JP2742469B2 - 単結晶製造装置 - Google Patents

単結晶製造装置

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JP2742469B2
JP2742469B2 JP2315198A JP31519890A JP2742469B2 JP 2742469 B2 JP2742469 B2 JP 2742469B2 JP 2315198 A JP2315198 A JP 2315198A JP 31519890 A JP31519890 A JP 31519890A JP 2742469 B2 JP2742469 B2 JP 2742469B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は、例えば磁気ヘッドなどの磁性材料に利用
されるフェライト単結晶を製造するための単結晶製造装
置に関するものである。
【従来の技術とその課題】
従来より、フェライト単結晶を作成する場合にはブリ
ッジマン法と称される方法が採用されている。 (1) このブリッジマン法を利用したフェライト単結
晶の製造装置としては、特開昭55−128801号公報に示さ
れるように、ルツボ内で溶融したフェライト原料(出発
原料)を、垂直方向に沿って適当な温度勾配をもった電
気炉内に配置し、該電気炉内において、前記ルツボを徐
々に下降させることによって、前記ルツボの下部から、
溶融したフェライト原料を固化させて単結晶化するもの
がある。 そして、この公報に示されるフェライト単結晶の製造
装置では、前記ルツボに対して、更にフェライト原料
(出発原料)の液相部と平衡共存する組成のフェライト
原料(投入原料)を固体の状態で、液相部に投入するよ
うにしており、これによって以下に示すような問題が発
生していた。 すなわち、固体状の投入原料が核となって、雑晶が発
生する場合があり、これによってフェライト単結晶の歩
留りが著しく低下するという不具合があった。 (2) そして、このような問題を解決するために、特
開昭57−170898号公報、特開昭59−141488号公報示され
るフェライト単結晶の製造装置が更に提供されている。 これら製造装置は、固体状態で供給していた投入原料
に代えて、フェライト組成を有する投入原料を、溶融状
態でフェライト液相部内に滴下させるようにしたもので
ある。 具体的には、前者のフェライト単結晶の製造装置は、
ルツボの内部空間の上部位置に、フェライト組成を有す
る原料を一滴ずつ滴下するための原料投入装置を設けた
ものであり、一方、後者のフェライト単結晶の製造装置
は、ルツボ(このルツボを第1のルツボとする)の内部
空間上部に、フェライト組成を有する原料を一滴ずつ滴
下するためのルツボ(このルツボを第2のルツボとす
る)を設けたものである。 ところが、上記のように構成された前者のフェライト
単結晶の製造装置では、フェライト組成を有する原料を
一滴ずつ滴下するために、原料投入装置を設ける必要が
ある、また、後者のフェライト単結晶の製造装置では、
第2のルツボ(この第2のルツボには更に別途原料を供
給するための原料供給装置が付加される)を設ける必要
があり、これによって装置全体の構成が複雑化するとい
う問題があった。 また、後者のフェライト製造装置に示された第2のル
ツボは、例えば融点が高いPt,Pt−Rhなどの材料で形成
されているが、このような材料であっても、前記フェラ
イト原料(投入原料)を溶解させる際の温度である1600
℃を越えた場合には、Pt,Pt−Rhなどが粒子となって前
記フェライト原料(投入原料)中に混入することがあ
り、これによって製品の歩留りが悪くなるという問題が
あった。 この発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであっ
て、(1)ルツボに対してフェライト組成を有するフェ
ライト原料(投入原料)を確実に一滴ずつ滴下させるこ
とができて、フェライト単結晶の組成を均一化すること
ができる、(2)前記原料を滴下させるための構成を簡
易なものとすることができる、すなわち原料投入装置、
第2のルツボといった特別な構成を必要としない、
(3)前記原料内にPt等の不純物が混入することを防止
でき、(4)フェライト単結晶の基となる原料棒に内部
