JP2753916B2 - 角鋼管柱とはりとの接合方法 - Google Patents

角鋼管柱とはりとの接合方法

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JP2753916B2
JP2753916B2 JP4091413A JP9141392A JP2753916B2 JP 2753916 B2 JP2753916 B2 JP 2753916B2 JP 4091413 A JP4091413 A JP 4091413A JP 9141392 A JP9141392 A JP 9141392A JP 2753916 B2 JP2753916 B2 JP 2753916B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築、土木分野におい
て、角鋼管柱とはりとの接合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、角鋼管柱とはりとを接合する方法
として、図14に示すような通しダイヤフラム形式のもの
が知られている。
【0003】図中1は角鋼管柱であるが、はりフランジ
2aの位置で切断し、そこにはりフランジ2aよりも少
し厚めの通しダイヤフラム3を設置し、この通しダイヤ
フラム3の上下に角鋼管柱1を溶接することで再び一本
の柱を作る。また、はりを接合するはりブラケット2は
前記通しダイヤフラム3の端に溶接で取り付けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記図14に示す従来の
方法では、角鋼管柱1を切断し、再び接合すること、お
よび、はりブラケット2の接合に溶接を多用することに
なり、多くの手数と労力が費やされる。また、直交方向
のはりせいが異なる場合は通しダイヤフラム3が3枚以
上となり、多大な溶接量となり、ひいては柱精度確保の
面で問題が生じる。
【0005】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、溶接個所を少なくし、かつ精度も十分確保でき、し
かも作業効率を向上させることができ、これに加えて、
現場への柱材の運搬も容易となり、また断面欠損を補う
ことができて十分な力の伝達が得られる角鋼管柱とはり
との接合方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、角鋼管柱ははりとの仕口部で、4隅に柱の長
さ方向に延びる開口部を形成し、内部には前記開口部よ
りも長い仕口部とほぼ同等の長さからなるクロスH形断
面のダイヤフラムをそのフランジ外側面を前記開口部に
並列させるとともに該仕口部で開口部以外の部分の内側
面に重合させるように配置し、この角鋼管柱とダイヤフ
ラムとは予め該ダイヤフラムの上下端近傍を高力ボルト
で締結しておき、かかる角鋼管柱とダイヤフラムを一体
化してなる製品を現場に搬入して、この角鋼管柱を建込
み、はり端部に設けた接合金物を角鋼管柱の外側面に当
接し、かつ角鋼管柱およびダイヤフラムに高力ボルトで
締結することを要旨とするものである。
【0007】
【作用】本発明によれば、角鋼管柱は予め工場サイドに
おいてダイヤフラムの上下端近傍を高力ボルトで締結し
て、角鋼管柱とダイヤフラムとを一体化してなる製品化
した状態で現場に搬入するので、かかる角鋼管柱とダイ
ヤフラムとの接合をする際における煩雑な作業となるダ
イヤフラムの位置合わせを現場においてすることなく、
手間が省けて現場の作業効率を高めることができる。し
かも、この現場搬入の際には、角鋼管柱の周囲に従来の
ようにはりブラケットがないので、かかる柱材を多量に
運搬することが可能である。なお、工場サイドでのダイ
ヤフラムの上下端近傍におけるボルトでの締結は柱の長
さ方向に延びる開口部を利用して簡単に行うことができ
る。
【0008】また、角鋼管柱のはりとの接合をする仕口
部が開口部よりも長いので、かかる開口部により強度の
弱い部分を避けて強度上の問題がない。しかも、ダイヤ
フラムについてもかかる開口部よりも長い角鋼管柱の仕
口部とほぼ同等の長さからなるのでさらに強化され、さ
らに、角鋼管柱とダイヤフラムとの締結は高力ボルトで
行うので、このダイヤフラムで補う際の力の流れをスム
ーズにすることができる。
【0009】現場では、はり端部に設けた接合金物を角
鋼管柱の外側面に当接し、この角鋼管柱およびダイヤフ
ラムに高力ボルトで締結するが、この場合も高力ボルト
での締結をする際に開口部を利用できて便利である。こ
のようにして、角鋼管柱とはりとを接合すると、角鋼管
柱は開口部がある部分に断面欠損が生じるが、内部に配
置するクロスH形断面のダイヤフラムがこの断面欠損を
補うものとなり、十分な力の伝達が得られる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面について詳細に
説明する。図1は本発明の角鋼管柱とはりとの接合方法
の1実施例を示す斜視図、図2は同上縦断正面図で、図
中1は角鋼管柱、6ははりである。
【0011】本発明は、角鋼管柱1ははりとの仕口部
で、図8にも示すようにその4隅を該柱1の長さ方向に
延びる開口部4として切断・除去で欠損させる。また、
この角鋼管柱1の仕口部には適宜にボルト穴9を設けて
おく。この場合、はり丈が大きい場合は、図12、図13に
示すように開口部4は断続した複数のものとしてもよ
い。
【0012】一方、図9に示すようにクロスH形断面の
ダイヤフラム5で、前記角鋼管柱1の開口部4よりも長
い仕口部とほぼ同等の長さからなり、しかも相対向する
フランジ5a相互の間隔は角鋼管柱1の内径にほぼ合致
