JP2753508B2 - パチンコ玉検知装置およびパチンコゲーム機 - Google Patents

パチンコ玉検知装置およびパチンコゲーム機

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JP2753508B2
JP2753508B2 JP3197929A JP19792991A JP2753508B2 JP 2753508 B2 JP2753508 B2 JP 2753508B2 JP 3197929 A JP3197929 A JP 3197929A JP 19792991 A JP19792991 A JP 19792991A JP 2753508 B2 JP2753508 B2 JP 2753508B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パチンコ玉検知装置お
よびパチンコゲーム機に関し、特に、パチンコゲーム機
の盤面でパチンコ玉や入賞役物装置などを検知するもの
に関する。
【0002】
【従来の技術】遊技者の弾く、パチンコ玉の打玉、アウ
ト孔に入ったアウト玉、セーフ孔に入った玉等を各パチ
ンコゲーム機について正確に把握することは、遊技場の
利益管理や顧客管理の上で非常に重要である。
【0003】このため、パチンコゲーム機の通過経路で
パチンコ玉の通過を検知する従来技術として、特開平2
−279186号公報に開示されたものがある。
【0004】すなわち、同公報には、ガラスベース基板
に複数の送信コイル行群と受信コイル列群とをクロス方
向に並べてマトリクスセンサを構成し、マトリクスセン
サをパチンコゲーム機の盤面に沿って添設し、送信単位
と受信単位との重畳部分のインピーダンス変化によりパ
チンコ玉を感知する技術が開示されている。
【0005】このマトリクスセンサは、送信コイル行群
と受信コイル列群とのパタンが透明導電膜により構成さ
れており、送信コイル行群と受信コイル列群との端部に
はそれぞれ外部接続用端子が設けられている。各外部接
続用端子は、それぞれ送信回路および受信回路に接続し
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術では、送信コイル行群および受信コイル列群の
全体が透明導電膜により構成されているため、目立たな
いよう細くする上で限界があり、また、コイルを均一に
し検出精度を良好にしようとすると、製造費が高価なも
のとなってしまうという問題点があった。
【0007】本発明はこのような従来の問題点に着目し
てなされたもので、マトリクスセンサを目立たないよう
細くすることができ、また、検出精度を良好にするとと
もに、安価に製造することができるパチンコ玉検知装置
およびこのようなパチンコ玉検知装置を取り付けたパチ
ンコゲーム機を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、 1 パチンコゲーム機の盤面に沿って設けられるパチン
コ玉検知装置において、複数の並列した折り返し状の送
信線をほぼ四角形状のガラスベース基板の片面に取り付
け、パチンコ玉の接近により電磁特性が変化する複数の
並列した折り返し状の受信線を、前記送信線と交差方向
で電磁的に結合させて前記ガラスベース基板の反対面に
配置して、各送信線と各受信線との包囲部に検知単位を
有する面状のマトリクスセンサを構成し、前記ガラスベ
ース基板に、送信側折返基板と、送信側引回基板と、受
信側折返基板と、受信側引回基板とを設け、前記送信側
折返基板は、前記片面の一辺に沿って配置され、前記送
信側引回基板は、前記片面の前記一辺の対辺および該一
辺の隣辺に沿って配置され、前記受信側折返基板は、前
記反対面の前記隣辺の対辺に沿って配置され、前記受信
側引回基板は、前記反対面の前記隣辺に沿って配置さ
れ、前記送信線は、折返部と、送信端子と、引回部と、
ワイヤとにより構成され、前記折返部は、前記送信側折
返基板の上に導電体パターンにより形成され、前記送信
端子は、前記送信側引回基板の上に前記一辺の対辺に最
も近い位置で前記一辺の隣辺に沿って形成され、前記引
回部は、前記送信側引回基板の上に導電体パターンによ
り形成されて一端が対応する前記送信端子に接続し、前
記ワイヤは、対応する前記折返部の端部と前記引回部の
他端とに接続し、前記受信線は、折返部と、受信端子
と、引回部と、ワイヤとにより構成され、前記折返部
は、前記受信側折返基板の上に導電体パターンにより形
成され、前記受信端子は、前記一辺の対辺に沿って前記
受信側引回基板の上に形成され、前記引回部は、前記受
信側引回基板の上に導電体パターンにより形成されて一
端が対応する前記受信端子に接続し、前記ワイヤは、対
