JP2742437B2 - 化合物系超電導撚線の製造方法 - Google Patents
化合物系超電導撚線の製造方法Info
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- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
- Processes Specially Adapted For Manufacturing Cables (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、超電導発電機の界磁巻線などとして好適
な交流用の化合物系超電導撚線の製造方法に関する。
な交流用の化合物系超電導撚線の製造方法に関する。
「従来の技術」 超電導線においては量子磁束線の運動などに起因して
発熱を生じる場合があり、このような場合に超電導線に
部分的に常電導の芽が発生し、超電導線の全体が常電導
状態に転位するおそれがある。そこで従来、このような
磁気的不安定性および常電導転位などを防止して超電導
線を安定化するために、以下に記載する技術が採用され
ている。
発熱を生じる場合があり、このような場合に超電導線に
部分的に常電導の芽が発生し、超電導線の全体が常電導
状態に転位するおそれがある。そこで従来、このような
磁気的不安定性および常電導転位などを防止して超電導
線を安定化するために、以下に記載する技術が採用され
ている。
超電導体を銅などの良導電性の安定化母材の内部に埋
設する。特に、安定化母材を高純度の銅から形成する。
設する。特に、安定化母材を高純度の銅から形成する。
超電導体を数μ〜数十μmの径のフィラメント状に極
細化する。
細化する。
多心線をツイスト加工する。
編組や成形撚線の構造を採用する。
超電導線を交流用として使用する場合、Cu−Ni合金な
どの高抵抗金属材料から安定化母材を構成し、超電導フ
ィラメント間に生じる結合電流を抑制する。
どの高抵抗金属材料から安定化母材を構成し、超電導フ
ィラメント間に生じる結合電流を抑制する。
金属間化合物系の超電導体は極めて硬く、脆いので、
機械歪が加わると超電導特性が劣化する傾向があり、こ
のため超電導線に補強材を添設して機械歪が加わること
を阻止する。
機械歪が加わると超電導特性が劣化する傾向があり、こ
のため超電導線に補強材を添設して機械歪が加わること
を阻止する。
「発明が解決しようとする課題」 以上のような背景から、従来、交流用の超電導線の一
構造例として、Nb−Ti線等の線材を撚線化する方法など
が採用されているが、Nb3Snなどの化合物系の超電導線
材においては機械歪に弱い欠点があるために、交流用超
電導発電機等の導体としての応用例はほとんど見られな
かった。
構造例として、Nb−Ti線等の線材を撚線化する方法など
が採用されているが、Nb3Snなどの化合物系の超電導線
材においては機械歪に弱い欠点があるために、交流用超
電導発電機等の導体としての応用例はほとんど見られな
かった。
そこで、化合物系超電導線の超電導発電機用としての
応用について検討してみると、最大の課題はコイル加工
した場合の機械歪に対する対策と通電時の交流損失を低
減することである。
応用について検討してみると、最大の課題はコイル加工
した場合の機械歪に対する対策と通電時の交流損失を低
減することである。
ここでコイル加工時の歪特性の低減には、Nb3Sn超電
導体を導体の中心側に配置し、外部側に安定化導体を配
置する構造を採用するならば、コイル加工時の超電導体
の曲がり量を最小にできるので歪を低減し得るが、この
構造を採用した場合、安定化導体を中心側に配置し、そ
の外部側に超電導体を配置した構造の超電導線に比較し
て交流損失が増加する問題がある。
導体を導体の中心側に配置し、外部側に安定化導体を配
置する構造を採用するならば、コイル加工時の超電導体
の曲がり量を最小にできるので歪を低減し得るが、この
構造を採用した場合、安定化導体を中心側に配置し、そ
の外部側に超電導体を配置した構造の超電導線に比較し
て交流損失が増加する問題がある。
なお、化合物系超電導線において、超電導金属間化合
