JP2747921B2 - 光散乱法による超微粒子の粒径測定装置 - Google Patents
光散乱法による超微粒子の粒径測定装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、シリコンウエハ等の試料表面に付着したナ
ノメータオーダの超微粒子の粒径を測定する光散乱法に
よる超微粒子の粒径測定装置に関する。
ノメータオーダの超微粒子の粒径を測定する光散乱法に
よる超微粒子の粒径測定装置に関する。
従来、微粒子の粒径を測定する最も分解能に優れた方
法は光散乱法であるが、それでも単一微粒子を対象とし
た光散乱法による粒径測定器の最小検出可能粒径は、高
々0.1μm程度であるが、半導体の集積度が飛躍的に増
加した今日では、ナノメータオーダの超微粒子を検出す
る必要性が生じてきた。即ち、電子回路パターンの欠陥
の殆どは、シリコンウエハ上の異物により生じることが
知られており、LSI製造での歩留まりと信頼性を考慮す
れば、そのパターン幅の1/5〜1/10程度の大きさの異物
の付着が重大な問題を起こし、LSIパターンにおける高
集積化に伴い、そのパターン幅もサブミクロンオーダと
なり、今後製造環境の清浄化による製造工程におけるシ
リコンウエハ上の異物付着の低減を図るとともに、その
ウエハ上にあるナノメータオーダの異物、即ち超微粒子
を除去するために、その超微粒子の粒径を検出すること
が必要となった。
法は光散乱法であるが、それでも単一微粒子を対象とし
た光散乱法による粒径測定器の最小検出可能粒径は、高
々0.1μm程度であるが、半導体の集積度が飛躍的に増
加した今日では、ナノメータオーダの超微粒子を検出す
る必要性が生じてきた。即ち、電子回路パターンの欠陥
の殆どは、シリコンウエハ上の異物により生じることが
知られており、LSI製造での歩留まりと信頼性を考慮す
れば、そのパターン幅の1/5〜1/10程度の大きさの異物
の付着が重大な問題を起こし、LSIパターンにおける高
集積化に伴い、そのパターン幅もサブミクロンオーダと
なり、今後製造環境の清浄化による製造工程におけるシ
リコンウエハ上の異物付着の低減を図るとともに、その
ウエハ上にあるナノメータオーダの異物、即ち超微粒子
を除去するために、その超微粒子の粒径を検出すること
が必要となった。
本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところ
は、シリコンウエハ等の試料表面に付着した粒径2〜10
nm程度の超微粒子を非破壊且つ非接触でその粒径を測定
することが可能な光散乱法による超微粒子の粒径測定装
置を提供する点にある。
は、シリコンウエハ等の試料表面に付着した粒径2〜10
nm程度の超微粒子を非破壊且つ非接触でその粒径を測定
することが可能な光散乱法による超微粒子の粒径測定装
置を提供する点にある。
本発明は、前述の課題解決の為に、レーザ光を楕円集
光器の第一焦点近傍に集光し、該焦点近傍にその表面を
位置させ且つ等速で移動させた試料に前記レーザ光を照
射し、該試料表面に付着した超微粒子からの極微弱な散
乱光を楕円集光器の第二焦点に集光させ、そして該散乱
光を光ガイドで光電子増倍管の光電面に導いて単一光電
子状態の離散パルス状信号として検出し、その信号を積
分してピーク値を超微粒子の粒径に比例する電圧に変換
し、その最大電圧値から超微粒子の粒径を算出してなる
光散乱法による超微粒子の粒径測定方法を確立した。
光器の第一焦点近傍に集光し、該焦点近傍にその表面を
位置させ且つ等速で移動させた試料に前記レーザ光を照
射し、該試料表面に付着した超微粒子からの極微弱な散
乱光を楕円集光器の第二焦点に集光させ、そして該散乱
光を光ガイドで光電子増倍管の光電面に導いて単一光電
子状態の離散パルス状信号として検出し、その信号を積
分してピーク値を超微粒子の粒径に比例する電圧に変換
し、その最大電圧値から超微粒子の粒径を算出してなる
光散乱法による超微粒子の粒径測定方法を確立した。
そして、上記方法を実現するために、レーザ光を所定
スポット径に集光して試料表面に照射するレーザ光照射
手段と、内面に形成された楕円面鏡の第一焦点と第二焦
点を、周囲の稜線を結ぶ面より僅かに外方に位置するよ
うに設定するとともに、前記第一焦点を中心とした等角
位置に、前記レーザ光を該焦点を含む近傍に照射すべく
入出射口を開設してなる楕円集光器と、前記楕円集光器
の第一焦点を含む近傍に試料表面を位置し且つ該試料を
等速で移動し得る移動装置と、前記楕円集光器の第二焦
点近傍に一端を配し、該焦点に集光された試料表面に付
着した超微粒子からの散乱光を案内する光ガイドと、前
記光ガイドの他端に配し、該光ガイドにより案内された
極微弱な散乱光を単一光電子状態の離散パルス状信号と
して検出する光電子増倍管を内装し、該光電子増倍管を
冷却し得る検出器と、該検出器により検出された散乱光
の信号を積分して電圧に変換し、そのピーク値電圧から
超微粒子の粒径を算出する信号処理手段とよりなる光散
乱法による超微粒子の粒径測定装置を構成した。
スポット径に集光して試料表面に照射するレーザ光照射
手段と、内面に形成された楕円面鏡の第一焦点と第二焦
点を、周囲の稜線を結ぶ面より僅かに外方に位置するよ
うに設定するとともに、前記第一焦点を中心とした等角
位置に、前記レーザ光を該焦点を含む近傍に照射すべく
入出射口を開設してなる楕円集光器と、前記楕円集光器
の第一焦点を含む近傍に試料表面を位置し且つ該試料を
等速で移動し得る移動装置と、前記楕円集光器の第二焦
点近傍に一端を配し、該焦点に集光された試料表面に付
着した超微粒子からの散乱光を案内する光ガイドと、前
記光ガイドの他端に配し、該光ガイドにより案内された
極微弱な散乱光を単一光電子状態の離散パルス状信号と
して検出する光電子増倍管を内装し、該光電子増倍管を
