JP2740210B2 - 吸収冷凍機の制御方法 - Google Patents

吸収冷凍機の制御方法

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JP2740210B2 JP29290388A JP29290388A JP2740210B2 JP 2740210 B2 JP2740210 B2 JP 2740210B2 JP 29290388 A JP29290388 A JP 29290388A JP 29290388 A JP29290388 A JP 29290388A JP 2740210 B2 JP2740210 B2 JP 2740210B2
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【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は吸収液ポンプの運転を再生器の吸収液面に基
づいて制御する吸収冷凍機の制御方法に関する。
(ロ)従来の技術 例えば特公昭58−51577号公報には、冷水負荷の変化
に応じて変化する冷水出口温度、再生器温度等の物理量
に基づいて、吸収液ポンプの回転数制御を行うと共に、
再生器の吸収液面に応じて吸収液ポンプの発停を制御す
る吸収冷凍機の制御方法が開示されている。
(ハ)発明が解決しようとする課題 上記従来の技術において、吸収液ポンプが発停した場
合、吸収液の流れが大きく変化し、特に吸収液ポンプが
停止したときには、吸収器から再生器への吸収液の流れ
が停止する。そして、吸収液の流れが停止した場合に
は、吸収器と再生器との間に設けられた熱交換器での熱
交換が停止するため、吸収器に散布される吸収液温度が
上昇し、吸収器での冷媒吸収能力が低下し、冷水出口温
度が上昇し、吸収液ポンプの発停により冷水出口温度が
上昇、及び低下するという問題が発生していた。
本発明は、吸収液ポンプの発停を回避して冷水出口温
度の変動を低減することを目的とする。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明は上記課題を解決するために、再生器(1),
(2)、凝縮器(3)、蒸発器(4)、吸収器(5)、
及び再生器(1),(2)から流出した吸収液と吸収器
(5)から流出した吸収液とが熱交換する熱交換器
(6),(7)をそれぞれ配管接続し、吸収液を吸収器
(5)から再生器(1)へ送る吸収液ポンプ(15)の運
転を再生器(1)の吸収液面に基づいて制御する吸収冷
凍機の制御方法において、吸収冷凍機の起動時、吸収液
ポンプ(15)へ所定周波数の電力を供給して再生器
(1)の吸収液面が低水位から高水位になるまでの時間
を計測し、その時間に応じて起動後吸収液ポンプ(15)
へ送られる電力の周波数を制御する吸収冷凍機の制御方
法を提供するものである。
又、吸収冷凍機の起動時、吸収液面が低水位以上のと
きには吸収液面が低水位より低くなってから吸収液ポン
プ(15)の運転を開始させる吸収冷凍機の制御方法を提
供するものである。
又、起動後、吸収液面高の状態が所定時間継続したと
きには、所定時間経過毎に吸収液ポンプ(15)へ送られ
る電力の周波数を所定周波数減少させる吸収冷凍機の制
御方法を提供するものである。
又、起動後、吸収液面低の状態が所定時間継続したと
きには、所定時間経過毎に吸収液ポンプ(15)へ送られ
る電力の周波数を所定周波数増加させる吸収冷凍機の制
御方法を提供するものである。
さらに、吸収液ポンプ(15)へ送られる電力の周波数
が最高周波数に達した後、再生器(1)の吸収液面低の
状態が所定時間継続した場合には、吸収冷凍機の運転を
停止させる吸収冷凍機の制御方法を提供するものであ
る。
(ホ)作用 吸収冷凍機の起動時、吸収液ポンプ(15)へ所定周波
数の電力を供給し、再生器(1)の吸収液面が低水位か
ら高水位になるまでの時間を計測して、その時間が長い
