および１３の内面
同士が相互に対向した状態で重なるように、その境界部
分にて折り曲げられるようになっている。一対の鋏固定
部１２および１３が相互に重なるように折り曲げられる
と、蓋部１１は、側部に位置する鋏固定部１２の外側面
に重なるように、中央の鋏固定部１３との境界部分にて
折り曲げられるようになっている。蓋部１１は、鋏固定
部１２の側部を１／２程度にわたって重ねられる。

【０００８】側部に位置する鋏固定部１２の外側面に
は、中央部の鋏固定部１３側寄りの中央部に、錠前本体
１４が設けられており、蓋部１１の側縁部１１ａの中央
には、錠前本体１４に係止する係止具１５が設けられて
いる。この係止具１５は、蓋部１１の外側面から内側面
にわたって設けられており、その内側面には内方にルー
プ状に突出する係止部１５ａ（図３参照）が設けられて
いる。

【０００９】ケース本体１０の各鋏固定部１２および１
３には、各一対の理美容鋏４０がそれぞれ固定されるよ
うになっている。図２に示すように、側部に設けられた
鋏固定部１２の内側面には、側縁１２ａに沿って１つの
理美容鋏４０を固定するための一対の係止ループ２１お
よび止めバンド２２が設けられており、また、中央部の
鋏固定部１３との境界部分に沿って１つの理美容鋏４０
を固定するための一対の係止ループ２３および止めバン
ド２４が設けられている。

【００１０】側縁１２ａ側の係止ループ２１は帯状をし
ており、鋏固定部１２の中央寄りの位置に、側縁１２ａ
に対してほぼ直交する方向に沿った状態で配置されてい
る。係止ループ２１は、各端部がピン２１ａによってそ
れぞれ止められてループ状になっている。この係止ルー
プ２１には、理美容鋏４０の各刃部４１の先端部が、重
ね合わされた状態で挿入されて係止されるようになって
いる。

【００１１】この係止ループ２１と対になった止めバン
ド２２は帯状をしており、その係止ループ２１に対して
遠方側に位置する鋏固定部１２のコーナー部の近傍に配
置されている。止めバンド２２は、鋏固定部１２の側縁
１２ａに対して傾斜した状態になっており、側縁１２ａ
に近接した一方の端部が、ピン２２ａによって固定され
ている。止めバンド２２の他方の端部は、鋏固定部１２
の中央部から離れる方向に位置されている。止めバンド
２２の先端部には、スナップのソケット２２ｂが取り付
けられている。このソケット２２ｂに係合するスナップ
の突起部２２ｃは、鋏固定部１２の内側に取り付けられ
ている。突起部２２ｃは、ソケット２２ｂが係合された
場合に止めバンド２２がループ状になるように、その位
置が設定されている。

【００１２】止めバンド２２は、係止ループ２１に刃部
４１が挿入された理美容鋏４０の一対のハンドル部４２
および４３を一括して固定するようになっている。理美
容鋏４０は、鋏固定部１２の側縁１２ａに沿って配置さ
れて、刃部４１が係止ループ２１内に挿入されて係止さ
れるとともに、各ハンドル部４２および４３が側縁１２
ａに対して直交する方向に並んだ状態とされる。そし
て、側縁１２ａの遠方側に位置するハンドル部４２が、
鋏固定部１２の内側面に設けられたスナップの突起部２
２ｃを取り囲むように位置されて、止めバンド２２の先
端部のソケット２２ｂが突起部２２ｃに係合される。止
めバンド２２は、理美容鋏４０の他方のハンドル部４３
に近接したロッド部４４と、突起部２２ｃを取り囲むハ
ンドル部４２とを一括した状態で固定している。

【００１３】側部の鋏固定部１２における中央の鋏固定
部１３との境界部近傍に配置された一対の係止ループ２
３および止めバンド２４は、前述した一対の係止ループ
２１および止めバンド２４とは、鋏固定部１２の中心対
称に配置されていること以外は同様の構成になってい
る。

【００１４】中央部の鋏固定部１３にも、側部の鋏固定
部１２に設けられた係止ループ２１および２３と、止め
バンド２２および２４と同様の構成の係止ループ２１お
よび２３と止めバンド２２および２４とがそれぞれ設け
られている。

【００１５】中央の鋏固定部１３と蓋部１１との境界部
には、保護シート３１の一方の側縁部３１ａと、仕切板
３２の一方の側縁部３２ａとが一体的に縫い付けられて
いる。保護シート３１は、鋏固定部１２および１３の内
面に対向するように配置されており、仕切板３２は、蓋
体１１の内面に対向するように配置されている。

【００１６】保護シート３１は、中央部の鋏固定部１３
および側部の鋏固定部１２を覆い得る長方形状になって
おり、フェルト等の柔軟な部材によって構成されてい
る。また、仕切板３２は、中央の鋏固定部１２のみを覆
い得る長方形状をしており、シート本体１０と同様に、
皮革等の比較的硬質の材料によって構成されている。

