JP2743717B2 - 構造材の鋭敏化度検出方法及び原子力プラント水質制御システム - Google Patents

構造材の鋭敏化度検出方法及び原子力プラント水質制御システム

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JP2743717B2
JP2743717B2 JP4195055A JP19505592A JP2743717B2 JP 2743717 B2 JP2743717 B2 JP 2743717B2 JP 4195055 A JP4195055 A JP 4195055A JP 19505592 A JP19505592 A JP 19505592A JP 2743717 B2 JP2743717 B2 JP 2743717B2
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  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラント構造材の鋭敏
化度検出方法及び検出システムに係り、特に、例えばス
テンレス鋼のプラント構造材の粒界腐食感受性に関する
鋭敏化測定方法を基にしたプラント管理運転に関するも
のであり、対象分野は火力,原子力プラント,化学プラ
ントに限らず、鋭敏化による構造材の粒界腐食割れの監
視が必要とされるあらゆる分野に適用できる。
【0002】
【従来の技術】鋭敏化検出の方法は、近年防食協会63
−2分科会から「防食技術」Vol.39No.11 ,199
0に分科会報告として整理されている。これらの従来の
技術の内、本発明の非破壊的な鋭敏化検出方法としては
日本工業規格番号JIS GO 580(1986)にステンレス
鋼の電気化学的再活性化率の測定方法として規定されて
いるものがある。この方法は通常EPR(Electrochemi
cal PotentiokineticReactivation)法と呼ばれ、非破
壊的な電気化学的鋭敏化度測定方法はこの手法をさして
言う。EPR法での電気化学測定条件の内、試験溶液液
量,電位掃引速度はそれぞれ200ml以上、100±
5mV/min と規定されている。この条件で自然電極電
位からアノード分極をし飽和甘こう電極基準で+0.3
V に到達後、直ちに電位を逆方向に掃引し、再活性化
後、再びアノード電流が零となる電位を終点とする。ま
た、結果の表示については以下の式によって求め、数値
はJIS Z 8401(数値の丸め方)により、小数点以下第一
位に丸めて表示するとある。
【0003】再活性化率(%)=(復路の活性態における
最大アノード電流密度/往路の活性態における最大アノ
ード電流密度)×100 上記EPR測定法では電気化学測定条件の内、試験溶液
液量,電位掃引速度はそれぞれ200ml以上、100
±5mV/min と規定されている。これによる電気化学
セルの小形化は200mlまでが限度である。
【0004】また腐食防食協会主催、第37回腐食防食
討論会(1990 長野)講演番号第C−201におい
て、レーザービームを照射することにより照射前に比べ
粒界からの腐食電流増加が粒内に比べ明らかに高くなる
点についての報告がある。しかし、この報告においては
材料の鋭敏化度との対応関係が未検討のままとなってい
る。
【0005】パルス電気化学計測に関しては数多くの科
学文献があるが、専門の教科書として「エレクトロケミ
カル メソード(Electrochemical Method)」Jone Wil
ey& Sons,Inc.出版(1980)pp176−206
に、リバースパルスの原理,ノーマルパルス,ディファ
レンシャルパルスボルタンメトリーを中心に詳述されて
いる。スクウェアウェイブボルタンメトリーに関しては
「分析化学」Vol.36pp.420−424(198
7)にピーク面積を用いた定量分析技術に関して一般者
向けの報告がある。しかし、これまでのパルスボルタン
メトリー研究は溶液内の微量金属イオン等の電気分析技
術及び電気化学反応機構の解析技術面からの研究であ
り、今日までこれらのパルスボルタンメトリー計測技術
を用いて構造材の鋭敏化を検出し、プラントの運転管理
に適用した例は見当たらない。また、パルスボルタンメ
トリー計測技術を用いて構造材の鋭敏化が検出できると
言う報告はない。
【0006】ボルタンメトリーとしては、パルスモード
のパルスボルタンメトリーを実行するのが望ましく、後
述する本発明の実施例では、ノーマルパルスボルタンメ
トリー及びディファレンシャルパルスボルタンメトリー
を実行して良好な結果を得た。
【0007】本発明において実行可能なパルスボルタン
メトリーとしては、ノーマルパルスボルタンメトリー,
リバースパルスボルタンメトリー,ディファレンシャル
パルスボルタンメトリー,ディファレンシャルノーマル
パルスボルタンメトリー及びスクウェアウェイブパルス
ボルタンメトリー等がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は原理的
に微小な電気化学セル測定に対する技術的課題を解決し
ておらず、細管内等、考えられる監視対象部での臨機応
変な非破壊的な鋭敏化検出によりプラント構造材の粒界
腐食感受性を評価できない点に問題があった。本発明
は、従来の電気化学的計測手法では対応困難な細管内等
の監視対象部の鋭敏化度を検出する技術によりプラント
構造材の粒界腐食感受性を評価しプラント構造材の健全
性を管理するプラント構造材の鋭敏化度検出方法を提供
することを目的とする。
【0009】本発明の他の目的は、原子力プラント構成
部材の鋭敏化度を測定し、その結果に基づいて水質を制
御するようにした原子力プラントの水質制御システムを
提供するにある。
【0010】本発明の更に他の目的は、原子力プラント
構成部材の鋭敏化度を測定し、その結果を基準値と比較