歪や割れを生じないようにできるといった効果を全て満
足したフェライト単結晶の製造装置を提供することを目
的とする。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明では、垂直方
向に沿って区分された複数の温度領域を有する加熱手段
と、 前記加熱手段内に配置されて、フェライト単結晶の種
結晶となるフェライト原料が貯留されたルツボを有し、
前記加熱手段と前記ルツボとを相対的に移動自在に設
け、 更に、前記ルツボの上方位置には、前記加熱手段内に
垂直方向に移動自在に設けられて、前記加熱手段の所定
の温度領域により溶融させられ、前記フェライト原料の
液相部と平行共存する組成のフェライト原料を前記ルツ
ボ内に滴下させる原料棒が吊り下げられてなり、前記加
熱手段が、前記原料棒をその溶融温度よりも低い一定の
温度に加熱維持することで該原料棒の内部歪を除去する
とともに該原料棒の温度差による歪割れを防止するため
のアニール部と、前記原料棒を溶解して液滴状でルツボ
内に滴下させる溶解部と、ルツボ内でフェライト単結晶
を生成、育成させる育成部を含む複数の温度領域からな
る。 第2の発明では、前記アニール部の温度が600〜1100
℃の範囲に設定されたことを特徴とする。
【作用】
第1の発明によれば、フェライト原料の液相部と平衡
共存する組成の原料棒加熱手段の内部に吊り下げ、更
に、この原料棒をルツボに対して一滴ずつ溶解して滴下
させるようにしたので、例えば従来のように、ルツボに
向けて順次投入されるフェライト原料に対して不純物
(第2のルツボから溶出されるPtなど)が混入している
ことがなく、また、該フェライト原料を投入させるため
の特別な装置(従来では、第2のルツボ、原料供給装
置、原料投入装置等が必要)が不要となる。 また、この第1の発明によれば、前記加熱手段は複数
の温度領域を有するとともに、垂直方向に対して移動自
在に設けられるものであり、また、前記原料棒も同様に
垂直方向に対して移動自在に設けられるものであるの
で、原料棒の下端部に位置する溶融部分を、加熱手段の
最適な温度領域に対して常時配置することができる。 更に、加熱手段にアニール部を設けて溶融前の原料棒
を予備加熱するようにしたので、焼結により原料棒を製
造する場合に生じた歪を原料棒の溶融前に除去すること
ができ、該原料棒の温度差による歪割れを防止すること
ができる。 また、第2の発明によれば、アニール部の温度が600
〜1100℃の範囲に設定されていることで、焼結により原
料棒を製造する場合に生じた歪を原料棒の溶融前に確実
に除去することができ、該原料棒の温度差による歪割れ
を確実に防止することができる。
【実施例】
本発明の実施例を第1図〜第7図(B)を参照して説
明する。 まず、第1図を参照して本発明の基本構成について説
明する。この図において符号1で示すものは上下方向
(矢印(イ)−(ロ)方向)に沿って長尺なルツボであ
る。 このルツボ1は、炉内管2によって下方から支持され
たものであり、その内部には出発原料であるフェライト
原料3が予め投入されている。 また、前記炉内管2は平面形状が円形に形成され、か
つ第2図に示すように、周方向に複数のスリット2A・2A
が形成されたものであって、これらスリット2A・2Aによ
って、その上部に支持されるルツボ1の熱が炉内管2を
通じて外部に伝達される(逃げる)ことが防止されるよ
うになっている、つまり、前記炉内管2に形成されたス
リット2A・2Aは前記ルツボ1を保温する役目をするもの
である。 また、符号4で示すものは炉体であって、上下方向
(矢印(イ)−(ロ)方向)に沿って移動可能に設けら
れるとともに、前記炉内管2上に固定されたルツボ1に
対して相対的に移動するようになっている。 また、この炉体4には、その移動方向である矢印
(イ)−(ロ)方向に沿って複数のヒータ群5〜8が設
けられており、これらヒータ群5〜8は、それぞれが4
つの温度領域に区分されている。 また、前記炉体4の上方位置であり、かつ前記ルツボ
1の内部には、前記ルツボ1内に投入するための投入原
料である原料棒9が配置されている。この原料棒9は昇
降装置10(後述する)により上下方向(矢印(イ)−
(ロ)方向)に移動させられるワイヤ11に吊り下げられ
るものであって、その下端部は前記ルツボ1の内部空間
