JP2740982B2 - 切削仕上面精度のよい快削綱及びその製造方法 - Google Patents

切削仕上面精度のよい快削綱及びその製造方法

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JP2740982B2 JP33851790A JP33851790A JP2740982B2 JP 2740982 B2 JP2740982 B2 JP 2740982B2 JP 33851790 A JP33851790 A JP 33851790A JP 33851790 A JP33851790 A JP 33851790A JP 2740982 B2 JP2740982 B2 JP 2740982B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、切削仕上面精度のよい快削鋼及びその製造
方法に関する。
従来の技術 切削加工に供される被削材の被削性は、切削加工後の
精度向上や生産性向上のために重要であるので、従来、
種々の分野にて被削性のよい快削鋼が広く用いられてい
る。
鋼の被削性には、幾つかの要因が含まれており、切削
条件等によつて、それぞれの要因は、その重要度が異な
る。快削鋼の切削においては、特に、仕上面精度が重要
であつて、そのために、イオウ快削鋼や、鉛を添加した
複合快削鋼が広く用いられている。
仕上面精度を更に向上させるときは、窒素量を増加さ
せた鋼が用いられることがある。しかし、このような窒
素添加鋼においては、窒素添加の仕上面精度に及ぼす影
響にばらつきが多いほか、窒素量の高い特殊な原料を用
いることによる原料費用の上昇や、連続鋳造中或いは分
塊圧延中に割れるという熱間加工性の低下等の問題もあ
る。
発明が解決しようとする課題 本発明は、上記した問題を解決するためになされたも
のであつて、切削仕上面精度のよい快削鋼及びその製造
方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明による切削仕上面精度のよい快削鋼の第1は、
重量%にて C 0.03〜0.20%、 Si 0.30%以下、 Mn 0.30〜1.60%、 Al 0.050%以下、 P 0.12%以下、 S 0.03〜0.50%、及び N 0.015%以下 を含み、且つ、 C 5〜50ppmを初析フエライト中に固溶し、 残部鉄及び不可避的不純物よりなることを特徴とす
る。
本発明による切削仕上面精度のよい快削鋼の第2は、
重量%にて (a)C 0.03〜0.20%、 Si 0.30%以下、 Mn 0.30〜1.60%、 Al 0.050%以下、 P 0.12%以下、 S 0.03〜0.50%、及び N 0.015%以下 を含み、且つ、 C 5〜50ppmを初析フエライト中に固溶し、更に、 (b)Bi 0.01〜0.40%、 Pb 0.01〜0.40%、 Te 0.001〜0.20%、及び Se 0.001〜0.20%、 よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含
み、 残部鉄及び不可避的不純物よりなることを特徴とす
る。
本発明によるかかる第1の群の快削鋼は、本発明に従
つて、 重量%にて (a)C 0.03〜0.20%、 Si 0.30%以下、 Mn 0.30〜1.60%、 Al 0.050%以下、 P 0.12%以下、 S 0.03〜0.50%、及び N 0.015%以下 を含み、更に、必要に応じて、 (b)Bi 0.01〜0.40%、 Pb 0.01〜0.40%、 Te 0.001〜0.20%、及び Se 0.001〜0.20%、 を含み、残部鉄及び不可避的不純物よりなる鋼をオー
ステナイト域に加熱した後、500〜700℃の温度域まで徐
冷して、初析フエライトを析出させ、次いで、上記温度
域から急冷して、上記初析フエライト中にCを5〜50pp
m固溶させることによつて得ることができる。
本発明による切削仕上面精度のよい快削鋼の第3は、
重量%にて C 0.03〜0.20%、 Si 0.30%以下、 Mn 0.30〜1.60%、 Al 0.050%以下、 P 0.12%以下、 S 0.03〜0.50%、及び N 0.015%以下 を含み、且つ、5〜50ppmのCを切削中に初析フエラ
