JP2747079B2 - ステンレス鋼用フラックス入りワイヤの製造方法 - Google Patents

ステンレス鋼用フラックス入りワイヤの製造方法

Info

Publication number
JP2747079B2
JP2747079B2 JP2079031A JP7903190A JP2747079B2 JP 2747079 B2 JP2747079 B2 JP 2747079B2 JP 2079031 A JP2079031 A JP 2079031A JP 7903190 A JP7903190 A JP 7903190A JP 2747079 B2 JP2747079 B2 JP 2747079B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flux
stainless steel
water
solution treatment
cored wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2079031A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03281091A (ja
Inventor
文雄 林
新一 福島
稔治 横澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NITSUTETSU YOSETSU KOGYO KK
Original Assignee
NITSUTETSU YOSETSU KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NITSUTETSU YOSETSU KOGYO KK filed Critical NITSUTETSU YOSETSU KOGYO KK
Priority to JP2079031A priority Critical patent/JP2747079B2/ja
Publication of JPH03281091A publication Critical patent/JPH03281091A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2747079B2 publication Critical patent/JP2747079B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nonmetallic Welding Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、伸線加工性の良好な細径(2.0mmφ以下)
のステンレス鋼用フラックス入りワイヤの製造方法に関
する。
[従来の技術] 一般にステンレス鋼用のフラックス入りワイヤの製造
には、ステンレスの外皮材が使用されるが、このステン
レス鋼は加工硬化が軟鋼に比べて著しく大きいから、断
線することなく伸線加工するには溶体化処理する必要が
ある。例えば、2.0mm以下のオーステナイト系のステン
レス鋼用フラックス入りワイヤの製造においては、ステ
ンレス鋼の管状外皮材にフラックスを充填した後、溶体
化処理(約1050℃)を2〜3ダイス毎に行ない伸線によ
り硬化した外皮を軟化しながら伸線加工をして所望の細
径にしていた。溶体化処理としては還元性雰囲気中で単
線で処理するストランド方式が用いられる。この方式で
は、急速加熱かつオーステナイト組織にする必要性から
急冷する処理が施される。具体的にはワイヤを炉内装入
後1分で1050℃まで加熱して2〜3分保持したのち急冷
する。このような溶体化処理を伸線加工中に数回実施し
ている。
一方外皮材に充填するフラックスとしては充填を容易
にするためにフラックス原粒を水ガラス等の粘結剤、水
分を使用して造粒し、乾燥し所定の粒度範囲に整粒した
粉粒体が用いられる。ところが造粒されたフラックスは
乾燥されるものの造粒時に多量に使用された水分が完全
に抜けきれずフラックス中に残存していること、またフ
ラックス中の吸湿成分(例えばカリ源)の存在により乾
燥後の吸湿速度が速くなること等の理由により充填に供
する際には、フラックスの全水分量は1.0%を超えてい
るのが現状である。
[発明が解決しようとする課題] かかる従来技術にあっては、急速加熱された管内部で
フラックス中の水分が気化して水蒸気またはH2となりこ
れにより急激な圧力増が生じるので、その圧力により管
外皮に負荷がかかり、外皮割れが生じたりひどい場合に
は破裂するという問題点があった。それに加えて、急速
加熱されて生じた管内の水蒸気は急冷されて露点を結ぶ
から管内より抜出す時間はない。さらにこうしたフラッ
クス入りのワイヤを伸線加工することにより圧力で弱く
なった外皮が割れるという問題点もあった。
本発明はこのような従来の問題を解決するためになさ
れたものであって、溶体化処理によって管外皮に負荷が
かからず、伸線加工性の良好なステンレス鋼用フラック
ス入りワイヤの製造方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] この目的を達成する本発明の特徴とするところは、フ
ラックス原料を粘結剤で造粒し乾燥し整粒してから密閉
容器で保管して全水分量を0.8%以下に維持したフラッ
クスをシームレスのステンレス鋼管に充填して複数回の
伸線を行い、前記各伸線工程の間で溶体化処理を行うこ
とを特徴とするステンレス鋼用フラックス入りワイヤの
製造方法にある。
粘結剤は無機質や有機質の粘結剤を水で希釈して所定
の比重にしてから使用する。例えば、粘結剤として汎用
される水ガラスはR2O・nSiO2・mH2C(R:アルカリ金属)
