JP2744746B2 - タングステンシリサイドの成膜方法および成膜装置 - Google Patents

タングステンシリサイドの成膜方法および成膜装置

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芳彦 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学気相成長によって
タングステンシリサイドを成膜するタングステンシリサ
イドの成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化学気相成長を用いてタングステ
ンシリサイドを成膜する方法としては、図3に示すよう
に、原料としては、SiH4 とWF6 又はSiH2 Cl
2 とWF6 とを用いるのが一般的であるが、この場合、
各原料ガスを同じ原料供給ノズル11を介して反応容器
10内に導入していた。原料供給ノズル11の直下に
は、サセプター12上に支持された被成膜基板13が位
置しており、原料供給ノズル11から被成膜基板13上
に各原料ガスが導入されるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、SiH4
とWF6 とを用いた場合には、発生した各原料ガスが混
合されると、室温においても気相反応を起こしてしまう
ため、反応容器10内に導入する場合には、それぞれ独
立系統の配管を用いなければならなかった。また、タン
グステンシリサイドの成膜に限らず、金属の気相成長
は、他の気相成長とは異なり、殆どの原料ガスは、混合
すると気相反応を起こしてしまうため、独立系統の配管
を用いた原料ガス導入が常識となっている。
【0004】このため、WF6 とSiH2 Cl2 を用い
た反応に於いては被成膜基板13上に導入された2種類
の原料ガスは、互いの混合が不十分となる場合が多く、
この結果、得られるタングステンシリサイドの膜組成が
不均一になるなどの問題点があった。
【0005】本発明は、このような課題を解決すべくな
されたものであり、その目的は、各原料ガスを十分に混
合した状態で被成膜基板上に導入し、良質なタングステ
ンシリサイドを成膜するタングステンシリサイドの成膜
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明のタング
ステンシリサイドの成膜方法は、使用する原料としてジ
クロロシラン(SiH2 Cl2 )と六フッ化タングステ
ン(WF6 )を用いる。すなわち、各原料ガスを、反応
容器に導入する手前の配管部などにおいて混合し、この
後、この混合させた混合原料ガスを反応容器内に導入す
るものである。
【0007】
【作用】ジクロロシランは非常に反応性に乏しいため、
六フッ化タングステンと混合させた場合にも、気相反応
が急激に進行する恐れなはく、各原料ガスを十分に混合
させた後、被成膜基板上に導入することができる。
【0008】
【実施例】以下、本実施例にかかるタングステンシリサ
イドの成膜方法について、添付図面に基づいて説明す
る。
【0009】図1に本実施例で使用するCVD装置の構
成を示す。このCVD装置は、化学気相成長によってタ
ングステンシリサイドを成膜する反応容器10と、反応
容器10に供給する原料ガスを供給するガス配管より構
成する。
【0010】反応容器10内には、サセプター12上に
支持されたウエハー13が配置されており、このウエハ
ー13に相対して原料供給ノズル11が固定されてい
る。このノズルを介して後述する各原料ガスが供給され
る。また、サセプター12内にはヒータ14が設けられ
ており、サセプター14を所定の温度に加熱するもので
ある。なお、参照番号15は反応容器内のガスを排気す
る排気装置を示している。
【0011】原料ガスを輸送する各輸送配管A,Bに
は、それぞれマスフローコントローラ22と、その両側
にそれぞれエアーオペレーションバルブ21を設けてい
る。この輸送配管A,Bは、その終端部で、それぞれ混
合配管Cと接続している。したがって、この混合配管C
内において、輸送配管Aを輸送された原料ガスと、輸送
配管Bを輸送された原料ガスとが混合される。混合され
た混合原料ガスは、1つもしくは2つに分岐し輸送配管
D,Eを経由して原料供給ノズル11に至る構成となっ
ている。
【0012】以上のように構成するCVD装置を用いて
タングステンシリサイドを成膜する。各原料ガスは、輸
送配管A,Bを輸送されて混合配管Cに至るが、この間
を流れる各原料ガスの流量を、マスフローコントローラ
22、及びエアーオペレーションバルブ21によって制
御する。例えば、WF6 側を10sccm,SiH2
2 側を500sccmに一定に制御する。輸送配管
A,Bを輸送された原料ガスは、混合配管Cにおいて互
いに混合される。混合された混合原料ガスは2つに分岐
され、それぞれ輸送配管D,Eを経由して原料供給ノズ
ル11に至り、ウエハー13上に導入される。この際、
反応容器10内の圧力は、5Torr一定に維持し、基
板温度は450〜700℃の所定の温度に維持する。こ
のようにして、各原料ガスを混合し、混合原料ガスとし
てウエハー13上に導入して成膜を行った結果、ウエハ
ー13上には、膜組成が均一な良質なタングステンシリ
サイドが成膜できた。
【0013】本実施例では、混合配管Cを用いて各原料
ガスを混合する例を示したが、他の構造によって各原料
ガスを混合することも勿論可能である。図2は、混合配
管Cの代わりに、混合/非混合の切り換えバルブ30を
用いた例である。他の構成は、図1に示す装置と同一で
あり、同一の構成要素には同一の参照番号を付して示
す。
【0014】切り換えバルブ30は、輸送配管AとDと
の間にバルブ31を配すると共に、このバルブ31の前
後には、輸送配管AとBとを接続するバルブ32と、輸
送配管DとEとを接続するバルブ33とを備えて構成し
ている。このような構成の切り換えバルブ30を用いる
ことにより、各原料ガスを混合して反応容器10内に供
給でき、また、各原料ガスを混合せずに独立して反応容
器10内に導入することもできる。例えば、原料ガスを
混合し混合原料ガスとして導入する場合には、バルブ3
1を「閉」とし、かつ、バルブ32、33を「開」とす
れば、各原料ガスは混合された後、それぞれ輸送配管
D,Eを経由して原料供給ノズル11に至る。また、独
