JP2746131B2 - 半導体レーザおよびその製造方法 - Google Patents

半導体レーザおよびその製造方法

Info

Publication number
JP2746131B2
JP2746131B2 JP6202199A JP20219994A JP2746131B2 JP 2746131 B2 JP2746131 B2 JP 2746131B2 JP 6202199 A JP6202199 A JP 6202199A JP 20219994 A JP20219994 A JP 20219994A JP 2746131 B2 JP2746131 B2 JP 2746131B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
semiconductor laser
active layer
forming
stripe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6202199A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07154028A (ja
Inventor
秀人 足立
勲 木戸口
智 上山
清司 大仲
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP6202199A priority Critical patent/JP2746131B2/ja
Publication of JPH07154028A publication Critical patent/JPH07154028A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2746131B2 publication Critical patent/JP2746131B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光情報処理などに用い
られる半導体レーザおよびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、多くの分野で半導体レーザの需要
が高まり、GaAs系、およびInP系を中心として活
発に研究開発が進められてきた。光情報処理分野におい
ては、特に波長が780nmのAlGaAs系半導体レ
ーザの光による情報の記録・再生を行う方式が実用化さ
れ、コンパクトディスク等で広く普及するに至ってい
る。しかし最近になってこれらの光ディスク装置に益々
記憶容量の増加が求められるようになり、それに伴い短
波長のレーザの要望が強まってきている。AlGaIn
P系半導体レーザでは波長が630〜690nmでの発
振が可能であり、現在実用レベルにある半導体レーザの
中で最も短波長の光が得られるものである。したがっ
て、従来のAlGaAs系半導体レーザに代わる次世代
の大容量光情報記録用光源として有望である。ところ
で、半導体レーザは光ディスクの再生時に、ディスク面
からの反射光の帰還や温度の変化により強度雑音を発生
し、信号の読取エラーを誘発する。したがって、光ディ
スク用には強度雑音の少ないレーザが不可欠となる。従
来、再生専用・低出力のAlGaAs系半導体レーザで
は雑音を低減するために可飽和吸収体を用いたり活性層
の膜厚分布を意図的に導入するなどしてマルチモード化
を図ってきた。レーザが縦単一モードで発振していると
きに光の帰還や温度変化等の外乱が入ると利得ピークの
微少な変化によって、近接する縦モードが発振を開始
し、元の発振モードとの間で競合を起こす。これが雑音
の原因となっており、縦モードをマルチ化すると、各モ
ードの強度変化が平均化され、しかも外乱によって変化
しないので安定な低雑音特性を得ることができる。しか
し、これらの方法ではレーザの効率の低下が避けられな
い。特に、記録と再生を併用できる高出力のレーザでは
高効率特性が必要であり、再生用レーザに適用されたよ
うな効率を低下させるアプローチは好ましくない。この
ためこれらのレーザでは、数百MHzの高周波を重畳し
てマルチモード化を実現している。レーザに高周波を重
畳すると活性領域に注入されるキャリア密度の時間的変
動によって利得幅が広がり、マルチモード発振が実現で
きることが知られている。したがって、高効率単一モー
ドレーザでもこの方法によって低雑音化することができ
る。
【0003】AlGaInP系半導体レーザにおいても
基本的には同様に高周波重畳によって低雑音化が可能で
