JP2748523B2 - 水素イオン電極 - Google Patents
水素イオン電極Info
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- JP2748523B2 JP2748523B2 JP1084562A JP8456289A JP2748523B2 JP 2748523 B2 JP2748523 B2 JP 2748523B2 JP 1084562 A JP1084562 A JP 1084562A JP 8456289 A JP8456289 A JP 8456289A JP 2748523 B2 JP2748523 B2 JP 2748523B2
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- hydrogen ion
- electrode
- ion electrode
- titanium nitride
- hydrogen
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Description
【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、水素イオン感応材料として窒化チタンを
用いた水素イオン電極に関する。
用いた水素イオン電極に関する。
(ロ)従来の技術 従来、被測定溶液中の水素イオン濃度を電気的に測定
するためには、水素イオン選択性を持つ組成のガラス感
応膜を利用したものが知られている。
するためには、水素イオン選択性を持つ組成のガラス感
応膜を利用したものが知られている。
(ハ)発明が解決しようとする課題 上記従来の水素イオン電極は、測定性能に関しては満
足のいくものであったが、ガラス製の薄膜を用い、また
内部液を使用することから破損しやすく、形状が大きく
なって、測定に多量の試料溶液を必要とする問題点があ
った。
足のいくものであったが、ガラス製の薄膜を用い、また
内部液を使用することから破損しやすく、形状が大きく
なって、測定に多量の試料溶液を必要とする問題点があ
った。
そこで、ガラス感応膜にかわる水素イオン感応材料を
探す努力がはらわれ、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、
ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、タンタル(T
o)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、シリコン(S
i)、鉄(Fe)等の酸化物やシリコン(Si)の窒化物等
に水素イオン感応性があることがわかってきた。このよ
うな材質を用いて水素イオン電極を構成すればその小形
化を図ることができるが、感度が不足したり、長期的に
変動し、また、光感応性を有していたりして、ガラス感
応膜の場合に比べて測定性能自体は劣っている。
探す努力がはらわれ、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、
ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、タンタル(T
o)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、シリコン(S
i)、鉄(Fe)等の酸化物やシリコン(Si)の窒化物等
に水素イオン感応性があることがわかってきた。このよ
うな材質を用いて水素イオン電極を構成すればその小形
化を図ることができるが、感度が不足したり、長期的に
変動し、また、光感応性を有していたりして、ガラス感
応膜の場合に比べて測定性能自体は劣っている。
この発明は上記に鑑みなされたもので、測定性能に優
れかつ小形化可能な水素イオン電極の提供を目的として
いる。
れかつ小形化可能な水素イオン電極の提供を目的として
いる。
(ニ)課題を解決するための手段及び作用 上記課題を解決するため、この発明の水素イオン電極
は、電極支持基材上に、試料溶液中の水素イオンに感応
する材料として、窒化チタン膜を形成している。
は、電極支持基材上に、試料溶液中の水素イオンに感応
する材料として、窒化チタン膜を形成している。
窒化チタン(TiN)は固体であり、これを電極支持基
材上に成膜しているから、機械的強度に優れ、水素イオ
ン電極が破損に対して強くなり、小形化も図ることがで
きる。また、化学的に安定であり、窒化チタンが試料溶
液に溶出することがなく、長期的な変動が少ない。さら
に、応答速度、再現性、水素イオン選択性も、ガラス感
応膜と比べて劣るものではない。
材上に成膜しているから、機械的強度に優れ、水素イオ
ン電極が破損に対して強くなり、小形化も図ることがで
きる。また、化学的に安定であり、窒化チタンが試料溶
液に溶出することがなく、長期的な変動が少ない。さら
