JP2740882B2 - 紙料を脱水ウエブ形成ゾーンへ送る装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は製紙機械の改良、特に、紙料のコントロール
された流れを形成ゾーンへ送るヘッドボックス及び形成
ゾーン装置に関する。

背景技術 製紙技術分野では、紙料の噴流を加圧ヘッドボックス
から形成ゾーンへ送ることに関して種々の開発がなされ
てきた。例えば、ワイヤがそこをまわって支持される転
向バーや、ヘッドボックスの羽根や、紙料のフリーな噴
流を不必要にしたブレード式形成ゾーンの改良である。
そのヘッドボックス及びフォーマーは、フリー表面の不
安定さをなくして、紙料の接近する流れの作用を完全に
コントロールすることができる単一ユニットとなった。
特に、多層を必要とする場合、紙の品質の開発を制限す
るものは、フリーな噴流にあった。このフリーな噴流は
従来、プロフィーリングバーやスライスリップによって
コントロールされてきた。

多層紙において、ヘッドボックスの噴流が形成ゾーン
によりコントロールされることになるまでは、その噴流
がフリーな空間を通過するというコントロール上の制限
により良好な層純度を得ることが制限されてきた。スラ
イスバーを突出させる必要から過流が生じ、これが層の
混合を生じさせる結果となっていた。

先行技術には、FR−Ａ−2,014,192に記述し、図示さ
れているような、いわゆるロールフォーマーがある。こ
れらのロールフォーマーにおいては、形成ワイヤは１つ
だけ使用され、それは、吸引ボックスで構成されるカー
ブしたシューにより形成ロールの多孔面上へ案内され
る。第２の形成ワイヤはなく、そこには転向バーと組合
わせて、紙料を空気に露出させることなく、両方の形成
ワイヤを収斂スロートへ向けることができる例えば、本
発明の細長い橋かけ部材のような構造部材もない。

発明の開示 本発明の目的は、多層紙の形成に特にうまく使用さ
れ、層の純度を改善するようにした、加圧ヘッドボック
スからの紙料の噴流を形成ゾーンへ送る改良型の紙料給
送装置を提供することである。

本発明のもうひとつの目的は、ヘッドボックスと移動
ワイヤとの間でフリーな噴流にする必要がないようにし
た、製紙機械の改良装置を提供することである。

本発明の装置は、フリーな噴流表面の必要をなくし、
スライスリップによる乱れを排除する。現在利用可能な
装置におけるヘッドボックスでのシート層分離が、従来
のヘッドボックスを越えて形成ゾーンの初期部分に迄延
長可能である。本発明の装置においては、典型的なスラ
イスリップの重い構造が、可撓性細長片に置きかえられ
ている。この可撓性細長片は単にチャンネルの厚みを変
化させることにより、重量のプロフィールを保持する。
この装置は、噴流がワイヤ速度に達するまで、ポンド側
のシールを必要とする。本発明の改良装置は、単一ワイ
ヤを使用する長網式機械にも、また、２つのワイヤで構
成される機械にも適用することができる。

従来の型のヘッドボックスとは、スライスプロフィー
リングジャッキとフィンガーがない点で異る。橋かけす
る構成を使用したので、フリー表面をなくし、ウォータ
ースプレーと表面の繊維を除去する。本発明による装置
では、ワイヤは転向バーをまわって送られ、この転向バ
ーがワイヤを形成ゾーンへ案内する。ヘッドボクスの噴
流の表面は、シールしている細長片によってフリーエア
に当らないように保護される。このシールしている細長
片はワイヤに対して繊維の蓄積を防止し、噴流表面の膨
張をも防ぐ。形成ゾーンの片側から、可撓性従動リップ
が蝶番接続され、この従動リップは、チャンネルの厚み
を単に変化させるように調整される。この可撓性従動リ
ップは、その従動リップと当接するように伸びている複
数の平行ロッドによりコントロールされる。これらのロ
ッドは個々に軸方向へ移動可能となるようにコントロー
ルされるので、従動リップの位置と紙料の噴流をクロス
マシン方向へ調整し、ウエブの基本重量やその他の変数
をコントロールする。

