JP2743673B2 - 三次元レーザ加工装置 - Google Patents

三次元レーザ加工装置

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JP2743673B2 JP3359616A JP35961691A JP2743673B2 JP 2743673 B2 JP2743673 B2 JP 2743673B2 JP 3359616 A JP3359616 A JP 3359616A JP 35961691 A JP35961691 A JP 35961691A JP 2743673 B2 JP2743673 B2 JP 2743673B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は三次元レーザ加工装置の
改良に関する。
【従来の技術】従来、三次元レーザ加工装置として、被
加工物を載置する加工テーブルと、上記被加工物に向け
てレーザ光線を照射する加工ヘッドと、この加工ヘッド
を複数の回転軸を中心としてそれぞれ独立して回転さ
せ、該加工ヘッドを三次元空間における自由な方向に向
けさせる複数のモータと、これら各モータを制御して所
定の加工条件と加工速度とで上記被加工物にレーザ加工
を施す制御装置とを備えたものは知られている。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の三次元レーザ加工装置では、少なくとも切断加
工時には、被加工物と加工ヘッドとの相対移動速度が変
動しても一定の加工条件で上記被加工物にレーザ加工を
施していたので、次のような欠点があった。すなわち、
例えば肉厚の一様な立体形状の被加工物を切断加工する
場合において、該被加工物の角となる部分と平坦な部分
とを比較すると、角の部分では被加工物と加工ヘッドと
の相対移動速度が小さくなり、したがって切断加工時間
は平坦な部分に比べて相対的に長くなる。換言すれば、
平坦な部分での相対移動速度は大きくなり、切断加工時
間は相対的に短くなる。そのため、角の部分の切断幅が
平坦な部分の切断幅に比較して大きくなったり、平坦な
部分での相対移動速度が大きくなりすぎると切断不良が
生じ、切断加工後の製品の精度が悪くなっていた。
【課題を解決するための手段】上述した事情に鑑み、本
発明は、上述した従来の三次元レーザ加工装置におい
て、上記制御装置に、上記加工ヘッドと被加工物との相
対移動速度の大小に応じてそれぞれ最適な加工条件を設
定した複数の条件テーブルと、ティーチング作業によっ
て入力された入力値から、上記加工ヘッドと被加工物と
の仮想相対移動速度を演算する加工速度演算部と、この
加工速度演算部によって演算された仮想相対移動速度の
大小に応じて、上記複数の条件テーブルからそれぞれ最
適な相対移動速度とそれに対応した加工条件とを選定す
る加工条件選定部とを設け、さらに上記制御装置によ
り、上記加工条件選定部で選定された相対移動速度とそ
れに対応した加工条件とに基づいてレーザ加工を施すよ
うにしたものである。
【作用】このような構成によれば、例えば加工速度演算
部によって演算された仮想相対移動速度が、複数の条件
テーブルにおける最大相対移動速度よりも大きい場合に
は、加工条件選定部は上記複数の条件テーブルから最大
相対移動速度を有する条件テーブルを選定するようにな
る。そして制御装置は、その加工条件選定部で選定され
た相対移動速度とそれに対応した加工条件とに基づいて
レーザ加工を施すので、平坦な部分での相対移動速度が
大きくなりすぎて切断不良が生じといったことが防止で
きる。またこれとは逆に、角の部分では上記加工速度演
算部によって演算される仮想相対移動速度が小さくなる
ので、加工条件選定部は上記複数の条件テーブルから小
さな仮想相対移動速度に対応した相対移動速度を有する
条件テーブルを選定するようになり、上記制御装置はそ
の加工条件選定部で選定された相対移動速度とそれに対
応した加工条件とに基づいてレーザ加工を施すので、角
の部分の切断幅が平坦な部分の切断幅に比較して大きく
なることを防止することができる。より具体的には、立
体形状の被加工物を切断加工する場合において、該被加
工物の角の部分の相対移動速度が平坦な部分の相対移動