に、応答速度、再現性、水素イオン選択性も、ガラス感
応膜と比べて劣るものではない。
(ホ)実施例 この発明の一実施例を図面に基づいて以下に説明す
る。
る。
第1図(a)及び第1図(b)は、それぞれ実施例水
素イオン電極1、1′の断面図を示している。第1図
(a)の水素イオン電極1は、絶縁基板(電極支持基
材)2上に、窒化チタン膜3、…、3を並べて形成した
ものである。絶縁基板2としては、セラミック板、合成
樹脂フィルム、ガラス板等が利用できる。窒化チタン膜
3は、スパッタリング、反応性スパッタリング、イオン
プレーティング等の薄膜形成技術により容易に形成する
ことができ、その際ハードマスク等を用いることにより
パターン付けすることができる。
素イオン電極1、1′の断面図を示している。第1図
(a)の水素イオン電極1は、絶縁基板(電極支持基
材)2上に、窒化チタン膜3、…、3を並べて形成した
ものである。絶縁基板2としては、セラミック板、合成
樹脂フィルム、ガラス板等が利用できる。窒化チタン膜
3は、スパッタリング、反応性スパッタリング、イオン
プレーティング等の薄膜形成技術により容易に形成する
ことができ、その際ハードマスク等を用いることにより
パターン付けすることができる。
絶縁基板2としてセラミックス板を使用する場合に
は、第1図(a)に示すようにスクライブライン2aを予
め設けておけば、窒化チタン膜形成後に容易に分割する
ことができる。また、絶縁基板2として合成樹脂フィル
ムを用いた場合には、はさみ等で容易に分割できる。
は、第1図(a)に示すようにスクライブライン2aを予
め設けておけば、窒化チタン膜形成後に容易に分割する
ことができる。また、絶縁基板2として合成樹脂フィル
ムを用いた場合には、はさみ等で容易に分割できる。
一方、第1図(b)に示す水素イオン1′は、導体又
は半導体よりなる支持基材2′の前面に窒化チタン膜
3′を形成したものである。窒化チタン膜3′の形成方
法は、先の水素イオン電極1と同様である。
は半導体よりなる支持基材2′の前面に窒化チタン膜
3′を形成したものである。窒化チタン膜3′の形成方
法は、先の水素イオン電極1と同様である。
第2図は、上記水素イオン電極1の使用例を示してい
る。水素イオン電極1は、基準電極4と共に試料溶液5
中に浸漬される。水素イオン電極1と標準電極4はそれ
ぞれリード線6a、6bにより、電位差測定部7に接続され
ている。リード線6aと水素イオン電極1とは接触接続し
ている。
る。水素イオン電極1は、基準電極4と共に試料溶液5
中に浸漬される。水素イオン電極1と標準電極4はそれ
ぞれリード線6a、6bにより、電位差測定部7に接続され
ている。リード線6aと水素イオン電極1とは接触接続し
ている。
第4図は、以下のの3種類の標準溶液に、
の順番で実施例水素イオン電極1を浸漬した
時の基準電極に対する電位差の時間変化を示している。
の順番で実施例水素イオン電極1を浸漬した
時の基準電極に対する電位差の時間変化を示している。
pH9.22 0.01M ホウ酸塩標準液 pH6.88 0.025M 中性リン酸塩標準液 pH4.00 0.05M フタル酸塩標準液 この第4図より、実施例水素イオン電極1の応答性が
早く、また再現性にも優れていることがわかる。
早く、また再現性にも優れていることがわかる。
第3図は、各標準液のpHに対して、水素イオン
電極1の基準電極に対する電位差(mV)をプロットした
ものである。一般的には水素イオン濃度〔H+〕はpHで表
現するので、第3図もpHでプロットしており〔H+〕とpH
との関係は、以下の式で表される。
電極1の基準電極に対する電位差(mV)をプロットした
ものである。一般的には水素イオン濃度〔H+〕はpHで表
現するので、第3図もpHでプロットしており〔H+〕とpH
との関係は、以下の式で表される。
pH=−log10〔H+〕 pHと電位差との関係は理論的には25℃で59.1mV/pHと
なるが、第1図では約58mV/pHとなっており理論値に非
常に近い感度を示している。
なるが、第1図では約58mV/pHとなっており理論値に非
常に近い感度を示している。
なお、上記実施例では水素イオン電極は平板状の形状
を示しているが、基材を選択することにより自由な形状
にできる。例えば針状の基材を用いて水素イオン電極を
小形化し、微小部分の測定を可能とする構成としたり、
従来のガラス感応膜を用いた水素イオン電極のガラス感
応膜の部分を窒化チタン膜に代えるなど適宜設計変更可
能である。
を示しているが、基材を選択することにより自由な形状
にできる。例えば針状の基材を用いて水素イオン電極を
小形化し、微小部分の測定を可能とする構成としたり、
従来のガラス感応膜を用いた水素イオン電極のガラス感
応膜の部分を窒化チタン膜に代えるなど適宜設計変更可
能である。
(ヘ)発明の効果 以上説明したように、この発明の水素イオン電極は、