イト中に再固溶し得る直径100nm以下の微細な炭化物と
して析出し、 残部鉄及び不可避的不純物よりなることを特徴とす
る。
本発明による切削仕上面精度のよい快削鋼の第4は、
重量%にて (a)C 0.03〜0.20%、 Si 0.30%以下、 Mn 0.30〜1.60%、 Al 0.050%以下、 P 0.12%以下、 S 0.03〜0.50%、及び N 0.015%以下 を含み、且つ、を含み、且つ、5〜50ppmのCを切削
中に初析フエライト中に再固溶し得る直径100nm以下の
微細な炭化物として析出し、更に、 (b)Bi 0.01〜0.40%、 Pb 0.01〜0.40%、 Te 0.001〜0.20%、及び Se 0.001〜0.20%、 よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含
み、 残部鉄及び不可避的不純物よりなることを特徴とす
る。
かかる本発明による第2群の快削鋼は、本発明に従つ
て、重量%にて (a)C 0.03〜0.20%、 Si 0.30%以下、 Mn 0.30〜1.60%、 Al 0.050%以下、 P 0.12%以下、 S 0.03〜0.50%、及び N 0.015%以下 を含み、更に、必要に応じて、 (b)Bi 0.01〜0.40%、 Pb 0.01〜0.40%、 Te 0.001〜0.20%、及び Se 0.001〜0.20%、 を含み、残部鉄及び不可避的不純物よりなる鋼をオー
ステナイト域に加熱した後、500〜700℃の温度域まで徐
冷して、初析フエライトを析出させ、次いで、上記温度
域から急冷して、上記初析フエライト中にCを5〜50pp
m固溶させ、その後、50〜300℃の温度域にて時効させる
ことによつて、固溶Cを切削中に初析フエライトに再固
溶し得る直径100nm以下の微細な炭化物として析出させ
ることによつて得ることができる。
快削鋼の仕上面精度は、構成刃先の生成、大きさ及び
形状に大きく依存する。構成刃先は、ある一定の切削条
件下でのみ生成するが、一般に、業界における快削鋼の
切削条件は、上記構成刃先が生成する条件であることが
多い。構成刃先の生成は、仕上面精度を劣化させるが、
しかし、同時に、工具の刃先を保護して、工具寿命を向
上させるので、構成刃先を完全になくすことは、得策で
ないからである。従つて、かかる観点に立てば、快削鋼
の切削において、適度な大きさ及び形状にて安定した構
成刃先を生成させることが、工具寿命を大幅に低下させ
ることなしに、仕上面精度を向上させることに繋がる。
ところで、構成刃先の生成は、動的歪時効によつて影
響を受ける。即ち、切削中、変形に用いられたエネルギ
ーによつて、温度が上昇し、条件によつては、動的歪時
効が起こり、この動的歪時効が大きくなるにつれて、構
成刃先が小さくなり、安定して生成することが知られて
いる。本発明者らは、かかる事実に着目し、動的歪時効
を起こす初析フエライト中の固溶Cを増加させ、構成刃
先を小さく安定化することによつて、快削鋼の仕上面精
度を向上させることができることを見出して、前述した
第1群の新規な快削鋼に到達したものである。
更に、過飽和に初析フエライト中に固溶したCは、約
50℃以上、300℃以下の温度域での時効によつて、εカ
ーバイト又はその前駆的な状態にて析出する。そして、
切削中に、二次剪断域の温度が約400℃以上になると、
これらの炭化物が十分に小さければ、初析フエライトに
再固溶し、動的歪時効を引き起こす。従つて、このよう
に、微細な炭化物として固定されるC量の増加につれ
て、動的歪時効の影響が大きくなり、それによつて構成
刃先を小さく安定化させて、仕上面精度を向上させるこ
とができることを見出して、前述した第2群の新規な快
削鋼に到達したものである。
従つて、本発明によれば、窒素量の高い特殊な原料の
添加を必要とせずして、仕上面精度のばらつきを少なく
して、かくして、切削仕上面精度のよい快削鋼を得るこ
とができる。更に、本発明によれば、窒素量を増加させ
たときに生じる熱間加工性の低下も防止することができ
