JP2751948B2 - 高強度セメント硬化体の製造方法 - Google Patents

高強度セメント硬化体の製造方法

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JP2751948B2
JP2751948B2 JP18290493A JP18290493A JP2751948B2 JP 2751948 B2 JP2751948 B2 JP 2751948B2 JP 18290493 A JP18290493 A JP 18290493A JP 18290493 A JP18290493 A JP 18290493A JP 2751948 B2 JP2751948 B2 JP 2751948B2
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  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度セメント組成
物、特に、硬化過程での収縮値を大幅に低減した、低収
縮性の高強度セメント組成物を用いた低収縮性の高強度
セメント硬化体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、高曲げ強度を得るた
め、アルミナセメントを主成分とした高強度のセメント
組成物として、アルミナセメント、超微粉、分散剤、及
び少量の水からなる超緻密性組成物等が提案された(特
開昭62−265159号公報)。
【0003】しかしながら、これらは、高炉の耐火壁や
金属の鋳造型などに使用されたが、硬化過程での収縮値
が線収縮値で2,000〜3,000μと大きいため、耐火壁の場
合はひび割れが発生したり、下地壁と剥離したりするな
どの課題があった。
【0004】また、鋳造型等、形状の複雑な異形成形体
では転写精度が劣ったり、ひび割れが発生したりするな
どの課題があった。
【0005】本発明者は、上記課題を解決すべく種々検
討した結果、特定の材料を用いることにより、上記課題
が解決できる知見を得て本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、アルミ
ナセメントを含有してなるアルミナセメント質物質と、
硬化調整剤と、水とを混練して混練物を調整し、該混練
物と、エトリンガイト生成物を含有するエトリンガイト
生成物質とを混合・混練してセメント硬化体を成形し、
養生することを特徴とする高強度セメント硬化体の製造
方法である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明で使用するアルミナセメント質物質
とは、アルミナセメント、超微粉、及び分散剤を含有し
てなるものである。
【0009】ここで、アルミナセメントとは、カルシウ
ムアルミネートの一種であり、CaOをC、Al2O3をAとする
と、CA、CA2、及びCA6等と示される鉱物組成を主成分と
するものや、C12A7やC11A7・CaF2などの鉱物組成で示さ
れるもの、さらに、Fe2O3をFとすると、C6A2FやC4AFな
どの鉱物組成で示されるもののうちの一種又は二種以上
を主成分とするものであり、一般には、これらの混合物
である、非晶質が40重量%以下である結晶質のカルシウ
ムアルミネートを示す。微量成分として、僅かのSiO2
TiO2などの不純物を含んだものであっても良く、水和活
性のないAl2O3やSiO2などを含んだものの使用も可能で
ある。
【0010】アルミナセメントの粒度は、特に限定され
るものではないが、5〜30μが好ましい。
【0011】アルミナセメントの市販品としては、電気
化学工業社製商品名「デンカアルミナセメント1号」、
「デンカアルミナセメント2号」、「デンカハイアルミナ
セメント」、及び「デンカハイアルミナセメントスーパ
ー」等、日本セメント社製商品名「アサノアルミナセメン
ト」、並びに、旭硝子社製商品名「アサヒホンジュ」等が
