JPH0531378Y2

JPH0531378Y2 -

Info

Publication number: JPH0531378Y2
Application number: JP1989081441U
Authority: JP
Priority date: 1989-07-11
Filing date: 1989-07-11
Publication date: 1993-08-12
Anticipated expiration: 2003-08-12
Also published as: JPH0321626U

Description

【考案の詳細な説明】〓産業上の利用分野〓この考案は、ガスを燃料とする窒素酸化物の発
生が低減されたガス専用温水ボイラに関する。

〓従来の技術〓従来のガス或いは油を燃料とする温水ボイラ
は、第４図に示す如く、バーナ３１が火室３２の
中心に向かつて燃焼炎３３を噴出するように設け
られており、噴出した燃焼炎３３は、火室３２の
中央部分において最も大きく、その先端はバーナ
３１と対面する火室３２の壁３４に当たつてい
た。そのため、火室中央部分及び燃焼炎３３が向
くバーナ３１と対面する火室３２の壁の温度が高
くなつている。

火室３２の周囲には内筒３５と外筒３６とより
なり内筒３５が火室壁３４を兼ねる水室３７が設
けられており、水室３７内の水と燃焼炎との間で
熱交換が行なわれるが、火室３２の中央において
最も高温になると上記熱交換の点から見ると効率
の良いものではなく、燃焼炎３３は出来るだけ火
室壁３４に沿つた水室３７に近く位置するのが、
熱交換の効率からも、燃焼炎３３の温度を低下さ
せる上からも望ましい。

上記の燃焼時に、燃焼温度が高まると窒素酸化
物の発生が高まることは知られている。

そこで、これに対処して第５図に示す如く、火
室３２内のバーナ３１の燃焼炎３３の噴出軌跡内
に位置して、該燃焼炎を火室３２を囲う水室３７
の内筒３５に沿つて流すように方向づけた案内体
３８を設け、温水ボイラが開発された。しかし、
このボイラには火室３２内に案内体３８を設ける
ための設備費と手間を要した。

〓考案が解決しようとする課題〓この考案は、上記の点に鑑みて、火室内に案内
体を設けることなく火室壁面に沿つて炎を噴出
し、窒素酸化物の発生が低減され、また熱交換効
率を高めることができる温水ボイラを提供するこ
とを目的とする。

〓課題を解決するための手段〓外管、中管、内管により、中心部と外周部とに
空気流路を、その中間にガス流路を設けた三重構
造のバーナにおけるドラフトチユーブの、前記内
管の先端を先拡がりのガイドリングとし、その拡
開端部にガイドリングの開口の大部分を閉鎖する
バツフル板を設け、このバツフル板の周縁とガイ
ドリングとの間に間隙を形成し、外管と中管とに
よる空気流路の端部には前記ガイドリングに対向
する多孔板を設け、ガイドリングと該多孔板とに
より燃焼室を形成し、燃焼室で燃焼した炎を、内
管の送給空気をバツフル板の間隙から噴出させて
火室を囲う水室の内筒面に沿つて流れるように方
向づけ、内管の送給空気はガイドリングの過熱を
防止すると共に燃焼炎の温度を低下させた。

〓作用〓バツフル板の周縁とガイドリングとの間に形成
された環状間隙から噴出する内管の送給空気は、
燃焼炎を、火室を囲う水室の内筒面、即ち、火室
壁に沿つて流れるように方向づけされるから、熱
交換効率は向上すると共に、燃焼炎の温度が低下
して窒素酸化物の発生が低減される。また、内管
の送給空気はガイドリングの過熱を防止すると同
時に、燃焼炎の温度を低下させて窒素酸化物の発
生を低減するのに寄与している。

〓実施例〓添付図面と共に、この考案の実施の一例を説明
する。

火室１を囲つて外筒２と内筒３とで構成された
水室４を設ける。水室４には加熱される水が収容
される。水室４の周囲は保温材５で囲われてい
る。保温材５及び水室４の一部を貫いて火室１に
開口するバーナ挿入口６を設け、その中にバーナ
７の先端であるドラフトチユーブ８がセツトされ
る。この考案はバーナ７に特徴を有するがその詳
細を第２図と第３図とで説明する。