して炉水漏れ等の冷却水系の事故を未然に予知する予防
保全システムを提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、プラント構造材の粒界腐食割れ鋭敏化
度を測定する電気化学的測定手法において、構造材に電
解液を接触させて電位パルス信号を印加し、それから得
られる電流を測定するもので、特に電気化学測定システ
ムから監視対象部に設置した電気化学セル内の監視対象
部構造材に測定時間に対し一連の電位パルス信号を印加
し、それぞれのパルス電位信号に対応して監視対象部構
造材の電気化学反応に対応する電流を測定し、得られた
電流電位曲線の関係からプラント構造材の粒界腐食割れ
感受性に対応する構造材の鋭敏化度を検出することを特
徴とするプラント構造材の鋭敏化度検出方法としたもの
である。
【0012】また、本発明では、得られた電流値を電気
量(クーロン数)として表わし、その関係からプラント
構造材の粒界腐食割れ感受性に対応する構造材の鋭敏化
度を検出することを特徴とする。クーロン数は1Aの電
流を1秒間に運ぶ電気量を示し、市販のクーロンメータ
によって測定できるものである。
【0013】上記の鋭敏化度検出方法において、電位パ
ルス信号は、ノーマルパルス,スクウェアウェイブ,デ
ファレンシャルパルス,リバースパルスから選ばれたパ
ルスボルタンメトリーモードの電位信号であり、また、
電流電位曲線の関係は、パルスボルタンメトリーを含む
一連のパルス電位信号を印加する開始電位から、電位が
貴な方向に掃引した場合に得られる電流電位曲線のピー
ク電流値、あるいは予め設定した電流電位曲線の電位ま
での電気量(クーロン数)、あるいは電流電位曲線の着
目する電位における電流値を、予め定められた基準とな
る鋭敏化材料の電流電位曲線のピーク電流値あるいは該
電気量(クーロン数)あるいは該電位における電流値
と、いずれか少なくとも一つを用いて比較することによ
り、プラント構造材の粒界腐食割れ感受性に対応する構
造材の鋭敏化度を検出することができる。
【0014】また、電流電位曲線の関係は、パルスボル
タンメトリーを含む一連のパルス電位信号を印加する開
始電位から電位が貴な方向に掃引し、貴な方向から卑な
方向に折り返し掃引した場合に得られるそれぞれの掃引
方向の電流電位曲線に対応するピーク電流値の比、ある
いは着目する電位におけるそれぞれの掃引方向の電流電
位曲線の電流値の比、あるいは貴な方向と卑な方向のそ
れぞれのパルス電位掃引により得られたそれぞれの電流
電位曲線に対応する電気量(クーロン数)の比、の内い
ずれか少なくとも一つを用いて、予め定められた基準と
なる鋭敏化材料について得られたピーク電流値の比、あ
るいは着目する電位におけるそれぞれの掃引方向の電流
電位曲線の電流値の比、あるいはそれぞれの掃引方向の
電流電位曲線に対応する電気量の比、の中のいずれか少
なくとも一つと比較することにより、プラント構造材の
粒界腐食割れ感受性に対応する構造材の鋭敏化度を検出
することができる。
【0015】また、本発明における鋭敏化度検出方法に
おいて、電気化学セルは、目標とする監視対象部に電気
化学セルを設置するために必要なオンラインモニター機
構部あるいは磁力を用いた稼働制御機構部あるいは真空
制御機構部,遠隔操作制御用稼働部あるいは測定用電解
液注入抽出,測定後の対象部の洗浄等の液注入用パイプ
類等を具備する電気化学セルであり、監視対象部に該電
気化学セルを設置するための遠隔操作システムを有する
のがよく、前記電気化学測定システムは、パルスボルタ
ンメトリーを含む一連のパルス電位信号を印加する開始
電位から電位が貴な方向に掃引し、貴な方向から卑な方
向に折り返しパルス電位掃引が可能であり、電気量測定
あるいは設定電位での電流電位曲線の電流値の自動読み
取り,測定データの陰極線管表示あるいはデータ出力が
可能なシステムを有するのがよい。
【0016】上記において、電解液としては、硫酸,硫
酸とチオシアン酸カリウム溶液、シュウ酸,硫酸と硫酸
第二鉄溶液,硫酸と硫酸銅溶液,硝酸,塩酸,酢酸,硫
酸と硫酸ナトリウム溶液等が使用できる。
【0017】さらに、本発明は、前記の本発明のプラン
ト構造材の鋭敏化度検出方法を用いて構造材の鋭敏化度
を検出することにより、プラント構造材の健全性を評価
しプラントの運転管理をすることを特徴とするプラント
運転管理方法としたものである。
【0018】本発明は、原子力プラント冷却水系の水質
を制御する手段を有する水質制御システムにおいて、前
記冷却水に接触する部分の構成部材に設置される電解セ
ルの電極収納部,前記原子炉内の構成部材に参照電極基
準の電圧として所定のパラメータをもつ電圧−時間波形
信号を印加する信号印加部,前記信号印加部に対して
ルスボルタンメトリーの種類によって定まるパラメータ
をもつ電圧−時間波形信号を入力する信号入力部,前記
信号印加部からの信号に基づいて実行されたパルスボル
タンメトリーの結果を電解電流と該電解電流が得られた
電位との関係でメモリに貯える記憶部,前記記憶部に記
憶されたデータを処理しパルスボルタンメトリーの種類
によって定まる所定の電位における電流値又は電流電位
曲線のピーク電流値を決定する電流値決定部,決定され
た電流値又はピーク電流値を、予め求められた基準とな
る鋭敏化材料の前記電流値又はピーク電流値と比較する
ことにより前記構成部材の粒界腐食割れに対する鋭敏化
度を演算する演算部、及び予め求められた前記鋭敏化度
と前記冷却水の水質との関係から前記演算部で得られた
鋭敏化度に応じて前記冷却水中に薬品を注入することに
より前記水質を制御する前記冷却水制御手段を具備する
ことを特徴とする原子力プラントの水質制御システムに
ある。
【0019】本発明は、演算部の結果を基準値と比較す
る比較部を有し、その情報に基づいて水質を制御するこ
と、その基準値を超えたとき警報を発生する予防保全を
行うことができ、原子力プラントしてBWR,PWRの