応する前記折返部の端部と前記引回部の他端とに接続し
ていることを、特徴とするパチンコ玉検知装置。
【0009】2 前記受信端子は、前記ガラスベース基
板の外側に突出して前記送信端子と同方向に面し、前記
受信線の前記引回部の前記他端は、前記受信側引回基板
の前記受信端子と反対側の面に設けられ、前記受信側引
回基板は、各引回部に対応するスルーホールを有し、各
引回部は該スルーホールを通して各受信端子に接続され
ていることを特徴とする1項記載のパチンコ玉検知装
置。
【0010】3 前記送信側引回基板の上に送信回路に
各送信端子を接続するための送信コネクタを面実装によ
り取付け、前記受信側引回基板の上に受信回路に各受信
端子を接続するための受信コネクタを面実装により取付
けたことを特徴とする1項または2項記載のパチンコ玉
検知装置。
【0011】4 1項,2項または3項記載のパチンコ
玉検知装置を盤面に沿って内側ガラス体の取付枠に取付
けたことを特徴とするパチンコゲーム機に存する。
【0012】
【作用】パチンコ玉検知装置では、送信回路から複数の
折り返し状の送信線に所定の周波数の信号を順次送信し
磁界を発生させると、その送信線と電磁的に結合した受
信線には相互誘導作用により起電力が発生する。このと
き、パチンコ玉などの金属がマトリクスセンサに接近す
ると、金属の表面にはマトリクスセンサによる磁束を打
ち消す方向に渦電流が発生する。
【0013】送信線は、その渦電流の影響でインピーダ
ンスが変化して電流を変化させ、これに応じて、受信線
は、起電力の大きさを変化させる。電磁特性が変化した
送信線と受信線とを検出して、その交差位置からマトリ
クスセンサでの金属の位置を座標として把握することが
できる。
【0014】送信線および受信線は、折返部と送信端子
と引回部とワイヤとにより構成され、マトリクスセンサ
をワイヤにより目立たないよう細くすることができる。
また、ワイヤは、均一な太さとすることが容易なため、
検出精度を良好にするとともに、製造費を安価にするこ
とができる。
【0015】送信端子は、送信側引回基板の上に一辺の
対辺に最も近い位置で一辺の隣辺に沿って形成されるの
で、送信端子を中央寄りに設けた場合に比べて、送信側
引回基板の一辺の長さが短くなる。これにより、送信側
引回基板の面積を小さくし、送信側引回基板の材料費を
安価なものとすることができる。
【0016】受信側引回基板で各引回部がスルーホール
を通して各受信端子に接続されている場合には、同じ側
から送信端子および受信端子に送信回路および受信回路
を接続することができる。
【0017】送信コネクタおよび受信コネクタを面実装
により取付けた場合には、送信コネクタおよび受信コネ
クタの取付が容易である。
【0018】パチンコゲーム機では、パチンコ玉検知装
置により、盤面でのパチンコ玉の動きを座標の変化とし
て追うことができ、ゲームの進行を監視し、打玉、アウ
ト玉、入賞役物装置のセーフ玉の状況を知り、打ち止め
管理や不正による異常のチェックをしたり、釘調整等の
データとして利用したりすることができる。
【0019】
【実施例】以下、図面に基づき、本発明の一実施例につ
いて説明する。図1〜図21は本発明の一実施例を示し
ている。図2に示すように、パチンコゲーム機10は、
盤面11に案内レール11aに沿ってパチンコ玉を打込
むようになっており、その盤面11は案内レール11a
の内側がゲーム域をなしている。このゲーム域には、パ
チンコ玉を弾く多数の釘11b,11b…が打ち込ま
れ、諸所にセーフ孔14a,14a…が開設され、上流
から下流の間の盤面中央部に入賞役物装置14bが設け
られ、ゲーム域の下端にアウト孔15が開設されてい
る。
【0020】入賞役物装置14bは、入賞により変動し
て多数のパチンコ玉をセーフ玉とする装置である。パチ
ンコゲーム機10の前面にはパチンコ玉の打ち出し操作
をする打ち出しハンドル12と、出玉を受け取る玉皿1
3とが設けられている。
【0021】図3に示すように、パチンコゲーム機10
の正面には、取付枠21が開閉自在に設けられている。
取付枠21には、内側ガラス体17が取付けられるよう
になっており、盤面11は、外側を覆う表面ガラス体1
6と、内側であって盤面側である内側ガラス体17との
2枚のガラスにより覆われている。
【0022】マトリクスセンサ20は、図4および図5
に示すように、内側ガラス体17をガラス基板として面
状に構成されており、盤面11に沿うよう取付枠21に
取付けられて、図6に示すように、表面ガラス体16と
盤面11との間に設けられている。内側ガラス体17
は、図4に示すように、下端の両隅18が切欠かれた形
状を有している。
【0023】図7に示すように、マトリクスセンサ20
