JP2740560B2 - 音声符号化回路の試験方式 - Google Patents

音声符号化回路の試験方式

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Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 高能率符号化器及び復号化器を備えた音声符号化回路
の動作が正常か異常かを自己診断することができる方式
に関し、 半周期の間に周波数の変化があっても音声符号化回路
の動作異常が検出できるようにすることを目的とし、 特定周波数のディジタル基準信号を発生する基準信号
発生部と、通常は高能率復号化器の出力を選択し、試験
時には該ディジタル基準信号を選択する第1の切替器
と、該第1の切替器の出力をアナログ信号に変換するD/
A変換器と、通常は入力音声信号を選択し、試験時には
該アナログ信号を選択する第2の切替器と、該第2の切
替器の出力をディジタル信号に変換するA/D変換器と、
該ディジタル信号を符号化して伝送路へ送出する高能率
符号化器と、通常は伝送路からの受信信号を選択し、試
験時は該高能率符号化器の出力を選択して該高能率復号
化器へ送る第3の切替器と、試験時に該高能率復号化器
の出力と該ディジタル基準信号とを半周期毎に乗算して
求めた実効値又は平均値と、該ディジタル基準信号同士
を半周期毎に乗算して求めた実効値又は平均値とを比較
して周波数の正常/異常信号を発生する周波数判定部と
で構成する。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、音声符号化回路の試験方式に関し、特に高
能率符号化器及び復号化器を備えた音声符号化回路の動
作が正常か異常かを自己診断することができる方式に関
するものである。
近年の音声符号化回路は高能率な圧縮・伸長を行うた
め、その回路動作が異常を呈すると大量のデータエラー
を発生させる虞れがある。
このため、音声符号化回路の動作の正常/異常判定が
できる方式が必要とされている。
〔従来の技術〕
第4図は、入力音声信号をA/D変換器6でディジタル
信号に変換した後、このディジタル信号を高能率符号化
器3で符号化して伝送路に送出すると共に、伝送路から
の受信信号を高能率復号化器4で復号化してD/A変換器
5により出力音声信号として再生する従来の音声符号化
回路の試験方式を示したもので、1は試験に際して特定
周波数のディジタル基準信号を発生する基準信号発生
部、2は通常は高能率復号化器4の出力を選択し、試験
時には基準信号発生部1からのディジタル基準信号を選
択する第1の切替器、7は通常は入力音声信号を選択
し、試験時にはD/A変換器5から出力されるアナログ信
号を選択する第2の切替器、8は通常は伝送路からの受
信信号を選択し、試験時は高能率符号化器3の出力を選
択して高能率復号化器4へ送る第3の切替器、そして、
10は試験時に高能率復号化器4の出力と基準信号発生部
1からのディジタル基準信号とをレベル比較して回路動
作に関する正常/異常信号を発生する判定部、である。
尚、第4図において示された各切替器2,7,8の状態は
試験時の状態である。
第5図はレベル判定部10の具体的な内部構成を示した
もので、11,12は、それぞれ加算回路111,121、1ビット
遅延回路112,122、及びシフトレジスタ(SR)113,123で
構成された積算部、13は積算部11,12間の出力差を求め
る減算回路、14は減算回路13で求められた差を蓄積し制
御信号cによってデータを送出するシフトレジスタ、15
は期待値“0"を記憶したメモリ、そして、16はシフトレ
ジスタ24からのデータを期待値“0"と比較してその判定
結果を出力する比較器である。
以上の従来例の動作においては、先ず、第4図におい
て、切替器2,7,8を図示のように試験モードにした後、
基準信号発生部1において、特定周波数のディジタル信
号を発生する(例えば1KHz)。基準信号発生部1から送
出された基準信号はデータAとしてレベル判定部10へ送
られると共にD/A変換器5→切替器7→A/D変換器6→高
能率符号化器3→切替器8→高能率復号化器4のルート
を経由したデータBとしてレベル判定部10に戻ってく
る。
基準信号発生部1からデータAは、各サンプリング点
毎にディジタルデータとして第5図に示す積算部11に入
力され、ここで1ビット遅延回路112で遅延された信号
