JP2751824B2 - 高周波加熱装置及び高周波加熱方法 - Google Patents

高周波加熱装置及び高周波加熱方法

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JP2751824B2
JP2751824B2 JP6066119A JP6611994A JP2751824B2 JP 2751824 B2 JP2751824 B2 JP 2751824B2 JP 6066119 A JP6066119 A JP 6066119A JP 6611994 A JP6611994 A JP 6611994A JP 2751824 B2 JP2751824 B2 JP 2751824B2
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    • H01J9/24Manufacture or joining of vessels, leading-in conductors or bases
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J29/00Details of cathode-ray tubes or of electron-beam tubes of the types covered by group H01J31/00
    • H01J29/94Selection of substances for gas fillings; Means for obtaining or maintaining the desired pressure within the tube, e.g. by gettering
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H05B6/10Induction heating apparatus, other than furnaces, for specific applications

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  • Constitution Of High-Frequency Heating (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば蛍光表示管等の
外囲器内に設けられて外囲器内の真空度を保持するゲッ
ターを高周波加熱するための高周波加熱装置及び高周波
加熱方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば陽極電圧を制御することにより、
発光色の異なる表示が得られる蛍光表示管として、フィ
ラメント(陰極)、制御電極及び陽極を有する直熱形の
3極真空管構造の蛍光表示管を例にとって説明する。
【0003】この種の蛍光表示管を製造する場合には、
まず、配線導体が形成された陽極基板上に発光表示部と
なる陽極を作る。次に、フィラメント、制御電極、ゲッ
ター等の各種電極類が設けられたスペーサフレームを陽
極基板上に位置決めして配置し、陽極基板の表面縁部分
には予め封着材を塗布してある。そして、予め陽極基板
との接合面に封着材が塗布された側面板と前面板からな
る容器部をスペーサフレームが配置された陽極基板上に
被せて外囲器を組み立てる。この状態で、外囲器を例え
ば400〜600℃で焼成して封着材を溶融し、接合面
を封着して箱形の外囲器を形成する。この後、外囲器の
排気口より排気して内部を例えば10-5〜10-7Torrの
高真空状態に保持しながら封止する。さらに、外囲器内
の真空度を保持するために、リング状のゲッターを高周
波加熱して外囲器の内壁面にゲッターミラーを形成し
(ゲッターリング工程)、陽極やフィラメント等から発
生する残留ガスをゲッターミラーに吸着させる。この
後、スペーサフレームの周囲を切断し、エージング工程
を経て表示管が完成する。
【0004】ところで、外囲器内の真空度を保持するた
めのゲッターは、リング状の容器中にバリウム等のゲッ
ター材料が埋め込まれており、このゲッター材料を蒸発
させて外囲器の内壁面にゲッターミラーを形成するため
には、例えば1100〜1200℃の高温に加熱する必
要があった。
【0005】このゲッターの加熱に用いられる高周波加
熱装置は、図12に示すように、ゲッター1とほぼ同径
の磁性材料からなる高周波加熱用コア2の周囲に誘導子
としての高周波用コイル3を巻き、この高周波加熱用コ