る。
次に、本発明による快削鋼における化学成分について
説明する。
Cは、必要な強度を確保するために、また、余りにも
少ないときは、被削性が低下するので、0.03%以上の添
加を必要とする。しかし、過多に添加するときも、被削
性が低下し、また、Cを初析フエライト中に安定に固溶
させることが困難となり、或いはCを微細な炭化物とし
て析出させることが困難となるので、添加量の上限は、
0.20%とする。
Siは、脱酸補助剤として用いられることがあるが、多
量に添加するときは、被削性を低下させるので、添加量
は、0.30%以下とする。
Mnは、MnSの形成のために、少なくとも0.30%の添加
を必要とするが、過多に添加するときは、被削性を低下
させるので、上限を1.60%とする。
Alは、脱酸剤及び結晶粒度調整剤として用いられるこ
とがあるが、過多に添加するときは、被削性を低下させ
るので、上限を0.050%とする。
Pは、被削性の向上のために添加することがあるが、
過多に添加するときは、靱性を劣化させるので、上限を
0.12%とする。
Sは、前述したMnSを生成して、被削性を向上させる
作用を有し、かかる効果を有効に得るために、0.03%以
上の添加を必要とする。しかし、過多に添加するとき
は、熱間加工性を低下させるので、上限を0.50%とす
る。
Nは、前述したように、仕上面精度を向上させる効果
を有するが、過多に添加しても、特に、それに見合う利
点がなく、他方、熱間加工性を低下させるので、添加量
は、上限を0.015%とする。
本発明による第1群の快削鋼においては、Cを初析フ
エライト中に固溶させることによつて、切削における構
成刃先を小さく安定化させる。そのために、本発明によ
れば、初析フエライト中に固溶させるC量は、動的歪時
効を起こさせるために、少なくとも5ppmが必要である。
しかし、過多に固溶させても、特に、顕著な効果の増大
も認められないので、初析フエライト中に固溶させるC
量の上限は、50ppmとする。
更に、本発明による第2群の快削鋼においては、微細
な炭化物として析出させるC量は、動的歪時効を起こさ
せるために、少なくとも5ppmが必要である。しかし、過
多に析出させても、特に、顕著な効果の増大も認められ
ないので、微細な炭化物として析出させるC量の上限
は、50ppmとする。
また、炭化物が余りに大きいときは、切削中に固溶し
ないことがあるので、炭化物の平均値の上限は100nmと
する。
本発明による快削鋼は、上記した元素に加えて、鋼の
被削性を向上させるBi、Pb、Te及びSeよりなる群から選
ばれる少なくとも1種の元素を含有していてもよい。こ
のような被削性の向上を得るためには、Bi及びPbについ
ては、それぞれ0.01%以上の添加を必要とし、Te及びSe
については、それぞれ0.001%以上の添加を必要とす
る。しかし、これらの元素も、過多に添加しても、特
に、顕著な効果の増大も認められず、更に、製造費用を
徒に高めるところから、添加量の上限は、Bi及びPbにつ
いては、それぞれ0.40%とし、Te及びSeについては、そ
れぞれ0.20%とする。
本発明によるかかる第1群の快削鋼は、第1図にその
処理パターンの一例を示すように、上述したような化学
成分を有する鋼を本発明に従つてオーステナイト域に加
熱した後、500〜700℃の温度域まで徐冷して、初析フエ
ライトを析出させ、次いで、上記温度域から急冷して、
上記初析フエライト中にCを5〜50ppm固溶させること
によつて得ることができる。
鋼の加熱温度は、鋼組織をオーステナイト化するに必
要な温度であれば、特に、制限されるものではなく、ま
た、冷却前の履歴は、どのようなものであつても、差し
支えない。即ち、第1図に示すように、オフラインでの
再加熱のように、室温から加熱した後でもよく、或いは
オンラインでの熱間加工の後でもよい。
このように、鋼をオーステナイト域に加熱した後、フ
エライトが析出し、そのなかの平衡固溶C量が十分な量
になるように、上記加熱温度から500〜700℃、好ましく
は550〜650℃の温度域まで徐冷(一次冷却)して、初析
フエライトを析出させる。従つて、上記一次冷却速度
