JP2754680B2 - 金属粉末の処理方法 - Google Patents
金属粉末の処理方法Info
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Description
(産業上の利用分野) 本発明は、粉末冶金(PM)や粉末溶接(PW)などに用
いられる金属粉末を処理するのに利用される金属粉末の
処理方法に関するものである。 (従来の技術) 粉末冶金や粉末溶接などに用いられる金属粉末は、空
気,水蒸気,不活性ガスなどのジェットによって金属溶
湯を粉化するガス噴霧法や、ガスに比較して冷却効果の
大きい水ジェットによって金属溶湯を粉化する水噴霧法
や、回転円盤上に流下させた金属溶湯を遠心力によって
飛散させることにより粉化する遠心噴霧法や、固定電極
と粉化しようとする金属よりなる消耗電極との間で放電
させながら消耗電極を高速回転することにより粉化する
回転電極法や、高速回転するロールの隙間に金属溶湯を
流下させて粉化するロール噴霧法などによって製造され
る。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来の金属粉末では、その
表面に粉末の製造時に付着した微小な金属液滴により形
成された微小な突出部分(いわゆるサテライト部分)が
存在していたり酸化物や窒化物などの反応層部分が存在
していたりし、また、内部に耐火物などの非金属介在物
が存在していたりすることがあるため、この金属粉末を
そのまま粉末冶金に適用した場合に、例えば熱間等方圧
成形(HIP)時の粉末の充填密度が低いものとなった
り、熱間等方圧成形後の焼結体の抗折力が低下したもの
となったり、あるいは粉末溶接に適用した場合に、金属
粉末の流動性が良くないためにその供給が円滑になされ
なかったり、溶接金属部分の靱性が低下したものとなっ
たりするという課題があった。 (発明の目的) 本発明は、上記した従来の課題にかんがみてなされた
ものであって、金属粉末の表面に微小な突出部分が存在
していないため例えば粉末冶金に適用した場合に金属粉
末の充填密度を高いものとすることが可能であると共に
粉末溶接に適用した場合に金属粉末の流動性を良好なも
のとすることが可能であり、また、金属粉末の表面や内
部に酸化物などの反応層部分や非金属介在物が存在して
いないため例えば粉末冶金に適用した場合に焼結体の抗
折力を大きなものとすることが可能であると共に粉末溶
接に適用した場合に溶接金属の靱性を良好なものとする
ことが可能である金属粉末を提供することを目的として
いる。
いられる金属粉末を処理するのに利用される金属粉末の
処理方法に関するものである。 (従来の技術) 粉末冶金や粉末溶接などに用いられる金属粉末は、空
気,水蒸気,不活性ガスなどのジェットによって金属溶
湯を粉化するガス噴霧法や、ガスに比較して冷却効果の
大きい水ジェットによって金属溶湯を粉化する水噴霧法
や、回転円盤上に流下させた金属溶湯を遠心力によって
飛散させることにより粉化する遠心噴霧法や、固定電極
と粉化しようとする金属よりなる消耗電極との間で放電
させながら消耗電極を高速回転することにより粉化する
回転電極法や、高速回転するロールの隙間に金属溶湯を
流下させて粉化するロール噴霧法などによって製造され
る。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来の金属粉末では、その
表面に粉末の製造時に付着した微小な金属液滴により形
成された微小な突出部分(いわゆるサテライト部分)が
存在していたり酸化物や窒化物などの反応層部分が存在
していたりし、また、内部に耐火物などの非金属介在物
が存在していたりすることがあるため、この金属粉末を
そのまま粉末冶金に適用した場合に、例えば熱間等方圧
成形(HIP)時の粉末の充填密度が低いものとなった
り、熱間等方圧成形後の焼結体の抗折力が低下したもの
となったり、あるいは粉末溶接に適用した場合に、金属
粉末の流動性が良くないためにその供給が円滑になされ
なかったり、溶接金属部分の靱性が低下したものとなっ
