JP2750074B2 - トラス - Google Patents

トラス

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JP2750074B2
JP2750074B2 JP19790393A JP19790393A JP2750074B2 JP 2750074 B2 JP2750074 B2 JP 2750074B2 JP 19790393 A JP19790393 A JP 19790393A JP 19790393 A JP19790393 A JP 19790393A JP 2750074 B2 JP2750074 B2 JP 2750074B2
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安則 西野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下弦材と斜材とを継ぐ
束材の品種を削減でき、組立作業を能率化しうるトラス
に関する。
【0002】
【従来の技術】家屋の屋根を形成する屋根パネル、ある
いは母屋などを支持するために鋼製のトラスが広く用い
られている。
【0003】このようなトラスtは、図5に示すよう
に、溝形鋼からなりかつ溝部を上に向けて配される水平
な長尺の下弦材aと、この下弦材aの各一端部から斜め
上にのびるとともに溝形鋼からなりかつ溝部を下に向け
て配される1対の斜材b、bと、下弦材aの長手方向中
間位置に立設され前記斜材b、bの向き合う端縁を結合
する溝形鋼からなる垂直な柱体cとから形成される二等
辺三角形状のトラス基体t1を具える。
【0004】このトラス基体t1は、前記下弦材a、斜
材b、b、及び柱体cを各接合部において溶着すること
によって組立てられる一方、天井収納を考慮してトラス
基体t1を補強するために前記下弦材aの一端部と前記
柱体cとの間で立設される束材dは、現場でその上下端
部を斜材b、下弦材aに夫々ボルト止めすることにより
取付けられる。
【0005】又前記束材dの上下端部をボルト止めする
ために、前記下弦材aと斜材bとには、従来、ボルトが
通る孔a1、b1が設けられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで前記下弦材a
の長さ、斜材bの勾配などは規格化された寸法に基づい
て決められ、又束材dの取付位置も天井収納空間の床体
を形成する床パネルの寸法に合わせて下弦材aの一端部
から一定の距離を隔てて一義的に決定されるのである
が、例えば下弦材aの一端部における斜材bの取付方法
をガゼットプレートeを用いるものから嵌合に変更する
ことによって斜材bが下弦材aに対して相対的に位置ズ
レを起こすことがあり、これに従って前記孔a1と孔b
1との間の距離hも若干変化することがある。
【0007】このような場合には、前記束材dの高さも
距離hの変化に応じて設定されるため、異なる高さを有
する束材dを準備する必要がある。
【0008】この結果、束材dの品種が増すことにな
り、コストの上昇などを招く原因となる他、前記距離h
に応じて高さの異なる束材dを使い分けなければなら
ず、ややもするとトラスtの組立作業性を低下させるな
どの問題点が発生していた。
【0009】本発明は、向きを変えて下弦材にボルト止
めすることにより下弦材からの高さが異なるボルト孔を
有する固定板を用いることを基本として、束材の取付位
置において下弦材と斜材との垂直方向の距離が若干異な
る場合であっても1種類の束材により斜材と下弦材とを
継ぐことができ、束材の品種を削減しうるとともに、束
材を使い分ける必要がなく、組立作業の能率化を図りう
るトラスの提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、水平な下弦
材、この下弦材の各一端部から斜め上にのびる1対の斜
材、下弦材の中間位置に立設され前記斜材の向き合う端
縁を結合する柱体、および下弦材の前記一端部と前記中
間位置との間で立設され下弦材と斜材とを継ぐ束材を有
するトラスであって、前記束材の上端に前記斜材をボル
