JP2747641B2 - 永久アンカ−用パッカ−付ジョイントユニット - Google Patents

永久アンカ−用パッカ−付ジョイントユニット

Info

Publication number
JP2747641B2
JP2747641B2 JP8776093A JP8776093A JP2747641B2 JP 2747641 B2 JP2747641 B2 JP 2747641B2 JP 8776093 A JP8776093 A JP 8776093A JP 8776093 A JP8776093 A JP 8776093A JP 2747641 B2 JP2747641 B2 JP 2747641B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
packer
sheath
anchor
joint pipe
corrugated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP8776093A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06272247A (ja
Inventor
和夫 木内
紀一 帆足
武人 大柴
正良 深井
正 安井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MORYA KOKI KK
OKABE KK
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
MORYA KOKI KK
OKABE KK
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MORYA KOKI KK, OKABE KK, Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical MORYA KOKI KK
Priority to JP8776093A priority Critical patent/JP2747641B2/ja
Publication of JPH06272247A publication Critical patent/JPH06272247A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2747641B2 publication Critical patent/JP2747641B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Piles And Underground Anchors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、パッカ−を利用して
アンカ−の定着部を閉塞する永久アンカ−用パッカ−付
ジョイントユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】永久アンカ−においては、長期にわたっ
て信頼性を確保する必要があり、緊張材(通常、PC鋼よ
り線)の耐久性が重要視されている。そのため、たとえ
ばポリエチレンのような合成樹脂より成る波形管(コル
ゲ−トシ−ス)をPC鋼より線に被覆して、PC鋼より線を
隔離し保護している。
【0003】波形(凹凸)形状のコルゲ−トシ−スが大
きな摩擦抵抗を持つため、PC鋼より線にかかる荷重がコ
ルゲ−トシ−スを介してアンカ−の地山(アンカ−孔の
壁、削孔壁)に確実に伝達されて、定着部が形成され
る。
【0004】このようにコルゲ−トシ−スで被覆し、シ
−ル材で止水し、ヘッドキャップを防錆油で充満したい
わゆる二重防錆タイプ永久アンカ−は、耐腐食性に優
れ、十分な耐久性を確保できる。
【0005】PC鋼より線との付着力の大きなセメントペ
−ストのようなグラウトが、アンカ−孔に加圧、注入さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】原則として、アンカ−
の定着部は安定した地層やグラウトの付着強度の期待で
きる地層に設定される。これに対して、アンカ−の自由
長部は軟弱な地層や亀裂の多い不安定な地層に設定され
る。
【0007】コルゲ−トシ−スの外側とアンカ−孔壁と
の隙間を通ってアンカ−孔からリタ−ン(逆流)するま
でグラウトをアンカ−孔に加圧、注入すると、アンカ−
の自由長部の軟弱な地層や亀裂の多い不安定な地層にグ
ラウトが注入、浸透し、大量のグラウトが無駄となる。
