JPH0777597A - 原子炉水質制御方法 - Google Patents

原子炉水質制御方法

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JPH0777597A
JPH0777597A JP5224596A JP22459693A JPH0777597A JP H0777597 A JPH0777597 A JP H0777597A JP 5224596 A JP5224596 A JP 5224596A JP 22459693 A JP22459693 A JP 22459693A JP H0777597 A JPH0777597 A JP H0777597A
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potential
reactor
water quality
metal
structural material
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JP5224596A
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Nagayoshi Ichikawa
長佳 市川
Yukio Henmi
幸雄 逸見
Junichi Takagi
純一 高木
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 原子炉水の水質改善を行いながら原子炉構造
材等に付着する放射能量を低減する。 【構成】 原子炉水および原子炉構造材のpH、酸化還
元電位および腐食電位を測定して、原子炉構造材等の表
面に生成する金属酸化物被膜の特性を把握し、その金属
酸化物が安定な電位とpHの領域になるように水質を制
御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電プラントの
構造材の応力腐食割れ防止、材料からの金属の腐食溶出
の低減および配管等の付着放射能量を低減させる方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】BWR発電所においては構造材は〜 300
℃、〜70kg/cm2 という高温高圧の原子炉水にさらされ
ており非常に厳しい腐食環境にある。この様な環境から
構造材の腐食を守るために高耐食性材料であるステンレ
ス鋼等が使用されている。
【0003】しかしながら、材料側からの改善策だけで
はなく水質、すなわち環境側からの改善策が近年採られ
てきた。水質改善による材料腐食環境緩和は水素注入技
術が代表的なものであるが、水素注入は材料腐食電位の
低下に効果はあるものの、水素注入を実施しない場合に
比較し、構造材からの金属の溶出、配管付着放射能の増
加といったデメリットが生じている。
【0004】これは材料の応力腐食割れの対策として水
素注入による溶存酸素濃度低下およびこれに伴う電位低
下のみを考えたものであり、これにより副次的に変化す
る構造材の全面腐食挙動、構造材の表面の金属酸化被膜
について対策がなされていない事による。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】水素注入等の構造材の
応力腐食割れのみに着目した水質改善により副次的に生
ずる構造材からの金属溶出挙動変化や、配管付着放射能
量の増加について何等対策がなされていない課題があ
る。
【0006】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、材料の応力腐食割れに着目した水質改善を行
いながら、金属溶出を抑えかつ配管付着放射能量を低減
させる原子炉水質制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は原子炉水および
原子炉構造材のpH、酸化還元電位および腐食電位を測
定して、原子炉構造材等の表面に生成する金属酸化物被
膜の特性を把握し、その金属酸化物が安定な電位とpH
の領域になるように水質を制御することを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明は原子炉水の水質、構造材の腐食環境お
よび配管付着放射能量のモニター装置等を設置するとと
もに、これらの信号を収集し解析するデータ収集処理装
置を設け、このデータ収集処理装置にもとづき原子炉水
や給水系にガスまたは薬液を注入する装置からガスまた
は薬液を注入し水質を任意に制御できるシステムを設置
する。
【0009】原子炉水の水質モニターには溶存酸素計、