は、シフトレジスタ113に一時蓄えられ、加算回路111で
次のビットのデータAと1サンプル分づつ加算されて減
算部13に出力される。また、データBも同様に処理され
て減算回路13に出力される。
そして、両者の差ΣA−ΣBはシフトレジスタ14に一
時蓄積され、制御信号cで1周期毎の値が比較器16に出
力され、比較器16では期待値“0"と比較して一致(ΣA
−ΣB=0)すれば回路動作が正常と判定し、不一致で
あれば異常と判定していた。
〔発明が解決しようとする課題〕
このような従来の音声符号化回路の試験方式において
は、第6図(a)に示すように、データAとデータBに
半周期中で周波数の変化がなく回路動作が正常な場合は
必ず上記のようにΣA=ΣBとなるが、同図(b)に示
すように半周期中で周波数に変化があっても、その半周
期中での加算値ΣA及びΣBが等しくなってΣA=ΣB
となってしまう場合(a=a′,b=d′,c=c′,d=
b′,e=e′,f=f′,g=g′)があり、周波数変動に
よる回路動作の異常を発見できないという問題点あっ
た。
そこで、本発明は半周期の間に周波数の変化があって
も音声符号化回路の動作異常が検出できるようにするこ
とを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するため、本発明に係る音声符号化
回路の試験方式では、第1図に原理的に示すように、特
定周波数のディジタル基準信号を発生する基準信号発生
部1と、通常は高能率復号化器4の出力を選択し、試験
時には該ディジタル基準信号を選択する第1の切替器2
と、該第1の切替器2の出力をアナログ信号に変換する
D/A変換器5と、通常は入力音声信号を選択し、試験時
には該アナログ信号を選択する第2の切替器7と、該第
2の切替器7の出力をディジタル信号に変換するA/D変
換器6と、該ディジタル信号を符号化して伝送路へ送出
する高能率符号化器3と、通常は伝送路からの受信信号
を選択し、試験時は該高能率符号化器3の出力を選択し
て該高能率復号化器4へ送る第3の切替器8と、試験時
に該高能率復号化器4の出力と該ディジタル基準信号と
を半周期毎に乗算して求めた実効値と、該ディジタル基
準信号同士を半周期毎に乗算して求めた実効値とを比較
して周波数の正常/異常信号を発生する周波数判定部9
と、を備えている。
また、本発明では、該周波数判定部9が、該実効値の
代わりに平均値を用いてもよい。
〔作用〕
第1図に示す本発明では、第4図に示す従来例のレベ
ル判定部10に代わって周波数判定部9を設けたものであ
り、この周波数判定部9の動作を第2図を参照して説明
する。
周波数判定部9において基準信号発生部1からのディ
ジタルデータAと音声符号化回路を介して高能率復号化
器4から出力されたデータBとを各サンプル毎に乗算を
行う。
この場合、第2図(a)に示すように周波数が等しく
データAの半周期内のサンプリング値a〜gとデータB
の半周期内のサンプリング値a′〜g′とが1対1に対
応しているときには、その乗算値は同図(a)に示すM
のようになり、その実効値はXとなる。
この実効値Xは基準データAが正常に戻って来た場合
(損失は無視する)、基準データA同士を乗算して求め
た実効値Zと同じである。
従って、周波数判定部9では、実効値X=Zであれば
正常動作と判定して正常出力を発生する。
一方、同図(b)に示すように周波数が異なっている
ときには、同様にして求めた実効値Yは上記の実効値Z
とは、Y≠Zの関係に在ることになるので、周波数判定
部9では異常動作と判定して異常出力を発生する。
尚、上記のように実効値で比較する他、平均値を求め
ることによっても全く同様に半周期内での周波数異常を
判定することができる。
〔実施例〕
第3図は、本発明に係る音声符号化回路の試験方式に
用いる周波数判定部9の一実施例を示したもので、この
実施例では、復号化器4(第1図参照)で復号化処理さ
れた直列16ビット(これは第2図に示した半周期分に相
当する)の入力データを1サンプル分遅延回路910で遅
延させて並列に出力する直列/並列・遅延出力回路91
と、遅延出力回路91からの16ビット並列出力と基準信号
発生部1からの16ビット並列基準信号(これは基準デー
タAの並列信号に相当している)とを乗算する並列乗算
回路92と、並列乗算回路92の出力の実効値Xを算出する
実効値算出回路93と、基準信号発生部1からの基準デー