【００１７】蓋体１１の内側面には、図３に示すよう
に、櫛５０等を収容する３つのポケット部１６が設けら
れている。各ポケット部１６は、蓋体１１の係止具１５
が設けられた側縁部１１ａ側にそれぞれの底部が配置さ
れて、中央の鋏固定部１２側に開口部が設けられてい
る。各ポケット部１６の開口部は、段状になるように配
置されている。

【００１８】このような構成の鋏収容ケースは、シート
状のケース本体１０を展開して状態で、各鋏固定部１２
および１３における各係止ループ２１および２３と、止
めバンド２２および２４に、理美容鋏４０がそれぞれ固
定されるようになっている。この場合、各鋏固定部１２
および１３に固定される一対の理美容鋏４０は、反対向
きとされて、それぞれの重ねられた刃部４１の先端部
が、係止ループ２１および２３に挿入されて係止され
る。そして、各止めバンド２２および２４の突起部２２
ｃおよび２４ｃに、止めバンド２２および２４の基端部
に対して遠方側に位置する各理美容鋏４０の一方のハン
ドル部４２が嵌合される。

【００１９】このような状態になると、各止めバンド２
２および２４の先端部にそれぞれ設けられたスナップの
各ソケット２２ｂおよび２４ｂが、各突起部２２ｃおよ
び２都ｃに係合される。これにより、各止めバンド２２
および２４は、理美容鋏４０の各止めバンド２２および
２４に近接したハンドル部４３のロッド部４４と、スナ
ップの突起部２２ｂおよび２４ｂに嵌合状態になった各
ハンドル部４２とを、一括した状態で固定する。

【００２０】このようにして、各鋏固定部１２および１
３に、各一対の理美容鋏４０がそれぞれ固定された状態
になると、展開状態になった各鋏固定部１２および１３
を、保護シート３１によって覆うとともに、仕切板３２
を、保護シート３１によって覆われた中央の鋏固定部１
３に重ねた状態にする。このような状態で、側部の鋏固
定部１２を中央の鋏固定部１３に重なるように折り曲げ
る。このとき、保護シート３１も鋏固定部１２とともに
折り曲げられた状態になり、仕切板３２を間に挟んだ状
態で、半分同士が相互に重なっている。その後、蓋体１
１が、側部の鋏固定部１２の外側面に重なるように折り
曲げられて、蓋部１１に設けられた係止具１５の係止部
１５ａが、側部の鋏固定部１２の外側面に設けられた錠
前本体１４に係止される。

【００２１】このような鋏収容ケースは、４つの理美容
鋏４０を収容した状態であるにもかかわらず、各理美容
鋏４０は相互に接触するおそれがない。しかも、４つの
理美容鋏を収容した状態でも、片手で取り扱うことがで
きる程度の薄さであり、外観的にもクラッチバッグのよ
うになっている。

【００２２】

【発明の効果】本発明の鋏収容ケースは、このように、
一対の鋏固定部に複数の鋏を固定した状態で、各鋏固定
部同士は、固定された各鋏同士が保護シートにて相互に
接触しない状態で重ねられるようになっているために、
複数の鋏を相互に接触しない状態で収容することができ
る。しかも、鋏を固定した各鋏固定部同士が重なるよう
に折り曲げられた状態になるために、鋏収容ケースはコ
ンパクトな状態になり、持ち運びが容易になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の鋏収容ケースの一例を示す斜視図であ
る。

【図２】その鋏収容ケースを展開した状態を示す斜視図
である。

【図３】その鋏収容ケースを展開して別の状態を示す斜
視図である。

【符号の説明】

１０ ケース本体 １１ 蓋部 １２ 鋏固定部 １３ 鋏固定部 １４ 錠前本体 １５ 係止具 ２１ 係止ループ ２２ 止めバンド ２２ｂ ソケット ２２ｃ 突起部 ２３ 係止ループ ２４ 止めバンド ２４ｂ ソケット ２４ｃ 突起部 ３１ 保護シート ３２ 仕切板 ４０ 理美容鋏 ４１ 刃部 ４２ ハンドル部 ４３ ハンドル部 ４４ ロッド部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B25H 3/00 A45D 44/00 B26B 29/04

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の鋏が相互に接触しない状態で固定
   されるようになった一対の鋏固定部が、折り曲げ可能に
   並んで配置されるとともに、一方の鋏固定部に対して蓋
   部が折り曲げ可能に並んで配置されたシート状のケース
   本体と、 両鋏固定部を覆い得るようにケース本体の蓋部と鋏固定
   部との境界部分に側縁部が取り付けられた柔軟性を有す
   る保護シートと、 蓋部に連続する鋏固定部をこの保護シートを介して覆う
   ように保護シートの側縁部と一体に側縁部が取り付けら
   れた仕切板と、を具備し、 各鋏固定部同士が、保護シートおよび仕切板を挟んで相
   互に重なるように折り曲げられるとともに、蓋部が、一
   方の鋏固定部に重なるように折り曲げられることを特徴
   とする鋏収容ケース。