いずれにも適用でき、更に火力発電プラント,化学プラ
ントにおいて高温高圧水にさらされる構造材の診断に適
用できる。
【0020】
【作用】プラント運転の定期点検時等構造材の粒界腐食
割れ感受性に対応する鋭敏化度を検出する技術は、材料
信頼性そのものの評価基準にかかわるものであり、監視
対象部の鋭敏化度評価結果は、プラント保全面から運転
管理スケジュールそのものに直結するものである。稼働
プラント保全面からは幅広い監視対象部のフィールド試
験が可能であり、稼働プラント材料としての健全性評価
結果が迅速に得られる技術開発が望まれている。これら
の技術に必要な要素技術としては大きく3つに分けられ
る。即ち、1)細管内等微細部での評価検出技術、2)
幅広い監視対象部測定の短時間検査技術、3)遠隔走査
技術である。
【0021】本発明は上記3項目の技術課題を以下に述
べる手法による解決した。まず1)の細管内等での測定
を可能にするためには電気化学測定用の微小な電解セル
設計が必要である。これを可能にするためには電解液組
成,ガス発生量を極力おさえるため電気化学セルに通電
する電気量を小さくでき、かつ監視対象部の鋭敏化度を
検出できる技術が必要がある。本発明ではパルスボルタ
ンメトリーを中心にしたパルス電気化学測定でこの問題
を解決した。即ち、約1秒以下、特に1〜50ミリ秒の
パルス幅を有する電位パルスを使えば、電気化学セルに
通電する電気量は通常の走査速度によるが通常の定常状
態の電気化学測定に比べ、104 分の1レベルまで通電
電気量を下げることは容易に可能である。これに伴い監
視対象部での検査を伴う構造材最表面の変化は実質的に
無視できる状態でフィールド試験をすることが可能にな
る。
【0022】例えばパルスボルタンメトリーの内ノーマ
ルパルスモードを使用した場合、パルス幅を20ミリ
秒,パルス数20個を1走査分の測定条件と設定すれ
ば、測定時間内に電気化学セル内で電流が流れている時
間はわずか0.4 秒である。定常測定に対して104
の1の通電量の電気化学測定で鋭敏化検出を行う場合、
単純計算で必要な電解液量は通電量の場合と同様104
分の1相当の電解液量で対応可能である。さらにこのパ
ルスボルタンメトリーを使った電流電位曲線の測定で
は、定常状態での電気化学測定において鋭敏化検出が実
用上充分でない卑から貴への電位走査領域での電流電位
曲線においても高い検出感度が得られることが本発明に
おいて明らかにされたことである。これはクロム欠乏
層,クロム炭化物層等が形成された粒界部からの電気化
学応答速度、即ち粒界部からの腐食反応速度が粒内より
も高く、短時間領域のパルス測定時間でみたとき粒内か
らの腐食反応速度よりも粒界部からの腐食現象が優先的
に観測されるためである。この粒界部からの腐食感受性
は鋭敏化度と正の相関を有するためこれらのパルス測定
で粒界腐食の感受性を検出することができる。従って、
パルス電気化学計測を用いることにより電気化学セルを
微小化し構造材の鋭敏化度を検出できる。
【0023】2番目の要素技術,短時間検査技術、は同
様に測定時間を速くし、且つ鋭敏化度を検出する上記の
パルスボルタンメトリーを中心としたパルス電気化学計
測により達成可能である。
【0024】3番目の遠隔操作技術は監視対象部をモニ
ターする技術、電気化学セルを監視対象部へ設置するに
際し、構造材表面を2次元、あるいは3次元的に可動で
きる機能、及び監視対象部で電気化学セルを固定し、電
解液が電気化学セルから漏れ出しを防ぐ技術が必要であ
る。本発明においては、これらの技術を電気化学セルに
一体化させたオンラインモニターセンサ部,電気化学セ
ルを固定するための電磁力機構部,真空セル構成部、お
よび電気化学セル移動機構部をリモート制御することに
より達成した。
【0025】一般に定常状態下での電流電位曲線測定に
基づく電気化学計測では測定時間が長く電気化学セルの
電解液の電気分解により電解液の液質変化,水素等のガ
ス発生による電気化学セル内圧上昇等の問題があり原理
的に電解質溶液の小型化には限度がある。さらに通常の
電位信号を時間に対して直線的に走査するいわゆるEP
R法でただ単に走査速度を上げると、監視対象部と電気
化学セル内の電解液界面にある電気二重層への充電電流
が主流となり鋭敏化に関する誤情報が走査速度の増大に
伴い顕在化してくる。パルスボルタンメトリーはこの電
位のリニヤー掃引の問題点である電気二重層充電電流の
問題を最大限に解出しうる代表的な電気化学測定技術の
一つである。
【0026】パルスボルタンメトリーのうち特に電気二
重層充電電流の補正機能が他のディファレンシャルパル
スモード等に比べて劣るノーマルパルスモードは電気二
重層充電電流の問題がとくに数ミリ秒から10ミリ秒等
短時間領域で残されている。しかしノーマルパルスボル
タンメトリーの各電位パルス終了後は分極していない掃
引開始点まで監視対象部の電位が戻されるための常にそ
のパルス幅で捕らえた監視対象部の真の鋭敏化情報を得
ることが可能である。一方従来の電位を直線的に掃引す
る手法では、監視対象部の電位は電位掃引直後から電位
掃引終了まで連続して変化しており掃引時間による電流
電位曲線あるいはそれに伴う電気量変化と鋭敏化情報と
の対応づけは一般的に時間パラメータに関する評価解析
がノーマルパルスボルタンメトリーに比べ複雑である。
又速い走査速度での直線的な電位掃引ではデータの再現
性も得られにくい。本発明でのパルス電気化学計測によ
る通電量を考慮すれば原理的に1cm3 以下の電解液量の
電気化学セルによる鋭敏化度の検出が容易に可能にな
る。特に、0.1〜0.4cm3 が好ましい。これによりプ
ラント構造材の健全性を評価しプラントの運転管理をす
ることができる。
【0027】
【実施例】
〔実施例1〕図1に本発明をBWR型原子力プラントに
適用した場合の1実施例を示す。図2に示す微小電気化
学セルを図1のICMハウジング部内1に装着し、微小