溶存水素計、過酸化水素計、導電率計やpH計等の構造
材の腐食の電気化学反応に寄与すると考えられるデータ
を収集する一方、構造材の腐食環境の指標として重要な
酸化還元電位、腐食電位について測定を行う。
【0010】その他に配管の放射能付着挙動のデータを
収集するために、配管付着放射能核種濃度連続測定装置
を設置し放射能量を連続測定すると共に、付着放射能に
密接に関係ある原子炉水中の放射能濃度を測定し解析デ
ータとする。
【0011】収集されたデータは、例えば、構造材およ
び構造材表面の金属酸化被膜の電位−pH図等の予めイ
ンプットされている評価用データと比較され、金属酸化
被膜が不安定な領域にある場合にはガスまたは薬液が注
入され安定な領域になる様にする。
【0012】本発明においては原子炉水の水質制御方法
を構造材の応力腐食割れ対策の観点からと一次系配管等
の付着放射能低減の観点の双方から検討し、双方に有効
な水質を提供する事ができる水質制御方法を評価できる
ので材料の応力腐食割れ対策および被ばく低減に効果が
ある。
【0013】
【実施例】図1から図3を参照しながら本発明に係る原
子炉水質制御方法の第1の実施例を説明する。
【0014】図1(a)はBWR型プラントの原子炉圧
力容器1、再循環ライン2および給水ライン3の配置関
係を概略的に示している。再循環ライン2には電気化学
測定用オートクレーブ(以下オートクレーブと記す)4
が流入管4aおよび流出管4bを介して接続されてい
る。給水ライン3には薬液等注入ライン5およびガス注
入ライン6が接続されている。
【0015】オートクレーブ4と薬液等注入ライン5お
よびガス注入ライン6との間には信号ライン14を介して
データ収集処理装置12および注入システム制御装置13が
設けられている。オートクレーブ4は図1(b)に示し
たように電位測定用参照電極7、腐食電位測定用試料電
極8、pH測定用電極9、酸化還元電位測定用白金電極
10および温度センサー11が挿着されている。
【0016】オートクレーブ4には再循環ライン2から
原子炉水が流入管4aを通して流入し、流出管4bから
流出する。オートクレーブ4の設置場所は目的とする構
造材の部位や材質により決定されるものであり、例えば
原子炉浄化系を目的とする場合は浄化系配管から分岐し
て設置される。試料電極8は腐食電位測定用の原子炉構
造材と同等の材質である。参照電極7は電位を測定する
際に基準となるものである。
【0017】なお、オートクレーブ4の代りに再循環ラ
イン2の配管そのものを試料電極として電位の測定を行
ってもよい。オートクレーブ4内から得られた各種のデ
ータはデータ収集処理装置12に送られ、解析評価され
る。
【0018】すなわち、図1(a),(b)に示す装置
を使用して原子炉構造材のpH、酸化還元電位および腐
食電位を用い、原子炉構造材等の表面に生成する金属酸
化被膜の特性を把握し、その金属酸化物が最も安定な電
位とpHの領域になるように水質を制御する。
【0019】図2は原子炉水の温度とほぼ等しい 285℃
におけるFeCr2 4 の電位とpHとの関係を示した
もので、図中破線内の領域、つまり符号15はFeCr2
4が安定に存在するFeCr2 4 の安定領域を示し
ている。(なお、図2はB.Beverskog,et.al.,Water Che
mistry of Nuclear Reactor Systems 6.BNES,London,19
92から引用)。
【0020】安定領域の活量は10-6mol/ Lである。B
WRの原子炉水中の金属イオン濃度を考慮した場合は、
活量が10-6mol/L では大きく、10-8mol/L 以下の活
量を考えるべきである。図2中の実線内の領域2は活量
を10-8mol/L とした場合のFeCr2 4 の安定量域
を示したものである。酸化物を構造材表面に安定して存
在させるためには、この領域にpHと電位を制御しなけ
ればならない。
【0021】例えば測定されたpHと電位が図2中符号
1に存在する場合には、金属酸化物を安定に存在させる
ためには電位を下げる事が必要となる。この様な場合
は、データ収集装置からは例えば 500mV電位を低下させ
図2中符号2の位置にすべきであると言う信号が出され
る。
【0022】この信号は図1に示したガスまたは薬液注
入システム制御装置13に送られ、電位を下げるためのガ
スまたは薬液が必要量注入される事になる。本例ではF
eCr2 4 を示したが必要に応じいくつかの金属酸化
物の電位−pH図をインプットしておいて、比較評価が
できるようにしておく。
【0023】図3は放射能付着低減のためにZnを原子