では、1本の送信線22が折返部22aでUターンした
平行の折り返し状(またはループ状)となるようにし
て、複数の送信線22を構成し、これらが一方向に並列
して内側ガラス体17の片面に配置して取付けられてい
る。
【0024】また、複数の受信線26も、同様に、1本
の受信線26がUターンして平行の折り返し状(または
ループ状)となるようにして、複数の受信線26を構成
し、これらが一方向に並列して内側ガラス体17の反対
面に配置して取付けられている。送信端子23および受
信端子27は、パチンコゲーム機に取り付けたときの内
側ガラス体17の上下関係でその下端に集中して配置さ
れている。
【0025】各受信線26は、各送信線22と電磁的に
結合し、パチンコ玉の接近により電磁特性が変化するよ
う各送信線22に対する面平行位置に直角の交差方向で
配置され、内側ガラス体17を基板とする各送信線22
と各受信線26とで面状のマトリクスセンサ20が構成
されている。
【0026】図17に示すように、交差する各送信線2
2と各受信線26とにより囲まれる正方形状の各包囲部
は、電磁特性値たるインピーダンス変化によりパチンコ
玉を感知する検知単位20a,20a…をなしている。
【0027】図6に示すように、内側ガラス体17は、
受信線26(図10に示す)のための透明保護シートで
ある内部保護ガラス板17a、受信側ガラスベース基板
17b、送信側ガラスベース基板17c、送信線22
(図1に示す)のための透明保護シートである外側ガラ
ス板17dの4重積層の構成を有している。内側ガラス
体17は、代表的に縦の長さaが367mm±10mm、横
の長さbが405mm±10mmの大きさの四角形状を有す
るガラス基板であって、3.0〜3.5mmの厚さを有し
ている。
【0028】送信線22を取付けるため、図1に示すよ
うに、送信側ガラスベース基板17cは、片面の縦方向
の一辺24aに沿って細長いフレキシブルプリント基板
(FPC)から成る送信側折返基板19aを接着し、送
信側折返基板19aと縦方向で反対側にある対辺24b
および、送信側折返基板19aの隣辺となる下端の辺2
4cの一部に沿って、同じくフレキシブル基板から成る
送信側引回基板19bを接着している。送信側折返基板
19aおよび送信側引回基板19bは、内側ガラス体1
7の両隅18に沿って下部18aが折れ曲がった形状を
有している。
【0029】送信線22は、折返部22aと、送信端子
23と、引回部25と、ワイヤ28とにより構成され
る。折返部22aは、図7および図11に示すように、
送信側折返基板19aの上に銅箔から成る導電体パター
ンにより複数、具体的には32個が一列に形成される。
【0030】送信端子23は、図9に示すように、送信
側引回基板19bの上に、送信側折返基板19aと縦方
向で反対側にある対辺24bに最も近い位置で、下端の
辺24cに沿って形成されている。反対側の送信側引回
基板19bは、下端の一部が送信側ガラスベース基板1
7cの外側に突出しており、図1に示すように、送信端
子23は、その突出部23aの縁上に形成されている。
【0031】引回部25は、送信側引回基板19bの上
に導電体パターンにより形成されて一端が対応する送信
端子23に接続されている。図8に示すように、ワイヤ
28は、対応する折返部22aの端部と引回部25の端
部とに半田31を用いた半田付けにより接続している。
【0032】同様に、受信線26を取付けるため、図1
0に示すように、受信側ガラスベース基板17bは、送
信側折返基板19aの下端の辺24cに対し対辺となる
横方向の上端の一辺24dに沿って受信側折返基板29
aを接着し、送信側折返基板19aのある横方向の下端
の辺24cの一部に沿って細長い受信側引回基板29b
を接着している。
【0033】受信線26は、折返部26aと、受信端子
27と、引回部25と、ワイヤ28とにより構成され
る。折返部26aは、図14に示すように、送信線22
と同様に、受信側折返基板29aの上に導電体パターン
により32個が一列に形成される。
【0034】受信端子27は、図12に示すように、下
端の辺24cに沿って受信側引回基板29bの上に形成
される。反対側の受信側引回基板29bは、下端の一部
が受信側ガラスベース基板17bの外側に突出してお
り、図10に示すように、受信端子27は、その突出部
27aの縁上に形成されている。
【0035】受信端子27は、送信端子23と同方向に
面し、受信線26の引回部25の端部は、受信側引回基
板29bの受信端子27と反対側の面に設けられてい
る。受信端子27と送信端子23とは、できるだけ離れ
た位置に設けられ、送受信の干渉を防いでいる。受信側
引回基板29bは、図12および図13に示すように、