物を構成する複数の元素を含み、拡散熱処理を施すこと
により超電導線となる加工可能な複合素線を形成し、こ
の複合素線の段階で撚線化を行い、撚線加工後に拡散熱
処理を施して超電導撚線を製造する方法が知られてい
る。
物を構成する複数の元素を含み、拡散熱処理を施すこと
により超電導線となる加工可能な複合素線を形成し、こ
の複合素線の段階で撚線化を行い、撚線加工後に拡散熱
処理を施して超電導撚線を製造する方法が知られてい
る。
従ってこの方法を超電導発電機用の超電導撚線の製造
方法に適用することが検討されているが、前述した如く
撚線状に形成する超電導線にあっては、超電導線の1本
あたりの断面積を極めて小さく形成するので、拡散熱処
理を施す以前の加工可能な複合素線の状態であっても、
撚線の外周部には凹凸があり、撚線加工を繰り返す場合
に撚線の外周部が損傷し易いなどの理由から、成形性に
問題があり、撚線加工中に断線するなどのトラブルを生
じるおそれがある。また、撚線加工された状態の超電導
線は撚線間に空隙があって安定性が悪く、剛性不足な問
題があった。
方法に適用することが検討されているが、前述した如く
撚線状に形成する超電導線にあっては、超電導線の1本
あたりの断面積を極めて小さく形成するので、拡散熱処
理を施す以前の加工可能な複合素線の状態であっても、
撚線の外周部には凹凸があり、撚線加工を繰り返す場合
に撚線の外周部が損傷し易いなどの理由から、成形性に
問題があり、撚線加工中に断線するなどのトラブルを生
じるおそれがある。また、撚線加工された状態の超電導
線は撚線間に空隙があって安定性が悪く、剛性不足な問
題があった。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、
剛性が高く、撚線間の間隙が少なく、加工性にも優れる
とともに、超電導発電機用などの交流用として優れた構
造の化合物超電導撚線を製造する方法を提供することを
目的とする。
剛性が高く、撚線間の間隙が少なく、加工性にも優れる
とともに、超電導発電機用などの交流用として優れた構
造の化合物超電導撚線を製造する方法を提供することを
目的とする。
「課題を解決するための手段」 本発明は前記課題を解決するために、超電導金属間化
合物を構成する複数の元素を含み、拡散熱処理を施すこ
とにより超電導導体となる複合素線を用意するととも
に、良導電生の安定化導体を用意し、前記安定化導体の
外周に前記複合素線を撚線化して安定化導体の外方に撚
線導体部を設けた複合導体を形成し、この後に前記複合
導体に塑性加工を施して撚線導体部を変形させ、複合素
線間の空隙を閉塞して圧密撚線導体部を形成し、この後
に拡散熱処理を施して圧密撚線導体部に超電導金属間化
合物を生成させるものである。
合物を構成する複数の元素を含み、拡散熱処理を施すこ
とにより超電導導体となる複合素線を用意するととも
に、良導電生の安定化導体を用意し、前記安定化導体の
外周に前記複合素線を撚線化して安定化導体の外方に撚
線導体部を設けた複合導体を形成し、この後に前記複合
導体に塑性加工を施して撚線導体部を変形させ、複合素
線間の空隙を閉塞して圧密撚線導体部を形成し、この後
に拡散熱処理を施して圧密撚線導体部に超電導金属間化
合物を生成させるものである。
「作用」 安定化導体の外方に撚線化して設けた複合素線を塑性
加工により圧密するので撚線化された複合素線間に存在
する空隙が閉塞され、撚線化部分の剛性が向上するとと
もに、撚線化された複合素線の外周部の凹凸が滑らかに
されるので加工性も向上する。また、複合素線拡散熱処
理前に撚線加工するので、撚線加工が容易にできる。
加工により圧密するので撚線化された複合素線間に存在
する空隙が閉塞され、撚線化部分の剛性が向上するとと
もに、撚線化された複合素線の外周部の凹凸が滑らかに
されるので加工性も向上する。また、複合素線拡散熱処
理前に撚線加工するので、撚線加工が容易にできる。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
第1図ないし第7図は本発明の方法をNb3Sn系の交流