炉水中に存在させた場合の 300℃におけるZn化合物の
電位−pH図を示したものである(D.Cubicciotti,Wate
r Chemistry of Nuclear Reactor Systems 6.BNES,Lond
on,1992 )。図3の活量は10-6mol/L である。Zn注
入により構造材の表面に安定な金属酸化物を生成させて
おくためには図中のFe2 ZnO4 に電位とpHの領域
を設定しておかなければならない。
【0024】例えば、中性領域(pH=5.6 at 285℃)
で、水素注入等により電位が−0.5V(SHE)以下と
なった場合(例えば図中符号3の位置)Zn化合物は不
安定となるので電位を上昇させるか、pHをアルカリ側
へ移行させる水質にしなければならない。
【0025】この例ではZnの化合物を示したが、水質
を制御する為に金属イオン等を原子炉水に注入する場合
においてはその金属と構造材を構成する金属からなる酸
化物の電位−pH図を作成しておき、その化合物が安定
になる電位−pH領域になるように水質を制御する。
【0026】これにより、構造材の金属表面上に安定な
酸化被膜を水質を任意に制御する事により生成させてお
く事ができる。
【0027】〔実施例2〕つぎに図4により本発明の第
2の実施例を説明する。図4中、図1と同一部分には同
一符号を付して重複する部分の説明は省略する。図4が
図1と異なる点は図1における再循環ライン2に高温水
中のレーザーラマン法によるその場測定による金属酸化
被膜の性状を調査できる酸化被膜測定用オートクレーブ
16と酸化被膜解析用装置23を付加したことにある。なお
図4においては、レーザーラマン法を示したが高温水中
で金属酸化物の状態の情報を得られる手法であれば良
い。
【0028】図4(b)に示したように再循環ライン2
から分岐した原子炉水入口ライン17および原子炉水出口
ライン18に石英ガラス窓21を有する酸化被膜測定用オー
トクレーブ16を設ける。このオートクレーブ16内に原子
炉構造材と同等の試験片19を設置する。
【0029】この試験片19にレーザー光源20からレーザ
ー光を照射して金属酸化被膜を生成する。金属酸化被膜
またはその金属酸化被膜の性能の変化をラマン分光分析
装置22によりレーザーラマン法によるラマン分光分析装
置22で測定する。
【0030】測定されたデータはデータ収集処理装置12
に送られ第1の実施例で示した電気化学データと比較さ
れ安定な酸化被膜が生成されているか検討評価される。
また、このデータは第1の実施例で示した電位−pH図
とも比較され、安定でかつ放射能付着を低減するために
有意な被膜にするためにどのようなpHや電位に変化さ
せれば良いかの信号がガスまたは薬液注入システム制御
装置13に送られ、その電位またはpHが達成できる様に
ガスまたは薬液を注入する。
【0031】〔実施例3〕つぎに図5により本発明の第
3の実施例を説明する。第3の実施例は構造材からの金
属溶出挙動と構造材の腐食電位やpH、酸化還元電位と
の関連を、予め図1に示すデータ収集処理装置12にイン
プットされている実験室等の試験により得られた関係と
比較する事により金属溶出速度から原子炉水中の金属成
分濃度変化を算出し、配管付着放射能量の変化量の変化
を推定するものである。
【0032】ステンレス鋼からの金属溶出と材料の腐食
電位の関係を図5に示す。測定された腐食電位から金属
溶出量を求めて原子炉水中の金属成分濃度を算出し、こ
の金属濃度と予めインプットされている濃度と配管付着
放射能量との関連から配管付着放射能量を推定し、配管
付着放射能量を低減させる為にどのようなpHや電位に
変化させれば良いかの信号がガス注入ライン6または薬
液等注入ライン5に送られ、その電位またはpHが達成
できる様にガスまたは薬液を注入する。
【0033】〔実施例4〕つぎに図6により本発明の第
4の実施例を説明する。図1と同一部分には同一符号を
付して重複する部分の説明は省略する。図6(a)が図
1(a)と異なる点は再循環ライン2にクーロスタット
用オートクレーブ27と溶出速度解析用装置28を設けたこ
とにある。また、図6(b)に示したようにオートクレ
ーブ27内には溶出速度測定用試験片30が収容され、この
試験片30は溶出測度解析用装置28およびパルスジェネレ
ータ29に接続されている。
【0034】高温水中における構造材からの金属溶出の
データを得るためのクーロスタット法については、例え
ば特開昭52-139491 号公報に記載された金属の腐食速度
判定法を採用することができる。
【0035】すなわち、この方法は腐食系におかれた試