タAを基にしてこのデータA同士を入力した場合、即ち
A×Aの乗算値(損失分を無視する)の実効値Zを算出
する基準実効値算出回路94と、基準実効値XとZを比較
する比較器95(EORゲート)と、比較器95での比較値を1
6ビット毎にラッチするラッチ回路である。尚、制御回
路97は実効値算出回路93の算出動作及びラッチ回路96の
ラッチ動作を半周期に相当する16ビット毎に行わせるた
めのものである。
以上の回路の動作を説明すると、まず試験を行う場合
には、回路を試験モードに切り替えて、基準信号発生部
1から発生された直列16ビットのディジタル基準信号A
を、第1図に示したルート1→2→5→7→6→3→8
→4を介して戻って来たデータBとして周波数判定部9
が受けると、遅延回路91で受信した16ビット中の15ビッ
トを1サンプル分遅延させて並列データとして乗算回路
92に送る。
この乗算回路92では、並列16ビットの基準データA1
〜A16と遅延回路91からの並列ビットとを乗算した後、
実効値算出回路93で実効値Xを算出して比較器95へ送
る。
EORゲートで構成された比較器95では、基準実効値算
出回路94からの実効値Zと上記の実効値Xとを比較し、
不一致(X≠Z)の場合には、不一致出力“1"となりラ
ッチ回路96でラッチして異常判定出力を発生し、一致し
た場合には、ラッチ回路96の出力は“0"となって正常判
定出力を発生する。
尚、実効値の代わりに平均値を用いるときには、算出
回路93,94はそれぞれ平均値算出回路及び基準平均値算
出回路となる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明に係る音声符号化回路の
試験方式によれば、試験時に高能率符号化器の出力とデ
ィジタル基準信号とを半周期毎に乗算して求めた実効値
と、該ディジタル基準信号同士を半周期毎に乗算して求
めた実効値とを比較して周波数の正常/異常信号を発生
する周波数判定部を設けたので、試験信号の符号化/復
号化動作異常を周波数変化に基づいを正確に判定するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る音声符号化回路の試験方式の原
理ブロック図、 第2図は、本発明の動作を説明するための波形図、 第3図は、本発明に係る音声符号化回路の試験方式に用
いる周波数判定部の一実施例を示すブロック図、 第4図は、従来例の構成を示すブロック図、 第5図は、従来例に用いられるレベル判定部の具体例を
示すブロック図、 第6図は、従来例の問題点を説明するための波形図、で
ある。 第1図において、 1……基準信号発生部、2,7,8……切替器、3……高能
率符号化器、4……高能率復号化器、5……D/A変換
器、6……A/D変換器、9……周波数判定部。 図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】特定周波数のディジタル基準信号を発生す
    る基準信号発生部(1)と、 通常は高能率復号化器(4)の出力を選択し、試験時に
    は該ディジタル基準信号を選択する第1の切替器(2)
    と、 該第1の切替器(2)の出力をアナログ信号に変換する
    D/A変換器(5)と、 通常は入力音声信号を選択し、試験時には該アナログ信
    号を選択する第2の切替器(7)と、 該第2の切替器(7)の出力をディジタル信号に変換す
    るA/D変換器(6)と、 該ディジタル信号を符号化して伝送路へ送出する高能率
    符号化器(3)と、 通常は伝送路からの受信信号を選択し、試験時は該高能
    率符号化器(3)の出力を選択して該高能率復号化器
    (4)へ送る第3の切替器(8)と、 試験時に該高能率復号化器(4)の出力と該ディジタル
    基準信号とを半周期毎に乗算して求めた実効値と、該デ
    ィジタル基準信号同士を半周期毎に乗算して求めた実効
    値とを比較して周波数の正常/異常信号を発生する周波
    数判定部(9)と、 を備えたことを特徴とする音声符号化回路の試験方式。
  2. 【請求項2】該周波数判定部(9)が、該実効値の代わ
    りに平均値を用いることを特徴とした請求項1記載の音
    声符号化回路の試験方式。
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