用超電導撚線を製造する場合に適用した例について説明
するためのもので、この例の方法を実施するには、ま
ず、第1図に示す安定化導体1を用意する。
用超電導撚線を製造する場合に適用した例について説明
するためのもので、この例の方法を実施するには、ま
ず、第1図に示す安定化導体1を用意する。
この安定化導体1は、純銅からなるコア導体2と、こ
のコア導体2の外周面を被覆して設けられた拡散防止層
3と、この拡散防止層3の外周面を被覆して設けられた
合金層4とから構成されている。前記拡散防止層3はコ
ア導体2を構成する純銅との間に不要な化合物などを生
じない材料であって、融点の高いTaあるいはNbなどの金
属材料からなり、後述する拡散熱処理時にコア導体2に
外部から不要な元素が拡散しないようにするために設け
られる。また、前記合金層4は電気抵抗の高いCu−Ni合
金あるいはCu−Sn合金などからなるものである。
のコア導体2の外周面を被覆して設けられた拡散防止層
3と、この拡散防止層3の外周面を被覆して設けられた
合金層4とから構成されている。前記拡散防止層3はコ
ア導体2を構成する純銅との間に不要な化合物などを生
じない材料であって、融点の高いTaあるいはNbなどの金
属材料からなり、後述する拡散熱処理時にコア導体2に
外部から不要な元素が拡散しないようにするために設け
られる。また、前記合金層4は電気抵抗の高いCu−Ni合
金あるいはCu−Sn合金などからなるものである。
なお、前記コア導体2の外方に拡散防止層3と合金層
4を形成するには、コア導体1の外方にメッキ処理を施
すか、あるいは、コア導体1の外方に前記材料からなる
テープあるいは箔などを被せて伸線加工するなどの手段
により容易に形成することができる。
4を形成するには、コア導体1の外方にメッキ処理を施
すか、あるいは、コア導体1の外方に前記材料からなる
テープあるいは箔などを被せて伸線加工するなどの手段
により容易に形成することができる。
次に前記安定化導体1の外方に撚線化して設けられる
複合素線を用意する。この例では、複合素線としてSnメ
ッキされたインサイチュー線を用いる。インサイチュー
線を得るには、所定成分のCu−Nb合金あるいはCu−Nb−
Sn合金などを溶製して第2図に示すインサイチューイン
ゴット6を作成し、このインサイチューインゴット6を
線引加工することにより作成される。前記インサイチュ
ーインゴット6は、CuあるいはCu−Sn製の金属基地の内
部に、Nbからなる無数の樹枝状晶が分散された構造をな
すもので、このインサイチューインゴット6を線引加工
することで金属基地内に繊維状のNbフィラメントが分散
された構造の第3図に示すインサイチュー線7を得るこ
とができる。
複合素線を用意する。この例では、複合素線としてSnメ
ッキされたインサイチュー線を用いる。インサイチュー
線を得るには、所定成分のCu−Nb合金あるいはCu−Nb−
Sn合金などを溶製して第2図に示すインサイチューイン
ゴット6を作成し、このインサイチューインゴット6を
線引加工することにより作成される。前記インサイチュ
ーインゴット6は、CuあるいはCu−Sn製の金属基地の内
部に、Nbからなる無数の樹枝状晶が分散された構造をな
すもので、このインサイチューインゴット6を線引加工
することで金属基地内に繊維状のNbフィラメントが分散
された構造の第3図に示すインサイチュー線7を得るこ
とができる。
次にこのインサイチュー線7の外周面にメッキ処理に
よってSnの被覆層を形成して第8図に示すメッキインサ
イチュー線(複合素線)8を形成する。このメッキイン
サイチュー線8を用意したならば、メッキインサイチュ
ー線8を複数本用意してこれらを前記安定化導体1の外
方に撚線化して設けることにより、第5図に示す如く、
安定化導体1の外方に撚線導体部9を設けた1次複合導
体10を得る。
よってSnの被覆層を形成して第8図に示すメッキインサ
イチュー線(複合素線)8を形成する。このメッキイン
サイチュー線8を用意したならば、メッキインサイチュ
ー線8を複数本用意してこれらを前記安定化導体1の外
方に撚線化して設けることにより、第5図に示す如く、
安定化導体1の外方に撚線導体部9を設けた1次複合導