特に、長尺のアンカ−孔においては、自由長部に大量の
グラウトが注入され、無駄が多い。
【0008】無駄を避けてグラウトを定着部に効果的に
注入するために、定着部と自由長部の境界部付近にパッ
カ−が一般的に使用されている。パッカ−は、布製また
はゴム製とされ、たとえば、定着部、自由長部の境界か
ら1m程度自由長部サイド(アンカ−頭部サイド)でコル
ゲ−トシ−スの外側に配置される。
【0009】グラウトはコルゲ−トシ−スの内側でアン
カ−孔に加圧、注入され(内部グラウト)、アンカ−の
定着部を行き渡ると、コルゲ−トシ−スの外側とアンカ
−孔壁との隙間を通ってアンカ−頭部(アンカ−孔入
口)へ向かって流れる(外部グラウト)。
【0010】空気、水、セメントミルク、発泡性ウレタ
ン等の注入剤(加圧材)をパッカー内に供給してパッカ
ーを加圧、膨張させる。そして、コルゲートシースの波
形形状、アンカー孔壁の形状に対応してパッカーを変
形、密着させて、グラウトの逃げ道を断ち、定着部を閉
塞する。すると、逆流した(外部)グラウトの圧力がパ
ッカーに作用し、パッカー内の注入剤の圧力が変動する
ため、グラウトが定着部に行き渡ってパッカーに至った
ことを認識できる。
【0011】ここで、グラウトはアンカ−孔内の空気を
追いながら定着部に注入され、アンカ−内の空気は、グ
ラウトの先端、つまり、パッカ−の直下に追いやられて
いる。そのため、グラウトがパッカ−に至ったことを確
認すると、パッカ−への加圧が解除される。すると、グ
ラウトは、パッカ−内の注入剤を押し出しパッカ−をへ
こませて、空気を押しやりながらパッカ−を越えて逆流
する。空気がパッカ−を経て定着部から除かれると、注
入剤がパッカ−に再度注入される。
【0012】パッカ−が膨らんで定着部を閉塞すると、
グラウトは十分に加圧されて定着部内に注入可能とな
る。グラウトが注入されて定着部に充満されるにつれ
て、グラウトの加圧、注入に対する抵抗が増大し、定着
部への加圧、注入の状況が地上から容易に把握される。
このように、パッカ−を利用することによって、定着部
へのグラウトの加圧、注入が、グラウトの無駄を最小と
しながら、管理できる。
【0013】二重防錆タイプ永久アンカ−において、PC
鋼より線の挿入空間の大小はコルゲ−トシ−ス内径に対
応し、アンカ−孔径(削孔径)とコルゲ−トシ−ス内径
との間は無駄な空間となる。そのため、高さ(波形の高
さ)の低く、厚さ(肉厚)の薄いコルゲ−トシ−スを採
用すれば、アンカ−孔径を必要最小限にでき、経済的に
有利となる。
【0014】しかし、合成樹脂のコルゲ−トシ−スは強
度的に劣り、パッカ−を加圧、膨張させると、コルゲ−
トシ−スの波形形状に対応してパッカ−が変形、密着す
る前に、パッカ−からの圧力に耐えきれずに、コルゲ−
トシ−スの波形が潰れる虞れがある。そして、コルゲ−
トシ−スの波形が潰れると、パッカ−による閉塞効果が
損なわれ、定着部へのグラウトの加圧、注入が不十分と
なる。
【0015】この発明は、コルゲ−トシ−スを潰すこと
なくパッカ−によって定着部を閉塞して十分な閉塞効果
を確保できる永久アンカ−用パッカ−付ジョイントユニ
ットの提供を目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明のジョイントユニットでは、パッカーから
の圧力に耐えうる、ステンレスパイプ等の剛性を有する
ジョイントパイプを設け、定着部のコルゲートシースか
ら隔離した位置において、ジョイントパイプ上でパッカ
ーを膨張させて定着部の閉塞を行っている。
【0017】パッカーは内層、外層間に注入剤を注入可
能な2層構造のゴム袋から構成され、布製カバーでパッ
カーの外側を覆ってパッカーの膨張を規制している。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照しながらこの発明の一実施
例について詳細に説明する。
【0019】図1に示すように、永久アンカ−10におい
て、コルゲ−トシ−ス12をアンカ−の定着部L1に、スム
−スシ−ス(プレ−ンシ−スともいう)16を自由長部L2
にそれぞれ配置し、コルゲ−トシ−ス、スム−スシ−ス
をジョイントパイプ18で連結している。ジョイントパイ
プ18は、パッカ−20を予め取付けて構成され、パッカ−
とともにジョイントユニット22を構成している。
【0020】コルゲ−トシ−ス12は従来と同様にポリエ
チレン製のパイプとされ、スム−スシ−ス16は、たとえ
ば、コルゲ−トシ−スと同質のもの、つまり、ポリエチ
レン製のパイプとされる。また、ジョイントパイプ18
は、パッカ−20の圧力に耐えうる強度を持つ、たとえば