挙げられる。
【0012】超微粉とは、アルミナセメントの粒子より
1オーダー、好ましくは2オーダー細かい粒子であり、
平均粒径が2μ以下のものがより好ましい。
【0013】超微粉を構成する成分的な制限は特にない
が、水に対して易溶性のものは適当でない。
【0014】また、超微粉の製造方法は、液相、気相、
粉砕、及び分級又はそれらの組合せなどいずれの方法で
も良く、特に制限されるものではない。そして、超微粉
は、経済性の面から、粉砕や分級によって製造されるも
の、気相法によって副生成物として製造されるもので、
シリコン、含シリコン合金、及びジルコニア製造時の副
産物であるシリカ質ダスト(シリカヒューム)やシリカダ
スト、並びに、ボーキサイトをカセイソーダ溶液ととも
に蒸気加熱で溶解させた後、水酸化アルミニウムを析出
させ、焼成することにより得られるバイヤー法によるア
ルミナの超微粉(セラミックスの製造プロセス−粉末調
製と成形−、日本セラミックス協会編、昭和61年1月15
日発行、P99)等が有効である。
【0015】その他の超微粉として、炭酸カルシウム、
シリカゲル、オパール質珪石、酸化チタン、珪酸ジルコ
ニウム、酸化ジルコニウム、スピネル(MgO・Al2O3)、各
種ガラス、ベントナイト等の粘土鉱物やその仮焼物、非
晶質アルミノシリケート、酸化クロム、活性炭、高炉ス
ラグ、及びフライアッシュなどの超微粉の一種又は二種
以上が使用可能である。
【0016】超微粉の使用量は、混練物の流動性、成形
性、耐熱性、及び高強度特性等の面から、アルミナセメ
ント100体積部に対して、5〜1,000体積部が好ましく、
10〜500体積部がより好ましい。超微粉が5体積部未満
では混練物の良好な流動性を得ることが水量の少ない場
合に難しく、1,000体積部を超えると良好な流動性を得
ることは難しく、かつ、表面の耐摩耗性や強度特性も不
充分となる傾向がある。特に、110℃、1日乾燥での曲
げ強度300kgf/cm2以上を確保するためには、一定量以上
のセメントが必要であり、その場合の超微粉の使用量
は、アルミナセメント100体積部に対して、10〜50体積
部が好ましい。
【0017】本発明で使用する分散剤としては高性能減
水剤の使用が有効である。
【0018】ここで、高性能減水剤とは、特に、土木建
築分野で使用されているものであり、セメントの遅延作
用の少ない分散剤で、各種材料と水の系において湿潤性
や流動性を確保するために用いる界面活性剤である。具
体的には、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物
の塩、アルキルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド
縮合物の塩、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮
合物の塩、高分子量リグニンスルホン酸塩、及びポリカ
ルボン酸塩等を主成分としたものが挙げられる。この
内、経済性と分散効果の面から、ナフタレンスルホン酸
やアルキルナフタレンスルホン酸のホルムアルデヒド縮
合物の塩の使用が好ましい。
【0019】分散剤の使用量は、アルミナセメント、超
微粉、及びエトリンガイト生成物の合計(以下粉体とい
う)100重量部に対して、1〜5重量部が好ましく、1.5
〜4重量部がより好ましい。1重量部未満では分散力が
不充分であり、練り混ぜる水量が粉体に対して30重量%
以下とはなりにくく、5重量部を越えてもより以上の減
水効果は得られない。
【0020】さらに、混練や流し込みなどを行う作業時
間の確保やアルミナセメントの硬化調整のために、硬化
調整剤を併用する。
【0021】硬化調整剤としては、各種硫酸塩、硝酸
塩、炭酸塩、リチウム塩、及びホウ砂等の無機塩、塩化
カルシウム、並びに、ホウ酸等の無機物、さらに、クエ
ン酸、トリポリリン酸、ピロリン酸、酒石酸、及びグル