体10を得る。
1次複合導体10を作成したならば、この1次複合導体
10を180〜450℃の温度に所定時間加熱する低温熱処理を
施し、メッキインサイチュー線8の外面に形成されてい
る被覆層のSnをメッキインサイチュー線8の内部に拡散
させる。この低温熱処理において、Snの融点(231.9
℃)以上の温度に最初から加熱するとSnの被覆層がイン
サイチュー線7から溶け落ちるので、低温熱処理におい
ては、Snの融点よりも低い温度で、かつ、Snの拡散が進
行し易い温度、即ち、180〜220℃程度の温度で1次加熱
処理を数時間〜数十時間行って被覆層のSnをインサイチ
ュー線7の内部に十分に拡散させて被覆層を消失させる
ことが好ましい。この後に300〜450℃程度の温度で数時
間〜数十時間の熱処理を行ってSnの拡散を更に促進する
とともに、インサイチュー線7内におけるCuとSnの不要
な化合物相の生成を抑制してインサイチュー線7の金属
基地を安定なCu−Sn合金相とする。なお、前記低温熱処
理において450℃より高い温度で熱処理すると、SnとNb
の拡散反応が進行してNb3Snが生成し始め、インサイチ
ュー線7の加工性が低下するので好ましくない。
10を180〜450℃の温度に所定時間加熱する低温熱処理を
施し、メッキインサイチュー線8の外面に形成されてい
る被覆層のSnをメッキインサイチュー線8の内部に拡散
させる。この低温熱処理において、Snの融点(231.9
℃)以上の温度に最初から加熱するとSnの被覆層がイン
サイチュー線7から溶け落ちるので、低温熱処理におい
ては、Snの融点よりも低い温度で、かつ、Snの拡散が進
行し易い温度、即ち、180〜220℃程度の温度で1次加熱
処理を数時間〜数十時間行って被覆層のSnをインサイチ
ュー線7の内部に十分に拡散させて被覆層を消失させる
ことが好ましい。この後に300〜450℃程度の温度で数時
間〜数十時間の熱処理を行ってSnの拡散を更に促進する
とともに、インサイチュー線7内におけるCuとSnの不要
な化合物相の生成を抑制してインサイチュー線7の金属
基地を安定なCu−Sn合金相とする。なお、前記低温熱処
理において450℃より高い温度で熱処理すると、SnとNb
の拡散反応が進行してNb3Snが生成し始め、インサイチ
ュー線7の加工性が低下するので好ましくない。
次に低温熱処理後の1次複合導体10をダイス引きある
いは溝ロール加工などの塑性加工法により圧密し、撚線
導体部9を断面略矩形状に変形させて撚線導体部9に存
在する空隙を閉塞し、第6図に示すように圧密された圧
密撚線導体部11を有する線材12を形成する。この線材12
を作成する場合においては、既に前記低温熱処理によ
り、メッキインサイチュー線8における被覆層のSnが消
失されてインサイチュー線7の内部に拡散され、インサ
イチュー線7が強化されているので、径の小さなインサ
イチュー線7を使用した場合であっても塑性加工中に断
線することはない。
いは溝ロール加工などの塑性加工法により圧密し、撚線
導体部9を断面略矩形状に変形させて撚線導体部9に存
在する空隙を閉塞し、第6図に示すように圧密された圧
密撚線導体部11を有する線材12を形成する。この線材12
を作成する場合においては、既に前記低温熱処理によ
り、メッキインサイチュー線8における被覆層のSnが消
失されてインサイチュー線7の内部に拡散され、インサ
イチュー線7が強化されているので、径の小さなインサ
イチュー線7を使用した場合であっても塑性加工中に断
線することはない。
次に線材12を更に複数本集合し、撚線化して第7図に
示す2次撚線導体13を作成する。この2次撚線導体13を
作成する場合において、撚線導体部9が既に圧密されて
圧密撚線導体部11となって剛性が向上しているために、
加工中にこの部分が断線することはない。
示す2次撚線導体13を作成する。この2次撚線導体13を
作成する場合において、撚線導体部9が既に圧密されて
圧密撚線導体部11となって剛性が向上しているために、
加工中にこの部分が断線することはない。
次いで2次撚線導体13を500〜700℃に数十〜数百時間