料金属片に一定量の電荷を対極を介して瞬間的に与え、
前記電荷付与による試料金属片の電位変化を前記試料金
属片に近接した参照電極を介して分極値と時間の関係を
開回路状態で測定し、この分極値と時間の関係を解析し
て試料金属片の腐食速度を求めることにある。
【0036】なお、図6ではクーロスタット用オートク
レーブ27を再循環ライン2に設置したが、目的に応じ、
原子炉水浄化系ライン等に設置しても良い。
【0037】クーロスタット法ではその場における金属
溶出量が即座に求まり、第3の実施例で示した金属溶出
量算出結果とも比較検討し、原子炉水中の金属成分濃度
を算出し、この金属濃度と予めインプットされている濃
度と配管付着放射能量との関連から配管付着放射能量を
推定し、配管付着放射能量を低減させる為にどのような
pHや電位に変化させれば良いかの信号がガスまたは薬
液注入システムに送られ、その電位またはpHが達成で
きる様にガスまたは薬液を注入する。
【0038】〔実施例5〕図7により本発明の第5の実
施例を説明する。
【0039】第5の実施例においては、再循環ライン2
の配管に配管付着放射能設定装置31を設置するとともに
放射能付着量解析装置32を設けたことにある。なお、他
の部分は図1と同様なので、その説明は省略する。
【0040】すなわち、配管付着放射能量およびその核
種を連続的に測定する装置、例えばゲルマニウム検出器
を利用した配管付着放射能測定装置31を、目的とする再
循環ライン2の配管に設置する。放射能付着量の経時変
化と腐食電位、酸化還元電位およびpHの経時変換を関
連づけ配管付着放射能量を低減させる為にどのようなp
Hや電位に変化させれば良いかの信号がガス注入ライン
6または薬液等注入ライン5に送られ、その電位または
pHが達成できる様にガスまたは薬液を注入する。
【0041】〔実施例6〕つぎに図8および図1により
本発明の第6の実施例を説明する。構造材の応力腐食割
れ感受性は構造材の腐食電位に依存し、いくつかの実験
結果から腐食電位が−230mV SHE以下であれば高温水
中におけるステンレス鋼の応力腐食割れが感受性が無く
なる事が知られている。図1に示した測定系統図からは
材料の腐食電位やpHのデータが得られるので、応力腐
食割れの感受性が有るか否かは判断できる。
【0042】しかし、この様な系統図において分岐して
設置した電気化学測定用オートクレイブ4内では実際の
構造材表面の原子炉水の流速とは異なり遅い場合が多
い。腐食電位は図8に示すように流速依存性があり、同
じ水質であっても電位が異なる事が有り、オートクレイ
ブ4での測定値をそのまま、構造材そのものの応力腐食
割れ感受性としてはならない。
【0043】本実施例では測定用オートクレイブ4内の
流速と実際の構造材の流速を考慮し図8に示した関連を
用い、または酸素や過酸化水素や水素濃度の拡散を考慮
した電位推定手法を用い、実際の構造材の腐食電位を求
め、構造材の応力腐食割れ感受性を低減させる為にどの
ようなpHや電位に変化させれば良いかの信号がガス注
入ライン6または薬液等注入ライン5に送られ、その電
位またはpHが達成できる様にガスまたは薬液を注入す
る。
【0044】〔実施例7〕つぎに図2および図9を参照
しながら第7の実施例を説明する。構造材の応力腐食割
れ防止と配管付着放射能低減の双方を達成させるため
に、図2に示した電位−pH図に応力腐食割れ感受性に
関する電位領域に関するデータを盛り込み、構造材の応
力腐食割れ防止と配管付着放射能低減の双方を達成させ
る為の電位−pH領域を示唆できるシステムを有するデ
ータ処理装置を設置する。
【0045】図9は応力腐食割れ感受性および金属酸化
物の電位−pH図の一例を示した。図中符号4の電位お
よびpHの状態にある構造材はその表面に安定な酸化物
を形成しており、放射能付着低減対策に関しては有効な
状態に有るといえる。
【0046】しかし応力腐食割れの観点からはこの電位
領域は割れ感受性が有ると考えられる為に最適な制御水
質とはいえない。この場合は水質を変化させて電位また
はpHを変化させ、安定な酸化物が生成しなおかつ応力
腐食割れ感受性の無い領域、例えば図中符号3の状態、
になるようにするために第1の実施例に準じてガスまた
は薬液を注入する。
【0047】〔実施例8〕つぎに図10により本発明の第
8の実施例を説明する。
【0048】第8の実施例では再循環ライン2に再循環
系ガス注入ライン33および再循環系薬液注入ライン34を
設けるとともに、給水ライン3に薬液等注入ライン5お
よびガス注入ライン6を設け、これらの各ラインを注入
システム制御装置13に接続したことにある。
