JP2002223038A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

半導体レーザ装置

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JP2002223038A
JP2002223038A JP2001014855A JP2001014855A JP2002223038A JP 2002223038 A JP2002223038 A JP 2002223038A JP 2001014855 A JP2001014855 A JP 2001014855A JP 2001014855 A JP2001014855 A JP 2001014855A JP 2002223038 A JP2002223038 A JP 2002223038A
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semiconductor laser
type cladding
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Akira Tanaka
中 明 田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 コストが安く、歩留まりが高く、発光が安定
した高出力半導体レーザ装置を提供する。 【解決手段】 基板上に形成された第1導電型クラッド
層102と、活性層104と、第1導電型クラッド層1
02よりも屈折率が大きい第1の第2導電型クラッド層
106及びリッジ状に形成された第2の第2導電型クラ
ッド層108と、第2の第2導電型クラッド層108の
両横側に形成された、第2の第2導電型クラッド層10
8よりもバンドギャップが小さい、第1導電型半導体か
らなる電流ブロック層109と、を備えることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ装置
に関し、特に、InGaAlP系またはAlGaAs系
材料を用いた高出力半導体レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、波長600nm〜700nmの半
導体レーザ装置は、DVD(Degital Vers
atile Disk)などへの実用化が進められてい
る。例えば、波長約650nmの半導体レーザ装置が、
DVD−ROM等で、ディスクの読み取りに用いられて
いる。
【0003】この読み取り用のレーザ装置では、図4に
示すように、活性層404の図中上側の光吸収層(電流
ブロック層)409により導波モードを制御する構造が
多く用いられてきた。これは例えば、図4に示すよう
に、光吸収層409の図中下部と、リッジ部分408の
図中下部と、に実効的に屈折率の差を形成し、リッジ部
分408の図中下部にレーザ光41を閉じこめる構造で
ある。この構造は、レーザ装置としては製造が容易な構
造であり、この構造を用いると、歩留まりが高く、コス
トが安くなる。
【0004】図4の従来のレーザ装置の構造をやや詳し
く説明すれば、以下の通りである。図4の装置は、n型
GaAs基板401上にn型In0.5(Ga0.3
.70.5Pからなるn型クラッド層402、I
0.5(Ga0.4Al .60.5Pからなる第
1のガイド層403、In0.5Ga0.5P/In
0.5(Ga0.5Al0.50.5PからなるMQ
W(MultipleQuantum Well)活性
層404、In0.5(Ga0.4Al0.60.5
Pからなる第2のガイド層405、p型In0.5(G
0.3Al .70.5Pからなる第1のp型クラ
ッド層406、p型In0.5Ga0. Pからなるエ
ッチングストップ層407が順次形成されている。この
エッチングストップ層407の上には、リッジ状の、p
型In0.5(Ga0.3Al .70.5P層から
なる第2のp型クラッド層(リッジ部分)408が形成
されている。そして、このリッジ部分408の両横側は
n型GaAsからなる光吸収層(電流ブロック層)40
9で埋めこまれている。これらのリッジ部分408、光
吸収層409上にはコンタクト層410が形成されてい
る。ここで、リッジ部分408の幅は、レーザ装置の動
作電圧のしきい値を下げるため、上辺を1.5〜3.0
μm、底辺を3.5〜6.0μm程度にしている。
【0005】また、最近では、ディスクの読み取りだけ
ではなく、書き込みにも用いることができる半導体レー
ザ装置の開発もさかんに進められており、DVD−RA
M等で用いられている。このように半導体レーザ装置を
書き込みにも用いるためには、読み取り用の半導体レー
ザ装置よりも、高出力にする必要がある。例えば、DV
D−ROMに用いられる読み取り用半導体レーザ装置の
光出力は約10mW程度で足りるのに対し、DVD−R