場合、即ち吸収液面の上昇速度が遅い場合は起動後、吸
収液ポンプへ送られる電力の周波数を大きくし、時間が
短い場合、即ち吸収液面の上昇速度が速い場合は、吸収
液ポンプへ送られる電力の周波数を小さくし、再生器
(1)での冷媒蒸発量に合った稀吸収液が再生器(1)
へ送られ、起動後の再生器(1)での吸収液面の変動が
少なくなり、吸収液ポンプ(15)の発停を抑え、熱交換
器(6),(7)での稀吸収液と濃液及び中間液との熱
交換を継続させ、冷水出口温度を安定させることが可能
になる。
さらに、起動時、再生器(1)の吸収液面が高い場合
には、吸収液面が低水位より低くなってから吸収液ポン
プ(15)へ所定周波数の電力を供給し、再生器(1)の
吸収液面が低水位から高水位になるまでの時間を計測
し、起動時の吸収液面の位置に関係なく吸収液面が上昇
するために要する時間を正確に計測でき、起動後に吸収
液ポンプ(15)へ送られる電力の周波数を正確に設定す
ることが可能になる。
又、起動後、吸収液面高の状態が所定時間継続したと
きには、吸収液ポンプ(15)へ送られる電力の周波数が
所定時間毎に減少し、吸収液ポンプ(15)の能力が次第
に低下し、再生器(1)での冷媒蒸発量に合った量の吸
収液が再生器(1)へ送られ、再生器(1)での吸収液
面高による吸収液ポンプ(15)の停止を回避することが
でき、熱交換器(6),(7)での稀吸収液と濃度が上
昇した吸収液との熱交換が継続し、吸収器(1)での冷
媒吸収能力の低下を回避して蒸発器(4)の冷水出口温
度を安定させることが可能になる。
又、起動後、吸収液面低の状態が所定時間継続したと
きには吸収液ポンプ(15)へ送られる電力の周波数が所
定時間毎に増加し、吸収液ポンプ(15)の能力が次第に
増加し、再生器(1)での冷媒蒸発量に合った量の吸収
液が再生器(1)へ送られ、再生器(1)での吸収液面
低により吸収液ポンプ(15)の能力が直ちに最高にな
り、吸収液面が急激に上昇した吸収液ポンプ(15)が停
止することを回避でき、吸収液ポンプ(15)の発停を防
止して冷水出口温度の変動を抑えることが可能になる。
さらに、起動後、吸収液ポンプ(15)へ送られる電力
の周波数が最高周波数に達した後、吸収液面低の状態が
所定時間継続した場合には、吸収冷凍機の運転が停止す
るため、吸収冷凍機の異常時には運転を速やかに停止さ
せることが可能になり、又、異常運転による吸収冷凍機
の損傷を回避することが可能になる。
(ヘ)実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第1図に示したものは二重効用吸収冷凍機であり、冷
媒に水(H2O)を、吸収剤(吸収液)に臭化リチウム(L
iBr)水溶液を使用したものである。
第1図において、(1)はガスバーナ(1B)を備えた
高温再生器、(2)は低温再生器、(3)は凝縮器、
(4)は蒸発器、(5)は吸収器、(6)は低温熱交換
器、(7)は高温熱交換器、(8)ないし(12)は吸収
液配管、(15)は吸収液ポンプ、(16)ないし(18)は
冷媒配管、(19)は冷媒ポンプ、(21)がガスバーナ
(1B)に接続されたガス配管、(21A)は燃焼制御弁、
(22)は冷水配管、(23)は冷却水配管であり、それぞ
れは第1図に示したように配管接続されている。
又、(24),(25)はそれぞれ高温再生器(1)に設
けられた高吸収液面電極、低吸収液面電極である。さら
に、(26)はマイコン演算装置であり、この演算装置
(26)は高吸収液面電極(24)、及び低吸収液面電極
(25)からの信号に基づいて動作する。又、(26T)は
マイコン演算装置(26)に接続されたタイマ回路であ
り、このタイマ回路(26T)はマイコン演算装置(26)
からの信号に基づいて吸収冷凍機の起動時に吸収液ポン
プ(15)を所定周波数で運転したときに高温再生器
(1)の吸収液面が低水位から高水位になるまでの時間
(T)をカウントすると共に、起動後の運転時、マイコ