たりするという課題があった。 (発明の目的) 本発明は、上記した従来の課題にかんがみてなされた
ものであって、金属粉末の表面に微小な突出部分が存在
していないため例えば粉末冶金に適用した場合に金属粉
末の充填密度を高いものとすることが可能であると共に
粉末溶接に適用した場合に金属粉末の流動性を良好なも
のとすることが可能であり、また、金属粉末の表面や内
部に酸化物などの反応層部分や非金属介在物が存在して
いないため例えば粉末冶金に適用した場合に焼結体の抗
折力を大きなものとすることが可能であると共に粉末溶
接に適用した場合に溶接金属の靱性を良好なものとする
ことが可能である金属粉末を提供することを目的として
いる。
(課題を解決するための手段) 本発明に係る金属粉末の処理方法は、底部に配した流
動層形成ガス供給管より流動層形成ガスを供給し、その
略上方に配した金属粉末供給手段から処理される金属粉
末を送り込んで流動層状態にすると共に、前記金属粉末
供給手段の上方側面に配した複数方向の高速気流吹き込
みノズルより前記金属粉末の流動層中に複数方向から高
速気流を吹き込むことによって金属粉末同士を衝突さ
せ、前記処理される金属粉末の表面に存在している微小
な突出部分(いわゆるサテライト部分)や酸化物,窒化
物などの反応層部分を分離し、前記高速気流吹き込みノ
ズル位置より上方で分級回収した後、前記の分離された
微小な突出部分や反応層部分を除去する構成としたこと
を特徴としており、また、実施態様においては、処理さ
れる金属粉末を流動層状態にすると共に、前記金属粉末
の流動層中に複数方向から高速気流を吹き込むことによ
って金属粉末同士を衝突させ、前記処理される金属粉末
を破砕して前記金属粉末の表面に存在している微小な突
出部分や反応層部分を分離すると同時に、前記金属粉末
の内部に存在している非金属介在物を分離して除去する
構成としたことを特徴としており、上記の構成を前述し
た従来の課題を解決するための手段としている。 第1図は本発明の一実施態様を示しており、1は金属
粉末供給管、2は金属粉末貯留容器、3は金属粉末、4
は金属粉末送給用スクリューコンベア、5は流動層形成
容器、6は流動層形成ガス供給管、7は多孔板、8は複
数設けた高速気流吹き込みノズル、9は分級器、10は分
級粉末送給管、11は分離器、12は処理済金属粉末容器、
13は除去物質搬送管である。 この第1図に例示する装置において、金属粉末供給管
1より金属粉末貯留容器2内に送り込まれた金属粉末3
は、金属粉末送給用スクリューコンベア4によって流動
層形成容器5の内部に送り込まれる。この流動層形成容
器5の下部においては、流動層形成ガス供給管6より矢
印A方向に流動層形成ガスが多孔板7を通して送り込ま
れるので、金属粉末3の流動層15が形成される。 この流動層15には、複数設けた高速気流吹き込みノズ
ル8から矢印B方向に高速気流が吹き込まれ、これによ
って金属粉末3同士が衝突する。 この金属粉末3同士の衝突によって、金属粉末3の表
面に存在している微小な突出部分や酸化物,窒化物など
の反応層部分が分離される。 また、この金属粉末3同士の衝突によって、金属粉末
3が破砕され、金属粉末3の内部に存在している耐火物
などの非金属介在物を選択的に微粉砕して分離する。 そして、微細化された金属粉末および分離された微小
な突出部分,反応層部分,非金属介在物等は流動層形成
ガスの上昇と共に上昇して分級器9に到達し、分級器9
で分級される所定の大きさよりも大きい粉末成分は降下
して再度流動層15中に入り、所定の大きさよりも小さい
粉末成分は分級器9より分級されて分級粉末送給管10を
通って分離器11に入り、処理済金属粉末は分離器11の下
部から処理済金属粉末容器12内に入ると共に、極微細な
金属粉末,酸化物,窒化物,金属間化合物等の除去物質
は除去物質搬送管13を通って搬送される。 本発明に係る金属粉末の処理方法において、処理され
る金属粉末3の種類はとくに限定されず、鉄粉末,低合
金鋼粉末,高速度鋼粉末,ステンレス鋼粉末などの各種
鉄鋼系粉末や、銅および銅合金粉末、コバルトおよびコ
バルト合金粉末,ニッケルおよびニッケル合金粉末,ア