AMに用いられている書き込み用高出力半導体レーザ装
置の光出力は約50mW程度必要である。
【0006】従来、このような書き込み用高出力半導体
レーザ装置は、高出力で安定した発光を得るために構造
を複雑にせざるをえず、読み取り用半導体レーザ装置と
別の構造を用いざるを得なかった。そして、書き込み用
高出力半導体レーザ装置は、読み取り用半導体レーザ装
置に比べて、コストが高くなるのが避けられず、歩留ま
りも悪かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の書き込み用高出
力半導体レーザ装置を、読み取り用半導体レーザ装置と
同様の構成にすることができれば都合が良いのは明らか
である。しかし、これは実際上極めて困難であると考え
られていた。なぜなら、従来の読み取り用半導体レーザ
装置には、高出力の発光を得ようとすると発光が不安定
になるという問題があったからである。すなわち、図4
の読み取り用半導体レーザ装置では、電流を増加させれ
ば一応高出力を得ることは出来たが、光出力の飽和領
域、つまり電流を増加させても光出力が増加しにくい領
域が現れることがあった。これは、キンクと呼ばれる現
象であり、ホールバーニングなどの影響で、通常のレー
ザ発振である基本モードの発振41に加え、高次モード
の発振42が起こり易くなり、横モードが不安定になる
ことに起因する。ところが、レーザ装置では、レーザ光
を光学系によって微少スポットに絞って使用するので、
発光の安定性が必要である。従って、横モードが不安定
な図4の装置を高出力レーザ装置として用いることは極
めて困難であった。このため、高出力レーザ装置におい
ては、図4とは異なる複雑な構造を用いざるを得なかっ
た。しかし本発明者は、構造が簡単でコストが安く歩留
まりが高いという読み取り用半導体レーザの利点に着目
して、書き込み用高出力半導体レーザのコストを抑え、
歩留まりを高くすべく、各種のシミュレーションや実験
を行った。その結果本発明者は、読み取り用半導体レー
ザ装置と同様の基本構造では書き込み用高出力半導体レ
ーザ装置は作れないという当業者の従来の技術常識に反
し、読み取り用半導体レーザ装置と同様の基本構造を用
いても書き込み用高出力半導体レーザ装置を作れること
を独自に知得した。即ち、本発明者は、図4に示す光吸
収層409により導波モードを制御する構造を用いて、
活性層404の図中上側のクラッド層406、408の
屈折率を、活性層404の図中下側のクラッド層403
の屈折率よりも所定の値だけ大きくしたものには、高出
力でも発光が安定するという利点が得られることを独自
に知得した。その結果、高い歩留まりで、かつ、安いコ
ストで書き込み用高出力半導体レーザ装置を得られるこ
とを独自に知得するに至った。
【0008】本発明はこのことに着目してなされたもの
である。つまり、この方法は、従来の技術常識とは異な
った本発明者の独自のシミュレーションと実験の結果に
よって得られたものであり、本発明者の独自の知得に基
づくものである。
【0009】本発明は、コストが安く、歩留まりが高
く、発光が安定した高出力半導体レーザ装置を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ装
置は、基板と、前記基板上に形成された第1導電型クラ
ッド層と、前記第1導電型クラッド層上に形成された活
性層と、前記活性層上に形成された、前記第1導電型ク
ラッド層よりも屈折率が大きい第1の第2導電型クラッ
ド層と、前記第1の第2導電型クラッド層上にリッジ状
に形成された、前記第1導電型クラッド層よりも屈折率
が大きい第2の第2導電型クラッド層と、前記第2の第
2導電型クラッド層の両横側に形成された、前記第2の
第2導電型クラッド層よりもバンドギャップが小さい、
第1導電型半導体からなる電流ブロック層と、を備える
ことを特徴とする。
【0011】また本発明は、基板と、前記基板上に形成
された第1導電型クラッド層と、前記第1導電型クラッ
ド層上に形成された活性層と、前記活性層上に形成され
た、前記第1導電型クラッド層よりも屈折率が大きい第
1の第2導電型クラッド層と、前記第1の第2導電型ク
ラッド層上に形成され、一部にストライプ状の溝が形成
された、前記第2の第2導電型クラッド層よりもバンド
ギャップが小さい、第1導電型半導体からなる電流ブロ
ック層と、前記溝と前記電流ブロック層上に形成され
た、前記第1導電型クラッド層よりも屈折率が大きい第
2の第2導電型クラッド層と、を備えることを特徴とす
る。
【0012】本発明の半導体レーザ装置では、例えば、
前記第1導電型クラッド層、前記第1の第2導電型クラ
ッド層、前記第2の第2導電型クラッド層、および、前
記活性層を、InGaAlP系半導体とし、前記電流ブ
ロック層をAlGaAs系半導体とすることができる。
ここで、InGaAlP系半導体とは、InGa
1−x−yP(0≦x+y≦1、0≦x≦1、0≦y