イル3の両端に高周波電流を流すための交流源4を接続
して構成されるものである。この高周波加熱装置は、ゲ
ッター1の直上で容器部5を構成する前面板6の表面6
aに高周波加熱用コア2を接触させた状態で、高周波加
熱コイル3に数ギガヘルツの交流の高周波電流を流すこ
とにより反転磁場を発生する。そして、この反転磁場の
中に位置するゲッター1は、高周波電流が流れることに
よる金属の抵抗によって高周波加熱されることになる。
なお、高周波加熱用コア2は、一般には鉄やフェライト
で構成されるが、特に磁束を収束させるためにフェライ
トが使用される。
【0006】ところで、上述した蛍光表示管に使用され
るスペーサフレーム7は、ニッケル(42%)、クロム
(6%)残部鉄からなるを主成分とする426合金の導
体で構成され、焼成時の加熱により、図11に示す磁化
曲線のヒステリシスの磁気飽和状態Pよりも透磁率の大
きい0点の消磁状態にある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の高周波加熱装置を用いてゲッター1を高周波加
熱すると、反転磁束がゲッター1の直下に配設されたス
ペーサフレーム7にも貫通して磁気漏洩が生じる。この
ため、スペーサフレーム7は、高周波加熱装置からの漏
洩磁束により図11の初期磁化曲線をたどることにな
り、磁束密度Bが大きく変化して加熱される。この結
果、スペーサフレーム7は、熱変形にを起こしてたわむ
ため、フィラメント8と陽極との間の高さにバラツキが
生じ、蛍光体層に対して均一に電子を射突させることが
できず、安定した発光動作が得られなかった。また、高
周波加熱装置からの漏洩磁束によってスペーサフレーム
7が300〜600℃以上の高温に加熱されと、スペー
サフレーム7がたわんで変形するだけでなく、スペーサ
フレーム7と封着材9との熱膨張の差で封着材9が溶融
し、スペーサフレーム7が移動してクラックが生じた
り、封着材9の剥離により熔解ガラスが飛散してゴミと
なり、表示管自身が使い物にならないおそれがあった。
【0008】また、ゲッター1は、通常、外囲器10内
の表示領域から離れた位置に設けられているが、近年で
は、超薄型の蛍光表示管も出現している。従って、この
種の表示管では、ゲッター1とスペーサフレーム7との
間の距離が非常に狭く、高周波加熱装置からの漏洩磁束
がゲッター1の直下に位置するスペーサフレーム7だけ
でなく、スペーサフレーム7の周囲、すなわち、表示領
域の制御電極まで及んで熱変形の原因になっていた。
【0009】そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなさ
れたものであって、その目的は、ゲッター等の被加熱体
の近傍に位置するスペーサフレーム、制御電極、陰極支
持体等の導体部品の発熱を抑えることができる高周波加
熱装置及び高周波加熱方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の高周波加熱装置は、被加熱体を加熱する
ための高周波加熱用コアの近傍で、該コアからの漏洩磁
束が及ぶ範囲に設けられた導体部品に接触または近接さ
せて該導体部品に静磁界をかけるフェライト磁石を固定
または移動可能に配設したことを特徴としている。
【0011】請求項2の高周波加熱装置は、前記導体部
品に静磁界をかける手段がフェライト磁石を固定または
移動可能に配設したことを特徴としている。
【0012】請求項3の高周波加熱装置は、表示管の外
囲器内に配設されたゲッターを加熱して前記外囲器の内
壁面にゲッターミラーを形成するための高周波加熱用コ
アの近傍で、かつ前記表示管のスペーサフレームに接触
させた状態に固定または移動可能にフェライト磁石を配
設したことを特徴としている。
【0013】請求項4の高周波加熱装置は、表示管の外
囲器内に配設されたゲッターを加熱して前記外囲器の内
壁面にゲッターミラーを形成するための高周波加熱用コ
アの近傍で、かつ前記表示管のスペーサフレームに磁界
が及ぶ範囲に近接させた状態に固定または移動可能にフ
ェライト磁石を配設したことを特徴としている。
【0014】請求項5の高周波加熱装置は、表示管の外
囲器内に配設されたゲッターを加熱して前記外囲器の内
壁面にゲッターミラーを形成するための高周波加熱用コ
アの両側にフェライト磁石が配設され、一方のフェライ
ト磁石は、前記高周波加熱用コアの近傍で、かつ前記表
示管のスペーサフレームに接触させた状態に固定または
移動可能に配設され、他方のフェライト磁石は、前記外