速度に比較して小さくなって、該角の部分に対するレー
ザ加工時間が平坦な部分より長くなったとしても、角の
部分の加工の際には、小さな相対移動速度に応じてレー
ザ光線の出力やアシストガスの圧力を減少させる等の加
工条件が選定されるので、被加工物の角の部分の切断幅
が平坦な部分の切断幅に比べて大きくなるようなことを
防止することができる。
【実施例】以下、図示実施例について本発明を説明する
と、図2ないし図3において、1は、基本的に従来公知
の構成を備えた5軸型のレーザ加工装置である。レーザ
加工装置1は、レーザ発振器2を備えており、そのレー
ザ発振器2から放射されたレーザ光線Lを所要位置に設
けた反射ミラーを介して加工ヘッド3に案内し、この加
工ヘッド3から加工テーブル4上に載置した被加工物5
に向けて照射できるようになっている。上記レーザ発振
器2から放射されるレーザ光線Lの出力は、被加工物5
の板厚等の加工条件に応じて制御装置6によって制御す
るようにしている。加工ヘッド3は水平軸Hと鉛直軸V
とを中心として回転可能になっており、また鉛直方向の
Z軸方向に昇降されるとともに、水平面内でY方向に移
動可能となっている。他方、上記被加工物5が載置され
る加工テーブル4は、水平面内で上記Y方向と直交する
X方向に移動可能となっている。上記レーザ加工装置1
は、上記H軸、V軸、Z軸および上記XY方向のそれぞ
れに対応させた図示しない5個のモータを備えており、
それらのモータの駆動と運転速度は制御装置6によって
制御するようにしている。これによって、加工ヘッド3
の先端を被加工物5上の任意の位置に必要な傾斜角度で
対向させることができ、したがって、加工テーブル4に
載置した被加工物5に三次元のレーザ加工を施すことが
できる。なお、レーザ加工の際には、上記加工ヘッド3
の内部空間を介して図示しないアシストガスの供給源か
ら被加工物5にむけてアシストガスを供給するようにし
てあり、該アシストガスの供給圧力も制御装置6によっ
て制御するようにしている。然して、図1に示すよう
に、上記制御装置6はデータ入力部7を備えており、該
データ入力部7には、被加工物5の板厚や材質が入力さ
れるとともに、上記加工ヘッド3を被加工物5のけがき
線に沿って移動させるティーチングの際に、該被加工物
5の所要位置における加工ヘッド3の位置と傾斜角度等
が入力されるようになる。また上記制御装置6には、レ
ーザ加工の加工条件を設定した複数の条件テーブルを設
けている。すなわち図示実施例では、複数の種類の被加
工物5の材質A、B、Cを設定してあり、また材質Aに
ついて複数種の板厚A1 、A2 、A3 を設定している。
そして板厚A1 について複数種の相対移動速度A1a、A
1b、A1cを設定し、さらに各相対移動速度A1a、A1b、
A1c毎にそれぞれ各相対移動速度に好適な加工条件(例
えば、最適なレーザ光線の出力、最適なアシストガスの
圧力等)を設定した条件テーブルA1a’、A1b’、A1
c’を設けている。その他の板厚A2 、A3 についても
複数種の相対移動速度と条件テーブルとを設定してある
ことは勿論であり、またその他の材質B、Cについても
上記材質Aと同様な設定がなされていることも勿論であ
る。さらに上記制御装置6は加工速度演算部8と、加工
条件選定部9とを備えており、加工速度演算部8は、上
記データ入力部7にティーチングの際に設定された加工
ヘッド3の位置と傾斜角度に基づいて上記各モータによ
って作動される加工ヘッド3と被加工物5との仮想相対
移動速度を演算するようになっている。そして上記加工
条件選定部9は、被加工物5の材質と板厚、および上記
加工速度演算部8によって演算された仮想相対移動速度
の大小に応じて、上記複数の条件テーブルからそれぞれ
最適な相対移動速度A1a、A1b又はA1cとそれに対応し
た条件テーブルA1a’、A1b’又はA1c’とを選定する
ようになっている。このような本実施例の構成によれ
ば、制御装置6の加工速度演算部8は、ティーチング作
業によって入力された入力値から、被加工物5の平坦部
分5a(図3)をレーザ加工する加工区間について、上
記加工ヘッド3と被加工物5との仮想相対移動速度を演
算する。そして加工条件選定部9は、その仮想相対移動
速度の大きさと、被加工物5の材質Aと板厚A1 とか