ステンレス製の薄肉パイプとされる。
【0021】後述するように、スム−スシ−ス16はジョ
イントパイプ18に直接装着されるが、コルゲ−トシ−ス
12は、螺旋ばね24を利用して、ジョイントパイプに装着
される。
【0022】通常、螺旋ばね24は両端を平坦部とした
形状で成形されるが、実施例では、図2に加えて図3を
見るとよくわかるように、両端の平坦部の一方を切り落
として螺旋状の自由端24aとし、他端を平坦部24b
として残した形状となっている。
【0023】そして、螺旋状の自由端24aをジョイン
トパイプ18の右端から延出させて、ジョイントパイプ
の一端(図の右端)でジョイントパイプに、螺旋ばねの
平坦部24b側が固着されている。たとえば、図2に示
すように、螺旋ばね24は、スポット溶接されるが、接
着剤等で固着してもよい。
【0024】螺旋ばね24として、コルゲートシース1
2に螺合可能な形状のものが選ばれることはいうまでも
ない。また、スムースシース16がジョイントパイプ1
8に強固に装着されるように、ジョイントパイプはスム
ースシースの内径より僅かに小さな外径とされる(図1
参照)。
【0025】スム−スシ−ス16はジョイントパイプ18の
他端(図の左端)に装着され、図2、図3に示すよう
に、実施例では、環状の突起26がジョイントパイプの左
端に成形されている。突起26は装着後の抜け落ち防止や
止水性を考慮して、湾曲面とすることが好ましい。この
ような構成では、突起(湾曲突起)26がスム−スシ−ス
16に密着し、ジョイントパイプ18、スム−スシ−ス16が
強固に連結されて、良好な止水が確保される。
【0026】また、ジョイントパイプの突起26と同様
の形状の一対の環状突起(湾曲面の突起)をスムースシ
ース16の内面に成形し、これらの突起でジョイントパ
イプの突起26を挟持する構成としてもよい。
【0027】図3に示すように、スリ割28をスム−スシ
−ス16の一端(右端)16a に設ければ、弾性力がスム−
スシ−スの右端に生じ、突起26にこのスリ割を組合せる
ことによって、一層良好な連結、止水が得られる。
【0028】図2に加えて、図3、図4を見るとよくわ
かるように、シール用ゴムリング30が、アンカーヘッ
ドサイド(図の左方)でジョイントパイプ18に密着、
固定されている。チューブ状の取付口32がゴムリング
30に固定されており、パッカー20に注入剤を注入す
るためのホース33(図1参照)が、取付口に取付けら
れる。
【0029】アンカ−孔11の穿孔における経済性を考慮
して、ゴムリング30は取付口32の設けられる部分でのみ
膨出した形状に成形されている(図3参照)。
【0030】パッカー20は内層、外層間に注入剤を注
入可能な2層構造の、たとえばゴム袋とされ、布製のカ
バー34がこのゴム製パッカーを覆っている。そして、
スチールバンド、プラスチックバンド、布バンド、針金
等のバンド36によって、カバー34、パッカー20の
各左端が、ゴムリング30を介在して、ジョイントパイ
プ18に固定されている。耐久性から、バンド36とし
てスチールバンドを利用するとよい。
【0031】このように、アンカ−の定着部L1サイドの
ジョイントパイプ18の一端(図の右端)にコルゲ−トシ
−ス12との連結用の螺旋ばね24を設けるとともに、ゴム
製パッカ−20を、布製カバ−34で覆って、ジョイントパ
イプ18に固定して、パッカ−付のジョイントユニット22
を構成している。
【0032】このパッカ−付ジョイントユニット22によ
れば、必要な部材がユニット化されているため、アンカ
−工事の現場への搬送および現場での保管が容易である
とともに、現場での作業が必要最小限となり、アンカ−
工事に迅速に着手できる。
【0033】また、パッカー20の圧力、つまり膨張圧
に耐えうる強度のジョイントパイプ18とアンカー孔1
1の壁との間でパッカーが膨張されるため、定着部L1
のコルゲートシース12はパッカーから隔離され、パッ
カーの膨張による影響を受けない。
【0034】そのため、高さ(波形の高さ)の低く、厚
さ(肉厚)の薄いコルゲ−トシ−ス12が採用でき、アン
カ−孔の径は必要最小限で足り、経済的な削孔が可能と
なる。
【0035】また、コルゲ−トシ−ス12の変形を心配す
ることなく、パッカ−20を高圧に加圧して、定着部が強
固に閉塞され、グラウトを定着部に十分な加圧下で注
入、充満できる。
【0036】上記構成のジョイントユニット22は、た
とえば、以下の様にして組み立てられ、アンカー孔11
に挿入される。まず、ジョイントユニット22を回転さ
せ、螺旋ばねの自由端24aサイドから、螺旋ばね24
