JP2748951B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2748951B2
JP2748951B2 JP18817492A JP18817492A JP2748951B2 JP 2748951 B2 JP2748951 B2 JP 2748951B2 JP 18817492 A JP18817492 A JP 18817492A JP 18817492 A JP18817492 A JP 18817492A JP 2748951 B2 JP2748951 B2 JP 2748951B2
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    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1337Surface-induced orientation of the liquid crystal molecules, e.g. by alignment layers
    • G02F1/133753Surface-induced orientation of the liquid crystal molecules, e.g. by alignment layers with different alignment orientations or pretilt angles on a same surface, e.g. for grey scale or improved viewing angle

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶の配向状態が微小な
領域毎に異なるようにした液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、一対の対向する透明な
基板の間に液晶を挿入した液晶パネルからなる。一方の
ガラス基板の内面には共通電極及び配向膜が設けられ、
他方の基板の内面には画素電極及び配向膜が設けられ
る。最近では、後者の基板に画素電極とともにアクティ
ブマトリクス回路を形成することが多くなっている。さ
らに、これらの基板の外側にはそれぞれ偏光板が設けら
れる。
【0003】液晶表示パネルでは、液晶分子は両基板の
配向膜のラビング方向に従って配向し、プレチルトす
る。偏光板を直交配置したツイストネマチック型の液晶
表示装置では、両基板の配向膜のラビング方向は相互に
ほぼ垂直になっており、液晶の分子は一方の基板から他
方の基板に向かうにつれて螺旋状にツイストしていく。
そして、液晶に電圧を印加しないときに、液晶の分子は
初期のツイスト及びプレチルトを維持した状態にあり、
入射光は液晶のツイストに沿って旋回しながら進み、液
晶セルから出射する。このときに、偏光板を直交配置し
たノーマリホワイトモードでは白表示が得られる。電圧
を印加すると、液晶が立ち上がり、液晶の複屈折作用が
弱くなり、上記した光の旋回作用が弱くなって、入射光
が液晶セルを透過しにくくなり、黒表示が得られるよう
になる。このようにして、液晶への印加電圧を制御しな
がら、全体で明暗のコントラストのある画像を形成す
る。
【0004】液晶表示装置では、観視者が、画面を見る
方向により、画像の明暗のコントラストが変化する。こ
れは、液晶表示装置の視角特性として一般に認識されて
いる。例えば、図9はある液晶表示装置の視角特性を示
す図である。一点鎖線Cは垂直配置の液晶表示装置を真
正面から見た場合の電圧−透過率曲線である。破線L,
Uは角度40度の斜め上方及び斜め下方から見た場合の
電圧−透過率曲線である。破線Lの場合には、電圧を高
くしても透過率の低下が少ないので、黒い表示を得よう
としても、比較的に明るい表示になってしまう。破線U
の場合には、電圧をわずかにかけると透過率が大幅に低
下し、コントラスト比の大きい画像が得られる。これを
良視角方向と呼び、以後の説明において太線矢印によっ
て示されている。ただし、破線Uの場合には、電圧の増
加とともに再び透過率が上昇し、電圧と透過率の対応関
係が反転し、白と黒の間の中間色を得るのに不都合なこ
とがある。
【0005】このような視角特性の影響を解決するため
に、特開昭54−5754号公報や、特開昭63−10
6624号公報は、1画素内で液晶の分子の配向方向の
異なる2つの領域を形成することを提案している。これ
らの提案によれば、ある視角特性の領域と別の異なる視
角特性の領域とを混合することにより、全体としての視
角特性の向上を図ることができる。
【0006】図8はそのような従来の液晶表示装置の配
向処理を示す図である。図6は例えば1画素分の面積を
示し、これが液晶の分子の配向状態が異なる2つの領域
A,Bを有する。光が一方の基板に入射し(ここでは光
入射側の基板を下基板という)、液晶を透過して他方の
基板(上基板)から出射するとし、観視者が上側の基板