ト止めする上の透孔を設けるとともに、束材の下の透孔
を、向きを変えて下弦材にボルト止めすることにより下
弦材からの高さが異なるボルト孔を有する固定板の前記
ボルト孔にボルト止めする。
【0011】
【作用】束材の下の透孔を、向きを変えて下弦材にボル
ト止めすることにより下弦材からの高さが異なるボルト
孔を有する固定板の前記ボルト孔にボルト止めする。従
って、束材の取付位置における斜材と下弦材との間の垂
直方向の距離が異なるトラスであっても、固定板の向き
を変えるだけで、この垂直方向の距離の変化を吸収で
き、1種類の束材によって各トラスの補強用束材を設け
ることが可能となり、束材の品種の削減、およびコスト
の節減を図りうるとともに、束材の使い分けを不要と
し、トラスの組立作業を簡略化でき、施工能率を向上し
うる。
【0012】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。図1〜4において本発明のトラス1A、1Bは、下
弦材2A、2Bにボルト止めされる固定板3、3のボル
ト孔3a、3bに、束材4、4の下の透孔4b、4bを
ボルト止めする。
【0013】図1に示すトラス1Aは、溝形鋼からなり
かつ溝部を上に向けて配される長尺の水平な下弦材2A
と、この下弦材2Aの各一端部に下端部が台形状のガゼ
ットプレート15、15を用いて溶着されかつ各一端部
から斜め上にのびるとともに溝部を下に向けた溝形鋼か
らなる1対の斜材5A、5Aと、下弦材2Aの長手方向
中間位置Mに下端が溶着されることにより該中間位置M
に立設されかつ溝部を一方の斜材5Aに向けた溝形鋼か
らなる柱体6Aとを有するトラス基体16Aを具える。
【0014】なお前記柱体6Aは、六角形状のガゼット
プレート17を用いて前記1対の斜材5A、5Aの向き
合う端縁、即ち上端部を溶接により結合するとともに、
柱体6Aの上端部には、斜材5A、5Aの上端部をこえ
て上方にのびることによって屋根パネル(図示せず)の
上縁を固定するための突出部19が形成される。
【0015】又前記斜材5Aは、その上面を下方に仮想
的に延長すると、該延長面が下弦材2Aの端縁A上端に
接する如く結合されている。
【0016】前記トラス基体16Aには、補強用の束材
4、4が配設される。束材4は、下弦材2Aの前記一端
部と前記中間位置Mとの間で立設され下弦材2Aと斜材
5Aとを継ぐ溝部を一方の一端部側に向けた垂直な溝形
鋼からなり、図3に示すように、その上端部に設けた巾
狭部20を斜材5Aの溝部に嵌着しかつ上端部に設けら
れた上の透孔4a、4aに挿通するボルト21、21を
用いて該斜材5Aに固定する。
【0017】又束材4の下端は、固定板3を用いて下弦
材2Aに取付けられる。固定板3は、図1、図3に示す
ように、矩形板状の金属製の基体23を具えるととも
に、この基体23には、十字線上に間隔D1、D2を異
ならせて1対2組、計4つのボルト孔9A、9A、9
B、9Bが穿設されている。
【0018】前記固定板3は、大きい方の間隔D1を隔
てたボルト孔9A、9Aを同一垂直線上に位置させて、
下のボルト孔9Aを通るボルト24を用いて下弦材2A
にボルト止めされるとともに、上のボルト孔9Aは、前
記束材4の下端部に設けた下の透孔4bを通るボルト2
5を挿通し、これによって束材4の下端を下弦材2Aに
固定板3を介して取付ける。従って、上のボルト孔9A
は、前記下の透孔4bをボルト止めしうるボルト孔3a
を形成する。
【0019】なお束材4と前記柱体6Aとの間には、上
端部が斜材5Aにボルト止めされかつ下端部が柱体6A
の下端部にボルト止めしたプレート26にボルト止めさ
れる斜めの溝形鋼からなる補強材27が配設される。
【0020】図2に示すトラス1Bは、前記下弦材2A
と同構成、同寸法の水平な下弦材2Bと、この下弦材2
Bの各一端部から斜め上にのびる溝部を下に向けた溝形
鋼からなる1対の斜材5B、5Bと、下弦材2Bの中間
位置Mに立設される溝形鋼からなる柱体6Bとを有する
トラス基体16Bを具える。
【0021】なお前記斜材5Bの下端部は、該下端部に