がコルゲートシース12に螺入される。
【0037】螺旋ばねの左端が平坦部24bであるた
め、螺旋ばねの平坦部がコルゲートシースの端面に至る
と、螺旋ばね24はそれ以上螺進できず、停止する。こ
のように、螺旋ばねの平坦部24bはコルゲートシース
12のストッパーとして作用し、コルゲートシース12
の端面と螺旋ばねの平坦部とは、ほぼ同一位置に位置さ
れる。
【0038】それから、ジョイントユニット22の左端に
スム−スシ−ス16を被せながら押込んで、スム−スシ−
スをジョイントユニットに装着、結合する。スリ割28、
突起26の存在によって、スム−スシ−ス16は容易に装着
されるとともに確実に連結される。
【0039】ここで、もし、コルゲートシース12の螺
着可能なおねじをジョイントパイプ18に切削加工すれ
ば、加工費用がかさみ、ジョイントユニット22ひいて
はアンカー10が高価になる。しかし、この発明では、
ジョイントパイプ18に固着した螺旋ばね24をコルゲ
ートシース12に螺着しているにすぎず、ジョイントユ
ニット22が安価に得られる。
【0040】また、ジョイントパイプ18におねじを切
削加工すれば、切削深さ相当分だけジョイントパイプを
肉厚にせざるを得ず、ジョイントパイプの内径が小さく
なり、アンカー孔11の有効径(PC鋼より線14の挿
入可能な直径)がロスする。加えて、肉厚のジョイント
パイプ18を使用せざるを得ず、ジョイントパイプの外
径ひいてはアンカー孔11の径が大きくなり、不経済に
なる。
【0041】これに対して、ジョイントパイプ18に螺旋
ばね24を固着したこの発明の構成では、ジョイントパイ
プの内径が大きく設定でき、アンカ−孔の有効径にロス
を生じさせない。また、ジョイントパイプ18の肉厚を必
要以上に厚くする必要がなく、ジョイントパイプの外径
の増大が極力抑制される。
【0042】上述したように、螺旋ばねの自由端24a
サイドから、螺旋ばね24はコルゲートシース12に螺
入される。螺旋ばねの左端が平坦部24bであるため、
螺旋ばねの平坦部がコルゲートシースの端面(左端)に
至ると、螺旋ばね24はもはや螺進できず、停止する。
【0043】それから、スム−スシ−ス16がジョイント
パイプ18に装着され、ゴムリング30の端面に当接するま
で押し込まれ、ゴムリングはスム−スシ−スのストッパ
となる。突起26、スリ割28を設けているため、ジョイン
トパイプ18へのスム−スシ−ス16の装着、連結が迅速、
確実に行える。
【0044】このように、この発明の構成によれば、螺
旋ばねの平坦部24b、ゴムリング30がそれぞれスト
ッパとなり、ジョイントパイプ18に対してコルゲート
シース12、スムースシース16が、正確に位置決めで
きるとともに、ジョイントパイプを介したスムースシー
ス、コルゲートシースの連結が迅速、容易に行える。
【0045】そして、コルゲートシース12、スムース
シース16のそれぞれの端部にバンド掛け(図示しな
い)して、ジョイントパイプ18にコルゲートシース、
スムースシースをそれぞれ固定し、コルゲートシース、
スムースシースが、ジョイントパイプを介在して強固に
連結される。
【0046】バンド掛けの後、たとえば、熱収縮チュー
ブが、バンドを覆って、コルゲートシース12、スムー
スシース16にそれぞれ被覆される。加熱すれば、熱収
縮チューブは収縮し、バンド、コルゲートシース12、
スムースシース16に強固に密着して、連結部での止水
が行われる。
【0047】熱収縮チュ−ブの代わりに、布テ−プ、ビ
ニ−ルテ−プ等のテ−プをバンドの上からコルゲ−トシ
−ス12、スム−スシ−ス16に巻き、被覆して連結部での
止水を確保してもよい。
【0048】コルゲ−トシ−ス12はその形状から強度的
に劣らざるを得ない。しかし、螺旋ばね24が半径方向に
おいて十分な弾性力を持ち、螺旋ばねがコルゲ−トシ−
スの補強材となるため、バンドで強固に締め付けても、
また、熱収縮チュ−ブの収縮力が作用しても、コルゲ−
トシ−スは変形しない。
【0049】ジョイントユニット22のジョイントパイ
プ18の端部にコルゲートシース12、スムースシース
16をそれぞれ連結してから、注入剤のホース33が、
ゴムリング30上のホース取付口32に押込まれて、ジ
ョイントユニットに取付けられる。また、PC鋼材、た
とえば、PC鋼より線14がコルゲートシース12の先
端に固定される。
【0050】そして、コルゲートシース12を先にし
て、ジョイントユニット22、スムースシース16とと
もに、PC鋼より線14がアンカー孔11に挿入される
(図1参照)。なお、PC鋼より線14は、自由長部1