は、初析フエライトが析出する冷却速度であればよく、
比較的遅い冷却速度である。急冷すれば、ベイナイトや
マルテンサイトを生成するので好ましくない。また、上
記一次冷却停止温度は、700℃を越えるときは、初析フ
エライトが十分に析出しないおそれがあり、他方、500
℃よりも低いときは、Cの固溶量が不十分となる。
次いで、初析フエライト中の固溶C量が5〜50ppmと
なるように、鋼を上記温度域から室温まで急冷する。こ
の二次冷却速度は、室温まで十分な量の固溶Cを析出さ
せずに保持させるのに必要な冷却速度であればよいが、
通常は、そのために水焼入れが採用される。しかし、用
いる材料によつては、特に、これに限定されるものでは
ない。
本発明による第2群の快削鋼は、このような第1群の
鋼を更に処理することによつて得ることができる。即
ち、前述したように、初析フエライト中に5〜50ppmの
Cを固溶させて、第1群の鋼を得た後、第3図に示すよ
うに、50〜300℃の温度域にて時効させることによつ
て、固溶Cを切削中に初析フエライト中に再固溶し得る
直径100nm以下の微細な炭化物として析出させることに
よつて得ることができる。
上記時効温度が50℃よりも低いときは、十分な量の炭
化物を析出させることができない。逆に、時効温度が30
0℃よりも高いときは、析出した炭化物が100nmよりも大
きい粒子に巨大化して、切削中に初析フエライト中に再
固溶しないので、仕上面精度の向上を達成することがで
きない。
発明の効果 以上のように、本発明によれば、所定の化学成分を有
する鋼をオーステナイト域に加熱した後、500〜700℃の
温度域まで徐冷して、初析フエライトを析出させ、次い
で、上記温度域から急冷して、上記初析フエライト中に
Cを5〜50ppm固溶させることによつて、第1群の快削
鋼を得ることができる。
かかる本発明による快削鋼によれば、前述したよう
に、動的歪時効を起こす初析フエライト中の固溶Cを増
加させ、切削時に構成刃先を小さく安定化させることが
できるので、仕上面精度のよい快削鋼を得ることができ
る。
更に、本発明によれば、所定の化学成分を有する鋼を
オーステナイト域に加熱した後、500〜700℃の温度域ま
で徐冷して、初析フエライトを析出させ、次いで、上記
温度域から急冷して、上記初析フエライト中にCを5〜
50ppm固溶させた後、50〜300℃の温度域にて時効させる
ことによつて、固溶Cを切削中に初析フエライト中に再
固溶し得る直径100nm以下の微細な炭化物として析出さ
せることによつて、第2群の快削鋼を得ることができ
る。
かかる本発明による快削鋼によれば、前述したよう
に、切削中に初析フエライトに再固溶する微細な炭化物
を増加させ、切削時に構成刃先を小さく安定化させて、
仕上面精度を向上させることができる。
従つて、本発明によれば、従来のように、窒素量の高
い特殊な原料を用いる必要がなく、また、仕上面精度の
ばらつきも少ない。更に、窒素量の増加の場合に生じる
熱間加工性の低下もない。
実施例 以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は
これら実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1 第1表に示す化学成分を有する供試材を容量150kgの
高周波炉で真空溶解し、直径80mmの丸棒に熱間加工し
た。これらの鋼材のうち、本発明鋼の製造としては、第
1図に示すように、910℃で2時間、熱処理し、550〜65
0℃まで空冷し、その後、水焼入れして、固溶Cを増大
させた。また、比較鋼の製造としては、同じ供試材を第
2図に示すように、910℃で2時間、熱処理した後、室
温まで空冷した。
固溶Cは、熱間加工後に導入されるので、熱間加工性
には何ら影響を及ぼさない。内部摩擦法によつて測定し
た固溶C量を第2表に示す。本発明鋼によれば、比較鋼
に比べて、固溶C量が高く、また、焼入れ温度の上昇と
共に高くなることが示されている。
被削性試験は、ハイス工具SKH4を用い、単軸自動盤に
て、速度40〜100m/分、送り0.04mm/rev.にてフオーミン
グ加工し、仕上面粗さを測定した。また、仕上面粗さに