するより多少小さめのものを製作する。図示は省略する
がこのフランジ5aにも適宜ボルト穴を設けておく。
【0013】また、はり6の上下フランジ6aの端部に
は、図10に示すようにT形の接合金物7や図1に示すよ
うな接合金物としてのエンドプレート8を溶接で取り付
けておく。
【0014】そして、図11に示すように角鋼管柱1はは
りとの仕口部内部にクロスH形断面のダイヤフラム5を
差し入れ、フランジ5aの外側面を該仕口部で開口部4
以外の部分の内側面に重合するように配設し、この角鋼
管柱1とダイヤフラム5とは該ダイヤフラム5の上下端
近傍を高力ボルト10′(図1参照)で結合しておく。こ
の高力ボルト10′での締付けは開口部4を利用して行う
ことができる。
【0015】以上が工場で予めおこなっておく作業であ
り、かかる角鋼管柱1とダイヤフラム5を一体化して製
品化した状態で現場に搬入する。その場合、従来のよう
にはりブラケットがないので、柱材を多量に運搬するこ
とが可能である。
【0016】現場では、前記角鋼管柱1を建込み、はり
6の端部に設けたT形の接合金物7やエンドプレート8
を角鋼管柱1の外側面に当接し、この角鋼管柱1および
ダイヤフラム5のフランジ5aに高力ボルト10で締結す
る。この高力ボルト10での締付けも開口部4を利用して
行うことができる。
【0017】なお、この高力ボルト10ははり6、角鋼管
柱1およびダイヤフラム5の3者を現場で一体化するも
ので、前記高力ボルト10′はクロスH形断面のダイヤフ
ラム5の建方保持および開口部4を設けたことによる角
鋼管柱1の断面欠損をこのダイヤフラム5で補う際の力
の流れをスムーズにする機能を有する。
【0018】また、角鋼管柱1の中央より左右、および
直交方向のはりせいは、自由に変化させることも可能で
ある。
【0019】このようにして本発明の角鋼管柱とはりと
の接合方法は、図4、図5に示すように、角鋼管柱1の
開口部4がある部分は断面欠損が生じるが、内部に配置
するクロスH形断面のダイヤフラム5がこの断面欠損を
補うものとなり、十分な力の伝達が得られる接合方法と
なる。図5において、左は原断面、中央は断面欠損、右
は断面欠損補強の状態を示す。
【0020】なお、クロスH形断面のダイヤフラム5に
ついては、図6、図7に示すように水平ダイヤフラム11
をはりフランジ位置に設けることにより、より断面欠損
補強の効果を上げることができる。図6に示すような三
角形の小さな水平ダイヤフラム11の場合は3階以下の小
規模のものに適し、図7に示すような大きな水平ダイヤ
フラム11の場合は3階以上の大規模のものに適する。
【0021】さらに、角鋼管柱1の開口部4を最後にプ
レートなどで塞ぐことで、内部にコンクリートを充填す
ることも可能である。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように本発明の角鋼管柱とは
りとの接合方法は、溶接個所を少なくし、かつ、精度も
十分確保でき、しかも作業効率を向上させ、これに加え
て、現場への柱材の運搬も容易なので、施工の合理化を
図ることができ、さらに断面欠損を補うことができるも
のとして力の伝達も十分なものが得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の角鋼管柱とはりとの接合方法の1実施
例を示す斜視図である。
【図2】本発明の角鋼管柱とはりとの接合方法の1実施
例を示す縦断正面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図2のB−B線断面図である。
【図5】断面欠損とその補強の説明図である。
【図6】水平ダイヤフラムを設けるクロスH形断面のダ
イヤフラムの一例を示す平面図である。
【図7】水平ダイヤフラムを設けるクロスH形断面のダ
イヤフラムの他例を示す平面図である。
【図8】角鋼管柱仕口部の斜視図である。
【図9】クロスH形断面のダイヤフラムの斜視図であ
る。
【図10】はり端部の斜視図である。
【図11】角鋼管柱とクロスH形断面のダイヤフラムの
組合わせを示す斜視図である。
【図12】他の実施例を示す角鋼管柱仕口部の斜視図で
ある。
【図13】さらに他の実施例を示す角鋼管柱仕口部の斜
視図である。
【図14】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…角鋼管柱 2…はりブラケ
ット 2a…はりフランジ 3…通しダイヤ
フラム 4…開口部 5…ダイヤフラ
ム 5a…フランジ 6…はり 6a…フランジ 7…T形の接合
金物 8…エンドプレート 9…ボルト穴 10, 10′…高力ボルト 11…水平ダイヤ
フラム

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角鋼管柱ははりとの仕口部で、4隅に柱
    の長さ方向に延びる開口部を形成し、内部には前記開口
    部よりも長い仕口部とほぼ同等の長さからなるクロスH
    形断面のダイヤフラムをそのフランジ外側面を前記開口
    部に並列させるとともに該仕口部で開口部以外の部分の
    内側面に重合させるように配置し、この角鋼管柱とダイ
    ヤフラムとは予め該ダイヤフラムの上下端近傍を高力ボ
    ルトで締結しておき、かかる角鋼管柱とダイヤフラムを
    一体化してなる製品を現場に搬入して、この角鋼管柱を
    建込み、はり端部に設けた接合金物を角鋼管柱の外側面
    に当接し、かつ角鋼管柱およびダイヤフラムに高力ボル
    トで締結することを特徴とした角鋼管柱とはりとの接合
    方法。
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