JP2744965B2 - 弾球遊技機の基板ケース - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、弾球遊技機の動作
状態を制御するための回路基板を収容してなる基板ケー
スに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば弾球遊技機であるパチンコ
機にあっては、裏側にその動作状態を制御する基板ケー
スが取り付けられる。該基板ケースは、パチンコ機の裏
側に装着される台板と、該台板前面に取着される回路基
板と、該回路基板を覆うカバー体とをそれぞれビス止め
により一体に組み付けて構成されており、更に回路基板
を勝手に改造してゲームに賭博性を持たせるといった不
正行為を防止するため、パチンコ機をパチンコ機メーカ
ーから各パチンコホールへ出荷するに台板とカバー体と
に跨がらせて封印シールを貼り付けるよにしている。そ
して、各パチンコホールにて該封印シールを無理に剥し
てカバー体を開け不正行為が行なわれると、立入検査時
に破れた封印シールを見ることによって不正が行なわれ
たことを具さに発見できるようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記封印シ
ールを巧妙に剥がし、カバー体を開けて回路基板を勝手
に改造する不正が頻発しており、しかも封印シールはう
まく貼り合わされほとんど元の状態に復元されているこ
とから、パチンコホールでの立入検査時には発見しにく
く、このため検査の実効が期し難く、不正行為の防止機
能が充分に果されてなかったという課題が有った。そこ
で、本発明は上記課題を解決すべくなされたもので、不
正行為の発見を容易にして不正防止の実効が高められる
ようにした弾球遊技機の基板ケースを提供することを目
的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明の弾球遊技機の基板ケースは、弾球遊技機の
裏側に装着される台板と、該台板の前面に取着され弾球
遊技機の動作状態を制御する回路基板と、前記台板とほ
ぼ同じ大きさからなり回路基板を覆うようにして台板前
面に取り付けられる透明な合成樹脂製のカバー体とから
なり、前記台板前面の適宜個所に複数のボスを設け、一
方、カバー体には各ボスに対応しかつ各ボスと連通する
前端開口の差込筒部を設ける。そして、これら差込筒部
を介して各ボスに抜脱不能な鋲を打ち込む。これによ
り、カバー体が台板に一体に固着され簡単に取り外しで
きなくなる。また、差込筒部には、カバー体を台板から
強制的にこじ開けようとするとき、カバー体が台板から
離れるように比較的容易に破断する薄肉部を形成する。
これにより、仮に回路基板を勝手に改造すべくカバー体
を強制的にこじ開けようとするとき、カバー体が前記薄
肉部の箇所から破断することとなる。そこで、検査時に
はカバー体を通してその痕跡を視認し得ることとなり、
不正行為を容易に発見することができる。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る弾球遊技機の
基板ケースの実施の形態について詳述する。なお、本実
施の形態についてはパチンコ機について説明するが、他
にアレンジボールなどその他の弾球遊技機一般に対して
も適用することができる。

【０００６】図１は、本発明の基板ケースを装着したパ
チンコ機の裏面図を示し、図中１はパチンコ機、２は遊
技盤であって、そり裏面全体を覆うように合成樹脂製の
機構板３が開閉自在に装着されている。また、該機構板
３には、上部に景品球を貯留する景品球タンク４が設け
られ、その下方にタンクレール５が配設されると共にそ
の流下端に景品球払出装置６が設けられている。

【０００７】また、景品球払出装置６の下方には景品球
をパチンコ機１の前面に払い出すための景品球排出通路
７が設けられる。更に、前記機構板３の中央部分には開
口８が開設され、該開口８に遊技盤２の裏面に直接取り
付けられる合成樹脂製の入賞球集合カバー９が臨み、図
２に示されるようにその入賞球集合カバー９の裏面に本
発明に係る基板ケース１０が装着される。