加熱する拡散熱処理を施し、インサイチュー線7の内部
側に拡散させたSnとNbフィラメントを反応させ、Nb3Sn
超電導金属間化合物のフィラメントを生成させて第7図
に示す2次撚線構造の超電導撚線を得ることができる。
なお、前記拡散熱処理時において、合金層4に含有され
ているSnあるいはNiが安定化導体1の内部側にも拡散し
ようとするが、拡散防止層3で内部側への拡散を阻止さ
れるので、純銅製のコア導体2がSnなどの不要元素で汚
染されることがない。コア導体2がSnなどの元素で汚染
されると極低温におけるコア導体2の電気抵抗が上昇し
てコア導体2の安定化導体としての性能が低下するので
好ましくない。
加熱する拡散熱処理を施し、インサイチュー線7の内部
側に拡散させたSnとNbフィラメントを反応させ、Nb3Sn
超電導金属間化合物のフィラメントを生成させて第7図
に示す2次撚線構造の超電導撚線を得ることができる。
なお、前記拡散熱処理時において、合金層4に含有され
ているSnあるいはNiが安定化導体1の内部側にも拡散し
ようとするが、拡散防止層3で内部側への拡散を阻止さ
れるので、純銅製のコア導体2がSnなどの不要元素で汚
染されることがない。コア導体2がSnなどの元素で汚染
されると極低温におけるコア導体2の電気抵抗が上昇し
てコア導体2の安定化導体としての性能が低下するので
好ましくない。
以上のように製造された超電導撚線は、塑性加工によ
り撚線部分が圧密されているために、剛性が高く、しか
も撚線部分の外周部が円滑になっている。更に、2次撚
線化された構造であるために、交流用として安定性も高
い。また、インサイチュー線7から作成された超電導導
体部分とコア導体2とが高電気抵抗の合金層4で遮断さ
れているので超電導導体部分とコア導体2との間に生じ
ようとする渦電流損失を低減することができる。しか
も、インサイチュー線7から超電導導体部分を製造して
いるので、臨界電流特性に優れ、機械歪を受けても超電
導特性の劣化が少ないなど機械強度の面でも優れてい
る。
り撚線部分が圧密されているために、剛性が高く、しか
も撚線部分の外周部が円滑になっている。更に、2次撚
線化された構造であるために、交流用として安定性も高
い。また、インサイチュー線7から作成された超電導導
体部分とコア導体2とが高電気抵抗の合金層4で遮断さ
れているので超電導導体部分とコア導体2との間に生じ
ようとする渦電流損失を低減することができる。しか
も、インサイチュー線7から超電導導体部分を製造して
いるので、臨界電流特性に優れ、機械歪を受けても超電
導特性の劣化が少ないなど機械強度の面でも優れてい
る。
従って前記構造の超電導撚線は超電導発電機の界磁巻
線用などとの交流用として好適である。
線用などとの交流用として好適である。
なお、前記の例においては、超電導導体部分をインサ
イチュー線7を用いて形成したが、Nbの芯材にSnパイプ
を被せて縮径する操作を複数回行って製造した複合多心
線をインサイチュー線7の代用として用いても良いのは
勿論である。
イチュー線7を用いて形成したが、Nbの芯材にSnパイプ
を被せて縮径する操作を複数回行って製造した複合多心
線をインサイチュー線7の代用として用いても良いのは
勿論である。
また、前記の例では、2次撚線導体13を拡散熱処理し
て超電導撚線としたが、1次撚線導体10を拡散熱処理し
て超電導撚線を形成しても良い。
て超電導撚線としたが、1次撚線導体10を拡散熱処理し
て超電導撚線を形成しても良い。
更に、前記の例においては、本発明方法をNb3Sn系の
超電導撚線の製造方法に適用した例について説明した
が、本発明の方法をV3Ga系、Nb3Ge、NB3Alなどの化合物
系超電導撚線の製造方法として適用できることは勿論で
ある。
超電導撚線の製造方法に適用した例について説明した
が、本発明の方法をV3Ga系、Nb3Ge、NB3Alなどの化合物
系超電導撚線の製造方法として適用できることは勿論で
ある。
「実施例」 Cu−40w%Nbの組成を有する棒状のインサイチューイ
ンゴットを溶製し、これに鍛造加工と押出加工と線引加
工を施し、更にその外周面に厚さ8μmのSnメッキ層を