設けた巾狭部29を下弦材2Bの端縁Aからやや控えて
該下弦材2Bの溝部に嵌合しかつ溶接することにより固
定されるとともに、斜材5B、5Bの向き合う端縁、即
ち上端部は、一方が前記柱体6Bの溝部に嵌着され、他
方が柱体6Bに突設されたプレート30に溶着されるこ
とにより結合される。
【0022】従って、図2に示すトラス1Bの斜材5B
は、図1に示すトラス1Aの斜材5Aよりも若干下方に
位置することになる。
【0023】さらにトラス1Aの前記下弦材2Aの端縁
Aと前記束材4との間の距離L1と等しい距離L2を下
弦材2Bの端縁Aから離間する位置に、該下弦材2Bと
斜材5Bとを継ぐ前記束材4を立設する。
【0024】束材4の上端は、図4に示すように、前記
巾狭部20を斜材5Bに嵌着しかつ上の透孔4aを通る
ボルト32を用いて該斜材5Bにボルト止めされるとと
もに、斜材5Bが斜材5Aよりも下がった分だけ低所に
位置する前記下の透孔4bを、向きを変えて下弦材2B
にボルト止めされた前記固定板3のボルト孔3bにボル
ト止めする。
【0025】即ち、固定板3を図1、図3に示す向きか
ら90°回転させ、小さい方の前記間隙D2を隔てたボ
ルト孔9B、9Bを同一垂直線上に位置させた状態で下
のボルト孔9Bを通るボルト33を用いて該固定板3を
下弦材2Bにボルト止めするとともに、該ボルト止めに
よって下弦材2B上縁からの高さH2が図1、図3に示
すボルト孔3aの下弦材2A上縁からの高さH1とは異
なる、本例では小さくなる上のボルト孔9Bは、前記下
の透孔4bを通るボルト34を挿通し束材4下端を固定
するボルト孔3bを形成する。
【0026】このように固定板3の向きを変える、即ち
90°回転させて下弦材2A、2Bにボルト止めするこ
とにより、前記間隔D1、D2の差だけ下弦材2A、2
B上縁からの高さの異なるボルト孔3a、3bを形成で
き、図1に示す束材4の取付位置における斜材5Aと下
弦材2Aとの間の距離B1と、図2に示す束材4の取付
位置における斜材5Bと下弦材2Bとの間の距離B2と
が若干異なる場合であっても、一種類の束材4を用いて
該斜材5A、5Bと下弦材2A、2Bとを継ぐことが出
来る。
【0027】
【発明の効果】叙上の如く本発明のトラスは、束材の下
の透孔を、向きを変えて下弦材にボルト止めすることに
より下弦材からの高さが異なるボルト孔を有する固定板
の前記ボルト孔にボルト止めするため、トラスの斜材と
下弦材との間の束材取付位置における距離が若干異なる
場合であっても、1種類の束材を用いてトラスの補強が
でき、部材品種の削減を図りうるとともに、束材の使い
分けを不要とし、施工の簡略化、および能率化を達成で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す正面図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す正面図である。
【図3】図1における束材の取付構造を示す部分斜視図
である。
【図4】図2における束材の取付構造を示す部分斜視図
である。
【図5】従来の技術を説明する正面図である。
【符号の説明】
2A、2B 下弦材 3 固定板 3a、3b ボルト孔 4 束材 4a 上の透孔 5A、5B 斜材 6A、6B 柱体

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平な下弦材、この下弦材の各一端部から
    斜め上にのびる1対の斜材、下弦材の中間位置に立設さ
    れ前記斜材の向き合う端縁を結合する柱体、および下弦
    材の前記一端部と前記中間位置との間で立設され下弦材
    と斜材とを継ぐ束材を有するトラスであって、前記束材
    の上端に前記斜材をボルト止めする上の透孔を設けると
    ともに、束材の下の透孔を、向きを変えて下弦材にボル
    ト止めすることにより下弦材からの高さが異なるボルト
    孔を有する固定板の前記ボルト孔にボルト止めすること
    を特徴とするトラス。
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