なる組成を有する水和物であり、使用にさいしては水ガ
ラスの原液を水で希釈(例、原液:水=4:1)して所定
の比重(ボーメ度)にする。この水ガラスを別途成分調
製したフラックス原料に添加して造粒する。
フラックスの全水分量はフラックス粒子に付着する付
着水の他にフラックス成分に結合する結晶水を含めた水
分の全量であり、付着水は造粒時の残留水分や外気から
の吸湿水分等、結晶水は水ガラス等の水和物中の水分で
ある。なおフラックス中の全水分量の測定はカールフィ
ッシャー法(JIS M8211−1971)に準じて実施する。
シームレスのステンレス鋼管とは、管長手方向に開口
部のない閉じた管をいい、フラックスの充填前にシーム
レス管にしておくか、フラックスの充填と並行して開口
部を溶接してシームレス管にする。
このようなシームレスのステンレス鋼管に水分を含有
するフラックスを充填して溶体化処理(約1050℃に急速
加熱、短時間保持後、急冷)した場合に、フラックスの
全水分量が0.8%を超えると水分の気化による管内圧力
の急激な増加により鋼管外皮に割れ、破裂等の破壊が溶
体化処理時に、少なくとも伸線加工中に生じ易くなる。
このため本発明では乾燥、整粒直後のフラックスを密閉
容器に入れて充填時まで保管することにより全水分量を
0.8%以下に規制したフラックスをシームレス鋼管に充
填する。
[作用] 本発明においては、フラックス原料を造粒、乾燥、整
粒したのち直ちに密閉容器に保管することにより、外気
の湿気の吸収による経時的な水分増加を防止して、鋼管
に充填するさいのフラックスの全水分量を0.8%以下に
抑えているから、以降の伸線加工の途中で溶体化処理を
施しても管内の圧力は僅少であり、したがって鋼管外皮
に割れ等を生じて外皮が破壊するような不都合は起こら
ず、良好な伸線加工を実現できる。
[実施例] 第1図の製造工程図に示すように本発明ではフラック
ス原料aを粘結剤によって造粒bしたのちこれを充分に
乾燥cして造粒のさいに使用した水分を極力除き、残留
水分量を低めに抑える。そして所定の粒度範囲に整粒d
したフラックスを充填に供するまでの間外気からの吸湿
による水分増加を回避するために、密閉容器に入れて保
管eし、外気との接触を遮断する。この保管eによって
フラックスの全水分量を0.8%以下に維持することがで
きる。
第2図に乾燥、整粒後のフラックスの吸湿曲線図を示
す。吸湿実験に用いたフラックスの成分組成はルチー
ル:2〜10%、珪砂:6〜10%、金属Cr:40〜50%、金属Ni:
7〜20%、珪酸カリ:1〜2%、スラグ剤他:残で、これ
に水で希釈した水ガラスを添加して造粒し乾燥、整粒し
た。このときの全水分量は0.3%である。このフラック
スを温度30℃、湿度80%の条件で放置したところフラッ
クス成分中にカリ源があるため吸湿速度が速く放置後30
分ですでに全水分量が1.0%を超えている。
再び第1図により説明する。フラックスを充填するシ
ームレスのステンレス鋼管は原鋼1を溶体化処理2して
所定の充填率にあうように管引3して縮径したものであ
り、この鋼管に上記の保管e後のフラックス(全水分量
0.8%以下)の振動充填方法により充填4する。次に、
フラックスを充填した鋼管を伸線5,7して0.8〜1.6mm径
程度の製品径まで縮径する。この伸線加工の途中で加工
により硬化したステンレス鋼管外皮の組織をもどして軟
化するために溶体化処理6を複数回実施する。前記のよ
うに本発明ではフラックスの全水分量を0.8%以下に抑
えているから、溶体化処理による管内圧力の増加は小さ
く、したがって外皮を破壊することはなく健全な外皮を
保ち良好な伸線加工を実現する。
第1表はフラックスの全水分量と鋼管外皮の割れとの
関係を示す実験結果である。このときの製造条件を示
す。
ルチール:5%、珪砂:8%、金属Cr:48%、金属Ni:19
%、珪酸カリ:2%、スラグ剤他:残からなるフラックス
原料を混合し、水ガラスで造粒、乾燥、整粒した全水分
量の異なる8種類のフラックスを用いて、これを外径9.
0mm、肉厚1mmのSUS304Lのシームレスステンレス鋼管に
振動充填し、そしてストランド方式の溶体化処理(急速
加熱、1050℃×2分、急冷、H2雰囲気中を5.0mmφ,3.2m
mφ,2.1mmφ,1.5mmφサイズで実施ながら伸線加工を行
って最終製品径1.2mmのスラックス入りワイヤを製造し
た。
第1表からフラックスの全水分量を0.8%以下に規制
して鋼管に充填することにより伸線加工時の外皮割れを
防止できることがわかる。
[発明の効果] この発明によればシームレスのステンレス鋼管に充填
するフラックスの全水分量を0.8%以下に規制したか
ら、充填後の伸線加工途中における溶体化処理に充分耐
えその後の伸線加工中に外皮が割れる等の不都合は起こ
らず良好な伸線性を実現できる。またこの発明ではフラ
ックス原料を造粒、乾燥、整粒したのち直ちに密閉容器
に入れて保管するからフラックスの全水分量を充填時ま
で0.8%以下に維持することが極めて容易である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の製造工程図、第2図は乾燥、整粒後の
フラックスの吸湿曲線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−52197(JP,A) 特開 昭60−177995(JP,A) 特公 昭63−33958(JP,B2) 安藤精一ら著「現代溶接技術大系《第 5巻》」(昭55−1−23),産報出版, P.127−136 小林実編「JIS使い方シリーズ 溶 接材料選択のポイント」(昭62−10− 15),日本規格協会,P.215−218