ン演算装置(26)からの信号に基づいて所定時間をカウ
ントする。そして、第3図に示したように、時間(T)
が3分より短く吸収液面の上昇速度が速いときには30H
z、時間(T)が3分以上8分以下のときには下記の式
(A)から求められた周波数(H)、時間(T)が8分
より長く吸収液面の上昇速度が遅いときには55Hzの周波
数がマイコン演算装置(26)にて設定される。
H=30+(T−3)×5………(A) 又、(27)はインバータ回路であり、このインバータ
回路(27)はマイコン演算装置(26)から周波数信号を
入力して周波数がセットされ、入力した周波数に吸収液
ポンプ(15)の運転を制御する。又、(28)は冷水出口
温度、冷却水温度に基づいて動作し、燃料制御弁(21
A)の開度等を制御する制御装置である。
上記吸収冷凍機の運転について第3図に示したフロー
チャートに基づいて説明する。吸収冷凍機の起動の際、
高温再生器(1)の吸収液面が低水位(31)以上のとき
には、低吸収液面電極(25)からの信号に基づいてマイ
コン演算装置(26)が動作する。そして、マイコン演算
装置(26)から0Hzの周波数信号がインバータ回路(2
7)へ出力される。このため、吸収液ポンプ(15)はイ
ンバータ回路(27)から電力が供給されず運転を停止し
ている。また、制御装置(28)が動作し、燃料制御弁
(21A)が開き、高温再生器(1)の吸収液がバーナ(1
B)により加熱され、吸収液中の冷媒が蒸発し、吸収液
面が次第に低下する。そして、吸収液面が低水位(31)
より低くなると、低水位信号が低吸収液面電極(25)か
ら出力され、マイコン演算装置(26)が所定(例えば60
Hz)の周波数信号をインバータ回路(27)へ出力する。
そして、吸収液ポンプ(15)にはインバータ回路(27)
から60Hzの交流電力が供給され、高能力運転を始める。
又、マイコン演算装置(26)が低吸収液面電極(25)か
ら低水位信号を入力すると、タイマ回路(26T)へカウ
ント信号を出力し、その時点からタイマ回路(26T)が
カウントを開始する。
吸収液ポンプ(15)が運転を始めると、稀吸収液が吸
収器(5)から高温再生器(1)へ流れる。又、高温再
生器(1)にて吸収液が加熱され、蒸発した冷媒は低温
再生器(2)を経て凝縮器(3)に入り、冷却水配管
(23)内を流れる水と熱交換して凝縮液化した後冷媒配
管(17)を介して蒸発器(4)へ流れる。そして、冷媒
液が冷水配管(22)内の水と熱交換して蒸発し、気化熱
によって冷水配管(22)内の水が冷却される。また、蒸
発器(4)で蒸発した冷媒は吸収器(5)で吸収液に吸
収される。そして、冷媒を吸収して濃度の薄くなった吸
収液が吸収液ポンプ(15)の運転により低温熱交換器
(6)、高温熱交換器(7)を経て高温再生器(1)へ
送られる。高温再生器(1)に入った吸収液はバーナ
(1B)によって加熱され、冷媒が蒸発し、中濃度の吸収
液が高温熱交換器(7)を経て低温再生器(2)に入
る。そして、吸収液は高温再生器(1)から冷媒配管
(16)を流れて来た冷媒蒸気により加熱され、さらに冷
媒が蒸発分離され濃度が高くなる。高濃度になった吸収
液(以下濃液という)は低温熱交換器(6)を経て温度
低下して吸収器(5)へ流れ散布される。
以上のように、吸収冷凍機の運転が行われていると
き、吸収液ポンプ(15)に所定周波数の電力が供給さ
れ、吸収器(5)から高温再生器(1)へ流れる稀吸収
液の量が冷媒の蒸発量より多いため、高温再生器(1)
の吸収液面が次第に上昇する。そして、高温再生器
(1)の吸収液面が高水位(32)になると、高水位信号
が高吸収液面電極(24)からマイコン演算装置(26)へ
出力される。すると、マイコン演算装置(26)からカウ
ント停止信号がタイマ回路(26T)へ出力され、タイマ
回路(26T)が動作しカウントを停止すると共にリセッ
トされる。そしてマイコン演算装置(26)にてカウント
時間、即ち、吸収液ポンプ(15)が60Hzで運転を開始し