【0049】本実施例を達成させる為には原子炉水への
ガス注入ライン6または薬液等注入ライン5が必要であ
り、ガスおよび薬液注入ラインには何種類かのガスまた
は薬液タンクが接続されており、データ収集処理装置か
らの信号により適宜、原子炉水を最適に制御する為に必
要なガスまたは薬液が選択され、電位pH等の測定デー
タを監視しつつ、最適な水質とする。
【0050】本実施例には給水ライン3と再循環ライン
2にガスおよび薬液等のラインを設けたが必要に応じ、
原子炉浄化等の配管に注入設備を設置しても良い。ま
た、注入はそれぞれの系単独でもよいし、最適な注入効
果が得られる様に組み合わせを考え実施しても良い。
【0051】〔実施例9〕つぎに図11により本発明の第
9の実施例を説明する。
【0052】図11においては再循環ライン2から分岐し
てIPC−MS分析装置35を設け、このIPC−MS分
析装置35からのデータを信号ライン14を通してデータ収
集処理装置12に入力するようにしている。他の部分は図
1と同様なので、その部分の説明は省略する。IPC−
MS分析装置35は高周波誘導プラズマ−質量分析計のこ
とである。
【0053】本第9の実施例は放射能付着低減および応
力腐食割れ防止について、腐食電位やpHのような電気
化学的なデータと注入するガスまたは薬液中に含まれる
成分に着目しその濃度をモニターし、それぞれのデータ
を比較評価する事によりガスまたは薬液を注入する量を
決定し、その信号がガスまたは薬液注入システムに送ら
れ、その電位またはpHが達成できる様にガスまたは薬
液を注入する。
【0054】この例では炉水浄化系に金属成分等をモニ
ター可能なICP−MS装置(高周波誘導プラズマ−質
量分析計)35により、常に目的とする金属濃度を測定す
ると共に注入するガス成分濃度のモニターを同様に設置
し、連続で測定を実施する。ここで測定されたデータは
データ収集処理装置に送られ、それまでのそれぞれの濃
度の経時変化と、電位やpHの経時変化を比較検討し、
最適な電位−pHになるように薬液またはガスの注入量
を算出する。本例ではモニターにICP−MS分析装置
35を用いたが、目的の物質に応じ、イオンクロマトグラ
フ等の他の方法を用いても良い。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば原子炉構造材の応力腐食
割れの防止および配管付着放射能の低減の両方に最適な
水質をコントロール可能であり、原子炉構造材の長寿命
化や原子力プラントの信頼性向上に効果があると共に、
配管等の放射能付着低減による定期検査時等における作
業員の被ばく低減に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る原子炉水質制御方法の第
1の実施例を説明するための系統図、(b)は(a)に
おける要部を示す概略図。
【図2】第1の実施例において 285℃の高温水中におけ
る電位とpHとの関係を示す特性図。
【図3】第1の実施例において 300℃の高温水中におけ
る電位とpHとの関係を示す特性図。
【図4】(a)は本発明に係る原子炉水質制御方法の第
2の実施例を説明するための系統図、(b)は(a)に
おける要部を示す概略図。
【図5】本発明の第3の実施例においてステンレス鋼か
らの金属溶出と腐食電位の関係を示す曲線図。
【図6】(a)は本発明に係る原子炉水質制御方法の第
4の実施例を説明するための系統図、(b)は(a)に
おける要部を一部ブロックで示す概略図。
【図7】本発明に係る原子炉水質制御方法の第5の実施
例を説明するための系統図。
【図8】本発明の第6の実施例において使用する腐食電
位の流速依存性を示す特性図。
【図9】本発明の第7の実施例において使用する応力腐
食割れ感受性および金属酸化物の電位とpHとの関係を
示す特性図。
【図10】本発明に係る原子炉水質制御方法の第8の実
施例を説明するための系統図。
【図11】本発明に係る原子炉水質制御方法の第9の実
施例を説明するための系統図。
【符号の説明】
1…原子力圧力容器、2…再循環ライン、3…給水ライ
ン、4…電気化学測定用オートクレーブ、5…薬液等注
入ライン、6…ガス注入ライン、7…電位測定用参照電
極、8…腐食電位測定用試料電極、9…pH測定用電
極、10…酸化還元電位測定用白金電極、11…温度センサ
ー、12…データ収集処理装置、13…注入システム制御装
置、14…信号ライン、15…FeCr2 4 の安定領域、
16…酸化被膜測定用オートクレーブ、17…原子炉水入口
ライン、18…原子炉水出口ライン、19…構造材と同等の
試験片、20…レーザー光源、21…石英ガラス窓、22…ラ