ら、例えば最大の相対移動速度A1aとこれに対応する条
件テーブルA1a’とを選定する。このとき、上記加工速
度演算部8によって演算された仮想相対移動速度が大き
過ぎて切断不良となるような値であったとしても、加工
条件選定部9がその大きな仮想相対移動速度に応じて上
記最大の相対移動速度A1aとこれに対応する条件テーブ
ルA1a’とを選定するので、切断不良が発生することが
防止できる。また上記加工速度演算部8は、上記被加工
物5の角部5b(図3)をレーザ加工する加工区間につ
いても上記加工ヘッド3と被加工物5との仮想相対移動
速度を演算し、加工条件選定部9はその仮想相対移動速
度の大きさに応じて、最適な相対移動速度、例えば相対
移動速度A1cとこれに対応する条件テーブルA1c’とを
選定する。したがって、上記加工速度演算部8によって
演算された仮想相対移動速度が遅すぎて、そのままレー
ザ加工を施したのでは上記角部5bの切断幅が平坦部分
5aよりも大きくなってしまうのを防止することができ
る。すなわち上記被加工物5を切断する場合、角部5b
を切断する際には、被加工物5の平坦部分5aを切断す
る場合に比較して、被加工物5とヘッドとの相対移動速
度は小さくなる。そのため、上記加工速度演算部8や加
工条件選定部9を備えていない従来の装置では、角部5
bのレーザ照射時間が長くなって切断幅が平坦部分5a
よりも大きくなり、切断加工終了後の製品の精度が悪く
なるという欠点が生じる。これに対して、本実施例の制
御装置6は、切断加工箇所が平坦部分5aから角部5b
に移行した際には、角部5bの小さな相対移動速度A1c
とこれに対応する条件テーブルA1c’の加工条件に基づ
いて、レーザ光線の出力を小さくしたりアシストガスの
圧力を小さくしたりしてレーザ加工を施すので、平坦部
分5aと角部5bとで切断幅を可及的に一様にすること
ができる。したがって、従来に比較すると切断加工終了
後の製品の加工精度を良好なものとすることができる。
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、切断不
良を防止して加工後の製品の精度を良好なものとするこ
とができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例を示す概略の構成図
【図2】図2は本発明の一実施例の構成を示す全体の斜
視図
【図3】図3は図2の要部の断面図
【符号の説明】
1 レーザ加工装置 3 加工ヘッド 4 加工テーブル 5 被加工物5 5a 被加工物5の平坦部分 5b 被加工物5の
角部 6 制御装置 7 データ入力部 8 加工速度演算部 9 加工条件選定部 A1a、A1b、A1c 相対移動速度 A1a’、A1b’、A
1c’ 条件テーブル

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物を載置する加工テーブルと、上
    記被加工物に向けてレーザ光線を照射する加工ヘッド
    と、この加工ヘッドを複数の回転軸を中心としてそれぞ
    れ独立して回転させ、該加工ヘッドを三次元空間におけ
    る自由な方向に向けさせる複数のモータと、これら各モ
    ータを制御して所定の加工条件と加工速度とで上記被加
    工物にレーザ加工を施す制御装置とを備えた三次元レー
    ザ加工装置において、 上記制御装置に、上記加工ヘッドと被加工物との相対移
    動速度の大小に応じてそれぞれ最適な加工条件を設定し
    た複数の条件テーブルと、ティーチング作業によって入
    力された入力値から、上記加工ヘッドと被加工物との仮
    想相対移動速度を演算する加工速度演算部と、この加工
    速度演算部によって演算された仮想相対移動速度の大小
    に応じて、上記複数の条件テーブルからそれぞれ最適な
    相対移動速度とそれに対応した加工条件とを選定する加
    工条件選定部とを設け、 さらに上記制御装置は、上記加工条件選定部で選定され
    た相対移動速度とそれに対応した加工条件とに基づいて
    レーザ加工を施すことを特徴とする三次元レーザ加工装
    置。
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