て吸収液面が低水位(31)から高水位(32)になるまで
の経過時間に応じて第3図に示したようにマイコン演算
装置(26)の初期周波数が設定される。ここで、経過時
間が例えば2分だった場合には初期周波数が30Hzに設定
され、同じく経過時間が例えば5分の場合には初期周波
数が40Hzに設定され、同じく経過時間が例えば9分の場
合には初期周波数が55Hzに設定される。そして、マイコ
ン演算装置(26)が出力する周波数信号に基づいてイン
バータ回路(27)が動作し、マイコン演算装置(26)に
て設定された周波数の電力を吸収液ポンプ(15)へ出力
し、吸収液ポンプ(15)がインバータ回路(27)からの
出力に基づいて運転される。
上記のように吸収液ポンプ(15)の初期周波数が設定
され、吸収液ポンプ(15)が運転されているとき、高温
再生器(1)での冷媒の蒸発量より吸収器(5)から高
温再生器(1)へ流れる吸収液の量が多い場合には、高
温再生器(1)の吸収液面が次第に上昇する。そして、
吸収液面が高水位(32)になると、高吸収液面電極(2
4)からの高水位信号に基づいてマイコン演算装置(2
6)が動作し、タイマ回路(26T)へカウント信号を出力
し、タイマ回路(26T)がカウントを始める。タイマ回
路(26T)がカウントを開始してから例えば1分経過す
ると、タイマ回路(26T)が動作し、カウントを停止し
て信号を出力すると共にリセットされ、再びカウントを
開始する。そして、タイマ回路(26T)からの信号に基
づいてマイコン演算装置(26)が動作し、周波数が1Hz
低く設定され、マイコン演算装置(26)が出力する周波
数信号が減少する。このため、インバータ回路(27)が
周波数信号に基づいて吸収液ポンプ(15)へ周波数が1H
z減少した電力を出力し、吸収液ポンプ(15)の回転数
は僅かに減少する。そして、吸収器(5)から高温再生
器(1)へ流れる吸収液の量が減少する。その後、タイ
マ回路(26T)がカウントアップする前に高温再生器
(1)の吸収液面が低下し、吸収液面が高水位(32)よ
り低くなると、高吸収液面電極(24)からの信号が変化
し、カウント停止信号がマイコン演算装置(26)からタ
イマ回路(26T)へ出力される。すると、タイマ回路(2
6T)はカウントを停止すると共に、リセットされる。
又、マイコン演算装置(26)が出力する周波数信号は一
定に保たれる。ここで、吸収液面が高水位(32)以上の
状態が継続した場合には、1分経過毎にマイコン演算装
置(26)から出力される周波数信号が1Hzづつ減少す
る。
その後、高温再生器(1)の吸収液面が高水位(32)
と低水位(31)との間にあるときには、マイコン演算装
置(26)は同じ周波数信号を出力する。そして、インバ
ータ回路(27)が出力する電力の周波数は変化せず、吸
収液ポンプ(15)は同じ回転数で運転を続ける。又、蒸
発器(4)の冷水出口温度が上昇すると、制御装置(2
8)が動作して制御弁(21A)の開度が大きくなり、高温
再生器(1)でのバーナ(1B)の発熱量が増加し、冷媒
蒸発量が増加する。そして、高温再生器(1)の吸収液
面が低水位(31)より低くなると、低吸収液面電極(2
5)が低水位信号をマイコン演算装置(26)へ出力す
る。すると、マイコン演算装置(26)が動作し、タイマ
回路(26T)へカウント開始信号を出力し、この信号に
基づいてタイマ回路(26T)はカウントを開始する。そ
して、カウント開始後、所定時間(例えば1分)経過す
る前に高温再生器(1)の冷媒蒸発量が減少し、吸収液
面が上昇して、吸収液面が低水位(31)になった場合に
は、低吸収液面電極(25)からの低水位信号が停止し、
マイコン演算装置(26)が動作し、タイマ回路(26T)
へカウント停止信号を出力する。すると、タイマ回路
(26T)がカウントを停止すると共に、リセットされ
る。そして、マイコン演算装置(26)から出力される周
波数信号は変化せず、吸収液ポンプ(15)の回転数も変
化しない。