の上方から見るとして、下基板の配向膜のラビング方向
が矢印22aで示され、上基板の配向膜のラビング方向
が矢印26aで示されている。
【0007】図8の領域Aでは、下基板の配向膜のラビ
ング方向22aは左上がり45度であり、上基板の配向
膜のラビング方向26aは左下がり45度である。この
ような配向処理の場合の視角特性は図9に示されたもの
と一致し、太線矢印で示される良視角方向は図8で上側
になる。一方、領域Bでは、下基板の配向膜のラビング
方向22aは右下がり45度であり、上基板の配向膜の
ラビング方向26aは右上がり45度である。このよう
な配向処理の場合の視角特性は図9に示されたものと上
下逆になり、太線矢印で示される良視角方向は図8で下
側になる。
【0008】このような領域Aと領域Bを隣り合わせて
配置すると、図9の実線Iの特性が得られる。実線Iの
特性は破線Lと破線Uの特性を加えて2で割ったものに
なり、法線方向から見た一点鎖線Cの特性に近くなり、
極端に透過率の高い視角方向と極端に透過率の低い視角
方向とがなくなって視角特性が改善される。領域A及び
領域Bは、一画素の面積、あるいは一画素の面積の数倍
又は逆数倍に相当するような微小な領域毎に設けられ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図8に示すよ
うな領域Aと領域Bとを有する液晶表示装置を得るため
には、それぞれの基板の配向膜を微小な領域毎に区分し
てラビングすることが必要である。例えば図8において
は、領域Aのラビング方向22a,26aと、隣接する
領域Bのラビング方向22a,26aとは逆方向であ
る。
【0010】このようなラビングを行うためには、微小
な領域A,Bにそれぞれ相当する開口部を有するマスク
を使用してラビングすることが考えられており、マスク
としてレジストが使用される。この場合、最初に基板に
配向膜を塗布し、配向膜の上にレジストを塗布し、フォ
トリソグラフィにより領域A(又はB)に相当する開口
部をレジストに設け、そこでレジストから露出した領域
Aに所定の方向のラビングを行う。次に、そのレジスト
をエッチングにより剥離し、配向膜の上に別のレジスト
を塗布し、フォトリソグラフィにより領域Bに相当する
開口部をレジストに設け、そこでレジストから露出した
領域Bに所定の方向のラビングを行う。次に、レジスト
をエッチングにより剥離する。
【0011】液晶の配向状態が微小な領域毎に異なるよ
うに配向処理することは、上記したように多くの工程を
必要とするという問題点があった。また、従来は最初に
ラビングを行った部分が、その後のラビングやエッチン
グ等により乱されたり、経時変化したりして、液晶の配
向性能が低下することがあった。本発明の目的は、液晶
の配向状態が微小な領域毎に異なるような配向処理を容
易且つ確実に行うことができる液晶表示装置を提供する
ことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による液晶表示装
置は、第1及び第2の対向する基板16,18と、該第
1の基板の内面に設けられた電極21及び配向膜22
と、該第2の基板の内面に設けられた電極24及び配向
膜26と、該第1及び第2の基板の間に挿入された液晶
20とからなり、液晶の配向状態が微小な領域毎に異な
るように該第1の基板の配向膜22及び該第2の基板の
配向膜26が微小な領域に区分して配向処理された液晶
表示装置において、該第1の基板の配向膜22及び該第
2の基板の配向膜26の下層構造に対する密着性が該微
小な領域毎に変えてあり、該微小な領域毎に液晶のプレ
チルトが異なるようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0013】
【作用】上記した構成においては、第1の基板の配向膜
22及び該第2の基板の配向膜26の密着性が該微小な
領域毎に変えてあり、該微小な領域毎に液晶のプレチル
トが異なるようにしている。そこで、一方の基板は、あ
る微小な領域においては第1のプレチルトが得られ、隣
接する微小な領域においては異なる第2のプレチルトが
得られる。この場合、一方の基板の配向膜のラビング方
向は同じでよい。また、他方の基板においては、前記一
方の基板のある微小な領域に対向する微小な領域におい
ては第2のプレチルトが得られ、それに隣接する微小な
領域においては第1のプレチルトが得られる。この場合
も、両微小な領域のラビング方向は同じでよい。それに
よって、両基板とも、1回のラビングで、液晶の配向状
態が異なる二つの微小な領域をもった液晶表示装置を形
成することができる。
【0014】
【実施例】図1は、本発明の実施例の液晶表示装置の液
晶パネル10を示し、この液晶パネル10の両側には偏
光板(図示せず)がノーマリホワイトモードのときに垂
直な関係で、あるいはノーマリブラックモードのときに
平行な関係で配置される。液晶パネル10は、一対の透
明なガラス基板16,18の間に液晶20を封入したも