冷却し得る検出器と、該検出器により検出された散乱光
の信号を積分して電圧に変換し、そのピーク値電圧から
超微粒子の粒径を算出する信号処理手段とよりなる光散
乱法による超微粒子の粒径測定装置を構成した。
また、前記光ガイドとして、焦点を楕円集光器の第二
焦点に一致させた放物面鏡を内面に有するパラボラ集光
器、又は前記第二焦点を囲む半球面上に一端を位置させ
た複数の光ファイバーを用いた。
焦点に一致させた放物面鏡を内面に有するパラボラ集光
器、又は前記第二焦点を囲む半球面上に一端を位置させ
た複数の光ファイバーを用いた。
以上の如き内容からなる本発明の光散乱法による超微
粒子の粒径測定方法及びその装置は、楕円集光器の第一
焦点近傍に位置して等速で移動する試料表面に、集光し
たレーザ光を照射すると、そのレーザ光のスポット内を
試料表面に付着した超微粒子が通過する際に、その粒径
に応じた強度で移動速度に応じた光量の散乱光が第一焦
点近傍で生じ、その極微弱な全散乱光のうち2πステラ
ジアン内の散乱光が楕円集光器に受光され第二焦点に集
光された後、光ガイドで光電子増倍管の光電面に導か
れ、そして散乱光の強度に比例した個数の光電子が生成
されて単一光電子状態の離散パルス信号として検出さ
れ、その離散信号を積分して得られた電圧信号の最大電
圧値を超微粒子の粒径に比例するように設定し、こうし
て該最大電圧値から試料表面に付着した超微粒子の粒径
を測定できるようになしたものである。
粒子の粒径測定方法及びその装置は、楕円集光器の第一
焦点近傍に位置して等速で移動する試料表面に、集光し
たレーザ光を照射すると、そのレーザ光のスポット内を
試料表面に付着した超微粒子が通過する際に、その粒径
に応じた強度で移動速度に応じた光量の散乱光が第一焦
点近傍で生じ、その極微弱な全散乱光のうち2πステラ
ジアン内の散乱光が楕円集光器に受光され第二焦点に集
光された後、光ガイドで光電子増倍管の光電面に導か
れ、そして散乱光の強度に比例した個数の光電子が生成
されて単一光電子状態の離散パルス信号として検出さ
れ、その離散信号を積分して得られた電圧信号の最大電
圧値を超微粒子の粒径に比例するように設定し、こうし
て該最大電圧値から試料表面に付着した超微粒子の粒径
を測定できるようになしたものである。
また、楕円集光器の第一焦点に集光され、試料表面に
照射したレーザ光の該表面からの強い反射光が第二焦点
に集光されないように、楕円面鏡側の第一焦点を中心と
して等角位置に、レーザ光の入出射口を開設している。
照射したレーザ光の該表面からの強い反射光が第二焦点
に集光されないように、楕円面鏡側の第一焦点を中心と
して等角位置に、レーザ光の入出射口を開設している。
更に、前記楕円集光器の第二焦点から出てくる散乱光
の射出角度は、超微粒子による散乱光強度分布に応じて
約180度の範囲にまたがるので、光ガイドとしてパラボ
ラ集光器を用いた場合、前記第二焦点に放物面鏡の焦点
を一致させることにより、また光ガイドとして光ファイ
バーを用いた場合、前記第二焦点を囲む半球面上に複数
の光ファイバーの一端を位置させることにより、極めて
効率よく光電子増倍管の光電面に導くことが可能であ
る。
の射出角度は、超微粒子による散乱光強度分布に応じて
約180度の範囲にまたがるので、光ガイドとしてパラボ
ラ集光器を用いた場合、前記第二焦点に放物面鏡の焦点
を一致させることにより、また光ガイドとして光ファイ
バーを用いた場合、前記第二焦点を囲む半球面上に複数
の光ファイバーの一端を位置させることにより、極めて
効率よく光電子増倍管の光電面に導くことが可能であ
る。
次に添付図面に示した実施例に基づき更に本発明の詳
細を説明する。
細を説明する。
第1図(a),(b)及び第2図は本発明の代表的実
施例を示し、図中Aはレーザ光照射手段、Bは楕円集光
器、Cは移動装置、Dは光ガイド、Eは検出器、Fは信
号処理手段をそれぞれ示している。
施例を示し、図中Aはレーザ光照射手段、Bは楕円集光
器、Cは移動装置、Dは光ガイド、Eは検出器、Fは信
号処理手段をそれぞれ示している。
レーザ光照射手段Aは、全出力(IO)が1W,波長
(λ)が488nmのアルゴン(Ar+)レーザ1から射出した
レーザ光2をチョッパー3を通して、スペーシャルフィ
ルタ4で非線形波面のひずみを除去するとともに、空間
強度分布を一様となしてコリメータレンズ5により大口
径の平行ビームに変換し、偏光プリズム6で直線偏光と
なした後、偏光ビームスプリッタ7を通過させたレーザ
光2をλ/4波長板8を通して放物面鏡9で反射させ、再
び該λ/4波長板8を通過させ前記偏光ビームスプリッタ
7で直角方向に反射させて、スポット径dが約5μmに
なるように集光する光学系で構成した。尚、本実施例で
はレーザ光2として、アルゴンレーザの488nmの波長を
用いたが、後述の散乱光の集光系に用いる鏡面研磨した
金属に対する反射率が高い長波長を発振できるレーザを
適宜用いることが可能であるが、あまり長波長にすると
後述の光電子増倍管の光電面での光電子への変換効率が
低下し、出力が低下するので注意を要する。
(λ)が488nmのアルゴン(Ar+)レーザ1から射出した
レーザ光2をチョッパー3を通して、スペーシャルフィ
ルタ4で非線形波面のひずみを除去するとともに、空間
強度分布を一様となしてコリメータレンズ5により大口
径の平行ビームに変換し、偏光プリズム6で直線偏光と
なした後、偏光ビームスプリッタ7を通過させたレーザ
光2をλ/4波長板8を通して放物面鏡9で反射させ、再
び該λ/4波長板8を通過させ前記偏光ビームスプリッタ
7で直角方向に反射させて、スポット径dが約5μmに
なるように集光する光学系で構成した。尚、本実施例で
はレーザ光2として、アルゴンレーザの488nmの波長を
用いたが、後述の散乱光の集光系に用いる鏡面研磨した
金属に対する反射率が高い長波長を発振できるレーザを