あると思われるが、このレーザには以下に示す固有の問
題がある。図8に一般的な屈折率導波型のAlGaIn
P系半導体レーザの素子構造を示す。これについてはア
プライド・フィジックス・レター1993年62巻11
73ページ(Appl.Phys.Lett.vol.62(1993)pp.1173)に示
されている。駆動電流はn型GaAs電流ブロック層8
08によってリッジストライプ812直下の多重量子井
戸活性層804に選択的に注入される。また前記リッジ
ストライプ812によって構成される屈折率導波路によ
って横方向の光波モードの安定化が図られている。この
素子の電気的等価回路を図9に示す。素子にはpn接合
によって構成されるダイオード901と直列に、電気抵
抗(R)902が存在している。この電気抵抗(R)9
02は、抵抗率が最も高くかつ電流がブロックされる第
二のp型AlGaInPクラッド層807のリッジスト
ライプ812の部分によってほとんどが占められてい
る。また、n型GaAs電流ブロック層808と第二の
p型AlGaInPクラッド層807とが素子動作時に
逆バイアスされて生じる電気容量(C)903が電気抵
抗(R)902と並列に存在している。そして素子の高
周波特性は主にこれらの積によって決定される。例え
ば、電気抵抗(R)902はAlGaAs系半導体レー
ザの1Ωに対してAlGaInP系半導体レーザでは1
0Ω程度と非常に大きな値となる。これは、p型AlG
aInPの不純物濃度を高めることが困難で、しかも正
孔の移動度が低い為である。従って、高周波特性もAl
GaAs系半導体レーザより劣り、例えば変調度が−3
dB減衰する周波数は80MHz程度と非常に低くな
る。この周波数特性では前述の数百MHzの高周波を重
畳してもレーザは実質的にほどんど変調されず、雑音特
性の改善効果は非常に弱くなってしまう。
【0004】一方で非常に優れた高周波特性が要求され
る光通信用のInGaAsP系半導体レーザでは図10
に示されるような構造が提案されている(例えば、特開
昭62―259490号公報)。メサストライプ101
0の外側にn型InPブロック層1006を設け電流を
メサストライプ1010の部分に狭窄する構造である
が、メサストライプ1010の外側に少なくともInG
aAsP活性層1003まで達する溝1030、103
1、1040、1041を設けている。元来直列抵抗が
小さいので周波数特性が優れているが溝1040、10
41によって寄生の電気容量を低減し、さらに高周波特
性を向上させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように溝1030、1031、1040、1041を形
成した構造では、エッチングにより露出した表面に酸化
等によって表面準位が発生する。特にAlGaInP系
ではInGaAsP系と比較して酸化の影響が大きく、
発生した表面準位は活性層1003を横切るかあるいは
少なくともその近傍に存在するため、レーザ駆動時に電
流の一部が活性層1003近傍の溝の表面を流れリーク
電流となってしまう。そのリーク電流が原因となり発光
効率や素子の信頼性を著しく悪化させ、実用に絶える特
性を得ることが困難となる。また、溝の深さは特性に大
きな影響を及ぼすが、その制御は非常に困難である。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、高周波特性が良好で
かつ効率が高い半導体レーザ及び製造方法を提供するこ
とにある。
【0007】本発明の他の目的は、溝の深さを再現性良
く制御された半導体レーザ及びその製造方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ
は、半導体基板と、該半導体基板上に形成され、活性層
と、該活性層を挟む一対のクラッド層と、該活性層のス
トライプ状所定領域に電流を注入するための電流ブロッ
ク層と、を有する積層構造と、を備えた半導体レーザで
あって、該一対のクラッド層のうち、該活性層よりも上
方に位置するクラッド層は、該半導体レーザの共振器方
向に沿って延びるストライプ状リッジを有しており、該
電流ブロック層は、該ストライプ状リッジを有する該ク
ラッド層上において、該ストライプ状リッジ以外の領域
覆うとともに、該ストライプ状リッジに電流を狭窄
し、しかも、該活性層の上面レベルよりも高いレベルに
最下部を有する溝が、該ストライプ状リッジ両側の該電
流ブロック層中に形成されており、そのことにより上記
目的が達成される。
【0009】前記活性層よりも上方に位置する前記クラ