ルミニウムおよびアルミニウム合金粉末などの各種非鉄
系粉末等がある。 この金属粉末3を流動層形成容器5内に送り込む手段
としては、上述したスクリューコンベア式のものに限定
されないことはいうまでもない。また、この金属粉末3
の流動層15を形成するための流動層形成ガスにおいても
特に限定されず、空気を使用する場合のほか、非酸化性
ガスとすることが望ましい場合にはN2ガスやArガスなど
を用いることができる。さらに、この流動層15中に複数
方向の高速気流吹き込みノズル8から吹き込まれる高速
気流においても特に限定されず、空気を使用する場合の
ほか、非酸化性ガスとすることが望ましい場合にはN2ガ
スやArガスなどを用いることができる。 この流動層15中に複数個所から吹き込まれた高速気流
によって金属粉末3同士が衝突し、金属粉末3の表面に
存在している微小な突出部分(サテライト部分)や酸化
物,窒化物などの反応層部分が分離し、微細状となって
上昇する。また、金属粉末3同士の衝突によって金属粉
末3が破砕し、金属粉末3の内部に存在している耐火物
等の非金属介在物が選択的に微粉砕されて分離し、微細
状となって上昇する。 そして、これら微細な各種粉末成分は流動層形成ガス
や高速気流と共に上昇して分級器9に至り、この分級器
9によって粗大な粉末成分と微細な粉末成分とに分けら
れるが、この分級器9としてはローター式分級器,ふる
い分け式分級器,遠心式分級器などが使用される。 さらに、分級器9によって分級された微細な粉末成分
は分離器11に入り、処理済金属粉末と酸化物,窒化物,
その他の非金属介在物,極微細な金属粉末等とに分離さ
れ、処理済金属粉末が分離器11の下部より処理済金属粉
末容器12内に蓄えられるが、この場合の分離器11として
は、サイクロン方式のものやフィルタ方式のものなどが
使用される。 (発明の作用) 本発明に係る金属粉末の処理方法では、底部に配した
流動層形成ガス供給管より流動層形成ガスを供給し、そ
の略上方に配した金属粉末供給手段から処理される金属
粉末を送り込んで流動層状態にすると共に、前記金属粉
末供給手段の上方側面に配した複数方向の高速気流吹き
込みノズルより前記金属粉末の流動層中に複数方向から
高速気流を吹き込むことによって金属粉末同士を衝突さ
せ、前記処理される金属粉末の表面に存在している微小
な突出部分(サテライト部分)や酸化物などの反応層部
分を分離し、また金属粉末同士の衝突により破砕して当
該金属粉末の内部に存在している非金属介在物を分離
し、前記高速気流吹き込みノズル位置より上方で分級回
収した後、前記の分離された微小な突出部分や反応層部
分を除去するようにしているので、微小な突出部分がな
くそしてまた清浄度の高い金属粉末が得られ、例えば粉
末冶金に適用する場合に焼結前における金属粉末の充填
密度を高めて焼結体を理論密度により一層近づけること
が可能であり、密度の向上と清浄度の向上とによって焼
結体の抗折力が大きな値を示すものとなり、また、粉末
(プラズマ)溶接に適用する場合に金属粉末の流動性が
良好なものになって均一化された溶接ビートが形成され
ると共に溶接金属部の靱性が優れたものになるという作
用がもたらされる。 (実施例) 第1表に示す成分の金属溶湯を流下させる間にアルゴ
ンガスを吹き付けるガスアトマイズ法によって高速度鋼
よりなる金属粉末を得た。 次に、第1図に示したように、金属粉末供給管1を通
して金属粉末貯留容器2の中に前記第1表に示した化学
成分の高速度鋼よりなる金属粉末3を送り、金属粉末送
給用スクリューコンベア4によって流動層形成容器5内
に供給した。そして、流動層形成ガス供給管6より矢印
A方向に流動層形成ガス(この実施例ではアルゴンガ
ス)を4Kgf/cm2の圧力で流し込み、流動層形成容器5の
下部において金属粉末3の流動層15を形成させた。 次いで、上記金属粉末3の流動層15の中に、90°間隔
で配置した4本の高速気流吹き込みノズル8から矢印B
方向に高速気流(この実施例ではアルゴンガス)を5Kgf
/cm2の圧力で吹き込むことにより前記流動状態にある金