≦1)からなる半導体を意味し、例えば、InGaPと
InGaAlPのMQW構造もこれに含まれる。また、
AlGaAs系半導体とは、AlGa1−sAs(0
≦s≦1)からなる半導体を意味し、例えば、GaAs
とAlGaAsのMQW構造もこれに含まれる。
【0013】また、前記第1導電型クラッド層、前記第
1の第2導電型クラッド層、前記第2の第2導電型クラ
ッド層を、InGaAlP系半導体とし、前記電流ブロ
ック層、前記活性層をAlGaAs系半導体とすること
もできる。
【0014】また、前記第1導電型クラッド層、前記第
1の第2導電型クラッド層、前記第2の第2導電型クラ
ッド層、前記活性層、および、前記電流ブロック層をA
lGaAs系半導体とすることもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】本実施形態の高出力半導体レーザ
装置は、活性層の一方側の光吸収層により導波モードを
制御する構造を用い、活性層の一方側のクラッド層の屈
折率を、活性層の他方側のクラッド層の屈折率よりも大
きくすることにより、高出力でも発光が安定するように
したことを特徴の1つとする。本実施形態の高出力半導
体レーザ装置は、製造が容易な構造であり、コストが安
く、歩留まりも高い。
【0016】以下、図面を参照にしつつ、レーザ装置の
形状を変えた3つの実施形態について説明する。
【0017】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態の半導体レーザ装置の構造を示す図であ
る。n型GaAs基板101上には、n型In
0.5(Ga0.25Al0.750.5Pからなる
n型クラッド層102、In0.5(Ga0.4Al
0.60.5Pからなる第1のガイド層103、In
0.5Ga0.5P/In0. (Ga0.5Al
0.50.5PからなるMQW活性層104、In
0.5(Ga0.4Al0.60.5Pからなる第2
のガイド層105、p型In .5(Ga0.3Al
0.70.5Pからなる第1のp型クラッド層10
6、p型In0.5Ga0.5Pからなるエッチングス
トップ層107が順次形成されている。このエッチング
ストップ層107の上には、リッジ状の、p型In
.5(Ga0.3Al0.70.5Pからなる第2の
p型クラッド層(リッジ部分)108が形成されてい
る。そして、リッジ部分108の両横側はn型GaAs
からなる電流ブロック層(光吸収層)109で埋めこま
れている。これらのリッジ部分108、電流ブロック層
109上には、p型GaAsコンタクト層110が形成
されている。
【0018】図1のレーザ装置の特徴の1つは、p型I
0.5(Ga0.3Al0.7 0.5Pからなるp
型クラッド層106、108のAl組成が、n型In
0.5(Ga0.25Al0.750.5Pからなる
n型クラッド層102のAl組成よりも低く、p型クラ
ッド層106、108の屈折率が、n型クラッド層10
2の屈折率よりも約0.03大きくなるように構成され
ていることである。なお、ここで、p型クラッド層10
6、108とは、第1のp型クラッド層106と、第2
のp型クラッド層108を意味している。そして、図1
のレーザ装置では、製造工程を簡単にするため、第1の
p型クラッド層106と、第2のp型クラッド層108
の材質を同じにし、屈折率を等しくしている。
【0019】また、この第1のp型クラッド層106と
第2のp型クラッド層108との間にあるエッチングス
トップ層107は、リッジ部分108を形成するための
層である。すなわち、エッチングストップ層107上に
形成したp型In0.5(Ga0.3Al0.7
0.5Pをウエットエッチングしてリッジ部分108を
形成する際、In0.5Ga0.5Pからなるエッチン
グストップ層107のエッチング速度がIn0.5(G
0.3Al0.70.5Pのエッチング速度よりも
小さいことを利用して、エッチングストップ層107で
エッチングを止めることができる。そして、このエッチ
ング終了後に、リッジ部分108の両横側に電流ブロッ
ク層109を形成し、それらの上にp型コンタクト層1
10を形成する。
【0020】図1の半導体レーザ装置では、n型GaA
s基板101の図中下側に形成されるn型電極(図示せ
ず)と、p型GaAsコンタクト層110の図中上側に
形成されるp型電極(図示せず)と、から活性層104
に電流が注入される。ここで、電流ブロック層109は
n型半導体なので、p型電極からの電流はこの電流ブロ
ック層109には流れず、第2のp型クラッド層108
を流れて、第1のp型クラッド層106から活性層10
4に注入される。つまり、電流ブロック層109は、第
2のp型クラッド層(リッジ部分)108直下に電流を
狭窄する働きをする。また、この電流ブロック層109
はGaAsからなるので、In0.5(Ga0.3Al