コン酸等の有機酸又はそれらの塩等が挙げられ、その内
の一種又は二種以上の使用が可能であり、これらの硬化
調整剤には分散効果をあわせ持つものもある。
【0022】硬化調整剤は、粉末のままで併用すること
も可能であるが、混合性の面から、水に溶解してから併
用することが好ましい。
【0023】硬化調整剤の使用量は、アルミナセメン
ト、超微粉、及びエトリンガイト生成物の合計、即ち、
粉体100重量部に対して、0.005〜2重量部が好ましい。
【0024】上記材料を練り混ぜる水の量は、粉体100
重量部に対して、30重量部以下が好ましく、25重量部以
下がより好ましい。30重量部を越えると曲げ強度が充分
得られない傾向がある。
【0025】本発明では、不活性な無機粉末である不活
性粉で粉体を置換することは、耐熱性の向上という面か
ら好ましい。
【0026】不活性粉とは、水和反応に対して、不活性
な無機質粉末の粒子からなるものであり、その粒径は1
〜100μ程度であり、成分的な制限は特になく、酸化物
や非酸化物のセラミックスなどの使用も可能である。
【0027】本発明におけるエトリンガイト生成物質は
エトリンガイトを生成するもの、即ち、エトリンガイト
生成物(以下CSA生成物という)を含有するものであ
る。
【0028】CSA生成物とは、カルシウムサルホアル
ミネート系、セッコウ系、カルシウムアルミネートとセ
ッコウの混合物、ミョウバン系、仮焼ミョウバン系、及
び硫酸アルミニウム系又はこれらを含有してなる混合物
である。
【0029】CSA生成物の粒度は1〜30μであること
が好ましい。粒度が1μ未満の場合にはアルミナセメン
ト質物質の混練物とエトリンガイト生成物質を混合・混
練した後の充分な可使時間を得ることが困難となり、粒
度が30μを越える場合には硬化過程での収縮を低減する
効果は少ない傾向がある。
【0030】CSA生成物の具体例としては、カルシウ
ムサルホアルミネート系としては、電気化学工業社製商
品名「デンカCSA#20」や「デンカCSA100R」、
日本セメント社製商品名「アサノジプカル」などが、そし
て、セッコウ系としては、無水セッコウを主成分とし
た、電気化学工業社製商品名「デンカΣ−1000」など
が、そして、カルシウムアルミネートとセッコウの混合
物としては、C11A7・CaF2とセッコウを含有してなる超速
硬セメント、小野田セメント社製商品名「小野田ジェッ
トセメント」やCA2、CA、C11A7・CaF2、C3A3・CaF2、及びC
12A7の群から選ばれた一種又は二種以上の鉱物組成に対
応する結晶質又は非晶質のカルシウムアルミネートとセ
ッコウとの混合物を主成分とした、例えば、電気化学工
業社製商品名「デンカナトミック」や「デンカES」、並び
に、アルミナセメントとセッコウの混合物などが挙げら
れ、これらの混合物の使用も可能である。
【0031】エトリンガイト生成物の使用量は、アルミ
ナセメントとエトリンガイト生成物の合計100重量部に
対して、5〜35重量部が好ましい。5重量部未満では硬
化収縮を低減する効果は少なく、35重量部を越えると、
110℃で1日乾燥した後の曲げ強度を30kgf/cm2以上にす
ることが困難である。
【0032】これらエトリンガイト生成物質とアルミナ
セメント質物質の混練物とを混合することにより、硬化
過程での収縮、即ち、硬化収縮の大幅低減が可能であ
る。
【0033】アルミナセメント質物質の混練物とエトリ
ンガイト生成物質との混合・混練後の充分な作業時間を
確保するためには、エトリンガイト生成物質に、CSA
生成物の硬化調整剤を含有させ、スラリー化し、アルミ
ナセメント質物質の混練物と混合・混練する方法が好ま
しい。
【0034】硬化調整剤としては、硫酸塩、硝酸塩、重
炭酸塩、炭酸塩、カリウム塩、ナトリウム塩、及びホウ
砂等の無機塩、塩化カルシウム、並びに、クエン酸、酒
石酸、及びグルコン酸等のオキシカルボン酸、トリポリ
リン酸、並びに、ピロリン酸等の有機酸、さらに、ホウ