各引回部25に対応するスルーホール81を有し、各引
回部25はスルーホール81を通して各受信端子27に
接続されている。
【0036】引回部25は、受信側引回基板29bの上
に導電体パターンにより形成されて一端が対応する受信
端子27に接続している。ワイヤ28は、送信線22と
同様に、対応する折返部22aの端部と引回部25の他
端とに半田付けにより接続している。
【0037】マトリクスセンサ20は、送信側ガラスベ
ース基板17cの片面上に、送信側折返基板19a、送
信側引回基板19bおよび送信線22を透明接着剤によ
り貼り合わせて配置し、その上を覆うように外側ガラス
板17dを透明接着剤により貼り合わせている。
【0038】受信側ガラスベース基板17bの片面上に
は、受信側折返基板29a、受信側引回基板29bおよ
び受信線26を透明接着剤により貼り合わせて配置し、
その上を覆うように内部保護ガラス板17aを透明接着
剤により貼り合わせている。内側ガラス体17は、送信
側ガラスベース基板17cの他方の面と、受信側ガラス
ベース基板17bの他方の面とを透明接着剤により貼り
合わせて構成される。これにより、送信線22は送信側
ガラスベース基板17cと外側ガラス板17dとの間に
挾装され、受信線26は内部保護ガラス板17aと受信
側ガラスベース基板17bとの間に挾装されている。ま
た、送信線22と受信線26とは、内側ガラス体17の
互いに反対面に配置される。
【0039】複数の送信線22の表側である外側ガラス
板17dの表面の全面上には、シールド用の透明導電膜
が添設されている。透明導電膜は、酸化インジウム
(I.T.O.)の膜あるいは酸化スズの膜等を外側ガ
ラス板17dに蒸着させることにより形成される。
【0040】通常のパチンコゲーム機10に好適なマト
リクスセンサ20のパターンは、送信線22が32行、
受信線26が32列で、検知単位20aの個数が合計1
024個のパターンである。送信線22,受信線26を
構成するワイヤの太さは、好適に25μm〜30μmの
値に設定される。
【0041】図15および図16に示すように、マトリ
クスセンサ20には、受信側ガラスベース基板17bお
よび送信側ガラスベース基板17cの下端部に、コネク
タ取付板32が設けられている。コネクタ取付板32
は、押え部32aにより内側ガラス体17の下端を両側
から挟んで、内側ガラス体17に一体的に固定されてい
る。
【0042】図4および図5に示すように、マトリクス
センサ20の内側ガラス体17は、下端に送信・受信ボ
ード61を取付けている。送信・受信ボード61は、表
面ガラス体16とマトリクスセンサ20との間に配置さ
れている。送信・受信ボード61は、両面実装のプリン
ト基板により構成される取付基板61aを備えている。
【0043】図15および図16に示すように、送信・
受信ボード61を覆うように、マトリクスI/O ケース3
5が設けられている。送信・受信ボード61およびマト
リクスI/O ケース35は、ビス36およびナット38に
よりコネクタ取付板32に取付けられている。
【0044】送信・受信ボード61の取付基板61aに
は、送信回路40と、受信回路50と、送信コネクタお
よび受信コネクタ37の接合コネクタ37aとが取り付
けられている。送信コネクタ37の接合コネクタ37a
は、送信側引回基板19bの上に半田付けで面実装によ
り取付けられ、受信コネクタ37の接合コネクタ37a
は、受信側引回基板29bの上に半田付けで面実装によ
り取付けられている。送信コネクタ37は、各送信線2
2の送信端子23に接続され、送信回路40に各送信端
子23を接続するようになっている。受信コネクタ37
は各受信線23の受信端子27に接続され、受信回路5
0に各受信端子27を接続するようになっている。
【0045】送信回路40はマトリクスセンサ20の複
数の送信線22に所定の周波数の信号を順次送信する回
路であり、受信回路50は送信回路40と同期して複数
の受信線26から信号を順次受信する回路である。送信
回路40による送信線22への電圧波形としては、周波
数1〜1.3MHzの0Vを中心とした連続のサイン波
が好適である。
【0046】パチンコ玉を検知するためのパチンコ玉検
知装置を構成する信号処理システムは、図17〜図20
に示すとおりである。図17に示すように、マトリクス
センサ20は、マトリクスI/O 送信・受信ボード61を
介してCPUメモリコントロールボード62の統御下に
ある。CPUメモリコントロールボード62は、データ
処理装置を構成し、通信回線69で通信可能となってい
る。また、CPUメモリコントロールボード62は、C
PUユニット30がRAMカード63から監視ポイント