ッド層は、該活性層上に形成された第1クラッド層と、
該第1クラッド層の上方に形成された第2クラッド層
と、該第1クラッド層及び該第2クラッド層の間に設け
られたエッチング停止層と、を含んでいることが好まし
い。
【0010】前記半導体多層膜構造の上部にコンタクト
層を備えていてもよい。前記ストライプ状リッジの上方
に位置するストライプ状の窓を有する絶縁膜を更に備え
ていてもよい。
【0011】前記溝の間隔が30μmから200μmの
間であることが好ましい。ある実施態様では、前記溝の
前記最下部が、前記活性層よりも上方に位置する前記ク
ラッド層の上面に達している。
【0012】ある実施態様では、前記溝の前記最下部が
前記エッチング停止層の上面に達している。
【0013】本発明の半導体レーザの製造方法は、半導
体基板上に積層構造を形成する工程を包含する半導体レ
ーザを製造する方法であって、該工程は、更に、第1ク
ラッド層を形成する工程と、該第1クラッド層上に活性
層を形成する工程と、該活性層上に第2クラッド層とな
る膜を形成する工程と、該膜の一部を選択的にエッチン
グすることにより、該半導体レーザの共振器方向に延び
るストライプ状リッジを該膜に形成して、それによって
第2クラッド層を形成する工程と、該第2クラッド層の
うち該ストライプ状リッジ部以外の部分の上に、該スト
ライプ状リッジ部に電流を狭窄する電流ブロック層を形
成する工程と、該ストライプ状リッジ部及び該電流ブロ
ック層を覆うようにして、コンタクト層を形成する工程
と、該コンタクト層の、該ストライプ状リッジ部の両側
における所定領域をエッチングすることにより、該活性
層に到達しない溝を、該電流ブロック層中に形成する工
程と、を包含し、そのことにより上記目的が達成され
る。
【0014】前記第2クラッド層となる膜を形成する工
程は、該膜の下部層を堆積する工程と、前記溝を形成す
るためのエッチングによっては実質的にエッチングされ
ないエッチング停止層を、該膜の該下部層上に堆積する
工程と、該エッチング停止層上に該膜の上部層を堆積す
る工程と、を包含していることが好ましい。
【0015】
【作用】本発明の半導体レーザでは、電流ブロック層
が、ストライプ状リッジを有するクラッド層上におい
て、ストライプ状リッジ以外の領域を覆っており、しか
も、活性層の上面レベルよりも高いレベルに最下部を有
する溝が、ストライプ状リッジの両側に形成されてい
る。溝が活性層を横切らない結果、活性層を横切るよう
な多数の欠陥が溝形成に伴って形成されることはない。
【0016】従来、溝が活性層を横切らない限り、高周
波特性が十分に改善されないと考えられていたが、本発
明者は、溝が電流ブロック層を分離すれば高周波特性は
十分に改善されることを実験により得た。
【0017】また、活性層よりも上方に位置するクラッ
ド層が、活性層上に形成された第1クラッド層と、第1
クラッド層の上方に形成された第2クラッド層と、第1
クラッド層及び第2クラッド層の間に設けられたエッチ
ング停止層と、を含んでいると、溝が活性層を横切るこ
とが防止される。これは、エッチング停止層が溝形成の
ためのエッチャントによってはエッチングされにくい材
料から形成されるためである。また、エッチング停止層
の上面まで達するような溝を有する半導体レーザの場
合、溝形成のためのエッチング時間に十分なマージンを
もたせても、同じ深さの溝が再現性良く得られる。その
結果、高周波特性の素子間ばらつき等が低減される。
【0018】本発明の半導体レーザの製造方法によれ
ば、エッチングにより活性層には到達しない溝が形成さ
れる結果、高周波特性にすぐれ、しかも、リーク電流の
少ない半導体レーザが得られる。第2クラッド層となる
膜を形成する工程が、その膜の下部層を堆積する工程
と、溝を形成するためのエッチングによっては実質的に
エッチングされないエッチング停止層を形成する工程
と、膜の上部層を堆積する工程と、を包含していること
によって、第2クラッド層の途中に底部を有する溝が再
現性よく形成される。また、このエッチング停止層は、
リッジを有する第2クラッド層の形成を容易にする。
【0019】
【実施例】以下に、本発明を実施例について説明する。
【0020】図1は、本実施例のAlGaInP系半導
体レーザの素子断面を示す。本実施例の半導体レーザ
は、n型AlGaInPクラッド層103、多重量子井
戸活性層104、第1のp型AlGaInPクラッド層
105、ストライプ状第2のp型AlGaInPクラッ
ド層106、ストライプ状p型GaInP保護層108
をこの順序で含む積層構造をn型GaAs基板102上