電極支持基材上に、試料溶液中の水素イオンに感応する
材料として、窒化チタン膜を形成してなるものであり、
機械的強度に優れ破損しにくく、化学的にも安定してお
り耐久性に優れ、長期的変動も少なくできる利点を有
し、小形化も容易である。また、応答速度、感度、再現
性及び選択性も他の水素イオン電極より劣ることはな
く、インピーダンスも低いので、測定回路も簡略化でき
る。さらに、窒化チタンは導体であり、測定回路との接
続が容易であると共に、その厚さによって性能は影響を
受けない。加えて、窒化チタン膜は、スパッタリングや
イオンプレーティング法を適用して形成できるので、大
量生産が容易となる利点を有している。
電極支持基材上に、試料溶液中の水素イオンに感応する
材料として、窒化チタン膜を形成してなるものであり、
機械的強度に優れ破損しにくく、化学的にも安定してお
り耐久性に優れ、長期的変動も少なくできる利点を有
し、小形化も容易である。また、応答速度、感度、再現
性及び選択性も他の水素イオン電極より劣ることはな
く、インピーダンスも低いので、測定回路も簡略化でき
る。さらに、窒化チタンは導体であり、測定回路との接
続が容易であると共に、その厚さによって性能は影響を
受けない。加えて、窒化チタン膜は、スパッタリングや
イオンプレーティング法を適用して形成できるので、大
量生産が容易となる利点を有している。
第1図(a)は、この発明の一実施例に係る水素イオン
電極の断面図、第1図(b)は、同水素イオン電極の変
形例を示す断面図、第2図は、同水素イオン電極の使用
例を説明する図、第3図は、同水素イオン電極のpH/電
位差特性を示す図、第4図は、同水素イオン電極を3種
類の標準溶液に順に浸漬した時の電位差の変化を説明す
る図である。 2:絶縁基材、2′:基材、 3・3′:窒化チタン膜。
電極の断面図、第1図(b)は、同水素イオン電極の変
形例を示す断面図、第2図は、同水素イオン電極の使用
例を説明する図、第3図は、同水素イオン電極のpH/電
位差特性を示す図、第4図は、同水素イオン電極を3種
類の標準溶液に順に浸漬した時の電位差の変化を説明す
る図である。 2:絶縁基材、2′:基材、 3・3′:窒化チタン膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 真人 京都府京都市右京区花園中御門町3番地 株式会社立石ライフサイエンス研究所 内 (72)発明者 遠藤 英樹 京都府京都市右京区花園中御門町3番地 株式会社立石ライフサイエンス研究所 内 (56)参考文献 特開 平3−162660(JP,A) 特開 平3−140858(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】電極支持基材上に、試料溶液中の水素イオ
ンに感応する材料として、窒化チタン膜を形成してなる
水素イオン電極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1084562A JP2748523B2 (ja) | 1989-04-03 | 1989-04-03 | 水素イオン電極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1084562A JP2748523B2 (ja) | 1989-04-03 | 1989-04-03 | 水素イオン電極 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02263150A JPH02263150A (ja) | 1990-10-25 |
JP2748523B2 true JP2748523B2 (ja) | 1998-05-06 |
Family
ID=13834094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1084562A Expired - Lifetime JP2748523B2 (ja) | 1989-04-03 | 1989-04-03 | 水素イオン電極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2748523B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0487272A (ja) * | 1990-07-30 | 1992-03-19 | Agency Of Ind Science & Technol | 鉛蓄電池 |
-
1989
- 1989-04-03 JP JP1084562A patent/JP2748523B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02263150A (ja) | 1990-10-25 |
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