を読込むためのインターフェース部66を有している。
【0047】カード63は、パチンコ玉の監視ポイント
を読出し可能に記憶し、インターフェース部66に着脱
可能な監視メモリのメモリカードである。カード63
は、パチンコゲーム機10の盤面に設けられたセーフ孔
14a,14a…および打玉検出位置やアウト孔15の
位置のデータや、セーフ孔14a,14a…およびアウ
ト孔15に入るパチンコ玉の検出アルゴリズム等が監視
データとして記録されている。
【0048】CPUメモリコントロールボード62に接
続されているオプション64は、パチンコゲーム機10
の盤面11と内側ガラス体17との間で動き回るパチン
コ玉の軌跡を記録するための装置である。記録されたデ
ータは、パチンコ玉の軌跡を解析するためのソフトウェ
アを組み込んだコンピュータにかけられて演算処理さ
れ、パチンコ遊技場(ホール)で必要なデータを得るこ
とができる。
【0049】送信回路40は、図18に示すように、送
信コネクタ41と、送信コネクタ41に接続した増幅器
42およびチャンネル切替ロジック43と、増幅器42
およびチャンネル切替ロジック43に接続したアナログ
マルチプレクサ44と、アナログマルチプレクサ44に
接続するとともに、送信コネクタ37を介して複数、具
体的には32回路の送信線22側にそれぞれ接続した3
2個のPNP+NPNのトーテムポールドライバ45と
により構成されている。
【0050】受信回路50は、図19に示すように、受
信コネクタ37を介して複数、具体的には32回路の受
信線26側にそれぞれ接続した32個のCTトランス
(変流器)51と、CTトランス51に接続したアナロ
グマルチプレクサ52と、アナログマルチプレクサ52
に接続した増幅器53およびチャンネル切替ロジック5
4と、増幅器53およびチャンネル切替ロジック54に
接続した受信コネクタ55とにより構成されている。従
って、受信回路50は、各CTトランス51を介して各
受信線26から信号を受信するようになっている。
【0051】CTトランス51は、各受信線26とアナ
ログマルチプレクサ52とを絶縁するとともに、各受信
線26からの信号を10倍に増幅するものである。アナ
ログマルチプレクサ52は各CTトランス51から信号
を順次受信するものであり、増幅器53はアナログマル
チプレクサ52からの信号を増幅するものである。チャ
ンネル切替ロジック54は、送信回路40のチャンネル
切替ロジック43と同様の部材である。
【0052】図20に示すように、CPUメモリコント
ロールボード62は、送信側では、CPUユニット30
に接続したCPUコネクタ46と、CPUコネクタ46
を介してCPUユニット30からのスタート信号に応じ
て送信クロックを送るシーケンス制御回路47と、送信
クロックを受けて送信信号を送るバンドパスフィルタ4
8と、送信信号を増幅して送信コネクタへ送る増幅器4
9とを有している。
【0053】また、CPUメモリコントロールボード6
2は、受信側では、受信コネクタ55からの受信信号を
増幅する増幅器71と、増幅信号を受けるバンドパスフ
ィルタ72と、バンドパスフィルタ72からの受信信号
を受ける全波整流・増幅器73と、全波整流・増幅器7
3からの受信信号を受ける2段のローパスフィルタ74
a,74bと、ローパスフィルタ74bからの受信信号
を受け、シーケンス制御回路47により制御されてデジ
タルデータを双方向RAM76に送るA/Dコンバータ
75と、そのデジタルデータを受け、シーケンス制御回
路47により制御されて受信データを書込み、CPUコ
ネクタ46からの読出信号に応じて受信データをCPU
コネクタ46を介してCPUユニット30に送る双方向
RAM76とを有している。
【0054】双方向RAM76は、受信回路50からの
信号に基づいて、パチンコ玉の位置を各送信線22と各
受信線26とによる検知単位20aの検知データとして
記憶するメモリであって、内部にカウンタを持ってお
り、パチンコ玉のマトリックスデータの処理は、すべて
そのカウンタにより行なっている。さらに、CPUメモ
リコントロールボード62は、電源ユニット77を有し
ている。
【0055】CPUユニット30は、カード63の監視
領域データを読込むとともに、双方向RAM76の検知
データを読込み、検知データをパチンコ玉の監視領域デ
ータと対応させてパチンコ玉を監視するようになってい
る。
【0056】次に作用を説明する。CPUユニット30
からのアドレス信号およびコントロール信号は、CPU
コネクタ46を経て、マトリクスセンサ20に伝達され
る。
【0057】マトリクスセンサ20では、送信側で、シ
ーケンス制御回路47がスタート信号を受け、16MH