に備えている。この積層構造は、更に、n型GaAs電
流ブロック層107、及びp型GaAsコンタクト層1
09を含んでいる。
【0021】ストライプ状リッジ部112(第2のp型
AlGaInPクラッド層106)の左右に、それぞ
れ、溝113が形成されている点にある。溝113の間
隔は、数十ミクロン程度である。この溝113は、例え
ば塩酸とリン酸の混合液により、p型GaAsコンタク
ト層109、及びn型GaAs電流ブロック層107の
所定領域がエッチングされることにより形成される。溝
113の底部は、多重量子井戸活性層104に達してい
ないので、溝113の作製時にpn接合を横切って表面
準位ができることはない。
【0022】ストライプ状リッジ部112の上方に電流
注入のための開口部を有する絶縁膜110が、溝113
の表面を覆うようにして形成されている。半導体レーザ
素子の上面には、絶縁膜110を覆うようにして第1の
電極111が形成され、素子の下面には第2の電極10
1が形成されている。
【0023】溝113の位置および深さは素子の周波数
特性を決定する重要な要因となる。溝113が発光部か
ら離れすぎたりあるいは浅すぎたりすると溝113のな
い従来の構造と比較して寄生容量があまり減少しないか
らである。しかし、溝113の間隔が狭くなりすぎる
と、発光部で発生する熱が絶縁膜によって放熱を妨げら
れるので熱抵抗が増大し、素子の信頼性が損なわれたり
するので最適な範囲が存在する。
【0024】図2は、実験により得られた2本の溝の中
心間の距離と350MHzでの変調度および熱抵抗との
関係を示す。変調度は溝間隔の増加とともに減衰し20
0μm以上では効果がなくなることがわかる。溝間隔は
狭いほど高周波特性が改善されるが、一方で熱抵抗は溝
間隔が狭くなると急激に増加していき間隔30μmで4
0℃/W程度までになる。これ以上狭くすると動作時の
素子の温度上昇が大きすぎて信頼性に悪影響を及ぼすと
考えられる。以上の結果より分離溝幅は30から200
μmまでの範囲が望ましいと思われる。
【0025】図3に同じく実験により得られた分離溝の
深さと350MHzでの変調度との関係を示す。溝幅は
すべて50μmのものである。溝の底部がp型GaAs
コンタクト層109の途中にあるときは溝深さとともに
変調度は緩やかに増加していく。そしてn型GaAs電
流ブロック層107にまで達すると変調度が急激に増加
し、n型GaAs電流ブロック層107を過ぎると変化
しなくなる。以上の結果より、n型GaAs電流ブロッ
ク層107が溝によって分離されていれば十分であり活
性層まで達するような深い溝は不用であることがわかっ
た。なお、n型GaAs電流ブロック層107の途中で
あってもその効果は確認できた。また、この分離溝は活
性層を横切らないので先に述べたように表面準位による
リーク電流の発生もなく、信頼性に優れた高効率のレー
ザを実現できる。
【0026】図4は、従来のレーザと本実施例のレーザ
との相対雑音強度(RIN)の帰還光量依存性の比較を
示す。例えば帰還光量0.1%でのRINは従来−12
4dB/Hz程度であったが、本発明により−130d
B/Hzまで低減されていることが分かる。また、帰還
光量が増加しても本発明のレーザのほうがより安定であ
ることがわかる。
【0027】しかしながら、塩酸とリン酸の混合液を用
いて溝113を形成する場合、深さの制御はエッチング
時間の調整によって行う必要がある。これは非常に不安
定な工程であり、時として、溝113の底部が活性層4
を越えてしまうことがある。
【0028】図5は、エッチング時間が長すぎた場合の
半導体レーザの断面図を示している。この半導体レーザ
は、n型AlGaInPクラッド層503、多重量子井
戸活性層504、第1のp型AlGaInPクラッド層
505、ストライプ状第2のp型AlGaInPクラッ
ド層506、ストライプ状p型GaInP保護層508
をこの順序で含む積層構造をn型GaAs基板502上
に備えている。この積層構造は、更に、n型GaAs電
流ブロック層507、及びp型GaAsコンタクト層5
09を含み、ストライプ状リッジ部512の左右には、
それぞれ、溝513が形成されている。ストライプ状リ
ッジ部512の上方に電流注入のための開口部を有する
絶縁膜510が、溝513の表面を覆うようにして形成
されている。半導体レーザ素子の上面には、絶縁膜51
0を覆うようにして第1の電極511が形成され、素子
の下面には第2の電極501が形成されている。
【0029】図5に示されているように、溝513は多