属粉末3同士を衝突させた。 そして、流動層形成容器5の上部に設けたローター式
分級器9のローター回転数を2000R.P.Mとして分級し、
引続きサイクロン式分離器11において処理済金属粉末
と、酸化物,窒化物,その他の非金属介在物,極微細な
金属粉末等とを分離した。 次に、処理済金属粉末容器12内の処理済金属粉末を取
り出して清浄度を調べたところ、第2図の左欄符号dに
示す結果であり、第2図の右欄符号dに示す非処理金属
粉末の清浄度に比べてかなり優れたものになっているこ
とが認められ、非処理金属粉末の表面に存在する酸化物
等の反応層部分の除去ならびに非処理金属粉末の内部に
存在している非金属介在物の除去による清浄度の向上が
実現されたことが確かめられた。 次に、処理済金属粉末と非処理金属粉末とをそれぞれ
熱間等方圧成形(HIP)用容器に入れ、処理済金属粉末
の場合と非処理金属粉末の場合とにおけるそれぞれの見
掛け密度を調べたところ、処理済金属粉末の場合には第
2図の左欄符号ADに示すように、第2図の右欄符号ADに
示す非処理金属粉末の場合に比べて見掛け密度はかなり
向上したものとなっており、非処理金属粉末に形成され
ている微小な突出部分の除去による充填率の向上が実現
したことが確認された。 次に、前記処理済金属粉末、比較のために非処理金属
粉末とをそれぞれ別個に用い、いずれも温度1050℃,圧
力1000atmで1時間加圧保持する熱間等方圧成形を行
い、これによって得られた各焼結体の抗折力を調べたと
ころ、第3図に示すように、処理済金属粉末を用いた焼
結体の場合には非処理金属粉末を用いた焼結体の場合に
比べて抗折力がかなり増大していることが確かめられ
た。
動層形成ガス供給管より流動層形成ガスを供給し、その
略上方に配した金属粉末供給手段から処理される金属粉
末を送り込んで流動層状態にすると共に、前記金属粉末
供給手段の上方側面に配した複数方向の高速気流吹き込
みノズルより前記金属粉末の流動層中に複数方向から高
速気流を吹き込むことによって金属粉末同士を衝突さ
せ、前記処理される金属粉末の表面に存在している微小
な突出部分(いわゆるサテライト部分)や酸化物,窒化
物などの反応層部分を分離し、前記高速気流吹き込みノ
ズル位置より上方で分級回収した後、前記の分離された
微小な突出部分や反応層部分を除去する構成としたこと
を特徴としており、また、実施態様においては、処理さ
れる金属粉末を流動層状態にすると共に、前記金属粉末
の流動層中に複数方向から高速気流を吹き込むことによ
って金属粉末同士を衝突させ、前記処理される金属粉末
を破砕して前記金属粉末の表面に存在している微小な突
出部分や反応層部分を分離すると同時に、前記金属粉末
の内部に存在している非金属介在物を分離して除去する
構成としたことを特徴としており、上記の構成を前述し
た従来の課題を解決するための手段としている。 第1図は本発明の一実施態様を示しており、1は金属
粉末供給管、2は金属粉末貯留容器、3は金属粉末、4
は金属粉末送給用スクリューコンベア、5は流動層形成
容器、6は流動層形成ガス供給管、7は多孔板、8は複
数設けた高速気流吹き込みノズル、9は分級器、10は分
級粉末送給管、11は分離器、12は処理済金属粉末容器、
13は除去物質搬送管である。 この第1図に例示する装置において、金属粉末供給管
1より金属粉末貯留容器2内に送り込まれた金属粉末3
は、金属粉末送給用スクリューコンベア4によって流動
層形成容器5の内部に送り込まれる。この流動層形成容
器5の下部においては、流動層形成ガス供給管6より矢
印A方向に流動層形成ガスが多孔板7を通して送り込ま
れるので、金属粉末3の流動層15が形成される。 この流動層15には、複数設けた高速気流吹き込みノズ
ル8から矢印B方向に高速気流が吹き込まれ、これによ
って金属粉末3同士が衝突する。 この金属粉末3同士の衝突によって、金属粉末3の表
面に存在している微小な突出部分や酸化物,窒化物など
の反応層部分が分離される。 また、この金属粉末3同士の衝突によって、金属粉末
3が破砕され、金属粉末3の内部に存在している耐火物
などの非金属介在物を選択的に微粉砕して分離する。 そして、微細化された金属粉末および分離された微小