2に位置するシース14aによって部分的に被覆された
部分アンボンドとされる。
【0051】PC鋼より線14がアンカー孔11に挿入
された後、グラウトがスムースシース16、コルゲート
シース12を介してアンカー孔に加圧、注入される。
【0052】実施例では、パッカー20をゴム製とした
ため、注入剤(加圧材)として、空気、水、あるいは、
流動性に優れたウレタン(たとえば発泡性ウレタン)等
が使用でき、ホース33として小径のもの、たとえば、
内径4mm、外径6mmのホースが使用できる。注入剤
のホース33は使い捨てとされるが、このように小径の
ホースで足るため、アンカー孔11の径を不必要に大き
くする必要もなく、経済的なロスを生じさせない。
【0053】また、空気、水、ウレタン等がパッカ−20
に供給されて、パッカ−は、図1に実線で、図2に一点
鎖線で示すように膨らみ、グラウトの逃げ道を断つよう
に、定着部L1を閉塞する。ジョイントパイプ18として、
パッカ−20からの圧力に耐えうる強度を持つものが選ば
れており、パッカ−20の圧力によってジョイントパイプ
が変形して閉塞性を損なうことはない。
【0054】閉塞された定着部L1にグラウトが注入さ
れて、コルゲートシース12の外側とアンカー孔壁との
隙間を逆流し、グラウトの圧力がパッカー20に作用す
ると、パッカー内の注入剤の圧力が変動する。それによ
って、グラウトが定着部L1を経てパッカー20に至っ
たことが認識される。
【0055】パッカー20への注入剤の供給を解除する
と、注入剤が空気、水、流動性に優れたウレタン等であ
るため、グラウトはパッカー20から注入剤を押し出し
てパッカーをへこませ、パッカーを越えて逆流する。す
ると、グラウトの先端、つまり、パッカー20の直下に
追いやられていたアンカー孔11内の空気は、定着部L
1から除かれる。
【0056】グラウトがパッカー20を越えて逆流し、
定着部L1から空気が抜かれると、注入剤がパッカーに
再度供給され、パッカーを膨らませて定着部L1を閉塞
する。
【0057】空気を抜いてからパッカ−20で定着部L1を
閉塞すると、グラウトは十分に加圧されて注入され、定
着部に高圧下で行き渡る。すると、グラウトの加圧注入
に対する抵抗が増大し、抵抗の変動から、定着部への加
圧、注入が地上から容易に管理できる。
【0058】一般に、ゴム製のパッカ−は十分な強度を
持たず、1Kg/平方cm程度の圧力でも膨らみ続けて破裂す
る。しかし、実施例では、布製カバ−34でゴム製パッカ
−20を覆っているため、布製カバ−が補強材となって、
ゴム製パッカ−の膨らみを拘束し、カバ−の強度の範囲
でパッカ−の破裂を防ぎながらパッカ−を膨張できる。
そのため、3Kg/平方cm程度の高圧でパッカ−20を加圧す
ることも難しくなく、高圧のパッカ−による強固な閉塞
のもとで、定着部L1にグラウトを高圧力で注入できる。
【0059】また、布製カバ−34がゴム製パッカ−20を
覆って保護するため、パッカ−は露出せず、パッカ−の
損傷が阻止される。実施例では、布製カバ−34はゴム製
パッカ−20と別体となっているが、ゴム製パッカ−の外
面に布製カバ−をコ−ティングして一体的に成形しても
よい。
【0060】公知のパッカーは内層を持たない1層構造
となっており、この構成では、グラウトの圧力がパッカ
ーの外面のみに作用するため、パッカーが半径方向内方
に変形して、アンカー孔との間に隙間が生じ易く、十分
な閉塞性が得難い。
【0061】これに対して、この発明では、パッカー2
0が内層、外層間に注入剤を注入する2層構造であるた
め、グラウトの圧力がパッカーの外面だけでなく、内面
(ジョイントパイプに接する面)にも作用し、半径方向
の内方、外方の双方からパッカーを変形させようとす
る。しかし、相反する2方向から圧力が加わる構成で
は、アンカー孔サイド、ジョイントパイプサイドのいず
れにおいてもパッカー20との間に隙間が生じ難く、十
分な閉塞性が確保できる。
【0062】実施例では、自由長部L2にスムースシー
ス16を配設している。しかし、定着部L1と同様に、
自由長部L2にもコルゲートシースを配設してもよい。
定着部L1、自由長部L2の双方にコルゲートシースを
配設する場合、螺旋ばね24はジョイントパイプ18の
両端に固定される。
【0063】上述した実施例は、この発明を説明するも
のであり、この発明を何ら限定するものでなく、この発
明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこ
の発明に含まれることはいうまでもない。
【0064】上記のように、この発明の永久アンカー用