の上部位置に配置されている。 なお、昇降装置10は所定速度で降下して、これによっ
て該原料棒9の下端部をヒータの溶解部6(後述する)
に対して常時位置合わせできるようになっている。ま
た、以下の説明において、符号5で示すヒータの温度領
域をアニール部、符号6で示すヒータの温度領域を溶解
部、符号7で示すヒータの温度領域を育成部、符号8で
示すヒータの温度領域を保持部ということにする。 そして、このように区分されたヒータ8の温度領域に
おいては、第3図の温度分布図に示すように、上部に位
置するアニール部5は600〜1100℃の温度範囲に設定さ
れ(第3図では1000〜1100℃の範囲に設定されてい
る)、また、中間部に位置する溶解部6は、前記フェラ
イトの融点(mp.1570〜1590)より50℃から100℃ほど高
い温度範囲に設定され、また、中間部下側に位置する育
成部7は、前記融点(mp.1570〜1590℃)より10℃から2
0℃ほど高い温度範囲に設定され、また、下部に位置す
る保持部8は300〜1300℃の温度範囲に設定されている
(第3図では1200〜1300℃の範囲に設定されている)。 なお、これらの温度領域の内、前記アニール部5は、
原料棒9を一定の温度に維持することにより、該原料棒
9の内部歪みを除去し、かつ該原料棒9がその温度差に
より生じる歪みから割れることを防止するものである。
また、前記溶解部6は原料棒9を溶解して一滴ずつルツ
ボ1内に滴下するものであり、また、前記育成部7はル
ツボ1内のフェライト原料3と原料棒9を溶解したもの
とから、フェライト単結晶を生成、育成させるものであ
り、また、前記保持部8は生成したフェライト単結晶を
一定の温度に維持することにより、該フェライト単結晶
がその温度差により生じる歪みから割れることを防止す
るものである。 そして、以上のように構成された単結晶の製造装置で
は、ルツボ1内で溶融したフェライト原料3中に、ヒー
タの溶解部6により溶解された原料棒9を一滴ずつ滴下
してゆき、これによってルツボ1内においてフェライト
単結晶が順次生成されてゆくものである。 なお、前記ルツボ1内に予め投入されるフェライト原
料3としては、例えばMn−Znフェライト単結晶を作成す
る場合には、Fe2O3が54mol%、MnOが28mol%、ZnOが18m
ol%の組成ものが使用され、このような組成のフェライ
ト原料3を炉体4内で溶融し、更にこの溶融したフェラ
イト原料3を炉体4の温度変化により、その下側から徐
々に固化させることによって、フェライト単結晶を順次
成長させて行くものである。 また、前記昇降装置10に吊り下げられる原料棒9は、
溶融したフェライト原料が固化する際にZnが選択的に固
化することにより、成長が進むにつれて相対的にMnの組
成が増加することを防止するものであって、具体的には
Fe2O3が53.5mol%、ZnOが20mol%の割合で含有されてい
る。 以上のように、ルツボ1、炉内管2、炉体4、ヒータ
群5〜8、昇降装置10、ワイヤ11によって構成され、か
つ原料としてフェライト原料3、原料棒9が使用された
単結晶製造装置の特徴部分について項目別に順次説明す
る。 (I) 原料逐次投入/原料直接溶解方式 前記単結晶製造装置では、原料棒9が、ルツボ1内に
貯留されたフェライト原料3の上方位置に、該フェライ
ト原料3に対して一定の間隔を有するように配置されて
いるので、原料棒9がヒータ群の溶解部6により加熱さ
れて一滴ずつルツボ1内に落下し、これによって、従来
のように固体状の投入原料が核となって、雑晶が発生す
ることを防止することができ、これによってフェライト
単結晶の組成を均一化させることができる効果が得られ
る。 また、前記原料棒9は、ワイヤ11により吊り下げら
れ、かつ従来のように第2のルツボを必要としないもの
である。原料棒9に対して外部から不純物(例えば、従
来の技術で示した第2のルツボから溶けた白金金属)が
混入することが防止され、前述した効果と併せて、品
質、歩留り共に向上させることができる効果が得られる
ものである。 (II) 炉体移動方式 炉内管2により支持されたルツボ1に対して、炉体4
が相対的に移動してゆき、これによってフェライト単結
晶が育成する位置に対して常時、最適温度のヒータの熱
(ヒータの育成部7の熱)を付与するようにしている、
