JP2751587B2 - 媒体搬送ガイド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 媒体に処理を施す処理手段の前後に搬送路の一部を構
成し、搬送路の内側方向に凸に湾曲した上ガイド板の一
端を密着させ、対向する下ガイド板を間隙を広くする方
向に湾曲させて媒体を下方へ逃がすことができる媒体搬
送ガイドに関し、 搬送される媒体の処理手段の前後でのジャムの発生を
防止することができる媒体搬送ガイドを提供することを
目的とし、 搬送路を搬送された媒体に搬送路上に配置された処理
手段によって処理を施す装置において、搬送路の処理手
段が配置される側の処理手段の前後に搬送路の一部を構
成して設けられ、処理手段の前端及び後端より所定長さ
だけ離れた位置から処理手段の方向へ搬送路の内側方向
に凸に湾曲して形成され、処理手段の前端及び後端に夫
々の一端が密着する複数の第１のガイド板と、複数の第
１のガイド板に間隙を介して対向し、搬送路の一部を構
成して設けられ、処理手段の前端及び後端より所定長さ
だけ離れた位置から処理手段の方向に、第１のガイド板
との間隙が他の部分より広くなるように湾曲して形成さ
れた第２のガイド板とを備える構成とする。

〔産業上の利用分野〕

本発明は、通帳取扱装置等の媒体搬送ガイドに係り、
特に媒体に処理を施す処理手段の前後に搬送路を構成す
る弾性を有する上ガイド板の一端を密着させ、対向する
下ガイド板を間隙を広くする方向に湾曲させて媒体を下
方へ逃がすことができる媒体搬送ガイドに関するもので
ある。

近来、金融機関等において、自動預金兼支払機（Auto
matic Teller Machine:以下ATMという）等の自動取引装
置や記帳機が広く使用されており、これらの装置には通
帳取扱装置が組み込まれていて、通帳や伝票等に取引内
容が記帳される。

このような装置では付加機能の追加に伴って、付加ユ
ニットと搬送ガイドの繋ぎ目が増え、媒体づまりの発生
が増加している。例えば通帳や伝票等を読取センサ等の
位置へ搬送する時に上側に曲げ癖があると、先端が搬送
路のガイド板と読取センサの接続部に引っ掛かってジャ
ムを生じるので、これを防止することができる機構が望
まれている。

〔従来の技術〕

第４図はATM等に組み込まれた通帳プリンタの内部側
面図で、図に示すように、挿入口２から続く搬送路3a,
通帳1aを移送する送りローラR₁〜R₃,押えローラR₄〜R₆,
搬送路3a上に通帳1aの裏面の磁気ストライプの記録デー
タを読取り／書込みするリードライト部（以下R/W部と
いう）4,及び印字ヘッド６とプラテン７を備えたプリン
タ部５が設けられている。また挿入口２の通帳1aの有無
を検出するセンサS1,通帳1aの検出及び位置決めするセ
ンサS2,及びページバーコードの読み取りと既印字行の
検出をする読取センサS3が配置されている。送りローラ
R₁〜R₃はモータM1に連結されている。なお通帳プリンタ
は伝票も同様に取り扱うが、ここでは通帳1aで説明す
る。

このような構成及び機能を有するので、例えば図示し
ていない操作パネルの記帳モード釦を押下してから、通
帳1aを挿入口２から矢印Ａ方向に挿入すると、通帳1aを
センサS1が検出して搬送が開始され、R/W部４で磁気ス
トライプの記録データ（口座番号，残高データ等）を読
取り、次いで読取センサS3が通帳1aのページバーコード
及び既印字行を読み取り、センサS2による通帳1aの端部
検出で位置決めされて印字可能行をプリンタ部５にセッ
トする。

次に図示していないホストコンピュータ（以下ホスト
という）から記帳すべきデータが送信され、プリンタ部
５によって通帳1aに預金残高等を含めた取引データの印
字が行われる。印字データが複数行あって、印字中に最
終ページに達した時は、一時印字を中止し、通帳1aをプ
リンタ部５の後方の図示省略したページ捲り部へ送って
ページ捲りが行われ、再びプリンタ部５へ戻して印字が
行われる。