囲器の外周面に接触または近接した状態に固定または移
動可能に配設されたことを特徴としている。
【0015】請求項6の高周波加熱装置は、表示管の外
囲器内に配設されたゲッターを加熱して前記外囲器の内
壁面にゲッターミラーを形成するための高周波加熱用コ
アの両側にフェライト磁石が配設され、一方のフェライ
ト磁石は、前記高周波加熱用コアの近傍で、かつ前記表
示管のスペーサフレームに磁界が及ぶ範囲に近接させた
状態に固定または移動可能に配設され、他方のフェライ
ト磁石は、前記外囲器の外周面に接触または近接した状
態に固定または移動可能に配設されたことを特徴として
いる。
【0016】請求項7の高周波加熱方法は、導体からな
る被加熱体の一部にフェライト磁石を接触または近接さ
せて静磁界をかけた後、高周波加熱を行い前記被加熱体
を選択的に加熱することを特徴としている。
【0017】請求項8の高周波加熱方法は、表示管のリ
ードフレームにフェライト磁石を接触または近接させて
静磁界をかけた後、前記表示管の外囲器内に配設された
ゲッターを高周波加熱して前記外囲器の内壁面にゲッタ
ーミラーを形成することを特徴としている。
【0018】
【作用】ゲッターを高周波加熱する高周波加熱用コアの
近傍で、かつ漏洩磁束が及ぶ導体部品(スペーサフレー
ム、制御電極、陰極支持体等)に接触または近接して1
つのフェライト磁石または2つのフェライト磁石を固定
または移動可能に配設し、導体部品に対して予め静磁界
をかける。これにより、導体部品は、図11の磁化曲線
のヒステリシスにおいて、磁界Hが増加しても磁束密度
がほとんど変化しない磁気飽和状態Pの磁場に置かれ
る。この後、交流源より高周波加熱用コイルに高周波電
流を流してゲッターを高周波加熱する。ゲッターが高周
波加熱されると、ゲッターの近傍に位置する導体部品
は、磁化曲線のヒステリシスにおいて、初期磁化曲線を
たどることなく、磁気飽和状態Pの磁場に置かれるの
で、磁束密度の変化も極めて小さくなり、発熱が抑えら
れる。
【0019】
【実施例】図1は本発明のよる高周波加熱装置の第1実
施例を示す図、図2は同装置の第2実施例を示す図であ
る。
【0020】第1実施例と第2実施例の高周波加熱装置
は、〔従来の技術〕の項で説明した高周波加熱用コア
2、高周波加熱用コイル3、交流源4の各構成に加え、
漏洩磁束が及ぶ範囲に設けられた導体部品としてのスペ
ーサフレーム7に静磁界をかけるための1つの磁石15
が所定の位置に固定して設けられている。この磁石15
は、磁界中で加熱しにくい酸化物からなる棒状または板
状のフェライト磁石で構成されている。
【0021】図1に示す第1実施例のフェライト磁石1
5は、側面部15aが外囲器10のゲッター1に近い位
置で側面板16に密着し、かつ底面部15bがスペーサ
フレーム7の表面7aに接触する位置で固定して設けら
れている。
【0022】図2に示す第2実施例のフェライト磁石1
5は、側面部15aが外囲器10のゲッター1に近い位
置で陽極基板17に密着し、かつ上面部15cがスペー
サフレーム7の裏面7bに接触する位置で固定して設け
られている。
【0023】ここで、図3(a),(b)は第1実施例
の変形例を示している。図3(a)におけるフェライト
磁石15は、側面部15aが側面板16の中途位置まで
密着した高さまで底面部15bがスペーサフレーム7の
表面7aから離れた位置で固定して設けられている。ま
た、図3(b)におけるフェライト磁石15は、側面部
15aが前面板6の表面6aの高さまで底面部15bが
スペーサフレーム7の表面7aから離れた位置で固定し
て設けられている。
【0024】なお、図3(a),(b)に示す配置の場
合、フェライト磁石15の磁界がスペーサフレーム7に
及んでいることが条件となり、この条件を満たしていれ
ば、容器部5の高さL1の範囲内にフェライト磁石15
を設けてもよい。このように、第1実施例及びその変形
例では、フェライト磁石15がスペーサフレーム7の上
側で固定して設けられている。
【0025】次に、図4(a),(b)は第2実施例の
変形例を示している。図4(a)におけるフェライト磁
石15は、側面部15aが陽極基板17の中途位置まで
密着した高さまで上面部15cがスペーサフレーム7の
裏面7bから離れた位置で固定して設けられている。ま
た、図4(b)におけるフェライト磁石15は、上面部
15cが陽極基板17の裏面17aの高さまで上面部1
5cがスペーサフレーム7の裏面7bから離れた位置で
固定して設けられている。