酸等の無機酸等が挙げられ、その内の一種又は二種以上
の使用が可能である。
【0035】硬化調整剤の使用量は、CSA生成物100
重量部に対して、0.001〜5重量部が好ましい。
【0036】従来のアルミナセメント質物質のみを混練
しただけでは、H2OをHとすると、混練物から直接C3AH6
やAH3などの水和生成物が形成されて硬化反応がおこる
ため、硬化収縮値が2,000〜3,000μと大きいものであっ
た。さらに、アルミナセメント質物質とエトリンガイト
生成物質を粉体で混合した混合物を単に混練しただけで
は、やはり硬化収縮値が2,000〜3,000μと大きいもので
あった。これは、エトリンガイト生成物質が水和して、
しっかりとしたエトリンガイトを形成するより先に、ア
ルミナセメント質物質の水和が先行するためと考えられ
る。
【0037】本発明は、アルミナセメント質物質と硬化
調整剤の混練物とエトリンガイト生成物質を混合・混練
することにより、一旦、エトリンガイトが形成され、ア
ルミナセメント質物質の混練物とエトリンガイト生成物
質との混練物は硬化してセメント硬化体を形成する。そ
の後、C3AH6やAH3などのアルミナセメント質物質の水和
物が形成され、セメント硬化体は完全硬化する。つま
り、アルミナセメント質物質の水和物形成の際、アルミ
ナセメント質物質の混練物とエトリンガイト生成物質と
の混練物は、エトリンガイトを形成して充分硬化してい
るため、硬化収縮値が大幅に低減されるものと考えられ
る。
【0038】従って、アルミナセメント質物質とエトリ
ンガイト生成物質の水和速度を各々制御することは重要
であり、各々の硬化調整剤により硬化速度を制御した、
アルミナセメント質物質の混練物とエトリンガイト生成
物質とを混合・混練することが必要である。
【0039】特に、アルミナセメント質物質に、硬化調
整剤を加えて混練し、アルミナセメントの水和を制御さ
せた後、アルミナセメント質物質の混練物と、アルミナ
セメントより水和速度が大きく、非晶質のC12A7を主成
分とするもので、通常、非晶質を60重量%以上含有する
カルシウムアルミネートとセッコウの混合物とを混合・
混練する方法が最も好ましい。
【0040】ここで、カルシウムアルミネートとセッコ
ウの混合比率は、カルシウムアルミネートがカルシウム
アルミネートとセッコウとの混合物100重量部に対し
て、20〜80重量部であることが好ましい。
【0041】本発明においては、上記各種の材料より大
きな粒径を持つ骨材を併用することが可能である。
【0042】骨材とは、本発明では100μを越える粒径
のものをいい、一般の砂や砂利でも使用可能であり、モ
ース硬度6以上又はヌープ圧子硬度700kgf/mm2以上の基
準で選定された硬質骨材を使用することももちろん可能
であり、それ以外の金属やガラスなどの使用も可能であ
る。
【0043】なお、耐熱性が特に要求される場合には、
溶融シリカ、シャモット、ボーキサイト、重焼ばん土け
つ岩、陶磁器粉砕品、高炉スラグ、フェロクロムスラ
グ、クロム鉄鉱、マグネシア、ジルコニア、アンダリュ
ーサイト合成ムライト、アルミナ、及びスピネル等の酸
化物系の耐火物骨材の使用が好ましい。
【0044】これら骨材の使用量は、粉体100重量部に
対して、1,000重量部程度迄が好ましい。ただし、プレ
パックド工法やポストパックド工法などの特殊な工法に
おいてはこの限りではない。
【0045】さらに、本発明では上記材料を鉄骨や鉄筋
などの補強材や、繊維等と組合せ、引張りや曲げなどの
補強をすることが可能である。
【0046】ここで繊維としては、鋳鉄のびびり切削法
による繊維、スチール繊維、及びステンレス繊維等の金
属繊維、石綿、セラミックファイバー、及びアルミナ繊
維等の天然又は合成鉱物繊維、並びに、炭素繊維やガラ
ス繊維等が挙げられる。
【0047】また、補強材として従来より用いられてい
る鋼棒やアルミナ繊維等の成形体などを用いることも可
