JP2742123B2 - 印刷回路用積層板の製造方法 - Google Patents

印刷回路用積層板の製造方法

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JP2742123B2 JP629190A JP629190A JP2742123B2 JP 2742123 B2 JP2742123 B2 JP 2742123B2 JP 629190 A JP629190 A JP 629190A JP 629190 A JP629190 A JP 629190A JP 2742123 B2 JP2742123 B2 JP 2742123B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、積層板の加熱加圧成形を真空条件下で実施
することにより、低圧成形が可能でボイド残りがなく寸
法安定性に優れた印刷回路用積層板の製造方法に関する
ものである。
〈従来の技術〉 印刷回路用積層板として、ガラス不織布を中間層基材
としガラス織布を表面層基材とし、これら基材にエポキ
シ樹脂を含浸させ加熱加圧した積層板(以下、コンポジ
ット積層板という)が多量に使用されるようになった。
ガラス織布のみの基材にエポキシ樹脂を含浸させた積
層板は機械的強度、寸法安定性、耐熱性等に優れ、スル
ーホールメッキの信頼性が高いので、電子計算機、通信
機、電子交換機等の産業用電子機器に多く使用されてい
る。しかし基材にガラス織布のみを使用するので、印刷
回路板の加工工程の一つである孔あけ工程では打抜加工
が不可能であり、ドリル加工されているのが実情であ
る。
一方、コンポジット積層板はガラス織布基材の積層板
より経済的に安価で、かつ打抜き孔あけ加工が可能な点
が優れており、加工性の良いガラス基材積層板として注
目をあびたが、スルーホールメッキの信頼性がガラス織
布基材積層板より低いと評価されていた。その理由とし
て、ガラス織布基材エポキシ積層板の構成は、有機物で
あるエポキシ樹脂と無機物であるガラス織布の重量比率
が約40:60である。この場合エポキシ樹脂が主に各種電
気性能を優れたものにし、ガラス織布が曲げ強度寸法安
定性などの機械的性能を良好にしていると考えられる。
ところで一般のコンポジット積層板は、中間層にガラ
ス不織布が基材として用いられており、織布基材を使用
した積層板に比べて加熱加圧成形時の歪みを生じ易いた
め、寸法安定性が劣るという問題がある。
さらに中間層が無機質フィラーを含んでいるためボイ
ド残りを生じ易い問題もある。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明は、従来のコンポジット積層板の優れた特長を
失うことなく、加熱加圧成形を低圧で可能とし、更にボ
イドの残存をなくすと共に積層板加工時の寸法収縮をガ
ラス織布基材使用積層板と同等程度にすることを目的と
する。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は、表面層は熱硬化性樹脂含浸ガラス織布プリ
プレグからなり、中間層は熱硬化性樹脂含浸ガラス不織
布・プリプレグからなり、これら表面層と中間層とを加
熱加圧するとき、真空条件下で積層成形することを特徴
とする印刷回路用積層板の製造方法である。
〈作用〉 コンポジット積層板は中間層の基材にガラス不織布が
用いられているため、ガラス織布基材の積層板に比して
積層板加工工程での寸法安定性が劣る問題があった。さ
らに無機質フィラーを含有させた中間層では加熱加圧成
形時にポイドが残り易いという問題も併せもっていた。
本発明は、これらの欠点を解決するものであり、加熱加
圧成形を真空条件下で且つ低圧で実施することにより、
材料の歪みを極力抑えて、ガラス織布基材積層板と同等
レベル迄に寸法安定性を向上させる。更にボイドの残存
がなくなり、成形性も向上するので信頼性が向上し、精
密回路に対応し得る積層板を得ることができる。
本発明においての真空条件は30Torr以下が適当であ
る。望ましくは20Torr以下の真空度が成形性、寸法安定
性の面から更に有効である。20〜30Torrでは低圧成形し
た時ボイド残りの解消が十分にできない場合がある。
上記の真空条件において、積層板の成形歪みを抑え寸
法安定性を向上させるためには通常の成形圧力(60〜10
0kg/cm2)より低圧で積層成形する。この成形圧力は15
〜40kg/cm2が好ましい。40kg/cm2以上では真空にして積
層する効果が小さく、積層板の積層歪みが大きくなり、
寸法安定性も低下する。一方、15kg/cm2以下では、成形
圧力が不十分で、ボイドの生成を防ぐことができない。
〈実施例〉 エポキシ樹脂ワニスの組成は次の通りである。
上記材料を混合して均一なワニスを作製した。次に表
面層用として配合した該ワニスをガラス織布(日東紡製
WE−18K−RB84)に樹脂含有量が42〜45%になるように
含浸乾燥し、ガラス織布プリプレグを得た。
続いて、中間層用として同様に配合したワニスに樹脂
分100部に対し次の配合の無機充填剤を添加し、攪拌混
合し無機充填剤含有ワニスを作製した。
シリカ (龍森製 クリスタライトVX−3) 25部 水酸化アルミニウム(Al2O3・3H2O) 70部 超微粉末シリカ (シオノギ製薬製 カープレックス) 5部 この無機充填剤含有ワニスをガラス不織布基材(日本
バイリーン製)に樹脂及び無機充填剤の含有量が90%に
なるように含浸乾燥してプリプレグを得た。
ガラス不織布基材プリプレグを中間層とし、上下表面
層に前記ガラス織布プリプレグを配置し、さらにその上
に金属箔を重ね、真空度20Torr、成形温度165℃、圧力2
0kg/cm2で90分間積層成形して、厚さ1.6mmの銅張積層板
を得た。
〈比較例〉 前記実施例1及び2において、真空度20Torrの代わり
に常圧とし、圧力60kg/cm2とした点を除いて実施例1及
び2と同様にして厚さ1.6mmの銅張積層板を得た。得ら
れた銅張積層板について回路板での加工工程における寸
法変化率(収縮率)を測定した。更に500mm×500mmの面
積内のボイド残存の有無を確認した。
その結果を第2表に示す。
第2表からも明らかなように、真空低圧成形した銅張
積層板は成形性に優れ且つ寸法安定性に優れていること
がわかる。
〈発明の効果〉 本発明による積層板は、真空低圧成形して得られるの
で、従来のコンポジット積層板に比べ寸法収縮率が大幅
に低減し、ガラス織布基材積層板と同等レベルとなり工
業的な印刷回路用積層板の製造方法として好適である。
また得られた積層板は反り、ねじれ等の変形も改善さ
れる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面層は熱硬化性樹脂を含浸したガラス織
    布からなり、中間層は熱硬化性樹脂に対してフィラーが
    10〜200重量%含有されている樹脂を含浸したガラス不
    織布からなる積層板を製造するに際し、加熱加圧成形を
    真空条件下で実施することを特徴とする印刷回路用積層
    板の製造方法。
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JPH05162246A (ja) * 1991-12-12 1993-06-29 Sumitomo Bakelite Co Ltd 印刷回路用積層板

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