適宜用いることが可能であるが、あまり長波長にすると
後述の光電子増倍管の光電面での光電子への変換効率が
低下し、出力が低下するので注意を要する。
楕円集光器Bは、金属塊を回転楕円体の長径を中心と
した略半球形状に切削し、鏡面加工して楕円面鏡10を内
面に形成したもので、該楕円面鏡10の第一焦点11と第二
焦点12を周囲の稜線を結ぶ面より僅かに外方に位置する
ように設定するとともに、該楕円面鏡10側に第一焦点11
を中心とした等角位置に前記レーザ光2の入出射口13,1
4を開設し、該入射口13から入射したレーザ光2が前記
第一焦点11の近傍に配したシリコンウエハ等の試料15の
表面から反射して、楕円面鏡10を反射して第二焦点12に
集光されないように、該試料15からの反射光は全て出射
口14から出ていくようにしている。
した略半球形状に切削し、鏡面加工して楕円面鏡10を内
面に形成したもので、該楕円面鏡10の第一焦点11と第二
焦点12を周囲の稜線を結ぶ面より僅かに外方に位置する
ように設定するとともに、該楕円面鏡10側に第一焦点11
を中心とした等角位置に前記レーザ光2の入出射口13,1
4を開設し、該入射口13から入射したレーザ光2が前記
第一焦点11の近傍に配したシリコンウエハ等の試料15の
表面から反射して、楕円面鏡10を反射して第二焦点12に
集光されないように、該試料15からの反射光は全て出射
口14から出ていくようにしている。
移動装置Cは、平行な面を有する板状の試料15を装着
する場合は、平面的に移動するX−Yテーブル16を用い
ることができ、上面に前記試料15を固定し、該試料15の
表面を前記楕円集光器Bの第一焦点11近傍に常に位置さ
せてX方向及びY方向に等速で移動させるものであり、
それぞれのテーブルに接続した駆動用のステッピングモ
ータ17,17は、モータ駆動装置18により回転されてい
る。こうして、前記試料15の表面各部を第一焦点11の近
傍を移動させ、結果としてレーザ光2のスポットにて試
料15の表面を走査するのである。また、前記試料15を固
定し、レーザ光照射手段Aを含む光学系を移動させるこ
とも不可能ではないが現実的でない。尚、曲面状の表面
を有する試料15の場合には、Z方向にも移動できるよう
にするか、曲率が一定の場合にはその曲率と一致させて
上方テーブルが下方テーブルに対してローリングするよ
うになすことが必要である。
する場合は、平面的に移動するX−Yテーブル16を用い
ることができ、上面に前記試料15を固定し、該試料15の
表面を前記楕円集光器Bの第一焦点11近傍に常に位置さ
せてX方向及びY方向に等速で移動させるものであり、
それぞれのテーブルに接続した駆動用のステッピングモ
ータ17,17は、モータ駆動装置18により回転されてい
る。こうして、前記試料15の表面各部を第一焦点11の近
傍を移動させ、結果としてレーザ光2のスポットにて試
料15の表面を走査するのである。また、前記試料15を固
定し、レーザ光照射手段Aを含む光学系を移動させるこ
とも不可能ではないが現実的でない。尚、曲面状の表面
を有する試料15の場合には、Z方向にも移動できるよう
にするか、曲率が一定の場合にはその曲率と一致させて
上方テーブルが下方テーブルに対してローリングするよ
うになすことが必要である。
光ガイドDは、本実施例では鏡面研磨した金属面の放
物面鏡19を内面に有し、その焦点20の近傍に開口21を形
成したパラボラ集光器22を用い、該焦点20を前記楕円集
光器Bの第二焦点12に一致させ、他端の解放端を後述の
検出器Eに接続している。尚、本実施例でこのパラボラ
集光器22を用いた理由は、前記楕円集光器Bの第二焦点
12から出てくる散乱光2′の射出角度は、超微粒子Pに
よる散乱光強度分布に応じて約180度の範囲にまたがる
ので、このような広角の散乱光2′を効率よく集光する
ためである。また、図示しないが複数の光ファイバーの
一端を前記第二焦点12を囲む半球面上に配し、他端を束
ねて検出器Eに導くことも可能である。
物面鏡19を内面に有し、その焦点20の近傍に開口21を形
成したパラボラ集光器22を用い、該焦点20を前記楕円集
光器Bの第二焦点12に一致させ、他端の解放端を後述の
検出器Eに接続している。尚、本実施例でこのパラボラ
集光器22を用いた理由は、前記楕円集光器Bの第二焦点
12から出てくる散乱光2′の射出角度は、超微粒子Pに
よる散乱光強度分布に応じて約180度の範囲にまたがる
ので、このような広角の散乱光2′を効率よく集光する
ためである。また、図示しないが複数の光ファイバーの
一端を前記第二焦点12を囲む半球面上に配し、他端を束
ねて検出器Eに導くことも可能である。
前記検出器Eは、一部の窓部23を残して外周に冷媒を
密封できるように二重構造となした冷却容器24内に、受
光面を前記窓部23に向けて内装した光電子増倍管25を内
装し、前記窓部23には受光面に結露が生じるのを防止す
るために二重窓セル26を設けている。そして、前記光電
子増倍管25には、極微弱な散乱光2′を単一光電子状態
の離散パルス状信号として検出できるように高電圧電源
27にて所定電圧VCを印加している。
密封できるように二重構造となした冷却容器24内に、受
光面を前記窓部23に向けて内装した光電子増倍管25を内
装し、前記窓部23には受光面に結露が生じるのを防止す
るために二重窓セル26を設けている。そして、前記光電
子増倍管25には、極微弱な散乱光2′を単一光電子状態
の離散パルス状信号として検出できるように高電圧電源
27にて所定電圧VCを印加している。
信号処理手段Fは、第1図(a)及び第4図に示す如
く前記検出器Eの光電子増倍管25の光電面28に導かれた
散乱光2′(全散乱光強度IS)による単一光電子状態の
離散パルス状信号S(第3図(c)に示す)を積分し
て、最大電圧値Vmを散乱光2′の強度に比例した電圧VP