本発明のその他の目的、効果及び特徴は、明細書、請
求の範囲及び図面に示す好ましい実施例の開示に関連し
た本発明の原理を示すことにより一層明らかとなるであ
ろう。

図面の簡単な説明 図１は本発明の原理を利用し、具体化した型の製紙機
械の形成部全体の概略正面図である。

図２は形成ゾーンへ流れる紙料の流れを制御するリッ
プ装置の一部の拡大部分図である。

図３は製紙機械の形成部のスロートを示す断面図であ
る。

図４は長網式製紙機械の単一形成ワイヤに使用された
本発明の原理を示す概略断面図である。

発明を実施するための最良の形態 図１には、ワイヤがほぼ鉛直方向へ移動する型の２つ
のワイヤをもつ、形成部全体が示されている。本発明の
原理は、種々の実施例や構造上の特徴の開示から明らか
なように、単一ワイヤ又は２つワイヤをもつ種々の機械
にも使用することができる。

紙料は、形成スロート13と実質的に一線に並んだテー
パー形スライス開口21を有する加圧ヘッドボックス10か
ら送り出される。形成スロートは、上方へ移動する２つ
のループをなす移動ワイヤ11,12間に形成され、紙料が
両ワイヤ間に送り出されると、それは脱水され、脱水ゾ
ーンを構成する符号16,17,18で示す連続脱水装置によ
り、ウエブが形成される。２つのワイヤはクーチロール
19,20の回転によって分離される。

図３にもっと詳細に示すように、２つのワイヤ11,12
は、スロート13を形成するようにカーブした転向バー1
4,15を通過する。紙料は加圧状態で、加圧ヘッドボック
スからテーパー形スライス開口21へ流れる。

開口21のスロート13間のスペースに橋かけするため、
スライス開口に、橋かけ部材22,23が配設され、そこを
通って流れる紙料は完全にコントロールされ、スロート
13へ流れる際、フリー表面はない。橋かけ部材22,23は
テーパーをなし、テーパー形の細い辺縁はワイヤ11,12
に対して密着した走行関係にある。橋かけ部材は符号2
4,25の位置でヘッドボックスにピボット状に取付けられ
ている。紙料がスロートへ流入する時、スロートの寸法
は、好ましくは、可撓性のある従動スライスリップ26の
形で加圧部材により制御される。従動スライスリップ
は、ゴムかプラスチックのような可撓性材料で形成さ
れ、ワイヤ12の下面と接触する。コントロール圧は、矢
印線27aで概略的に示す動力部材（図示せず）によって
複数の平行ロッド27によりクロスマシン方向へスライス
リップ26の長さに沿ってかけられる。これらのロッドは
図２にもっと詳細に示されており、スロートをコントロ
ールする力を従動リップ26にかけるために、ロッドの各
々に動力機構が取付けられている。

図４は１つのループ形移動ワイヤ31を有する長網型機
械に適用される原理を示す。このワイヤはカーブした転
向バー32をまわって走行される。紙料は、スライス開口
37へ連絡するテーパーチェンバ34を有するヘッドボック
ス33から送り出される。このヘッドボックスはテーパー
形橋かけ部材38を有するように設計され、その橋かけ部
材38は、ワイヤ31の頂面に密接して摺動するように接近
している。スライス開口の位置で終る形成スロートエリ
ア37へワイヤが侵入する時、シェー39がワイヤを安定状
態に保つ。スロート39を形成するチェンバの上側には、
可撓性従動スライスリップ35が配設されている。このス
ライスリップ35はヘッドボックスにピボット状に蝶番接
続され、その位置はクロスマシン方向へ間隔を隔てて配
置された一連の平行ロッド36により制御される。矢印線
40により概略的に示される動力部材は、可撓性従動リッ
プの位置をコントロールする。かくして、紙料がヘッド
ボックスから流出する時、そのフリーな表面がない状態
でスロート開口のサイズは可撓性のある従動リップ35に
よりコントロールされる。