電気化学セルをパルス電気化学計測システム2,微小電
気化学セルの遠隔操作システム3に接続する。4はドラ
イヤ、5は炉内計測管、6は炉心、7は原子炉再循環
系、8は原子炉給水配管、9は原子炉圧力容器、10は
ガス及び薬品注入系、11はタービンである。
【0028】図2において、電気化学計測用セルは、電
解液溜部12内に対極13と0.1モルKC1を含む寒
天質材17中に挿入した銀線14に接続された銀塩化銀
型参照電極33からなり、作用極は電解液溜部12と接
するゴム製パッキン19に囲まれた炉内計装管5のIC
Mハウジング部そのものである。電解液溜部12と銀塩
化銀型参照電極33との液絡部にはセラミックスの多孔
質の栓18を設けた。対極13は対極用リード線30
に、銀塩化銀型参照電極33は銀線14を経て参照電極
用リード線31に接続され、脱着可能電気化学測定用リ
ード線アダプター27を経てパルス電気化学計測システ
ム2に接続されている。リード線は作用極すなわち炉内
計装管5(例えばOリング)から直接パルス電気化学計
測システム2の作用極端子に接続する。電解液溜部12
は電解液入排出用パイプ29が連結され電解液の出し入
れができる仕組みになっている。ここで電気化学計測シ
ステムはポテンショスタット,パルス電位/時間波形を
発生可能な関数発生器、及びシステム制御用のCPUか
ら直接パルス波形をコントロールしデータ処理すること
ができるCRT,レコーダ,プロッタ,プリンタ等を含
むコンピュータシステムからなる。真空調整室15は真
空ポンプに接続された真空度制御用パイプ32に接続さ
れている。ピストン機構16はピストン部上の加圧調整
用ホイール24に連結されている。20はファイバース
コープ先端部、21はライトである。ホイール22は伸
縮可能なバネ付ホイール軸受け23に連結されている。
25はピストン制御用圧力調整パイプ取り出し口、26
はファイバースコープ,ライト配線取り出し口である。
28は電気化学セル位置決め制御用端子である。対極1
2と参照電極14のリードはアダプター27を通り、電
気化学測定システム2へ続く。資料極である炉内構造材
からのリードも測定システム2へ続く。但し、構造材全
体がグランドに落ちているので、配管,圧力容器等いず
れの部分からノードをとっても構わない。
【0029】図2に示されたICMハウジング内の電気
化学セル(図2に示す構造物全体を指す)はICMハウ
ジング内で次の様に動作する。すなわち、遠隔操作シス
テム3に接続された電気化学セル位置決め制御用端子2
8により、電気化学セルは初め炉内計装管5内をホイー
ル22,加圧調整用ホイール24により任意の位置に管
内を動かし、位置決めすることが可能である。この時管
内はライト21により電気化学セル前後が照明されてお
り、管内の状況をファイバースコープ先端部20により
とらえることができるため、管内の様子を遠隔操作シス
テム3で確認しながら、監視対象部に電気化学セルをセ
ットすることができる。監視対象部に電気化学セルをセ
ットした後、まずピストン機構16を作動させゴム製パ
ッキン19が監視対象部近傍に接触するまで加圧する。
この時15の真空度調整室の真空度を上げてゆき、ゴム
製パッキン19が完全にシール機能を発揮するレベルま
で真空ホンプで真空調整室15の真空度を上げる。電気
化学セルが監視対象部に充分密着できたのを真空度によ
り確認の後、常圧下にある電解液入排出用パイプ29に
より電解液を注入し監視対象部を作用極とするパルス電
気化学測定を2のパルス電気化学計測システムを用いて
開始する。測定終了後は29の電解液入排出用パイプを
真空ポンプ系に接続し、電解液を排出する。さらに監視
対象部洗浄のため同一の電解液入排出用パイプから洗浄
水を通水し充分な洗浄の後、真空調整室15内の圧力を
常圧にもどす。これによりゴム製パッキン19が監視対
象部近傍からバネ付ホイール軸受け23の力により浮上
でき、再び電気化学セルは任意位置決め可能状態に戻
り、次の測定の待機状態となる。
【0030】図3は上記の操作手順を基に測定されたI
CMハウジング部内のノーマルパルスボルタモグラム
(電流−電位曲線)である。パルス幅は40msであ
る。ノーマルパルスの監視対象部に印加する電位vs、
時間波形は図4に示される。ここでtpはパルス幅、τ
はパルス待機時間、Ehはステップアップ電位である。
○印は設定された各パルス電解電位,パルス幅において
流れる電解電流のサンプリング点を示す。図3に示され
る各測定点(○,●)は各パルス電解電位,パルス幅に
おいてサンプリングされた電解電流に対応する。○印は
基準試料である。●印はICMハウジング部溶接熱影響
部、即ち監視対象部での測定結果である。安全率を見込
んだ基準試料に比べ、ICMハウジング部溶接熱影響部
は明らかにアノード溶解電流が低く、監視対象部の健全
性に問題がないことがただちに示される。ここで、基準
試料のデータは予め、2のパルス電気化学計測システム
のコンピュータシステムに入力していたデータである。
本電気化学測定そのものに関する時間は約1分である。
各実施例で○印で示した基準資料は、650℃で5時間
加熱して炭化物を形成した粒界腐食割れを生じるように
敏鋭化されたものである。
【0031】〔実施例2〕図5ではノーマルパルスの往
路と復路をICMハウジング部溶接熱影響部で測定した
結果を示すグラフである。○印は基準試料である。●印
はICMハウジング部溶接熱影響部、即ち監視対象部で
の測定結果である。パルス幅は80msである。このパ
ルス幅で掃引すると図に示されるように明らかな(電流
が急減するような)不働態化挙動が基準試料,監視対象
部共に観測されている。また復路においても通常のEP
R測定と同様に再活性化挙動が観察される。本実施例に
おいてもICMハウジング部溶接熱影響部、即ち監視対
象部のアノード電流の復路の往路に対するピーク電流比
は○印の基準試料に比べて小さく、また図から明らかな