つまり、ルツボ1が常時固定された位置にあるので、当
然に該ルツボ1の振動が起こることなく、これによって
育成中のフェライト単結晶が振動することが防止され、
かつフェライト単結晶中に雑晶が生じることが防止され
て該フェライト単結晶の品質を向上させることができる
効果が得られる。 (III) ゾーン加熱方式 先に説明したように、炉体4内に設けられるヒータ5
〜8群は、符号5で示すアニール部、符号6で示す溶解
部、符号7で示す育成部、符号8で示す保持部というよ
うに、設定温度に応じてその領域が区分され、かつ必要
な用途に応じて最適な温度制定がなされている。 そして、本実施例の場合、原料棒9を溶解させるため
の溶解部6においてヒータの温度が最も高く設定され、
かつそれ以外のアニール部5、育成部7、保持部8にお
いて温度が比較的低く設定されていることから、フェラ
イト単結晶が生成されているルツボ1の下部において、
該ルツボ1の成分であるPtなどが熱により溶け出すこと
を防止することができ、これによって製品としてのフェ
ライト単結晶の品質を向上させることができる効果が得
られる。 なお、本実施例では、ヒータの温度領域を4つに区分
するようにしたが、これに限定されず溶解部6、育成部
7を最低限設けるようにし、これら溶解部6、育成部7
に、最上部のアニール部5、最下部の保持部8のいずれ
か一方、あるいは両方を付加するようにしても良い。 また、アニール部5、溶解部6、育成部7、保持部8
に加えて、更に異なる温度の温度領域を設けるようにし
ても良い。 また、前述したアニール部5でのアニール処理は第4
図で示すような時間経過により行うようにすると良い。
つまり、1時間あたり50〜100℃の範囲で温度を上昇さ
せ、更に、該温度が800〜1000℃の範囲に到達した時点
で上昇を停止して、該温度を1〜4時間維持させるよう
にする。さらに、この後、1時間あたり50〜100℃の範
囲で温度を下降させるようにして、前記アニール処理を
行うと良い。 (IV) 原料棒保持形態 原料棒9を上方から支持する形態は第5図(A)〜第
5図(D)に示すように大きく分けて以下の3つに分類
される。 <形態(1)> まず、第5図(A)及び第5図(B)にそれぞれ示さ
れる形態では、原料棒9の上端部9Aを大径とし、この上
端部9Aに掛かるように該上端部9Aの直下にこれを保持す
る保持帯12を巻回し、更にこの保持帯12にワイヤ11を結
ぶことによって、前記原料棒9をワイヤ11を吊すように
している。 これによって、原料棒9の自重によって該原料棒9が
垂直となるように配置させることができるものである。 なお、このとき、第5図(A)で示される形態では原
料棒9の上端部9Aを単に大径としているのに対し、第5
図(B)で示される形態では前記上端部9Aに至る部分に
テーパー部9Bを設け、このテーパー部9Bに保持帯12を巻
回し、これによって原料棒9の自重によって前記保持帯
12を原料棒9に対して締め上げるようにしている。 <形態(2)> また、第5図(C)に示される形態では、原料棒9の
中心部に長さ方向に沿う中空部9Cを設け、この中空部9C
に、原料棒9を下方から支える支持板13Aを有する棒状
の保持部材13を配置させるようにしている。 そして、このような原料棒9の中空部9Cは、該原料棒
9を内側から加熱して該原料棒9の温度を全体に均一化
し、これによって焼結の際に生じた原料棒9の歪みによ
り該原料棒9が割れることを防止するようになってい
る。また、前記保持部材13の上部は特に図示されていな
いが、前述したワイヤ11に連結されている。 <形態(3)> また、第5図(D)に示される形態では、前述した第
5図(A)〜第5図(C)に示されるように一本の原料
棒を使用するのではなく、複数の原料棒14を束ねたもの
を使用するようにしている。 すなわち、複数の細い原料棒14を長さ、高さを揃えて
束ねるようにし、この束ねた状態の原料棒14を前述した
ワイヤ11の連結させるようにしている。 そして、この場合には、前記原料棒14とワイヤ11との
連結部分は、例えば前記ワイヤ11を原料棒14を束ねたワ
イヤ15に結び付けるようにするか、または第5図(C)
で示した形態のように、ワイヤ15で束ねた原料棒14の中
心に、該原料棒14を下方から支える支持板13Aを有する