操作時、図３を参照すれば、加圧紙料はテーパー形開
口21を通ってヘッドボックスにより送り出され、そのフ
リーな表面がない状態で形成スロート13へ橋かけ部材2
2,23によりコントロールされながら流出する。橋かけ部
材は２つのワイヤ11,12と密接した走行接触状態にあ
る。スロートの大きさと流れはさらに、形成ワイヤ12に
沿って下流へ伸びている従動可撓性スライスリップ26に
より制御されるので、常時、紙料の流れの噴流がコント
ロールされ、そのフリー表面は生じないことになる。成
層の紙料が処理される時、その層の一体性は影響される
ことがなく、混合の程度も最少限ですむ。

かくして、前述の目的と効果を充足させ、しかも高速
製造用製紙装置に特にうまく使用される簡単なコントロ
ールを行うような、ヘッドボックスから形成ゾーンへの
紙料の流動コントロール装置を提供することがわかる。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】紙料を包含するための加圧ヘッドボックス
   （10）と、狭いスライス開口（21）と、２つのループを
   なす形成ワイヤ（11,12）で構成され前記スライス開口
   （21）と実質的に一線に並んだスロート（13）を与える
   互いに対向して移動する多孔性形成表面とを有する、紙
   料を脱水ウエブ形成ゾーンへ送る装置において： 紙料の噴流が、その紙料のフリー表面を有しない状態で
   前記スライス開口から前記形成ワイヤ（11,12）上の形
   成表面まで移動しながら包含されるように、前記スライ
   ス開口と前記形成表面との間のスペースに橋かけするよ
   うに前記ループをなす形成ワイヤの外側に対向して配設
   された橋かけ手段（22,23）； 前記スロート（13）にある前記両形成表面間のスペース
   をコントロールするコントロール手段であって、そのコ
   ントロール手段は、クロスマシン方向の重量プロフィー
   ルをコントロールし、互いに対向して移動する前記形成
   表面のうち片方の形成表面（12）の裏側と係合するよう
   に構成され配置された可撓性従動スライスリップ（26）
   を有するコントロール手段（26,27,27a）；及び 前記ループをなして移動する形成ワイヤ（11,12）の各
   々の内側に配置された転向バー（14,15）を更に有し、 前記可撓性従動スライスリップ（26）は前記転向バーの
   うち１つのバー（15）に取付けられ、前記スロートの開
   口（13）とクロスマシン方向の重量プロフィールとをコ
   ントロールするよう、前記ワイヤに対する前記スライス
   リップの力を調整する手段（27a）を具え前記ループを
   なす形成ワイヤのうち片方のワイヤ（12）の内側の面と
   係合していることを特徴とする、紙料を脱水ウエブ形成
   ゾーンへ送る装置。
2. 【請求項２】紙料を入れるための加圧ヘッドボックス
   と、狭いスライス開口（21）と、２つのループをなす形
   成ワイヤ（11,12）で構成され前記スライス開口（21）
   と実質的に一線に並んだスロート（13）を与える互いに
   対向して移動する多孔性形成表面とを有する、紙料を脱
   水ウエブ形成ゾーンへ送る装置において： 紙料の噴流が前記スライス開口から前記形成表面まで移
   動する時、その紙料のフリー表面を有しない状態で包含
   されるように前記スライス開口（21）と前記形成ワイヤ
   上の形成表面との間のスペースを橋かけするよう前記ル
   ープをなす形成ワイヤの外側に対向して橋かけ手段（2
   2,23）が配置されており； 前記ループをなす形成ワイヤのうち片方の形成ワイヤ
   （12）の内側の面と係合し、クロスマシン方向へ伸びて
   いる可撓性従動スライスリップ（26）をもつコントロー
   ル手段（26,27,27a）と； 互いに平行に伸びていて、前記可撓性従動スライスリッ
   プ（26）と係合し、前記従動スライスリップの局部的変
   形をコントロールするように個々に調整自在（27a）な
   複数の伸長ロッド（27）と； を有することを特徴とする、紙料を脱水ウエブ形成ゾー
   ンへ送る装置。