zの原振クロックを必要に応じて分周して送信クロック
を出力する。シーケンス制御回路47からの送信クロッ
クは、バンドパスフィルタ48によりデジタル信号から
アナログ信号へと波形整形された後、増幅器49により
増幅され、送信コネクタ41へと送られる。
【0058】さらに、送信信号は、送信回路40で増幅
器42により増幅される。アナログマルチプレクサ44
は、チャンネル切替ロジック43により切替えられたチ
ャンネルで、トーテムポールドライバ45を順次動作
し、それによりトーテムポールドライバ45は、増幅器
42により増幅された信号を所定の周期で送信線22に
順次出力するものである(図21ステップ91参照)。
【0059】マトリクスセンサ20では、送信回路40
から複数の折り返し状の送信線22に所定の周波数の信
号を順次送信し磁界を発生させると、その送信線22と
電磁的に結合した受信線26には、相互誘導作用により
起電力が発生する。このとき、金属であるパチンコ玉が
マトリクスセンサ20の検知単位20aに接近すると、
パチンコ玉の表面にはマトリクスセンサ20による磁束
を打ち消す方向に渦電流が発生する。送信線22は、そ
の渦電流の影響でインピーダンスが変化して電流を変化
させ、これに応じて、受信線26は起電力の大きさを変
化させる。
【0060】送信線22および受信線26は、折返部2
2aと送信端子23と引回部25とワイヤ28とにより
構成され、マトリクスセンサ20をワイヤ28により目
立たないよう細くすることができる。また、ワイヤ28
は、均一な太さとすることが容易なため、検出精度を良
好にするとともに、製造費を安価にすることができる。
【0061】送信端子23は、送信側引回基板19bの
上に一辺24aの対辺24bに最も近い位置で一辺24
aの隣辺24cに沿って形成されるので、送信端子23
を中央寄りに設けた場合に比べて、送信側引回基板19
bの一辺の長さが短くなる。これにより、送信側引回基
板19bの面積を小さくし、送信側引回基板19bの材
料費を安価なものとすることができる。
【0062】受信側引回基板29bで各引回部25はス
ルーホール81を通して各受信端子27に接続されてい
るため、同じ側から送信端子23および受信端子27に
送信回路40および受信回路50を接続することができ
る。
【0063】また、送信コネクタおよび受信コネクタ3
7の接合コネクタ37aを面実装により取付けているた
め、送信コネクタおよび受信コネクタ37の取付が容易
である。
【0064】受信側では、受信回路50は、シーケンス
制御回路47により送信回路40と同期し、各CTトラ
ンス51を介して各受信線26から信号を受信する。図
19に示すように、複数の受信線26にあらわれる電磁
特性値たる電流が、CTトランス51により10倍に増
幅される。
【0065】アナログマルチプレクサ52は、CTトラ
ンス51を経た各受信線26からの信号を、チャンネル
切替ロジック54により切替え、所定の周期で順次出力
するものである。アナログマルチプレクサ52からの信
号は、増幅器53により100倍に増幅される(図21
ステップ92参照)。
【0066】受信信号は、受信コネクタ55、増幅器7
1、バンドパスフィルタ72を経て、増幅および検波が
行なわれる。バンドパスフィルタ72からの受信信号
は、アナログ信号となっており、このアナログ信号は、
全波整流・増幅器73で波形整形が行なわれる。その全
波整流・増幅器73からの信号は、ローパスフィルタ7
4a,74bで積分処理により平均化が行なわれる。
【0067】次に、受信信号は、A/Dコンバータ75
に送られる。A/Dコンバータ75は、例えば12ビッ
ト等所定のビット単位でマトリクスセンサ20からの信
号をデジタル信号に変換し、シーケンス制御回路63に
より制御されて検知データを双方向RAM76に記録さ
せる(図21ステップ93参照)。
【0068】この処理スピードは、1秒間に2万5千回
の高速である。双方向RAM76は、シーケンス制御回
路63からの書込信号によりCPUユニット30の動作
とは無関係に検知データを記録した後、1クロックを入
力することによりアドレスを+1アップする(図21ス
テップ94参照)。双方向RAM76の容量は、例え
ば、2048バイトである。
【0069】次に、受信回路50のアナログマルチプレ
クサ52が、各受信線26からの信号を切替え(図21
ステップ95参照)、32本の受信線26に応じて32
回、上記ステップを繰返す(図21ステップ96参
照)。32回繰返したならば、送信回路40のアナログ
マルチプレクサ44が送信線22を切替え(図21ステ
ップ97参照)、再び、信号処理を繰返す。
【0070】こうして、受信信号が変化した受信線26