(第3図(d)に示す)に変換する検出回路29と、その
電圧VPの信号のピーク値Vmを読み取り、超微粒子Pの粒
径DPに変換するコンピュータ30とよりなり、該検出回路
29はアナログ的に前記光電子増倍管25のパルス列出力を
積分するCR積分回路(積分定数τ=CR)で構成され、ま
た前記コンピュータ30には球形の超微粒子Pの粒径DPに
応じた散乱光2′が集光系により光電子増倍管25に導か
れ、前記検出回路29により得られる出力電圧VPの最大電
圧値Vmを、各部の反射及び変換効率等を考慮に入れて、
予め理論的に予測される粒径DPと最大電圧値Vmの相関関
係データを記憶させておき、実際の検出回路29による出
力電圧VPの最大値を読み取って前記データとを比較し、
超微粒子Pの粒径DPを比較算出するのである。また、光
電子増倍管25の出力が小さい場合には、CR積分回路の前
段に高速パルス増幅器を入れることも可能で、更に光電
子増倍管25の出力を二値化し、デジタル的に積分するこ
とも可能である。尚、前記コンピュータ30には、レーザ
1の出力P、スポット径d、走査速度vS、高電圧電源27
によって光電子増倍管25に印加する電圧VC、検出回路29
の積分定数τ等をパラメータとして入力可能とし、それ
らの入力値によって自動的に前記粒径DPと最大電圧値Vm
の相関関係データを作成できるようにすることは実用的
である。
く前記検出器Eの光電子増倍管25の光電面28に導かれた
散乱光2′(全散乱光強度IS)による単一光電子状態の
離散パルス状信号S(第3図(c)に示す)を積分し
て、最大電圧値Vmを散乱光2′の強度に比例した電圧VP
(第3図(d)に示す)に変換する検出回路29と、その
電圧VPの信号のピーク値Vmを読み取り、超微粒子Pの粒
径DPに変換するコンピュータ30とよりなり、該検出回路
29はアナログ的に前記光電子増倍管25のパルス列出力を
積分するCR積分回路(積分定数τ=CR)で構成され、ま
た前記コンピュータ30には球形の超微粒子Pの粒径DPに
応じた散乱光2′が集光系により光電子増倍管25に導か
れ、前記検出回路29により得られる出力電圧VPの最大電
圧値Vmを、各部の反射及び変換効率等を考慮に入れて、
予め理論的に予測される粒径DPと最大電圧値Vmの相関関
係データを記憶させておき、実際の検出回路29による出
力電圧VPの最大値を読み取って前記データとを比較し、
超微粒子Pの粒径DPを比較算出するのである。また、光
電子増倍管25の出力が小さい場合には、CR積分回路の前
段に高速パルス増幅器を入れることも可能で、更に光電
子増倍管25の出力を二値化し、デジタル的に積分するこ
とも可能である。尚、前記コンピュータ30には、レーザ
1の出力P、スポット径d、走査速度vS、高電圧電源27
によって光電子増倍管25に印加する電圧VC、検出回路29
の積分定数τ等をパラメータとして入力可能とし、それ
らの入力値によって自動的に前記粒径DPと最大電圧値Vm
の相関関係データを作成できるようにすることは実用的
である。
尚、本実施例では前記コンピュータ30と連動して、入
力するパラメータ及び測定結果を表示する投影回路31を
設けている。
力するパラメータ及び測定結果を表示する投影回路31を
設けている。
次に、本発明の粒径測定原理の詳細を述べれば、第3
図(a)に示す如くレーザ光照射手段Aの試料15に集光
されたレーザ光2のスポット光強度I(r)は、ガウシ
アン分布(第3図(b)に示す)を仮定し、その半径r
の方向の強度が1/e2になるポンイトの輪郭半径をw(w
=d/2)とすれば、 で与えられる。ここで、IOはレーザ光2の全出力(1W)
である。このレーザ光2の試料15表面でのスポット径d
は、本実施例では5μmに設定してあり、測定対象とす
る超微粒子Pの粒径DP(1〜10nm)と比較して非常に大
きいので、該超微粒子Pからの散乱光2′は前記スポッ
ト径dが該粒子を通過する時間の間、前記スポット光強
度I(r)に応じて発生する。その散乱光2′の全散乱
光強度ISは、レーザ光2の波長(488nm)に比べて粒径D
Pが十分小さい場合に適用されるレーリー散乱の理論を
適用して、 と表される。ここで、α=DPπ/λは無次元のパラメー
タで、該αが1より十分小さい場合に(2)式が成り立
ち、または超微粒子Pに対する複素屈折率で、超微粒
子Pの種類により多少異なるものである。
図(a)に示す如くレーザ光照射手段Aの試料15に集光
されたレーザ光2のスポット光強度I(r)は、ガウシ
アン分布(第3図(b)に示す)を仮定し、その半径r
の方向の強度が1/e2になるポンイトの輪郭半径をw(w
=d/2)とすれば、 で与えられる。ここで、IOはレーザ光2の全出力(1W)
である。このレーザ光2の試料15表面でのスポット径d
は、本実施例では5μmに設定してあり、測定対象とす
る超微粒子Pの粒径DP(1〜10nm)と比較して非常に大
きいので、該超微粒子Pからの散乱光2′は前記スポッ
ト径dが該粒子を通過する時間の間、前記スポット光強
度I(r)に応じて発生する。その散乱光2′の全散乱
光強度ISは、レーザ光2の波長(488nm)に比べて粒径D
Pが十分小さい場合に適用されるレーリー散乱の理論を
適用して、 と表される。ここで、α=DPπ/λは無次元のパラメー
タで、該αが1より十分小さい場合に(2)式が成り立
ち、または超微粒子Pに対する複素屈折率で、超微粒
子Pの種類により多少異なるものである。
前記全散乱強度ISのうち光電子増倍管25の光電面28に
受光可能な散乱光強度Iiは、 Ii=βIS (3) で表される。ここで、βは集光系の損失を考慮した集光
効率で、楕円集光器Bの各焦点での入出射損失を9%、
楕円面鏡10(アルミニウム)の反射率を90%、パラボラ
集光器22の放物面鏡19(アルミニウム)の反射率を90%