な突出部分,反応層部分,非金属介在物等は流動層形成
ガスの上昇と共に上昇して分級器9に到達し、分級器9
で分級される所定の大きさよりも大きい粉末成分は降下
して再度流動層15中に入り、所定の大きさよりも小さい
粉末成分は分級器9より分級されて分級粉末送給管10を
通って分離器11に入り、処理済金属粉末は分離器11の下
部から処理済金属粉末容器12内に入ると共に、極微細な
金属粉末,酸化物,窒化物,金属間化合物等の除去物質
は除去物質搬送管13を通って搬送される。 本発明に係る金属粉末の処理方法において、処理され
る金属粉末3の種類はとくに限定されず、鉄粉末,低合
金鋼粉末,高速度鋼粉末,ステンレス鋼粉末などの各種
鉄鋼系粉末や、銅および銅合金粉末、コバルトおよびコ
バルト合金粉末,ニッケルおよびニッケル合金粉末,ア
ルミニウムおよびアルミニウム合金粉末などの各種非鉄
系粉末等がある。 この金属粉末3を流動層形成容器5内に送り込む手段
としては、上述したスクリューコンベア式のものに限定
されないことはいうまでもない。また、この金属粉末3
の流動層15を形成するための流動層形成ガスにおいても
特に限定されず、空気を使用する場合のほか、非酸化性
ガスとすることが望ましい場合にはN2ガスやArガスなど
を用いることができる。さらに、この流動層15中に複数
方向の高速気流吹き込みノズル8から吹き込まれる高速
気流においても特に限定されず、空気を使用する場合の
ほか、非酸化性ガスとすることが望ましい場合にはN2ガ
スやArガスなどを用いることができる。 この流動層15中に複数個所から吹き込まれた高速気流
によって金属粉末3同士が衝突し、金属粉末3の表面に
存在している微小な突出部分(サテライト部分)や酸化
物,窒化物などの反応層部分が分離し、微細状となって
上昇する。また、金属粉末3同士の衝突によって金属粉
末3が破砕し、金属粉末3の内部に存在している耐火物
等の非金属介在物が選択的に微粉砕されて分離し、微細
状となって上昇する。 そして、これら微細な各種粉末成分は流動層形成ガス
や高速気流と共に上昇して分級器9に至り、この分級器
9によって粗大な粉末成分と微細な粉末成分とに分けら
れるが、この分級器9としてはローター式分級器,ふる
い分け式分級器,遠心式分級器などが使用される。 さらに、分級器9によって分級された微細な粉末成分
は分離器11に入り、処理済金属粉末と酸化物,窒化物,
その他の非金属介在物,極微細な金属粉末等とに分離さ
れ、処理済金属粉末が分離器11の下部より処理済金属粉
末容器12内に蓄えられるが、この場合の分離器11として
は、サイクロン方式のものやフィルタ方式のものなどが
使用される。 (発明の作用) 本発明に係る金属粉末の処理方法では、底部に配した
流動層形成ガス供給管より流動層形成ガスを供給し、そ
の略上方に配した金属粉末供給手段から処理される金属
粉末を送り込んで流動層状態にすると共に、前記金属粉
末供給手段の上方側面に配した複数方向の高速気流吹き
込みノズルより前記金属粉末の流動層中に複数方向から
高速気流を吹き込むことによって金属粉末同士を衝突さ
せ、前記処理される金属粉末の表面に存在している微小
な突出部分(サテライト部分)や酸化物などの反応層部
分を分離し、また金属粉末同士の衝突により破砕して当
該金属粉末の内部に存在している非金属介在物を分離
し、前記高速気流吹き込みノズル位置より上方で分級回
収した後、前記の分離された微小な突出部分や反応層部
分を除去するようにしているので、微小な突出部分がな
くそしてまた清浄度の高い金属粉末が得られ、例えば粉
末冶金に適用する場合に焼結前における金属粉末の充填
密度を高めて焼結体を理論密度により一層近づけること
が可能であり、密度の向上と清浄度の向上とによって焼
結体の抗折力が大きな値を示すものとなり、また、粉末
(プラズマ)溶接に適用する場合に金属粉末の流動性が
良好なものになって均一化された溶接ビートが形成され
ると共に溶接金属部の靱性が優れたものになるという作
用がもたらされる。 (実施例) 第1表に示す成分の金属溶湯を流下させる間にアルゴ