と、そのとき送信した送信線22,22…とをスキャン
ニングにより検出し、その交差位置からマトリクスセン
サ20でのパチンコ玉の位置を座標として把握すること
ができる。検知単位20aの個数は送信線22が32
行、受信線26が32列で合計1024個であるため、
パチンコ玉が盤面11のどのセーフ孔14aおよびアウ
ト孔15を通過しても検出することができる。
【0071】双方向RAM76は、受信回路50からの
信号に基づいて、受信信号が変化した受信線26と、そ
のとき送信した送信線22との交差位置からマトリクス
センサ20でのパチンコ玉の位置を各送信線22と各受
信線26とによる検知単位20aの検知データとして記
憶する。
【0072】CPUユニット30は、必要に応じて読出
スタート信号により双方向RAM76に記録されたパチ
ンコ玉の位置に関する検知データを読込み、演算処理を
行ない、検知データをカード63に記憶されるパチンコ
玉の監視データと対応させてパチンコ玉を監視する。
【0073】CPUユニット30は、この処理を繰返
す。マトリクスセンサ20は、パチンコゲーム機10の
盤面11でのパチンコ玉の入玉状況等、その動きを座標
の変化として追うことができる。パチンコゲーム機10
では、マトリクスセンサ20によりゲームの進行を監視
し、打玉、アウト玉、入賞役物装置14bのセーフ玉の
状況を知ることにより、打ち止め管理や不正による異常
のチェックをしたり、釘調整等のデータとして利用した
りすることができる。
【0074】なお、内側ガラス体17は、内部保護ガラ
ス板17a、受信側ガラスベース基板17b、送信側ガ
ラスベース基板17c、外側ガラス板17dの4重積層
により構成されるほか、受信側ガラスベース基板17b
および送信側ガラスベース基板17cを1枚で構成する
ことにより、3重積層の構成としてもよい。
【0075】
【発明の効果】本発明にかかるパチンコ玉検知装置およ
びパチンコゲーム機によれば、送信線および受信線は、
折返部と送信端子と引回部とワイヤとにより構成される
ので、マトリクスセンサをワイヤにより目立たないよう
細くすることができる。また、ワイヤは、均一な太さと
することが容易なため、検出精度を良好にするととも
に、製造費を安価にすることができる。また、送信端子
は、送信側引回基板の上に一辺の対辺に最も近い位置で
一辺の隣辺に沿って形成されるので、送信端子を中央寄
りに設けた場合に比べて、送信側引回基板の一辺の長さ
が短くなり、送信側引回基板の面積を小さくすることが
できるため、送信側引回基板の材料費を安価なものとす
ることができる。
【0076】受信側引回基板で各引回部がスルーホール
を通して各受信端子に接続されている場合には、同じ側
から送信端子および受信端子に送信回路および受信回路
を接続することができるので、接続が容易である。
【0077】送信コネクタおよび受信コネクタを面実装
により取付けた場合には、送信コネクタおよび受信コネ
クタの取付が容易である。
【0078】パチンコゲーム機では、パチンコ玉検知装
置により、盤面でのパチンコ玉の動きを座標の変化とし
て追うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のパチンコ玉検知装置の送信
側ガラスベース基板を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施例のパチンコゲーム機とパチン
コ玉検知装置とを概念的に分解した斜視図である。
【図3】本発明の一実施例のパチンコゲーム機の取付枠
を開いた状態の正面図である。
【図4】本発明の一実施例のパチンコ玉検知装置の概略
正面図である。
【図5】本発明の一実施例のパチンコ玉検知装置の概略
側面図である。
【図6】本発明の一実施例のパチンコゲーム機の部分縦
断面図である。
【図7】本発明の一実施例のパチンコ玉検知装置の送信
線の詳細な正面図である。
【図8】本発明の一実施例のパチンコ玉検知装置の送信
線のワイヤの接続状態を示す拡大断面図である。
【図9】本発明の一実施例のパチンコ玉検知装置の送信
側引回基板を示す正面図である。
【図10】本発明の一実施例のパチンコ玉検知装置の受
信側ガラスベース基板を示す正面図である。
【図11】本発明の一実施例のパチンコ玉検知装置の送
信側折返基板を示す正面図である。
【図12】本発明の一実施例のパチンコ玉検知装置の受
信側引回基板を示す正面図である。
【図13】本発明の一実施例のパチンコ玉検知装置の受
信側引回基板を示す背面図である。
【図14】本発明の一実施例のパチンコ玉検知装置の受
信側折返基板を示す正面図である。
【図15】本発明の一実施例の図4に示すパチンコ玉検
知装置のXVーXV線断面図である。