パッカー付ジョイントユニットによれば、定着部のコル
ゲートシースはパッカーから隔離され、パッカーの膨張
による影響を受けない。そのため、高さの低く、厚さの
薄いコルゲートシースが採用でき、アンカー孔の径は必
要最小限で足り、経済的な削孔が可能となる。
【0065】また、コルゲ−トシ−スの変形を心配する
ことなく、パッカ−を高圧に加圧して、定着部が強固に
閉塞され、グラウトを定着部に十分な加圧下で注入、充
満できる。
【0066】パッカーとしてゴム製のものを用いれば、
注入剤として空気、水、発泡性ウレタン等が利用でき、
またその注入に小径のホースが使用できるため、アンカ
ー孔の径を不必要に大きくする必要もない。また、グラ
ウトの無駄を最小に抑えながら、アンカー孔から空気を
排除できる。
【0067】そして、ゴム製パッカーを布製カバーで覆
うことにより、カバーが補強材となってパッカーの膨ら
みを拘束し、カバーの強度の範囲でゴム製パッカーの破
裂を防ぎながらパッカーが膨張される。そのため、ゴム
製でありながら、パッカーが高圧で閉塞作用を行うこと
ができ、定着部にグラウトを高圧力で注入できる。
【0068】さらに、布製カバーに保護されて、ゴム製
パッカーが露出しないため、パッカーの損傷が阻止され
る。
【0069】また、必要な部材がユニット化されている
ため、アンカ−工事現場への搬送が容易であるととも
に、現場での作業が必要最小限とされ、アンカ−工事に
迅速に着手できる。
【0070】螺旋ばねにコルゲートシースを螺合させれ
ば、コルゲートシースがジョイントパイプに迅速、容易
に連結できる。
【0071】螺旋ばねがコルゲートシースの補強材とな
るため、バンド掛けのもとで強固に連結できる。
【0072】おねじを切削加工することなく、安価な螺
旋ばねにコルゲートシースを螺着しているにすぎず、コ
ルゲートシースを安価に連結できる。
【0073】さらに、ジョイントパイプに固着した螺旋
ばねにコルゲートシースを螺着させているため、ジョイ
ントパイプの内径を大きく設定でき、アンカー孔の有効
径にロスを生じさせない。そして、連結部の外径が必要
以上に大きくならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のパッカ−付ジョイントユニットを利
用した二重防錆タイプ永久アンカ−の概略断面図であ
る。
【図2】上半部を断面としたこの発明のジョイントユニ
ットの概略正面図である。
【図3】ジョイントユニットの分解斜視図である。
【図4】ジョイントユニットの斜視図である。
【符号の説明】
10 永久アンカー 11 アンカー孔 12 コルゲートシース 14 PC鋼より線 16 スムースシース 16a スムースシースの端面 18 ジョイントパイプ 20 パッカー 22 ジョイントユニット 24 螺旋ばね 30 ゴムリング 32 ホースの取付口 34 カバー 36 バンド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大柴 武人 千葉県東金市求名254−5 (72)発明者 深井 正良 東京都江東区東砂6−20−13−501 (72)発明者 安井 正 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−290521(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラウンドアンカーにおける少なくとも
    定着部側で、PC鋼材をコルゲートシースで被覆すると
    ともに、自由長部側を前記コルゲートシースとは別体の
    シースで被覆し、 前記各シースの対向端部を、ステンレスパイプ等の剛性
    を有するジョイントパイプで接続し、ジョイントパイ
    プ、アンカー孔間にパッカーを組み込んだ永久アンカー
    用パッカー付ジョイントユニット。
  2. 【請求項2】 パッカーは内層、外層間に注入剤を注入
    可能な2層構造のゴム袋とされ、 布製カバーでパッカーの外側を覆い、パッカーの膨張を
    カバーで規制する請求項1記載の永久アンカー用パッカ
    ー付ジョイントユニット。
  3. 【請求項3】 ジョイントパイプの一端部外側にコルゲ
    ートシースとの連結用螺旋ばねを挿着し、連結用螺旋ば
    ねは、ジョイントパイプの端面側で螺旋状の自由端を、
    ジョイントパイプの中央部側で平坦な端を有している請
    求項1または2記載の永久アンカー用パッカー付ジョイ
    ントユニット。