ように全電解電気量(クーロン数)も小さい。従って、
安全率を見込んだ基準試料に比べ、ICMハウジング部
溶接熱影響部は明らかにアノード溶解電流,全電気量が
低く、監視対象部の健全性に問題がないことがただちに
示される。ここで、基準試料のデータは予め、2のパル
ス電気化学計測システムのコンピュータシステムに入力
していたデータである。本電気化学測定そのものに関す
る時間は約2分である。
【0032】〔実施例3〕本実施例ではICMハウジン
グ部内でスクウェアウェイブボルタンメトリーにより鋭
敏化度を検出した例を示す。スクウェアウェイブボルタ
ンメトリーの電位vs、時間波形は図7に示される。こ
こでtpはパルス幅、Ehはステップアップ電位であ
る。○,△印は設定された各パルス電解電位,パルス幅
において流れる電解電流のサンプリング点を示す。スク
ウェアウェイブボルタンメトリーの場合プロットされる
電流は○印の電流から、△印の電流を差し引いた値、即
ち電流の一定のステップアップ電位に対する変化を見る
ことが出来る。従って、アノード電流が大きい系ではス
クウェアウェイブボルタンメトリーの出力結果である電
流値はノーマルパルスボルタンメトリーと同様に大き
い。図6はICMハウジング部内でスクウェアウェイブ
ボルタモグラム図である。○印は基準試料である。●印
はICMハウジング部溶接熱影響部、即ち監視対象部で
の測定結果である。パルス幅は40msである。図から
明らかなように本実施例においてもICMハウジング部
溶接熱影響部、即ち監視対象部のアノードピーク電流は
○印の基準試料に比べて小さい。従って、安全率を見込
んだ基準試料に比べ、ICMハウジング部溶接熱影響部
は明らかにアノード溶解電流が低く、監視対象部の健全
性に問題がないことが示されている。本電気化学測定そ
のものに要する時間は1秒である。
【0033】〔実施例4〕本実施例では、BWR原子炉
圧力容器内における三電極系の設置場所、構成、及び鋭
敏化度測定システム,水質制御システム、及び安定診断
システムについて述べる。
【0034】本発明のシステムにおいては、電解セルの
作用電極に電圧−時間波形信号に印加する手段としてポ
テンショスタットを設け、該ポテンショスタットに前記
波形信号を入力するためのCPUを設けることが望まし
い。
【0035】CPUには、ボルタンメトリーの種類によ
って定まる所定のパラメータをもつ電圧−時間波形信号
を前記ポテンショスタットに入力する信号入力部と、前
記ポテンショスタットが実行した被測定物のボルタンメ
トリーの結果を電解電流と該電解電流が得られた電位と
の関係でメモリに貯える記憶部と、前記記憶部で記憶さ
れたデータを処理しボルタンメトリーの種類によって定
まる電流値又はピーク電流値を決定する電流値決定部
と、決定された電流値又はピーク電流値に基づいて分析
すべき化学種の濃度を演算する演算部を具備させること
が望ましい。
【0036】ポテンショスタットには、CPUから入力
された電圧−時間波形を参照電極基準の電圧として作用
電極に忠実に印加する役目を課す。
【0037】水の水質を制御するシステムにおいては、
CPUの濃度演算部の結果を基準値と比較する比較部を
設けることが望ましく、この比較部はCPUに具備させ
ることが望ましい。
【0038】コンピュータ・演算処理制御装置にインタ
ーフェースされたボルタンメトリー装置、特にパルスボ
ルタンメトリー装置システムは、測定結果のプリントア
ウト,ディスプレイを行なうので水質の診断結果を人に
明確に知らせることができる。これによって人は水質を
モニターすることができる。
【0039】上記ボルタンメトリー装置システムにあら
かじめ入力された種々の結果を演算処理装置で比較し、
それを基にして炉水水質調整用のガス及び化学種の炉水
中への入出力を高速かつ正確に行なう事ができるので、
水質を制御することができる。
【0040】原子炉の一次冷却水系に原子炉浄化化学樹
脂の分解生成物であるSO4 2- ,SO3 -,Cl- ,Na
+ のイオン濃度を測定する手段、及び該イオン濃度の少
なくとも一つが基準値を超えたときに警報を発生する手
段を具備することはより望ましい。
【0041】本実施例では原子炉停止時に、特にBWR
原子炉圧力容器内における三電極系の設置場所,構成、
及び鋭敏化度測定システム,水質制御システム,安定診
断システムの原理を図8,9に示す。
【0042】図8は、BWRの原子炉圧力容器101の
周辺構造構成要素を示す。なお、電極収納部は前述の実
施例1と同じである。三電極系の電極収納部102は炉
内計装管114内に挿入され、炉心110の図の部分に
設けられる。101は原子炉圧力容器、102は電極収
納部、103は対極、105は参照電極、106は電極
支持体、107は中性子計装内管、108はドライヤ、
109はセパレータ、110は炉心、111は原子炉給
水配管、112は原子炉浄化系、113は原子炉浄化系
脱塩器、114は炉内計装管、115はポテンショスタ
ット電気化学インターフェース、116はPCU、11
7はガス及び薬品注入系、118は原子炉再循環配管、
及び119は遠隔制御指令装置及び、測定結果ディスプ
レイ装置である。モニター極104はポテンショスタッ
ト,電気化学インターフェース115及びCPU(コン
ピュータ演算処理,自動制御装置)、116によって作
動され、測定結果は遠隔制御指令装置及び測定結果ディ
スプレイ装置119に送られる。
【0043】構成部材の粒界腐食割れに対する鋭敏化度
測定結果はあらかじめ入力された基準となる鋭敏化材
料の鋭敏化度とCPU116内で比較され、その結果を
もとにして、予め求められた基準となる鋭敏化材の鋭敏
化度と冷却水の水質との関係に基づいて冷却水中に薬品
を注入することにより運転開始時の水質制御パラメータ
の決定を行う。運転開始時又はCPU116はガス及び
薬品注入系117のコントロールシステムに指令を送り