0.70.5Pからなる第2のp型クラッド層108
よりもバンドギャップが小さく、光吸収層にもなる。そ
して、この光吸収層109は、リッジ部分108の下部
とその両側とに実効的に屈折率の差を形成し、レーザ光
11をリッジ部分108の下部に閉じこめる働きをして
いる。このように、光吸収層109は、吸収により導波
モードを制御している。以上のようにして、リッジ部分
108の直下に電流が注入され、リッジ部分108の直
下の活性層104付近から、波長約650nmのレーザ
光11が放射される。なお、この装置のように活性層1
04が薄いと、レーザ光11は、図1のように、活性層
104の周辺にしみ出す。
【0021】以上説明した図1の半導体レーザ装置は、
基板101と、前記基板101上に形成されたn型クラ
ッド層(第1導電型クラッド層)102と、前記n型ク
ラッド層102上に形成された活性層104と、前記活
性層104上に形成された、前記n型クラッド層102
よりも屈折率が大きい第1のp型クラッド層(第1の第
2導電型クラッド層)106と、前記第1のp型クラッ
ド層106上にリッジ状に形成された、前記p型クラッ
ド層102よりも屈折率が大きい第2のp型クラッド層
(第2の第2導電型クラッド層)108と、前記第2の
p型クラッド層108の両横側に形成された、前記第2
のp型クラッド層108よりもバンドギャップが小さい
n型半導体(第1導電型半導体)からなる電流ブロック
層(光吸収層)109と、を備えた構造のものとして把
握することができる。
【0022】以上説明した図1の半導体レーザ装置で
は、第1のp型クラッド層106および第2のp型クラ
ッド層108の屈折率を、n型クラッド層102の屈折
率よりも大きくしたので、高出力まで発光が安定する。
このメカニズムは、以下のように説明される。
【0023】レーザ発振は活性層104付近で起こる。
このレーザ発振としては、基本モードの発振11が通常
である。しかし、電流注入を増加し、光出力を増加する
と、この基本モードの発振11に加え、高次モードの発
振12が起こり易くなる。このように高次モードの発振
12が起こりやすくなると、発光が不安定になる。この
ような発光の不安定性はキンクの発生の原因になる。こ
こで、図1の半導体レーザ装置では、活性層104の上
側のp型クラッド層106、108の屈折率を、下側の
n型クラッド層102の屈折率よりも大きくしている。
そして、一般的に、光は屈折率の高い領域に集まる性質
がある。従って、図1の装置では、従来のレーザ装置の
基本モードの発振11’、高次モードの発振12’より
も、導波モード全体が上側に寄せられる。よって、高次
モードの発振12は電流ブロック層109側に寄せられ
る。すると、電流ブロック層109の影響により、高次
モードの発振12が起こりにくくなる。ここで、基本モ
ードの発振11も上側に寄せられるが、基本モードの発
振11が起こる領域の上側には電流ブロック層109が
ほとんど存在せず、基本モードの発振11は電流ブロッ
ク層の影響を受けずらい。このように、図2のレーザ装
置では、高次モードの発振12を抑制し、高出力まで発
光を安定にすることができる。
【0024】以上のように、図1の半導体レーザ装置
は、高出力まで発光を安定にすることができるので、高
出力での使用に適したものとなる。
【0025】また、前述のように、光吸収層109によ
り導波モードを制御する構造は製造が容易な構造であ
り、図1の半導体レーザ装置は、低コスト、かつ、高い
歩留まりで製造することができる。
【0026】また、図1の半導体レーザ装置は、製造プ
ロセスを従来の装置(図4)と大きく変える必要が無
く、生産性にも優れている。
【0027】また、図1の半導体レーザ装置は、低出力
で使用することも可能であるから、1つの装置で低出力
から高出力までの使用が可能である。
【0028】次に、上述の屈折率差の範囲について検討
する。すなわち、本実施形態では、p型クラッド層10
6、108の屈折率をn型クラッド層102の屈折率よ
りも大きくし、p型クラッド層106、108とn型ク
ラッド層102との屈折率差を約0.03としたが、こ
の屈折率差は他の値にすることも可能であるので、この
差の範囲について検討する。
【0029】本発明者の実験によれば、この屈折率差
は、望ましくは0.01以上0.07以下、さらに望ま
しくは0.02以上0.04以下が良いことが判明して
いる。この理由は、以下のように解析される。
【0030】まず、屈折率差が小さすぎると、上述のよ
うな高次モードの発振12を抑制する効果が得られなく
なってしまう。なぜなら、屈折率差が小さすぎると、高
次モードの発振12は下側に寄せられ、従来のレーザ装
置の高次モードの発振12’との差が少なくなってしま
うからである。このため、屈折率差は望ましくは0.0
1以上、さらに望ましくは0.02以上が良い。
【0031】次に、屈折率差が大きすぎると、基本モー