【0026】なお、この図4(a),(b)に示す配置
の場合も、フェライト磁石15の磁界がスペーサフレー
ム7に及んでいることが条件となり、この条件を満たす
陽極基板17の厚さL2の範囲内にフェライト磁石15
を設けてもよい。このように、第2実施例及びその変形
例では、フェライト磁石15がスペーサフレーム7の下
側で固定して設けられている。
【0027】次に、図5は本発明による高周波加熱装置
の第3実施例を示す図、図6は本発明による高周波加熱
装置の第4実施例を示す図である。以下に説明する第3
実施例と第4実施例による高周波加熱装置は、高周波加
熱用コア2、高周波加熱用コイル3、交流源4の各構成
に加え、漏洩磁束が及ぶ範囲に設けられた導体部品とし
てのスペーサフレーム7、制御電極、陰極支持体等に静
磁界をかけるための棒状または板状の2つのフェライト
磁石15,18が所定の位置に固定して設けられてい
る。
【0028】すなわち、第3実施例及び第4実施例にお
いて、一方のフェライト磁石18は、底面部18bが前
面板6の表面6aに接触する位置で外囲器10の上方に
固定して設けられているので、制御電極に静磁界をかけ
ることができる。また、他方のフェライト磁石15は、
第3実施例では第1実施例と同様の位置で、第4実施例
では第2実施例と同様の位置で固定して設けられている
ので、スペーサフレーム7及び陰極支持体に静磁界をか
けることができる。
【0029】ここで、第3実施例の変形例を図7
(a),(b)に、また、第4実施例の変形例を図8
(a),(b)にそれぞれ示す。各変形例において、一
方のフェライト磁石18は、底面部18bが前面板6の
表面6aに接触する位置で外囲器10の上方に固定して
設けられており、他方のフェライト磁石15は、図7
(a)では図3(a)と同様の位置で、図7(b)では
図3(b)と同様の位置で、図8(a)では図4(a)
と同様の位置で、図8(b)では図4(b)と同様の位
置でそれぞれ固定して設けられている。
【0030】次に、図9(a),(b)は本発明による
高周波加熱装置の第5実施例を示す図である。この第5
実施例では、高周波加熱用コア2、高周波加熱用コイル
3、交流源4の各構成に加え、漏洩磁束が及ぶ範囲に設
けられた導体部品としてスペーサフレーム7、制御電
極、陰極支持体等に静磁界をかけるための棒状または板
状の2つのフェライト磁石15,18が所定の位置に移
動可能に設けられている。
【0031】さらに説明すると、2つのフェライト磁石
15,18は、高周波加熱装置本体の筐体19に対し、
直動式のアクチュエータを介して移動自在に取り付けら
れている。各フェライト磁石15,18の保持部分は、
非磁性材料で構成されている。そして、この第5実施例
では、図9(a)に示すように、蛍光表示管を矢印X1
方向からセットする場合、フェライト磁石15は、底面
部15aがスペーサフレーム7の表面7aに接触する位
置まで下降移動し、フェライト磁石18は、底面部18
bが前面板6の表面6aより上に位置するまで上昇移動
する。この状態から、図9(b)に示すように、次の蛍
光表示管を矢印X2方向(図9(a)とは逆方向)から
セットする場合には、スペーサフレーム7の表面7aに
接触しているフェライト磁石15は、底面部15aが前
面板6の表面6aより上に位置するまで上昇移動し、前
面板6の表面6aに接触しているフェライト磁石18
は、スペーサフレーム7の表面7aに接触する位置まで
下降移動する。
【0032】なお、この実施例における2つのフェライ
ト磁石15,18のうちの一方のみを移動可能な構成と
し、他方を上述した第1実施例〜第4実施例及びこれら
実施例の変形例と同様の位置で固定して設けるようにし
てもよい。
【0033】次に、図10は本発明による高周波加熱装
置の第6実施例を示す斜視図である。この第6実施例の
高周波加熱装置は、高周波加熱用コア2、高周波加熱用
コイル3、交流源4の各構成に加え、漏洩磁束が及ぶ範
囲に設けられた導体部品としてスペーサフレーム7、制
御電極、陰極支持体等に静磁界をかけるための円筒状の
フェライト磁石20が1つ設けられている。さらに説明
すると、このフェライト磁石20は、下端面20bが前
面板6の表面6aに接触する位置に外囲器10の上方か
ら固定して設けられている。
【0034】なお、このフェライト磁石20は、筒状で
あれば円筒状に限らず多角形状でもよい。また、外囲器
10の陽極基板17に接触する位置で外囲器10の下方
に固定してもよい。さらに、図9に示す第5実施例と同