印字が終了すると通帳1aはR/W部４へ送られて磁気ス
トライプに取引結果の残高等が記録され、矢印Ｂ方向に
送られて挿入口２へ送出される。

ここにおいて、第５図に示すように、読取センサS3
は、電荷結合素子（CCD）で構成されたイメージセンサ
で、センサフレーム8aに保持されて、搬送路3aの上ガイ
ド板30a,30bの間に配置されている。上ガイド板30a,30b
はステンレス鋼板等の金属板で形成されている。

また上ガイド板30a,30bに間隙を介して対向して、同
材料で形成された下ガイド板31a,31bが設けられ、下ガ
イド板31a,31bの間に、読取センサS3に対向して押圧ロ
ーラ32が間隙を介して配置されている。押圧ローラ32は
図示省略したスプリングによって付勢され、間隙より厚
い通帳1aが進入した時に読取センサS3に通帳1aを弾性的
に押圧する。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記従来方法によると、搬送路上に配置された読取セ
ンサのセンサフレームの取り付けには、金属板で形成さ
た上ガイド板の端部との間に僅かながら隙間があり、上
方向に曲げ癖のある通帳や伝票が例えば矢印方向に搬送
されてきた時には、第５図中２点鎖線で示すように、先
端が上ガイド板と読取センサの隙間に引っ掛かってジャ
ムを発生することがあるという問題点がある。

本発明は、搬送される媒体の処理手段の前後でのジャ
ムの発生を防止することができる媒体搬送ガイドを提供
することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

第１図は本発明の原理図である。

図において、１は媒体、３は搬送路、 ８は搬送路３を搬送された媒体１に処理を施す処理手
段、 30は搬送路３の処理手段８が配置される側の処理手段
８の前後に搬送路３の一部を構成して複数設けられ、処
理手段８の前端及び後端より所定長さだけ離れた位置か
ら処理手段８の方向へ搬送路３の内側方向に凸に湾曲し
て形成され、処理手段８の前端及び後端に夫々の一端が
密着する第１のガイド板、 31は複数の第１のガイド板30に間隙を介して対向し、
搬送路３の一部を構成して設けられ、処理手段８の前端
及び後端より所定長さだけ離れた位置から処理手段８の
方向に、第１のガイド板30との間隙が他の部分より広く
なるように湾曲して形成された第２のガイド板である。

従って媒体１が第１のガイド板30及び第２のガイド板
31の間隙を搬送されて、処理手段８によって処理される
ように構成されている。

〔作用〕

搬送路３を搬送された媒体１が処理手段８に近づく
と、第１のガイド板30の湾曲によって媒体１は第１のガ
イド板30から離れる方向に押されるので、媒体１の先端
に処理手段８の方向の曲がり癖が僅かであれば、媒体１
の先端が第１のガイド板30と処理手段の密着位置に接触
しない。媒体１の先端の曲がりが大きい場合には、、先
端が第１のガイド板30と処理手段８の密着位置にぶつか
っても、第１のガイド板30と処理手段８の接続に隙間が
ないので、引っ掛かってジャムを生じることがなく、ま
た引っ掛かりかけた時には、第１のガイド板30の湾曲に
対して第２のガイド板31の湾曲が処理手段８の方向へ間
隙を広く形成されているので、媒体１が第２のガイド板
31の方向へ逃げることができて、ジャムの発生が防止さ
れて、媒体１を処理手段８の位置へ搬送して処理するこ
とができる。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を第２図及び第３図を参照し
て説明する。全図を通じて同一符号は同一対象物を示
す。