マン分光分析装置、23…酸化被膜解析用装置、24…クロ
ムの溶出曲線、25…鉄の溶出曲線、26…ニッケルの溶出
曲線、27…クーロスタット用オートクレーブ、28…溶出
速度解析用装置、29…パルスジェネレーター、30…溶出
速度解析用試験片、31…配管付着放射能測定装置、32…
放射能付着量解析装置、33…再循環系ガス注入ライン、
34…再循環系薬液等注入ライン、35…ICP−MS分析
装置。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉水および原子炉構造材のpH、酸
    化還元電位および腐食電位を測定して、原子炉構造材等
    の表面に生成する金属酸化物被膜の特性を把握し、その
    金属酸化物が安定な電位とpHの領域になるように水質
    を制御することを特徴とする原子炉水質制御方法。
  2. 【請求項2】 水質を制御するために原子炉水または給
    水へガスまたは薬液等の化学物質を注入することを特徴
    とする請求項1記載の原子炉水質制御方法。
  3. 【請求項3】 原子炉の炉内または配管等の高温高圧の
    原子炉水が接する部分にpH測定センサー、酸化還元電
    位測定センサーおよび構造材の材料腐食電位センサーを
    設置し、これらのセンサーからのデータをデータ収集装
    置に収集し、予め前記データ収集装置内にインプットさ
    れている測定部の温度における金属酸化物の電位−pH
    図と比較することを特徴とする原子炉水質制御方法。
  4. 【請求項4】 高温高圧の原子炉水に接する領域に測定
    チャンバーを設置し、この測定チャンバー内に設置した
    原子炉構造材と同様の材料の表面を例えばレーザーラマ
    ン法を用いたその場測定によりその表面上に生成した酸
    化被膜の性状を分析し、電位−pH図の関係と比較検討
    することを特徴とする請求項3記載の原子炉水質制御方
    法。
  5. 【請求項5】 前記データ収集処理装置内にインプット
    されている原子炉構造材の腐食電位とその構造材からの
    金属溶出速度の関連を示すデータを用い、測定されたp
    Hおよび電位より前記構造材からの金属溶出量を解析
    し、原子炉水中の金属濃度を算出し、配管付着放射能量
    およびその変化を推定することを特徴とする請求項3記
    載の原子炉水質制御方法。
  6. 【請求項6】 原子炉内または配管系に設置した構造材
    と同等のモニター用金属片の高温水中の金属腐食溶出の
    データをクーロスタット法によりその場で測定し、構造
    材の金属溶出量を算出し、請求項5で示したpHおよび
    電位と金属溶出の関連のデータを比較検討する事により
    金属溶出の経時変化を推定し、金属溶出量を低減させる
    pHおよび電位を評価することを特徴とする請求項3記
    載の原子炉水質制御方法。
  7. 【請求項7】 原子炉の主要配管系に放射能付着量計測
    装置を設置し、放射能量の増加あるいは減少の傾向を連
    続監視し、放射能付着量の変化とそれぞれのパラメータ
    との関連についてデータを収集し、挙動を評価すること
    を特徴とする請求項1および請求項4から6記載の原子
    炉水質制御方法。
  8. 【請求項8】 データ収集処理装置内にインプットされ
    ている腐食電位と応力腐食割れ感受性についてのデータ
    を用い、測定された構造材または試験片の腐食電位から
    応力腐食割れ感受性を調査すべき場所の腐食電位を流速
    の影響を考慮して求めることを特徴とする水質制御方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1および請求項4から8に示した
    データと金属被膜安定性の関係、応力腐食割れ感受性の
    関係、構造材からの金属の腐食溶出の関係および付着放
    射能との関連を総合性に解析することを特徴とする請求
    項1および請求項4から8記載の原子炉水質制御方法。
  10. 【請求項10】 pH、腐食電位、酸化還元電位と酸化
    被膜性状および応力腐食割れ感受性を考慮する場合に原
    子炉水中に溶存する金属イオン等の濃度を測定し、その
    金属イオン等の影響も評価し検討すると共に、その評価
    結果を薬液注入量に反映させることを特徴とする請求項
    9記載の原子炉水質制御方法。
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