JP2742406B2 - ヒトサイトメガロウイルスによって誘発され且つプロテインキナーゼ活性をもつポリペプチド - Google Patents

ヒトサイトメガロウイルスによって誘発され且つプロテインキナーゼ活性をもつポリペプチド

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はヒトサイトメガロウイルス(HC
MV)によって誘発されたタンパク質に係る。
【0002】本発明のポリペプチドは更にプロテインキ
ナーゼ活性をもつ。
【0003】周知の如くCMVは軽いものから特に重度
の奇型の如き先天性のものに至るまで何段階かに亘って
顕われる多くの臨床感染の原因となる。CMVはまた腎
臓等の臓器移植を受けた患者の罹患及び死亡の原因であ
ることも認められている。従ってCMVの診断は極めて
重要な問題である。また、CMVに対する免疫を与える
性質をもつ又はもつようにし得るポリペプチド又はタン
パク質を識別し分離することは、現在殆んど治療不可能
な前述の如き合併症を予防する大きな可能性を開くこと
になる。
【0004】ヒトサイトメガロウイルスに対するモノク
ローナル抗体の使用を基礎とし得る診断技術はこれまで
にも注目を浴び、種々の文献に著わされてきた。しかし
ながら現在までのところサイトメガロウイルス感染の簡
単で信頼できる診断を実現せしめるようなモノクローナ
ル抗体は提供されていない。
【0005】実際、CMV(ヘルペスウイルス科の一
員)は種々の感染プロセス段階で、且つ細胞の種々の感
染レベルで相当な数のポリペプチドを感染細胞中に誘発
することが知られている。エル.エヌ.ペレイラ(L.
N.PEREIRA)他(「感染と免疫(Infection an
d Immunity)」、1982年6月、924−932ペー
ジ)は、予め感染させた未固定細胞内でこれら細胞の培
養株内のCMVにより誘発されたポリペプチドまたは糖
タンパク質を識別し得るモノクローナル抗体を分泌する
ハイブリドーマを多数つくったと報告している。ペレイ
ラ等はウイルス自体と、感染した細胞と、これら細胞抽
出物から分離し得るタンパク質、糖タンパク質もしくは
ポリペプチドとに対する種々の抗体の反応レベルにおい
て観察された差異に基づき次の仮説をうちたてた。即
ち、CMV感染した細胞の膜の表面でこれら抗体の或る
ものによって識別されるウイスル糖タンパク質の構造は
ビリオンのエンベロープの構造と異なり得るというもの
である。分離した抗体のうち特定のものを前述の如き診
断操作の実施に使用することはこのペレイラ等によって
提起された。しかしながらこれまでに行なわれた実験の
結果によれば、最も有利とされていたモノクローナル抗
体は多くのポリペプチドを同時に沈殿させ得るものでも
あった。従って、これら抗体による認識には判別性がな
いため、これら抗体を抗原決定基又は特異エピトープの
識別に使用することはできなかった。
【0006】エル.シー.ゴールドスタイン(L.C.
GOLDSTEIN)他(「感染と免疫(Infection an
d Immunity)」、1982年10月,273−281ペ
ージ)も、CMVに感染した細胞の核もしくは細胞質封
入体中に局在する或る種のポリペプチドを識別し得る幾
つかのモノクローナル抗体について記述している。これ
らのモノクローナル抗体は予め無水メタノールで固定し
空気で乾燥させたCMV感染細胞と反応する力に基づき
選別したものである。しかしながらこの記述からはこれ
らモノクローナル抗体が未処理の感染細胞を識別し得る
という結論は得られない。
【0007】シー.アマディ(C.AMADEI)他
(ビールス学年報(Ann.Virol.)1983
年,パスツール研究所(Institut Paste
ur),134E,165−180)はヒトサイトメガ
ロウイルスに対する24個のモノクローナル抗体からな
るグループについて記述している。得られるモノクロー
ナル抗体の大部分は恐らくこれら抗体の検出に用いられ
た技術と係りがある。特にこの場合は予め感染させてア
セトンで固定し且つ空気で乾燥しておいた細胞が有する
抗体の検出に蛍光抗体法を使用している。これと同一の
モノクローナル抗体が同一のウイルスに予め感染させた
同一の細胞系から得られる細胞に対して示す活性は、こ
れら感染細胞をメタノールで予め固定しておいた場合に
は、殆んどゼロであることが判明した。既にエル・シー
・ゴールドスタイン等が分離に成功したHCMV感染細