重量子井戸活性層504に達しており、表面準位514
がpn接合を横切って形成されている。この表面準位
は、無効電流を増加させ、レーザの発光効率を低下させ
る原因となる。
【0030】図6は、本発明の他の実施例の断面図を示
し、図7は、その製造工程断面図を示している。図6の
半導体レーザは、n型AlGaInPクラッド層60
3、多重量子井戸活性層604、第1のp型AlGaI
nPクラッド層605、エッチング停止層606、スト
ライプ状第2のp型AlGaInPクラッド層607、
ストライプ状p型GaInP保護層609をこの順序で
含む積層構造をn型GaAs基板602上に備えてい
る。この積層構造は、更に、n型GaAs電流ブロック
層608、及びp型GaAsコンタクト層610を含
み、ストライプ状リッジ部613の左右には、それぞ
れ、溝614が形成されている。溝614は、エッチン
グ停止層606に達している。ストライプ状リッジ部6
13の上方に電流注入のための開口部を有する絶縁膜6
11が、溝614の表面を覆うようにして形成されてい
る。半導体レーザ素子の上面には、絶縁膜611を覆う
ようにして第1の電極612が形成され、素子の下面に
は第2の電極601が形成されている。
【0031】以下、図7(a)から(d)を参照しなが
ら、本実施例の製造方法を説明する。
【0032】まず、図7(a)に示されるように、n型
AlGaInPクラッド層702、多重量子井戸活性層
703、第1のp型AlGaInPクラッド層704、
エッチング停止層705、第2のp型AlGaInPク
ラッド層706、ストライプ状p型GaInP保護層7
08をn型GaAs基板701上に形成する。
【0033】ここで、第1のp型AlGaInPクラッ
ド層704と第2のp型AlGaInPクラッド層70
6の間に、例えばGaInPからなるエッチング停止層
705が積層されている。エッチング液に濃硫酸液を用
いた場合、GaInPは、AlGaInP及びGaAs
に比較してエッチングされにくいという性質を持ってい
る。
【0034】第2のp型AlGaInPクラッド層70
6のマスクされていない部分を選択的にエッチングした
後、n型GaAs電流ブロック層707を成長させ、屈
折率導波構造を作製する。このエッチングに際して、エ
ッチング停止層705は第1のp型AlGaInPクラ
ッド層704のエッチングを阻止する。その結果、リッ
ジストライプ710の高さが再現性良く所定値に定ま
る。この後、p型GaAsコンタクト層709を形成し
て、図7(a)の構造を得る。
【0035】次に、図7(b)に示されるように、リッ
ジストライプ710の両側にストライプ状の窓を有する
マスク711をp型GaAsコンタクト層709上に形
成する。マスク材料としてはフォトレジストや酸化膜な
どが用いられる。その後、エッチング停止層705に至
るまでp型GaAsコンタクト層709及びn型GaA
s電流ブロック層707を連続的にエッチングし、多重
量子井戸活性層704にとどかない溝712を確実に形
成することができる。
【0036】次に、図7(c)に示されるように、リッ
ジストライプ710の上方にストライプ状の窓を有する
絶縁膜713を上記構造体の表面を覆うように堆積した
後、図7(d)に示されるように、第1の電極714、
第2の電極715を形成する。
【0037】図3から明らかなように、n型GaAs電
流ブロック層707の選択エッチングにより、確実に第
1のp型AlGaInPクラッド層704の上面より上
でエッチングが停止する。こうして、高周波特性に優れ
たレーザを再現性よく作製することが可能となる。特
に、エッチング停止層705が、リッジストライプ71
0の形成のためのエッチング、及び溝712の形成のた
めのエッチングに対して、その機能を十分に発揮するた
め、効率的である。
【0038】本実施例によれば、電流阻止領域の大部分
を電気的に分離する溝を設け、さらに前記溝が活性層に
達していないことによって、寄生容量を低減し良好な高
周波特性を実現し、同時に活性層近傍に欠陥やそれに起
因する表面準位が生じないためリーク電流が小さく高い
電流光変換効率を実現することができる。
【0039】また本実施例によれば、活性層の上部に位
置するクラッド層の途中にエッチング停止層を設けるこ
とにより、選択エッチングを行い常に同一の深さでかつ
活性層にはとどかない溝を安定して形成することができ
るため、高周波特性の安定化や歩留りの向上を実現する
ことができる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、溝が電流阻止領域の大