とすれば、約β=0.67であるが、楕円集光器Bの入出射
口13,14による損失と該入出射口13,14を傾斜させている
ことと、全散乱光強度ISのうち、2πステラジアンの角
度内の散乱光2′が集光されることなどを考慮に入れ
て、本実施例ではβ=0.575としている。そして、第7
図に粒径DP(nm)と受光散乱光強度Ii(W)との関係
を、銀(Ag)、金(Au)、炭化珪素(SiC)、酸化アル
ミニウム(Al2O3)及び二酸化珪素(SiO2)について図
示している。
受光可能な散乱光強度Iiは、 Ii=βIS (3) で表される。ここで、βは集光系の損失を考慮した集光
効率で、楕円集光器Bの各焦点での入出射損失を9%、
楕円面鏡10(アルミニウム)の反射率を90%、パラボラ
集光器22の放物面鏡19(アルミニウム)の反射率を90%
とすれば、約β=0.67であるが、楕円集光器Bの入出射
口13,14による損失と該入出射口13,14を傾斜させている
ことと、全散乱光強度ISのうち、2πステラジアンの角
度内の散乱光2′が集光されることなどを考慮に入れ
て、本実施例ではβ=0.575としている。そして、第7
図に粒径DP(nm)と受光散乱光強度Ii(W)との関係
を、銀(Ag)、金(Au)、炭化珪素(SiC)、酸化アル
ミニウム(Al2O3)及び二酸化珪素(SiO2)について図
示している。
また、第4図に示すように、光電子増倍管25の光電面
28に入射する受光散乱光強度Iiに応じた光子数NPhは、
プランク定数をh、光速度をcとすれば、 NPh=Ii λ/hc (4) で与えられ、この光子数NPhに光電面28での量子効率η
を乗じた光電子数NPkの電子が該光電面28から放出さ
れ、該光電子数NPkにダイノード集光効率δ(δ=0.7)
を乗じた光電子数Nkの電子が、増幅率μだけ増幅されて
単一光電子電子状態の離散パルス状信号Sとして、当該
光電子増倍管25から出力される。即ち、光電子数Nkは、 Nk(r)=Ii(λ/hc)ηδ =βIS(λ/hc)ηδ(個/sec) (5) と表される。ただし、この離散パルス状信号Sは第3図
(c)に示すようにスポット光強度分布が、ガウシアン
分布なので、スポット径d内で疎密な発生分布状態にあ
る。
28に入射する受光散乱光強度Iiに応じた光子数NPhは、
プランク定数をh、光速度をcとすれば、 NPh=Ii λ/hc (4) で与えられ、この光子数NPhに光電面28での量子効率η
を乗じた光電子数NPkの電子が該光電面28から放出さ
れ、該光電子数NPkにダイノード集光効率δ(δ=0.7)
を乗じた光電子数Nkの電子が、増幅率μだけ増幅されて
単一光電子電子状態の離散パルス状信号Sとして、当該
光電子増倍管25から出力される。即ち、光電子数Nkは、 Nk(r)=Ii(λ/hc)ηδ =βIS(λ/hc)ηδ(個/sec) (5) と表される。ただし、この離散パルス状信号Sは第3図
(c)に示すようにスポット光強度分布が、ガウシアン
分布なので、スポット径d内で疎密な発生分布状態にあ
る。
更に、超微粒子Pが走査レーザスポットで検知されて
生じるスポット径d当たりの単一光電子パルス数N
kSは、スポット走査速度vS(m/sec)とすれば、 NkS=Nk・d/vS (個数) (6) で求まり、粒径DPと単一光電子パルス数NkSの関係を走
査速度vSをパラメータとして第8図に示した。尚、図中
単一光電子パルス数NkSが10以下は検出不安定領域とし
て破線で示している。本発明は、走査レーザスポットが
超微粒子Pを照射している時間に放出される単一光電子
パルス数NkSを、前記検出回路29を通して積分し、第3
図(d)に示すように出力電圧VPの波高値として検出
し、その最大電圧値Vmから粒径DPを知るのがその測定原
理である。
生じるスポット径d当たりの単一光電子パルス数N
kSは、スポット走査速度vS(m/sec)とすれば、 NkS=Nk・d/vS (個数) (6) で求まり、粒径DPと単一光電子パルス数NkSの関係を走
査速度vSをパラメータとして第8図に示した。尚、図中
単一光電子パルス数NkSが10以下は検出不安定領域とし
て破線で示している。本発明は、走査レーザスポットが
超微粒子Pを照射している時間に放出される単一光電子
パルス数NkSを、前記検出回路29を通して積分し、第3
図(d)に示すように出力電圧VPの波高値として検出
し、その最大電圧値Vmから粒径DPを知るのがその測定原
理である。
また、第5図は光電子増倍管25と検出回路29を含めた
等価回路を示している。該光電子増倍管25の増幅率をμ
とすると、光電面28で発生した1個の光電子は、総電荷
量QO=eμ(eは電荷素量)で、幅がtw(通常2〜10n
s)のパルスとして出力される。光電子増倍管25の出力
部に接続された負荷抵抗Rt、浮遊容量を含めたコンデン
サ容量をCとするとき、CR回路出力電圧VOは次のように
表され、即ち0<t≦t1における充電電圧VOCは、時定
数をτ(例えば、R=50kΩ、C=1000pF;τ=CR=50μ
s)として、 となり、またt1<tでの放電電圧VODは、 となる。これらの関係は、第6図に示してあり、幅twの
パルスによる充電電圧をV1、またはtD秒後の放電電圧を
V2とするとき、twとtDに対して時定数τ、即ちCRの値を
適当に選ぶことによりその電圧比V2/V1を式(7)と
(8)により、 となり、単一光電子パルス列により充電電圧V1は、ほぼ
減衰することなく上昇し続けて、第3図(d)に示すパ
ルス列の積分された出力電圧VPが得られるのである。そ
の最大電圧値Vmは単一光電子パルス数NkSに比例し、即
ち超微粒子Pからの受光散乱光強度Iiに比例し、もって
該超微粒子Pの粒径DPを測定することができるのであ
る。
等価回路を示している。該光電子増倍管25の増幅率をμ
とすると、光電面28で発生した1個の光電子は、総電荷