ンガスを吹き付けるガスアトマイズ法によって高速度鋼
よりなる金属粉末を得た。 次に、第1図に示したように、金属粉末供給管1を通
して金属粉末貯留容器2の中に前記第1表に示した化学
成分の高速度鋼よりなる金属粉末3を送り、金属粉末送
給用スクリューコンベア4によって流動層形成容器5内
に供給した。そして、流動層形成ガス供給管6より矢印
A方向に流動層形成ガス(この実施例ではアルゴンガ
ス)を4Kgf/cm2の圧力で流し込み、流動層形成容器5の
下部において金属粉末3の流動層15を形成させた。 次いで、上記金属粉末3の流動層15の中に、90°間隔
で配置した4本の高速気流吹き込みノズル8から矢印B
方向に高速気流(この実施例ではアルゴンガス)を5Kgf
/cm2の圧力で吹き込むことにより前記流動状態にある金
属粉末3同士を衝突させた。 そして、流動層形成容器5の上部に設けたローター式
分級器9のローター回転数を2000R.P.Mとして分級し、
引続きサイクロン式分離器11において処理済金属粉末
と、酸化物,窒化物,その他の非金属介在物,極微細な
金属粉末等とを分離した。 次に、処理済金属粉末容器12内の処理済金属粉末を取
り出して清浄度を調べたところ、第2図の左欄符号dに
示す結果であり、第2図の右欄符号dに示す非処理金属
粉末の清浄度に比べてかなり優れたものになっているこ
とが認められ、非処理金属粉末の表面に存在する酸化物
等の反応層部分の除去ならびに非処理金属粉末の内部に
存在している非金属介在物の除去による清浄度の向上が
実現されたことが確かめられた。 次に、処理済金属粉末と非処理金属粉末とをそれぞれ
熱間等方圧成形(HIP)用容器に入れ、処理済金属粉末
の場合と非処理金属粉末の場合とにおけるそれぞれの見
掛け密度を調べたところ、処理済金属粉末の場合には第
2図の左欄符号ADに示すように、第2図の右欄符号ADに
示す非処理金属粉末の場合に比べて見掛け密度はかなり
向上したものとなっており、非処理金属粉末に形成され
ている微小な突出部分の除去による充填率の向上が実現
したことが確認された。 次に、前記処理済金属粉末、比較のために非処理金属
粉末とをそれぞれ別個に用い、いずれも温度1050℃,圧
力1000atmで1時間加圧保持する熱間等方圧成形を行
い、これによって得られた各焼結体の抗折力を調べたと
ころ、第3図に示すように、処理済金属粉末を用いた焼
結体の場合には非処理金属粉末を用いた焼結体の場合に
比べて抗折力がかなり増大していることが確かめられ
た。
本発明に係る金属粉末の処理方法では、底部に配した
流動層形成ガス供給管より流動層形成ガスを供給し、そ
の略上方に配した金属粉末供給手段から処理される金属
粉末を送り込んで流動層状態にすると共に、前記金属粉
末供給手段の上方側面に配した複数方向の高速気流吹き
込みノズルより前記金属粉末の流動層中に複数方向から
高速気流を吹き込むことによって金属粉末同士を衝突さ
せ、前記処理される金属粉末の表面に存在している微小
な突出部分(サテライト部分)や酸化物,窒化物などの
反応層部分を分離し、また、金属粉末同士の衝突により
破砕して当該金属粉末の内部に存在している非金属介在
物を選択的に破砕して分離し、前記高速気流吹き込みノ
ズル位置より上方で分級回収した後、前記の分離された
微小な突出部分や反応層部分を除去するようにしている
ので、微小な突出部分がなくなることにより金属粉末の
充填性や流動性を向上させることが可能であり、かつま
た清浄度の高い金属粉末が得られることにより機械的特
性等の品質の向上をはかることが可能であって、例えば
粉末冶金の金属粉末として用いた場合には焼結に際して
の金属粉末の充填率を高めて圧縮成形の間の変形量を少
なくすることにより焼結後には高密度で且つ高純度の焼
結体を得ることができ、焼結体の抗折力を大きなものと
することが可能であり、例えば粉末プラズマ溶接の金属
粉末として用いた場合には金属粉末の流動性を向上させ
て良好なる溶接ビートの形成が可能になると同時に不純
物の少ない高靱性の溶接金属部を得ることが可能である
という著しく優れた効果がもたらされる。