又、タイマ回路(26T)がカウントを開始してから高
温再生器(1)の吸収液面が低い状態が継続し、1分経
過すると、タイマ回路(26T)がカウントを停止しマイ
コン演算装置(26)へ信号を出力する。同時に、タイマ
回路(26T)のカウントはリセットされると共に、タイ
マ回路(26T)は再びカウントを開始する。又、タイマ
回路(26T)から信号を入力したマイコン演算装置(2
6)は動作し、周波数が1Hz高く設定され、マイコン演算
装置(26)が出力する周波数信号が増加する。そして、
周波数信号を入力したインバータ回路(27)が吸収液ポ
ンプ(15)へ周波数が1Hz増加した電力を出力する。こ
のため、吸収液ポンプ(15)の回転数は僅かに増加し、
吸収器(5)から高温再生器(1)へ流れる吸収液の量
が増加する。ここで、マイコン演算装置(26)で設定さ
れた周波数が60Hzより低いときには、高温再生器(1)
の吸収液面が高水位(32)に達したかどうか判断され
る。そして、吸収液面が高水位(32)に達してなく、タ
イマ回路(26T)がカウントアップする前に低水位(3
1)以上になった場合には、低吸収液面電極(25)から
の信号に基づいてマイコン演算装置(26)が動作し、タ
イマ回路(26T)へカウント停止信号を出力する。そし
て、タイマ回路(26T)はカウントを停止すると共にリ
セットされる。又、マイコン演算装置(26)は1Hz増加
した周波数信号を継続して出力する。
又、高温再生器(1)の吸収液面が低水位(31)より
低い状態が1分間続き、タイマ回路(26T)がカウント
アップしたとき、吸収液面が低水位(31)より低い場合
には、マイコン演算装置(26)が動作し、周波数が1Hz
高く設定される。以後、吸収液面が低水位(31)より低
いときには上記動作と同様にタイマ回路(26T)による
所定時間経過毎に、マイコン演算装置(26)が動作し、
周波数が1Hz高く設定される。そして、マイコン演算装
置(26)の設定周波数が最高周波数の60Hzになった時、
高温再生器(1)の吸収液面が低水位(31)以上の場合
には、高水位(32)に達しているか否かが判断される。
そして、吸収液面が高水位(32)に達してない場合に
は、マイコン演算装置(26)は60Hzの周波数信号を継続
して出力する。
又、マイコン演算装置(26)の設定周波数が60Hzにな
った時、高温再生器(1)の吸収液面が低水位(31)よ
り低い場合には、マイコン演算装置(26)がタイマ回路
(26T)へカウント開始信号を出力する。その後、所定
時間(例えば3分)が経過する前、即ちタイマ回路(26
T)がカウントアップする前に吸収液面が低水位(31)
以上になった場合には、吸収液面が高水位(32)になっ
たか否かが判断される。そして、高水位(32)になった
場合には、上記と同様に所定時間経過毎に、マイコン演
算装置(26)の設定周波数が1Hzづつ減少する。又、高
温再生器(1)の吸収液面が低水位(31)より低い状態
が続き、所定時間が経過してタイマ回路(26T)がマイ
コン演算装置(26)へ信号を出力した時、吸収液面が低
水位(31)より低い場合には、マイコン演算装置(26)
が動作して制御装置(28)へ停止信号を出力し、所定の
稀釈運転が行われた後、吸収冷凍機が停止する。
そして、吸収冷凍機の点検、修理が行われ、異常箇所
が修理された後、運転が再開される。
上記実施例によれば、吸収冷凍機の起動時、高温再生
器(1)の吸収液面が低水位(31)から高水位(32)に
なるまでの時間をタイマ回路(26T)により計測し、そ
の時間に基づいてマイコン演算装置(26)により吸収液
ポンプ(15)へ送られる電力の周波数が設定されるた
め、高温再生器(1)での冷媒蒸発量に合った吸収液を
高温再生器(1)へ送ることができ、起動後の高温再生
器(1)の吸収液面の変動を少なくし、吸収液ポンプ
(15)の発停を抑えることができる。
又、起動時、吸収液面が低水位(31)以上のときに