ドの発振11も電流ブロック層109の影響を受けるよ
うになってしまい、しきい値電流が高くなってしまう。
また、前述のように電流ブロック層109は光の吸収層
でもあるので、基本モードの発振11の一部が電流ブロ
ック層109で吸収されてしまう。このため、屈折率差
は望ましくは0.07以下、さらに望ましくは0.04
以下が良い。
【0032】以上のように、p型クラッド層106、1
08とn型クラッド層102との屈折率差は、望ましく
は0.01以上0.07以下、さらに望ましくは0.0
2以上0.04以下が良い。
【0033】また、以上説明した、図1のレーザ装置で
は、第1のp型クラッド層106と、第2のp型クラッ
ド層108の屈折率を等しくしたが、これを変えること
も可能である。この場合も、n型クラッド層102と第
1のp型クラッド層106との屈折率差は、望ましくは
0.01以上0.07以下、さらに望ましくは0.02
以上0.04以下が良く、かつ、n型クラッド層102
と第2のp型クラッド層108との屈折率差は、望まし
くは0.01以上0.07以下、さらに望ましくは0.
02以上0.04以下が良い。
【0034】以上検討した屈折率差は、例えば、n型I
0.5(Ga0.25Al0.7 0.5Pクラッ
ド層のAl組成を変化させることで制御できる。
【0035】(第2の実施の形態)第2の実施の形態の
半導体レーザ装置が第1の実施の形態と異なる点は、図
2からわかるように、p型クラッド層208の形状が異
なることである。この装置は、エッチングストップ層2
07、電流ブロック層209を成長後、それらの中心部
にエッチングによりストライプ状の溝を形成し、その後
p型クラッド層208を成長したもので、内部ストライ
プ構造と呼ばれる半導体レーザ装置である。光吸収層2
09により導波モードを制御する点は、第1の実施の形
態(図1)と同様である。
【0036】図2は、本発明の第2の実施の形態の半導
体レーザ装置の構造を示す図である。n型GaAs基板
201上には、n型In0.5(Ga0.25Al
0.750.5Pからなるn型クラッド層202、I
0.5(Ga0.4Al0.60.5Pからなる第
1のガイド層203、In0.5Ga0.5P/In
0. (Ga0.5Al0.50.5PからなるMQ
W活性層204、In0.5(Ga0.4Al0.6
0.5Pからなる第2のガイド層205、p型In
.5(Ga0.3Al0.70.5Pからなる第1の
p型クラッド層206、p型In0.5Ga0.5Pか
らなるエッチングストップ層207、n型GaAsから
なる電流ブロック層209が順次形成されている。そし
て、電流ブロック層209とエッチングストップ層20
7の中心部には、エッチングによりストライプ状の溝が
形成されている。このストライプ状の溝には、p型In
0.5(Ga0.3Al0.70.5Pからなる第2
のp型クラッド層208が形成されている。また、この
第2のp型クラッド層208は、電流ブロック層209
上にも形成されている。そして、この第2のp型クラッ
ド層208の上には、p型GaAsコンタクト層210
が形成されている。
【0037】図2の半導体レーザ装置のストライプ状の
溝周辺は、まず1回目の結晶成長で、第1のp型クラッ
ド層206、エッチングストップ層207、電流ブロッ
ク層209を順次形成し、次に、この電流ブロック層2
09上の全面に酸化膜を形成してこの酸化膜をストライ
プ状に抜いた後このストライプ部分から電流ブロック層
209、エッチングストップ層207をエッチングし、
次に、2回目の結晶成長で、第2のp型クラッド層20
8、p型コンタクト層210を順次形成して、得ること
ができる。
【0038】また、図2の半導体レーザ装置は、第1の
実施の形態と同様に、p型In0. (Ga0.3Al
0.70.5Pからなる第1のp型クラッド層206
および第2のp型クラッド層208のAl組成が、n型
In0.5(Ga0.25Al0.750.5Pから
なるn型クラッド層202のAl組成よりも低くなるよ
うに構成され、第1のp型クラッド層206および第2
のp型クラッド層208の屈折率が、n型クラッド層2
08の屈折率よりも約0.03大きく構成されている。
【0039】図2のレーザ装置でも、第1の実施の形態
と同様のメカニズムにより、基本モードの発振23、高
次モードの発振24が、従来のレーザ装置の基本モード
の発振21、高次モードの発振22よりも上側に寄せら
れる。
【0040】図2の内部ストライプ構造のレーザ装置で
は、基本モードの発振23も電流ブロック層209の影
響を受け易いが、ストライプ幅を調整することにより第
1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0041】(第3の実施の形態)第3の実施の形態の
半導体レーザ装置は、図3に示すように、1つの基板1
01上に、DVD用の650nm帯半導体レーザ装置D