バルブの開閉を行い、この作動を繰り返し行い水質を制
御するものである。原子炉の一次冷却水は運転中に放射
線によって溶存酸素,過酸化水素が増加し、これらは構
成材が鋭敏化されることによる粒界腐食割れ感受性を高
めるので、冷却水中にH 2 ,N 2 4 などの薬品を注入し
て低めるものである。本実施例では前述の構成部材の鋭
敏化度を測定し、その鋭敏化度に応じて粒界腐食割れが
生じないように冷却水中の溶存酸素,過酸化水素を所定
の値で薬品注入系117よりH 2 又はN 2 4 を注入す
る。それらの注入量は鋭敏化度に応じて行われる。
【0044】参照電極105は飽和カロメル電極(SC
E),標準水素電極(SHE),銀塩化銀電極(Ag−
AgCl)等様々なものが考えられる。図中破線は電気
回路及びインターフェースバスライン等の結線状態を示
してある。
【0045】電極の設置位置としては上記炉内計装管と
同様にドライヤ108,セパレータ109,照射試験片
装入治具等、その他取り出し可能機器,部品等に設置し
て原子炉圧力容器内に設置できる。また圧力容器壁等を
利用して直接設置も可能である。
【0046】図9は図1で用いられた電極及び電解セル
で構成されるBWR型原子炉に水質制御シテムを監視す
る制御系監視システム122が加えられたものである。
制御系監視システム122は最低一台のコンピュータ演
算処理装置を有し、これらのコンピュータ間で水質制御
システムをコントロールしているCPU116、及び電
気化学インターフェース115が正常に作動しているか
否かを判断し、水質制御システムの信頼性,安定性を図
るものである。異常動作検出の診断基準は電気化学イン
ターフェース115、及びCPU116とガス及び薬品
注入系117よりなる水質制御用のコントロールシステ
ムをダミー回路にもどし、それについての演算結果,測
定結果,制御結果が、所定の値、所定の精度範囲に入っ
ているか否かである。
【0047】これらの測定過程はポテンショスタット・
電気化学インターフェース115、及びCPU(コンピ
ュータ演算処理装置,自動制御装置)116内で処理さ
れ、これらの測定結果を基準値と比較しガス及び薬品注
入系117をコントロールすることにより水質制御す
る。
【0048】各種パルスボルタンメトリーにおいて、電
流値で求められるものとしては、ノーマルパルスボルタ
ンメトリーのほかにたとえばリバースパルスボルタンメ
トリーがある。
【0049】ピーク電流値で求められるものとしては、
ディファレンシャルパルスボルタンメトリーのほかに、
ディファレンシャルノーマルパルスボルタンメトリー,
スクウェアウェイブパルスボルタンメトリーなどがあ
る。
【0050】図10〜図13に、数種のパルスボルタン
メトリーについての電圧−時間波形信号を示す。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば電気化学セルを小型化し
遠隔操作によりプラント構造材の鋭敏化度を短時間に検
出評価できるので、従来できなかった、細管内等での鋭
敏化度を検出することが可能になり、プラント構造材の
健全性をより幅広く、迅速に知ることができるので、プ
ラント運転管理レベルを高次元で実現することができ
る。
【0052】本発明によれば、パルス電気化学測定によ
り微小な電気化学測定セル設計が可能になるので、細管
の内面での鋭敏化検出測定が可能且つ迅速になる。ま
た、プラント運転管理上重要な保全技術を得ることがで
きる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を原子力プラント原子炉ICMハウジン
グ部内に適用した鋭敏化検出システムの概略構成図習あ
る。
【図2】図1におけるICMハウジング部内の電気化学
セルの概略断面図である。
【図3】該ICM部内のノーマルパルスボルタモグラム
図である。
【図4】該ノーマルパルスボルタンメトリの電位対時間
の波形図である。
【図5】該ICMハウジング部内での往路と復路のノー
マルパルスボルタモグラム図である。
【図6】該ICMハウジング部内でのスクエアウェイブ
ボルタモグラム図である。
【図7】該スクエアウェイブの電位対時間の波形図であ
る。
【図8】本発明を原子力プラント原子炉の計装管内に三
電極系を有するBWRプラントの水質制御システムを示
す概略構成図である。
【図9】本発明を原子力プラント原子炉における、安全
診断制御システムを示す概略構成図である。
【図10】各種ボルタンメトリーの印加信号波形図であ
る。
【図11】各種ボルタンメトリーの印加信号波形図であ
る。
【図12】各種ボルタンメトリーの印加信号波形図であ
る。
【図13】各種ボルタンメトリーの印加信号波形図であ
る。
【符号の説明】
1…ICMハウジング部内、2…パルス電気化学計測シ
ステム、3…遠隔操作システム、4…ドライヤ、5…炉
内計装管、6…炉心、7…原子炉再循環系、8…原子炉
給水配管、9…原子炉圧力容器、10…ガス及び薬品注
入系、11…タービン、12…電気化学セル電解液溜
部、13…対極、14…銀線、15…真空度調整室、1
6…ピストン機構、17…0.1 モルKC1を含む寒天
質材、18…セラミックス多孔質の栓、19…ゴム製パ
ッキン、20…ファイバースコープ先端部、21…ライ
ト、22…ホイール、23…バネ付ホイール軸受け、2
4…加圧調整用ホイール、25…ピストン制御用圧力調
整パイプ取りだし口、26…ファイバースコープ,ライ
ト配線取り出し口、27…脱着可能電気化学測定用リー
ド線アダプター、28…電気化学セル位置決め制御用端
子、29…電解液入排出用パイプ、30…対極用リード
線、31…参照電極用リード線、32…真空度制御用パ
イプ、33…銀塩化銀型参照電極、101…原子炉圧力
容器、102…電極収納部、103…対極、105…参
照電極、106…電極支持体、107…中性子計装内
管、108…ドライヤ、109…セパレータ、110…