様に、高周波加熱装置本体の筐体19に対し、直動式の
アクチュエータを介して移動自在に取り付ける構成とし
てもよい。
【0035】以上説明した各実施例では、ゲッター1を
高周波加熱する高周波加熱用コア2の近傍で、かつスペ
ーサフレーム7に接触または近接して1つのフェライト
磁石15,20または2つのフェライト磁石15,18
を配設し、漏洩磁束が及ぶ範囲のスペーサフレーム7に
対して予め静磁界をかける。これにより、スペーサフレ
ーム7は、図11の磁化曲線のヒステリシスにおいて、
磁界Hが増加しても磁束密度がほとんど変化しない磁気
飽和状態Pの磁場に置かれる。この後、交流源4より高
周波加熱用コイル3に高周波電流を流してゲッター1を
高周波加熱する。ゲッター1が高周波加熱されると、こ
のゲッター1の直下に位置するスペーサフレーム7は、
磁石の作用によって従来のように磁化曲線のヒステリシ
スの初期磁化曲線をたどることなく、磁束密度の変化も
極めて小さくなり、発熱を抑えることができる。この結
果、スペーサフレーム7の熱変形が低減し、フィラメン
トと陽極との間の高さのバラツキが減少するとともに、
封着部分の剥離による熔解ガラスの飛散も抑えることが
できる。
【0036】また、円筒状のフェライト磁石20または
2つのフェライト磁石15,18が配設された構成の装
置によれば、漏洩磁束が及ぶ範囲に位置する導体部品と
して、スペーサフレーム7だけでなく、メッシュ状の制
御電極や陽極基板17上に制御電極を支持する脚部の熱
変形も防ぐことができる。また、同時に脚部の下に位置
する絶縁層が熱によって破壊されるのを防いで絶縁不良
を減少させることもできる。
【0037】さらに、前面板6の表面6aの高さにフェ
ライト磁石15が固定された構成の装置及びフェライト
磁石15,18が移動自在な構成の装置によれは、蛍光
表示管を矢印X1,X2の両方からセットすることがで
きる。さらに、円筒状のフェライト磁石20が配設され
た第6実施例の構成によれば、スペーサフレーム7に静
磁界をかけるフェライト磁石20が円筒状に形成されて
いるので、蛍光表示管を高周波加熱装置にセットするに
あたっては、図9に示す矢印X1,X2の方向に限定さ
れず、どの方向からも行うことができ、外囲器10内の
ゲッター1の配設位置に応じて表示管のセット方向を変
えることができる。
【0038】ところで、上述した第1〜5実施例では、
セットされる蛍光表示管の長さ方向にフェライト磁石1
5,18を配設した場合を図示して説明したが、スペー
サフレーム7が磁気飽和するだけの静磁界がかかれば、
高周波加熱用コア2の周囲のどの方向に配設してもよ
い。
【0039】また、フェライト磁石15,18は、ゲッ
ター1近傍に位置する部品(スペーサフレーム7、制御
電極、陰極支持体等)に静磁界がかかる構成であればよ
く、その配置、形状及び数は図示した実施例に限るもの
ではない。
【0040】さらに、上述した各実施例では、陰極がフ
ィラメント8で構成された3極管構造の蛍光表示管に適
用した場合を図示して説明したが、他の蛍光表示管であ
ってもよく、特に、ゲッター1とスペーサフレーム7と
の間が狭く、高周波加熱時の漏洩磁束が大きく影響する
超薄型の蛍光表示管に適用した場合に、大きな効力を発
揮する。また、本実施例の装置は、焼入れ、焼填め、蝋
付け、焼鈍、熔解等を行う際に用いられ、蛍光表示管に
限定されず、電磁調理器等の他の装置に適用しても十分
な効力を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】本発明の請求項1,2の高周波加熱装置
によれば、被加熱体の近傍で、高周波加熱時の漏洩磁束
が及ぶ範囲に設けられた導体部品に予め静磁界がかかる
構成なので、被加熱体の高周波加熱時の発熱を確実に低
減することができる。
【0042】請求項3〜6の高周波加熱装置及び請求項
7,8の高周波加熱方法によれば、ゲッターの直下に位
置するスペーサフレームは、磁石の作用によって従来の
ように磁化曲線のヒステリシスの初期磁化曲線をたどる
ことがないので、磁束密度の変化も極めて小さくなり、
発熱を抑えることができる。この結果、スペーサフレー
ムの熱変形が低減し、フィラメントと陽極との間の高さ
のバラツキが減少するとともに、封着部分の剥離による
熔解ガラスの飛散も抑えることができる。
【0043】また、請求項5,6の高周波加熱装置によ
れば、漏洩磁束が及ぶ範囲に位置する導体部品として、
スペーサフレーム以外の導体部品(制御電極、陰極支持
体等)の熱変形も防ぐことができる。