のである。液晶20はツイストネマチック型液晶を使用
している。図示しない光源からの光は例えば矢印Lの方
から液晶パネル10に入射し、観視者は入射方向とは逆
の方向から液晶パネル10を見るものとし、以後の説明
においては、光の入射側の基板16を下基板と呼び、観
視者側の基板18を上基板と呼ぶことにする。
【0015】下基板16の内面にはカラーフィルタ層1
9、ITOの共通電極21及び配向膜22が設けられ、
上基板18の内面には画素電極24及び配向膜26が設
けられる。上基板18に設けられた画素電極24はアク
ティブマトリクス回路に接続される。図5に示されるよ
うに、アクティブマトリクス回路は縦、横にマトリクス
状に延びるデータバスライン30及びゲートバスライン
32を含み、画素電極24は薄膜トランジスタ(TF
T)34を介してデータバスライン30及びゲートバス
ライン32に接続される。図6は下基板16のカラーフ
ィルタ層19を示し、これは画素電極24と対応して設
けられたカラーフィルタ(R,G,B)19aと、カラ
ーフィルタ19aを開口させるブラックマトリクス19
bとからなる。
【0016】図1に示されるように、液晶20の配向状
態は微小な領域A,B毎に異なるようになっており、こ
のために、下基板16の配向膜22及び上基板18の配
向膜26はそれぞれ微小な領域A,Bに対応する面積毎
に区分して配向処理される。領域Aにおいては、下基板
16の配向膜22の近傍の液晶分子がプレチルトα2
なり、上基板18の配向膜26の近傍の液晶分子がプレ
チルトα1 となるようになっている。逆に、この領域A
に隣接する領域Bにおいては、下基板16の配向膜22
の近傍の液晶分子がプレチルトα1 となり、上基板18
の配向膜26の近傍の液晶分子がプレチルトα2 となる
ようになっている。ここで、α1 >α2の関係がある。
【0017】従って、下基板16の配向膜22は、液晶
分子が交互に角度α1 ,α2 でプレチルトするように配
向処理されており、同様に上基板18の配向膜26も液
晶分子が交互に角度α1 ,α2 でプレチルトするように
配向処理されている。本発明では、下基板16の配向膜
22及び上基板18の配向膜26のこのような配向処理
を達成するために、下基板16の配向膜22及び上基板
18の配向膜26の下層構造に対する密着性が領域A,
B毎に変えてある。すなわち、いずれの配向膜22,2
6についても、大きいプレチルトα1 を得る領域には密
着性P 1 が大きくなるようにし、小さいプレチルトα2
を得る領域には密着性P2 が小さくなるようにする。こ
こで、P1 >P2 の関係がある。
【0018】図5及び図6は、液晶の配向状態の異なる
微小な領域A,Bの設定例を示している。液晶の配向状
態の異なる微小な領域A,Bは、画素電極24(及びカ
ラーフィルタ(R,G,B)19a)のほぼ中央を通る
線及びゲートバスラインを通る線で区分されている。ま
たは、微小な領域A,Bは、データバスライン30と平
行な線で区分されることもできる。図5の領域Aではプ
レチルトα1 となり、これと対応する図6の領域Aでは
プレチルトα2 となる。領域Aについても同様である。
【0019】図1には液晶の分子がツイストするのが示
されている。微小な領域Aにおいては、配向膜26に接
する液晶の分子は、左奥から右手前に向かう配向方向に
なっており、且つ角度α1 でプレチルトしている。微小
な領域Bにおいては、配向膜26に接する液晶の分子は
左奥から右手前に向かう配向方向になっており、且つ角
度α2 でプレチルトしている。すなわち、上基板18に
ついては、微小な領域A,Bのいずれにおいても、配向
膜26に接する液晶の分子はともに左奥から右手前に向
かう配向方向になっているが、プレチルト角度α1 ,α
2 が異なっている。この関係は下基板16の配向膜22
についても同じであり、配向膜22に接する液晶の分子
はともに右奥から左手前に向かう配向方向になっている
が、プレチルト角度α1 ,α2 が異なっている。
【0020】つまり、下基板16の配向膜22及び上基
板18の配向膜26の下層構造に対する密着性P1 ,P
2 が領域A,B毎に変えてあると、それぞれの配向膜2
2,26のラビングを一定の方向に行うだけで、液晶2
0の配向状態が微小な領域A,B毎に異なるようにな
る。
【0021】図2は、上基板18の配向膜26の形成工
程を示す図である。下基板16の配向膜22も同様の工
程で形成できる。(A)に示されるように、上基板18
の画素電極24及びゲートバスライン30等の上にシラ
ンカップリング剤等の密着改良剤を微小な領域A,Bに
相当する面積でパターニングして設ける。密着改良剤の
パターニングは、密着改良剤を全面に塗布した後にレジ
ストを形成し、リフトオフプロセスにより形成する。
【0022】次に(B)に示されるように、配向膜2
2,26を塗布する。配向膜22,26はイミド化率1
00パーセントのポリイミド等の有機系の配向剤からな