胞に対する選択的モノクローナル抗体を分泌するハイブ
リドーマの個数が少ないことの原因は恐らくこの現象中
に求められるべきであろう。
【0008】これらのモノクローナル抗体のうち或るも
のは多くのウイルス株を中和する性質をもつことが判明
した。この種のモノクローナル抗体は1983年3月3
1日に出願された仏国特許出願第83 05384号に
開示されている。これら特定モノクローナル抗体はHC
MV感染のin vitro診断テストを実現するため
に得たものである。しかしながら前記仏国特許出願でも
前述の論文でも、記載された種々のハイブリドーマのう
ち、診断操作に特に有効であって、或る種のポリペプチ
ド、即ちHCMVにより誘発され得且つ極めて精密な診
断操作を可能にする生物学的性質を備えたポリペプチド
を分離するのに適したモノクローナル抗体を分泌するこ
とがその後判明したハイブリドーマについての認識は未
だなかった。
【0009】本発明の目的はこれまでに開示された全て
のモノクローナル抗体の中から選択した数種のモノクロ
ーナル抗体を使用する診断方法を提供することにある。
これら選択抗体は容易に且つ信頼性をもってin vi
tro診断テストに使用できる。これら抗体は蛍光抗体
テストにおいて未処理(intact)の感染細胞中に
存在するHCMVにより誘発されるタンパク質をも識別
する。これらの抗体は感染サイクルのほぼ全般に亘って
陽性反応を示し得る。診断は酵素活性測定テストによっ
てより精密になり且つその正確さを認識し得る。感染細
胞はHCMVによって誘発されるポリペプチド,タンパ
ク質又は糖タンパク質を産生する。これらポリペプチド
は連続配列(sequential continu)
エピトープ即ち抗原決定基を担持している。「エピトー
プ即ち抗原決定基を担持している」とは、ウイルスの天
然の、又はウイルスに感染した細胞内で該ウイルスによ
り誘発されたポリペプチド,タンパク質もしくは糖タン
パク質におけるこの部位の特定コンフォーメーションと
は無関係に抗体によって認識される決定基であると理解
されたい。
【0010】本発明の前述のモノクローナル抗体分泌ハ
イブリドーマがこれらの条件全てに適合するという本発
明者等の発見に基づくものである。より特定的には本発
明は、約68,000の分子量を有し、CMV株に感染
した細胞の抽出物から変質せずに分離され得るタンパク
質に担持された連続配列抗原決定基のin vitro
検出に、対応分泌ハイブリドーマによって産生されるモ
ノクローナル抗体を使用することに係る。前記タンパク
質はプロテインキナーゼの性質をも有する。
【0011】換言すれば、本発明の方法でヒトサイトメ
ガロウイルスにより誘発される感染のin vitro
診断と、ヒト細胞特にヒト細胞系内でヒトサイトメガロ
ウイルスにより誘発され得るプロテインキナーゼの検出
とに使用される抗ヒトサイトメガロウイルスモノクロー
ナル抗体は該抗体の下記の如き能力の結集によって規定
される。
【0012】−予めHCMVに感染させ且つアセトン
で固定したヒトの培養細胞において、蛍光抗体法により
検出し得る反応を生起せしめる。
【0013】−予めHCMVに感染させたヒト細胞内
でHCMVにより誘発され、約68,000の分子量を
有し、連続配列エピトープを担持するウイルスポリペプ
チドのみと本質的に反応する。このポリペプチドは核内
に発生し、次いで少なくとも一部分が前記感染細胞の細
胞質中に拡散し、この細胞質から分離され得る。
【0014】−好ましくはプロテインAに固定され
る。
【0015】更に詳細には本発明は、前述の使用の範囲
内で、下記の特性をもつポリペプチドを識別するモノク
ローナル抗体に係る。
【0016】−細胞内に早期に出現する(細胞へのウ
イルス吸着後3〜5時間で発見し得る)。
【0017】−ヒトCMVに特異なポリペプチドであ
る。
【0018】−CMVに感染した細胞内に蓄積され
る。発生後少なくとも4日間はこれら細胞内に存在する
(特にMRC−5型ヒト肺繊維芽細胞内で)。
【0019】−後述の特性をもつ好ましいポリペプチ
ドの性質を全て有する。
【0020】好ましいモノクローナル抗体とはIgGの
非特異的レセプタと反応しないもの、より特定的には由
来を問わず任意のHCMVに感染した細胞、例えばタウ
ン(Towne)及びディヴィス(Davis)のAd
−169の名称で知られている株に感染した細胞内で前
記ポリペプチドを検出できるという特徴をもつ抗体であ
る。好ましいモノクローナル抗体の一例として、198
4年3月27日にNoI−289で国立微生物培養コレ
クション(la Collection Nationale des Cultures de
Micro-Organismes(C.N.C.M.))に寄託された
ハイブリドーマにより産生されるものが挙げられる。
【0021】前記モノクローナル抗体は、Ad−169
HCMV株の如きHCMVに対し予め免疫しておいた
動物の脾臓細胞と骨髄腫細胞との間で予め形成した、H
CMVウイルスを中和するモノクローナル抗体を分泌す
るハイブリドーマを用いる方法によって得られる。この
方法はより特定的には下記のステップからなることを特
徴とする。
【0022】−前記中和作用をもつ抗体を、予めHC
MVに感染させ且つアセトンで固定し好ましくは空気で
乾燥させたヒト培養細胞と反応させる。
【0023】−クローンのうち、アセトンで固定した
後の前記ヒト細胞において蛍光抗体法により検出し得る
固定反応を生起するものを第1に選択する。
【0024】−必要であれば、前記第1選択の結果得
られるモノクローナル抗体のうち、明らかに前記感染細
胞の核内で誘発されその後細胞質中に拡散し、且つこの
細胞質から任意に分離し得るウイルスタンパク質と選択
的に反応するものを第2に選択する。前記タンパク質は
分子量が約68,000であり、プロテインキナーゼの
性質も有するようなタンパク質である。
【0025】−得られた反応生成物から選択抗体を回
収する。
【0026】モノクローナル抗体の回収はそれ自体公知
の任意の方法、例えば形成された反応生成物とプロテイ
ンA特に黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus )の
プロテインAとの複合体を予め形成しておき、この複合
体を適切なイオン緩衝液中で解離するという方法により
実施しえる。
【0027】プロテインキナーゼ活性をもつ分子量6
8,000のポリペプチドの少なくとも一部分を分離す
るには、感染細胞から得られる細胞質抽出物中にやはり
含まれる異なる分子量のタンパク質又はポリペプチドを
予め分離してもよい。
【0028】より特定的に、前述ハイブリドーマにより
産生されるモノクローナル抗体によって識別される前記
ポリペプチドの産生に使用し得るヒト細胞としては、H
CMVの複製に耐え得る任意のタイプの細胞を使用して
よい。このような使用に有利な細胞はMRC−5型ヒト
肺繊維芽細胞である。
【0029】本発明は、分子量が約68,000に達し
得、プロテインキナーゼ活性をもち、連続配列エピトー
プを担持し、感染細胞内でHCMVにより誘発され得る
ポリペプチドにも係る。この種のポリペプチドはHCM
V特にAd−169菌株の培養物に予め感染させたヒト
肺繊維芽細胞の如きヒト細胞の培養株から得ることがで
きる。このポリペプチドは感染細胞の細胞質から分離し
得る。但し本発明は前記モノクローナル抗体によって識
別される連続配列エピトープをやはり含む分子量のより
小さい全てのポリペプチドにも係る。当業者には明らか
なように、本発明のモノクローナル抗体を使用すれば、
特定部位でペプチドを切断し得る酵素により未処理の最
初のペプチドを切断するというそれ自体公知の方法を用
いることにより、分子量約68,000の前記ポリペプ
チドから同一の抗原決定基を含むより小さいペプチド配
列を分離することが可能になる。この種のタンパクとし
ては例えば黄色ブドウ球菌酵素V8,アルファキモトリ
プシン,ベーリンガー(BOEHRINGER)社より
市販の「マウス顎下腺プロテアーゼ(mouse submaxillar
y gland protease) 」,ジペプチド Gly−Pro及
びGly−Alaを特異的に識別するビブリオアルギノ
ルテクスケモーバーイオファクス(Vibrioalginoluticu
s chemovar iophacus )コラゲナーゼが挙げられる。
【0030】従って、前述の如き酵素により調節的に切
断したペプチドから、モノクローナル抗体と反応する抗
原部位を含み且つ必要であれば前述のプロテインキナー
ゼ活性をも保持するものを検出することが可能になる。
【0031】本発明の好ましいポリペプチトは更に下記
の特性を有する。
【0032】−カゼインキナーゼIIタイプのプロテイ
ンキナーゼ活性を示す。特に、リンをATPからカゼイ
ン及びその他の基質、例えばホスビチン,グリコーゲン
シンテターゼ,ヒストン,アルファホスホリラーゼ等に
転移するのに適している。
【0033】−プロテインキナーゼ活性がクエルシチ
ン(quercitine)によって阻害される。
【0034】−in vitroで自己リン酸化し得
る。
【0035】−感熱性を有する(−70℃及び100
℃で失活)。
【0036】より特定的には本発明は前述のモノクロー
ナル抗体を使用するin vitro診断法に係る。こ
の方法では前記モノクローナル抗体を検出すべき感染性
をもつ又はもたない細胞と接触させ、好ましくは処理さ
れたこれら細胞を破壊することのない蛍光抗体法によっ
て前記ポリペプチドを検出する。テストの実施に使用し
得る好ましい条件については後で説明する。
【0037】これら特定のモノクローナル抗体は感染後
直ぐに利用できるため診断テストに使用すると極めて有
利である。実際、誘発されるタンパク質は感染後3〜5
時間で出現し、感染サイクルの間中存続することが観察
された。これらモノクローナル抗体は特にこの性質によ
って他のモノクローナル抗体と一線を画する。実際には
感染開始時点は通常わからないため、サイトメガロウイ
ルスに感染したと思われる患者の組織又は他の細胞採取
物のバイオプシーによって得た細胞に関して診断テスト
を行なう場合には特に前記モノクローナル抗体を使用す
ると有利である。
【0038】本発明の範囲内で使用されるモノクローナ
ル抗体は、HCMVの連続配列抗原決定基を含み及び/
又は同様にプロテインキナーゼ活性を有するポリペプチ
ド,タンパク質もしくは糖タンパク質又はこれらの断片
をHCMVに予め感染させたヒト細胞培養株の抽出物又
は溶解物から精製する方法と見なされ得るものの基礎を
もなし得る。この方法の好ましい実施例では前述タイプ
のモノクローナル抗体を固体サポート、例えばスウェー
デンのファルマシア・エー・ジー(Pharmacia
AG)社によりセファロース(SEPHAROSE)
の商品名で市販されている立方細網状アガロース格子上
に臭化シアンの如き物質で固定させたものを使用し得
る。
【0039】本発明のポリペプチドの抗原決定基の連続
配列性は、強力洗浄剤、例えばドデシル硫酸ナトリウム
(SDS),デオキシコール酸ナトリウム,又はトリト
ン(TRITON)X−100の商品名で市販されてい
る洗剤の存在下でベータメルカプトエタノールと共に又
は無しで分離操作を実施しても、この抗原決定基を有す
るポリペプチドが感染細胞の細胞質抽出物から必ず分離
し得るという事実から推論される。実際、前掲の洗浄剤
はタンパク質をいわば解きほぐす(“defaire”
又は“deplier”)能力があることで知られてい
る。従って全ての「コンフォーメーション」抗原決定基
はモノクローナル抗体により認識されなくなると考えら
れる。この推論は特に、「コンフォーメーション部位」
が天然タンパク質の初期コンフォーメーションに起因し
てこの天然タンパク質中で互に非直接的に結合する配列
の接近によってしか相互に接近し合わないようなアミノ
酸配列を利用すると仮定した場合に引き出される。この
考え方に立てば、前記抗原部位を担持するこのタンパク
質又はポリペプチドは恐らく免疫原でもあり、従ってウ
イルス自体を中和する抗体のin vivo産生を誘発
し得ることになる。
【0040】本発明の抗体が必要に応じ酵素による分解
に対して保護した細胞抽出物中で分子量約68,000
のタンパク質のみを特異的に検出し、これとは明らかに
異なる分子量をもつ他の全てのポリペプチド又はタンパ
ク質は検出しないとすれば、このポリペプチド又はタン
パク質自体を細胞融合によって得たハイブリドーマによ
り産生し得るモノクローナル抗体の選択と分離とに使用
できることになる。尚前記細胞融合は別のタイプの骨髄
腫とこれら骨髄腫細胞に融合すべき脾臓細胞を免疫する
ための別のHCMVとを使用して行なわれる。
【0041】
【実施例】本発明の他の特徴は、ハイブリドーマの形成
と、これらハイブリドーマのうち本発明に適合する抗体
を産生し得るものを分離する操作とに関する以下の実施
例から明らかにされよう。
【0042】これら実施例で使用される技術は下記の操
作法に従って実施した。
【0043】1) ハイブリドーマの形成 解凍したヒト感染細胞MRC−5の懸濁液を腹腔内注射
してマウスに免疫を与える。これら細胞はAd−169
HCMV株に感染させた後5日間冷凍しておいてもので
ある。3〜4週間後これらマウスに2次注射(une infec
tion de rappel) を行なう。マウスを殺し、脾臓を取出
す。これは2次注射の3日後に細胞融合を行なうためで
ある。脾臓細胞を骨髄腫細胞SP2 /OAg14(シュ
ルマン(SCHULMANN)他の株,「ネーチャー
(Nature)」,1978年,276 ,269/
270)と融合させ、形成されたハイブリドーマを、ポ
リオウイルスに対するモノクローナル抗体を分泌するハ
イブリドーマの形成についてアール・クレイニック
(R.CRAINIC)他により「デペロップ.バイオ
ロ.スタンダード(Develap. Biol. Standard )」,1
982年,50,229−234に記載されている方法
に従い、ヒポキサンチン(5mM)とアザセリン(1m
M)とを含むRPMI培地中で選別にかける。
【0044】2) 陽性のハイブリドーマの選択 このようにして得たハイブリドーマの培養の上清部を遅
延抗原製剤(preparation dantigene tardif)を用いて
間接蛍光抗体法により選択処理し、HCMVに対する特
異抗体を分泌し得るものを得た。一連の陽性のハイブリ
ドーマを限定希釈法によってクローン化し、次いで前出
のシー・アマデイ等の論文に記載の方法に従いこれらク
ローンの上清部を間接蛍光抗体法により同様にテストす
る。このようにしてシー・アマデイ等のモノクローナル
抗体F6bと類似の特性をもつモノクローナル抗体を分
泌するハイブリドーマを選択する。C.N.C.M.に
o I−289の番号で寄託されたのはこれらの株の1
つである。
【0045】3) モノクローナル抗体の標識 シー・アマデイ等による方法に従い前記クローン(2×
106 細胞)を35S−メチオニン又は 3H−メチオニン
で標識する。
【0046】4) プロテインAへの固定の検出 これもアマデイ他の論文に記載の方法で行なう。
【0047】前述の3)及び4)のテストはより特定的
には、HCMVに予め感染させたヒト培養細胞を用いる
免疫蛍光法により検出し得る反応を生起する、更にプロ
テインAにより沈殿し得るというモノクローナル抗体の
能力を識別するためのものである。
【0048】これらのモノクローナル抗体から分子量約
68,000のポリペプチドとしか反応し得ないものを
検出する場合には、予め感染させておいたヒト細胞に放
射性又はこれと類似の標識を前もって与えておき、後で
これら細胞の細胞抽出物を回収するようにするのが好ま
しい。次いでこれらの細胞抽出物を選択すべき未標識モ
ノクローナル抗体と反応させる。
【0049】5) 抗原の抽出 感染又は未感染細胞をカルシウムイオン及びマグネシウ
ムイオンを含むリン酸緩衝生理食塩水(完全PBS)に
よりその場で2回洗浄し、フッ化フェニルメチルスルホ
ニル10-4M(PMSF)とジイソプロピルフルオロホ
スフェート10-4(DFP)とを含む完全PBS中で掻
き取り(raclage)により回収する。次いでこれ
ら細胞を1979年のビールス学誌(J.Viro
l.)32,259−267に記載のマイケルソン(M
ICHELSON)他の方法に従い、塩含有率とpHと
が高く、NP−40の名称で市販されている洗浄剤を
0.5%含む溶液中で抽出処理にかける。場合によって
は細胞を低張緩衝液中で膨張させ、NP−40を加え
(最終濃度0.5%)且つ該細胞懸濁液をプランジャピ
ストンの作用下において細胞を粉砕した後細胞質から核
を分離した(マイケルソン等の方法による)。前記懸濁
液を4℃で5分間800gの遠心分離にかけると形成さ
れた沈殿物中に核が捕捉される。細胞質画分を構成する
上清を回収し、前記核を前述と同様の抽出処理にかけ
た。
【0050】全ての抽出物を4℃で15−30分間、1
5,000gの遠心分離にかけ、使用時まで−70℃で
凍結した。ホスホトランスフェラーゼ活性測定テストの
場合には後述の条件で所望の抗原の即時免疫沈降(immu
noprecipitation immediate)を行なう。この抗原は黄
色ブドウ球菌に結合した状態で保存し得る。
【0051】6) 免疫沈降 この沈降は5μlの腹水液を用いて200μgの抽出タ
ンパク質により実施する。抗原及びモノクローナル抗体
(F6b)を室温で1時間半撹拌しながらインキュベー
トする。熱で不活化し且つホルムアルデヒドで固定した
カウアン(Cowan)の血清型Iの黄色ブドウ球菌株
を10%含む懸濁液の形状でプロテインAを添加する
(腹水液5μl当り50μl)。抗原−抗体複合体をN
ETS媒質(エス・ダブル・ケスラー(KESSLER S. W.
),免疫学誌(J. Immunol. )1975年,115,
1617−1624)中で3回洗浄し、4℃で10%懸
濁液の形状でこの緩衝液中に保存する。この複合体は1
00℃で5分間加熱することにより電気泳動緩衝液中で
解離させてもよい。免疫沈降物をドデシル硫酸ナトリウ
ムポリアクリルアミド電気泳動ゲル(10%SDS−P
AGE)を用いて分析した。タンパク質の分解を30−
35mAの電流下における示差移動(migrationdiffire
ntielle)によって実施した。必要に応じ欧州生化学誌
(Eur. J. Biochem.),1974年46,83−88に
記載のボナー(BONNAR)他の方法によって、但し
ジメチルスルホキシド(DMSO)をベースとする単一
浴を37℃で15分間使用し且つDMSO+20%の
2,5−ジフェニルオキサゾール(PPO)からなる単
一浴を37℃で30分間使用して、フルオログラフィー
を行なった。
【0052】7) 細胞の放射性標識 幾つかの感染細胞を感染の1時間後に選択し且つ15分
間メチオニン除去処理にかける。次いで10μCi/m
lの35S−メチオニンを含む媒質中でウイルス吸収操作
を行なう。残りの感染細胞試料に関してはウイルスを1
時間吸収させ且つ増殖培地を加えた。全ての細胞を15
分間メチオニン除去処理にかけ、その後2時間標識処理
し、その後で感染後夫々3,9,24,48,72及び
96時間の時点で採取した。未感染細胞も同様の方法で
標識した。標識媒質としては10μCi/mlの35S−
メチオニンを含みメチオニンを除去したイーグル(Ea
gle)最小必須培地を使用した(アメルシャム(AM
ERSHAM),1300Ci/mMの比放射能)。リ
ンタンパク質の標識処理はリン酸塩を含まず100μC
i/mlの32P−オルトリン酸塩を含む改変ダルベッコ
(DULBECCO)培地中で3時間実施した。
【0053】8) プロテインキナーゼ活性の検出 特に断りがない限りプロテインキナーゼ活性のテスト
は、pH6.8のリン酸マグネシウム22mM緩衝液K
Piと、硫酸マグネシウムMgSO4 5mMと、EDT
A0.15mMと、ATP0.1mMと、3μCiの32
P−ATPと、1mg/mlのカゼインとを含む媒質
(最終容量100μl)中でバクテリアに結合した酵素
50μlを用いて行なう。カゼインはSDS−PAGE
ゲルにおける免疫沈降物の分析テストでは使用しない。
次いで免疫沈降物を前述の方法で洗浄し、反応混合物中
に再懸濁させ、30℃で30分間インキュベートする。
10μlのEDTA0.3M溶液を用いて反応を停止さ
せる。遠心分離を5000g、4℃で4分間行なって免
疫沈降物を分離する。上清部をトリクロル酢酸(TC
A)5%溶液によって沈殿させる。沈殿物をソーダ1M
溶液中に溶解し、TCAによって再沈降させ、ワットマ
ン(WHATMAN)G.F./C.の名称で市販され
ているフィルタで濾過することにより洗浄する。エタノ
ールで更に洗浄した後前記フィルタを乾燥させ、パッカ
ード(PACKARD)液体シンチレータ中でインパル
スの計数を行なう。ゲルで分析すべき免疫沈降物をKP
i緩衝液中で3度洗浄し、電気泳動緩衝液中に懸濁さ
せ、前述の条件下で10%SDS/PAGEゲルを用い
て分析する。
【0054】9) 沈降係数の計算 35 S−メチオニンで標識された抗原を形成し、前述の如
き感染細胞からの抽出処理に120時間かけた。この抗
原をPBS中に形成した5−25%スクロース勾配の上
層部に置き、4℃、35,000回転/分で17.25
時間、ベックマン(BECKMAN)SW−41ロータ
で遠心分離処理する。画分を回収し、各画分をモノクロ
ーナル抗体F6bで免疫沈降させ、次いでSDS−PA
GEにより分析した。
【0055】10) 32Pで標識したアミノ酸の電気泳
カゼンインを存在させずに得た免疫沈降物を用いるプロ
テインキナーゼ反応の後、32Pで標識された生成物を
0.1%のSDSを含むNH4 HCO3 0.1%溶液で
分離する。この試料を真空下で乾燥し、HCl6M中に
懸濁させた後110℃で一晩加水分解する。HCl蒸発
後試料を電気泳動緩衝液中に懸濁させる。セルロースで
被覆された薄いプレート(マシェレイ−ナゲル・アンド
・カンパニー(MACHEREY-NAGEL & Co.)社より市販)を
使用しホスホアミノ酸を1000Vで45分間pH3.
5で分離処理する(50ml/lの酢酸と5ml/lの
ピリジンとで調製した媒質を使用)。標準試料(eta
lon)をカドミウム−ニンヒドリン試薬で着色し(生
物学化学誌(J. Biol. Chem.)1982年,257,1
5156−15161にドリッケーマー(DRICKA
MER)他により記述)、前記プレートをコダック(K
odak)X−Omatフイルムに一週間さらした。
【0056】モノクローナル抗体F6bにより免疫沈降
したポリペプチドは約68,000の分子量を有する
(p68)。このポリペプチドは感染後3時間で感染細
胞の核から免疫沈降し得る。これはまた感染後24時間
で細胞質抽出物から免疫沈降させることもできる。抽出
タンパク質全体に対するこのポリペプチドの含量は感染
後96時間で0.5%に達し得る(回収した免疫沈降物
に含まれる放射能のパーセンテージに基づいて算出)。
このポリペプチドは20°の水中で6.9の沈降係数を
示す(カタラーゼからなる標識及び子牛血清アルブミン
からなる標識と比較)。
【0057】周知の分子量をもつ下記の4種の物質の同
一電気泳動システム内での移動距離に対するp68の分
子量を評価した。
【0058】−ホスファリラーゼ(94,000)− 子牛血清アルブミン(68,000)− フマラーゼ(49,000)− アルドラーゼ(40,000) このポリペプチドは前述のin vitroリン酸化能
力を示す。アクセプタとして使用されるカゼインとのプ
ロテインキナーゼ反応はpH6−6.5で最適に生起す
る。この反応はより酸性又はよりアルカリ性のpHをも
つ媒質中では早急に衰える。この反応はMg2+イオンの
存在に依存する。これらの反応はcAMP依存反応では
ない。リン酸塩転移反応は高いpHでのマンガンの存在
下では生起しない。このポリペプチド(又はこの酵素)
は安定であり、黄色ブドウ球菌と結合した状態で保存し
得、4℃で6週間保存した後でも失活しない。モノクロ
ーナル抗体F6bと複合体化しても活性は失われない。
【0059】この酵素は自己リン酸化し得、これはスレ
オニンとセリンとからなるアミノアシル残基部分で生起
する。
【0060】約68,000の分子量をもち且つ前述の
特性を有するポリペプチドは他のサイトメガロウイルス
株、特にタウン及びディヴィスのヒト菌株により感染し
たヒト細胞特に肺繊維芽細胞内で誘発される。これに対
し、サルに特異的なサイトメガロウイルス株(コルバー
ン(COLBURN)株及びSGC株)は株F6Bによ
り分泌されるモノクローナル抗体によって識別し得る分
子量68,000のタンパク質の産生を誘発しない。
【0061】従って本発明はより特定的にはモノクロー
ナル抗体F6bの特性を有するモノクローナル抗体を産
生する株の選択に係る。
【0062】実際、このモノクローナル抗体を使用する
とHCMVウイルス感染をin vitroで確実に診
断できる。前述の如くこの検出は特に蛍光抗体反応によ
り感染サイクルの実質的に如何なる時点でも行ない得
る。このモノクローナル抗体は更に、蛍光抗体法によっ
て実現される診断をヒトサイトメガロウイルスにより誘
発されるタンパク質と共に複合体を形成するという同一
抗体の能力によつ確認し得るという大きな利点をも有す
る。前記タンパク質の存在はプロテインキナーゼ活性に
よって発見できる。これらの活性はかなり正確に検出し
える。また、前述タイプのモノクローナル抗体の使用は
感染したヒト細胞の感染度の定量テストでも利用し得
る。
【0063】本発明は例えばサイトメガロウイルスにお
ける分類がアプリオリに定かでないウイルスを識別する
テストなどで重要な生物学的試薬として用いられるポリ
ペプチド自体にも係る。逆に、このポリペプチドは診断
「キット」を構成する最も有効なモノクローナル抗体を
選択するのに使用し得る。
【0064】本発明はまた前述の如きin vitro
診断を行なうための「キット」にも係る。このキットは
主として− 少なくとも1つのマイクロプレートと、− その診断に適したモノクローナル抗体を含む製剤
と、− 対照細胞抽出物(ヒト細胞特にMRC−5型細胞か
ら得たもの。これら細胞は予めHCMVに感染又は未感
染)と、− ヒト血液の免疫グロブリンに対する標識した(放射
性、酵素、蛍光性その他の標識で)抗体と、− 種々の操作と、反応した生成物の蛍光顕微鏡による
最終検査とに適した緩衝液とで構成される。
【0065】このようなキットは例えば下記の手順で使
用する。
【0066】−細胞バイオプシーによって得た検査す
べき細胞抽出物を滴定プレートの1つ又は複数の杯状部
に配置し、表面に吸着させる。
【0067】−マイクロプレートの杯状部即ち凹部に
モノクローナル抗体製剤を適量導入する。
【0068】−前記プレートを適温でインキュベート
する。
【0069】−次いでこのマイクロプレートを十分に
洗浄する。
【0070】−血液免疫グロブリンに対抗し、従って
モノクローナル抗体に対抗する標識した抗体をマイクロ
プレートの凹部に導入し、このプレートを再度インキュ
ベートする。
【0071】−標識を検出する(例えば標識が酵素の
場合は適切な基質への作用などによって)。
【0072】これら一連の操作は比較のために対照細胞
抽出物に関しても行なう。
【0073】有利には、例えば前述の如き条件下で得ら
れた細胞抽出物を例えば前述の如きアガロースゲルに固
定されたモノクローナル抗体を含むアフィニティ・クロ
マトグラフィ・カラムに通し、使用するモノクローナル
抗体とこれら抗体により特異的に認識されるポリペプチ
ドとの複合体を形成した場合にはこの複合体を解離し、
且つ前記ポリペプチドの定量をそのプロテインキナーゼ
活性を利用して行なうことにより検出テスト及び定量テ
ストを実施してもよい。
【0074】以上の説明からも明らかなように、本発明
は前述の特定実施例及び使用例には限定されず、あらゆ
る変形例を包含する。
フロントページの続き (73)特許権者 594198569 アンステイテユ・ナシオナル・ドウ・ ラ・サンテ・エ・ドウ・ラ・ルシエルシ ユ・メデイカル フランス国、75013・パリ、リユ・ド ウ・トルビアツク、101 (72)発明者 フロリアン・オロー フランス国、92190・ムードン、リユ・ アルベール−ドウ−マン、2 (72)発明者 スーザン・ミシエルソン フランス国、78590・ノワジー・ル・ロ ワ、リユ・アンドレ・ルブールブラン、 1、ラ・ガイヤルドリ・ニユメロ・キヤ トル (72)発明者 オクタヴイアン・バルズ フランス国、91300・マツシー、リユ・ ドウ・ラ・ソーセイ、30 (72)発明者 アンドレ・ブー フランス国、78210・サン−シール・レ コル、リユ・ドユ・ドクトウール・ヴア イヤン、7 (72)発明者 クレール・アマデ フランス国、92400・クルブヴオワ、リ ユ・ピエール−キユリー、15

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.ヒトサイトメガロウイルスによりヒト由来の細胞内
    に誘発されるポリペプチド又はそのフラグメントであっ
    て、該ポリペプチド ――約68,000の分子量を有し、 ――カゼインキナーゼIIタイプのプロティンキナーゼ
    活性を有し、 ――リンをATPからカゼイン,ホスビチン,グリコー
    ゲン−シンテターゼ,ヒストン及びアルファーホスホリ
    ラーゼに転移でき、 ――該プロテインキナーゼ活性がクエルシチンによって
    阻害され、 ――in vitroで自己リン酸化し得、かつ ――感熱性を有する(−70℃及び100℃で活性消
    失) ことを特徴とし、該フラグメントが該ポリペプチドの配
    列エピトープを含み、該エピトープは ――予めHCMVに感染させ且つアセトンで固定したヒ
    ト由来培養細胞において蛍光抗体法により検出し得る反
    応を生起し、かつ ――予めHCMVに感染させたヒト細胞内でHCMVに
    より誘発され、プロテインキナーゼII活性を有し、
    記感染細胞内に早期に出現し(細胞へのウイルス吸着
    後3〜5時間で検出可能)、前記感染細胞内に蓄積さ
    れ、出現後少なくとも4日間は前記感染細胞内に存在
    し、約68,000の分子量をもち、連続配列エピトー
    プを担持し、かつ前記感染細胞の核内でのウイルスポリ
    ペプチドの出現後に少なくとも該ポリペプチドの一部分
    拡散している細胞質から分離され得る単一のウイルス
    ポリペプチドと本質的に反応するという諸性質によって
    規定されるモノクローナル抗体と反応することを特徴と
    する、上記のポリペプチド又はそのフラグメント。 2.C.N.C.M.にN I−289で寄託された
    ハイブリドーマにより産生したモノクローナル抗体によ
    り複合体化されることを特徴とする請求項1に記載のポ
    リペプチド又はそのフラグメント。 3.プロテインキナーゼ活性がMg2+イオンの存在に
    は依存するが、マンガンイオンの存在にもcAMPの存
    在にも依存しない請求項1に記載のポリペプチド。 4.黄色ブドウ球菌(Staphylococcus
    aureus)のプロテインAに結合されることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリペプチド又
    はそのフラグメント。 5.該モノクローナル抗体との複合体の形態を有するこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリペ
    プチド又はそのフラグメント。
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