対して重要な要因である構成刃先の大きさも、切削試験
後に測定した。
本発明鋼においては、比較鋼に比べて、第2表に示す
ように、構成刃先が小さく安定しているために、仕上面
粗さが改善されている。これに対して、従来から行なわ
れているように、窒素量を増加させる方法によれば、Al
量が窒素を固定するのに十分でない場合にも、仕上面粗
さをそれほど改善しない場合があり、且つ、ばらつきも
大きい。
実施例2 第1表に示す化学成分を有する供試材を容量150kgの
高周波炉で真空溶解し、直径80mmの丸棒に熱間加工し
た。これらの鋼材のうち、本発明鋼の製造としては、第
3図に示すように、910℃で2時間、熱処理し、550〜65
0℃まで空冷し、その後、水焼入れして、固溶Cを増大
させた。次いで、150℃で10分間の時効処理を行なつ
て、初析フエライト中の固溶Cを微細な炭化物として析
出させた。
比較鋼は、同じ供試材を第2図に示すように、910℃
で2時間、熱処理した後、室温まで冷却して製造したも
のであつて、それぞれ実施例1と同じである。
上記析出した微細な炭化物は、熱間加工後に導入され
るので、熱間加工性には何ら影響を及ぼさない。時効処
理の前後に内部摩擦法によつて測定した固溶C量の差を
微細な炭化物として固定されたC量と仮定して、その結
果を第3表に示す。本発明鋼によれば、比較鋼に比べ
て、微細な炭化物として固定されたC量が高いことが示
されている。
第2表に示す本発明鋼9−Bの金属組織の透過型電子
顕微鏡写真を第4図に示し、比較鋼9−Aの金属組織の
透過型電子顕微鏡写真を第5図に示す。
被削性試験は、実施例1と同じ方法で行なつて、仕上
面粗さを測定した。また、仕上面粗さに対して重要な要
因である構成刃先の大きさも、切削試験後に測定した。
本発明鋼においては、比較鋼に比べて、第3表に示す
ように、構成刃先が小さく安定しているために、仕上面
粗さが改善されている。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による第1群の快削鋼の製造を示す熱
処理図、第2図は、従来の方法による快削鋼の製造を示
す熱処理図、第3図は、本発明による第2群の快削鋼の
製造を示す熱処理図である。 第4図は、本発明鋼の一例の金属組織を示す過型電子顕
微鏡写真、第5図は、比較鋼の一例の金属組織を示す透
過型電子顕微鏡写真である。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%にて C 0.03〜0.20%、 Si 0.30%以下、 Mn 0.30〜1.60%、 Al 0.050%以下、 P 0.12%以下、 S 0.03〜0.50%、及び N 0.015%以下 を含み、且つ、 C 5〜50ppmを初析フエライト中に固溶し、 残部鉄及び不可避的不純物よりなることを特徴とする切
    削仕上面精度のよい快削鋼。
  2. 【請求項2】重量%にて (a)C 0.03〜0.20%、 Si 0.30%以下、 Mn 0.30〜1.60%、 Al 0.050%以下、 P 0.12%以下、 S 0.03〜0.50%、及び N 0.015%以下 を含み、且つ、 C 5〜50ppmを初析フエライト中に固溶し、更に、 (b)Bi 0.01〜0.40%、 Pb 0.01〜0.40%、 Te 0.001〜0.20%、及び Se 0.001〜0.20%、 よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含み、 残部鉄及び不可避的不純物よりなることを特徴とする切
    削仕上面精度のよい快削鋼。
  3. 【請求項3】重量%にて C 0.03〜0.20%、 Si 0.30%以下、 Mn 0.30〜1.60%、 Al 0.050%以下、 P 0.12%以下、 S 0.03〜0.50%、及び N 0.015%以下 を含み、残部鉄及び不可避的不純物よりなる鋼をオース
    テナイト域に加熱した後、500〜700℃の温度域まで徐冷
    して、初析フエライトを析出させ、次いで、上記温度域
    から急冷して、上記初析フエライト中にCを5〜50ppm