棒状の保持部材13を通し、この保持部材13の上部位置に
おいて、該保持部材13とワイヤ11とを連結させるように
すると良い。 (V)自動化 以下に、前記昇降装置10を動作させるための構成とそ
の制御内容について第6図及び第7図を参照して説明す
る。 <構成> 前記昇降装置10は、連結部材10A・10Aを上下方向に一
体に昇降させることによって、ワイヤ11とともに、該ワ
イヤ11に連結された原料棒9(または原料棒14)を昇降
させるものであって、前記連結部材10A・10Aの昇降はそ
の上部に搭載されたモータ16によって行われるようにな
っている。 具体的には、モータ16はコンピュータ17から出力され
た制御信号に基づき動作され、また、このコンピュータ
17は、ワイヤ11の途中に設けられた計量機18からの検出
データに基づき、前記モータ16を動作させるための制御
信号を出力するようになっている。 つまり、前記コンピュータ17は、計量機18において計
量された原料棒9の重量変化に基づき、該原料棒9が単
位時間当たりにどれ程減少したかを計算した後、この計
算値により、原料棒9を降下させるべき距離を検出し、
更にこの検出した降下距離から、該原料を降下させる速
度(言い換えれば原料棒9が溶けて減って行った速度)
を検出し、この速度に一致するように、前記原料棒9を
降下させる制御信号を、モータ16に対して出力するよう
になっている。 <制御内容> 前記コンピュータ17には、第7図(A)に示すような
溶解量と該溶解量に対応した降下距離との関係が予め入
力され、この関係により該コンピュータ17は、計量機18
において計量された検出データ(溶解量)に基づき前記
原料棒9を降下させるべき降下距離を検出する(言い換
えれば、原料棒9が溶けてその下端部が上昇した上昇距
離が前記降下距離となっている)。 ここで、前記第7図(A)を参照して判るように、前
記原料棒9はその溶け始めと、終わりの近辺において、
前記原料棒9の溶解量に対してその降下させるべき距離
がその前後に比較して少ないことが判る。これによっ
て、前記降下距離に対する原料棒9の降下速度は、第7
図(B)に示すように、原料棒9の溶け始めと、終わり
の近辺においてその前後よりも低く押えるようにしてい
る。 つまり、前述したコンピュータ17は、第7図(A)及
び第7図(B)に示す関係に基づき、計量機18の検出デ
ータ(溶解量)により検出された原料棒9の降下距離か
ら、降下速度を検出し、この降下速度となるように、前
記原料棒9を降下させる制御信号をモータ16に対して出
力するものである。 なお、このようなフィードバック制御は予め定めてお
いた時間毎に行う外、距離センサなどにより原料棒9の
減った量を直接検出して(例えば、原料棒9の下端部の
位置を検出して)、前記原料棒9の降下速度を制御する
ようにしても良い。 そして、以上のような制御を行うことによって、前記
原料棒9の下端部である溶解位置を、炉体4の溶解部6
に常時配置することができ、これによって前記原料棒9
からルツボ1に確実に一滴ずつフェライト原料を滴下す
ることができ、これによって結晶を均一に育成させ、上
質のフェライト端結晶を生成することができるという効
果が得られる。 そして、このようなフィードバック制御により原料棒
9を滴下させて行った場合には、前述したように原料棒
9からルツボ1に確実に一滴ずつ、かつ安定した状態で
連続的に滴下することが可能であるので、結果としてル
ツボ1内において長尺なフェライト単結晶を生成するこ
とができるという効果が得られる。 なお、上記実施例では原料棒9をその下端部が円筒状
となったものを使用したが、これに限定されずデーパー
状に形成されて、先端が鋭角となった原料棒9を使用し
ても良い。
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、 第1の発明によれば、フェライト原料の液相部と平衡
共存する組成の原料棒を加熱手段の内部に吊り下げ、更
にこの原料棒をルツボに対してを一滴ずつ滴下させるよ
うにしたので、例えば従来のように、ルツボに向けて順
次投入されるフェライト原料に対して不純物(第2のル
ツボから溶出されるPtなど)が混入していることがな
く、また、該フェライト原料が投入させるための特別な
装置(従来では、第2のルツボ、原料供給装置、原料投