部分を電気的に分離し、しかも、その溝は活性層に達し
ていない。そのことによって、寄生容量が低減され、良
好な高周波特性が実現する。また、活性層近傍に欠陥や
それに起因する表面準位が生じないため、リーク電流が
小さく高い電流光変換効率が実現される。
【0041】また、本発明によれば、活性層の上部に位
置するクラッド層の途中にエッチング停止層を設けるこ
とにより選択エッチングを行い常に同一の深さでかつ活
性層にはとどかない溝を安定して形成することができ
る。このため、高周波特性の安定化や歩留りの向上を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例に於けるAlGaInP
系半導体レーザの素子断面図
【図2】本発明によるAlGaInP系半導体レーザの
分離溝の間隔と350MHzでの変調度および熱抵抗と
の関係の実験結果を示す図
【図3】本発明によるAlGaInP系半導体レーザの
分離溝の深さと350MHzでの変調度との関係の実験
結果を示す図
【図4】従来のレーザと本発明のレーザとの相対雑音強
度(RIN)の帰還光量依存性の比較を示す図
【図5】溝が活性層に達しているAlGaInP系半導
体レーザの素子断面図
【図6】本発明の第二の実施例に於けるAlGaInP
系半導体レーザの素子断面図
【図7】本発明のAlGaInP系半導体レーザの製造
工程断面図
【図8】従来例のAlGaInP系半導体レーザの素子
構造を示す図
【図9】半導体レーザの電気的等価回路を示す図
【図10】従来例のInGaAsP系光通信用半導体レ
ーザの素子構造を示す図
【符号の説明】
102 n型GaAs基板 103 n型AlGaInPクラッド層 104 多重量子井戸活性層 105 第一のp型AlGaInPクラッド層 106 第二のAlGaInPクラッド層 107 n型GaAs電流ブロック層 108 p型GaInP保護層 109 p型GaAsコンタクト層 110 絶縁膜 111 第一の電極 112 リッジストライプ 113 溝 504 多重量子井戸活性層 513 溝 605 第一のp型AlGaInPクラッド層 608 n型GaAs電流ブロック層 703 多重量子井戸活性層 704 第一のp型AlGaInPクラッド層 705 エッチング停止層 706 第二のp型AlGaInPクラッド層 710 リッジストライプ 711 マスク 712 溝 714 第一の電極 715 第二の電極 804 多重量子井戸活性層 807 第二のp型AlGaInPクラッド層 808 n型GaAs電流ブロック層 812 リッジストライプ 901 ダイオード 902 電気抵抗(R) 903 電気容量(C) 1003 InGaAsP活性層 1006 n型InPブロック層 1010 メサストライプ 1030、1031、1040、1041 溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大仲 清司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−156588(JP,A) 特開 平6−204618(JP,A) 特開 平3−225985(JP,A) 特開 昭61−247085(JP,A) 特開 平2−209782(JP,A) 実開 昭61−100163(JP,U)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板と、該半導体基板上に形成さ
    れ、活性層と、該活性層を挟む一対のクラッド層と、該
    活性層のストライプ状所定領域に電流を注入するための
    電流ブロック層と、を有する積層構造と、を備えた半導
    体レーザであって、該一対のクラッド層のうち、該活性
    層よりも上方に位置するクラッド層は、該半導体レーザ
    の共振器方向に沿って延びるストライプ状リッジを有し
    ており、該電流ブロック層は、該ストライプ状リッジを
    有する該クラッド層上において、該ストライプ状リッジ
    以外の領域を覆うとともに、該ストライプ状リッジに電
    流を狭窄し、しかも、該活性層の上面レベルよりも高い
    レベルに最下部を有する溝が、該ストライプ状リッジ
    側の該電流ブロック層中に形成されている半導体レー
    ザ。
  2. 【請求項2】前記活性層よりも上方に位置する前記クラ
    ッド層は、該活性層上に形成された第1クラッド層と、
    該第1クラッド層の上方に形成された第2クラッド層