第２図の通帳1aは、第１図の印字媒体１に対応し、ま
た第２図の読取センサS3及び処理手段８は、第１図の処
理手段８に対応している。

第２図の側面図に示すように、読取センサS3の前後の
搬送路3bを構成する上ガイド板30A,30Bを弾性を有し摩
擦係数の小さい合成樹脂材で、読取センサS3のセンサフ
レーム8aに近い部分を下に凸の湾曲に形成して、夫々の
端部がセンサフレーム8aの両端部に弾性的に密着してい
る。

また下ガイド板31A,31Bは、ステンレス鋼板で形成さ
れ、押えローラ32の前後に配置され、上ガイド板30A,30
Bに間隙を介して対向し、間隙を広くした湾曲形状に形
成されている。

このような構成を有するので、搬送路3bを搬送される
通帳1aが上ガイド板30A及び下ガイド板31Aの間隙を読取
センサS3の位置に近づくと、第１のガイド板30Aの湾曲
によって通帳1aは第１のガイド板30Aから離れる方向に
押されるので、第３図（ａ）に示すように、通帳1aの先
端の上方向の曲げ癖が僅かであれば、図中２点鎖線で示
すように、通帳1aの先端が第１のガイド板30Aとセンサ
フレーム8aの密着位置に接触しない。また、通帳1aの先
端の曲げ癖が大きい場合には、第３図（ｂ）に示すよう
に、先端が上ガイド板30Aとセンサフレーム8aの密着位
置にぶつかっても、上ガイド板30Aとセンサフレーム8a
の接続に隙間がないので、引っ掛かってジャムを生じる
ことがなく、また引っ掛かりかけた時には、上ガイド板
30Aに対して下ガイド板31Aが間隙を広く形成されている
ので、第３図（ｃ）に示すように、通帳1aの曲がった膨
らみが下ガイド板31Aの広がった間隙の方向へ逃げるこ
とができてジャムの発生が防止される。かくして通帳1a
をセンサS3の位置へ搬送して読み取ることができる。

このようにして、通帳1aの先端部に上方向への曲がり
があっても、ジャムの発生を防止することができる。

上記例では、通帳プリンタの読取センサS3の前後の搬
送路との接続位置の場合を説明したが、一般的に媒体の
処理を行うユニット，例えばサーマルプリンタのサーマ
ルヘッドの前後の搬送路との接続位置の場合にも同様に
適用することができる。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明によれば、媒体に処理を施
す処理手段の前後に搬送路を構成する複数の第１のガイ
ド板の一端を密着させ、対向する第２のガイド板を間隙
を広くする方向に湾曲させることにより、媒体の先端に
上方向の曲がりがあっても、搬送された媒体の先端を下
方へ逃がすことができるので、処理手段の前後の搬送路
におけるジャムの発生を防止することができるという効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の原理図、 第２図は本発明の実施例を示す側面図、 第３図は実施例の説明図、 第４図は本発明が適用される通帳プリンタの内部側面
図、 第５図は従来例を示す構成図である。 図において、 １は媒体、1aは通帳、 3,3a,3bは搬送路、８は処理手段、 8aはセンサフレーム、30は第１のガイド板、 30a,30b,30A,30Bは上ガイド板、 31は第２のガイド板、 31a,31b,31A,31Bは下ガイド板、 S3は読取センサを示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】搬送路を搬送された媒体に該搬送路上に配
   置された処理手段によって処理を施す装置において、 前記搬送路の前記処理手段が配置される側の処理手段の
   前後に搬送路の一部を構成して設けられ、処理手段の前
   端及び後端より所定長さだけ離れた位置から処理手段の
   方向へ搬送路の内側方向に凸に湾曲して形成され、処理
   手段の前端及び後端に夫々の一端が密着する複数の第１
   のガイド板と、 複数の第１のガイド板に間隙を介して対向し、搬送路の
   一部を構成して設けられ、処理手段の前端及び後端より
   所定長さだけ離れた位置から処理手段の方向に、第１の
   ガイド板との間隙が他の部分より広くなるように湾曲し
   て形成された複数の第２のガイド板とを備えることを特
   徴とする媒体搬送ガイド。