は、吸収液面が低水位(31)より低くなってから、吸収
液ポンプ(15)の運転を開始させ、吸収液面が低水位か
ら高水位になるまでの時間をタイマ回路(26T)がカウ
ントするため、起動時の吸収液面の位置に関係なく、吸
収液面が低水位から高水位になるまでの時間を計測する
ことができ、この結果、起動後の吸収液ポンプの回転数
を正確に設定することができる。
又、起動後に高温再生器(1)の吸収液面が高水位
(32)より高い状態が所定時間継続した場合には、タイ
マ回路(26T)がカウントアップする毎にマイコン演算
装置(26)にて設定される周波数が1Hzづつ減少し、吸
収液ポンプ(15)へ送られる電力の周波数が1Hzづつ減
少するため、吸収液面が高い場合に吸収液ポンプ(15)
の運転能力を次第に小さくし、高温再生器(1)での冷
媒蒸発量に合った量の吸収液を高温再生器(1)へ送る
ことができ、高温再生器(1)での吸収液面高による吸
収液ポンプ(15)の停止を回避することができ、低温、
高温両熱交換器(6),(7)での稀吸収液と濃液及び
中間液との熱交換を継続させることができ、吸収液温度
上昇による吸収器(5)での冷媒吸収能力の低下を回避
することができ、蒸発器(1)から略一定温度の冷水を
得ることができる。
又、起動後に、高温再生器(1)の吸収液面が低水位
(31)より低い状態が所定時間継続した場合には、タイ
マ回路(26T)がカウントアップする毎にマイコン演算
装置(26)にて設定される周波数が1Hzづつ増加するた
め、吸収液面が低い場合に吸収液ポンプ(15)の運転能
力を次第に増加させ、高温再生器(1)での冷媒蒸発量
の増加に合った量の吸収液を高温再生器(1)へ送るこ
とができ、高温再生器(1)での吸収液面低により吸収
液ポンプ(15)の能力が直ちに最高になることがなく、
吸収液面の急激な上昇による吸収液ポンプ(15)の停止
を回避でき、吸収液ポンプ(15)の発停を防止し、冷水
温度の変動を抑えることができる。
さらに、高温再生器(1)の吸収液面が低水位(31)
より低い状態が続き、吸収液ポンプ(15)へ送られる電
力の周波数が最高周波数に達した後、吸収液面が低水位
(31)より低い状態が所定時間継続し、タイマ回路(26
T)がカウントアップした場合には、マイコン演算装置
(26)が動作して制御装置(28)へ信号を出力し、吸収
冷凍機の運転を停止させるため、吸収液ポンプ(15)の
最高能力運転が長時間継続することを防止して無駄な運
転を回避することができ、又、吸収冷凍機の異常運転に
よる損傷も防止することができる。
(ト)発明の効果 本発明は以上のように構成された吸収冷凍機の制御方
法であり、吸収冷凍機の起動時、吸収液ポンプを運転さ
せ、再生器の吸収液面が低水位から高水位になるまでの
時間に基づいて、吸収液ポンプへ供給される電力の周波
数を制御するため、再生器での冷媒蒸発量、即ち蒸発器
の冷水負荷に合った吸収液を再生器へ送ることができ、
この結果、起動後の再生器の吸収液面の変化を僅かに抑
え、吸収液ポンプの発停を防止して熱交換器での熱交換
を継続させ、吸収器での冷媒吸収能力の変化を僅かに抑
え、蒸発器の冷水出口温度を安定させることができる。
又、起動時、再生器の吸収液面が低水位以上のときに
は、吸収液面が低水位より低くなってから吸収液ポンプ
の運転を開始させるため、吸収液面が低水位から高水位
になるまでに要する時間を正確に計測することができ、
この結果、再生器での冷媒蒸発量に合った吸収液を正確
に吸収器から再生器へ送ることができ、蒸発器の冷水出
口温度を一層安定させることができる。
又、起動後、吸収液面高の状態が所定時間継続したと
きには、所定時間経過毎に吸収液ポンプへ送られる電力
の周波数を所定周波数減少させるため、吸収液面が高い
場合に吸収液ポンプの能力を次第に小さくし、吸収液面
高による吸収液ポンプの停止を回避して熱交換器での熱
交換を継続させることができ、この結果、吸収器での冷
媒吸収能力の低下を回避して蒸発器の冷水出口温度を安