【0044】さらに、請求項3〜6の高周波加熱装置に
おいて、フェライト磁石が移動可能に配設された構成に
よれば、表示管を1方向だけでなく、他の方向からもセ
ットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高周波加熱装置の第1実施例を示
す図
【図2】同装置の第2実施例を示す図
【図3】(a),(b)同装置の第1実施例の変形例を
示す図
【図4】(a),(b)同装置の第2実施例の変形例を
示す図
【図5】同装置の第3実施例を示す図
【図6】同装置の第4実施例を示す図
【図7】(a),(b)同装置の第3実施例の変形例を
示す図
【図8】(a),(b)同装置の第4実施例の変形例を
示す図
【図9】(a),(b)同装置の第5実施例を示す図
【図10】同装置の第6実施例を示す図
【図11】磁化曲線のヒステリシスを示す図
【図12】従来の高周波加熱装置の構成を示す図
【符号の説明】
1…ゲッター(被加熱体)、2…高周波加熱用コア、3
…高周波加熱用コイル、4…交流源、7…スペーサフレ
ーム(導体部品)、15,18,20…フェライト磁
石。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 9/24 H01J 29/94 H05B 6/10

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱体を加熱するための高周波加熱用
    コアの近傍で、該コアからの漏洩磁束が及ぶ範囲に設け
    られた導体部品に接触または近接させて該導体部品に静
    磁界をかける手段を配設したことを特徴とする高周波加
    熱装置。
  2. 【請求項2】 前記導体部品に静磁界をかける手段がフ
    ェライト磁石を固定または移動可能に配設したことを特
    徴とする請求項1記載の高周波加熱装置。
  3. 【請求項3】 表示管の外囲器内に配設されたゲッター
    を加熱して前記外囲器の内壁面にゲッターミラーを形成
    するための高周波加熱用コアの近傍で、かつ前記表示管
    のスペーサフレームに接触させた状態に固定または移動
    可能にフェライト磁石を配設したことを特徴とする高周
    波加熱装置。
  4. 【請求項4】 表示管の外囲器内に配設されたゲッター
    を加熱して前記外囲器の内壁面にゲッターミラーを形成
    するための高周波加熱用コアの近傍で、かつ前記表示管
    のスペーサフレームに磁界が及ぶ範囲に近接させた状態
    に固定または移動可能にフェライト磁石を配設したこと
    を特徴とする高周波加熱装置。
  5. 【請求項5】 表示管の外囲器内に配設されたゲッター
    を加熱して前記外囲器の内壁面にゲッターミラーを形成
    するための高周波加熱用コアの両側にフェライト磁石が
    配設され、 一方のフェライト磁石は、前記高周波加熱用コアの近傍
    で、かつ前記表示管のスペーサフレームに接触させた状
    態に固定または移動可能に配設され、他方のフェライト
    磁石は、前記外囲器の外周面に接触または近接した状態
    に固定または移動可能に配設されたことを特徴とする高
    周波加熱装置。
  6. 【請求項6】 表示管の外囲器内に配設されたゲッター
    を加熱して前記外囲器の内壁面にゲッターミラーを形成
    するための高周波加熱用コアの両側にフェライト磁石が
    配設され、 一方のフェライト磁石は、前記高周波加熱用コアの近傍
    で、かつ前記表示管のスペーサフレームに磁界が及ぶ範
    囲に近接させた状態に固定または移動可能に配設され、
    他方のフェライト磁石は、前記外囲器の外周面に接触ま
    たは近接した状態に固定または移動可能に配設されたこ
    とを特徴とする高周波加熱装置。
  7. 【請求項7】 導体からなる被加熱体の一部にフェライ
    ト磁石を接触または近接させて静磁界をかけた後、高周
    波加熱を行い前記被加熱体を選択的に加熱することを特
    徴とする高周波加熱方法。
  8. 【請求項8】 表示管のリードフレームにフェライト磁
    石を接触または近接させて静磁界をかけた後、前記表示
    管の外囲器内に配設されたゲッターを高周波加熱して前
    記外囲器の内壁面にゲッターミラーを形成することを特
    徴とする高周波加熱方法。
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