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フラックス原料を粘結剤で造粒し乾燥し整
    粒してから密閉容器で保管して全水分量を0.8%以下に
    維持したフラックスをシームレスのステンレス鋼管に充
    填して複数回の伸線を行い、前記各伸線工程の間で溶体
    化処理を行うことを特徴とするステンレス鋼用フラック
    ス入りワイヤの製造方法。
JP2079031A 1990-03-29 1990-03-29 ステンレス鋼用フラックス入りワイヤの製造方法 Expired - Lifetime JP2747079B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2079031A JP2747079B2 (ja) 1990-03-29 1990-03-29 ステンレス鋼用フラックス入りワイヤの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2079031A JP2747079B2 (ja) 1990-03-29 1990-03-29 ステンレス鋼用フラックス入りワイヤの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03281091A JPH03281091A (ja) 1991-12-11
JP2747079B2 true JP2747079B2 (ja) 1998-05-06

Family

ID=13678563

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2079031A Expired - Lifetime JP2747079B2 (ja) 1990-03-29 1990-03-29 ステンレス鋼用フラックス入りワイヤの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2747079B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100361773C (zh) * 2003-09-24 2008-01-16 高忠民 全自动多功能连续施焊弧焊机
KR100673545B1 (ko) * 2005-08-22 2007-01-24 고려용접봉 주식회사 이음부를 갖는 스테인리스강 용접용 플럭스 코어드와이어의 제조방법

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60177995A (ja) * 1984-02-22 1985-09-11 Nippon Steel Corp 溶接用低水素充填ワイヤの製造方法
JPS6333958A (ja) * 1986-07-28 1988-02-13 Nec Corp 代理応答方式
JPH0252197A (ja) * 1988-08-11 1990-02-21 Kobe Steel Ltd ステンレス鋼用フラックス入りワイヤ

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
安藤精一ら著「現代溶接技術大系《第5巻》」(昭55−1−23),産報出版,P.127−136
小林実編「JIS使い方シリーズ 溶接材料選択のポイント」(昭62−10−15),日本規格協会,P.215−218

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03281091A (ja) 1991-12-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7147725B2 (en) Colloidal silica binder system
DE2222348A1 (de) Verfahren und Vorrichtung zum Elektroden-Schweissen
JP2747079B2 (ja) ステンレス鋼用フラックス入りワイヤの製造方法
CN2808926Y (zh) 含镁线芯包芯线
RU2725446C1 (ru) Кальцийсодержащая проволока для ковшевой обработки стали
US1915788A (en) Treatment of highly reactive metals
JPH07207316A (ja) 脱硫効率が高い溶銑脱硫用ワイヤ
JPH02197350A (ja) 連続鋳造丸鋳片の製造方法
JPH06145780A (ja) 軸受用鋼管内面の脱炭防止方法
KR960000323B1 (ko) 실리콘-킬드강용 연주 턴디쉬플럭스
JPH0565275B2 (ja)
JPS591519B2 (ja) 極低水素系被覆ア−ク溶接棒の製造法
DE69018584T2 (de) Entschwefelungsmittel für geschmolzenes Metall.
GB1080337A (en) Improvements in or relating to welding flux for arc welding, and the manufacture thereof
JPS6349397A (ja) ステンレス鋼溶接用シ−ムレスフラツクス入りワイヤの製造方法
JPH10166180A (ja) ステンレス鋼溶接用シームレスフラックス入りワイヤの製造方法
JPH02290692A (ja) 焼結型フラックス
JPH0811311B2 (ja) ステンレス鋼溶接用フラックスコアードワイヤ
JPS63203297A (ja) ア−ク溶接用クロ−ズドシ−ムワイヤの製造方法
JPH08300188A (ja) オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤの製造方法
US1857947A (en) Refining and purification of metals
JPS6011098B2 (ja) カルシウム、アルミニウムを含有する高純度珪素鉄の製造方法
JPS6353213A (ja) ステンレス鋼の耐食性向上方法
RU2027778C1 (ru) Обмазка для защиты стальных заготовок от окисления
JPS6223931A (ja) 高疲労強度硬引鋼線の製造方法