JP2799524B2 - 水管ボイラ - Google Patents

水管ボイラ

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JP2799524B2
JP2799524B2 JP2412537A JP41253790A JP2799524B2 JP 2799524 B2 JP2799524 B2 JP 2799524B2 JP 2412537 A JP2412537 A JP 2412537A JP 41253790 A JP41253790 A JP 41253790A JP 2799524 B2 JP2799524 B2 JP 2799524B2
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正 渡辺
道正 松本
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は上部管寄せと下部管寄せ
とを内列と外列の2列の環状に配列した水管群で連結し
て缶体を構成する水管ボイラに関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、この種の水管ボイラは上部管寄せと
下部管寄せとを内列と外列の2列の環状に配列した水管
群で連結した缶体を具備し、該缶体の中心軸上であって
且つ該缶体の上部又は下部にバーナ口を設け、該内列水
管の内周面と炉底と炉頂部からなる火炉内にて燃焼を行
う構造となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構造の水管ボイラにおいては、炉内が高温となり、燃
焼用空気中の窒素結合によるNox(所謂サーマルノッ
クス)が発生するという問題点があった。そしてこのサ
ーマルノックスを低減化するためには、特別なNox対
策用の機構が必要になるという問題があった。
【0004】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、燃焼温度を低く抑え、低Nox化が図れる水管ボイ
ラを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、上部管寄せと下部管寄せとを内列と外列の環
状に配列した内列水管群と外列水管群で連結して缶体
を構成する水管ボイラにおいて、外列水管群と内列水管
の所定の位置に開口部を設けると共に外列水管群の
開口部と内列水管群の開口部の間を仕切水管で仕切り、
外列水管群の開口部にバーナロを設けて容量の火炉を
形成し、火炉で燃焼させた燃焼ガスを外列水管群と内列
水管群の間に通して略1循させた後、内列水管群開口
を通して、内列水管群の内側に導く燃焼ガス通路を設
け、更に缶体中央上部に燃焼ガス出口を設けたことを特
徴とする。また、内列水管群の内側に給水加熱配置
したことを特徴とする。また、外列水管群の内、開口部
近傍で燃焼ガス通路の下流側に複数の水管と水管の間に
隙間を設け、隙間から空気或いは排ガス又は空気と排ガ
スの混合ガスを該燃焼ガス通路に吹き込むことを特徴と
する。
【0006】
【作用】本発明によれば水管ボイラを上記構造とするこ
とにより、外列水管群の開口部にバーナ口を設けて形成
した火炉はその容量が小さいため、火炉での燃焼は引き
続き内列水管群と外列水管群の間の隙間においても行わ
れる。内列水管群と外列水管群の隙間での燃焼は、該両
水管群に熱吸収されながらの燃焼となるため、その燃焼
温度は上昇しない。このように燃焼温度が低くなると、
サーマルノックスの生成は低減される。また、外列水管
群の内、開口部近傍で燃焼ガス通路の下流側に複数の水
管と水管の間に隙間を設け、該隙間から空気或いは排ガ
ス又は空気と排ガスの混合ガスを該燃焼ガス通路に吹き
込んだ場合は、これにより2段燃焼又は排ガス再循環が
行われ、燃焼が遅くなり、さらに燃焼温度は低くなり、
一層の低Nox化が図れる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明に係る水管ボイラの概略構造を示
す横断面図であり、図2はその縦断面図である。
【0008】図示するように、水管ボイラは、上部管寄
せ8と下部管寄せ9とを内列と外列に環状に配列した内
列水管群4と外列水管群5で連結して缶体を構成してい
る。そして該缶体の外周、即ち外列水管群5の外周を缶
体カバー6で覆うと共に、缶体の内周、即ち内列水管群
4の内周に遮蔽板12を配設した構造である。なお、内
列水管群4の下部には底板14が取付けられ、また内列
水管群4の上部には天板13が取付けられている。
【0009】一方、外列水管群5の所定位置には、開口
部5aが設けられ、該開口部5a部分の缶体カバー6の
部分は外方に広げられてウインドウボックス2が形成さ
れている。このウインドウボックス2の内側は耐火物1
1で覆われている。またウインドウボックス2内には、
複数のマルチバーナ1が挿入されている。そして、この
外列水管群5の開口部5aと内列水管群4とウインドウ
ボックス2と仕切水管17によって小容量(小容積)の
火炉Aが形成されている。
【0010】また、仕切水管17を挟んだ前記開口部5
aの反対側の内列水管群4には、燃焼ガスを内列水管群
4と遮蔽板12の間に導く開口部4aが設けられ、また
遮蔽板12の前記開口部4aの反対側(対向側)の部分
には燃焼ガスを遮蔽板12の内側に導く開口部12aが
設けられている。また、天板13の中央部には遮蔽板1
2内の燃焼ガスを外部に排出する燃焼ガス出口7が設け
られている。
【0011】上記構造の水管ボイラの火炉Aにおいて、
マルチバーナ1から噴射される燃料が燃焼すると、該火
炉Aの容量(容積)が小さいので、この燃焼は火炉Aの
内部のみで終了せず、燃焼ガス通路となる内列水管群4
と外列水管群5の間においてもその燃焼は継続する。こ
こで、内列水管群4と外列水管群5の隙間での燃焼は、