立して導入する場合には、バルブ32、33を「閉」と
し、バルブ31を「開」とすれば良い。このように、容
易に混合/非混合を切り替えることが可能である。
【0015】なお、前述した各実施例において、各原料
ガスを混合する部位は、反応開始温度より十分に温度が
低い必要があるため、原料供給ノズルの直前で十分に混
合することが望ましい。
【0016】また、前述した各実施例では、各原料ガス
を配管内で混合する例を示したが、各原料ガスを、一
旦、混合容器などに導入し、この容器内で混合した後、
反応容器10に導入することも可能である。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかるタ
ングステンシリサイドの成膜方法では、原料としてジク
ロロシランと六フッ化タングステンとを用いたので、こ
れらの原料は、適度な高温でないと互いに反応を開始し
ないため、反応容器に導入する手前の段階で、両原料ガ
スを十分に混合させることができる。したがって、この
ように十分に混合された混合原料ガスを被成膜基板上に
導入するので、従来、問題となっていた導入された原料
ガスの混合が不十分であるために生じていた、反応の不
均一性を解消できると共に、その混合比の制御性を向上
させることができる。この結果として、成膜の表面及び
膜厚(深さ)方向の組成の均一性が大きく向上し、良質
なタングステンシリサイドを成膜することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例で使用するCVD装置の構成を示す概
略構成図である。
【図2】本実施例で使用するCVD装置の他の構成例を
示す概略構成図である。
【図3】従来のCVD装置の構成を示す概略構成図であ
る。
【符号の説明】
10…反応容器、11…原料供給ノズル、13…ウエハ
ー(被成膜基板)、30…切り換えバルブ、A,B,
D,E…輸送配管、C…混合配管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 芳彦 千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地 内 アプライド マテリアルズ ジャパ ン 株式会社内 (72)発明者 北崎 正樹 千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地 内 アプライド マテリアルズ ジャパ ン 株式会社内 (72)発明者 山本 和宏 千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地 内 アプライド マテリアルズ ジャパ ン 株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−188921(JP,A) 特開 平2−66173(JP,A) 特開 平1−129969(JP,A) 特開 平2−208935(JP,A) 特開 平3−106039(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジクロロシラン(SiH2Cl2)と六フ
    ッ化タングステン(WF6)とを含む原料ガスを反応容
    器内に導入し、化学気相成長により基板の表面上にタン
    グステンシリサイドを成膜する方法であって、 ジクロロシラン(SiH2Cl2)と六フッ化タングステ
    ン(WF6)を、それぞれ別のラインを介して、前記反
    応容器内に導入する手前の段階に設けられたガス混合手
    段に導入し、ジクロロシランと六フッ化タングステンを
    反応が生じない温度の下で混合して原料ガスとするステ
    ップと、 前記ガス混合手段と前記反応容器とを接続する複数の輸
    送配管を介して、該原料ガスを前記ガス混合手段から前
    記反応容器の中に分散して導入し、化学気相成長による
    タングステンシリサイドの成膜を行うステップとを有す
    ることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記ガス混合手段が、ガスの混合/非混
    合を切り換える切り換えバルブであることを特徴とする
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 ジクロロシラン(SiH2Cl2)と六フ
    ッ化タングステン(WF6)とを含む原料ガスを反応容
    器内に導入し、化学気相成長により基板の表面上にタン
    グステンシリサイドを成膜するための成膜装置であっ
    て、 タングステンシリサイドを成膜するための真空チャンバ
    と、 真空チャンバに原料ガスを導入するためのガス輸送シス
    テムと、 前記真空チャンバからガスを排気するためのガス排気シ
    ステムとを備え、前記ガス輸送システムは、 ジクロロシラン(SiH2Cl2)のガス源と六フッ化タ
    ングステン(WF6)のガス源と、 ジクロロシランと六フッ化タングステンを反応が生じな
    い温度の下で混合して原料ガスとするための、ガス混合
    手段と、 前記ジクロロシランガス源と前記ガス混合手段とを接続
    する、ジクロロシランを輸送するための第1のガスライ
    ンと、 前記六フッ化タングステンガス源と前記ガス混合手段と
    を接続する、六フッ化タングステン輸送するための第2
    のガスラインと、 前記ガス混合手段と前記真空チャンバとを接続し、原料
    ガスを前記ガス混合手段から前記真空チャンバ内へと導
    入するための複数の第3のガスラインとを備えることを
    特徴とする成膜装置。
  4. 【請求項4】 前記ガス混合手段が、ガスの混合/非混
    合を切り換える切り換えバルブであることを特徴とする
    請求項3に記載の成膜装置。
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JPH07100860B2 (ja) * 1988-09-01 1995-11-01 日電アネルバ株式会社 タングステンシリサイド膜の形成方法
JP2932484B2 (ja) * 1989-01-18 1999-08-09 ソニー株式会社 高融点金属多層膜形成法

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