る。次に、(C)に示されるように、配向膜22,26
を一定の方向にラビングする。ラビングは繊維等のラビ
ング材を巻き付けたラビングローラ57を上基板16の
配向膜26上で矢印の方向に回転させながら進めること
により行われる。
【0023】このようにして形成した配向膜22,26
を使用した液晶表示装置において、密着改良剤としての
シランカップリング剤(SC)の有る部位と無い部位に
おけるプレチルト角を測定した。配向膜は2つのサンプ
ルを用い、サンプル1は日本合成ゴム製のJALS−2
19であり、サンプル2は同じくJALS−249であ
る。プレチルト角の結果は次の通りであった(単位
度)。
【0024】 このことから、シランカップリング剤等の密着改良剤を
用いると、その上の配向膜22,26は下層構造に強く
密着し、その結果液晶のプレチルト角が大きくなること
が分かった。よって密着改良剤をパターニングしておく
と、1回のラビングで、液晶20の配向状態が異なる微
小な領域A,Bを得ることができる。なお、密着改良剤
はシランカップリング剤の他のものを使用することもで
きる。
【0025】図3は、配向膜22,26の密着性を異な
らせる手段として、オゾンアッシャーを用いた例を示す
図である。(A)に示されるように、上基板18の画素
電極24及びゲートバスライン30等の上にレジスト4
2をパターニングして形成し、これをマスクとしてオゾ
ンを吹きかける。(B)に示されるように、レジスト4
2を除去すると、レジスト42の無かった部位のみが表
面処理をされることになる。そこで(C)に示されるよ
うに、配向膜22,26を塗布する。配向膜22,26
はイミド化率100パーセントのポリイミド等の有機系
の配向剤からなる。次に、(C)に示されるように、ラ
ビングローラ57を用いて配向膜22,26を一定の方
向にラビングする。
【0026】このようにして形成した配向膜22,26
を使用した液晶表示装置において、オゾンアッシャー処
理(OA)により密着性を大きくした部位と、処理され
ずに密着性が元のままの部位におけるプレチルト角を測
定した。配向膜は上記したのと同様な2つのサンプルを
用いた。プレチルト角の結果は次の通りであった(単位
度)。
【0027】 このことから、オゾンアッシャー等による表面処理によ
り、その上の配向膜22,26は下層構造に強く密着
し、その結果液晶のプレチルト角が大きくなることが分
かった。
【0028】さらに、図4に示されるように、オゾンア
ッシャー処理時間とその結果得られるプレチルト角との
間には対応関係があり、オゾンアッシャー処理時間を適
切に制御することにより、所望値に近いプレチルト角と
することができる。なお、表面処理はオゾンアッシャー
に限られるものではなく、酸素プラズマ処理等のその他
の表面処理により実施することもできる。
【0029】図7は以上説明した配向処理を簡単に示す
図である。上記説明から分かるように、微小な領域Aに
おいては、上基板18の配向膜26のラビング方向が矢
印26aで示され、下基板16の配向膜22のラビング
方向が矢印22aで示されている。微小な領域Aにおい
ては、上基板18の配向膜26の近傍の液晶の分子が大
きい角度α1 でプレチルトし、それに対向する下基板1
6の配向膜22の近傍の液晶の分子が小さい角度α2
プレチルトする。また、微小な領域Bにおいては、上基
板18の配向膜26の近傍の液晶の分子が大きい角度α
2 でプレチルトし、それに対向する下基板16の配向膜
22の近傍の液晶の分子が小さい角度α2 でプレチルト
する。
【0030】このように、微小な領域A,Bにおいて、
液晶の分子が対向する基板のうちの一方の基板16(1
8)側では大きい角度α1 でプレチルトし、他方の基板
18(16)側では小さい角度α2 でプレチルトしてい
る場合、電圧を印加したときには、中間部の液晶の分子
は図1の矢印で示されるようにプレチルト角度の大きい
方向に立ち上がる。
【0031】従って、図7の微小な領域Aにおいては、
液晶の立ち上がりは矢印26aで示された上基板18の
配向膜26の配向処理に従うものとなる。また、微小な
領域Bにおいては、液晶の立ち上がりは矢印22aで示
された下基板16の配向膜22の配向処理に従うものと
なる。従って、図7の微小な領域Aの液晶の立ち上がり
は、図8に示した領域Aのものと同じである。なぜな
ら、図8の液晶の立ち上がりも矢印26aに従ったもの
だからである。同様に、図7の微小な領域Bの液晶の立
ち上がりは、図8に示した領域Bのものと同じである。
【0032】ただし、図7の微小な領域Aの下基板16
の配向膜22のラビング方向を示す矢印22aは図8の
領域Aの下基板16の配向膜のラビング方向を示す矢印
22aとは逆の方向を向いている。従って、下基板16
近傍においては、図7の液晶の分子は図8の液晶の分子
と平行に配向し、プレチルトの方向が逆になっている。
このため、図7の微小な領域Aの液晶の分子は図8の領
域Aの液晶の分子と同様にツイストする。微小な領域B