    固溶させることを特徴とする切削仕上面精度のよい快削
    鋼の製造方法。
  4. 【請求項4】重量%にて (a)C 0.03〜0.20%、 Si 0.30%以下、 Mn 0.30〜1.60%、 Al 0.050%以下、 P 0.12%以下、 S 0.03〜0.50%、及び N 0.015%以下 を含み、更に、 (b)Bi 0.01〜0.40%、 Pb 0.01〜0.40%、 Te 0.001〜0.20%、及び Se 0.001〜0.20%、 を含み、残部鉄及び不可避的不純物よりなる鋼をオース
    テナイト域に加熱した後、500〜700℃の温度域まで徐冷
    して、初析フエライトを析出させ、次いで、上記温度域
    から急冷して、上記初析フエライト中にCを5〜50ppm
    固溶させることを特徴とする切削仕上面精度のよい快削
    鋼の製造方法。
  5. 【請求項5】重量%にて C 0.03〜0.20%、 Si 0.30%以下、 Mn 0.30〜1.60%、 Al 0.050%以下、 P 0.12%以下、 S 0.03〜0.50%、及び N 0.015%以下 を含み、且つ、5〜50ppmのCを切削中に初析フエライ
    ト中に再固溶し得る直径100nm以下の微細な炭化物とし
    て析出し、 残部鉄及び不可避的不純物よりなることを特徴とする切
    削仕上面精度のよい快削鋼。
  6. 【請求項6】重量%にて (a)C 0.03〜0.20%、 Si 0.30%以下、 Mn 0.30〜1.60%、 Al 0.050%以下、 P 0.12%以下、 S 0.03〜0.50%、及び N 0.015%以下 を含み、且つ、を含み、且つ、5〜50ppmのCを切削中
    に初析フエライト中に再固溶し得る直径100nm以下の微
    細な炭化物として析出し、更に、 (b)Bi 0.01〜0.40%、 Pb 0.01〜0.40%、 Te 0.001〜0.20%、及び Se 0.001〜0.20%、 よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含み、 残部鉄及び不可避的不純物よりなることを特徴とする切
    削仕上面精度のよい快削鋼。
  7. 【請求項7】重量%にて C 0.03〜0.20%、 Si 0.30%以下、 Mn 0.30〜1.60%、 Al 0.050%以下、 P 0.12%以下、 S 0.03〜0.50%、及び N 0.015%以下 を含み、残部鉄及び不可避的不純物よりなる鋼をオース
    テナイト域に加熱した後、500〜700℃の温度域まで徐冷
    して、初析フエライトを析出させ、次いで、上記温度域
    から急冷して、上記初析フエライト中にCを5〜50ppm
    固溶させ、その後、50〜300℃の温度域にて時効させる
    ことによつて、固溶Cを切削中に初析フエライトに再固
    溶し得る直径100nm以下の微細な炭化物として析出させ
    ることを特徴とする切削仕上面精度のよい快削鋼の製造
    方法。
  8. 【請求項8】重量%にて (a)C 0.03〜0.20%、 Si 0.30%以下、 Mn 0.30〜1.60%、 Al 0.050%以下、 P 0.12%以下、 S 0.03〜0.50%、及び N 0.015%以下 を含み、更に、 (b)Bi 0.01〜0.40%、 Pb 0.01〜0.40%、 Te 0.001〜0.20%、及び Se 0.001〜0.20%、 を含み、残部鉄及び不可避的不純物よりなる鋼をオース
    テナイト域に加熱した後、500〜700℃の温度域まで徐冷
    して、初析フエライトを析出させ、次いで、上記温度域
    から急冷して、上記初析フエライト中にCを5〜50ppm
    固溶させ、その後、50〜300℃の温度域にて時効させる
    ことによつて、固溶Cを切削中に初析フエライトに再固
    溶し得る直径100nm以下の微細な炭化物として析出させ
    ることを特徴とする切削仕上面精度のよい快削鋼の製造
    方法。
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