量QO=eμ(eは電荷素量)で、幅がtw(通常2〜10n
s)のパルスとして出力される。光電子増倍管25の出力
部に接続された負荷抵抗Rt、浮遊容量を含めたコンデン
サ容量をCとするとき、CR回路出力電圧VOは次のように
表され、即ち0<t≦t1における充電電圧VOCは、時定
数をτ(例えば、R=50kΩ、C=1000pF;τ=CR=50μ
s)として、 となり、またt1<tでの放電電圧VODは、 となる。これらの関係は、第6図に示してあり、幅twの
パルスによる充電電圧をV1、またはtD秒後の放電電圧を
V2とするとき、twとtDに対して時定数τ、即ちCRの値を
適当に選ぶことによりその電圧比V2/V1を式(7)と
(8)により、 となり、単一光電子パルス列により充電電圧V1は、ほぼ
減衰することなく上昇し続けて、第3図(d)に示すパ
ルス列の積分された出力電圧VPが得られるのである。そ
の最大電圧値Vmは単一光電子パルス数NkSに比例し、即
ち超微粒子Pからの受光散乱光強度Iiに比例し、もって
該超微粒子Pの粒径DPを測定することができるのであ
る。
最後に、本発明の測定感度S/N比について述べる。該S
/N比に大きく影響するノイズに光電子増倍管25の暗電流
があり、暗電流による単一光電子パルス数をNdとすると
き、S/N比を次式で定義する。
/N比に大きく影響するノイズに光電子増倍管25の暗電流
があり、暗電流による単一光電子パルス数をNdとすると
き、S/N比を次式で定義する。
S/N=Nk/Nd (10) そこで、常温(20℃)ではその暗電流により単位時間
当たり約3000個の単一光電子パルスが得られ、該光電子
増倍管25を冷却(−30℃)することによって暗電流によ
る単位時間当たりの単一光電子パルスを約75個に抑える
ことができ、第9図に示したS/N比と粒径DPの関係よ
り、S/N比が10以上を測定の限界とすれば、−30℃程度
まで冷却することにより粒径DPが2.5μm以上の超微粒
子Pの粒径検出が可能であり、粒径DPが10μmの超微粒
子Pの検出には、光電子増倍管25を冷却せずとも、S/N
比を103程度とれるので、電磁誘導などのノイズに考慮
すれば十分検出が可能である。
当たり約3000個の単一光電子パルスが得られ、該光電子
増倍管25を冷却(−30℃)することによって暗電流によ
る単位時間当たりの単一光電子パルスを約75個に抑える
ことができ、第9図に示したS/N比と粒径DPの関係よ
り、S/N比が10以上を測定の限界とすれば、−30℃程度
まで冷却することにより粒径DPが2.5μm以上の超微粒
子Pの粒径検出が可能であり、粒径DPが10μmの超微粒
子Pの検出には、光電子増倍管25を冷却せずとも、S/N
比を103程度とれるので、電磁誘導などのノイズに考慮
すれば十分検出が可能である。
また、前述のように散乱光2′の強度は極微弱である
ので、光電子増倍管25は感度の限界で使用しているが、
レーザ1の出力を可能な限り上昇させることにより、若
干その検出感度を上げることができるが、レーザ光2の
照射により試料15及び超微粒子Pが熱破壊される恐れが
あり、レーザ1の出力の選定には注意を要する。例え
ば、1Wのレーザ1を5μmのスポットに集光し、試料15
としてシリコンウエハを選んだ場合、熱伝導理論により
該シリコンウエハの定常状態での表面温度は約455℃と
なり、その表面は溶融しないことが判り、また超微粒子
Pとして粒径DPが10nmの金微粒子を選んだ場合、定常状
態での表面温度は約550℃となり、やはり溶融すること
はないことが判った。
ので、光電子増倍管25は感度の限界で使用しているが、
レーザ1の出力を可能な限り上昇させることにより、若
干その検出感度を上げることができるが、レーザ光2の
照射により試料15及び超微粒子Pが熱破壊される恐れが
あり、レーザ1の出力の選定には注意を要する。例え
ば、1Wのレーザ1を5μmのスポットに集光し、試料15
としてシリコンウエハを選んだ場合、熱伝導理論により
該シリコンウエハの定常状態での表面温度は約455℃と
なり、その表面は溶融しないことが判り、また超微粒子
Pとして粒径DPが10nmの金微粒子を選んだ場合、定常状
態での表面温度は約550℃となり、やはり溶融すること
はないことが判った。
尚、本発明の粒径測定方法では、超微粒子Pの種類は
判らず、その種類によって複素屈折率が異なるので、
第7図の如く粒径DPと受光散乱光強度Iiの関係から一義
的に定めることができず、従って粒径DPの算出には固有
の誤差を含んでいる。シリコンウエハの試料15の表面に
付着する超微粒子Pとして可能性の高いものを、第7図
中に示しているが、この超微粒子Pのみが存在すると仮
定すれば、例えば散乱光強度が10-12Wであった場合、粒
径DPは3.5〜6.5nm内にあると予測され、約5nmの超微粒
子Pを測定する場合の誤差は±1.5nmとなり、また散乱
光強度が10-11Wであった場合、粒径DPは5〜10nmの範囲
内にあると予測され、7〜8nmの超微粒子Pを測定する
場合の誤差は±2.5nmとなる。このように、超微粒子P
の種類による粒径DPの測定値に及ぼす誤差が比較的小さ
いのは、前記(2)式を見れば判るように、粒径DPの寄
与は6乗であり、複素屈折率の寄与は2乗程度であ
り、圧倒的に粒径DPの寄与の方が大きく、そのため前述
のように超微粒子Pの種類による測定値の影響は少ない
のである。
判らず、その種類によって複素屈折率が異なるので、
第7図の如く粒径DPと受光散乱光強度Iiの関係から一義
的に定めることができず、従って粒径DPの算出には固有
の誤差を含んでいる。シリコンウエハの試料15の表面に
付着する超微粒子Pとして可能性の高いものを、第7図
中に示しているが、この超微粒子Pのみが存在すると仮
定すれば、例えば散乱光強度が10-12Wであった場合、粒