(右側)と、CD用の780nm帯半導体レーザ装置C
(左側)を組み合わせて集積化した多波長集積化半導体
レーザ装置である。
【0042】図3中右側に示す半導体レーザ装置Dは、
波長約650nmの高出力レーザ装置で、第1の実施の
形態の半導体レーザ装置と同じ構造である。ここで、第
1の実施の形態と同じ構成材料については、同じ番号で
示している。このレーザ装置Dでは、図中下側のn電極
300と図中上側のp電極310Dとから電流が注入さ
れる。
【0043】図3中左側に示す半導体レーザ装置Cは、
波長約780nmの高出力レーザ装置である。活性層3
04はAlGaAs系半導体からなる。その他の構造は
第1の実施の形態(図1)と同様であり、第1の実施の
形態と同じ構成材料については、同じ番号を示してい
る。このレーザ装置Cでは、図中下側のn電極300と
図中上側のp電極310Cとから電流が注入される。な
お、図3から分かるように、図中下側のn電極300
は、両レーザ装置の共通電極となっている。
【0044】図3中右側のレーザ装置Dと、左側のレー
ザ装置Cとは、図に示すように、溝で分離されており、
別々に駆動できるようになっている。
【0045】本実施形態では、図3に示すように、DV
D用の高出力レーザDの基本構造と、CD用の高出力レ
ーザCとの基本構造を同一にすることにより、これらを
集積化した2波長集積化半導体レーザ装置が実現でき
た。このような集積化レーザ装置では、リッジ部分10
8の両横側の光吸収層109により導波モードを制御す
る構造が、特に有効である。すなわち、図3の装置は、
C、D両装置において、p型InGaAlPをエッチン
グして形成されるリッジ部分108が同じ材料であり、
リッジ部分108を同時に形成できる。このため、リッ
ジ部分108の間隔、すなわち発光点間隔がマスクの精
度と正確さで制作可能である。そして、これにより、ビ
ーム間隔を任意に、しかも高精度で制作可能になり、光
学設計が容易になる。このように光学系の設計が容易な
2波長集積化レーザ装置を実現することにより、DVD
システムにおいて、2つの半導体レーザを用いる必要が
無くなる。そして、光学系が簡単になり、小型化、低コ
スト化の実現が可能になる。
【0046】また、図3の装置は、製造プロセスを従来
の装置(図4)と大きく変える必要が無く、生産性にも
優れている。
【0047】また、本実施形態では、DVD用の高出力
レーザD、CD用の高出力レーザCに第1の実施の形態
と同様の構造を用いたが、第2の実施の形態と同様の構
造を用いても、同様の効果が得られる。
【0048】以上説明した第1〜第3の実施の形態のレ
ーザ装置では、レーザ装置出力端面に光を吸収しない窓
領域を設けることもできる。この窓領域を設ければ、光
の吸収による熱破壊を防止できるので、高出力まで端面
破壊しないレーザ装置を得ることができる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、活性層の一方側の光吸
収層により導波モードを制御する半導体レーザ装置にお
いて、活性層の一方側のクラッド層の屈折率を、活性層
の他方側のクラッド層の屈折率よりも大きくしたので、
コストが安く、歩留まりが高く、発光が安定した高出力
半導体レーザ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の半導体レーザ装置
の断面模式図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の半導体レーザ装置
の断面模式図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の半導体レーザ装置
の断面模式図。
【図4】従来の半導体レーザ装置の断面模式図。
【符号の説明】
101、201、401 n型GaAs基板 102、202 n型In0.5(Ga0.25Al
0.750.5Pからなるn型クラッド層 402 n型In0.5(Ga0.3Al0.7
0.5Pからなるn型クラッド層 104、204、404 In0.5Ga0.5P/I
0.5(Ga0.5Al0.50.5PからなるM
QW活性層 304 AlGaAs系半導体からなる活性層 106、206、406 p型In0.5(Ga0.3
Al0.70.5Pからなる第1のp型クラッド層 108、408 p型In0.5(Ga0.3Al
0.70.5Pからなる第2のp型クラッド層(リッ
ジ部分) 208 p型In0.5(Ga0.3Al0.7
0.5Pからなる第2のp型クラッド層 109、209、409 n型GaAsからなる電流ブ
ロック層(光吸収層) C CD用の780nm帯半導体レーザ装置 D DVD用の650nm帯半導体レーザ装置

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、 前記基板上に形成された第1導電型クラッド層と、 前記第1導電型クラッド層上に形成された活性層と、 前記活性層上に形成された、前記第1導電型クラッド層