その該燃焼熱が内列水管群4と外列水管群5とに吸収さ
れるため、その燃焼温度が低くなる。この燃焼温度の低
下により、サーマルノックスの生成は低減化される。
【0012】そして内列水管群4と外列水管群5の隙間
を通過した燃焼ガスは、内列水管群4の開口部4aを通
過して、内列水管群4と遮蔽板12の間を通過し、遮蔽
板12の開口部12aから該遮蔽板12の内側に導か
れ、燃焼ガス出口7から外部に排出される。
【0013】図3は本発明に係る他の水管ボイラの概略
構造を示す縦断面図である。この水管ボイラが、図1及
び図2に示す水管ボイラと相違する点は図示するよう
に、遮蔽板12の内側に給水加熱器10を配設した点で
ある。このように構成すると、遮蔽板12内に流れ込ん
だ燃焼ガスは、ここでさらに給水加熱器10を加熱し、
その後燃焼ガス出口7から外部に排出されることにな
る。このように遮蔽板12の内側に給水加熱器10を配
設すれば、外部に給水加熱器の設置スペースを必要とし
ないから、設置スペースの少ない水管ボイラが構成でき
る。
【0014】図4乃至図6はそれぞれ本発明に係る他の
水管ボイラの開口部5aの近傍部分を拡大して示す要部
概略横断面図である。
【0015】図4に示す水管ボイラにおいては、外列水
管群5の開口部5aの片側の水管と水管の間に3個所の
隙間5bを設け、該隙間5bの外側に設けた通路16か
ら該隙間5bを通して外列水管群5の内側に2次空気を
導入する構成としている。このように構成すると、上記
小容量の火炉Aでの燃焼に引き続き、2次空気によって
内列水管群4と外列水管群5の間で2段燃焼が行われる
こととなる。このような2段燃焼を行わせることによ
り、燃焼は遅くなり、更に燃焼温度は低くなり、低No
x化が図れる。
【0016】図5に示す水管ボイラにおいては、外列水
管群5の開口部5aの片側の水管と水管の間に3個所の
隙間5bを設け、該隙間5bの外側に設けた通路16か
ら該隙間5bを通して外列水管群5の内側に排ガスを導
入する構成としている。このように構成すると、上記小
容量の火炉Aでの燃焼を開始した燃焼中のガスに対して
排ガスを送り込むことができ、排ガスの再循環を行うこ
とができ、これによって燃焼は遅くなり、燃焼温度は低
くなり、一層の低Nox化が図れる。
【0017】図6に示す水管ボイラにおいては、外列水
管群5の開口部5aの片側の水管と水管の間に3個所の
隙間5bを設け、該隙間5bの外側に設けた通路16か
ら該隙間5bを通して外列水管群5の内側に2次空気と
排ガスを導入する構成としている。このように構成する
と、内列水管群4と外列水管群5の間に2次空気と排ガ
スが送り込れ、これによって2段燃焼と排ガス再循環が
同時に行うことができる。従って、上記同様に燃焼は遅
くなり、燃焼温度は低くなり、一層の低Nox化が図れ
る。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば下記
のような優れた効果が得られる。 (1)小容量の火炉での燃焼は引き続き内列水管群と外
列水管群の隙間においても行われるため、その燃焼温度
は上昇することなく、サーマルノックスの生成が低減さ
れる。 (2)また、燃焼ガス出口を缶体中心の上部に設け、ま
た、内列水管群の内側に給水加熱器を設けたので、水管
ボイラの設置スペースを小さく、即ち水管ボイラの小型
化が図れる。 (3)また、外列水管群の内の開口部近傍に位置する複
数の水管と水管の間に隙間を設け、該隙間から空気或い
は排ガス又は空気と排ガスの混合ガスを吹き込む吹き込
み口とした場合、さらに燃焼温度を低く抑えることがで
きるから、一層の低Nox化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水管ボイラの概略構造を示す横断
面図である。
【図2】本発明に係る水管ボイラの概略構造を示す縦断
面図である。
【図3】本発明に係る他の水管ボイラの概略構造を示す
縦断面図である。
【図4】本発明に係る他の水管ボイラの開口部の近傍部
分を拡大して示す要部概略横断面図である。
【図5】本発明に係る他の水管ボイラの開口部の近傍部
分を拡大して示す要部概略横断面図である。
【図6】本発明に係る他の水管ボイラの開口部の近傍部
分を拡大して示す要部概略横断面図である。
【符号の説明】
1 マルチバーナ 2 ウインドウボックス 4 内列水管群 5 外列水管群 6 缶体カバー 7 燃焼ガス出口 8 上部管寄せ 9 下部管寄せ 10 給水加熱器 11 耐火物 12 遮蔽板 13 天板 14 底板 16 通路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部管寄せと下部管寄せとを内列と外列の
    環状に配列した内列水管群と外列水管群で連結して缶
    体を構成する水管ボイラにおいて、 前記外列水管群と前記内列水管群の所定の位置に開口部
    を設けると共に該外列水管群の開口部と該内列水管群
    の開口部の間を仕切水管で仕切り、該外列水管群の開口
    部にバーナ口を設けて容量の火炉を形成し、該火炉で
    燃焼させた燃焼ガスを前記外列水管群と内列水管群の間
    に通して略1循させた後、前記内列水管群開口を通
    して、内列水管群の内側に導く燃焼ガス通路を設け、更
    に前記缶体中央上部に燃焼ガス出口を設けたことを特徴
    とする水管ボイラ。
  2. 【請求項2】 前記内列水管群の内側に給水加熱
    したことを特徴とする請求項1記載の水管ボイラ。
  3. 【請求項3】 前記外列水管群の内、前記開口部近傍
    前記燃焼ガス通路の下流側に複数の水管と水管の間に隙
    間を設け、該隙間から空気或いは排ガス又は空気と排ガ
    スの混合ガスを該燃焼ガス通路に吹き込むことを特徴と
    する請求項1又は2に記載の水管ボイラ。
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