被覆して直径0.2mmのインサイチュー線を得た。また、
純度99.9%の無酸素銅製のコア導体の周囲にNb層とCu−
Ni合金層を被覆してなる直径1.3mmの安定化導体を用意
し、この安定化導体の周囲に前記インサイチュー線を成
形撚線化して1次複合導体を作成した。
ンゴットを溶製し、これに鍛造加工と押出加工と線引加
工を施し、更にその外周面に厚さ8μmのSnメッキ層を
被覆して直径0.2mmのインサイチュー線を得た。また、
純度99.9%の無酸素銅製のコア導体の周囲にNb層とCu−
Ni合金層を被覆してなる直径1.3mmの安定化導体を用意
し、この安定化導体の周囲に前記インサイチュー線を成
形撚線化して1次複合導体を作成した。
この後N2ガス雰囲気中において180℃で96時間加熱し
た後に400℃で48時間加熱する低温熱処理を行ってイン
サイチュー線の内部にSnを拡散させてインサイチュー線
の一体化を行った。続いてこの1次複合導体にダイスを
用いた線引加工により塑性加工を施して外周打の撚線部
分を圧密して圧密導体部を形成する。この際、インサイ
チュー線の断線は生じなかった。
た後に400℃で48時間加熱する低温熱処理を行ってイン
サイチュー線の内部にSnを拡散させてインサイチュー線
の一体化を行った。続いてこの1次複合導体にダイスを
用いた線引加工により塑性加工を施して外周打の撚線部
分を圧密して圧密導体部を形成する。この際、インサイ
チュー線の断線は生じなかった。
この後に前記1次複合導体を第7図に示すように7本
用いて2次撚線化を行い、厚さ3mm、幅5mmの2次撚線導
体を得た。この2次撚線導体においては、巻線加工を容
易に行うことができた。
用いて2次撚線化を行い、厚さ3mm、幅5mmの2次撚線導
体を得た。この2次撚線導体においては、巻線加工を容
易に行うことができた。
前記巻線加工後、500〜550℃に150〜200時間加熱する
Nb3Sn生成用の拡散熱処理を施して高流用のNb3Sn超電導
撚線を得ることができた。
Nb3Sn生成用の拡散熱処理を施して高流用のNb3Sn超電導
撚線を得ることができた。
「発明の効果」 以上説明したように本発明の方法は、安定化導体の外
方に撚線化して設けた撚線導体部を塑性加工により圧密
するので撚線導体部に存在する空隙を閉塞することがで
き、撚線部分の剛性を向上させることができるととも
に、撚線導体部の外周部に存在する凹凸を滑らかにでき
るので加工性を向上させることができる。また、複合素
線を拡散熱処理する前に撚線加工するので、断線などの
トラブルを起こすことなく撚線加工が容易にできる。
方に撚線化して設けた撚線導体部を塑性加工により圧密
するので撚線導体部に存在する空隙を閉塞することがで
き、撚線部分の剛性を向上させることができるととも
に、撚線導体部の外周部に存在する凹凸を滑らかにでき
るので加工性を向上させることができる。また、複合素
線を拡散熱処理する前に撚線加工するので、断線などの
トラブルを起こすことなく撚線加工が容易にできる。
従って本発明方法により、超電導発電機の界磁巻線な
どの交流用として優れた超電導撚線を製造することがで
きる。
どの交流用として優れた超電導撚線を製造することがで
きる。
第1図ないし第7図は本発明をNb3Sn径の超電導撚線の
製造方法に適用した一例を説明するためのもので、第1
図は安定化導体の断面図、第2図はインサイチューイン
ゴットの断面図、第3図はインサイチュー線の断面図、
第4図はメッキインサイチュー線の断面図、第5図は1
次複合導体の断面図、第6図は圧密撚線導体の断面図、
第7図は2次撚線導体の断面図である。 1……安定化導体、2……コア導体、3……拡散防止
層、 4……合金層、6……インサイチューインゴット、7…
…インサイチュー線、8……メッキインサイチュー線
(複合素線)、9……撚線導体部、10……1次複合導
体、11……圧密撚線導体部、12……線材、13……2次撚
線導体。
製造方法に適用した一例を説明するためのもので、第1
図は安定化導体の断面図、第2図はインサイチューイン
ゴットの断面図、第3図はインサイチュー線の断面図、
第4図はメッキインサイチュー線の断面図、第5図は1