能であり、特に、大型成形体にはこれら補強材がしばし
ば必要となる。流動性を損なわないという面からは3mm
程度の長さの金属繊維や、さらに、それよりも短いウィ
スカー等が好ましい。耐熱性を考慮して高温までの補強
材や繊維の併用効果を期待する場合には、ステンレス繊
維等の金属繊維や、ウィスカー又は無機繊維、それらの
成形体等の使用が有効である。
【0048】上記各材料の練り混ぜ方法や投入順序に
は、アルミナセメント質物質の混練物とエトリンガイト
生成物質とを混合・混練する以外は、特に制限はなく、
上記各材料が均一に混練されれば良い。
【0049】アルミナセメント質物質の混練物とエトリ
ンガイト生成物質とを混合・混練して、成形してセメン
ト硬化体とし、それを養生する。
【0050】養生は2段階に分けて行うことが好まし
い。
【0051】第1段階の養生方法としては、湿空養生、
蒸気養生、又は水中養生することが好ましい。
【0052】使用水量は、本発明では、低水量である
が、C3A・3CaSO4・31〜32Hである生成エトリンガイト中の
含有水量が45.1〜45.9重量%と非常に大きい。従って、
本発明の主旨からしても、硬化収縮を低減させるエトリ
ンガイトを生成させるためには外部からの充分な水が供
給される必要があると考えられる。
【0053】以上の方法により製造されたセメント硬化
体は、従来の高強度のセメント硬化体と比較して著しく
低い硬化収縮を示す。
【0054】本発明における硬化収縮値は(長さ収縮率)
/(単位ペースト量)で算出する。ただし、単位ペースト
量は、アルミナセメント質物質、CSA生成物、及び水
個々の体積の和をセメント硬化体の体積で除した体積比
率である。
【0055】即ち、単位ペースト量は、長さ収縮率と比
例関係をなすものと考えられることから、長さ収縮率
を、単位ペースト量で除した値が硬化収縮値となる。
【0056】ここで長さ収縮率は、混練物を標線用乳白
ガラスの貼り付けられている4×4×16cmの型枠に流し
込み、所定の養生後脱型し、標線用乳白ガラスから転写
された標線により、長さ収縮率をJIS A 1129の方法で求
めるものである。
【0057】硬化収縮値は養生によって変化し、本発明
では、養生を、20℃、湿空又は水中で2時間〜3日行う
ことが可能であるが、20℃水中養生で2時間〜3日養生
し、硬化収縮を1,300μ以下にすることが好ましく、800
μ以下にすることがより好ましい。硬化収縮値が1,300
μを越えると、耐火壁の場合はひび割れが発生したり、
下地壁との剥離がおこったり、鋳造型等の複雑な異形成
形体では転写精度が劣ったり、びひび割れが発生したり
する等の傾向があるが、硬化収縮値が1,300μ以下の場
合は、これらのひび割れや剥離は抑制され、転写精度は
優れたものとなる。
【0058】これらの硬化収縮値が著しく低い値を示す
原因については上記の機構によるエトリンガイトの形成
が大きく寄与していると思われる。
【0059】硬化体中のエトリンガイトの検出方法とし
ては、X線回析や、示差熱分析(DTA)や示差走査熱分
析(DSC)などの熱分析方法が用いられる(内川浩ら、
セメント技術年報34、昭和55年、P58)。
【0060】セメント硬化体を分析すると、目的主要生
成物であるエトリンガイトが検出される他、モノサルフ
ェート(C3A・CaSO4・12H)も検出されることもある。
【0061】以上により硬化した硬化体に第2段階の養
生を行い、完全硬化する。
【0062】第2段階の養生方法としては、高温高湿、
高温水中、又は高温高圧条件で養生することが好まし
い。
【0063】第2段階の養生温度は30℃以上が好まし
く、40℃以上がより好ましい。また、湿度は70%以上が
好ましく、水中に埋没させる方法がより好ましい。
【0064】
【実施例】以下実施例で本発明を具体的に説明する。
【0065】実施例1 表1に示すように、アルミナセメント、超微粉、分散