についても同様である。
【0033】上基板18の配向膜26の近傍の液晶の分
子のプレチルトは下基板16の配向膜22の近傍の液晶
の分子のプレチルトとは逆であるので、電圧の印加によ
り液晶がプレチルト角度の大きい方に立ち上がるとき
に、逆を向いたプレチルト角度の小さい液晶の分子の挙
動は不安定になると思われる。それにもかかわらず、本
発明による液晶表示装置では、図8のようにして形成し
た液晶表示装置よりもはるかに明瞭な画像を形成するこ
とができることが確認された。その理由は、本発明で
は、複数の配向状態を形成するのに、配向処理の終わり
近くにラビングを1回だけ行えばよいことによるもので
ある。このラビング作業から時間をおくことなく、いわ
ゆるホットな状態で下基板16及び下基板18を組立
て、そしてすぐに液晶20を注入できるので、ラビング
処理の経時変化がでない状態で液晶20を封入できるか
らと思われる。また、従来のように、最初のラビングを
行った後で露光やエッチングを行い、その後で2回目の
ラビングを行う場合よりも、本発明によればラビング処
理が乱されることがなく、ラビング効果が安定するため
と思われる。
【0034】さらに、例えば図7の微小な領域Aでは、
液晶の立ち上がりは主として上基板18の配向膜26の
配向処理に従うものであり、下基板16の配向膜22の
配向処理の効果は二次的であるように思われるであろ
う。その場合、下基板16の配向膜22の配向処理を全
く行わなくてもよいのではないかとの疑問があるかもし
れない。しかし、一方の基板だけ配向処理され、他方の
基板が配向処理されていない場合には、液晶の材料と液
晶層の厚さとの関係を非常に厳密に規定しないと液晶が
ちょうど90度ツイストするようにならない。本発明で
は、下基板16の配向膜22の配向処理は上基板18の
配向膜26の配向処理と関連して少なくとも液晶がちょ
うど90度ツイストするのを助けるものである。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液晶の配向状態が微小な領域毎に異なるような配向処理
を容易且つ確実に行うことができ、視角特性及びコント
ラストの優れた液晶表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す図である。
【図2】図1の配向処理工程を示す図であり、(A)は
密着改良剤を設けるところを示し、(B)は配向膜を設
けるところを示し、(C)はラビングするところを示す
図である。
【図3】図1の配向処理工程の他の例を示す図であり、
(A)は表面処理を行うところを示し、(B)はレジス
トを除去したところを示し、(C)は配向膜を設けると
ころを示し、(D)はラビングするところを示す図であ
る。
【図4】表面処理時間とプレチルト角の関係を示す図で
ある。
【図5】一方の基板の配向処理を示す図である。
【図6】他方の基板の配向処理を示す図である。
【図7】図1の配向処理を簡単に示す図である。
【図8】従来の配向処理を簡単に示す図である。
【図9】液晶表示装置の視角特性を示す図である。
【符号の説明】
16,18…基板 20…液晶 21,24…電極 22,26…配向膜

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1及び第2の対向する基板(16,1
    8)と、該第1の基板の内面に設けられた電極(21)
    及び配向膜(22)と、該第2の基板の内面に設けられ
    た電極(24)及び配向膜(26)と、該第1及び第2
    の基板の間に挿入された液晶(20)とからなり、液晶
    の配向状態が微小な領域毎に異なるように該第1の基板
    の配向膜(22)及び該第2の基板の配向膜(26)が
    微小な領域に区分して配向処理された液晶表示装置にお
    いて、該第1の基板の配向膜(22)及び該第2の基板
    の配向膜(26)の下層構造に対する密着性が該微小な
    領域毎に変えてあり、該微小な領域毎に液晶のプレチル
    トが異なるようにしたことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 該第1の基板の配向膜(22)及び該第
    2の基板の配向膜(26)の下に密着改良剤層が設けら
    れ、それによって配向膜の密着性が変えられていること
    を特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 該第1の基板の配向膜(22)及び該第
    2の基板の配向膜(26)の下層に表面処理が行われ、
    それによって配向膜の密着性が変えられていることを特
    徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
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