【図16】本発明の一実施例の図4に示すパチンコ玉検
知装置のXVIーXVI線断面図である。
【図17】本発明の一実施例のパチンコ玉検知装置の概
略構成図である。
【図18】本発明の一実施例のマトリクスI/O 送信・受
信ボードの送信回路のブロック図である。
【図19】本発明の一実施例のマトリクスI/O 送信・受
信ボードの受信回路のブロック図である。
【図20】本発明の一実施例のCPUメモリコントロー
ルボードの受信および送信回路のブロック図である。
【図21】本発明の一実施例のパチンコ玉検知装置のス
キャンニングのフローチャートである。
【符号の説明】
B…パチンコ玉、10…パチンコゲーム機、11…盤
面、14a…セーフ孔、15…アウト孔、17…内側ガ
ラス体、17a…内部保護ガラス板、17b…受信側ガ
ラスベース基板、17c…送信側ガラスベース基板、1
7d…外側ガラス板、19a,29a…折返基板、19
b,29b…引回基板、20…マトリクスセンサ、20
a…検知単位、22…送信線、23…送信端子、25…
引回部、26…受信線、27…受信端子、22a,26
a…折返部、28…ワイヤ、30…CPUユニット、4
0…送信回路、50…受信回路、61…マトリクスI/O
送信・受信ボード、62…CPUメモリコントロールボ
ード。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パチンコゲーム機の盤面に沿って設けられ
    るパチンコ玉検知装置において、 複数の並列した折り返し状の送信線をほぼ四角形状のガ
    ラスベース基板の片面に取り付け、パチンコ玉の接近に
    より電磁特性が変化する複数の並列した折り返し状の受
    信線を、前記送信線と交差方向で電磁的に結合させて前
    記ガラスベース基板の反対面に配置して、各送信線と各
    受信線との包囲部に検知単位を有する面状のマトリクス
    センサを構成し、 前記ガラスベース基板に、送信側折返基板と、送信側引
    回基板と、受信側折返基板と、受信側引回基板とを設
    け、前記送信側折返基板は、前記片面の一辺に沿って配
    置され、前記送信側引回基板は、前記片面の前記一辺の
    対辺および該一辺の隣辺に沿って配置され、前記受信側
    折返基板は、前記反対面の前記隣辺の対辺に沿って配置
    され、前記受信側引回基板は、前記反対面の前記隣辺に
    沿って配置され、 前記送信線は、折返部と、送信端子と、引回部と、ワイ
    ヤとにより構成され、前記折返部は、前記送信側折返基
    板の上に導電体パターンにより形成され、前記送信端子
    は、前記送信側引回基板の上に前記一辺の対辺に最も近
    い位置で前記一辺の隣辺に沿って形成され、前記引回部
    は、前記送信側引回基板の上に導電体パターンにより形
    成されて一端が対応する前記送信端子に接続し、前記ワ
    イヤは、対応する前記折返部の端部と前記引回部の他端
    とに接続し、 前記受信線は、折返部と、受信端子と、引回部と、ワイ
    ヤとにより構成され、前記折返部は、前記受信側折返基
    板の上に導電体パターンにより形成され、前記受信端子
    は、前記一辺の対辺に沿って前記受信側引回基板の上に
    形成され、前記引回部は、前記受信側引回基板の上に導
    電体パターンにより形成されて一端が対応する前記受信
    端子に接続し、前記ワイヤは、対応する前記折返部の端
    部と前記引回部の他端とに接続していることを、 特徴とするパチンコ玉検知装置。
  2. 【請求項2】前記受信端子は、前記ガラスベース基板の
    外側に突出して前記送信端子と同方向に面し、前記受信
    線の前記引回部の前記他端は、前記受信側引回基板の前
    記受信端子と反対側の面に設けられ、前記受信側引回基
    板は、各引回部に対応するスルーホールを有し、各引回
    部は該スルーホールを通して各受信端子に接続されてい
    ることを特徴とする請求項1記載のパチンコ玉検知装
    置。
  3. 【請求項3】前記送信側引回基板の上に送信回路に各送
    信端子を接続するための送信コネクタを面実装により取
    付け、前記受信側引回基板の上に受信回路に各受信端子
    を接続するための受信コネクタを面実装により取付けた
    ことを特徴とする請求項1または2記載のパチンコ玉検
    知装置。
  4. 【請求項4】請求項1,2または3記載のパチンコ玉検
    知装置を盤面に沿って内側ガラス体の取付枠に取付けた
    ことを特徴とするパチンコゲーム機。
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