径DPは3.5〜6.5nm内にあると予測され、約5nmの超微粒
子Pを測定する場合の誤差は±1.5nmとなり、また散乱
光強度が10-11Wであった場合、粒径DPは5〜10nmの範囲
内にあると予測され、7〜8nmの超微粒子Pを測定する
場合の誤差は±2.5nmとなる。このように、超微粒子P
の種類による粒径DPの測定値に及ぼす誤差が比較的小さ
いのは、前記(2)式を見れば判るように、粒径DPの寄
与は6乗であり、複素屈折率の寄与は2乗程度であ
り、圧倒的に粒径DPの寄与の方が大きく、そのため前述
のように超微粒子Pの種類による測定値の影響は少ない
のである。
また、本発明では超微粒子Pの形状を球形と仮定した
が、実際の形状はまちまちで、球形はむしろ稀少である
が、本発明のように散乱光2′のうち2πステラジアン
内のものを全て受光できるようになしたことから、歪な
形状の超微粒子Pで散乱光2′に偏りがある場合でも、
その全散乱光強度はレーザ光2の入射方向から見た超微
粒子Pの外形のみにほぼ依存するので、本発明の本質を
失うことはない。
が、実際の形状はまちまちで、球形はむしろ稀少である
が、本発明のように散乱光2′のうち2πステラジアン
内のものを全て受光できるようになしたことから、歪な
形状の超微粒子Pで散乱光2′に偏りがある場合でも、
その全散乱光強度はレーザ光2の入射方向から見た超微
粒子Pの外形のみにほぼ依存するので、本発明の本質を
失うことはない。
尚、別の方法で予め超微粒子Pの種類を検出しておけ
ば、更に精度の高い粒径の測定が可能である。
ば、更に精度の高い粒径の測定が可能である。
以上にしてなる本発明の光散乱法による超微粒子の粒
径測定装置によれば、試料表面をレーザスポットで走査
するだけで、該試料表面に付着した粒径2〜10nm程度の
超微粒子を非破壊且つ非接触でその粒径を精度よく、し
かもリアルタイムで測定することができる。
径測定装置によれば、試料表面をレーザスポットで走査
するだけで、該試料表面に付着した粒径2〜10nm程度の
超微粒子を非破壊且つ非接触でその粒径を精度よく、し
かもリアルタイムで測定することができる。
また、その光学系については、レーザ光を所定スポッ
ト径に集光して試料表面に照射するレーザ光照射手段
と、内面に形成された楕円面鏡の第一焦点と第二焦点
を、周囲の稜線を結ぶ面より僅かに外方に位置するよう
に設定するとともに、前記第一焦点を中心とした等角位
置に、前記レーザ光を該焦点を含む近傍に照射すべく入
出射口を開設してなる楕円集光器と、該楕円集光器の第
二焦点近傍に一端を配し、該焦点に集光された試料表面
に付着した超微粒子からの散乱光を案内する光ガイドと
より構成したので、レーザ光の試料表面に付着した超微
粒子からの全散乱光のうち2πステラジアン内の散乱光
を極めて効率よく集光することができ、しかも試料表面
で直接反射する強い反射光を楕円集光器に開設した出射
口から該楕円集光器外部に導いて極微弱な散乱光に影響
を及ぼさないようにすることができた。
ト径に集光して試料表面に照射するレーザ光照射手段
と、内面に形成された楕円面鏡の第一焦点と第二焦点
を、周囲の稜線を結ぶ面より僅かに外方に位置するよう
に設定するとともに、前記第一焦点を中心とした等角位
置に、前記レーザ光を該焦点を含む近傍に照射すべく入
出射口を開設してなる楕円集光器と、該楕円集光器の第
二焦点近傍に一端を配し、該焦点に集光された試料表面
に付着した超微粒子からの散乱光を案内する光ガイドと
より構成したので、レーザ光の試料表面に付着した超微
粒子からの全散乱光のうち2πステラジアン内の散乱光
を極めて効率よく集光することができ、しかも試料表面
で直接反射する強い反射光を楕円集光器に開設した出射
口から該楕円集光器外部に導いて極微弱な散乱光に影響
を及ぼさないようにすることができた。
更に、極微弱な散乱光の検出系については、前記光ガ
イドの他端に配し、該光ガイドにより案内された極微弱
な散乱光を単一光電子状態の離散パルス状信号として検
出する光電子増倍管を内装し、該光電子増倍管を冷却し
得る検出器と、該検出器により検出された散乱光の信号
を積分して電圧に変換し、そのピーク値電圧から超微粒
子の粒径を算出する信号処理手段とより構成したことに
より、現在の光検出器として最も感度がよいとされてい
る光電子増倍管を冷却して暗電流によるノイズを減少さ
せ、極微弱な散乱光を単一光電子状態の離散パルス状信
号として検出することができ、しかもその離散パルス状
信号を積分してその最大値を粒径に比例した電圧信号に
変換して、簡単な処理により該電圧信号より粒径を算出
することが可能となった。
イドの他端に配し、該光ガイドにより案内された極微弱
な散乱光を単一光電子状態の離散パルス状信号として検
出する光電子増倍管を内装し、該光電子増倍管を冷却し
得る検出器と、該検出器により検出された散乱光の信号
を積分して電圧に変換し、そのピーク値電圧から超微粒
子の粒径を算出する信号処理手段とより構成したことに
より、現在の光検出器として最も感度がよいとされてい
る光電子増倍管を冷却して暗電流によるノイズを減少さ
せ、極微弱な散乱光を単一光電子状態の離散パルス状信
号として検出することができ、しかもその離散パルス状
信号を積分してその最大値を粒径に比例した電圧信号に
変換して、簡単な処理により該電圧信号より粒径を算出
することが可能となった。
そして、光ガイドとして、焦点を楕円集光器の第二焦
点に一致させた放物面鏡を内面に有するパラボラ集光
器、又は前記第二焦点を囲む半球面上に一端を位置させ
た複数の光ファイバーを用いたことにより、楕円集光器
の第二焦点から射出される180度にまたがる射出角度の
散乱光を効率よく集光し、光電子増倍管の光電面に導く
ことができるのである。
点に一致させた放物面鏡を内面に有するパラボラ集光
器、又は前記第二焦点を囲む半球面上に一端を位置させ