入装置等が必要)が不要であり、これによって全体構成
を簡素なものとすることができる効果が得られる。 また、この第1の発明によれば、前記加熱手段は複数
の温度領域を有するとともに、垂直方向に対して移動自
在に設けられるものであり、また、前記原料棒も同様に
垂直方向に対して移動自在に設けられるものであるの
で、原料棒の下端部に位置する溶融部分を、加熱手段の
最適な温度領域に対して常時配置することができる、つ
まり原料棒を安定な状態で溶解させて滴下させることが
でき、これによってフェライト単結晶を安定した状態で
生成することができてその品質を向上させることができ
る効果が得られる。 また、前記原料棒を加熱溶融して滴下させる前に、例
えば加熱手段に設けられた複数の温度領域の内の一つの
アニール部を利用して、該原料棒にアニール処理を施
し、これによって該原料棒を焼結して製造する際に生じ
た歪みを除去することができるので、該原料棒の加熱溶
融時において該原料棒が割れることが防止される。 これによって、前記原料棒に長尺のものを用いた場合
であっても該原料棒が割れることなく、フェライト単結
晶を安定した状態で生成することができる効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第7図(B)は本発明の一実施例を示す図であ
って、第1図は単結晶製造装置の全体概略構成を示す
図、第2図はルツボが炉内管によって支持された箇所を
示す図、第3図は第1図に示す炉体4の温度領域(アニ
ール部、溶融部、育成部、保持部)に対応した温度変化
を示す図、第4図はアニール処理を行う時間と温度との
関係を示すグラフ、第5図(A)〜第5図(D)は原料
棒を支持する形態を示す図であって、第5図(A)及び
第5図(B)は大径化した原料棒の上端において該原料
棒を支持する形態を示す図、第5図(C)は原料棒の中
空部分に挿通させた保持部材により該原料棒を支持する
形態を示す図、第5図(D)は細い原料棒を複数本組み
合わせた状態を示す図、第6図は原料棒をフィードバッ
ク制御させつつ昇降させるための装置を示す図、第7図
(A)及び第7図(B)は、第6図に示す装置を制御す
るための制御内容の一部を示すグラフである。 1……ルツボ、4……炉体(加熱手段)、5……アニー
ル部、6……溶解部、7……育成部、9……原料棒、14
……原料棒。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片桐 洋一 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アル プス電気株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−283691(JP,A) 実開 昭63−175167(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】垂直方向に沿って区分された複数の温度領
    域を有する加熱手段と、 前記加熱手段内に配置されて、フェライト単結晶の種結
    晶となるフェライト原料が貯留されたルツボを有し、前
    記加熱手段と前記ルツボとは相対的に移動自在に設けら
    れ、 更に、前記ルツボの上方位置には、前記加熱手段内に垂
    直方向に移動自在に設けられて、前記加熱手段の所定の
    温度領域により溶融させられ、前記フェライト原料の液
    相部と平行共存する組成のフェライト原料を前記ルツボ
    内に滴下させる原料棒が吊り下げられてなり、 前記加熱手段が、 前記原料棒をその溶融温度よりも低い一定の温度に加熱
    維持することで該原料棒の内部歪を除去するとともに該
    原料棒の温度差による歪割れを防止するためのアニール
    部と、前記原料棒を溶解して一滴ずつルツボ内に滴下さ
    せる溶解部と、ルツボ内でフェライト単結晶を生成、育
    成させる育成部を含む複数の温度領域からなることを特
    徴とする単結晶製造装置。
  2. 【請求項2】前記アニール部の温度が600〜1100℃の範
    囲内に設定されてなることを特徴とする請求項1記載の
    単結晶製造装置。
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