    と、該第1クラッド層及び該第2クラッド層の間に設け
    られたエッチング停止層と、を含んでいる請求項1記載
    の半導体レーザ。
  3. 【請求項3】前記半導体多層膜構造の上部にコンタクト
    層を備えた請求項1記載の半導体レーザ。
  4. 【請求項4】前記ストライプ状リッジの上方に位置する
    ストライプ状の窓を有する絶縁膜を更に備えた請求項1
    記載の半導体レーザ。
  5. 【請求項5】前記溝の間隔が30μmから200μmの
    間である請求項1記載の半導体レーザ。
  6. 【請求項6】前記溝の前記最下部が、前記活性層よりも
    上方に位置する前記クラッド層の上面に達している請求
    項1記載の半導体レーザ。
  7. 【請求項7】前記溝の前記最下部が、前記エッチング停
    止層の上面に達している請求項2記載の半導体レーザ。
  8. 【請求項8】半導体基板と、該半導体基板上に形成さ
    れ、活性層と、該活性層を挟む一対のクラッド層と、を
    有する積層構造と、を備えた半導体レーザであって、該
    一対のクラッド層のうち、該活性層よりも上方に位置す
    るクラッド層は、該半導体レーザの共振器方向に沿って
    延びるストライプ状リッジを有しており、 該ストライプ
    状リッジを有する該クラッド層上において、該ストライ
    プ状リッジの両側を覆い、該ストライプ状リッジに電流
    を狭窄する電流ブロック層を有しており、該活性層に到
    達しない溝が、該電流ブロック層中に形成されている半
    導体レーザ。
  9. 【請求項9】半導体基板上に積層構造を形成する工程を
    包含する半導体レーザを製造する方法であって、該工程
    は、更に、第1クラッド層を形成する工程と、該第1ク
    ラッド層上に活性層を形成する工程と、該活性層上に第
    2クラッド層となる膜を形成する工程と、該膜の一部を
    選択的にエッチングすることにより、該半導体レーザの
    共振器方向に延びるストライプ状リッジを該膜に形成し
    て、それによって第2クラッド層を形成する工程と、該
    第2クラッド層のうち該ストライプ状リッジ部以外の部
    分の上に、該ストライプ状リッジ部に電流を狭窄する
    流ブロック層を形成する工程と、該ストライプ状リッジ
    部及び該電流ブロック層を覆うようにして、コンタクト
    層を形成する工程と、該コンタクト層の、該ストライプ
    状リッジ部の両側における所定領域をエッチングするこ
    とにより、該活性層に到達しない溝を、該電流ブロック
    層中に形成する工程と、を包含する半導体レーザの製造
    方法。
  10. 【請求項10】前記第2クラッド層となる膜を形成する
    工程は、該膜の下部層を堆積する工程と、前記溝を形成
    するためのエッチングによっては実質的にエッチングさ
    れないエッチング停止層を、該膜の該下部層上に堆積す
    る工程と、該エッチング停止層上に該膜の上部層を堆積
    する工程と、を包含する請求項9記載の半導体レーザの
    製造方法。
JP6202199A 1993-10-07 1994-08-26 半導体レーザおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP2746131B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6202199A JP2746131B2 (ja) 1993-10-07 1994-08-26 半導体レーザおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25156793 1993-10-07
JP5-251567 1993-10-07
JP6202199A JP2746131B2 (ja) 1993-10-07 1994-08-26 半導体レーザおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07154028A JPH07154028A (ja) 1995-06-16
JP2746131B2 true JP2746131B2 (ja) 1998-04-28

Family