た複数の光ファイバーを用いたことにより、楕円集光器
の第二焦点から射出される180度にまたがる射出角度の
散乱光を効率よく集光し、光電子増倍管の光電面に導く
ことができるのである。
第1図(a)は本発明の代表的実施例を示す簡略配置
図、第1図(b)は同じく要部を一部断面で示した側面
図、第2図は要部の拡大断面図、第3図(a)は試料表
面の超微粒子にレーザ光を照射した状態を示す簡略断面
図、第3図(b)はレーザ光の強度分布を示すグラフ、
第3図(c)は光電子増倍管の出力部での単一光電子状
態の離散パルス状信号を示すグラフ、第3図(d)は検
出回路の出力部での粒径に対応した電圧波形のグラフ、
第4図は光電子増倍管と検出回路の回路図、第5図は同
じく等価回路図、第6図は第3図(d)の電圧波形の拡
大図、第7図は粒径に対する受光散乱光強度のグラフ、
第8図は粒径に対する検出される単一光電子パルス数の
グラフ、第9図は粒径に対するS/N比のグラフである。 A:レーザ光照射手段、B:楕円集光器、C:移動装置、D:光
ガイド、E:検出器、F:信号処理手段。 1:レーザ、2:レーザ光、3:チョッパー、4:スペーシャル
フィルタ、5:コリメータレンズ、6:偏光プリズム、7:偏
光ビームスプリッタ、8:λ/4波長板、9:放物面鏡、10:
楕円面鏡、11:第一焦点、12:第二焦点、13:入射口、14:
出射口、15:試料、16:X−Yテーブル、17:ステッピング
モータ、18:モータ駆動装置、19:放物面鏡、20:焦点、2
1:開口、22:パラボラ集光器、23:窓部、24:冷却容器、2
5:光電子増倍管、26:二重窓セル、27:高電圧電源、28:
光電面、29:検出回路、30:コンピュータ、31:投影回
路。
図、第1図(b)は同じく要部を一部断面で示した側面
図、第2図は要部の拡大断面図、第3図(a)は試料表
面の超微粒子にレーザ光を照射した状態を示す簡略断面
図、第3図(b)はレーザ光の強度分布を示すグラフ、
第3図(c)は光電子増倍管の出力部での単一光電子状
態の離散パルス状信号を示すグラフ、第3図(d)は検
出回路の出力部での粒径に対応した電圧波形のグラフ、
第4図は光電子増倍管と検出回路の回路図、第5図は同
じく等価回路図、第6図は第3図(d)の電圧波形の拡
大図、第7図は粒径に対する受光散乱光強度のグラフ、
第8図は粒径に対する検出される単一光電子パルス数の
グラフ、第9図は粒径に対するS/N比のグラフである。 A:レーザ光照射手段、B:楕円集光器、C:移動装置、D:光
ガイド、E:検出器、F:信号処理手段。 1:レーザ、2:レーザ光、3:チョッパー、4:スペーシャル
フィルタ、5:コリメータレンズ、6:偏光プリズム、7:偏
光ビームスプリッタ、8:λ/4波長板、9:放物面鏡、10:
楕円面鏡、11:第一焦点、12:第二焦点、13:入射口、14:
出射口、15:試料、16:X−Yテーブル、17:ステッピング
モータ、18:モータ駆動装置、19:放物面鏡、20:焦点、2
1:開口、22:パラボラ集光器、23:窓部、24:冷却容器、2
5:光電子増倍管、26:二重窓セル、27:高電圧電源、28:
光電面、29:検出回路、30:コンピュータ、31:投影回
路。
Claims (2)
- 【請求項1】レーザ光を所定スポット径に集光して試料
表面に照射するレーザ光照射手段と、 内面に形成された楕円面鏡の第一焦点と第二焦点を、周
囲の稜線を結ぶ面より僅かに外方に位置するように設定
するとともに、前記第一焦点を中心とした等角位置に、
前記レーザ光を該第一焦点を含む近傍に照射すべく入出
射口を開設してなる楕円集光器と、 前記楕円集光器の第一焦点を含む近傍に試料表面を位置
し且つ該試料を等速で移動し得る移動装置と、 前記楕円集光器の第二焦点にその焦点を一致させた放物
面鏡を内面に形成し、該焦点に集光された試料表面に付
着した超微粒子からの散乱光を案内するパラボラ集光器
と、 前記パラボラ集光器の他端に配し、該パラボラ集光器に
より案内された極微弱な散乱光を単一光電子状態の離散
パルス状信号として検出する光電子増倍管を内装し、該
光電子増倍管を冷却し得る検出器と、 該検出器により検出された散乱光の信号を積分して電圧
に変換し、そのピーク値電圧から超微粒子の粒径を算出
する信号処理手段と、 よりなる光散乱法による超微粒子の粒径測定装置。 - 【請求項2】レーザ光を所定スポット径に集光して試料
表面に照射するレーザ光照射手段と、 内面に形成された楕円面鏡の第一焦点と第二焦点を、周
囲の稜線を結ぶ面より僅かに外方に位置するように設定
するとともに、前記第一焦点を中心とした等角位置に、
前記レーザ光を該第一焦点を含む近傍に照射すべく入出
射口を開設してなる楕円集光器と、 前記楕円集光器の第一焦点を含む近傍に試料表面を位置
し且つ該試料を等速で移動し得る移動装置と、 前記楕円集光器の第二焦点を囲む半球面上に一端を位置
させ、該焦点に集光された試料表面に付着した超微粒子
からの散乱光を案内する複数の光ファイバーと、 前記複数の光ファイバーの他端に配し、該複数の光ファ
イバーにより案内された極微弱な散乱光を単一光電子状
態の離散パルス状信号として検出する光電子増倍管を内
装し、該光電子増倍管を冷却し得る検出器と、 該検出器により検出された散乱光の信号を積分して電圧
に変換し、そのピーク値電圧から超微粒子の粒径を算出
する信号処理手段と、 よりなる光散乱法による超微粒子の粒径測定装置。
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-
1989
- 1989-02-23 JP JP1043887A patent/JP2747921B2/ja not_active Expired - Fee Related
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