    よりも屈折率が大きい第1の第2導電型クラッド層と、 前記第1の第2導電型クラッド層上にリッジ状に形成さ
    れた、前記第1導電型クラッド層よりも屈折率が大きい
    第2の第2導電型クラッド層と、 前記第2の第2導電型クラッド層の両横側に形成され
    た、前記第2の第2導電型クラッド層よりもバンドギャ
    ップが小さい、第1導電型半導体からなる電流ブロック
    層と、 を備えることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】基板と、 前記基板上に形成された第1導電型クラッド層と、 前記第1導電型クラッド層上に形成された活性層と、 前記活性層上に形成された、前記第1導電型クラッド層
    よりも屈折率が大きい第1の第2導電型クラッド層と、 前記第1の第2導電型クラッド層上に形成され、一部に
    ストライプ状の溝が形成された、前記第2の第2導電型
    クラッド層よりもバンドギャップが小さい、第1導電型
    半導体からなる電流ブロック層と、 前記溝と前記電流ブロック層上に形成された、前記第1
    導電型クラッド層よりも屈折率が大きい第2の第2導電
    型クラッド層と、 を備えることを特徴とする半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】前記第1導電型クラッド層と前記第1の第
    2導電型クラッド層との屈折率の差、および、前記第1
    導電型クラッド層と前記第2の第2導電型クラッド層と
    の屈折率の差が、0.01以上、0.07以下であるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体
    レーザ装置。
  4. 【請求項4】前記第1導電型クラッド層、前記第1の第
    2導電型クラッド層、前記第2の第2導電型クラッド
    層、および、前記活性層が、InGaAlP系半導体か
    らなり、前記電流ブロック層がAlGaAs系半導体か
    らなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    かに記載の半導体レーザ装置。
  5. 【請求項5】前記第1導電型クラッド層、前記第1の第
    2導電型クラッド層、前記第2の第2導電型クラッド層
    が、InGaAlP系半導体からなり、前記電流ブロッ
    ク層、前記活性層がAlGaAs系半導体からなること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の
    半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】前記第1導電クラッド層、前記第1の第2
    導電型クラッド層、前記第2の第2導電型クラッド層、
    前記活性層、および、前記電流ブロック層がAlGaA
    s系半導体からなることを特徴とする請求項1乃至請求
    項3のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
  7. 【請求項7】前記第1の第2導電型クラッド層と前記第
    2の第2導電型クラッド層の材質が同じで、屈折率が等
    しいことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか
    に記載の半導体レーザ装置。
  8. 【請求項8】レーザ装置出力端面に光を吸収しない窓領
    域を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のい
    ずれかに記載の半導体レーザ装置。
  9. 【請求項9】波長の異なる複数個の、請求項1乃至請求
    項8のいずれかに記載の半導体レーザ装置を集積化し
    た、多波長集積化半導体レーザ装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005109102A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Mitsubishi Electric Corp モノリシック半導体レーザおよびその製造方法
JP2006313875A (ja) * 2005-04-08 2006-11-16 Mitsubishi Electric Corp 半導体レーザ装置
JP2009094548A (ja) * 2009-02-05 2009-04-30 Mitsubishi Electric Corp 半導体レーザ装置

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