流動層形成ガス供給管より流動層形成ガスを供給し、そ
の略上方に配した金属粉末供給手段から処理される金属
粉末を送り込んで流動層状態にすると共に、前記金属粉
末供給手段の上方側面に配した複数方向の高速気流吹き
込みノズルより前記金属粉末の流動層中に複数方向から
高速気流を吹き込むことによって金属粉末同士を衝突さ
せ、前記処理される金属粉末の表面に存在している微小
な突出部分(サテライト部分)や酸化物,窒化物などの
反応層部分を分離し、また、金属粉末同士の衝突により
破砕して当該金属粉末の内部に存在している非金属介在
物を選択的に破砕して分離し、前記高速気流吹き込みノ
ズル位置より上方で分級回収した後、前記の分離された
微小な突出部分や反応層部分を除去するようにしている
ので、微小な突出部分がなくなることにより金属粉末の
充填性や流動性を向上させることが可能であり、かつま
た清浄度の高い金属粉末が得られることにより機械的特
性等の品質の向上をはかることが可能であって、例えば
粉末冶金の金属粉末として用いた場合には焼結に際して
の金属粉末の充填率を高めて圧縮成形の間の変形量を少
なくすることにより焼結後には高密度で且つ高純度の焼
結体を得ることができ、焼結体の抗折力を大きなものと
することが可能であり、例えば粉末プラズマ溶接の金属
粉末として用いた場合には金属粉末の流動性を向上させ
て良好なる溶接ビートの形成が可能になると同時に不純
物の少ない高靱性の溶接金属部を得ることが可能である
という著しく優れた効果がもたらされる。
第1図は本発明の実施態様による金属粉末の処理設備の
説明図、第2図は本発明の実施例において金属粉末の清
浄度および見掛け密度を調べた結果を例示するグラフ、
第3図は本発明の実施例において焼結体の抗折力を調べ
た結果を例示するグラフである。 3……金属粉末、5……流動層形成容器、6……流動層
形成ガス供給管、8……高速気流吹き込みノズル、9…
…分級器、11……分離器、15……流動層。
説明図、第2図は本発明の実施例において金属粉末の清
浄度および見掛け密度を調べた結果を例示するグラフ、
第3図は本発明の実施例において焼結体の抗折力を調べ
た結果を例示するグラフである。 3……金属粉末、5……流動層形成容器、6……流動層
形成ガス供給管、8……高速気流吹き込みノズル、9…
…分級器、11……分離器、15……流動層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22F 1/00 B22F 9/04 B02C 23/30 - 23/34
Claims (2)
- 【請求項1】底部に配した流動層形成ガス供給管より流
動層形成ガスを供給し、その略上方に配した金属粉末供
給手段から処理される金属粉末を送り込んで流動層状態
にすると共に、前記金属粉末供給手段の上方側面に配し
た複数方向の高速気流吹き込みノズルより前記金属粉末
の流動層中に複数方向から高速気流を吹き込むことによ
って金属粉末同士を衝突させ、前記処理される金属粉末
の表面に存在している微小な突出部分や反応層部分を分
離し、前記高速気流吹き込みノズル位置より上方で分級
回収した後、前記の分離された微小な突出部分や反応層
部分を除去することを特徴とする金属粉末の処理方法。 - 【請求項2】処理される金属粉末を流動層状態にすると
共に、前記金属粉末の流動層中に複数方向から高速気流
を吹き込むことによって金属粉末同士を衝突させ、前記
処理される金属粉末を破砕して前記金属粉末の内部に存
在している非金属介在物を分離して除去することを特徴
とする請求項第(1)項に記載の金属粉末の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1065358A JP2754680B2 (ja) | 1989-03-17 | 1989-03-17 | 金属粉末の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1065358A JP2754680B2 (ja) | 1989-03-17 | 1989-03-17 | 金属粉末の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02243701A JPH02243701A (ja) | 1990-09-27 |