ID=26513235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6202199A Expired - Fee Related JP2746131B2 (ja) 1993-10-07 1994-08-26 半導体レーザおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2746131B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6865205B2 (en) 2001-05-17 2005-03-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Semiconductor laser

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0728102B2 (ja) * 1988-12-08 1995-03-29 松下電器産業株式会社 半導体レーザおよびその製造方法
JPH03225985A (ja) * 1990-01-31 1991-10-04 Victor Co Of Japan Ltd 屈折率導波型半導体レーザ装置
JPH06204618A (ja) * 1992-12-28 1994-07-22 Mitsubishi Electric Corp 半導体レーザの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07154028A (ja) 1995-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3862894B2 (ja) 半導体レーザ装置
US7463663B2 (en) Semiconductor laser diode and integrated semiconductor optical waveguide device
US7418019B2 (en) Multi-wavelength semiconductor laser
JP4295776B2 (ja) 半導体レーザ装置及びその製造方法
JPH0888439A (ja) 半導体レーザおよびその製法
CA1196078A (en) Double channel planar buried heterostructure laser with periodic structure formed in guide layer
JP2003046197A (ja) 半導体レーザおよびその製造方法
US5953358A (en) Semiconductor laser device
JP2746131B2 (ja) 半導体レーザおよびその製造方法
US7095769B2 (en) Semiconductor laser diode with higher-order mode absorption layers
JP2004165383A (ja) 半導体レーザ装置、第2高調波発生装置及び光ピックアップ装置
JP2007201390A (ja) 半導体レーザ装置及びその製造方法
JP2003234541A (ja) 分布帰還型半導体レーザ素子
JP4317357B2 (ja) 半導体レーザ素子およびその製造方法
JP2000133879A (ja) 半導体レ―ザ装置及びそれを用いた光情報処理装置
JPH10209553A (ja) 半導体レーザ素子
JP4327690B2 (ja) 半導体レーザ装置
JPH10154843A (ja) 半導体レーザ素子及びそれを用いた光ディスク装置
JP3785429B2 (ja) 半導体レーザー素子及びその製造方法
JP2004006532A (ja) 半導体レーザ装置
JP4581205B2 (ja) 半導体レーザの製造方法
JP2002223038A (ja) 半導体レーザ装置
JPH0671122B2 (ja) 半導体レーザ素子
JP3422365B2 (ja) リッジストライプ型半導体レーザ装置
KR100568314B1 (ko) 자려발진형 반도체 레이저 및 그 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080213

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090213

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090213

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100213

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees