JP2742404B2 - 低ＮＯｘラジアントチューブバーナ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、排ガスを火炎中に
吸引してＮＯｘを減少させる低ＮＯｘラジアントチュー
ブバーナに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、ラジアントチューブバーナで
は、ラジアントチューブの温度を全長にわたって均等に
し又ＮＯｘを減少するために、燃焼空気の流速を遅くし
て燃料との混合を遅らせている。しかし、ラジアントチ
ューブは限られた空間内で燃料を燃焼するものであるか
ら、燃料と燃焼空気との混合を遅らせるにも限度があ
る。また、省エネのために廃熱の回収効率を高めようと
すればＮＯｘが上昇するという問題があった。そこで、
燃料空気又は火炎中に排ガスを混入させることによりＮ
Ｏｘの上昇を防ぐラジアントチューブバーナが提案され
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来から提案
されている排ガス混合型のラジアントチューブバーナで
は排ガス吸引装置（例えばイジェクタ）を設け、これに
より排ガスを吸引し供給するようにしている。そのた
め、吸引装置だけでなくこれを制御する設備も必要とな
り、装置が複雑であるという問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するためになされたもので、一端側に排ガス供給管を
連結するとともに他端側に排ガス排出管を連結したラジ
アントチューブと、燃料供給管を内蔵しかつその先端部
近傍に一次燃焼室を形成した燃焼空気供給管を上記排ガ
ス供給管に臨ませて構成した燃焼装置と、上記燃焼空気
供給管と排ガス排出管の間に設けた熱交換器とからなる
ラジアントチューブバーナにおいて、上記熱交換器上流
側の排ガス排出管と熱交換器下流側の排ガス供給管とを
連絡するバイパス管を設けたものである。

【０００５】

【発明の作用効果】この低ＮＯｘラジアントチューブバ
ーナでは、燃料供給管から噴出した燃料が一次燃焼室で
燃料空気供給管から供給される燃焼空気により燃焼し、
一次空気燃焼室の前方からラジアントチューブ内に火炎
が噴出する。また、火炎の噴出により排ガス供給管に負
圧（吸引圧）が発生し、これにより排ガスがバイパス管
を介して排ガス排出管から排ガス供給管に吸引されて火
炎に混合される。その結果、ＮＯｘが減少するうえ、特
別な駆動装置を必要としないので装置が複雑化すること
もない。また、排ガスの熱を回収して燃焼空気を予熱す
る熱交換器を設けられており、これにより燃焼効率を高
めることができる。

【０００６】なお、ガス供給管は燃焼空気供給管の前方
に絞り部を備えてもよく、これによれば排ガス供給管の
負圧（吸引圧）がさらに上昇する。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明の好適な実施の形態を説明する。図１において、符号
２は本発明の低ＮＯｘラジアントチューブバーナ、符号
４は炉壁、符号６はラジアントチューブである。ラジア
ントチューブ６としてはＵ型、Ｗ型などの種々の形式の
ものが公知であり、いずれの形式も本発明に適用可能で
ある。

【０００８】このラジアントチューブ６はその両端部を
炉壁４に貫通して固定してあり、図の上方に位置する一
端側に排ガス供給管８が接続してある。排ガス供給管８
には燃焼空気供給管１０を同心的に臨ませてあり、他端
部がフランジ１４で閉鎖してある。燃焼空気供給管１０
はその挿入側端部を絞って火炎ノズル１２としてある。
燃焼空気供給管１０には燃料供給管１６を同心的に内蔵
してあり、他端部はフランジ２２で閉鎖してある。この
燃料供給管１６の挿入側端部には燃料ノズル１８が設け
てあり、この燃料ノズル１８は火炎ノズル１２の端部か
ら所定距離内側に位置させ、これにより燃料ノズル１８
の前方に一次燃焼室２０が形成してある。上記燃料供給
管１６、燃焼空気供給管１０および一次燃焼室２０で燃
焼装置を構成する。

【０００９】図の下方に位置するラジアントチューブ６
の他端側には排ガス排気管２４の一端が接続してあり、
この排ガス排気管２４の他端は熱交換器２６に接続して
ある。熱交換器２６は、排ガス排気管２４の延長上に設
けた外筒２８と、外筒２８に同心的に外装した最外筒３
９と、外筒２８に同心的に内装した中間筒３０と、中間
筒３０に同心的に内装した内筒３４とを備えている。こ
れら外筒２８と中間筒３０とは外筒２８の端部で連結さ
れている。中間筒３０の挿入側端部は閉鎖されており、
その周囲には熱交換部材３２が設けてある。内筒３４の
挿入側端部は開放してあり、他端が燃焼空気供給管１０
に接続してある。また、外筒２８はさらに配管３６を介
して排気装置（図示せず）に接続され、最外筒３９は配
管３８を介して空気供給装置（図示せず）に接続されて
いる。

【００１０】排ガス排気管２４はまた熱交換器２６の上
流側でバイパス管４０を介して熱交換器２６の下流側の
排ガス供給管８に接続してあり、このバイパス管４０に
流量調節弁４２が設けてある。

【００１１】このラジアントチューブバーナ２では、内
筒３４から燃焼空気供給管１０に供給された燃焼空気は
一次燃焼室２０に噴出する。一方、燃料供給管１６に供
給された燃料は燃料ノズル１８から一次燃焼室２０に噴
出し、そこに噴射されている燃焼空気と混合して一次燃
焼する。これにより、火炎ノズル１２からラジアントチ
ューブ６の内部に向けて高速の火炎が噴出する。また、
高速火炎噴流の周囲の空気が吸引され、排ガス供給管８
に負圧（吸引圧）が発生する。その結果、バイパス管４
０を介してラジアントチューブ６の他端から排出される
排ガスの一部が排ガス供給管８に吸引されて高速火炎中
に混合され、燃料の二次燃焼に利用される。なお、火炎
に供給する排ガスの量は、バイパス管４０の流量調節弁
４２を操作して適宜調整可能である。

【００１２】残りの排ガスは排ガス排気管２４から外筒
２８と中間筒３０との間を通り、配管３６から排出され
る。また、排ガスの熱が熱交換部材３２に回収され、配
管３８から最外筒３９と外筒２８との間に供給されて中
間筒３０と内筒３４の間を通る燃焼空気が前記回収熱に
よって予熱される。

【００１３】上記ラジアントチューブバーナ２によれ
ば、燃料火炎によって排ガス供給管に負圧（吸引圧）を
形成し、それによってバイパス管４０を介して排ガス排
気管２４から排ガス供給管８に排ガスを吸引しているの
で、特別な機械的、電気的設備を必要とせず、簡単な設
備でＮＯｘの低下を図ることができる。また、排ガスの
熱を利用して燃焼空気が予熱されるので、燃料の燃焼効
率がよい。

【００１４】なお、図２に示すように、火炎ノズル１２
の前方にはベンチェリ構造の絞り部４４を設けてもよ
い。この場合、火炎ノズル１２から噴出する火炎がさら
に高速になり、排ガスの吸引圧が増大する。その結果、
燃焼空気の供給圧力を低下させることが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る低ＮＯｘラジアントチューブバ
ーナの構成を示す断面図である。

【図２】 本発明の他の実施例を示し、空気供給管の前
方に設けたベンチェリ構造の絞り部を含むの断面図であ
る。

【符号の説明】

２…ラジアントチューブバーナ、４…炉壁、６…ラジア
ントチューブ、８…排ガス供給管、１０…燃焼空気供給
管、１２…火炎ノズル、１６…燃料供給管、１８…燃料
ノズル、２０…一次燃焼室、２４…排ガス排気管、２６
…熱交換器、４０…バイパス管、４２…流量調節弁、４
４…絞り部。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端側に排ガス供給管を連結するととも
   に他端側に排ガス排出管を連結したラジアントチューブ
   と、燃料供給管を内蔵しかつその先端部近傍に一次燃焼
   室を形成した燃焼空気供給管を上記排ガス供給管に臨ま
   せて構成した燃焼装置と、上記燃焼空気供給管と排ガス
   排出管の間に設けた熱交換器とからなるラジアントチュ
   ーブバーナにおいて、 上記熱交換器上流側の排ガス排出管と熱交換器下流側の
   排ガス供給管とを連絡するバイパス管を設けたことを特
   徴とする低ＮＯｘラジアントチューブバーナ。
2. 【請求項２】 上記排ガス供給管は燃焼空気供給管の前
   方に絞り部を有する請求項１の低ＮＯｘラジアントチュ
   ーブバーナ。