ドラフトチユーブ８は外管９、中管１０、内管
１１の三重構造をなし、外管９の端部にブロア１
２を設け、ブロア１２からの送気を外管９と中管
１０とで構成される空気流路１３、中管１０と内
管１１とで構成されるガス流路１４には燃焼用の
ガスが内管１１内に導管１５を通して送給され
る。内管１１の先端をラツパ状に開いたガイドリ
ング１６とし、また、このガイドリング１６の火
室１の側にガイドリング１６の開口の大部分を閉
鎖するバツフル板１７を設け、バツフル板１７の
周縁とガイドリング１６との間に環状間隙１８が
形成される。これによつて内管１１内に送給され
た空気はこの環状間隙１８から斜めに噴出する。

外管９と中管１０とによつて構成された空気流
路１３はその先端部を多孔板１９によつて閉塞さ
れているが、該多孔板１９は前記ガイドリング１
６のテーパー面とほぼ同じ傾斜面とし、その間を
ガス流路１３の端部に続く燃焼室２０としてい
る。燃焼室２０はラツパ状をなして開いている。
前記空気流路１３内には電極棒２１を設置し、電
極棒２１の先端は燃焼室２０内に突出している。
２２はバツフル板で、ガスの流れを空気流路１３
の多孔板１９に接近させている。

今、ブロア１２からの空気が空気流路１３に、
また、導管１５からガスがガス流路１４にそれぞ
れ送られると、前記ガスと空気は燃焼室２０で混
合し、電極棒２１のスパークにより着火燃焼し、
燃焼炎２３は火室１内にラツパ状に開いて噴射さ
れる。また、内管１１内の空気はガイドリング１
６においてバツフル板１７の環状間隙１８から斜
めに開いた状態で噴出し、燃焼炎２３を火室１の
内筒３の面に沿つて流れるように方向づけされ、
内筒３に沿つて進行するから、この間、水室４内
の水と熱交換して温水とする。この間、燃焼炎２
３はガイドリング１６によつて冷され、従来の通
常のボイラによるよりも低温の燃焼炎２３とな
り、また従来装置の案内体３８によるものとほぼ
同程度の低温の燃焼炎２３となり、排出ガスに含
まれるNO₂，NO₃など窒素酸化物は低減された
ものとなる。また、ガイドリング１６はガスの燃
焼によつて加熱されるが、内管１１内の送給空気
によつて冷却されることからガイドリング１６は
加熱されることが防止される、この説明ではバツ
フル板１７はドラフトチユーブ８の一部とした
が、これに限ることなくドラフトチユーブ８とは
全く別体にして火室１に独立のものとして設けて
もよい。

〓考案の効果〓この考案は以上に詳細に説明したように構成さ
れているから、リングチユーブの先端から環状に
噴出する燃焼炎は、ガイドリングとバツフル板と
によつて形成された環状間隙から噴出する内管か
らの空気流によつて火室の内筒の面に沿つて流れ
るように方向づけされて進行し、その間、水室内
の水と熱交換して温水とするから、熱交換効率が
良好となり、またこの熱交換によつて燃焼炎は冷
され、低温の炎となるため窒素酸化物の発生は低
減されるものとなつた。またガイドリングは内管
に送給される空気により冷却されることから、こ
のガイドリングは燃焼炎の温度を低くすることに
も寄与し、これもまた排ガス中に排出される窒素
酸化物の低減に役立つている。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
はこの考案におけるボイラにおいてバーナの真上
付近で切断した状態の横断面図、第２図はこの考
案の実施の一例を示すボイラの縦断側面図、第３
図は第２図のボイラにおけるバーナの先端部であ
るドラフトチユーブの縦断側面図、第４図、第５
図は従来装置の横断面図である。１……火室、３……内筒、４……水室、７……
バーナ、８……ドラフトチユーブ、１１……内
管、１３……空気流路、１４……ガス流路、１６
……ガイドリング、１７……バツフル板、１８…
…環状間隙、１９……多孔板、２０……燃焼室、
２３……炎。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

外管、中管、内管により、中心部と外周部とに
空気流路を、その中間にガス流路を設けた三重構
造のバーナにおけるドラフトチユーブの、前記内
管の先端を先拡がりのガイドリングとし、その拡
開端部にガイドリングの開口の大部分を閉鎖する
バツフル板を設け、このバツフル板の周縁とガイ
ドリングとの間に間隙を形成し、外管と中管とに
よる空気流路の端部には前記ガイドリングに対向
する多孔板を設け、ガイドリングと該多孔板とに
より燃焼室を形成し、燃焼室で燃焼した炎を、内
管の送給空気をバツフル板の間隙から噴出させて
火室を囲う水室の内筒面に沿つて流れるように方
向づけ、内管の送給空気はガイドリングの過熱を
防止すると共に燃焼炎の温度を低下させることを
特徴とするガス専用温水ボイラ。