JP8776093A 1993-03-24 1993-03-24 永久アンカ−用パッカ−付ジョイントユニット Expired - Lifetime JP2747641B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8776093A JP2747641B2 (ja) 1993-03-24 1993-03-24 永久アンカ−用パッカ−付ジョイントユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8776093A JP2747641B2 (ja) 1993-03-24 1993-03-24 永久アンカ−用パッカ−付ジョイントユニット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06272247A JPH06272247A (ja) 1994-09-27
JP2747641B2 true JP2747641B2 (ja) 1998-05-06

Family

ID=13923910

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8776093A Expired - Lifetime JP2747641B2 (ja) 1993-03-24 1993-03-24 永久アンカ−用パッカ−付ジョイントユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2747641B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5057455B2 (ja) * 2007-11-09 2012-10-24 住友電工スチールワイヤー株式会社 管状ストランドおよびその製造方法
KR101039060B1 (ko) * 2009-02-17 2011-06-03 강명석 회수식 앵커 조립체
JP5713430B2 (ja) * 2010-12-03 2015-05-07 弘和産業株式会社 アンカー工法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06272247A (ja) 1994-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4346922A (en) Device for preventing leakage at pipe joints
EA021302B1 (ru) Узел наконечника и/или переходный узел для картриджа
KR102244516B1 (ko) 멀티캡을 포함하는 락볼트 및 그를 이용한 락볼트 시공방법
TW382051B (en) Liner material of branch pipes and manufacturing method for pipe liner
JP2747641B2 (ja) 永久アンカ−用パッカ−付ジョイントユニット
JP5117953B2 (ja) 高圧医療ホース用結合ソケット
US6464229B1 (en) Method and apparatus for sealing a space
JPH0742184A (ja) マンホール継手
JP2009041313A (ja) 壁面の防水装置と止水部材と連結金具と防水工法
EP0940615A1 (en) Device and method for sealing a passage
JP3821589B2 (ja) グラウンドアンカーのグラウト材注入方法及び装置
JP2005121186A (ja) 漏水防止用パッキング
JPH0334446Y2 (ja)
JP2819482B2 (ja) コルゲート二重管の接続止水方法
JPH10246374A (ja) 螺旋補強ホースの接続構造
JP4117426B2 (ja) トンネルの止水構造
JP3243067B2 (ja) パッカー及びそれを用いるアンカー打設方法
JP3096442B2 (ja) マンホール継手
JP3515163B2 (ja) 管継手
JP2009293763A (ja) 管継ぎ手及び管の接続方法
KR102359500B1 (ko) 앵커용 케미컬 캡슐 가드 및 앵커용 케미컬 캡슐 가드를 이용한 앵커 시공방법
JPH0428856B2 (ja)
JPS6228592A (ja) 管継手シ−ル工法及びシ−ル材
JP3290252B2 (ja) 管路とマンホールとの接合具及び接合方法
JPH08285158A (ja) コルゲート管の接続構造