次複合導体の断面図、第6図は圧密撚線導体の断面図、
第7図は2次撚線導体の断面図である。 1……安定化導体、2……コア導体、3……拡散防止
層、 4……合金層、6……インサイチューインゴット、7…
…インサイチュー線、8……メッキインサイチュー線
(複合素線)、9……撚線導体部、10……1次複合導
体、11……圧密撚線導体部、12……線材、13……2次撚
線導体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丹下 雅善 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 河野 宰 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−39705(JP,A) 特開 昭54−119681(JP,A) 特開 昭55−100611(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】超電導金属間化合物を構成する複数の元素
を含み、拡散熱処理を施すことにより超電導導体となる
複合素線を用意するとともに、良導電性の安定化導体を
用意し、前記安定化導体の外周に前記複合素線を撚線化
して安定化導体の外方に撚線導体部を設けた複合導体を
形成し、この後に前記複合導体に塑性加工を施して撚線
導体部を変形させ、複合素線間の空隙を閉塞して圧密撚
線導体部を形成し、この後に拡散熱処理を施して前記圧
密撚線導体部に超電導金属間化合物を生成させることを
特徴とする化合物系超電導撚線の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1033473A JP2742437B2 (ja) | 1989-02-13 | 1989-02-13 | 化合物系超電導撚線の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1033473A JP2742437B2 (ja) | 1989-02-13 | 1989-02-13 | 化合物系超電導撚線の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02213010A JPH02213010A (ja) | 1990-08-24 |
JP2742437B2 true JP2742437B2 (ja) | 1998-04-22 |
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ID=12387516
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP1033473A Expired - Fee Related JP2742437B2 (ja) | 1989-02-13 | 1989-02-13 | 化合物系超電導撚線の製造方法 |
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JP (1) | JP2742437B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
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---|---|---|---|---|
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JPS6039705A (ja) * | 1983-08-15 | 1985-03-01 | 日本原子力研究所 | アルミニウム安定化超電導導体 |
JPS60250506A (ja) * | 1984-05-28 | 1985-12-11 | 株式会社東芝 | 化合物系超電導線材 |
-
1989
- 1989-02-13 JP JP1033473A patent/JP2742437B2/ja not_active Expired - Fee Related
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