定させることができる。
さらに、起動後、吸収液面低の状態が所定時間継続し
たときには、所定時間毎に吸収液ポンプへ送られる電力
の周波数を所定周波数増加させるため、吸収液ポンプの
能力を次第に大きくし、吸収液ポンプの能力の大幅な変
動及び吸収液の急激な上昇による吸収液ポンプの停止を
回避でき、この結果、吸収液ポンプの発停を防止し、冷
水温度を安定させることができる。
又、吸収液ポンプへ送られる電力の周波数が最高周波
数に達した後、吸収液面低の状態が所定時間継続した場
合には、吸収冷凍機の運転を停止させるため、吸収冷凍
機の無駄な運転を防止できると共に、異常運転による吸
収冷凍機の損傷を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す吸収冷凍機の回路構成
図、第2図は第1図に示した吸収冷凍機の制御方法を説
明するためのフローチャート、第3図は吸収冷凍機の起
動時にポンプを60Hzで運転させて吸収液面が低水位から
高水位に至るまでの時間に応じて設定したポンプの周波
数の一例を示す図である。 (1)…高温再生器、(2)…低温再生器、(3)…凝
縮器、(4)…蒸発器、(5)…吸収器、(6)…低温
熱交換器、(7)…高温熱交換器、(15)…吸収液ポン
プ。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】再生器、凝縮器、蒸発器、吸収器、及び再
    生器から流出した吸収液と吸収器から流出した吸収液と
    が熱交換する熱交換器をそれぞれ配管接続し、吸収液を
    吸収器から再生器へ送る吸収液ポンプの運転を再生器の
    吸収液面に基づいて制御する吸収冷凍機の制御方法にお
    いて、吸収冷凍機の起動時、吸収液ポンプへ所定周波数
    の電力を供給して再生器の吸収液面が低水位から高水位
    になるまでの時間を計測し、その時間に応じて起動後吸
    収液ポンプへ送られる電力の周波数を制御することを特
    徴とする吸収冷凍機の制御方法。
  2. 【請求項2】吸収冷凍機の起動時、吸収液面が低水位以
    上のときには吸収液面が低水位より低くなってから吸収
    液ポンプの運転を開始させることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の吸収冷凍機の制御方法。
  3. 【請求項3】再生器、凝縮器、蒸発器、吸収器、及び再
    生器から流出した吸収液と吸収器から流出した稀吸収液
    とが熱交換する熱交換器をそれぞれ配管接続し、稀吸収
    液を吸収器から再生器へ送る吸収液ポンプの運転を再生
    器の吸収液面に基づいて制御する吸収冷凍機の制御方法
    において、吸収液面高の状態が所定時間継続したときに
    は所定時間経過毎に吸収液ポンプへ送られる電力の周波
    数を所定周波数減少させることを特徴とする吸収冷凍機
    の制御方法。
  4. 【請求項4】再生器、凝縮器、蒸発器、吸収器、及び再
    生器から流出した吸収液と吸収器から流出した稀吸収液
    とが熱交換する熱交換器をそれぞれ配管接続し、稀吸収
    液を吸収器から再生器へ送る吸収液ポンプの運転を再生
    器の吸収液面に基づいて制御する吸収冷凍機の制御方法
    において、吸収液面低の状態が所定時間継続したとき
    は、所定時間経過毎に吸収液ポンプへ送られる電力の周
    波数を所定周波数増加させることを特徴とする吸収冷凍
    機の制御方法。
  5. 【請求項5】吸収液ポンプへ送られる電力の周波数が最
    高周波数に達した後、再生器の吸収液面低の状態が所定
    時間継続した場合には、吸収冷凍機の運転を停止させる
    ことを特徴とする特許請求の範囲第4項記載の吸収冷凍
    機の制御方法。
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