炉心、111…原子炉給水配管、112…原子炉浄化系、
113…原子炉浄化系脱塩器、114…炉内計装管、11
5…ポテンショスタット電気化学インターフェース、1
16…PCU、117…ガス及び薬品注入系、118…
原子炉対循環配管、119…遠隔制御指令装置及び測定
結果ディスプレイ装置。

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラント構造材の粒界腐食割れ鋭敏化度を
    測定する電気化学的測定手法において、前記構造材に電
    解液を接触させて該構造材に電位パルス信号を印加し、
    該電位パルス信号に応じて電気化学反応に対する電流を
    測定し、得られた電流電位曲線の関係からプラント構造
    材の粒界腐食割れ鋭敏化度を検出することを特徴とする
    プラント構造材の鋭敏化度検出方法。
  2. 【請求項2】プラント構造材の粒界腐食割れ鋭敏化度を
    測定する電気化学的測定手法において、前記構造材に電
    解液を接触させて該構造材に一連の電位パルス信号を印
    加し、該電位パルス信号に応じて構造材の電気化学反応
    に対応する電流を測定し、得られた電流値と測定時間と
    で求められる電気量をクーロン数として表わし、該クー
    ロン数によってプラント構造材の粒界腐食割れ鋭敏化度
    を検出することを特徴とするプラント構造材の鋭敏化度
    検出方法。
  3. 【請求項3】前記電位パルス信号が、ノーマルパルス,
    スクウェアウェイブ,デファレンシャルパルス,リバー
    スパルスから選ばれたパルスボルタンメトリーモードの
    電位信号である請求項1又は2記載のプラント構造材の
    鋭敏化度検出方法。
  4. 【請求項4】前記電流電位曲線の関係は、パルスボルタ
    ンメトリーを含む一連のパルス電位信号を印加する開始
    電位から電位が貴な方向に掃引した場合に得られる電流
    電位曲線のピーク電流値、あるいは前記電流電位曲線に
    おける所定の電位における電流値を、予め定められた基
    準となる鋭敏化材料の電流電位曲線のピーク電流値ある
    いは前記所定の電位における電流値と、比較することに
    より、プラント構造材の粒界腐食割れ感受性に対する構
    造材の鋭敏化度を検出する請求項1記載のプラント構造
    材の鋭敏化度検出方法。
  5. 【請求項5】前記クーロン数を、予め定められた基準と
    なる鋭敏化材料のクーロン数と比較することによりプラ
    ント構造材の粒界腐食割れ感受性に対する構造材の鋭敏
    化度を検出する請求項2記載のプラント構造材の鋭敏化
    度検出方法。
  6. 【請求項6】前記電流電位曲線の関係は、パルスボルタ
    ンメトリーを含む一連のパルス電位信号を印加する開始
    電位から電位が貴な方向に掃引し、貴な方向から卑な方
    向に折り返し掃引した場合に得られるそれぞれの掃引方
    向の電流電位曲線に対応するピーク電流値の比、あるい
    は所定の電位におけるそれぞれの掃引方向の電流電位曲
    線の電流値の比を、予め定められた基準となる鋭敏化材
    料について得られたピーク電流値の比あるいは所定の電
    位におけるそれぞれの掃引方向の電流電位曲線の電流値
    の比と比較することにより、プラント構造材の粒界腐食
    割れ感受性に対応する構造材の鋭敏化度を検出する請求
    1記載のプラント構造材の鋭敏化度検出方法。
  7. 【請求項7】前記構造材に電解液を接触させる手段はプ
    ラント構造材の監視対象部に設置される電気化学セルで
    あり、前記電気化学セルは目標とする監視対象部に電気
    化学セルを設置するために必要なオンラインモニター機
    構部あるいは磁力を用いた稼働制御機構部あるいは真空
    制御機構部,遠隔操作制御用稼働部あるいは測定用電解
    液注入抽出,測定後の対象部の洗浄の液注入用パイプを
    具備し、前記監視対象部に該電気化学セルを設置する遠
    隔操作システムを有する請求項1,2又は3記載のプラ
    ント構造材の鋭敏化度検出方法。
  8. 【請求項8】前記電気化学測定方法は、パルスボルタン
    メトリーを含む一連のパルス電位信号を印加する開始電
    位から電位が貴な方向に掃引し、貴な方向から卑な方向
    に折り返しパルス電位掃引が可能であり、電気量測定あ
    るいは設定電位での電流電位曲線の電流値の自動読み取
    り,測定データの陰極線管表示あるいはデータ出力が可
    能なシステムを有する請求項1,2又は3記載のプラン
    ト構造材の鋭敏化度検出方法。
  9. 【請求項9】原子力プラントの冷却水系の水質を制御す
    る手段を有する水質制御システムにおいて、前記冷却水
    に接触する部分の構成部材又は原子炉圧力容器構成部材
    に設 置される電解セルの電極収納部,前記原子炉内の構
    成部材に参照電極基準の電圧として所定のパラメータを
    もつ電圧−時間波形信号を印加する信号印加部,前記信
    号印加部に対してパルスボルタンメトリーの種類によっ
    て定まるパラメータをもつ電圧−時間波形信号を入力す
    る信号入力部,前記信号印加部からの信号に基づいて実
    行されるパルスボルタンメトリーの結果を電解電流と該
    電解電流が得られた電位との関係でメモリに貯える記憶
    部,前記記憶部に記憶されたデータを処理しパルスボル
    タンメトリーの種類によって定まる所定の電位における
    電流値又は電流電位曲線のピーク電流値を決定する電流
    値決定部,決定された電流値又はピーク電流値を、予め
    求められた基準となる鋭敏化材料の前記電流値又はピー
    ク電流値と比較することにより前記構成部材の粒界腐食