【０００８】しかして、図３は基板ケース１０の斜視
図、図４は同分解斜視図である。基板ケース１０は、前
記入賞球集合カバー９の裏面に装着される台板１１と、
該台板１１前面に取着されパチンコ機１の動作状態を制
御するための回路基板１２と、該回路基板１２の前面を
覆う箱状のカバー体１３とから構成されている。前記台
板１１は長方形状の金属板からなり、その前面には上下
四隅部にボス穴１５を有する金属製のボス１４がそれぞ
れ設けられている。また、台板１１の上端縁は前方へ屈
曲し、その内側に沿って回路基板１２の後面を受承する
受け枠１６を添設している。更に、台板１１の裏面には
上端縁に鉤状の掛止片１７が設けられると共に、前面の
下端部中央には後側へ突設する押込み拡張式のリベット
止具１８が取着されている。

【０００９】回路基板１２は台板１１と略同形状からな
り、上下四隅部に前記各ボス１４のボス穴１５に合致す
る取付孔１９が開設されている。カバー体１３は透明な
合成樹脂製であって台板１１とほぼ同じ大きさからな
り、後面が開放し前記回路基板１２の前面を覆う箱形状
を成している。そして、両側壁１３ａ，１３ａの内側で
上下位置にそれぞれ前側壁１３ｂと回路基板１２間に亘
り、前側壁１３ｂ側を開口２０して外部と連通し、かつ
回路基板１２側に前記各ボス穴１５と合致する挿通孔２
１を開設した筒状の差込筒部２２が形成されている。

【００１０】更に詳しくは、前記差込筒部２２は図５
（イ）に示されるように前側壁１３ｂ側の大径筒部２３
ａと回路基板１２側の小径筒部２３ｂとからなり、小径
筒部２３ｂ下端の挿通孔２１を有する底壁２４の外周縁
に他の部分より肉の薄い環状の薄肉部２５が形成されて
いる。

【００１１】そして、まず台板１１の前面に回路基板１
２を配置し、各取付孔１９と各ボス穴１５を合致させた
状態で、カバー体１３を回路基板１２の前面を覆うよう
にして取付け、カバー体１３の前側から各取付孔１９を
介して各ボス穴１５に金属製の鋲２６を打ち込み基板ケ
ース１０が組み立てられる。該各鋲２６は各ボス穴１５
とほぼ同径に形成され、かつ周面に抜止用の螺旋状の凸
条を有し、一度打ち込むと強固に嵌入して抜脱不能にな
っている。これにより、カバー体１３が台板１１に通常
では取り外せない状態で固着される。

【００１２】以上のようにして組み付けられた基板ケー
ス１０は、図１に示されるようにパチンコ機１における
入賞球集合カバー９の裏面に装着され、更に各種配線２
７が接続される。このようにして基板ケース１０が装着
されたパチンコ機１がパチンコ機メーカーから各パチン
コホールへ出荷される。そこで、例えばパチンコホール
において、回路基板１２を改造するべく強制的にカバー
体１３をこじ開けようとするとき、各差込筒部２２の底
壁２４の外周縁に形成された強度的に弱い肉薄部２５の
個所が破断し、その痕跡が残存することとなる。この痕
跡は透明なカバー体１３の外側から容易に視認できるの
で、パチンコホールでの立入検査時にその不正行為が発
見される。

【００１３】図５（ロ）は本発明に係る他の実施の形態
を示すものであり、差込筒部２２ａの太径筒部２３ａの
下端部と細径筒部２３ｂの上端部間に環状の肉薄部２５
ａを形成している。また、図５（ハ）の差込筒部２２ｂ
は比較的長い太径筒部２３ｃの下端部と比較的短い細径
筒部２３ｄの上端部間に環状の肉薄部２５ｂを形成し、
しかもこの場合肉薄部２５ｂの下面をＲに形成してい
る。これは、肉薄部２５ｂの厚みを極力薄くすることに
よって破断が起き易くするためである。なお、薄肉部の
箇所や形状はこれらに限られるものではないこと勿論で
あり、例えば太径筒部２３ａの外周面に断面三角形状の
切込みを周設するようにしても良い。