JP2754680B2 true JP2754680B2 (ja) | 1998-05-20 |
Family
ID=13284657
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1065358A Expired - Lifetime JP2754680B2 (ja) | 1989-03-17 | 1989-03-17 | 金属粉末の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2754680B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2569920B2 (ja) * | 1990-08-10 | 1997-01-08 | 宇部興産株式会社 | 金属粉末成形材の製造方法 |
JP3841547B2 (ja) * | 1998-04-17 | 2006-11-01 | 三井金属鉱業株式会社 | 銅合金粉末の製造方法、並びにその銅合金粉末を用いたレーザ肉盛り方法 |
JP4831518B2 (ja) * | 2001-09-19 | 2011-12-07 | 住友金属鉱山株式会社 | ニッケル粉末の製造方法 |
JP4524477B2 (ja) * | 2007-01-09 | 2010-08-18 | Dowaエレクトロニクス株式会社 | 導電ペースト用銅粉 |
JP5723942B2 (ja) * | 2013-09-18 | 2015-05-27 | 株式会社不二機販 | 粉末状金属材料の表面処理方法 |
JP2023072758A (ja) * | 2021-11-15 | 2023-05-25 | デクセリアルズ株式会社 | はんだ粒子、はんだ粒子の製造方法、及び導電性組成物 |
CN114888275B (zh) * | 2022-04-02 | 2023-03-10 | 中国科学院过程工程研究所 | 一种用于3d打印的高速工具钢粉体球化及筛分方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5316796B2 (ja) * | 1974-03-13 | 1978-06-03 | ||
JPS5371642A (en) * | 1976-12-08 | 1978-06-26 | Toyota Motor Co Ltd | Preparation of powder for melting and injection |
JPS5397664A (en) * | 1977-02-07 | 1978-08-26 | Hitachi Ltd | Process for removing impurities attached to the surface of solid particles |
GB1593029A (en) * | 1977-06-27 | 1981-07-15 | American Can Co | Powder metallurgical processes |
DE3338138C2 (de) * | 1983-10-20 | 1986-01-16 | Alpine Ag, 8900 Augsburg | Fließbett-Gegenstrahlmühle |
JPS62297406A (ja) * | 1986-06-16 | 1987-12-24 | Kawasaki Steel Corp | 球状化還元鉄粉の製造方法 |
-
1989
- 1989-03-17 JP JP1065358A patent/JP2754680B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02243701A (ja) | 1990-09-27 |
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