    割れに対する鋭敏化度を演算する演算部、及び予め求め
    られた基準となる鋭敏化材料の鋭敏化度と前記冷却水の
    水質との関係から前記演算部で得られた鋭敏化度に応じ
    て前記冷却水中に薬品を注入することにより前記水質を
    制御する前記冷却水制御手段を具備することを特徴とす
    る原子力プラントの水質制御システム。
  10. 【請求項10】請求項において、前記信号印加部に入
    力する信号がパルスモードの電圧−時間波形信号よりな
    ることを特徴とする原子力プラントの水質制御システ
    ム。
  11. 【請求項11】請求項において、前記水質制御手段が
    一次冷却水系へのH 2 ガス注入量制御手段よりなること
    を特徴とする原子力プラントの水質制御システム。
  12. 【請求項12】請求項9において、前記水質制御手段が
    炉内の蒸気発生器へのN 2 4 注入量制御手段よりなる
    とを特徴とする原子力プラントの水質制御システム。
  13. 【請求項13】請求項9において、前記信号印加部と前
    記信号入力部との間に関数発生器を有し、前記信号入力
    部の波形信号を該関数発生器を通して前記信号印加部に
    入力するようにしたことを特徴とする原子力プラントの
    水質制御システム。
  14. 【請求項14】原子力プラントの構成部材の鋭敏化度が
    基準値を超えたときに警報を発生する 手段を有する炉子
    力プラントの予防保全システムにおいて、前記冷却水に
    接触する構成部材又は原子炉圧力容器構成部材に設置さ
    れる電解セルの電極収納部,前記構成部材に参照電極基
    準の電圧として所定のパラメータをもつ電圧−時間波形
    信号を印加する信号印加部,前記信号印加部に対してパ
    ルスボルタンメトリーの種類によって定まるパラメータ
    をもつ電圧−時間波形信号を入力する信号入力部,前記
    信号印加部からの信号に基づいて実行されたパルスボル
    タンメトリーの結果を電解電流と該電解電流が得られた
    電位との関係でメモリに貯える記憶部,前記記憶部に記
    憶されたデータを処理しパルスボルタンメトリーの種類
    によって定まる電流値又はピーク電流値を決定する電流
    値決定部,決定された電流値又はピーク電流値に基づい
    て前記構成部材の鋭敏化度を演算する演算部,前記演算
    部の結果を基準値と比較する比較部、及び前記比較部の
    情報に基づいて前記演算部の結果が基準値を超えたとき
    に警報を発生する前記警報発生手段を具備することを特
    徴とする原子力プラント予防保全システム。
  15. 【請求項15】原子力プラントの構成部材の鋭敏化度
    検出することによって得られた結果に基づいて原子炉の
    事故を予知する手段を有する原子力プラント予防保全シ
    ステムにおいて、前記冷却水に接触する構成部材に設置
    される電解セルの電極収納部,前記構成部材に参照電極
    基準の電圧として所定のパラメータをもつ電圧−時間波
    形信号を印加する信号印加部,前記信号印加部に対して
    パルスボルタンメトリーの種類によって定まるパラメー
    タをもつ電圧−時間波形信号を入力する信号入力部,前
    記信号印加部からの信号に基づいて実行されたパルスボ
    ルタンメトリーの結果を電解電流と該電解電流が得られ
    た電位との関係でメモリに貯える記憶部,前記記憶部に
    記憶されたデータを処理しパルスボルタンメトリーの種
    類によって定まる電流値又はピーク電流値を決定する電
    流値決定部,決定された電流値又はピーク電流値に基づ
    いて前記構成部材の鋭敏化度する演算部、及び該演算部
    の結果を基準値と比較する比較部を具備し、該比較部に
    よる情報に基づいて冷却水系の事故を予知することを特
    徴とする原子力プラントの事故予防保全システム。
  16. 【請求項16】請求項15において、前記監視システム
    によって動作異常が検出された場合に 警報を発生する手
    段を具備することを特徴とする原子力プラントの事故予
    防保全システム。
  17. 【請求項17】沸騰水型原子炉,加圧水型原子炉,水力
    発電プラント構成部材の鋭敏化度を検出することによっ
    て得られた結果に基づいて高温高圧水の水質を制御する
    手段を有する水質制御システムにおいて、前記冷却水系
    に接触する前記構成部材に設置される電解セルの電極収
    納部,前記構成部材に参照電極基準の電圧として所定の
    パラメータをもつ電圧−時間波形信号を印加する信号印
    加部,前記信号印加部に対してパルスボルタンメトリー
    の種類によって定まるパラメータをもつ電圧−時間波形
    信号を入力する信号入力部,前記信号印加部からの信号
    に基づいて実行されたパルスボルタンメトリーの結果を
    電解電流と該電解電流が得られた電位との関係でメモリ
    に貯える記憶部,前記記憶部に記憶されたデータを処理
    しパルスボルタンメトリーの種類によって定まる電流値
    又はピーク電流値を決定する電流値決定部,決定された
    電流値又はピーク電流値を、予め求められた基準となる
    鋭敏化材の前記電流値又はピーク電流値と比較すること
    により前記構成部材の鋭敏化度を演算する演算部、及び
    予め求められた前記基準となる鋭敏化材の鋭敏化度と前
    記冷却水の水質との関係から前記演算部で得られた鋭敏
    化度に応じて前記冷却水中へ薬品を注入することにより
    前記水質を制御する前記水質制御手段を具備することを
    特徴とする高温高圧水の水質制御システム。
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