【００１４】本発明においては、基板ケース１０の上下
四隅部にそれぞれ鋲２６を打ち込むようにしたが、図６
に示されるように台板１１のいずれか一方の対角線状に
位置する隅部のみに鋲２６を打ち込むようにしても良
い。すなわち、台板１１の一方の対角線状に位置する両
隅部にボス穴１５を有する金属製のボス１４を設け、他
方の対角線状に位置する両隅部には螺子孔２８を有する
金属製の取付用ボス２９を設ける。そして、台板１１と
回路基板１２とカバー体１３とを重ね合せ、両ボス１
４，１４に鋲２６を打ち込み、両取付用ボス２９，２９
はそのままにして基板ケース１０を一体に組み付け、こ
の状態でパチンコ機の裏側に装着する。これは、例えば
パチンコホールでの立入検査にて不正行為が発覚した場
合、回路基板１２を正しい状態に戻して再使用するが、
このとき両取付用ボス２９，２９にビスを螺締して基板
ケース１０を組み付けできるようにするためであり、こ
の場合は再度不正行為が行なわれないようにするため、
差込筒部２２の前端開口２０を塞ぐように封印シールを
貼るようにする。

【００１５】また、図７に示されるように基板ケース１
０の四隅部に本実施の形態と同様に鋲２６を打ち込むよ
うにし、更に長手方向の両側中間位置で螺子止めできる
構成としても前記と同様の作用・効果が得られる。

【００１６】

【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る弾球遊
技機の基板ケースは、台板にボスを設けると共に透明な
合成樹脂製のカバー体に該ボスに連通する差込筒部を設
け、該差込筒部には適宜位置に肉薄部を形成し、前記差
込筒部を介してボスに抜脱不能な鋲を打ち込んでカバー
体を台板に固着するようにしたので、常態では簡単にカ
バー体を開けることはできず、これにより回路基板を改
造するという不正行為は一応防止される。また、仮に不
正行為を行うためカバー体を強制的にこじ開けようとす
るときは、カバー体が差込筒部の肉薄部から破断するこ
ととなり、しかもこの痕跡はカバー体を通して外側から
視認できるので、立入検査の際、不正行為が行なわれた
事実が容易に発見できる。これにより、不正が行なわれ
た基板ケースを見逃すことがほとんどなくなり、不正行
為の防止機能が充分果されるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明が適用されるパチンコ機の裏面図。

【図２】基板ケースの取付常態を示す要部の斜視図。

【図３】基板ケースの斜視図。

【図４】基板ケースの分解斜視図。

【図５】基板ケースの要部の断面図。

【図６】他の実施の形態に係る基板ケースの分解斜視
図。

【図７】他の実施の形態に係る基板ケースの分解斜視
図。

【符号の説明】

１ パチンコ機（弾球遊技機） １０ 基板ケース １１ 台板 １２ 回路基板 １３ カバー体 １４ ボス ２０ 開口 ２２，２２ａ，２２ｂ 差込筒部 ２５，２５ａ，２５ｂ 薄肉部 ２６ 鋲

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 弾球遊技機の裏側に装着される台板と、
   該台板前面に取着され弾球遊技機の動作状態を制御する
   回路基板と、前記台板とほぼ同じ大きさからなり回路基
   板を覆うようにして台板前面に取り付けられる透明な合
   成樹脂製のカバー体とからなる基板ケースにおいて、前
   記台板前面の適宜個所に複数のボスを設け、一方、カバ
   ー体には各ボスに対応しかつ各ボスと連通する前端開口
   の差込筒部を複数設け、これら差込筒部を介して各ボス
   に抜脱不能な鋲を打ち込みカバー体を台板に固着し、ま
   た差込筒部には適宜位置にカバー体を台板から強制的に
   こじ開けようとするとき比較的容易に破断する薄肉部を
   形成したことを特徴とする弾球遊技機の基板ケース。