剤、硬化調整剤、及び水を混練してアルミナセメント質
物質の混練物を作製し、この混練物、骨材250重量部、
並びに、繊維7重量部、さらには、表1に示すように、
CSA生成物と硬化調整剤からなるエトリンガイト生成
物質の混練物を混合・混練して高強度セメント組成物の
混練物を得た。この混練物を標線用乳白ガラスの貼り付
けられている4×4×16cmの型枠に流し込み、成形して
供試体とした。養生条件は流し込み後、20℃水中養生と
し、1日後に脱型し、標線用乳白ガラスから転写された
標線により長さ収縮率をJIS A 1129の方法で測定し、硬
化収縮値を算出した。さらに供試体を50℃3日間、水中
養生し、その後、110℃1日乾燥した後の曲げ強度を測
定した。これらの結果を従来の高強度のセメント組成物
を用いた結果と合わせ表1に示す。
【0066】<使用材料> アルミナセメントA:電気化学工業社製商品名「デンカ
アルミナセメント1号」主要鉱物CAとCA2、平均粒径10
μ、X線回析による結晶質は65重量%、比重2.9 アルミナセメントB:主要鉱物C4AF、C:A:F=400:102:1
60の重量割合で配合し、1,350〜1,360℃で1時間保持し
て焼成し、その後、平均粒径で12μに粉砕したもの。X
線回析による結晶質は95重量%、比重3.8 超微粉C :アルミナ超微粉、透過型電顕による平均粒
径0.2μ、比重3.9 超微粉D :シリカヒューム、透過型電顕による平均粒
径0.2μ、比重2.2 分散剤 :高性能減水剤、第一工業製薬製商品名「セ
ルフロー110P」 硬化調整剤E:クエン酸、一級試薬 硬化調整剤F:炭酸カリウム、一級試薬 硬化調整剤G:硫酸ナトリウム、一級試薬 硬化調整剤H:炭酸リチウム、一級試薬 硬化調整剤J:ホウ酸、一級試薬 骨 材 :日本磁力選鉱社製商品名「メタレット、0.1
5mm通過品」、比重7.8 繊 維 :神戸鋳鉄所製びびり切削法による鋳鉄の繊
維、径60μ、長さ3mm、比重7.8 CSA生成物K:C12A7、C/Aを45/55の重量割合で配合
し、1,600℃で電融させ急冷させたものを平均粒径7μ
に粉砕したもの。X線回析による非晶質は85重量%、比
重2.9 CSA生成物L:CaSO4、II型無水セッコウ、平均粒径
6μ、比重2.9 CSA生成物M:主要鉱物C3A3・CaSO4、平均粒径10μ、
比重2.9
【0067】
【表1】
【0068】比較例1 実施例1の実験No.1−10と実験No.1−12の
配合において、超微粉、分散剤、及びCSA生成物とを
予め混合した後、この混合物に、アルミナセメント、硬
化調整剤、及び水を加え、混練し、高強度セメント組成
物の混練物を得た。この高強度セメント組成物の混練物
を実施例1と同様に養生し、硬化させ硬化収縮値を求め
た、同様に50℃で水中養生し、乾燥した後、曲げ強度
を測定した。これらの結果を表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】表2から明らかなように、アルミナセメン
ト質物質の混練物とエトリンガイト生成物質を混合した
実施例1と比較して、長さ収縮率や硬化収縮値が大き
い。
【0071】
【発明の効果】本発明法により、硬化過程での収縮量を
大幅に低減した。また、110℃で1日乾燥させた後の曲
げ強度が300kgf/cm2以上を示す高強度のセメント硬化体
を提供することが可能となった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナセメントを含有してなるアルミ
    ナセメント質物質と、硬化調整剤と、水とを混練して混
    練物を調整し、該混練物と、エトリンガイト生成物を含
    有するエトリンガイト生成物質とを混合・混練してセメ
    ント硬化体を成形し、養生することを特徴とする高強度
    セメント硬化体の製造方法。
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